JP4817347B2 - 類似物の認識促進を実現可能な知育玩具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数ある選択肢の中から類似するものを選択することにより、類似するものを特定の集団として認識することを促進することの実現可能な知育玩具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カラーまたは形が描かれたサイコロを振って、出た目と同じカラーまたは形の描かれたカードを選ぶものや、カラーサイコロを振って、出た目と同じカラーで描かれている絵カードを、カラーボードより選び出すものや、複数枚のカードから同じ絵柄の描かれているカードを選ぶものや、カードに絵で示された数と、同じ数字が書かれたカードを交互に並べていくもの等の知育玩具がある。また、二次元上は同じ形をした複数種類の凹形と凸形をはめ合わせたり、はずしたりすることのできる知育玩具もある。これらにより被知育者に対して、色、数、絵または形を一致させることにより色、数、絵または形に対する認識を促進させることができる。
【0003】
しかしながら、絵または形が違っていても、同じ概念又は類似するものであれば同じ集団に属することができるという認識を促進させることは出来なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、色、数、絵、形または文字や数字等の記号に対する認識を促進することができるだけでなく、同じ概念又は類似するものであれば同じ集団に属することができるという認識を促進する方法及びそれを実現可能な知育玩具を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、類似物の認識促進を実現可能な知育玩具であって、同一大きさ同一外形にして、表面に表される絵柄、色、模様、図形、数、文字や数字等の記号の少なくとも一つによる意匠によって、複数種類に分類できる複数の選択肢と、前記複数の選択肢の中から少なくとも1つ選択された第1の選択肢を嵌め込むように配置可能な第1の配置部と、前記第1の選択肢と類似する類似物を複数選択した第2の選択肢を嵌め込むように配置可能な第2の配置部と、を有することを特徴とする。
【0006】
更に請求項1記載の発明は、前記第1の選択肢に対して、複数の選択肢の中から所定の枚数を選択し正しく組み合わせることにより、第1の選択肢と共通する意匠を集めるように、第2の選択肢を選択して第2の配置部に配置できるようにし、前記第2の配置部の大きさを変更可能なサイズ調整手段を備えることにより、前記第2の配置部に配置できる前記第2の選択肢の数を調整できることを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、第1の選択肢を選択することにより、第2の選択肢を選択する際の目的が明確になる。第1の選択肢から類似するものの概念を様々自由に、発想、想像することができ、思考力、想像力、集中力、ものを様々な視点から捉える能力、思考の柔軟性、独創性、直観力、発想力等を養うことが期待できる。
【0008】
そして、複数ある選択肢から選択した第1、2の選択肢を配置できることにより、所定の数の選択肢のみコンパクトに整然と配置できる。更に第1の選択肢が第1の配置部に配置される事で、明確に視認する事ができ、共通性を有する類似物の選択を行いやすい。
【0009】
更に本発明によれば、複数のものが混在する中から、種類、色、絵柄や図形の形状、抽象概念、数等が類似する類似物を見分けようと考えることにより、思考力、想像力、集中力、ものを様々な視点から捉える能力等を養うことが期待できる。また、類似するという概念そのものを自由に設定できるので、思考の柔軟性、独創性、直観力、発想力を養うことも期待できる。また、被知育者の知能・発達レベルが低い場合は、前記サイズ調整手段によって、選択できる第2の選択肢の数を減らしたり、被知育者の知能・発達レベルが高い場合は、前記サイズ調整手段によって、選択できる第2の選択肢の数を増やしたりすることができ、知能・発達に応じて難易度を変更できる。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の類似物の認識促進を実現可能な知育玩具であって、前記複数の選択肢は異なった意匠の選択肢であって、それぞれの選択肢が少なくとも2つ以上の集団に属するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、複数の選択肢は、例えば色、絵柄等の形状、種類、文字、数、抽象概念等の属性を2つ以上持つので、選択する際の思考の幅を広げ、ものに対する様々な視点による捉え方や、様々な概念に対する認識を促進することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の類似物の認識促進を実現可能な知育玩具であって、前記複数の選択肢の集団が、絵柄、色、模様、図形、数、文字や数字等の記号を含む言葉、数、抽象概念等の少なくとも2つ以上により集団化されていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、絵柄、色、模様、図形、数、文字や数字等の記号を含む言葉、数、抽象概念等の様々な要素や概念に対する理解を促進し、異なった視点に立って、様々な概念の理解を促進することが期待できる。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の類似物の認識促進を実現可能な知育玩具であって、前記第2の配置部の大きさを変更可能なサイズ調整手段を、サイズ調整部材で形成したことを特徴とする。
【0017】
本発明によれば、サイズ調整部材によって前記第2の配置部の大きさを変更可能となることにより、前記第2の配置部に置ける第2の選択肢の数を予め設定することができ、パターン化した遊戯や、知育教育を行うことができる。
【0018】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至3の何れかに記載の類似物の認識促進を実現可能な知育玩具であって、前記第2の配置部の大きさを変更可能なサイズ調整手段を、上下又は左右に移動可能なスライド部材で形成したことを特徴とする。
【0019】
本発明によれば、上下又は左右に移動可能なスライド部材によって前記第2の配置部の大きさを変更可能となることにより、前記第2の配置部に置ける第2の選択肢の数を容易に変更することができ、スムーズに、知能・発達に応じた難易度に対応することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は、複数ある選択肢の中から類似するものを複数選択することにより、類似するものを特定の集団として認識することを促進することを実現可能な知育玩具を提供することである。
【0021】
【実施例】
次に、本発明の好適な実施例を、図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の知育玩具の構造を示す図である。絵柄あるいは模様、図形、色、数、文字や数字等の記号等が描かれた意匠を備え、同一大きさにして同一形状とされたカード4と、第2の溝の大きさを調整するサイズ調整ピース5と、そのカードを1枚のみ嵌め込むことができる大きさの第1の配置部である第1の溝2と、複数枚嵌め込むことできる大きさの第2の配置部である第2の溝3が、少なくも1つずつ組み込まれている台紙1とで構成されている。
【0022】
図2は前記カードの例を示す図である。それぞれのカード4には、複数種類に分類できるような絵柄、色、模様、図形、数、文字や数字等の記号等の組み合わせによって描かれている。絵柄なら乗り物・食べ物、植物、衣類等、色なら赤色、青色、黄色等、模様・図形なら、丸形、三角形、四角形等、数なら1,2,3等、文字ならあ、い、う等で分類できるようなっている。例えば、符号4−aは「青」色に分類できるものであり、符号4−bは「赤」色に分類できるものであり、符号4−cは「緑」色に分類できるものであり、符号4−dは「乗り物」に分類できるものであり、符号4−eは、「食べ物」に分類できるものであり、符号4−fは「四角」に分類できるものである。そして更に例えば、符号4−aのうち「青い車」及び符号4−c「緑の船」は、符号4−dの「乗り物」にも分類でき、複数の分類に属することができる。符号4−eのうち「2個の赤い苺」及び「1枚のパン」や、符号4−fのうち「赤くて四角いポスト」等も同様である。更に、符号4−gにある「あ」や「犬」、「3」等の文字や数字についても着色を施す事で、複数の分類に属する事ができる。又、符号4−hにある「アカ」や「のりもの」、「しかく」等分類概念を示すカードを含ませる事により、分類概念に対応した言葉の理解を促す。
【0023】
また、別のカード構成としては、図5に例示するように、カード1枚に絵柄あるいは模様、図形が描かれているもの8と、その絵柄あるいは模様、図形が、数枚を組み合わせることで完成するカード群9−a, 9−b, 9−c, 9−d, 9−e, 9−f, 9−g, 9−h, 9−iから成っている。(前述のカード4の裏面に描かれても良い。)
【0024】
使用例1として、図3に例示するように、台紙の溝のうち、第1の溝2に、図2のカード4から選択した任意のカードを1枚嵌め込み、そのカードと同じ種類のカードを残りのカードから選んで第2の溝3に嵌め込んでいく。例えば、第1の溝2に「赤いトマト」を嵌め込んだとき、「赤いもの」を集めるとすれば、第2の溝3には図2のカード4から「2個の赤い苺」「赤いTシャツ」「赤い蟹」等を選択し嵌め込んでいく。また、「食べ物」を集めるとすれば、第2の溝3には「白いパン」「ごはん」「2個の赤い苺」等を嵌め込んでも良い。
【0025】
次に、使用例2として、サイズ調整ピース5を使用する例を説明する。例えば図4に例示するように、第2の溝3には通常9枚のカードを嵌め込むところを、その調整ピースを入れることで4枚のカードしか嵌め込めないようにする等、使い方に応じて第2の溝3に入れうるカードの枚数を調整することができる。なお、ここではサイズ調整ピース5をL字型の形としているが、棒状の形にしたり、3枚や6枚しか嵌め込めないようにするなど、被知育者の能力に応じた様々な形状のものを採用しても良い。
【0026】
逆に第2の溝に嵌め込まれた複数のカード群に共通するものを考えて、1枚選び出し第1の溝に嵌め込むこともできる。第2の溝に、「(赤い)苺」「赤いTシャツ」「(赤い)蟹」等が嵌め込まれているとき、第1の溝に「赤い帽子」を嵌め込んだり、「赤いトマト」等を嵌め込む。
【0027】
使用例3として、図5に例示するように、パズル遊びとして、見本となる絵柄あるいは模様、図形のカード8を選択し第1の溝2に入れ、その絵柄あるいは模様、図形がパズル状に分割されているカード9−a,9−b,9−c,9−d,9−e,9−f,9−g,9−h,9−iを選択し、第2の溝3に正しく配置し、第1の溝2に配置されているカードと同じ絵柄あるいは模様、図形を完成させる。また、第1の溝に、文字の書かれているカードを嵌め込み、第2の溝にはそれを表現する絵柄が完成されるようなカードを選択し嵌め込めるようにしても良い。例えば、第1の溝に「とまと」と書かれた文字カードを嵌め込み、第2の溝にはトマトの絵を完成させるようなカードを嵌め込む。
【0028】
又逆に、パズル状に分割されているカードを第2の溝に嵌め込み、絵柄あるいは模様、図形の一部を作り、それから何の絵柄あるいは模様、図形なのかを考えさせて、該当する絵柄あるいは模様、図形、またはそれを表現する文字のカードを選択させ、第1の溝に嵌め込む。
【0029】
以上、好ましい実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術的範囲内で種々に改変できる。例えば、同一台紙上にカードを1枚のみ嵌め込むことができる大きさの第1の溝を複数個設定しても良いし、第1の溝にカードを複数枚嵌め込めるようにしても良い。これにより、複数のルールを同時に設定することができ、複数の課題を混合させるというより高度な遊びが可能となる。
【0030】
その他、台紙上にはカードを複数枚嵌め込むことができる溝を1つのみ設定しても良い。更に台紙同士を連結させる機能を付属させても良い。又台紙の形は家の形であっても良いし、車の形あるいは正方形、円形であっても良い。
【0031】
更に、本実施例では、台紙及びカードを使用しているが、絵柄が印刷されたブロックを、ブロックの形に対応した凹部を有する台に嵌めるように構成しても良い。
【0032】
また、台紙を絵本状として、ストーリーに合せてカードを嵌めるようにしても良い。
【0033】
更に又、台紙本体を「赤い」ものとして、赤いカードを集めたり、台紙本体を「食卓」として、食べ物のカードを集める等、台紙を第1の選択肢の代わりに使用し、台紙には第2の選択肢を配置する第2の溝だけを設けても良い。
【0034】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、次のような効果を有する。
【0035】
本発明によれば、複数のものが混在する中から類似するものを見分けようと考えることにより、思考力、想像力、集中力、ものを様々な視点から捉える能力等を養うことが期待できる。また、類似するという概念そのものを自由に設定できるので、思考の柔軟性、独創性、直観力、発想力を養うことも期待できる。
【0036】
本発明によれば、選択する際の思考の幅を広げ、ものに対する様々な視点による捉え方や、様々な概念に対する認識を促進することができる。
【0037】
本発明によれば、第1の選択肢を選択することにより、第2の選択肢を選択する際の目的が明確になる。第1の選択肢から類似するものの概念を様々自由に、発想、想像することができ、思考力、想像力、集中力、ものを様々な視点から捉える能力、思考の柔軟性、独創性、直観力、発想力等を養うことが期待できる。
【0038】
本発明によれば、複数ある選択肢から選択した第1、2の選択肢を配置できることにより、所定の数の選択肢のみコンパクトに整然と配置できる。更に第1の選択肢が第1の配置部に配置される事で、明確に視認する事ができ、類似物の選択を行いやすい。
【0039】
本発明によれば、被知育者の知能・発達レベルが低い場合は、前記サイズ調整手段によって、選択できる第2の選択肢の数を減らしたり、被知育者の知能・発達レベルが高い場合は、前記サイズ調整手段によって、選択できる第2の選択肢の数を増やしたりすることができ、知能・発達に応じて難易度を変更できる。
【0040】
本発明によれば、分割された第1の選択肢の部分部分を集めて、全体を構成することにより、ものを分解・構成する能力を高めることが期待できる。
【0041】
本発明によれば、様々な形状、模様、色彩、種類に対する認識を促進することが期待でき、異なった視点に立って、様々な概念の理解を促進することが期待できる。
【0042】
本発明によれば、色、形状、種類、数字等の記号を含む言葉、数、抽象概念等の様々な要素や概念に対する理解を促進することが期待できる。
【0043】
本発明によれば、サイズ調整部材によって前記第2の配置部の大きさを変更可能となることにより、前記第2の配置部に置ける第2の選択肢の数を予め設定することができ、パターン化した遊戯や、知育教育を行うことができる。
【0044】
本発明によれば、上下又は左右に移動可能なスライド部材によって前記第2の配置部の大きさを変更可能となることにより、前記第2の配置部に置ける第2の選択肢の数を容易に変更することができ、スムーズに、知能・発達に応じた難易度に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の知育玩具の構造を示す図である。
【図2】 図1に示すカードの例を示す図である。
【図3】 本発明の知育玩具の使用例1を示す図である。
【図4】 本発明の知育玩具の使用例2を示す図である。
【図5】 本発明の知育玩具の使用例3を示す図である。
【符号の説明】
1 台紙
2 第1の溝
3 第2の溝
4 カード
4−a カード
4−b カード
4−c カード
4−d カード
4−e カード
4−f カード
4−g カード
4−h カード
5 サイズ調整ピース
8 カード
9―a カード
9−b カード
9―c カード
9―d カード
9―e カード
9−f カード
9−g カード
9−h カード
9−i カード
Claims (5)
- 同一大きさ同一外形にして、表面に表される絵柄、色、模様、図形、数、文字や数字等の記号の少なくとも一つによる意匠によって、複数種類に分類できる複数の選択肢と、前記複数の選択肢の中から少なくとも1つ選択された第1の選択肢を嵌め込むように配置可能な第1の配置部と、前記第1の選択肢と類似する類似物を複数選択した第2の選択肢を嵌め込むように配置可能な第2の配置部と、を有する台紙を備え、前記第1の選択肢に対して、前記複数の選択肢の中から所定の枚数を選択し正しく組み合わせることにより、前記第1の選択肢と共通する意匠を集めるように前記第2の選択肢を選択して第2の配置部に配置できるようにし、前記第2の配置部の大きさを変更可能なサイズ調整手段を備えることにより、前記第2の配置部に配置できる前記第2の選択肢の数を調整できることを特徴とする類似物の認識促進を実現可能な知育玩具。
- 請求項1において、前記複数の選択肢は異なった意匠の選択肢であって、それぞれの選択肢が少なくとも2つ以上の集団に属するように構成されていることを特徴とする類似物の認識促進を実現可能な知育玩具。
- 請求項2において、前記複数の選択肢の集団が絵柄、色、模様、図形、数、文字や数字等の記号を含む言葉、数、抽象概念等の少なくとも2つ以上により集団化されていることを特徴とする類似物の認識促進を実現可能な知育玩具。
- 請求項1乃至請求項3の何れかにおいて、前記第2の配置部の大きさを変更可能なサイズ調整手段を、サイズ調整部材で形成したことを特徴とする類似物の認識促進を実現可能な知育玩具。
- 請求項1乃至請求項3の何れかにおいて、前記第2の配置部の大きさを変更可能なサイズ調整手段を、上下又は左右に移動可能なスライド部材で形成したことを特徴とする類似物の認識促進を実現可能な知育玩具。
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