JP4817269B2 - 脱硫装置及び発電システム - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、石炭、バイオマス、廃棄物等の固形燃料をガス化した粗ガス中に含
まれる硫黄分を除去する脱硫装置及び発電システムに関する。
近年、バイオマスをエネルギーとして利用することが注目されている。バイオマスのエネルギーの利用方法としては、バイオマスを直接燃焼させて熱エネルギーを得る方法や、バイオマスを熱分解して熱分解ガスを得、更に脱硫・脱塵などの精製を行い一酸化炭素(CO)を主成分とする精製ガスを得る方法等が知られている。
バイオマスから得られた精製ガスは、例えば、溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)や固体酸化物形燃料電池(SOFC)などの高温形燃料電池を備える発電システムに用いられている(例えば、特許文献1参照)。他にも、精製ガスによりガスタービンを駆動させる発電システムも従来から提案されている(例えば、特許文献2参照)。
精製ガスを得るためには熱分解ガスを脱硫することが必要であり、このための脱硫装置が種々提案され、その一つに溶融炭酸塩を用いたものがある(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に係る脱硫装置は、溶融炭酸塩を含む硫化物イオン生成部を具備し、硫黄化合物供給部より供給されるガス中の硫黄分を、硫化物イオン生成部を介して硫黄化合物排出部に流通するガスに移動させて除去するものである。他にも、溶融炭酸塩を用いた脱硫装置としては、溶融炭酸塩の一例である溶融した炭酸ナトリウムに硫黄分を含む粗ガスを流通させ、硫黄分を硫化ナトリウムとして捕捉させるものがある。
しかしながら、熱分解ガス中に含まれる二酸化炭素が多いと、この熱分解ガスを溶融炭酸塩中に流通させても、熱分解ガス中の硫黄分が溶融炭酸塩と反応し難くなり、この結果、熱分解ガス中の硫黄分を捕捉しきれず、確実に脱硫を行えないという問題がある。特にバイオマスをガス化したガス化ガスを脱硫する場合、二酸化炭素の量が多いため、溶融炭酸塩を用いた脱硫装置で脱硫が十分に行われず、硫黄分を相当量含んだガスが燃料電池等に供給されてしまうという問題がある。
なお、このような問題は、バイオマスから得られた熱分解ガス中の硫黄分を脱硫する場合に限らず、勿論、硫黄分を含むガスを脱硫する場合にも同様に存在する。
特開2000−212580号公報 特開2003−138947号公報 特開平11−42421号公報
本発明は、上記状況に鑑みてなされたもので、硫黄分を含むガスから硫黄分を確実に除去し得る脱硫装置及び発電システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、溶融炭酸塩を収容する容器と、硫黄を含む硫黄含有ガスを前記溶融炭酸塩に導入する硫黄含有ガス供給部と、硫黄化合物イオンと反応し得る金属であってイオン化傾向が異なる二種類の金属からそれぞれ形成されて前記溶融炭酸塩中に配設された一対の電極と、前記硫黄含有ガスの硫黄分が、前記溶融炭酸塩と反応すると共に前記一対の電極のうちイオン化傾向が高い電極から前記溶融炭酸塩中に溶出した金属イオンと反応することにより捕捉されたものである精製ガスを前記容器外へ排出する精製ガス排出部とを具備することを特徴とする脱硫装置にある。
かかる第1の態様では、硫黄含有ガスは、その硫黄分が溶融炭酸塩と反応して捕捉されるだけではなく、第2の電極からの金属イオンとも反応して硫化金属として捕捉されるので、より確実に硫黄分を除去することができる。特に、硫黄含有ガス中に二酸化炭素が多く含まれる場合など、溶融炭酸塩に相当量の二酸化炭素が溶け込んでいると、硫黄化合物イオンは溶融炭酸塩と反応し難くなる。しかしながら、このような場合においても、第2の電極からの金属イオンが硫黄化合物イオンと反応して硫化金属となるので、硫黄含有ガスを確実に脱硫することができる。
本発明の第2の態様は、溶融炭酸塩を収容する容器と、硫黄を含む硫黄含有ガスを前記溶融炭酸塩に導入する硫黄含有ガス供給部と、硫黄化合物イオンと反応し得る金属から形成されて前記溶融炭酸塩中に配設された一対の電極と、前記一対の電極の間に電圧を印加することにより前記一対の電極のうち負極から金属イオンを溶出させる電圧印加手段と、前記硫黄含有ガスの硫黄分が、前記溶融炭酸塩と反応すると共に前記金属イオンと反応することにより捕捉されたものである精製ガスを前記容器外へ排出する精製ガス排出部とを具備することを特徴とする脱硫装置にある。
かかる第2の態様では、硫黄化合物イオンと反応し得る金属からなる第1の電極及び第2の電極と電源とを設けることで、硫黄含有ガスの硫黄分を確実に除去することができる。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載する脱硫装置において、前記精製ガス排出部から排出される精製ガスに含まれる硫黄分の硫黄濃度を検出する硫黄濃度検出手段と、前記一対の電極の間を電気的に接続又は切断するスイッチ手段と、前記硫黄濃度が予め定めた閾値以上であるときは前記一対の電極の間を接続させ、前記硫黄濃度が前記閾値未満であるときは前記一対の電極の間を切断する制御信号を前記スイッチ手段に送信する制御手段とを具備することを特徴とする脱硫装置にある。
かかる第3の態様では、硫黄含有ガスの硫黄分が溶融炭酸塩に捕捉される。その後、二酸化炭素が増加するなどの要因により、溶融炭酸塩のみでは硫黄分を捕捉しきれなくなっても、このことを検出して各電極間に電流を流して金属イオンを溶融炭酸塩中に溶出させ、この金属イオンによって硫黄分を捕捉するので、硫黄含有ガスから硫黄分を確実に除去して精製ガスを排出することができる。また、精製ガス中の硫黄濃度が閾値を超えたときだけ各電極間に電流が流れるようになっているのでエネルギーを節約することができる。
本発明の第4の態様は、第1〜第3の何れか一つの態様に記載する脱硫装置において、前記溶融炭酸塩に水酸化物を供給する水酸化物供給手段を具備することを特徴とする脱硫装置にある。
かかる第4の態様では、水酸化物供給手段により容器中の溶融炭酸塩に水酸化物が供給されると、溶融炭酸塩または硫黄含有ガスに含まれる二酸化炭素と水酸化物とが反応して、炭酸塩が生成される。すなわち、容器に水酸化物を供給すると、容器に炭酸塩を供給したのと同様の効果が得られる。また、水酸化物は二酸化炭素を吸収して炭酸塩となるので、二酸化炭素の排出量を低減することができる。
本発明の第5の態様では、第1〜第4の何れか一つの態様に記載する脱硫装置と、バイオマスを熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス生成手段と、前記脱硫装置の前記精製ガス排出部からの精製ガスを用いて発電する発電手段を具備し、前記脱硫装置の前記硫黄含有ガス供給部は、前記熱分解ガス生成手段で生成された前記熱分解ガスを前記容器の前記溶融炭酸塩中に導入するように構成されていることを特徴とする発電システムにある。
かかる第5の態様では、バイオマスから硫黄分を含む熱分解ガスが生成され、熱分解ガスは溶融炭酸塩及び電極からの金属イオンにより確実に脱硫されて精製ガスとなる。そして、この精製ガスを用いて発電手段により発電が行われる。
本発明の第6の態様は、第5の態様に記載する発電システムにおいて、前記熱分解ガス生成手段は、バイオマスを熱分解して熱分解ガス及び炭化物を生成する炭化機であり、前記炭化機により生成された炭化物が供給されると共に該炭化物を燃焼する火炉を備え、前記脱硫装置には、前記火炉内で燃焼した前記炭化物の熱が供給されるように構成されていることを特徴とする発電システムにある。
かかる第6の態様では、バイオマスから熱分解ガスと炭化物とが生成され、熱分解ガスは溶融炭酸塩及び電極からの金属イオンにより確実に脱硫されて精製ガスとなる。そして、この精製ガスを用いて発電手段により発電が行われる。この精製ガスは、単位体積あたりのカロリーが従来よりも高いものとなるため、本態様に係る発電システムは、発電手段として高温型の燃料電池を用いる場合に特に有用である。また、火炉で燃焼された炭化物の熱により容器中で熱分解ガスの精製が行われるので、従来のような大掛かりな脱硫装置を火炉外部に設ける必要がない。
本発明の第7の態様は、第6の態様に記載する発電システムにおいて、前記炭化機は、前記火炉の廃熱により前記バイオマスの熱分解をするように構成されていることを特徴とする発電システムにある。
かかる第7の態様では、火炉の廃熱を炭化物の熱分解に有効利用するため、発電システム全体のエネルギー効率を向上することができる。
本発明の第8の態様は、第6又は第7の態様に記載する発電システムにおいて、前記容器は前記火炉内に配設されていることを特徴とする発電システムにある。
かかる第8の態様では、容器は火炉内に配設されているので、火炉内で燃焼された炭化物の熱エネルギーが最も効率的に容器の炭酸塩に与えられる。また、容器が火炉内に配設されていることから、火炉外部に脱硫装置を一切設ける必要がないため、全体の省スペース化を図ることができる。
本発明によれば、硫黄分を含むガスから硫黄分を確実に除去した精製ガスを排出し得る脱硫装置及び該精製ガスを用いて発電する発電システムが提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
〈実施形態1〉
図1は、実施形態1に係る脱硫装置の概略構成図である。図示するように脱硫装置は、溶融炭酸塩2を貯留する容器1を備えている。容器1には、半分程度、溶融炭酸塩2が貯留され、上部は空間部1aとなっており、後述するように空間部1aに硫黄含有ガスが導入されるようになっている。
また、容器1は、特に図示しないが、炭酸塩を溶融させて溶融炭酸塩とした状態を維持するのに必要な熱を炭酸塩に与える加熱手段が設けられている。
このような炭酸塩としては、炭酸リチウム(LiCO)、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)等の各種アルカリ金属炭酸塩を、単独又は複数混合したものを用いることができる。また、上記アルカリ金属炭酸塩の他に、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、セリウム(Ce)等の炭酸塩を用いることも可能である。本実施形態では、炭酸塩として炭酸ナトリウムを用い、これに相当の熱を加えて溶融炭酸塩2としている。
容器1には、硫黄含有ガス供給部の一例である硫黄含有ガス供給管3が配設されている。硫黄含有ガス供給管3は、容器1の外部から内部の空間部1aに硫黄含有ガスを導入するものである。硫黄含有ガスとは、少なくとも硫黄(S)を含むガスであり、高温の還元雰囲気では、硫化水素(HS)として容器1の空間部1aに導入される。そして、この硫化水素は溶融炭酸塩2に溶け込み、イオン(H、S2−)として溶融炭酸塩2中に存在している。なお、硫黄含有ガス供給部は、溶融炭酸塩2中に直接硫黄含有ガスを導入するように構成してもよい。
また、容器1には、精製ガス排出部の一例である精製ガス排出管4が配設されている。精製ガス排出管4は、容器1の内部の空間部から外部へ精製ガスを排出するものである。精製ガスとは、硫黄含有ガスから硫黄分が脱硫されたガスである。
更に、容器1には、第1の電極5と第2の電極6とが溶融炭酸塩2に浸された状態で固定され、各電極5、6の上部は導線7で接続されている。第1の電極5と第2の電極6とは、硫黄化合物イオンと反応し、且つイオン化傾向が異なる二種類の金属からそれぞれ形成されている。ここで、硫黄化合物イオンとは、硫黄含有ガスから溶融炭酸塩2に溶け込んだ硫黄からなるイオンをいい、例えば、イオン硫黄イオン(S2−)、スルホキシル酸イオン(SO 2−)、亜硫酸イオン(SO 2−)、硫酸イオン(SO 2−)、亜硫酸水素イオン(HSO 2−)から選ばれた少なくとも一種をいう。
このような硫黄化合物イオンと反応し得る金属としては、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、鉛(Pb)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、ストロンチウム(Sr)、マンガン(Mn)又はこれらの金属を含む合金を挙げることができる。これらの金属群から選択した異なる二種類の金属はイオン化傾向が異なる。本実施形態では、第1の電極5を形成する金属として銅(Cu)が用いられ、第2の電極6を形成する金属として亜鉛(Zn)が用いられている。
第1の電極5と第2の電極6とは、イオン化傾向が異なるので、イオン化傾向が高いほうの電極が負極となり、低いほうの電極が陽極となり電極間に電流が流れる。本実施形態では、亜鉛のイオン化傾向は銅のイオン化傾向よりも高いので、第1の電極5が正極となり、第2の電極6が負極となる。このとき、各電極における主要な反応式は次の通りである。
第1の電極5(正極):2H + 2e → H
第2の電極6(負極):Zn → Zn2+ + 2e
すなわち、第1の電極5と第2の電極6と、電解液たる溶融炭酸塩2とからなる電池が容器1に形成されたことになる。
上記に説明した脱硫装置に、硫黄含有ガスが硫黄含有ガス供給管3を介して容器1内に導入されると、次に説明するように硫黄含有ガスが脱硫されて精製ガスが排出される。
還元雰囲気下で生じたHSは、硫黄イオン(S2―)や硫酸イオン(SO 2−)として溶融炭酸塩2に取り込まれ、ナトリウムイオンと反応し、主として硫化ナトリウム(NaS)として捕捉されたり、硫酸ナトリウム(NaSO)として捕捉される。更に、前記反応式に示したように、負極の第2の電極6から亜鉛イオンが溶融炭酸塩2中に溶出しているため、硫黄イオンや硫酸イオンは亜鉛イオンと反応して硫化亜鉛(ZnS)や硫酸亜鉛(ZnSO)として捕捉される。このように、硫黄含有ガスは、その硫黄分が溶融炭酸塩2中に硫化ナトリウム又は硫化亜鉛として捕捉されるため、硫黄分が除去された精製ガスとして精製ガス排出管4を介して外部に排出される。
すなわち、硫黄含有ガスは、その硫黄分が溶融炭酸塩2のナトリウムイオンと反応して硫化ナトリウムとして捕捉されるだけではなく、第2の電極6からの亜鉛イオンとも反応して硫化亜鉛として捕捉されるので、より確実に硫黄分を除去することができる。
特に、硫黄含有ガス中に二酸化炭素が多く含まれる場合など、溶融炭酸塩2に相当量の二酸化炭素が溶け込んでいると、硫黄イオンがナトリウムイオンと反応し難くなる。しかしながら、このような場合においても、第2の電極6からの亜鉛イオンが硫黄イオンと反応して硫化亜鉛となるので、硫黄含有ガスを確実に脱硫することができる。
また、脱硫装置には、水酸化物供給手段の一例である水酸化ナトリウム供給手段108(図中、「NaOH供給手段」と表示した。)が設けられている。水酸化ナトリウム供給手段108は、溶融炭酸塩2に水酸化ナトリウムを供給するよう構成されている。溶融炭酸塩2に水酸化ナトリウムが供給されると、溶融炭酸塩2や硫黄含有ガス中の二酸化炭素が水酸化ナトリウムと反応して、炭酸ナトリウム(炭酸塩)が生成される。
ちなみに、水酸化ナトリウムを供給することなく溶融炭酸塩2で精製ガスの精製を続けると、容器1では、硫黄アルカリ金属等が蓄積され、溶融炭酸塩2が減少するので、容器1の溶融炭酸塩2を適宜取替える必要がある。例えば、容器1内部と外部とを接続する排出管(図示せず)を介して、容器1内の溶融炭酸塩2や硫黄アルカリ金属等を外部へ排出すると共に、新たな炭酸塩を容器1に供給する必要がある。しかしながら、本発明の脱硫装置では、水酸化ナトリウムを溶融炭酸塩2に適宜供給することで、溶融炭酸塩2で精製ガスを精製しつつ、容器1に炭酸塩を供給したのと同様の効果を得られる。さらに、溶融炭酸塩2又は硫黄含有ガスに含まれる二酸化炭素は水酸化ナトリウムに吸収されて炭酸ナトリウムとなるので、二酸化炭素の排出量を低減することができる。
なお、容器1の溶融炭酸塩2を取替える際には、上記のように溶融炭酸塩2に水酸化物を供給して間接的に炭酸塩を供給する場合に限定されず、直接、炭酸塩を容器1内に供給してもよい。
また、水酸化物供給手段としては、水酸化ナトリウムを供給するものに限られず、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、又は水酸化セリウムを供給するものであってもよい。要するに、水酸化物供給手段は、溶融炭酸塩2中の二酸化炭素と反応して炭酸塩を生成しうる水酸化物を容器1内の溶融炭酸塩2に供給するように構成されていればよい。
〈実施形態2〉
実施形態1においては、第1の電極5及び第2の電極6は、イオン化傾向が異なる金属から形成されていたため、電源を設けずとも第2の電極6から亜鉛イオンが溶出したが、別途電源を設け、一方の電極から金属イオンを溶出させてもよい。この場合、同一種類の金属で各電極を形成することができる。
図2は、実施形態2に係る脱硫装置の概略構成図である。なお、実施形態1と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図示するように脱硫装置は、硫黄化合物イオンと反応し得る金属からなる第1の電極5Aと第2の電極6Aが溶融炭酸塩2に浸された状態で容器1に固定されている。本実施形態では、第1の電極5A及び第2の電極6Aを形成する金属として銅(Cu)が用いられている。
また、第1の電極5Aと第2の電極6Aとを接続する導線7には電源8が設けられている。電源8は、第1の電極5Aが正極となり、第2の電極6Aが負極となるように電圧を印加している。
第1の電極5Aと第2の電極6Aとは、同一種類の金属から形成されているのでイオン化傾向も同一であり、従って、そのままでは、実施形態1と同様に各電極間に電流が流れることはないが、電源8を設けたことで、各電極間に電流が流れる。このときの各電極における主要な反応式は次の通りである。
第1の電極5A(正極):Cu2+ + 2e → Cu
第2の電極6A(負極):Cu → Cu2+ + 2e
上記に説明した脱硫装置に、硫黄含有ガスが硫黄含有ガス供給管3を介して容器1内に導入されると、次に説明するように硫黄含有ガスが脱硫されて精製ガスが排出される。
還元雰囲気下で生じたHSは、硫黄イオン(S2―)や硫酸イオン(SO 2−)として溶融炭酸塩2に取り込まれ、ナトリウムイオンと反応し、主として硫化ナトリウム(NaS)として捕捉されたり、硫酸ナトリウム(NaSO)として捕捉される。更に、前記反応式に示したように、負極の第2の電極6から銅イオンが溶融炭酸塩2中に溶出しているため、硫黄イオンや硫酸イオンは銅イオンと反応して硫化銅(CuS)や硫酸銅(CuSO)として捕捉される。このように、硫黄含有ガスは、その硫黄分が溶融炭酸塩2中に硫化ナトリウム又は硫化銅として捕捉されるため、硫黄分が除去された精製ガスとして精製ガス排出管4を介して外部に排出される。
このように、同種の金属からなる第1の電極5A及び第2の電極6Aを用いた場合においても、電源8を設けることで、実施形態1と同様に硫黄含有ガスの硫黄分を確実に除去することができる。
〈実施形態3〉
実施形態2においては、第1の電極5と第2の電極6との間に電源8を設けて常に電流が流れるようにしたが、これに限定されない。精製ガス中に残留する硫黄分の程度に応じて、電流を流すように構成してもよい。
図3は、実施形態3に係る脱硫装置の概略構成図である。なお、実施形態2と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図示するように脱硫装置は、硫黄化合物イオンと反応し得る金属からなる第1の電極5Bと第2の電極6Bが溶融炭酸塩2に浸された状態で容器1に固定されている。本実施形態では、第1の電極5B及び第2の電極6Bを形成する金属として銅(Cu)が用いられている。
また、第1の電極5Bと第2の電極6Bとを接続する導線7には、電源8が設けられ、更に、スイッチ手段の一例であるスイッチ9が設けられている。スイッチ9は、第1の電極5Bと第2の電極6Bとの間を電気的に接続又は切断するものであり、後述する制御部10からの制御信号に基づいて接続又は切断を切替できるように構成されている。スイッチ9は、電気信号(制御信号)により電気回路の開閉を行うものであれば特に限定されないが、例えばスイッチング素子として機能するトランジスタやリレーなどを用いることができる。
精製ガス排出管4には、排出される精製ガス中の硫黄分の硫黄濃度を検出する硫黄分検出手段の一例である硫黄濃度検出センサ11が設けられている。硫黄濃度検出センサ11は、精製ガス排出管4から排出される精製ガス中の硫黄分の硫黄濃度を検出し、その硫黄濃度を後述する制御部10に伝達するように構成されている。
制御手段の一例である制御部10は、電子回路からなり、硫黄濃度検出センサ11から伝達された硫黄濃度を電気信号として受信し、この硫黄濃度に応じて第1の電極5Bと第2の電極6Bとを接続又は切断させる制御信号をスイッチ9に送信する。もちろん、制御部10は電子回路として実装される場合に限定されず、CPU、記憶装置、及び外部機器(硫黄濃度検出センサ11、スイッチ9)との入出力インタフェースを備える一般的な情報処理機器と該情報処理機器で実行されるプログラムとから構成されていてもよい。
制御部10は、予め閾値が設定されており、硫黄濃度が閾値以上であるとき、第1の電極5Bと第2の電極6Bとを電気的に接続させる制御信号をスイッチ9に送信する。この制御信号によりスイッチ9は、第1の電極5Bと第2の電極6Bとを電気的に接続し、正極である第1の電極5Bから負極である第2の電極6Bに電流が流れる。
一方、制御部10は、硫黄濃度が閾値未満であるとき、第1の電極5Bと第2の電極6Bとを電気的に切断させる制御信号をスイッチ9に送信する。この制御信号によりスイッチ9は、第1の電極5Bと第2の電極6Bとを電気的に切断し、正極である第1の電極5Bから負極である第2の電極6Bに電流が流れなくなる。
このように、制御部10により各電極5B、6B間に電流が流されると、第2の電極6Bから銅イオンが溶融炭酸塩2中に溶出し、電流が流されないと、銅イオンが溶出しなくなる(実施形態2参照)。
上記に説明した脱硫装置に、硫黄含有ガスが硫黄含有ガス供給管3を介して容器1内に導入されると、次に説明するように硫黄含有ガスが脱硫されて精製ガスが排出される。なお、脱硫装置は初期状態として、スイッチ9がオフとなっており、第1の電極5Bと第2の電極6Bとが電気的に切断されているとする。
還元雰囲気下で生じたHSは、硫黄イオン(S2―)や硫酸イオン(SO 2−)として溶融炭酸塩2に取り込まれ、ナトリウムイオンと反応し、主として硫化ナトリウム(NaS)として捕捉されたり、硫酸ナトリウム(NaSO)として捕捉される。このとき、溶融炭酸塩2中のナトリウムイオンが相当量存在し、かつ溶融炭酸塩2中に二酸化炭素がそれほど多く存在していなければ、硫黄イオンや硫酸イオンはナトリウムイオンと反応し、硫黄含有ガスから硫黄分が除去されて精製ガスが排出される。この状態では、制御部10は、硫黄濃度検出センサ11を介して取得した硫黄濃度が閾値未満であるので、スイッチ9はオフのままとなる。
一方、溶融炭酸塩2中のナトリウムイオンが少なくなった場合や、溶融炭酸塩2中の二酸化炭素濃度が増大した場合、硫黄イオンや硫酸イオンはナトリウムイオンと反応して硫化ナトリウムとして捕捉され難くなる。この結果、精製ガス排出管4から排出される精製ガスには硫黄分が残留し、次第に精製ガスに残留する硫黄分の硫黄濃度が増加する。更に硫黄分が脱硫しきれずに閾値を超えるような硫黄濃度の精製ガスが排出されると、制御部10は、硫黄濃度検出センサ11を介して取得した硫黄濃度が閾値以上であるので、スイッチ9をオンにする制御信号を送信する。
スイッチ9がオンになると、第1の電極5Bと第2の電極6Bとの間に電流が流れ、溶融炭酸塩中に銅イオンが溶出する。銅イオンが溶融炭酸塩2に溶出すると、硫黄イオンや硫酸イオンが銅イオンと反応して硫化銅や硫酸銅として溶融炭酸塩2中に捕捉される。この結果、捕捉し切れなかった硫黄イオンや硫酸イオンが、スイッチ9のオンとなった後に銅イオンと反応して捕捉されるため、精製ガス中に残留する硫黄分が減少し、最終的には脱硫された精製ガスが排出されることになる。このとき、制御部10は、硫黄濃度検出センサ11を介して取得した硫黄濃度が閾値未満となるので、スイッチ9をオフにする制御信号を送信し、これにより第2の電極6Bから銅イオンの溶出が停止する。
このように、本実施形態の脱硫装置は、硫黄含有ガスの硫黄分を溶融炭酸塩2で捕捉する。その後、二酸化炭素が増加するなどの要因により、溶融炭酸塩2のみでは硫黄分を捕捉しきれなくなっても、このことを検出して各電極5B、6B間に電流を流して銅イオンを溶出させ、この銅イオンによって硫黄分を捕捉するので、硫黄含有ガスから硫黄分を確実に除去して精製ガスを排出することができる。また、精製ガス中の硫黄濃度が閾値を超えたときだけ各電極5B、6B間に電流が流れるようになっているのでエネルギーを節約することができる。
〈実施形態4〉
実施形態1〜実施形態3に説明した脱硫装置は、硫黄含有ガスを脱硫する必要がある設備に適用して有用なものである。このような設備の一つとして、バイオマスを熱分解して得られる熱分解ガスを精製し、これにより得られた精製ガスを用いて発電する発電システムがある。
図4は、実施形態4に係る発電システムの概略構成図である。なお、実施形態3と同一のものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図示するように、実施形態4に係る発電システムは、実施形態3に係る脱硫装置と、バイオマスを熱分解する熱分解ガス生成手段の一例である炭化機101と、炭化物を燃焼する火炉102とを具備している。
炭化機101には、木質系バイオマス、都市ゴミ等の廃棄物系バイオマスおよびこれらの混合バイオマス等が供給される。炭化機101は、バイオマスを蒸し焼きして熱分解し、熱分解ガスと炭化物とを生成する。熱分解ガスは、バイオマス中の揮発分から構成され、主に一酸化炭素、水素、水、炭化水素、タール等からなる。なお、熱分解ガスには、硫黄分などの不純物も含まれており、この熱分解ガスが硫黄含有ガスとして脱硫装置の容器1に供給される。また、炭化物は、炭素、炭等のいわゆるチャーである。
火炉102は、下部のガス化・燃焼部102aと、上部の容器配置部102bとから構成されている。ガス化・燃焼部102aでは、炭化機101から炭化物導入管107を介して供給された炭化物が、ガス化・燃焼部102aに別途導入された空気又は酸素により燃焼されることにより高温ガスが発生し、該高温ガスは上部の容器配置部102bへと導かれる。なお、燃焼した炭化物のうち比較的融点の低い灰分は、火炉102底部から溶融スラグとして排出される。
火炉102の容器配置部102bには、脱硫装置の容器1が配設されている。容器1の内部は火炉102内部の空間とは隔てられており、該内部には炭酸塩2が収容されている。容器1は、前記した高温ガスが充満した容器配置部102bに配設されているため、容器1内の炭酸塩2は高温ガスの熱により加熱され、溶融炭酸塩2となっている。
炭化機101と容器1とは、硫黄含有ガス供給管3を介して接続されている。硫黄含有ガス供給管3の一端は、炭化機101で精製された熱分解ガスが導入されるように炭化機101の上部に配され、硫黄含有ガス供給管3の他端は、容器1内の溶融炭酸塩2中に配されている。炭化機101で生じた熱分解ガスは、硫黄含有ガス供給管3を介して容器1内の溶融炭酸塩2中に供給される。
一方、容器1と発電手段20とは、精製ガス排出管4を介して接続されている。精製ガス排出管4の一端は、容器1内の上部に配され、精製ガス排出管4の他端は発電手段20に接続されている。後述するように、容器1内で精製された精製ガスは、精製ガス排出管4を介して発電手段20に供給される。
発電手段20は、例えば、精製ガス排出管4からの精製ガスが送られる燃料極を備えた溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)から構成されている。MCFCは、一般に、燃料電池の中でも、高効率で、かつ一酸化炭素を燃料として利用可能なものである。
なお、発電手段20としては、精製ガス排出管4からの精製ガスを用いて発電するものであれば特に限定されない。例えば、発電手段20は、精製ガス排出管4からの精製ガスにより作動するガスエンジンと、該ガスエンジンの作動により発動する発電機とから構成されていてもよい。他にも、発電手段20は、精製ガス排出管4からの精製ガスを燃焼するタービン燃焼器と、該タービン燃焼器からの燃焼ガスの膨張により動力を得ることで発電機の駆動を行うガスタービンとから構成されていてもよい。
また、発電手段20と炭化機101とは、発電手段20で生じた廃熱が、熱交換器(図示せず)等を介して、バイオマスを加熱する炭化機101の熱源となるように構成されている。これにより、発電システム全体のエネルギーの効率を改善できる。また、火炉102と炭化機101とは、火炉102で生じた廃熱が、熱交換器(図示せず)等を介して、バイオマスを加熱する炭化機101の熱源となるように構成されている。これにより、更に発電システム全体のエネルギー効率を改善できる。
以上に説明した構成の発電システムでは、炭化機101によってバイオマスから熱分解ガスと炭化物とが生成され、炭化物は容器1内の炭酸塩を溶融させて溶融炭酸塩2を形成するために燃焼される一方、熱分解ガスは次のように精製されて精製ガスとなり、精製ガスは発電手段20に供給される。
硫黄含有ガス供給管3を介して送られた熱分解ガスは、脱硫装置の容器1中の溶融炭酸塩2を流通する。このとき、熱分解ガスは、次に詳言するように、不純物が取り除かれ、精製ガスに精製される。なお、脱硫装置は初期状態として、スイッチ9がオフとなっており、第1の電極5Bと第2の電極6Bとが電気的に切断されているとする。
熱分解ガスに含まれる硫黄分は、還元雰囲気下ではHSとなり、硫黄イオン(S2―)や硫酸イオン(SO 2−)として溶融炭酸塩2に取り込まれ、ナトリウムイオンと反応し、主として硫化ナトリウム(NaS)として捕捉されたり、硫酸ナトリウム(NaSO)として捕捉される。このとき、溶融炭酸塩2中のナトリウムイオンが相当量存在し、かつ溶融炭酸塩2中に二酸化炭素がそれほど多く存在していなければ、硫黄イオンや硫酸イオンはナトリウムイオンと反応し、硫黄含有ガスから硫黄分が除去されて精製ガスが排出される。この状態では、制御部10は、硫黄濃度検出センサ11を介して取得した硫黄濃度が閾値未満であるので、スイッチ9はオフのままとなる。
一方、溶融炭酸塩2中のナトリウムイオンが少なくなった場合や、溶融炭酸塩2中の二酸化炭素濃度が増大した場合、硫黄イオンや硫酸イオンはナトリウムイオンと反応して硫化ナトリウムとして捕捉され難くなる。この結果、精製ガス排出管4から排出される精製ガスには硫黄分が残留してしまう。この状態では、精製ガス排出管4の精製ガスに残留する硫黄分の硫黄濃度は増加する。更に硫黄分が脱硫しきれずに閾値を超えるような硫黄濃度の精製ガスが排出されると、制御部10は、硫黄濃度検出センサ11を介して取得した硫黄濃度が閾値以上であるので、スイッチ9をオンにする制御信号を送信する。
スイッチ9がオンになると、第1の電極5Bと第2の電極6Bとの間に電流が流れ、溶融炭酸塩中に銅イオンが溶出する。銅イオンが溶融炭酸塩2に溶出すると、硫黄イオンや硫酸イオンが銅イオンと反応して硫化銅や硫酸銅として溶融炭酸塩2中に捕捉される。この結果、捕捉し切れなかった硫黄イオンや硫酸イオンが、スイッチ9のオンとなった後に銅イオンと反応して捕捉されるため、精製ガス中に残留する硫黄分が減少し、最終的には脱硫された精製ガスが排出されることになる。このとき、制御部10は、硫黄濃度検出センサ11を介して取得した硫黄濃度が閾値未満となっているので、スイッチ9をオフにする制御信号を送信し、これにより第2の電極6Bから銅イオンの溶出が停止する。
以上のように説明した発電システムによれば、炭化機からの熱分解ガスの硫黄分は溶融炭酸塩2で捕捉される。その後、二酸化炭素が増加するなどの要因により、溶融炭酸塩2のみでは硫黄分を捕捉しきれなくなっても、このことを検出して各電極5、6間に電流を流して銅イオンを溶出させ、この銅イオンによって硫黄分を捕捉するので、熱分解ガスから硫黄分を確実に除去して一酸化炭素、水素を主成分とする精製ガスを発電手段20に供給することができる。すなわち、確実に脱硫された精製ガスが発電手段20に供給されるので、発電手段が硫化腐食されることを防止できる。
なお、炭化機101から導入される熱分解ガスに含まれる未燃分、灰分は、溶融炭酸塩2が液体であるため、容器1内で集塵可能である。更に熱分解ガスに含まれるタールも同様に、溶融炭酸塩2と反応し、分解される。
また、脱硫装置の容器1を火炉102内に配設したため、ガスを精製するための装置を火炉102外部に設ける必要がない。これにより、発電システムの省スペース化を図ることができる。また、従来技術のガス精製装置の如く複雑な構成の脱硫装置、脱塵装置等が不要となるため、発電システムの運用性を高めることができ、更に、このような装置が不要となる分、発電システムに係るコストを削減できる。なお、本実施形態では、容器1は火炉102内に配設されていたが、必ずしも火炉102内に配設する必要はない。例えば、容器の全体又は一部を火炉102外部に配設し、火炉102で燃焼された炭化物の熱エネルギーを、熱交換器等を介して火炉102外部に配設された容器に供給してもよい。この場合でも、高カロリーの精製ガスが精製され、この精製ガスを用いて発電できる。
更に、火炉102内部の空間とは隔てられた容器1内部で熱分解ガスから精製ガスに精製されるため、精製ガスは、炭化物の燃焼に用いられる空気や窒素などにより希釈されることはない。また前記したように、精製ガスは不純物が取り除かれている。これらのことから、単位体積あたりのカロリーが従来よりも高い精製ガスを精製ガス排出管4から供給することができる。このように、本発明の発電システムは、高カロリーの精製ガスを精製するので、特に、高温型の燃料電池、例えば溶融炭酸塩形燃料電池(MCFC)や固体酸化物形燃料電池(SOFC)を発電手段として用いる場合に適用して有用である。
なお、本実施形態の発電システムは、実施形態3に係る脱硫装置を備えていたが、実施形態1又は実施形態2に係る脱硫装置を備えてもよい。実施形態1又は実施形態2に係る脱硫装置を用いる場合であっても、熱分解ガス(硫黄含有ガス)は、その硫黄分が溶融炭酸塩2のナトリウムイオンと反応して硫化ナトリウムや硫酸ナトリウムとして捕捉されるだけではなく、第2の電極6からの亜鉛イオン又は第2の電極6Aからの銅イオンとも反応して硫化亜鉛乃至硫酸亜鉛又は硫化銅乃至硫酸銅として捕捉されるので、より確実に硫黄分を除去することができ、発電手段20に良質な精製ガスが燃料として供給される。
〈他の実施形態〉
実施形態4では、熱分解ガス生成手段は、炭化機101であったが、これに限定されず、バイオマスから熱分解ガスを生成し得るものであればよい。例えば、熱分解ガス生成手段として、低酸素状態(還元雰囲気)においてバイオマスを加熱することにより可燃性のガスである熱分解ガス(硫黄含有ガス)を生成する流動床ガス化炉などのガス化炉を用いることもできる。この場合の発電システムとしては、流動床ガス化炉と、本発明に係る脱硫装置と、発電手段とを具備し、流動床ガス化炉で生成された熱分解ガスを硫黄含有ガス供給管を介して脱硫装置に導入し、この脱硫装置により脱硫された精製ガスを精製ガス排出管を介して発電手段に供給するようにする。
かかる構成の発電システムにおいても、確実に脱硫された精製ガスが発電手段に供給されるため、発電手段を硫化腐食から保護することができる。
硫黄分を含むガスを脱硫する脱硫装置を用いる産業分野や、バイオマスをガス化して燃料として用いたり、液体燃料の原料として用いたりする設備を使用、製造、販売する産業分野で有効に利用し得る。
実施形態1に係る脱硫装置の概略構成図である。 実施形態2に係る脱硫装置の概略構成図である。 実施形態3に係る脱硫装置の概略構成図である。 実施形態4に係る発電システムの概略構成図である。
符号の説明
1 容器
1a 空間部
2 溶融炭酸塩(炭酸塩)
3 硫黄含有ガス供給管
4 精製ガス排出管
5、5A、5B 第1の電極
6、6A、6B 第2の電極
7 導線
8 電源
9 スイッチ
10 制御部
11 硫黄濃度検出センサ
20 発電手段
101 炭化機
102 火炉
102a ガス化・燃焼部
102b 容器配置部
107 炭化物導入管
108 水酸化ナトリウム供給手段

Claims (8)

  1. 溶融炭酸塩を収容する容器と、
    硫黄を含む硫黄含有ガスを前記溶融炭酸塩に導入する硫黄含有ガス供給部と、
    硫黄化合物イオンと反応し得る金属であってイオン化傾向が異なる二種類の金属からそれぞれ形成されて前記溶融炭酸塩中に配設された一対の電極と、
    前記硫黄含有ガスの硫黄分が、前記溶融炭酸塩と反応すると共に前記一対の電極のうちイオン化傾向が高い電極から前記溶融炭酸塩中に溶出した金属イオンと反応することにより捕捉されたものである精製ガスを前記容器外へ排出する精製ガス排出部とを具備する
    ことを特徴とする脱硫装置。
  2. 溶融炭酸塩を収容する容器と、
    硫黄を含む硫黄含有ガスを前記溶融炭酸塩に導入する硫黄含有ガス供給部と、
    硫黄化合物イオンと反応し得る金属から形成されて前記溶融炭酸塩中に配設された一対の電極と、
    前記一対の電極の間に電圧を印加することにより前記一対の電極のうち負極から金属イオンを溶出させる電圧印加手段と、
    前記硫黄含有ガスの硫黄分が、前記溶融炭酸塩と反応すると共に前記金属イオンと反応することにより捕捉されたものである精製ガスを前記容器外へ排出する精製ガス排出部とを具備する
    ことを特徴とする脱硫装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する脱硫装置において、
    前記精製ガス排出部から排出される精製ガスに含まれる硫黄分の硫黄濃度を検出する硫黄濃度検出手段と、
    前記一対の電極の間を電気的に接続又は切断するスイッチ手段と、
    前記硫黄濃度が予め定めた閾値以上であるときは前記一対の電極の間を接続させ、前記硫黄濃度が前記閾値未満であるときは前記一対の電極の間を切断する制御信号を前記スイッチ手段に送信する制御手段とを具備する
    ことを特徴とする脱硫装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する脱硫装置において、
    前記溶融炭酸塩に水酸化物を供給する水酸化物供給手段を具備する
    ことを特徴とする脱硫装置。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載する脱硫装置と、
    バイオマスを熱分解して熱分解ガスを生成する熱分解ガス生成手段と、
    前記脱硫装置の前記精製ガス排出部からの精製ガスを用いて発電する発電手段を具備し、
    前記脱硫装置の前記硫黄含有ガス供給部は、前記熱分解ガス生成手段で生成された前記熱分解ガスを前記容器の前記溶融炭酸塩中に導入するように構成されている
    ことを特徴とする発電システム。
  6. 請求項5に記載する発電システムにおいて、
    前記熱分解ガス生成手段は、バイオマスを熱分解して熱分解ガス及び炭化物を生成する炭化機であり、
    前記炭化機により生成された炭化物が供給されると共に該炭化物を燃焼する火炉を備え、
    前記脱硫装置には、前記火炉内で燃焼した前記炭化物の熱が供給されるように構成されている
    ことを特徴とする発電システム。
  7. 請求項6に記載する発電システムにおいて、
    前記炭化機は、前記火炉の廃熱により前記バイオマスの熱分解をするように構成されている
    ことを特徴とする発電システム。
  8. 請求項6又は請求項7に記載する発電システムにおいて、
    前記容器は前記火炉内に配設されている
    ことを特徴とする発電システム。
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