JP4816523B2 - 偏光素子及びその製造方法、並びに偏光素子用高分子複合体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(2)完全に直鎖であり、天然のデンプンから取り出したアミロースに存在するわずかな分岐構造をも含まない均一な構造を有することから、透明性が高く、引っ張り強度(降伏値)および破断強度などの強度特性がポリビニルアルコールよりも優れたフィルムを形成することができる。
(3)水分含有量が変動した場合であっても、強度等の物性が変化しにくい。
(4)必要に応じて、ヒドロキシ基のエーテル化やエステル化や架橋などの化学修飾が可能である。
前記高分子樹脂層が、
ポリビニルアルコールと、
ポリビニルアルコール部分とアミロース部分とのブロック共重合体と
を含む高分子複合体からなることを特徴とする、偏光素子に係わり、また、その製造方法であって、
ポリビニルアルコール部分とアミロース部分との前記ブロック共重合体を形成する工 程と、
ポリビニルアルコールと前記ブロック共重合体とを含む高分子複合体からなる高分子 複合体層を形成する工程と、
この高分子複合体層における高分子鎖を一定方向に配向させて前記高分子樹脂層を形 成する工程と、
前記高分子樹脂層に前記二色性物質を保持させて前記偏光層を形成する工程と
を有する、偏光素子の製造方法に係わるものである。
ポリビニルアルコールと、
ポリビニルアルコール部分とアミロース部分との前記ブロック共重合体と
からなる、偏光素子用高分子複合体に係わり、また、その製造方法であって、
ポリビニルアルコール部分とアミロース部分との前記ブロック共重合体を形成する工 程と、
ポリビニルアルコールと前記ブロック共重合体とを含む高分子複合体を形成する工程 と
を有する、偏光素子用高分子複合体の製造方法に係わるものである。
ポリビニルアルコールと、
ポリビニルアルコール部分とアミロース部分とのブロック共重合体と
を含む高分子複合体からなることを特徴とする。前記ポリビニルアルコールは成膜性や延伸性に優れているため、前記高分子樹脂層も良好な成膜性および延伸性を有する。また、前記ブロック共重合体の前記アミロース部分は、その高分子鎖がらせん状の二次構造を形成しており、前記二色性物質をらせん構造の内部に取り込み、包接化合物を形成するため、高温下でも前記二色性物質を安定に保持できる。このように前記ポリビニルアルコールと前記アミロース部分とで機能を分担することで、両者の特徴を生かすことができる。しかも、前記アミロース部分は前記二色性物質を包接する機能を有しているだけでよいので、低分子量のアミロースを用いることができる。
前記アミロース部分のヒドロキシ基を一電子酸化してアルコキシルラジカルを生成さ せる工程と、
このアルコキシルラジカルを開始点として酢酸ビニルを付加重合させ、前記アミロー ス部分の側鎖としてポリ酢酸ビニルを生成させる工程と、
このポリ酢酸ビニルを加水分解して前記ポリビニルアルコール部分を生成させる工程 と
を行い、前記ブロック共重合体を得るのがよい。
前記アミロース部分のヒドロキシ基を一電子酸化してアルコキシルラジカルを生成さ せる工程と、
このアルコキシルラジカルを開始点として酢酸ビニルを付加重合させ、前記アミロー ス部分の側鎖としてポリ酢酸ビニルを生成させる工程と、
このポリ酢酸ビニルを加水分解して前記ポリビニルアルコール部分を生成させる工程 と
を行い、前記ブロック共重合体を得るのがよい。
本実施例では、実施の形態の図3に示した工程によって、アミロース−ポリビニルアルコールグラフト共重合体を合成し、図4に示した工程によって、ポリビニルアルコールとアミロースとアミロース−ポリビニルアルコールグラフト共重合体とを含む高分子複合体からなる偏光膜を作製した例について説明する。
まず、アミロース(Mw=800,000)2.0gを脱イオン水200mLに溶解した。アルゴン雰囲気下で、この水溶液に硝酸二アンモニウムセリウム(IV)(CAN)2.367g、および酢酸ビニル(VAc)モノマー21.4mLを続けて加え、60℃にて3時間撹拌して反応させ、さらに室温で終夜撹拌した。その後、10000回転/minで10分間、遠心分離を行い、濾過、洗浄後、風乾した。さらに減圧下で乾燥させ、白色固体15.61gを得た(重合率68%)。
Claims (18)
- 配向した高分子鎖を有する高分子樹脂層に二色性物質が保持されて形成された偏光層を有し、
前記高分子樹脂層が、
ポリビニルアルコールと、
アミロース部分とポリビニルアルコール部分とのブロック共重合体と
を含む高分子複合体からなる、偏光素子。 - 前記ブロック共重合体がグラフト共重合体である、請求項1に記載した偏光素子。
- 前記ブロック共重合体の前記アミロース部分が、酵素によって合成された合成アミロースである、請求項1に記載した偏光素子。
- 前記二色性物質がポリヨウ化物塩又はヨウ素である、請求項1に記載した偏光素子。
- 前記偏光層に支持体及び/又は保護層が設けられている、請求項1に記載した偏光素子。
- 配向した高分子鎖を有する高分子樹脂層に二色性物質が保持されて形成された偏光層を有し、
前記高分子樹脂層が、
ポリビニルアルコールと、
アミロース部分とポリビニルアルコール部分とのブロック共重合体と
を含む高分子複合体からなる偏光素子を製造するに際し、
アミロース部分とポリビニルアルコール部分との前記ブロック共重合体を形成する工 程と、
ポリビニルアルコールと前記ブロック共重合体とを含む高分子複合体からなる高分子 複合体層を形成する工程と、
前記高分子複合体層における高分子鎖を一定方向に配向させて前記高分子樹脂層を形 成する工程と、
前記高分子樹脂層に前記二色性物質を保持させて前記偏光層を形成する工程と
を行う、偏光素子の製造方法。 - 予め前記アミロース部分に前記二色性物質を保持させる工程を行い、この二色性物質を保持した前記アミロース部分を用いて前記ブロック共重合体を形成し、このブロック共重合体を用いて前記高分子樹脂層を形成する、請求項6に記載した偏光素子の製造方法。
- 前記ブロック共重合体をグラフト共重合によって形成する、請求項6に記載した偏光素子の製造方法。
- 前記グラフト共重合において、
前記アミロース部分のヒドロキシ基を一電子酸化してアルコキシルラジカルを生成さ せる工程と、
前記アルコキシルラジカルを開始点として酢酸ビニルを付加重合させ、前記アミロー ス部分の側鎖としてポリ酢酸ビニルを生成させる工程と、
前記ポリ酢酸ビニルを加水分解して前記ポリビニルアルコール部分を生成させる工程 と
を行い、前記ブロック共重合体を形成する、請求項8に記載した偏光素子の製造方法。 - 前記ブロック共重合体の前記アミロース部分として、酵素によって合成された合成アミロースを用いる、請求項6に記載した偏光素子の製造方法。
- 前記二色性物質としてポリヨウ化物塩又はヨウ素を用いる、請求項6に記載した偏光素子の製造方法。
- ポリビニルアルコールと、
アミロース部分とポリビニルアルコール部分とのブロック共重合体と
からなる、偏光素子用高分子複合体。 - 前記ブロック共重合体がグラフト共重合体である、請求項12に記載した偏光素子用高分子複合体。
- 前記ブロック共重合体の前記アミロース部分が、酵素によって合成された合成アミロースである、請求項12に記載した偏光素子用高分子複合体。
- ポリビニルアルコールと、
アミロース部分とポリビニルアルコール部分とのブロック共重合体と
を含む偏光素子用高分子複合体を製造するに際し、
アミロース部分とポリビニルアルコール部分との前記ブロック共重合体を形成する工 程と、
ポリビニルアルコールと前記ブロック共重合体とを含む高分子複合体を形成する工 程と
を有する、偏光素子用高分子複合体の製造方法。 - 前記ブロック共重合体をグラフト共重合によって形成する、請求項15に記載した偏光素子用高分子複合体の製造方法。
- 前記グラフト共重合体において、
前記アミロース部分のヒドロキシ基を一電子酸化してアルコキシルラジカルを生成さ せる工程と、
前記アルコキシルラジカルを開始点として酢酸ビニルを付加重合させ、前記アミロー ス部分の側鎖としてポリ酢酸ビニルを生成させる工程と、
前記ポリ酢酸ビニルを加水分解して前記ポリビニルアルコール部分を生成させる工程 と
を行い、前記ブロック共重合体を得る、請求項16に記載した偏光素子用高分子複合体の製造方法。 - 前記ブロック共重合体の前記アミロース部分として、酵素によって合成された合成アミロースを用いる、請求項15に記載した偏光素子用高分子複合体の製造方法。
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