JP4599576B2 - 偏光フィルムおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
(a)α−1,4−グルカンおよびその修飾物の少なくとも1種、および
(b)二色性物質、
を含む偏光層を有する偏光フィルム、を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
偏光層および保護層を有する偏光フィルムであって、
この保護層は、エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾によって修飾された、1種またはそれ以上のα−1,4−グルカン修飾物を含み、および
この偏光層は、保護層に含まれるα−1,4−グルカン修飾物を脱修飾させることによって得られた、α−1,4−グルカン、および(b)二色性物質、を含む、
偏光フィルム、が挙げられる。
偏光層および保護層を有する偏光フィルムであって、
この偏光層は、α−1,4−グルカン、および(b)二色性物質、を含み、および
この保護層は、偏光層に含まれるα−1,4−グルカンを、エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される修飾によって得られた、1種またはそれ以上のα−1,4−グルカン修飾物を含む、
偏光フィルム、が挙げられる。
α−1,4−グルカンおよびその修飾物の少なくとも1種(a)を含むフィルムを形成する、フィルム形成工程、
形成されたフィルムを配向させる配向工程、および
配向されたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色する染色工程、
を包含する方法が挙げられる。
エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾によって修飾された、1種またはそれ以上のα−1,4−グルカン修飾物を含むフィルムを形成する、フィルム形成工程、
形成されたフィルムを配向させる配向工程、
配向されたフィルムを脱修飾させる、脱修飾工程、および
脱修飾れたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色する、染色工程、
を包含する方法が挙げられる。
エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾によって修飾された、1種またはそれ以上のα−1,4−グルカン修飾物を含むフィルムを形成する、フィルム形成工程、
形成されたフィルムの片面を脱修飾させる、脱修飾工程、
得られたフィルムを配向させる配向工程、および
配向されたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色して、脱修飾した部分を染色する、染色工程、
を包含する方法が挙げられる。
α−1,4−グルカンを含むフィルムを形成するフィルム形成工程、
形成されたフィルムの片面を、エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾を行う、修飾工程、
得られたフィルムを配向させる配向工程、および
配向されたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色して、α−1,4−グルカンを染色する、染色工程、
を包含する方法が挙げられる。
用語「分散度Mw/Mn」とは、重量平均分子量Mwに対する数平均分子量Mnの比(すなわち、Mw÷Mn)である。高分子化合物は、タンパク質のような特別の場合を除き、その由来が天然または非天然のいずれであるかに関わらず、その分子量は単一ではなく、ある程度の幅を持っている。そのため、高分子化合物の分子量の分散程度を示すために、高分子化学の分野では通常、分散度Mw/Mnが用いられている。この分散度は、高分子化合物の分子量分布の幅広さの指標である。分子量が完全に単一な高分子化合物であればMw/Mnは1であり、分子量分布が広がるにつれてMw/Mnは1よりも大きな値になる。本明細書中で「分子量」という用語は、特に断りのない限り重量平均分子量(Mw)を指す。
本発明の偏光フィルムは偏光層を有する。そして偏光層には、(a)α−1,4−グルカンおよびその修飾物の少なくとも1種(以下「α−1,4−グルカン類」と記載することもある。)、および(b)二色性物質、が含まれる。
(1)生物資源である糖質を原料として製造される;
(2)天然澱粉と同様にグルコース残基のみで構成されており、α−1,4−グルカンも、その分解中間体も、そして最終分解物に至るまで環境および生体に対して毒性がない;
(3)分子量分布が狭く(Mw/Mnが1.1以下)、製造条件を適切に制御することによって任意の重合度(約60〜約37000)を有するものが得られる;
(4)完全に直鎖であり、天然澱粉から分画したアミロースに認められるわずかな分岐構造をも含まない;
(5)皮膜の酸素透過性が低い;
(6)皮膜中の水分量が変動した場合であっても、強度等の物性が変化しにくい;
(7)必要に応じて澱粉と同様の化学修飾が可能である。
エステル化によって、α−1,4−グルカンを構成するグルコース残基に含まれる水酸基の水素を置換することができるアシル基として、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、ベンゾイル基、アクリロイル基、メタクリロイル基などが挙げられる。
(I)生物資源由来で生分解性であることから、環境への負荷を低減できる。
(II)分子量分布が狭く任意の重合度のものを合成できるため、フィルムの物性を容易に制御することができる。
(III)枝分かれのない均一な構造であることから、フィルムの透明性が高く、高強度である。
(IV)酸素透過性が低いため、液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置等に使用した場合、装置を構成する他の材料の酸化による劣化を防ぐことができる。
(V)水分の影響をうけにくく、高温高湿下でも十分な性能を発揮することができる。
本発明の偏光フィルムの製造は、一般に以下に示す方法によって行うことができる。ただしその順番や組み合わせはこれに限ったものではなく、最適な方法を選択することができる。まず、α−1,4−グルカン類(a)を主成分とするフィルムを作製する。これを延伸し、次いで二色性物質(b)を加える。これにより二色性物質(b)がα−1,4−グルカン類(a)のフィルム中で配向することとなり、偏光性を有する偏光層が得られる。延伸と二色性物質添加の順序は何れが先であってもよく、またこれらを同時に行うこともできる。その後、必要に応じて、偏光層の少なくとも一面に保護層を形成することができる。
α−1,4−グルカンおよびその修飾物の少なくとも1種(a)を含むフィルムを形成する、フィルム形成工程、
形成されたフィルムを配向させる配向工程、および
配向されたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色する染色工程、
を包含する方法が挙げられる。この方法は、二色性物質(b)としてヨウ素を用いる場合などに用いることができるが特に限定されるものではなく、二色性染料を用いる場合にも用いることができる。
α−1,4−グルカンおよびその修飾物の少なくとも1種(a)を含むフィルムを形成する、フィルム形成工程、
形成されたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色する染色工程、および
染色されたフィルムを配向させる配向工程、
を包含する方法が挙げられる。この方法は、二色性物質(b)として二色性染料などを用いる場合などに用いることができるが特に限定されるものではなく、ヨウ素を用いる場合にも用いることができる。
エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾によって修飾された、1種またはそれ以上のα−1,4−グルカン修飾物を含むフィルムを形成する、フィルム形成工程、
形成されたフィルムを配向させる配向工程、
配向されたフィルムを脱修飾させる脱修飾工程、および
脱修飾れたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色する、染色工程、
を包含する方法が挙げられる。α−1,4−グルカン修飾物は、α−1,4−グルカンよりも容易に延伸配向させることができるという利点を有する。このような方法を用いることによって、偏光フィルムをより容易に調製することができる。
エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾によって修飾された、1種またはそれ以上のα−1,4−グルカン修飾物を含むフィルムを形成する、フィルム形成工程、
形成されたフィルムの片面を脱修飾させる、脱修飾工程、
得られたフィルムを配向させる配向工程、および
配向されたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色して、脱修飾した部分を染色する、染色工程、
を包含する方法が挙げられる。この方法は、二色性物質(b)としてヨウ素を用いる場合などに用いることができるが特に限定されるものではなく、二色性染料を用いる場合にも用いることができる。
エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾によって修飾された、1種またはそれ以上のα−1,4−グルカン修飾物を含むフィルムを形成する、フィルム形成工程、
形成されたフィルムの片面を脱修飾させる、脱修飾工程、
得られたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色して、脱修飾した部分を染色する、染色工程、および
染色されたフィルムを配向させる配向工程、
を包含する方法が挙げられる。この方法は、二色性物質(b)として二色性染料などを用いる場合などに用いることができるが特に限定されるものではなく、ヨウ素を用いる場合にも用いることができる。
α−1,4−グルカンを含むフィルムを形成するフィルム形成工程、
形成されたフィルムの片面を、エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾を行う、修飾工程、
得られたフィルムを配向させる配向工程、および
配向されたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色して、α−1,4−グルカンを染色する、染色工程、
を包含する方法が挙げられる。この方法は、二色性物質(b)としてヨウ素を用いる場合に適した方法である。
α−1,4−グルカンを含むフィルムを形成するフィルム形成工程、
形成されたフィルムの片面を、エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾を行う、修飾工程、
得られたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色して、α−1,4−グルカンを染色する、染色工程、および
染色されたフィルムを配向させる配向工程、
を包含する方法が挙げられる。この方法は、二色性物質(b)として二色性染料などを用いる場合に適した方法である。
Tc:直行透過率(%)
15mMリン酸緩衝液(pH7.0)、106mMスクロース、及びマルトオリゴ糖混合物(テトラップH、林原製)5.4mg/リットルを含有する反応液(1リットル)に、馬鈴薯塊茎由来の精製グルカンホスホリラーゼ(1単位/ml)と、Streptococcus mutans由来スクロースホスホリラーゼ(1単位/ml)を加えて37℃で16時間保温し、反応終了後、生成したα−1,4−グルカンの収率(%)、重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を決定した。その結果、重量平均分子量が1250kDa、分子量分布(Mw/Mn)が1.03のα−1,4−グルカンを得た。
還流器付反応容器で、ピリジン1Lに、製造例1で得られたα−1,4−グルカンの濃度が5重量%となるように加え、無水酢酸160mlを滴下して、100℃において60分反応させた。反応後、エタノールを添加して生成物を析出させ、ろ過後、数回水で洗浄し、精製した。得られたアセチル化α−1,4−グルカンの置換度は2.90であった。
α−1,4−グルカンからのフィルム作製
製造例1で得られた重量平均分子量が1250kDaのα−1,4−グルカンを5重量%で室温の蒸留水に溶解した。この溶液を基板上に流延し、30℃に保った乾燥機で乾燥させて、厚さ約100μmのα−1,4−グルカンフィルムを得た。
こうして得られたα−1,4−グルカンのフィルムを短冊状に切り取り、エタノールと水の混合溶媒(容量比で2:1)に漬けた。これを取り出して空気中で元の長さの1.5倍、2.0倍、2.5倍、3.0倍になるようにそれぞれ延伸し、乾燥させた。延伸したフィルムを緊張状態に保ったまま、ヨウ素(I2)の飽和蒸気に接触させてヨウ素を吸着させ、偏光フィルムを得た。
アセチル化α−1,4−グルカンフィルムからの偏光フィルムの作製
製造例2で得られたアセチル化α−1,4−グルカンを5重量%でクロロホルムに溶解した。この溶液をポリエステルの基板上に流延し、室温で乾燥させて、厚さ約100μmのフィルムを得た。このフィルムを基板から剥がした後に短冊状に切り取り、空気中で元の長さの5.0倍になるように延伸した。延伸したフィルムを緊張状態に保ったまま、メタノールに対してアルカリ触媒であるナトリウムメトキシドを0.15重量%で溶解した溶液に浸漬し、6時間緩やかに振盪攪拌した。その後フィルムをメタノールで洗浄し、乾燥して脱修飾されたα−1,4−グルカンの延伸フィルムを得た。その後、この延伸フィルムを緊張状態に保ったまま、ヨウ素(I2)の飽和蒸気に接触させてヨウ素を吸着させ、偏光フィルムを得た。
アセチル化α−1,4−グルカンからの片面けん化フィルム作製
製造例2で得られたアセチル化α−1,4−グルカンを5重量%でクロロホルムに溶解した。この溶液をポリエステルの基板上に流延し、室温で乾燥させて、厚さ約100μmのフィルムを得た。このフィルムを基板からはがさずに、30℃の1N水酸化ナトリウム溶液に12分間浸漬してけん化をおこなった後、流水で洗浄した。50℃の乾燥機で乾燥後、基板からフィルムをはがして、片面がけん化されたアセチル化α−1,4−グルカンフィルムを得た。
こうして得られた片面をけん化したα−1,4−グルカンのフィルムを短冊状に切り取り、エタノールと水の混合溶媒(容量比で2:1)に漬けた。これを取り出して空気中で元の長さの2.5倍になるように延伸し、乾燥させた。延伸したフィルムを緊張状態に保ったまま、ヨウ素(I2)の飽和蒸気に接触させてヨウ素を吸着させ、偏光フィルムを得た。この偏光フィルムの偏光度を測定したところ、94.8%であった。
ポリビニルアルコール(重合度約2000、完全けん化物)は、5重量%で室温の蒸留水に分散し、その後攪拌しながら90℃まで昇温して完全に溶解させた。また澱粉(ハイアミロースコーンスターチ)を5重量%で室温の蒸留水に分散させ、オートクレーブを用いて130℃で溶解した。この溶液を実施例1と同様な方法で流延、乾燥した。その結果、ポリビニルアルコールの溶液からは厚さ約100μmのフィルムが得られた。それに対して、澱粉から得られたフィルムは非常に脆く、ひび割れが多数生じたため、以降の試験に用いることができなかった。
比較例1で得られたポリビニルアルコールのフィルムを短冊状に切り取り、空気中で元の長さの2.0倍、3.0倍、4.0倍、5.0倍になるように延伸した。延伸倍率が3倍以上ではフィルムが白濁した。延伸したフィルムを緊張状態に保ったまま、実施例2と同様にヨウ素の蒸気に接触させたが、ヨウ素は吸着せず、偏光フィルムは得られなかった。
比較例2で得られた延伸したポリビニルアルコールのフィルムを、緊張状態に保ったままヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が0.04/0.4/100の水溶液に25℃で60秒間浸漬した。次いでヨウ素/ヨウ化カリウム/水の重量比が4/4/100の水溶液に25℃で180秒間浸漬し、蒸留水で洗浄後、乾燥して偏光フィルムを得た。
α−1,4−グルカン、およびポリビニルアルコールとヨウ素との相互作用について、等温滴定型熱量計(Micro Cal社製VP-ITC)を用いて比較した。製造例1で得られたα−1,4−グルカン、およびポリビニルアルコール(重合度約2000、完全けん化物)を、0.05重量%となるように、ヨウ化カリウム(KI)溶液(200mM)に溶解し、高分子溶液を作成した。高分子溶液1419μlをVP-ITCのサンプルセルに入れ、10μlのヨウ素液(5.4mM I2、200mM KI)を270秒間隔で滴下し、高分子とヨウ素の相互作用による温度変化を測定した。さらに、ヨウ素液滴下によるヨウ素の希釈熱を測定するため、高分子を含まないKI溶液(200mM)をサンプルセルに入れ同様の実験を行った。また、ポリビニルアルコールの希釈熱を測定するため、ポリビニルアルコール溶液に、ヨウ素を含まないKI溶液(200mM)を滴下する実験も実施した。これら4つの滴定実験の実測データを図8〜11に示す。α−1,4−グルカンの場合(図8)、ヨウ素液の滴下に伴いヨウ素-アミロース複合体(包接化合物)形成に伴う、大きな発熱ピークが見られた。しかしながら、ポリビニルアルコールの場合(図9)、ヨウ素の希釈熱(図10)とポリビニルアルコールの希釈熱(図11)の合計と同程度の熱量しか検出されなかった。このことから、ポリビニルアルコールはα−1,4−グルカンと異なり、ヨウ素と複合体(包接化合物)を形成しないことが示された。
上記実施例1および比較例1で得られたフィルムについて引張強度試験を行った。結果を表1に示す。α−1,4−グルカンからなるフィルムの方が、ポリビニルアルコールからなるフィルムに比べて高い強度を示した。
上記実施例1および比較例1で得られた、ヨウ素染色前のフィルムについて吸光度の測定を行った。吸光度スペクトル結果を図6に示す。α−1,4−グルカンは波長が400nm以上の可視光領域の全域にわたって吸収がなく、また200〜400nmの紫外領域でも、ポリビニルアルコールに比べて非常に低い吸収しか持たないことが分かった。
製造例1のα−1,4−グルカンおよび澱粉(コーンスターチ)、ポリビニルアルコールの3種類について、生分解性試験を行った。分解率の経時変化のグラフを図7に示す。α−1,4−グルカンおよび澱粉は数日で分解が認められたのに対し、ポリビニルアルコールは12日経過してもほとんど分解しなかった。
実施例1で得られたα−1,4−グルカンの偏光フィルム、および比較例3で得られたポリビニルアルコールの偏光フィルムの偏光度を測定した。結果を表2に示す。表2によれば、α−1,4−グルカンは2倍程度の延伸倍率でも十分な偏光性をもち、ポリビニルアルコールの偏光フィルムに比べて、より低延伸倍率において十分な偏光効果を発揮できることが分かる。
さらに、本発明に用いられるα−1,4−グルカン類は、(b)二色性物質として用いることができるヨウ素に対して独自の配向メカニズムを有する。これにより、薄型であって優れた光学特性を有する偏光フィルムを提供することができる。本発明の偏光フィルムは、近年の環境問題および携帯端末素子などのの小型化・軽量化の両方の課題を解決することができ、産業上の有用性が非常に高いものである。
3…偏光層、
5…保護層、
7…フィルム、
8…フィルム。
Claims (19)
- (a)α−1,4−グルカンおよびその修飾物の少なくとも1種、および
(b)二色性物質、
を含む偏光層を有する、偏光フィルムであって、
該(a)α−1,4−グルカンおよびその修飾物の少なくとも1種の分子量が100kDa〜6000kDaであり、および
α−1,4−グルカンが酵素合成α−1,4−グルカンである、
偏光フィルム。 - α−1,4−グルカン修飾物が、エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾によって修飾されたα−1,4−グルカンである、請求項1記載の偏光フィルム。
- 前記(b)二色性物質がヨウ素である、請求項1または2記載の偏光フィルム。
- さらに、偏光層の少なくとも1面上に設けられた保護層を有する、請求項1〜3いずれかに記載の偏光フィルム。
- 前記保護層および偏光層に含まれるα−1,4−グルカンの修飾置換度が連続的に変化する、請求項4記載の偏光フィルム。
- 偏光層および保護層を有する偏光フィルムであって、
該保護層は、エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾によって修飾された、1種またはそれ以上のα−1,4−グルカン修飾物を含み、および
該偏光層は、保護層に含まれるα−1,4−グルカン修飾物を脱修飾させることによって得られたα−1,4−グルカン、および(b)二色性物質、を含む、
偏光フィルム。 - 偏光層および保護層を有する偏光フィルムであって、
該偏光層は、α−1,4−グルカン、および(b)二色性物質、を含み、および
該保護層は、偏光層に含まれるα−1,4−グルカンを、エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される修飾によって得られた、1種またはそれ以上のα−1,4−グルカン修飾物を含む、
偏光フィルム。 - 前記保護層が、ジアセチル化α−1,4−グルカン、トリアセチル化α−1,4−グルカン、アセチルブチリル化α−1,4−グルカンならびにこれらのコポリマーおよびターポリマーからなる群から選択される、1種またはそれ以上のα−1,4−グルカン修飾物を含む、請求項4〜7いずれかに記載の偏光フィルム。
- α−1,4−グルカンおよびその修飾物の少なくとも1種(a)を含むフィルムを形成する、フィルム形成工程、
形成されたフィルムを配向させる配向工程、および
配向されたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色する染色工程、
を包含する、偏光フィルムの製造方法。 - エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾によって修飾された、1種またはそれ以上のα−1,4−グルカン修飾物を含むフィルムを形成する、フィルム形成工程、
形成されたフィルムを配向させる配向工程、
配向されたフィルムを脱修飾させる脱修飾工程、および
脱修飾れたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色する、染色工程、
を包含する、偏光フィルムの製造方法。 - エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾によって修飾された、1種またはそれ以上のα−1,4−グルカン修飾物を含むフィルムを形成する、フィルム形成工程、
形成されたフィルムの片面を脱修飾させる、脱修飾工程、
得られたフィルムを配向させる配向工程、および
配向されたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色して、脱修飾した部分を染色する、染色工程、
を包含する、偏光フィルムの製造方法。 - α−1,4−グルカンを含むフィルムを形成するフィルム形成工程、
形成されたフィルムの片面を、エステル化、エーテル化および架橋からなる群から選択される1種またはそれ以上の修飾を行う、修飾工程、
得られたフィルムを配向させる配向工程、および
配向されたフィルムを、二色性物質(b)を用いて染色して、α−1,4−グルカンを染色する、染色工程、
を包含する、偏光フィルムの製造方法。 - 前記染色工程が気相中で行なわれる、請求項9〜12いずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。
- 前記フィルム形成工程において、キャスト法、カレンダー法または溶融押出し法によってフィルムが形成される、請求項9〜13いずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。
- 前記配向工程において、引張延伸、圧延延伸またはずり配向処理を行ってフィルムを配向させる、請求項9〜14いずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。
- 前記配向工程において、水性溶媒若しくは有機性溶媒またはこれらの混合物中にフィルムを浸漬し、次いで、浸漬したフィルムを、引張延伸または圧延延伸を行い配向させる、請求項9〜15いずれかに記載の偏光フィルムの製造方法。
- 請求項9〜16いずれかに記載の偏光フィルムの製造方法によって得られる偏光フィルム。
- 請求項1〜8いずれかまたは請求項17記載の偏光フィルムを備える液晶表示装置。
- 請求項1〜8いずれかまたは請求項17記載の偏光フィルムを備えるエレクトロルミネッセンス表示装置。
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