JP4630202B2 - 偏光フィルム用のアミロースフィルム - Google Patents

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本発明は、偏光フィルム用のアミロースフィルムおよびその製造方法、並びに当該アミロースフィルムからなる偏光フィルムおよびその製造方法に関する。より詳細には、本発明は、従来のアミロースフィルムよりも柔軟性に優れていて偏光フィルムを製造する際の延伸性に優れ、それによって偏光性能および耐久性に優れる偏光フィルムを得ることのできる偏光フィルム用のアミロースフィルムおよびその製造方法、並びに当該アミロースフィルムを用いて製造した偏光フィルムおよびその製造方法に関する。
光の透過および遮蔽機能を有する偏光板は、光のスイッチング機能を有する液晶とともに、液晶ディスプレイ(LCD)の基本的な構成要素である。このLCDの適用分野も、開発初期の頃の電卓および腕時計などの小型機器から、近年では、ノートパソコン、液晶モニター、液晶カラープロジェクター、液晶テレビ、車載用ナビゲーションシステム、携帯電話、屋内外で用いられる計測機器などの広範囲に広がっている。特に屋外で使用する用途に対しては、耐久性能の向上が強く求められている。
偏光板は、偏光フィルムの表面に三酢酸セルロース(TAC)フィルムや酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィルムなどの保護膜を貼り合わせた構成となっており、偏光板に用いられる偏光フィルムはポリビニルアルコールから製造されている。ポリビニルアルコールから偏光フィルムを製造するに当っては、一般に、ポリビニルアルコール系フィルム(以下、ポリビニルアルコールを「PVA」、ポリビニルアルコール系フィルムを「PVAフィルム」と略記することがある)を一軸延伸した後にヨウ素や二色性染料を用いて染色する方法、染色して一軸延伸した後にホウ素化合物で固定処理を行う方法、前記いずれかの方法において染色と同時に固定処理を行う方法などが採用されている。
一方、アミロースは、アミロペクチンと共に澱粉の成分をなす多糖類の一種であり、一般式(C6105)n・H2Oで表わされ、D−グルコースがα−1,4−のグリコシド結合で直鎖状に結合した高分子化合物である。
アミロースは、PVAのようにヨウ素と反応して着色することが従来から知られていたが、澱粉からアミロペクチンを除去して得られる単離アミロースを用いて製造したフィルムは、分子量の小さい単離アミロースが多く含まれるために、フィルムは非常に固くて脆く、延伸してアミロースを配向させて偏光板を製造することが出来なかった。
近年、直鎖状のアミロースを酵素を用いて合成する方法が開発され、酵素合成アミロースは、澱粉から単離した従来のアミロースに比べて、皮膜を形成しやすいことが知られている(特許文献1を参照)。そこで、PVAの代わりに酵素合成アミロースを使用して偏光フィルムを作製するという試みが行われており、その成果として3倍程度延伸を行うことにより可視光領域で98%程度の偏光度を有する偏光フィルムが得られることが報告されている(非特許文献1を参照)。この程度の偏光性能があれば、電卓など単色表示のLCDには適用可能であるが、現在広く流通しているカラー表示のLCDに使用するには不充分である。
近年、車載用ナビゲーションシステムが普及するに伴い、従来よりも高い耐久性能を有する偏光フィルムが求められている。しかしながら、LCDテレビなどに用いられている一般のヨウ素系偏光フィルムは、偏光性能は良好であるものの耐久性能が不充分で、高温や高湿下に曝されるとその偏光性能が大きく低下し易いものであった。
車載用ナビゲーションシステム向けなどの高温下での耐久性を要求される偏光フィルムを得るためには、基材となるフィルムの分子運動性の制御が重要となる。ガラス転移点(Tg)が80℃近辺であるPVAを基材としたヨウ素系偏光フィルムでは、架橋処理などにより分子運動をある程度拘束することが可能であるが、車載用ナビゲーションシステム向けの偏光フィルムに今後要求されるレベルの耐久性能を満足するには不十分である。
それに対して、クロールホスホリラアーゼやグルカンホスホリラアーゼのようなホスホリラアーゼ(酵素)を用いて糖を重合して得られる酵素合成アミロースは、100℃近辺での分子の運動性が極めて小さく、PVAに比べて水分の影響も受けにくいため、酵素合成アミロースよりなる偏光フィルムは、PVA系の偏光フィルムよりも耐久性が高いことが予測される。しかしながら、従来知られている酵素合成アミロースよりなる偏光フィルムでは、その偏光度は高くても98%程度であり、車載用ナビゲーションシステム向けの偏光フィルムに要求される99%以上の偏光性能(偏光度)を有する酵素合成アミロース系の偏光フィルムは従来得られていない。
PVA系フィルムは延伸性に優れており、4倍以上の一軸延伸を行うことで高い偏光度を有する偏光フィルムの製造が可能であるが、酵素合成アミロース系フィルムについてのこれまでの報告では、その可能な延伸倍率は3.5倍程度に過ぎない(非特許文献1を参照)。
また、澱粉から単離した一般の天然アミロースに20%を超える量の可塑剤(グリセリンなど)を添加すると延伸性が向上することが報告されているが(非特許文献2を参照)、天然アミロースに可塑剤を添加したフィルムは、依然として脆く、偏光フィルムの製造に必要な4倍以上の延伸は不可能であり、延伸フィルムの耐水性も低いので、偏光フィルム用の原反としては使用できないものであった。
特表02/006507号公報 日本農芸化学会年次大会講演(2005年3月29日講演、演題「ヨウ素を包接した延伸アミロースフィルムの偏光特性」) 「カーボハイドレート ポリマーズ」第50巻、第4号、2002年12月1日発行、p.355−361
本発明の目的は、光の透過率および偏光度が高くて偏光性能に優れ、しかも高い温度および湿度に曝されても偏光性能の低下が少なく耐久性に優れる偏光フィルムを製造することのできる、偏光フィルム用のアミロースフィルムおよびその製造方法を提供することである。
さらに、本発明の目的は、前記したアミロースフィルムを用いて、光の透過率および偏光度が高くて偏光性能に優れ、しかも高い温度および湿度に曝されても偏光性能の低下が少なくて耐久性に優れる偏光フィルムの製造法を提供することである。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、特定の物性を有するアミロースに対して多価アルコール系可塑剤を特定の量で配合したアミロース組成物を用いて得られるアミロースフィルムが、柔軟性および延伸性に優れていて3.6倍以上、更には5倍以上の倍率で一軸延伸が可能であり、しかも光の透過率が高いことを見出した。そこで、そのアミロースフィルムを用いて染色および一軸延伸を行って偏光フィルムを製造したところ、光の透過率および偏光度が高くて偏光性能に優れ、しかも耐久性に優れていて高い温度および湿度に曝されても偏光性能の低下の少ない偏光フィルムを得ることができた。
また、本発明者らは、前記したアミロース組成物を用いてフィルムを製造するにあたっては、相対湿度が65%以上の雰囲気中で製膜すると、偏光フィルム用としてより好適なアミロースフィルムが得られることを見出した。
さらに、本発明者らは、前記のアミロース組成物から形成したアミロースフィルムを用いて偏光フィルムを製造するに当っては、フィルムの染色および一軸延伸処理を、アルコールを10〜30質量%の割合で含有する水性処理液を用いて行うと、偏光性能および耐久性により優れる偏光フィルムが得られること、フィルムの一軸延伸に当っては、アミロースフィルムの延伸方向に対して直交するフィルムの幅方向において延伸時に幅が最も狭くなる個所における変形速度を特定の範囲にすると一軸延伸が良好に行われて、偏光性能に一層優れる偏光フィルムが得られることを見出し、それらの種々の知見に基づいて、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1) 重量平均分子量が250kDa以上であり、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度が80%以上であるアミロースおよび多価アルコール系可塑剤を含有し且つ多価アルコール系可塑剤の含有量がアミロースの質量に基づいて6〜20質量%であるアミロース組成物から形成されていることを特徴とする偏光フィルム用のアミロースフィルムである。
そして、本発明は、
(2) 多価アルコール系可塑剤がグリセリンである前記(1)のアミロースフィルム;および、
(3) 厚みが20〜150μmで、波長450nmの光の透過度が75%以上である前記(1)または(2)のアミロースフィルム;
である。
さらに、本発明は、
(4) 重量平均分子量が250kDa以上であり、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度が80%以上であるアミロースおよび多価アルコール系可塑剤を含有し且つ多価アルコール系可塑剤の含有量がアミロースの質量に基づいて6〜20質量%であるアミロース組成物を用いて、相対湿度が65%以上の雰囲気中で製膜することを特徴とする偏光フィルム用のアミロースフィルムの製造方法である。
そして、本発明は、
(5) 重量平均分子量が250kDa以上であり、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度が80%以上であるアミロースおよび多価アルコール系可塑剤を含有し、多価アルコール系可塑剤の含有量がアミロースの質量に基づいて6〜20質量%であるアミロース組成物からなるアミロースフィルムを、アルコールを10〜30質量%の割合で含有する水性処理液を用いて染色および一軸延伸することを特徴とする偏光フィルムの製造方法である。
さらに、本発明は、
(6) 水性処理液に含まれるアルコールがエタノールである前記(5)の偏光フィルムの製造方法;
(7) アミロースフィルムの一軸延伸倍率が3.6〜6倍である前記(5)または(6)記載の偏光フィルムの製造方法;
(8) アミロースフィルムの一軸延伸を、アミロースフィルムの延伸方向に対して直交するフィルムの幅方向において延伸時に幅が最も狭くなる個所における変形速度(以下、「アミロースフィルムの幅方向における変形速度」と略称する)が1分間で15〜60%になるようにして行う前記(5)〜(7)のいずれかの偏光フィルムの製造方法;及び、
(9) 水性処理液中のヨウ化カリウム濃度が0.02〜1質量%である前記(5)〜(8)のいずれかの偏光フィルムの製造方法;
である。
そして、本発明は、
(10) 前記(5)〜(9)のいずれかの製造方法により得られる偏光フィルムである。
本発明の偏光フィルム用のアミロースフィルムは、偏光フィルムの原反フィルムとして極めて有用であり、本発明のアミロースフィルムを原反として用いることにより、高い光透過率および偏光度を有していて偏光性能に優れ、しかも加熱状態や湿熱状態に曝されても偏光性能の低下が少なくて耐久性に優れる高性能の偏光フィルムを円滑に得ることができる。
本発明の製造方法によって、上記した優れた特性を兼ね備える偏光フィルム用のアミロースフィルムを円滑に製造することができる。
更に、本発明の偏光フィルム用のアミロースフィルムを用いて、本発明の方法にしたがって染色および一軸延伸を行うことによって、偏光性能に優れ、しかも高温および高湿度に曝されても偏光性能の低下が少なくて耐久性に優れる高性能の偏光フィルムを円滑に製造することができる。
本発明の方法で得られる偏光フィルムは、上記した優れた特性を活かして、電卓、腕時計、ノートパソコン、液晶モニター、液晶カラープロジェクター、液晶テレビ、車載用ナビゲーションシステムなどの車載用液晶ディスプレー用の偏光板、携帯電話、屋内外で用いられる計測機器などの液晶表示装置の構成部品である偏光板の作製に有効に用いることができ、特にその優れた耐久性により車載用液晶ディスプレー用の偏光板用として有用である。
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のアミロースフィルムは、アミロースと多価アルコール系可塑剤を含有するアミロース組成物から形成されており、当該アミロースとして、スクロールホスホリラアーゼやグルカンホスホリラアーゼのようなホスホリラアーゼ(酵素)によって蔗糖などの糖を重合させて得られる酵素合成アミロースのうちから、「重量平均分子量(Mw)が250kDa以上であり、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度が80%以上」という要件を満たすアミロースを用いる。そのようなかかる酵素合成アミロースは、従来から知られており、本発明では従来既知の酵素合成アミロースのうちから、本発明における前記の要件を満たすアミロースを選択して使用することができる。
本発明のアミロースフィルムを構成するアミロースの重量平均分子量(Mw)は250kDa以上であることが必要であり、アミロースの重量平均分子量(Mw)が250kDa未満であると、フィルムの皮膜強度が小さくなり、3.6倍以上に延伸するのが困難になる。しかもフィルムの製造(製膜)に用いるアミロース水溶液の粘度が低くなり過ぎて、所定厚みのフィルムが円滑に得られなくなる。アミロースの重量平均分子量は300kDa以上であることが好ましく、500kDa以上であることがより好ましい。一方、アミロースの重量平均分子量が高すぎると、製膜に用いるアミロース水溶液の粘度が高くなり過ぎて、製膜時の取り扱い性が不良になる。更にフィルムの被膜強度が大きくなりすぎるために、延伸応力が大きくなり過ぎて、3.6倍以上に延伸するのが困難になる。工業的に利用可能なアミロースの重量平均分子量の上限は6000kDaである。
また、本発明で用いるアミロースは、製膜に用いるアミロース水溶液の溶液安定性、ゲル化および結晶化の発生防止などの点から、アミロースの3質量%水溶液を調製して、波長450nmの光を用いて測定したときに、前記光の透過度が80%以上となるアミロースであることが必要である。前記光の透過度が80%未満であると、フィルムの製造に用いるアミロース水溶液のゲル化やフィルムにしたときに膜面の斑などが生じ易くなり、高品質のアミロースフィルムが得られなくなる。製膜に用いるアミロースとしては、前記光の透過度が85%以上のものが好ましく、90%以上のものがより好ましく用いられる。
本明細書でいう、アミロースの3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度は、以下の実施例の項に記載した方法で測定したときの光透過度をいう。
本発明のアミロースフィルムで用いる多価アルコール系可塑剤としては、上記特定の物性を有するアミロースに対して可塑化作用を有する多価アルコールのいずれもが使用でき、具体例としてはエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールなどのアルキレングリコール類、ジエチレングリコール、ジグリセリン、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのポリ(アルキレングリコール)類、トリメチロールプロパンなどのアルコール性水酸基を3個以上有するアルコール類などを挙げることができ、これらのうちの1種または2種以上を使用することができる。その中でも、アミロースにおける延伸性の向上効果が高い点から、グリセリン、ジグリセリンおよびエチレングリコールのうちの1種または2種以上が好ましく用いられ、特にグリセリンがより好ましく用いられる。
フィルムを形成するアミロース組成物における多価アルコール系可塑剤の含有量は、アミロースの質量に基づいて6〜20質量%(アミロース100質量部に対して6〜20質量部)であり、8〜17質量%であることが好ましく、10〜15質量%であることがより好ましい。フィルムを形成するアミロース組成物における多価アルコール系可塑剤の含有量が、アミロースに質量に基づいて6質量%未満であると、アミロースフィルムの延伸性が低下して高偏光性能の偏光フィルムが得られなくなり、一方20質量%を超えるとアミロースフィルムからの多価アルコール系可塑剤のブリードアウト、それに伴うフィルムのブロッキングなどの問題が発生し、フィルムの取り扱い性が不良になり、さらには偏光フィルムにした際に耐久性が低下する。
本発明のアミロースフィルムの幅は特に制限されないが、偏光板製造の効率を考慮すると、フィルム幅は0.5m以上であることが好ましい。一方、現実的な生産機で偏光板を製造する場合に、フィルム幅が大きすぎると、偏光フィルムを製造する際の一軸延伸を均一に行うことが困難になることがあるので、フィルム幅は6m以下であることが好ましい。
本発明のアミロースフィルムは、その厚みが20〜150μmであることが好ましく、40〜100μmであることがより好ましい。アミロースフィルムの厚みを前記範囲にすることにより、アミロースフィルムから偏光フィルムを製造する際の一軸延伸工程での延伸切れ、延伸斑などの発生を防ぐことができる。アミロースフィルムの厚みが20μm未満であると、偏光フィルムを製造する際の一軸延伸時に延伸切れが発生しやすくなり、一方厚みが150μmを超えると、偏光フィルムを製造する際の一軸延伸工程で延伸斑が発生して、光学的欠点のある偏光フィルムになりやすい。
本発明のアミロースフィルムは、波長450nmの光を用いて測定したときの光の透過度が75%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、85%以上であることが更に好ましく、90%以上であることが一層好ましい。酵素合成アミロースから製造したフィルムの光透過度は、製膜乾燥時に発生するフィルム表面の凹凸との相関が強く、光透過度が75%よりも小さいアミロースフィルムは、一軸延伸時に破断しやすい。
フィルムの厚みが増すにつれて、一般に光の透過度は低下する傾向があるが、本発明のアミロースフィルムでは、例えば、厚みが75μmのフィルムではその光透過度が80%以上、更には85%以上、特に90%以上であることが好ましく、厚みが100μmを超えるフィルムでも光透過度が75%以上、更には80%以上、特に85%以上であることが好ましい。
ここで、本明細書におけるアミロースフィルムの光の透過度は、以下の実施例の項に記載した方法で測定した光の透過度をいう。
本発明のアミロースフィルムの製造方法は特に限定されず、上記特定の物性を有するアミロースおよび当該アミロースの質量に基づいて6〜20質量%の多価アルコール系可塑剤を含有するアミロース組成物を用いて、厚みおよび物性の均一なアミロースフィルムを円滑に製造し得る方法のいずれもが採用できる。
本発明のアミロースフィルムを工業的に製造する方法としては、例えば、T型スリットダイや、ホッパープレート、I−ダイ、リップコーターダイなどを用い、これらのダイからアミロース組成物からなる溶融状または溶液状の製膜原液を加熱ロールやベルト上に均一に吐出し、揮発分を乾燥させることにより製造することができる。その際に、前記したダイから吐出した製膜原液を、最上流側に位置する第1の回転加熱ロール(乾燥ロール)の周面上に均一な膜状に吐出して、該第1の回転加熱ロール上で吐出膜の一方の面から揮発分を蒸発させて乾燥させた後、続いて吐出膜の他方の面を第2の回転加熱ロール(乾燥ロール)の周面上を通過させて乾燥し、更に必要に応じて後続する1個または複数個の回転加熱ロール(乾燥ロール)上で順次乾燥するかまたは熱風乾燥装置などの乾燥装置内を通過させて乾燥した後に巻き取る方法などが好ましく採用される。ロール乾燥と熱風乾燥は適宜組み合わせて実施することも可能である。フィルムを適切な状態で製造するためには、熱処理装置や調湿装置、さらにはそれぞれのロール駆動用のモータや変速機などの速度調整機構が付設されることが望ましい。また、本発明では、上記のような溶融押出方式による製膜方法以外に、例えばアミロースと多価アルコール系可塑剤を含有するアミロース組成物からなる製膜溶液を使用したキャスト製膜法も採用することができる。
アミロースフィルムの製造に当たって、例えばキャスト製膜法を採用する場合、上記特定の物性を有するアミロースと当該アミロースの質量に基づいて6〜20質量%の多価アルコール系可塑剤のみからなるアミロース組成物をそのまま直接使用してもよいが、前記したような方法で厚みが均一で、しかも物性に斑のないアミロースフィルムを円滑に製造するためには、アミロース組成物と多価アルコール系可塑剤からなるアミロース組成物にアミロースの質量が2〜6質量%、特に3〜5質量%になるよう水を添加して、揮発分率(通常は水分の含有率)が94〜98質量%、特に95〜97質量%の水含有アミロース組成物を調製し、その水含有アミロース組成物からなる製膜原液を用いてフィルムを製造することが好ましい。
アミロースフィルムを製造する際の乾燥温度は特に限定されないが、一般的には20〜150℃の温度で乾燥しながらフィルムを製造することが、均一な膜面を有するフィルムを得る点から好ましい。また、アミロースフィルムを製造する際の吐出膜の乾燥は、湿度を65%以上、特に65〜75%に調湿した雰囲気で行うことが好ましく、それによってアミロースフィルム表面の乾燥を緩やかに行うことができ、フィルム表面の凹凸が少なく、延伸性の良好なアミロースフィルムを得ることができる。特に、フィルムの揮発分率(水分の含有率)が10質量%以下になる時点までは、湿度を65%以上、特に65〜75%に調湿した雰囲気で乾燥しながらフィルムを製造することが好ましい。
アミロースフィルムの製造に当っては、最終的に得られるアミロースフィルム(偏光フィルム用原反として用いる本発明のアミロースフィルム)における揮発分率(水分の含有率)が10質量%以下、特に5〜10質量%になるようにして、上記した乾燥工程を行うのがアミロースフィルムの取り扱い性の点から好ましい。
本発明のアミロースフィルムを染色および一軸延伸することにより偏光フィルムを製造することができる。
本発明のアミロースフィルムから偏光フィルムを製造する方法としては、例えば、
(1)アミロースフィルムを、アルコールを含有する水性処理液で膨潤させ、同水性処理液中で、染色と共に一軸延伸を、染色前、染色時また染色後に行い、それにより得られた延伸フィルム(偏光フィルム)を必要に応じて熱処理する方法;
(2)アミロースフィルムを、アルコールを含有する水性処理液で膨潤させ、同水性処理液中で染色した後に、膨潤状態にあるフィルムを水性処理液から取り出して、気相中、熱風中または熱ロール上で一軸延伸する方法;
などを挙げることができる。
そのうちでも、前記(1)の方法が、アミロースフィルムの染色および一軸延伸を良好に行い得る点から好ましい。
アミロースフィルムの膨潤と染色、または膨潤と染色と一軸延伸を、前記のようにアルコールを含有する水性処理液を用いて行うことにより、アミロースフィルムの吸水性を制御しながら偏光フィルムを円滑に製造することができる。その際のアルコールとしては、偏光フィルム製造後に偏光フィルムからの除去が容易なメタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールを用いることが好ましく、これらのアルコールは単独で使用してもまたは2種以上を併用してもよい。そのうちでも、安全性、取り扱い易さなどの点からエタノールが特に好ましく用いられる。
偏光フィルムの製造に使用するアルコールを含有する水性処理液では、アミロースフィルムの延伸性の点から、アルコールの含有割合が、水性処理液の質量に基づいて、10〜30質量%であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。
水性処理液の質量に基づいて、アルコールの割合が10質量%未満であると、アミロースフィルムが偏光フィルムの製造中に混合液に溶解するなどの問題が生じ、一方アルコールの割合が30質量%を超えるとアミロースフィルムの延伸性が低下し、得られる偏光フィルムの偏光性能が低下し易くなる。
アミロースフィルムの染色は、一軸延伸前、一軸延伸時または一軸延伸後のいずれの段階においても実施可能であるが、得られる偏光フィルムの偏光性能の点から、一軸延伸前に行うことが望ましい。
アミロースフィルムの染色は、一般に、ヨウ素を0.01〜0.4質量%およびヨウ化カリウムを0.02〜1質量%の割合で含有し、且つアルコールを10〜30質量%の割合で含有する水性処理液(染色液)を用いて、液温を15〜40℃にして、その液中にアミロースフィルムを0.5〜10分間浸漬することによって円滑に実施することができる。染色液におけるヨウ素の含有量が0.01質量%未満であると染色が不充分になり易く、一方ヨウ素の含有量が0.4質量%を超えると、得られる偏光フィルムの透過度が低くなりすぎるので好ましくない。また、染色液におけるヨウ化カリウムの含有量が0.2質量%未満であると、ヨウ素が水とアルコールの混合液に溶けにくくなり、一方ヨウ化カリウムの含有量が1質量%を超えると、得られる偏光フィルムの透過度が低下し、偏光性能が低下するので好ましくない。
また、染色液の温度が15℃よりも低いと、染色しにくくなり、一方40℃を超えるとアミロースフィルムが染色液中に溶け易くなるので好ましくない。
アミロースフィルムの一軸延伸は、前記したようにアルコールを含有する水性処理液中で行ってもよいし、或いは染色後に水性処理液(染色液)から取り出して、気相中、熱風中または熱ロール上で行ってもよいが、いずれの場合にも、延伸性を向上させるために、アルコールを10〜30質量%の割合で含有する上記した水性処理液中にアミロースフィルムを浸漬して膨潤させた後に延伸するのがよい。
一軸延伸は1段で行ってもまたは多段で行ってもよい。
アミロースフィルムを一軸延伸する際の延伸温度は特に限定されないが、膨潤したアミロースフィルムをアルコールの含有率が10〜30質量%である前記した水性処理液中で一軸延伸する場合は、延伸温度は20〜40℃が好ましく、20〜30℃がより好ましく、20〜25℃が更に好ましい。アミロースフィルムをアルコールの含有率が10〜30質量%である水性処理液中で一軸延伸する場合に、延伸温度が20℃未満であると延伸時に応力がかかりすぎて、高倍率での一軸延伸ができず、偏光性能に優れる偏光フィルムが得られにくくなり、一方延伸温度が40℃を超えるとアミロースフィルムの過度の膨潤や混合液への溶解が生じ、延伸が困難になり易い。
また、アルコール含有率が10〜30質量%の水性処理液で膨潤させたアミロースフィルムを水性処理液から取り出して気相中で一軸延伸する場合は、20〜100℃、更には25〜70℃、特に30〜50℃の延伸温度が好ましく採用される。気相中で一軸延伸する場合に、延伸温度が20℃未満であると、延伸時に応力がかかりすぎて、偏光性能を引き出すための延伸ができにくくなり、一方延伸温度が100℃を超えると、アミロースフィルムに含まれている揮発成分(特に水分)が蒸発して非常に固いフィルムになり、延伸が困難になり易い。
また、アミロースフィルムを一軸延伸する際の延伸倍率(多段で一軸延伸を行う場合には合計の延伸倍率)は、得られる偏光フィルムおよび該偏光フィルムから作製される偏光板の偏光性能の点から、3.6倍以上であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましく、4.5倍以上であることが更に好ましい。延伸倍率に上限はないが、6倍以下であると均一な延伸が得られやすいので好ましい。延伸により得られる偏光フィルムの厚みは、3〜75μmが好ましく、5〜50μmがより好ましい。
アミロースフィルムの一軸延伸を、アミロースフィルムの幅方向における変形速度が1分間で15〜60%、特に20〜50%の範囲になるようにして行なうと、延伸倍率を高くすることができ、それによって偏光性能を一層向上させることができる。
膨潤したアミロースフィルムを、アルコールを含有する水性処理液中で一軸延伸する場合に、アミロースフィルムの幅方向における変形速度が1分間で15%よりも小さいと、アミロース分子が配向しにくくなるために偏光性能が低下する傾向があり、一方当該変形速度が1分間で60%を超えると、フィルムにかかる延伸応力が高くなり延伸倍率が低下する傾向がみられる。
また、アルコールを含有する水性処理液で膨潤させたアミロースフィルムを水性処理液から取り出して気相中で延伸する場合は、アミロースフィルムの幅方向における変形速度が1分間で15%よりも小さいと、5倍延伸するためには2分以上かかるため、アミロースフィルム中の揮発成分が蒸発して延伸応力が増加し、偏光性能を引き出すための充分な延伸ができにくくなる。一方、当該変形速度が1分間で60%を超えると、アミロースフィルムに過度のストレスが発生して延伸困難となって切断し易くなる。
染色および一軸延伸を施したアミロースフィルムを乾燥して偏光フィルムとする。乾燥は、20〜100℃、特に30〜80℃で行うことが好ましい。乾燥温度が20℃よりも低いと偏光フィルム中に水および/またはアルコールが残存して偏光フィルムの偏光性能が変化しやすくなり、一方乾燥温度が100℃を超えると偏光フィルムが収縮しやすくなる。乾燥時間は3〜30分が好ましい。乾燥は、偏光フィルム中の揮発分率(水やアルコールの含有率)が、10質量%以下、特に5質量%以下になるまで行うのがよい。
上記により得られた偏光フィルムは、通常、その両面または片面に、光学的に透明で、かつ機械的強度を有した保護膜を貼り合わせて偏光板にして使用される。保護膜としては、三酢酸セルロース(TAC)フィルム、酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルムなどが使用される。また、偏光フィルムと保護フィルムを貼り合わせるための接着剤としては、ポリビニルアルコール系の接着剤やウレタン系の接着剤などを挙げることができるが、中でもポリビニルアルコール系の接着剤が好適である。また、アミロース偏光フィルムは従来のPVA系偏光フィルムに比べて、耐久性が高いため保護膜なしで用いることも可能である。
以上のようにして得られた偏光板は、PVA系偏光フィルムを用いて作製した偏光板と同様にして用いることができ、例えば、アクリル系等の粘着剤を被覆した後、ガラス基板に貼り合わせて液晶ディスプレー装置の部品として使用される。偏光板をガラス基板に貼り合わせる際に、位相差フィルム、視野角向上フィルム、輝度向上フィルムなどを同時に貼り合わせてもよい。
以下に、実施例などにより本発明について具体的に説明するが、本発明は以下の例により何ら限定されるものではない。
なお、以下の各実施例および比較例では、アミロースフィルムを各実施例または比較例における条件下に一軸延伸したときにフィルムが破断する延伸倍率を予め調べておいて、該破断時の延伸倍率の0.9倍の延伸倍率を採用して、アミロースフィルムの一軸延伸を行なった。
また、以下の実施例および比較例において、アミロースの重量平均分子量(Mw)、および3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度、製膜して得られたアミロースフィルムの波長450nmの光の透過度、一軸延伸時のアミロースフィルムの幅方向における変形速度および偏光フィルムの最大吸収波長(λmax)、光学性能および耐久性能は、以下の方法により測定または評価した。
(1)アミロースの重量平均分子量(Mw):
アミロースの重量平均分子量(Mw)の測定は、ウォーターズ社製150cALC(カラムは東ソー社製GMPWXL)を使用して行った。測定条件は温度40℃、移動相として0.2モルリン酸バッファー水溶液を使用し、流量1.0ml/分でアミロースの0.1質量%水溶液を注入して行った。
(2)アミロースの3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度:
分光光度計(株式会社日立製作所製「U−3000」、液体試料測定フォルダ付き)を用いて、JIS Z 8722(物体色の測定方法)に準拠して、C光源、2度視野の可視光領域の視感度補正を行い、温度50℃、測定長1cmの石英セルを使用して測定した。
(3)アミロースフィルムの波長450nmの光の透過度:
分光光度計(株式会社日立製作所製「U−4100」、積分球付属)を用いて、JIS Z 8722(物体色の測定方法)に準拠して、C光源、2度視野の可視光領域の視感度補正を行い測定した。
(4)一軸延伸時のアミロースフィルムの幅方向における変形速度:
各実施例および比較例で得られたアミロースフィルムを切断して採取した試験片(幅4cmおよび長さ8cm)を用い、これを一軸延伸したときに幅方向のサイズが4cmから2cmに収縮するのに要した時間A(秒)を測定し、下記式にしたがって幅方向における1分間での変形速度を求めた。

変形速度(%)=[((2(cm)/4(cm))×100)×60(秒)]/A(秒)
(5)偏光フィルムの最大吸収波長(λmax):
分光光度計(株式会社日立製作所製「U−3000」、積分球付属)を用いて、JIS Z 8722(物体色の測定方法)に準拠して、C光源、2度視野の可視光領域の視感度補正を行い、偏光プリズムに対して上記(i)で採取した2枚の試験片をその配向方向が直交するように重ねた場合の吸光度が最大を示す吸収波長を測定した。
(6)偏光フィルムの偏光性能:
(i)偏光フィルムのサンプリング:
以下の実施例または比較例で得られた偏光フィルムの中心部から、1.5cm(幅方向)×長さ2cm(一軸延伸方向)の長方形の試験片を1枚採取した。
(ii)偏光フィルムの偏光性能:
分光光度計(株式会社日立製作所製「U−3000」、積分球付属)を用いて、JIS Z 8722(物体色の測定方法)に準拠して、C光源、2度視野の可視光領域の視感度j補正を行い、偏光プリズムに対して上記(i)で採取した2枚の試験片をその配向方向が平行になるように重ねた場合のY値(Y)、および配向方向が直交するように重ねた場合のY値(Y)を測定し、下記の数式(I)から偏光度を求めた。

偏光度(%)={(Y―Y)/(Y+Y)}×100 (I)
(7)偏光フィルムの耐久性能:
偏光フィルムの四方を枠で固定して、温度70℃および湿度90%RHの環境下に4時間放置して耐久性試験を行い、耐久性試験後の偏光フィルムの偏光度を上記(6)と同様にして測定した。
《実施例1》
(1) 重量平均分子量(Mw)が290kDa、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度が84%であるアミロース100質量部、グリセリン15質量部および水2760質量部を80℃で十分に混合して製膜原液[揮発分率(水分含量)96重量%]を調製し、その製膜原液をPETフィルム上に流延し、揮発分率が10質量%以下になるまで温度20℃、湿度65%RHの条件下に調湿しながら乾燥して、厚みが75μmおよび幅が20cmのアミロースフィルム(水分含有率8質量%)を得た。このアミロースフィルムの波長450nmの光の透過度は88%であった。
(2) 0.1Nヨウ素溶液(和光純薬工業社製特級試薬使用:ヨウ素1.27質量%、ヨウ化カリウム4質量%、塩酸0.01質量%を含有する水溶液)を、水とエタノールの混合液(エタノール含有量30質量%)で100質量倍に希釈して水性処理液(水性処理液中のエタノールの含有量29.7質量%)を調製した。この水性処理液の温度を23℃に調整した後、その液中に、上記(1)で得られたアミロースフィルムを切断して採取した試験片(幅4cmおよび長さ8cm)を浸漬し、1.5分間静置して試験片(アミロースフィルム)の膨潤およびヨウ素染色を行うと共に、そのまま水性処理液中で、変形速度25%/分で長さ方向に5.5倍に一軸延伸し、次いで水性処理液から取り出し、緊張下で30℃で30分間乾燥処理を行って偏光フィルムを作製した。
(3) 上記(2)で得られた偏光フィルムの光学性能を上記した方法で測定したところ、最大吸収波長(λmax)は570nm、偏光度は99%であった。さらに、得られた偏光フィルムについて上記した方法で耐久性試験を行ったところ、耐久性試験4時間後の偏光度は75%であった。
《実施例2》
(1) 実施例1の(1)で使用したのと同じアミロース[重量平均分子量(Mw)290kDa、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度84%]100質量部、グリセリン7質量部および水2568質量部を80℃で十分に混合して製膜原液[揮発分率(水分含量)96重量%]を調製し、その製膜原液をPETフィルム上に流延し、揮発分率が10質量%以下になるまで温度20℃、湿度65%RHの条件下に調湿しながら乾燥して、厚みが74μmおよび幅が20cmのアミロースフィルム(水分含有率7質量%)を得た。このアミロースフィルムの波長450nmの光の透過度は89%であった。
(2) 実施例1の(2)で使用したのと同じ0.1Nヨウ素溶液を、水とエタノールの混合液(エタノール含有量30質量%)で100質量倍に希釈して水性処理液(水性処理液中のエタノールの含有量29.7質量%)を調製した。この水性処理液の温度を23℃に調整した後、その液中に、上記(1)で得られたアミロースフィルムを切断して採取した試験片(幅4cmおよび長さ8cm)を浸漬し、1.5分間静置して試験片(アミロースフィルム)の膨潤およびヨウ素染色を行うと共に、そのまま水性処理液中で、変形速度25%/分で長さ方向に5.3倍に一軸延伸し、次いで水性処理液から取り出し、緊張下で30℃で30分間乾燥処理を行って偏光フィルムを作製した。
(3) 上記(2)で得られた偏光フィルムの光学性能を上記した方法で測定したところ、最大吸収波長(λmax)は569nm、偏光度は99%であった。さらに、得られた偏光フィルムについて上記した方法で耐久性試験を行ったところ、耐久性試験4時間後の偏光度は80%であった。
《実施例3》
(1) 実施例1の(1)で使用したのと同じアミロース[重量平均分子量(Mw)290kDa、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度84%]100質量部、グリセリン20質量部および水2880質量部を80℃で十分に混合して製膜原液[揮発分率(水分含量)96重量%]を調製し、その製膜原液をPETフィルム上に流延し、揮発分率が10質量%以下になるまで温度20℃、湿度65%RHの条件下に調湿しながら乾燥して、厚みが78μmおよび幅が20cmのアミロースフィルム(水分含有率9質量%)を得た。このアミロースフィルムの波長450nmの光の透過度は85%であった。
(2) 実施例1の(2)で使用したのと同じ0.1Nヨウ素溶液を、水とエタノールの混合液(エタノール含有量30質量%)で100質量倍に希釈して水性処理液(水性処理液中のエタノールの含有量29.7質量%)を調製した。この水性処理液の温度を23℃に調整した後、その液中に、上記(1)で得られたアミロースフィルムを切断して採取した試験片(幅4cmおよび長さ8cm)を浸漬し、1.5分間静置して試験片(アミロースフィルム)の膨潤およびヨウ素染色を行うと共に、そのまま水性処理液中で、変形速度25%/分で長さ方向に4.7倍に一軸延伸し、次いで水性処理液から取り出し、緊張下で30℃で30分間乾燥処理を行って偏光フィルムを作製した。
(3) 上記(2)で得られた偏光フィルムの光学性能を上記した方法で測定したところ、最大吸収波長(λmax)は565nm、偏光度は99%であった。さらに、得られた偏光フィルムについて上記した方法で耐久性試験を行ったところ、耐久性試験4時間後の偏光度は65%であった。
《比較例1》
(1) 実施例1の(1)で使用したのと同じアミロース[重量平均分子量(Mw)290kDa、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度84%]100質量部および水2400質量部を80℃で十分に混合して製膜原液[揮発分率(水分含量)96重量%]を調製し、その製膜原液をPETフィルム上に流延し、揮発分率が10質量%以下になるまで温度20℃、湿度65%RHの条件下に調湿しながら乾燥して、厚みが78μmおよび幅が20cmのアミロースフィルム(水分含有率6質量%)を得た。このアミロースフィルムの波長450nmの光の透過度は88%であった。
(2) 実施例1の(2)で使用したのと同じ0.1Nヨウ素溶液を、水とエタノールの混合液(エタノール含有量30質量%)で100質量倍に希釈して水性処理液(水性処理液中のエタノールの含有量29.7質量%)を調製した。この水性処理液の温度を23℃に調整した後、その液中に、上記(1)で得られたアミロースフィルムを切断して採取した試験片(幅4cmおよび長さ8cm)を浸漬し、1.5分間静置して試験片(アミロースフィルム)の膨潤およびヨウ素染色を行うと共に、そのまま水性処理液中で、変形速度25%/分で長さ方向に3.5倍に一軸延伸し、次いで処理液から取り出し、緊張下で30℃で30分間乾燥処理を行って偏光フィルムを作製した[なお、この比較例1の(1)で得られたアミロースフィルムはこの(2)の延伸条件下では延伸倍率3.9倍で破断]。
(3) 上記(2)で得られた偏光フィルムの光学性能を上記した方法で測定したところ、最大吸収波長(λmax)は559nm、偏光度は97%であった。偏光度が低かったため、耐久性試験は行わなかった。
《比較例2》
(1) 実施例1の(1)で使用したのと同じアミロース[重量平均分子量(Mw)290kDa、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度84%]100質量部、グリセリン30質量部および水3120質量部を80℃で十分に混合して製膜原液[揮発分率(水分含量)96重量%]を調製し、その製膜原液をPETフィルム上に流延し、揮発分率が10質量%以下になるまで温度20℃、湿度65%RHの条件下に調湿しながら乾燥して、厚みが75μmおよび幅が20cmのアミロースフィルム(水分含有率10質量%)を得た。このアミロースフィルムの波長450nmの光の透過度は82%であった。
(2) 実施例1の(2)で使用したのと同じ0.1Nヨウ素溶液を、水とエタノールの混合液(エタノール含有量30質量%)で100質量倍に希釈して水性処理液(水性処理液中のエタノールの含有量29.7質量%)を調製した。この水性処理液の温度を23℃に調整した後、その液中に、上記(1)で得られたアミロースフィルムを切断して採取した試験片(幅4cmおよび長さ8cm)を浸漬し、1.5分間静置して試験片(アミロースフィルム)の膨潤およびヨウ素染色を行うと共に、そのまま水性処理液中で、変形速度25%/分で長さ方向に6.7倍に一軸延伸し、次いで水性処理液から取り出し、緊張下で30℃で30分間乾燥処理を行って偏光フィルムを作製した。
(3) 上記(2)で得られた偏光フィルムの光学性能を上記した方法で測定したところ、最大吸収波長(λmax)は571nm、偏光度は99%であった。さらに、得られた偏光フィルムについて上記した方法で耐久性試験を行ったところ、耐久性試験4時間後の偏光度は29%であった。
《比較例3》
(1) 実施例1の(1)で使用したのと同じアミロース[重量平均分子量(Mw)290kDa、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度84%]100質量部、グリセリン5質量部および水2520質量部を80℃で十分に混合して製膜原液[揮発分率(水分含量)96重量%]を調製し、その製膜原液をPETフィルム上に流延し、揮発分率が10質量%以下になるまで温度20℃、湿度65%RHの条件下に調湿しながら乾燥して、厚みが75μmおよび幅が20cmのアミロースフィルム(水分含有率7質量%)を得た。このアミロースフィルムの波長450nmの光の透過度は85%であった。
(2) 実施例1の(2)で使用したのと同じ0.1Nヨウ素溶液を、水とエタノールの混合液(エタノール含有量30質量%)で100質量倍に希釈して水性処理液(水性処理液中のエタノールの含有量29.7質量%)を調製した。この水性処理液の温度を23℃に調整した後、その液中に、上記(1)で得られたアミロースフィルムを切断して採取した試験片(幅4cmおよび長さ8cm)を浸漬し、1.5分間静置して試験片(アミロースフィルム)の膨潤およびヨウ素染色を行うと共に、そのまま水性処理液中で、変形速度25%/分で長さ方向に一軸延伸したところ、延伸倍率3.9倍を超えると延伸切れが生じた。よって、延伸倍率を3.9倍とし、緊張下で30℃で30分間乾燥処理を行った。
(3) 上記(2)で得られたフィルムの光学性能を上記した方法で測定したところ、最大吸収波長(λmax)は560nmで、偏光度は97%と低いものであった。このフィルムについては、偏光度が低かったため、耐久性試験を行わなかった。
《比較例4》
(1) 実施例1の(1)で使用したのと同じアミロース[重量平均分子量(Mw)290kDa、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度84%]100質量部、グリセリン15質量部および水2760質量部を80℃で十分に混合して製膜原液[揮発分率(水分含量)96重量%]を調製し、その製膜原液をPETフィルム上に流延し、揮発分率が10質量%以下になるまで温度20℃、湿度65%RHの条件下に調湿しながら乾燥して、厚みが75μmおよび幅が20cmのアミロースフィルム(水分含有率8質量%)を得た。このアミロースフィルムの波長450nmの光の透過度は84%であった。
(2) 実施例1の(2)で使用したのと同じ0.1Nヨウ素溶液を、蒸留水で100質量倍に希釈して水性処理液(水性処理液中のエタノール含有量0質量%)を調製した。この水性処理液の温度を23℃に調整した後、その液中に、上記(1)で得られたアミロースフィルムを切断して採取した試験片(幅4cmおよび長さ8cm)を浸漬し、1.5分間静置して試験片(アミロースフィルム)の膨潤およびヨウ素染色を行うと共に、そのまま水性処理液中で、変形速度25%/分で長さ方向に一軸延伸を試みたところ、試験片(アミロースフィルム)が溶け始め、延伸は不可能であった。
《比較例5》
(1) 実施例1の(1)で使用したのと同じアミロース[重量平均分子量(Mw)290kDa、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度84%]100質量部、グリセリン15質量部および水2760質量部を80℃で十分に混合して製膜原液[揮発分率(水分含量)96重量%]を調製し、その製膜原液をPETフィルム上に流延し、揮発分率が10質量%以下になるまで温度20℃、湿度65%RHの条件下に調湿しながら乾燥して、厚みが75μmおよび幅が20cmのアミロースフィルム(水分含有率8質量%)を得た。このアミロースフィルムの波長450nmの光の透過度は84%であった。
(2) 実施例1の(2)で使用したのと同じ0.1Nヨウ素溶液を、水とエタノールの混合液(エタノール含有量40質量%)で100質量倍に希釈して水性処理液(水性処理液中のエタノールの含有量39.6質量%)を調製した。この水性処理液の温度を23℃に調整した後、その液中に、上記(1)で得られたアミロースフィルムを切断して採取した試験片(幅4cmおよび長さ8cm)を浸漬し、1.5分間静置して試験片(アミロースフィルム)の膨潤およびヨウ素染色を行うと共に、そのまま水性処理液中で、変形速度25%/分で長さ方向に4.2倍に一軸延伸し、次いで水性処理液から取り出し、緊張下で30℃で30分間乾燥処理を行って偏光フィルムを作製したところ、偏光フィルムの最大吸収波長(λmax)は550nmであり、赤茶色を呈し、偏光度が60%と非常に低かったため、耐久性試験は行わなかった。
《比較例6》
(1) 実施例1の(1)で使用したのと同じアミロース[重量平均分子量(Mw)290kDa、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度84%]100質量部、グリセリン15質量部および水2760質量部を80℃で十分に混合して製膜原液[揮発分率(水分含量)96重量%]を調製し、その製膜原液をPETフィルム上に流延し、揮発分率が10質量%以下になるまで温度20℃、湿度65%RHの条件下に調湿しながら乾燥して、厚みが75μmおよび幅が20cmのアミロースフィルム(水分含有率8質量%)を得た。このアミロースフィルムの波長450nmの光の透過度は84%であった。
(2) 実施例1の(2)で使用したのと同じ0.1Nヨウ素溶液を、水とエタノールの混合液(エタノール含有量30質量%)で100質量倍に希釈して水性処理液(水性処理液中のエタノールの含有量29.7質量%)を調製した。この水性処理液の温度を23℃に調整した後、その液中に、上記(1)で得られたアミロースフィルムを切断して採取した試験片(幅4cmおよび長さ8cm)を浸漬し、1.5分間静置して試験片(アミロースフィルム)の膨潤およびヨウ素染色を行うと共に、そのまま水性処理液中で、変形速度7%/分で長さ方向に3.9倍に一軸延伸し、次いで水性処理液から取り出し、緊張下で30℃で30分間乾燥処理を行って偏光フィルムを作製した。
(3) 上記(2)で得られた偏光フィルムの光学性能を上記した方法で測定したところ、最大吸収波長(λmax)は560nmであり、偏光度が96%と低かったため、耐久性試験を行わなかった。
《比較例7》
(1) 重量平均分子量(Mw)が200kDa、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度が79%のアミロース100質量部、グリセリン15質量部および水2760質量部を80℃で十分に混合して製膜原液[揮発分率(水分含量)96重量%]を調製し、その製膜原液をPETフィルム上に流延し、揮発分率が10質量%以下になるまで温度20℃、湿度65%RHの条件下に調湿しながら乾燥して、厚みが75μmおよび幅が20cmのアミロースフィルム(水分含有率8質量%)を得た。このアミロースフィルムの波長450nmの光の透過度は80%であった。
(2) 実施例1の(2)で使用したのと同じ0.1Nヨウ素溶液を、水とエタノールの混合液(エタノール含有量30質量%)で100質量倍に希釈して水性処理液(水性処理液中のエタノールの含有量29.7質量%、)を調製した。この水性処理液の温度を23℃に調整した後、その液中に、上記(1)で得られたアミロースフィルムを切断して採取した試験片(幅4cmおよび長さ8cm)を浸漬し、1.5分間静置して試験片(アミロースフィルム)の膨潤およびヨウ素染色を行うと共に、そのまま水性処理液中で、変形速度25%/分で長さ方向に3.7倍に一軸延伸し、次いで水性処理液から取り出し、緊張下で30℃で30分間乾燥処理を行って偏光フィルムを作製した。
(3) 上記(2)で得られた偏光フィルムの光学性能を上記した方法で測定したところ、最大吸収波長(λmax)は559nmであり、偏光度は98%と低かった。そのため、耐久性試験を行わなかった。
上記した実施例および比較例の結果をまとめると、以下の表1および表2に示すとおりである。
Figure 0004630202
Figure 0004630202
本発明のアミロースフィルムを原反として用いることにより、高い光透過率および偏光度を有していて偏光性能に優れ、しかも加熱状態や湿熱状態に曝されても偏光性能の低下が少なくて耐久性に優れる高性能の偏光フィルムを得ることができるので、本発明のアミロースフィルムは、偏光フィルム用の原反フィルムとして極めて有用である。
本発明のアミロースフィルムを用いて本発明の方法によって製造した偏光フィルムは、偏光性能、および偏光性能の耐久性に極めて優れているため、それらの特性を活かして、電卓、腕時計、ノートパソコン、液晶モニター、液晶カラープロジェクター、液晶テレビ、車載用ナビゲーションシステムなどの車載用液晶ディスプレー用の偏光板、携帯電話、屋内外で用いられる計測機器などの液晶表示装置の構成部品である偏光板の作製に有効に用いることができ、特に車載用液晶ディスプレー用の偏光板作製用として有用である。

Claims (10)

  1. 重量平均分子量が250kDa以上であり、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度が80%以上であるアミロースおよび多価アルコール系可塑剤を含有し且つ多価アルコール系可塑剤の含有量がアミロースの質量に基づいて6〜20質量%であるアミロース組成物から形成されていることを特徴とする偏光フィルム用のアミロースフィルム。
  2. 多価アルコール系可塑剤がグリセリンである請求項1に記載のアミロースフィルム。
  3. 厚みが20〜150μmで、波長450nmの光の透過度が75%以上である請求項1または2に記載のアミロースフィルム。
  4. 重量平均分子量が250kDa以上であり、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度が80%以上であるアミロースおよび多価アルコール系可塑剤を含有し且つ多価アルコール系可塑剤の含有量がアミロースの質量に基づいて6〜20質量%であるアミロース組成物を用いて、相対湿度が65%以上の雰囲気中で製膜することを特徴とする偏光フィルム用のアミロースフィルムの製造方法。
  5. 重量平均分子量が250kDa以上であり、3質量%水溶液の波長450nmの光の透過度が80%以上であるアミロースおよび多価アルコール系可塑剤を含有し且つ多価アルコール系可塑剤の含有量がアミロースの質量に基づいて6〜20質量%であるアミロース組成物からなるアミロースフィルムを、アルコールを10〜30質量%の割合で含有する水性処理液を用いて染色および一軸延伸することを特徴とする偏光フィルムの製造方法。
  6. 水性処理液に含まれるアルコールがエタノールである請求項5に記載の偏光フィルムの製造方法。
  7. アミロースフィルムの一軸延伸倍率が3.6〜6倍である請求項5または6に記載の偏光フィルムの製造方法。
  8. アミロースフィルムの一軸延伸を、アミロースフィルムの延伸方向に対して直交するフィルムの幅方向において延伸時に幅が最も狭くなる個所における変形速度が1分間で15〜60%になるようにして行う請求項5〜7のいずれか1項に記載の偏光フィルムの製造方法。
  9. 水性処理液中のヨウ化カリウム濃度が0.02〜1質量%である請求項5〜8のいずれか1項に記載の偏光フィルムの製造方法。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項の製造方法により得られる偏光フィルム。
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