JP3187874B2 - エチレンジアミンポリ酢酸をベースとする光−偏光性物質 - Google Patents

エチレンジアミンポリ酢酸をベースとする光−偏光性物質

Info

Publication number
JP3187874B2
JP3187874B2 JP25209591A JP25209591A JP3187874B2 JP 3187874 B2 JP3187874 B2 JP 3187874B2 JP 25209591 A JP25209591 A JP 25209591A JP 25209591 A JP25209591 A JP 25209591A JP 3187874 B2 JP3187874 B2 JP 3187874B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
disodium
polarizing
acid
dipotassium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25209591A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05127021A (ja
Inventor
エイ チェック ザ サード ジョセフ
エル サクス ロバート
Original Assignee
リサーチ フロンティアーズ インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by リサーチ フロンティアーズ インコーポレイテッド filed Critical リサーチ フロンティアーズ インコーポレイテッド
Priority to JP25209591A priority Critical patent/JP3187874B2/ja
Publication of JPH05127021A publication Critical patent/JPH05127021A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3187874B2 publication Critical patent/JP3187874B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光−偏光性(light-pola
rizing) 物質、その硬化懸濁体(set suspensions)及び
流体懸濁液、並びにかかる流体懸濁液を含む光弁 (ligh
t value)に関する。特に、本発明は先行技術の有機光−
偏光性物質の特性である窒素ヘテロ原子を有していない
有機化合物から誘導される有機光−偏光性物質に関す
る。
【0002】ヘラパサイト(herapathite)及びヘラパサ
イト様光−偏光性結晶のコロイド状懸濁液のような光−
偏光性物質は、それぞれ米国特許第1,951,664 号(Lnad)
及び第2,178,996 号(Lnad)に記載されている。米国特許
第2,237,567 号(Land)は、前もって引ぱって分子を配向
させてあるポリビニルアルコールシートへの沃素及び沃
化物の溶液の塗布を含む種々の方法によるシート状光−
偏光性物質の製造を記載している。先行技術中には、光
−偏光性物質、その硬化懸濁体及びそれから誘導される
積層製品並びにその使用に関する数多くの他の特許があ
り、例えば、米国特許第2,041,138 号(Land)、第2,078,
254 号(Land)、第2,168,220 号(Land)、第2,168,221 号
(Land)、第2,185,018 号(Saner) 、第2,230,262号(Poll
ack) 、第2,246,087 号(Bailey et al.) 、第2,256,108
号(Blake) 、第2,263,249 号(Rogers)、第2,306,108
号(Land et al.) 、第2,328,219 号(Land)、及び第2,37
5,963 号(Jhomas)が含まれる。英国特許第433,455 号は
光−偏光性物体の製造に於けるプルプレオコバルトクロ
ライドサルフェートパーヨーダイド(purpureo cobalt c
hloride sulphate periodide) の粒子の使用を記載して
いる。本明細書中で参照するこれらの特許及び他の特許
並びに先行技術は参照文として本明細書に含まれるもの
とする。
【0003】現在、しばしば“シートポーラライザー”
と呼ばれる光−偏光性物質の積層硬化懸濁体の重要な用
途には、偏光サングラス用レンズ、ツイステッドネマチ
ック(twisted nematic) 及び他の型の液晶表示の成分及
び発光表示と共に使用するためのコントラスト増強フィ
ルターを含む種々の型のフィルターが含まれる。しか
し、かくして用いられるシートポーラライザーはしばし
ば高いレベルの熱、紫外線及び(又は)特に湿気によっ
て劣化しやすいことがよく知られている。
【0004】光−偏光性物質及び他の物質の液体懸濁液
は光弁中に用いられており、光弁は微小粒子の流体懸濁
液を含むセルからなり、微小粒子は電界又は磁界によっ
て配向させられて懸濁液中を通る光の透過率を変化させ
ることができる。例えば、米国特許第3,708,219 号(For
lini et al.)、第3,743,382 号(Rosenberg) 、第4,078,
856 号(Thompson et al.) 、第4,113,362 号(Saxe et a
l.) 、第4,164,365 号(Saxe)、第4,407,565 号(Saxe)及
び第4,422,963(Thompson et al.)参照。
【0005】米国特許第4,131,334 号(Witte et al.)は
含窒素有機化合物を水素化し、次に適当な酸で処理して
塩を生成することによる光−偏光性粒子の製造方法を記
載している。この塩を、次に、通常沃素及び無機沃化物
と反応させて安定なポリ沃化物粒子を製造することがで
きる。本発明の目的は紫外線、高温及び高レベルの湿気
に対して高度の安定性を有する光−偏光性物質を提供す
ることである。
【0006】ポリ沃化物を含むポリハロゲン化物はかな
り以前から知られていた。ポリハロゲン化物は沃素イオ
ンと無機又は有機のマトリックスとの錯体である。Godi
naらは、J.Gen.Chem.USSR 、20、(1950)、10
05−1016頁中でポリ沃化物及び他のポリハロゲン
化物を詳細に論じている。既知のポリ沃化物の中に光−
偏光性結晶性物質ヘラパサイト(herapathite)がある。
この物質はキニン重硫酸塩、沃素及びHIの反応によっ
て生成される。シンコニジン重硫酸塩のようなキニンア
ルカロイド族の他の構成員の塩も沃素及びHIとの反応
によって光−偏光性ポリ沃化物を生成する。これらの物
質に於て、元素状の沃素はポリ沃化物アニオン(Godina
らはI3 - として、又、Teitelbaumら、JACS、100
(1978)3215−3217頁はI5 - としてそれ
ぞれ異なって記載されている)の形でアルカロイド酸塩
と結合する。Godinaらはポリ沃化物アニオンが沃素とH
Iとの反応、例えば、 (1)I2 +HI=H+ +I3 - によって生成されることを示している。同様にI5 -
リ沃化物アニオンは (2)2I2 +HI=H+ +I5 - の反応によって生成されるであろう。
【0007】Godinaらは、光−偏光性ポリ沃化物がポリ
沃化物アニオンとカチオンとしてのキニン及びその類似
物の酸塩とを含むと説明している。しかし、ポリ沃化物
は、殿粉−沃素複合体及び伸張又は配向ポリビニルアル
コール−沃素複合体のように、明らかなカチオンが存在
しなくても生成される。Teitelbaumらは、殿粉−沃素複
合体が殿粉のアミロース成分内に沃素鎖の形で吸着され
た沃素を含み、沃素鎖は優勢種としてI5 - ポリ沃化物
アニオンで構成されていると報告している。Godinaら
は、ヘラパサイト(herapathite)、殿粉−沃素複合体及
び配向PVA−沃素複合体は“吸着性ポリ沃化物”であ
り、その中でポリ沃化物鎖上に分子状沃素が層をなして
吸着されるという説を立てている。
【0008】本発明の光−偏光性物質は先行技術の有機
光−偏光性物質の特徴である窒素ヘテロ原子を含まない
錯体である。この錯体は(i)元素状沃素、(ii)ハロゲ
ン化水素酸及び(又は)アンモニウム又はアルカリ金属
又はアルカリ土類金属のハロゲン化物及び (iii)下記式
Iのエチレンジアミン誘導体を反応させることによって
得られる。この錯体は吸着された分子状沃素を含む。H
I又は沃化物を用いるとき、Godinaら及びTeitelbaumら
が共に(i)元素状沃素と(ii)沃化物との間の反応によっ
てポリ沃化物アニオンが生成されると報告しているの
で、本発明者らは錯体がポリ沃化物Ix - (ここでxは
3又は5である)をも含むと思っている。さらに、Godi
naらは吸着された沃素とポリ沃化物アニオンとを含む結
晶は光−偏光性(light-polarizing) であると報告して
いる。
【0009】後で示す実施例に於て、化合物Iと沃素及
び沃化物、臭化物又は塩化物とを反応させることによっ
て光−偏光性物質が製造される。かかる場合に、本発明
者らは、それぞれのアニオンは、モデルとしてTeitelba
umらが明らかにした構造を用いて
【0010】
【化1】 であろうと思っている。Godinaらは、吸着された
沃素を含む光−偏光性錯体は構造式で化学量論的に定義
することはできないと述べている。従って、本発明の光
−偏光性物質は方法による生成物(product−b
y−process)形式で定義される。
【0011】本発明の光−偏光性物質の製造に有用な化
合物Iは式I R4OOCCH2-N(R3)-CH(R1)-CH(R2)-N(R3)-CH2COOR4 (I) (上記式I中、R1及びR2は独立に水素又は低級アルキル
であり、R3は水素又は-CH2COOR4 であり、かつ各R4は独
立に水素又はM/nであり、ここでMはアルカリ金属又
はアルカリ土類金属でありかつnはMの原子価である)
を有する化合物である。
【0012】R1及び(又は)R2が低級アルキルであると
き、低級アルキルはメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチルなどのような
直鎖又は分枝鎖のアルキルであることができる。通常、
低級アルキルは1〜約6個の炭素原子、好ましくは1〜
約4個の炭素原子を有する。化合物Iはそれ自体既知で
あるかあるいは既知の化合物の異性体、同族体又は類似
体であり、かかる既知の化合物に類似した方法で製造す
ることができる。
【0013】エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミ
ン二酢酸、1,2−ジアミノプロピル四酢酸(すなわち
R1がメチルであり、R2が水素であり、各R3が-CH2COOHで
ある)などのような化合物Iの遊離酸形は限定された水
溶解度を有するので、化合物Iは水溶性のアルカリ金属
塩及び(又は)アルカリ土類金属塩の形で用いられる
か、あるいは光−偏光性物質の製造中にその場で水溶性
塩を生成させることができる。有用な化合物Iには、エ
チレンジアミン四酢酸又はその二ナトリウム、二カリウ
ム、四ナトリウム、四カリウム又は二ナトリウムマグネ
シウム塩、エチレンジアミン二酢酸又はその一ナトリウ
ム又は二ナトリウム塩あるいは一カリウム又は二カリウ
ム塩、1,2−ジアミノプロピル四酢酸又はその二ナト
リウム、二カリウム、四ナトリウム又は四カリウム塩な
どが含まれる。
【0014】本発明の光−偏光性物質は、水のような適
当な溶媒中で、式Iの化合物を元素状沃素及びハロゲン
化水素酸及び(又は)アンモニウム、アルカリ金属又は
アルカリ土類金属のハロゲン化物と反応させることによ
って製造される。米国特許第1,951,661 号、第2,176,51
6 号及び第2,289,712 号を参照されたい。ハロゲン化物
は通常沃化物であるが、臭化物又は塩化物であることも
できる。好ましくは、ポリハロゲン化物を生成させる反
応は、1979年8月14日発行の米国特許第4,164,36
5 号に記載されているようなニトロセルロース又は共重
合体のような保護コロイドの存在下で行われる。現在、
化合物Iを第1溶液中で提供しかつ沃素とアンモニウム
又はアルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物
との混合物を第2溶液中で提供することが好ましいが、
所望ならば、ハロゲン化物を両方の溶液のいずれか又は
両方中に入れることができる。次に両溶液を一緒に混合
すると、ポリハロゲン化物は室温でも容易に生成する。
次に、光−偏光性ポリハロゲン化物結晶を濾過などのよ
うな任意の適当な技術で回収する。
【0015】これまで、有機光−偏光性物質は分子状沃
素及び沃化物又は類似物を、キニン重硫酸塩、ジヒドロ
キシコニジン重硫酸塩及び米国特許第4,877,313 号記載
のキナルジン酸及び前駆体のような窒素ヘテロ原子を含
む複素環式環を少なくとも1個有する有機前駆体化合物
と反応させることによってのみ製造されてきた。驚くべ
きことには、本発明は窒素ヘテロ原子を含まない前駆体
化合物(I)から得られる有機光−偏光性物質を提供す
る。
【0016】光弁に使用するためには、ポリハロゲン化
物粒子を液体懸濁媒質中に懸濁させる。知られているよ
うに、液体懸濁媒質は、それが粒子を懸濁しかつ重合体
安定剤を溶解する限り、実際上どんな電気抵抗性液体で
あってもよい。好ましくは、液体懸濁媒質は比較的高い
電気抵抗率及び低い蒸気圧を有し、粒子又は懸濁液の他
の成分を劣化又は侵食しない。Saxeの米国特許第4,270,
841 号及び第4,407,565 号を参照されたい。
【0017】硬化懸濁体(set suspensions) 中で使用す
るためには、ポリハロゲン化物粒子を酢酸セルロース又
はポリビニルアルコールなどのような適当な造膜性物質
製のシート全体にわたって分散又は分布させる。例えば
米国特許第2,178,996 号及び第2,041,138 号を参照され
たい。 〔実施例1−3〕約2gのエチレンジアミン四酢酸二ナ
トリウムを5gの水に溶解し、この溶液を次に0.8gの
沃素と1gの沃化カルシウムとが溶解されている水溶液
5gと混合した。青色の光−偏光性結晶が容易に生成し
た。エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの代わりに、
それぞれエチレンジアミン四酢酸二カリウム及び二ナト
リウムマグネシウムを用いて同じ方法に従いかつ同様な
結果が得られた。 〔実施例4−5〕約0.5gのエチレンジアミン二酢酸を
2%水酸化ナトリウム水溶液約5gの水に溶解し、この
溶液を、次に、0.8gの沃素と1gの沃化カルシウムと
が溶解されている水溶液5gと混合した。青色の光−偏
光性結晶が容易に生成した。エチレンジアミン二酢酸の
代わりに1,2−ジアミノプロピル四酢酸を用いて同じ
方法に従いかつ同様な結果が得られた。 〔比較実施例6−12〕比較実施例6−12はそれぞれ
下記化合物6−12を用いた。
【0018】6−1,6−ヘキサンジアミンテトラ酢酸 7−ニトリロトリ酢酸 8−エチレン(オキシエチレンニトリロ)テトラ酢酸
(EGTA) 9−メチルイミノジ酢酸 10−イミノジ酢酸 11−10−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミ
ントリ酢酸 12−N−(2−ヒドロキシエチル)イミノジ酢酸 約0.5gの化合物6を2%水酸化ナトリウム水溶液5g
に溶解し、この溶液を、次に、沃素と沃化カルシウムと
が溶解されている水溶液5gと、実施例4−5記載と同
じ量及び同じ方法で混合した。光−偏光性結晶は得られ
なかった。化合物6の代わりに化合物7を用いて同じ方
法に従ったが、同様に偏光性結晶は得られなかった。
【0019】1,6−ヘキサンジアミンテトラ酢酸を用
いた比較実施例で光−偏光性結晶を生成するのに失敗し
たことは、同様な反応条件下でEDTAを用いた場合の
上記成功とはっきり対照的である。実施例6及び8の失
敗を説明できる唯一の差異は窒素原子間の距離がより大
きいことである。比較実施例7、9、10及び12に於
ける偏光性結晶の生成の失敗は、多分これらの化合物が
1個しか窒素原子を含まない事実で説明することができ
る。2個以下の炭素原子で隔てられた2個の窒素原子を
有することが光−偏光性結晶の生成に不可欠であるよう
に思われる。
【0020】本発明で用いられる化合物Iはすべて金属
塩を生成すること及び(又は)下に示すようにR4がカル
シウムである場合金属キレート化合物であることが知ら
れている。従って、本発明の光−偏光性物質の生成の1
つの可能な説明は、化合物Iが沃素及びハロゲン化物と
反応するとき、ハロゲン化物及び沃素がイオン形で反応
に入るということである。例えば、ハロゲン化物が沃化
カルシウムCaI2であるならば、沃素はCa+2(Ix)2 - とし
て反応に入ることができ、正荷電のカルシウムイオンは
化合物Iによってキレート化されかつ(Ix ) - アニオン
は正のカルシウムイオンに結合し、それによってポリ沃
化物結晶が生成する。この説明は合理的のように思われ
るが、本出願はこの説に束縛されるものではない。
【0021】本発明のポリハロゲン化物粒子の液体懸濁
液は、米国特許第4,131,334 号の実施例2中及び米国特
許第4,407,565 号の実施例1中に記載されたジヒドロシ
ンコニジン硫酸塩ポリ沃化物の液体懸濁液の製造方法と
幾らか同様な方法を用いて、但しジヒドロシンコニジン
硫酸塩の代わりに本発明の化合物Iを用いかつ反応成分
の量を例えば前記実施例中で示したように調節すること
によって容易に製造することができる。 〔実施例13〕 A.エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムポリ沃化物−
ニトロセルロース錯体の製造 3gのエチレンジアミン四酢酸二ナトリウムを水5g及
び2−エトキシエタノール10gを含む混合溶媒15g
中に溶解することによって溶液Aを調製した。
【0022】溶液Bは2−エトキシエタノール中のニト
ロセルロースの33−1/3 %溶液であった。ニトロセル
ロースは混合粘度(18−25cps及び15−20秒)
型である。溶液Aと22gの溶液Bとを混合して溶液C
をつくった。0.48gの沃化カルシウム6水化物を10
gの2−エトキシエタノールに溶解した後、1.4gのI
2 及び20gの燐酸トリクレジルを添加し、10分間振
盪して溶液Dを調製した。
【0023】溶液Cと溶液Dとを、ワーリング・ブレン
ダー中で激しく混合しかつポリエチレンスパチュラで撹
拌しながら混合した。2分間撹拌後、湿ったペーストを
ガラス板上に0.2032mm(8ミル)のフィルムとして
伸ばした。ペーストが乾燥したとき、光−偏光性結晶が
生成した。 B.液体分散液の製造 乾燥したペーストをガラス板からかき取り、150gの
酢酸イソペンチル(IPA)中に溶解し、ペーストを分
散させるようによく振盪して液体懸濁液をつくった。こ
の懸濁液を、次に、10分間超音波撹拌し、11,000RP
Mで1時間遠心分離した。次に、沈殿物をIPAに再懸
濁し、それへ有効量の適当な重合体溶液を添加した。例
えば、ネオペンタン酸ネオペンチル中に溶解した96.7
5%/3.25%のアクリル酸ネオペンチル/メチロール
アクリルアミドの共重合体の15%溶液10−15gを
添加することができる。この新しい懸濁液を真空装置中
に約5時間入れてIPAのほとんど全部を蒸発除去し
た。あまり高い沸点をもたない存在する他の溶媒の一部
分も蒸発させることができる。懸濁液を、次に、Haloca
rbon Oilタイプ0.8/100(New Jersey , Hackensac
k の Halocarbon Products製)及びネオペンタン酸ネオ
ペンチルのような任意の他の所望な溶媒で所望な程度に
希釈し、所望のオフ−ステート光学濃度及び応答時間を
与えた。追加の重合体を添加することができる。
【0024】上記の型の液体懸濁液は、AC電界を利用
して該懸濁液中の粒子を配向させて懸濁液中を通る光の
透過率を変化及び(又は)調節する光弁中で用いられ
る。かかる光弁は、例えば、可変透過率の窓、フィルタ
ー、鏡及びめがねとして、又、電子文字数字及び図示画
像表示として用いることができる。しかし、懸濁液の組
成を変えることによって、上記のような光弁中で使用で
きる流体懸濁液又は液体懸濁液ではなく、硬化懸濁体と
して先行技術で知られているものを製造することができ
る。本発明の粒子の硬化懸濁体は、例えば、該粒子が他
の物質と共に含まれる光−偏光性シート又はフィルムを
含む。
【0025】光−偏光性シート及びフィルムの製造のた
めの多くの方法が技術上知られている。例えば、米国特
許第2,178,996 号は、ある種の光−偏光性粒子を製造
し、該粒子を酢酸セルロースを含むことができる分散媒
質中へ混合し、この粒子分散体をフロー(flow) 又は押
出し又は伸張、あるいは圧延処理して、分散された偏光
性結晶の針軸(needle axis)をほぼ平行に配向させかつ
薄いシート状偏光性物体を製造することができる。米国
特許第2,041,138 号は、好ましくは、懸濁媒質とその中
に分散された微小粒子とを含む比較的薄いシート又はフ
ィルムの形で偏光性物体を製造することができることを
記載している。もし所望ならば、偏光性物体自体を、好
ましくは透明な適当な支持体に、例えばガラス板に、あ
るいはセルロイドシートに永久にあるいは着脱自在に固
定することができる。かかる支持体は、偏光性物体自体
が何らかの保護の形を所要とする可能性があることがわ
かった条件で望ましいことがあり得る。該特許は非対称
粒子の使用、縁部を過ぎて該粒子を含む媒質を流すこ
と、及び該媒質を硬化させることによって該粒子を配向
した位置に保持することを記載している。
【0026】米国特許第2,168,220 号は“Polaroid”の
商標で売られている偏光性物質に関する情報を記載して
いる。可塑剤、接着剤及び種々の型の積層及び該積層の
製造方法が記載されている。数多くの型の偏光性フィル
ム及びポーラライザーのための使用、例えば風防ガラ
ス、窓、めがね、ゴーグル、サングラス、カメラレン
ズ、顕微鏡、鏡に於ける使用及び三次元映画に関する使
用が米国特許第2,246,087 号に記載されている。
【0027】光−偏光性フィルムを1つの支持体から別
の支持体へ移す方法及びそれと関連して用いられる種々
の物質は米国特許第2,256,108 号に記載されている。上
記特許のいずれかから及び数多くの他の特許及び他の情
報源からの有用な情報を用いて、光−偏光性硬化懸濁
体、フィルム及び実質的に平行に配向した粒子を含む光
−偏光性硬化懸濁体、フィルム及びシート、並びにそれ
から製造される光−偏光性物体及び製品を製造すること
ができる。
【0028】しかし、今日商業的に用いられている多く
の光ポーラライザーはその中に平行に配向した固体の個
々の粒子を有するフィルム又はシートを含まないで、む
しろ米国特許第2,237,567 号及び第2,375,963号並びに
技術上知られている他の文献源に記載されているよう
に、シートの平面内にその光学軸がありかつその光学軸
にほぼ垂直に振動する光のみをほとんど無吸収で透過す
るポリビニルアルコールポリ沃化物のシートを用いる。
市販のポーラライザーは高温、高湿度、紫外線及び特に
かかる条件の組み合わせのような過酷な環境条件に長期
間置かれるとき劣化しやすいことが知られている。
【0029】環境劣化に関する市販ポーラライザーのこ
れらの問題にも拘らず、製造上の観点から、前述したよ
うな複数の個々の偏光性結晶を用いるのではなく、伸張
された重合体シートを染料又はステインとあるいは沃素
及び沃化物と反応させて光−偏光性錯体を製造すること
が好ましいか又は望ましいことがあり得る。この目的の
ため、本発明の有用な実施態様はそのおのおのの分子が
それに重合性不飽和基を付けている本発明の化合物を含
む化合物をも含む。
【0030】しかし、本発明の粒子及び他の物質の硬化
懸濁体でつくられるポーラライザーは高いレベルの熱及
び紫外線に対して安定でありかつ非常に耐水性である。
従って、本発明は光−偏光性物体及びかかる物体を含む
製品の品質の実質的な改良を可能にする。本発明の特別
な実施態様を説明したが、当業者が本発明の精神及び範
囲内に入るこれらの態様についての多くの変更を行うこ
とができることは言うまでもないであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート エル サクス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 10021 ニューヨーク イースト エイ ティース ストリート 19 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 5/30

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着された沃素を含む光−偏光性物質で
    あって、 (i)元素状沃素、 (ii)(a)ハロゲン化水素酸、又は(b)ハロゲン化アン
    モニウム又はハロゲン化アルカリ金属又はハロゲン化ア
    ルカリ土類金属、又は、(c)(a)および(b)の組
    み合わせ、および、 (iii)式、R4OOCCH2-N(R3)-CH(R1)-CH(R2)-N(R3)-CH2COOR4 (I) (式中、R1およびR2は独立に水素または炭素数1〜6の
    アルキルであり、R3は水素又は-CH2COOR4であり、かつ
    各R4は独立に水素又はM/nであり、ここでMはアルカ
    リ金属又はアルカリ土類金属であり、nはMの原子価で
    ある)を有する化合物を反応させることによって得られ
    る錯体を含む、前記偏光性物質。
  2. 【請求項2】 (a)ハロゲン化水素酸又は、(b)ア
    ンモニウムのハロゲン化物又はアルカリ金属のハロゲン
    化物又はアルカリ土類金属のハロゲン化物、又は(c)
    (a)および(b)の組み合わせ、の該ハロゲン化物が
    塩化物、臭化物又は沃化物である請求項1記載の光−偏
    光性物質。
  3. 【請求項3】 該化合物がエチレンジアミン四酢酸又は
    その二ナトリウム、二カリウム、四ナトリウム、四カリ
    ウム又は二ナトリウムマグネシウム塩、エチレンジアミ
    ン二酢酸又はその一ナトリウム又は二ナトリウム又は一
    カリウム又は二カリウム塩、あるいは、1,2-ジアミノプ
    ロピル四酢酸又はその二ナトリウム、二カリウム、四ナ
    トリウム又は四カリウム塩である、請求項1記載の光−
    偏光性物質。
  4. 【請求項4】 電気抵抗性液体懸濁媒質、該懸濁媒質中
    に分散された請求項1記載の光−偏光性物質の複数の
    小、非等容形状粒子及び該懸濁媒質中に該粒子を分散す
    るため、懸濁媒質中に溶解された少なくとも1種の分散
    剤を含む光弁用液体懸濁液。
  5. 【請求項5】 (a)ハロゲン化水素酸、又は、(b)
    アンモニウムのハロゲン化物又はアルカリ金属のハロゲ
    ン化物またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、又は、
    (c)(a)および(b)の組み合わせ、の該ハロゲン
    化物が塩化物、臭化物又は沃化物である請求項4記載の
    液体懸濁液。
  6. 【請求項6】 該化合物がエチレンジアミン四酢酸又は
    その二ナトリウム、二カリウム、四ナトリウム、四カリ
    ウム又は二ナトリウムマグネシウム塩、エチレンジアミ
    ン二酢酸又はその一ナトリウム、二ナトリウム、一カリ
    ウム又は二カリウム塩、あるいは、1,2-ジアミノプロピ
    ル四酢酸又はその二ナトリウム、二カリウム、四ナトリ
    ウム又は四カリウム塩である、請求項4記載の液体懸濁
    液。
  7. 【請求項7】 担体中に分散された請求項1に記載の複
    数の光−偏光性粒子を含み、該粒子の偏光軸が配向され
    かつ実質的に平行関係で担体によって不動的に保持され
    る光−偏光性物体。
  8. 【請求項8】 (a)ハロゲン化水素酸、又は、(b)
    アンモニウムのハロゲン化物又はアルカリ金属のハロゲ
    ン化物又はアルカリ土類金属のハロゲン化物、または
    (c)(a)および(b)の組み合わせ、の該ハロゲン化
    物が塩化物、臭化物又は沃化物である、請求項7記載の
    光−偏光性物体。
  9. 【請求項9】 該化合物がエチレンジアミン四酢酸又は
    その二ナトリウム、二カリウム、四ナトリウム、四カリ
    ウム又は二ナトリウムマグネシウム塩、エチレンジアミ
    ン二酢酸又はその一ナトリウム、二ナトリウム、一カリ
    ウム又は二カリウム塩、あるいは、1,2-ジアミノプロピ
    ル四酢酸又はその二ナトリウム、二カリウム、四ナトリ
    ウム又は四カリウム塩である、請求項7記載の光−偏光
    性物体。
  10. 【請求項10】 液体懸濁媒質中の光−偏光性粒子の懸
    濁液を含むセルを含み、該光−偏光性粒子が請求項1記
    載の光−偏光性物質の粒子であることを特徴とする光
    弁。
  11. 【請求項11】 (a)ハロゲン化水素酸、又は、
    (b)アンモニウムのハロゲン化物又はアルカリ金属の
    ハロゲン化物またはアルカリ土類金属のハロゲン化物、
    又は(c)(a)および(b)の組み合わせ、の該ハロ
    ゲン化物が塩化物、臭化物又は沃化物である、請求項1
    0記載の光弁。
  12. 【請求項12】 該化合物がエチレンジアミン四酢酸又
    はその二ナトリウム、二カリウム、四ナトリウム、四カ
    リウム又は二ナトリウムマグネシウム塩、エチレンジア
    ミン二酢酸又はその一ナトリウム、二ナトリウム、一カ
    リウム又は二カリウム塩、あるいは、1,2-ジアミノプロ
    ピル四酢酸又はその二ナトリウム、二カリウム、四ナト
    リウム又は四カリウム塩である、請求項10記載の光
    弁。
JP25209591A 1991-09-30 1991-09-30 エチレンジアミンポリ酢酸をベースとする光−偏光性物質 Expired - Fee Related JP3187874B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25209591A JP3187874B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 エチレンジアミンポリ酢酸をベースとする光−偏光性物質

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25209591A JP3187874B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 エチレンジアミンポリ酢酸をベースとする光−偏光性物質

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05127021A JPH05127021A (ja) 1993-05-25
JP3187874B2 true JP3187874B2 (ja) 2001-07-16

Family

ID=17232465

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25209591A Expired - Fee Related JP3187874B2 (ja) 1991-09-30 1991-09-30 エチレンジアミンポリ酢酸をベースとする光−偏光性物質

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3187874B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4599576B2 (ja) * 2004-11-24 2010-12-15 三和澱粉工業株式会社 偏光フィルムおよびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05127021A (ja) 1993-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2871837B2 (ja) 偏光材料及び該偏光材料を含む光弁用液状懸濁液
US5093041A (en) Light-polarizing material based on ethylenediamine polyacetic acid derivatives
US4877313A (en) Light-polarizing materials and suspensions thereof
US4270841A (en) Light valve containing suspension of perhalide of alkaloid acid salt
US5130057A (en) Light polarizing materials and suspensions thereof
JP3448354B2 (ja) 偏光性粒子の製法
JP3708117B2 (ja) 酸化バナジウムコロイド分散液および帯電防止被膜
JP3187874B2 (ja) エチレンジアミンポリ酢酸をベースとする光−偏光性物質
KR100365576B1 (ko) 편광 재료, 이의 액체 현탁액 및 필름과, 이들을 함유하는 광 밸브
JP2798426B2 (ja) 偏光材料及びその懸濁物
EP0403711B1 (en) Light polarizing materials and suspensions thereof
EP3161102A1 (en) Photochromic articles containing polyoxometalate derivatives and methods of making same
EP0564676B1 (en) Light polarizing material based on quinaldic acid derivatives
CA2049869C (en) Light-polarizing material based on ethelenediamine polyacetic acid derivatives
KR100255249B1 (ko) 에틸렌디아민 폴리아세트산 유도체를 기초로한 편광물질
CA1336858C (en) Light polarizing materials and suspensions thereof
CN1107199C (zh) 改善粒度分布的光偏振颗粒
KR0153272B1 (ko) 광편광체 및 이의 현탁액
TW200565B (en) Light polarizing material based on quinaldic acid derivatives
DE69117507T2 (de) Lichtpolarisierendes Material auf Basis von Äthylendiaminpolyessigsäurederivaten
JP4324326B2 (ja) ポリハライド粒子及びそれを含むライトバルブ
GB1586127A (en) Light polarizing materials particularly for use in light valves
JP2726724B2 (ja) 偏光性材料
MXPA01000020A (en) Light-polarizing particles of improved particle size distribution

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090511

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090511

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100511

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees