JP2726724B2 - 偏光性材料 - Google Patents

偏光性材料

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は光の透過性を調整する調光素子等に利用でき
る偏光性材料に関する。
[従来の技術] 従来より、一対の透明電極層が対向する内壁面に形成
され、スペーサを介して周囲を密閉された一対の透明基
材よりなるセルと、このセル内に収容され、分散媒及び
該分散媒された微細な偏光性材料よりなる懸濁液とから
構成される調光素子が知られている。
調光素子は、電圧が印加されていないとき、懸濁液中
で偏光性物質がブラウン運動をしながらランダムに配向
して分散されている。したがって、調光素子に入射する
可視光線は吸収され、調光素子は暗く見える。また電圧
が印加されると、懸濁液中で偏光性物質がセルを形成し
ている透明基材に対して垂直方向(印加方向)に配向し
て並ぶ。したがって、入射可視光線はその配向面間を透
過し、調光素子は明るく透明に見える。
このような調光素子は、例えば自動車の遮光用フロン
トガラスに適用される場合、青色と透明とに可逆的に色
変化することが望まれる。
この青色用調光素子用の偏光性材料として、アルカロ
イドの過ハロゲン化物が古くから知られている。例え
ば、キニーネ硫酸塩の過ヨウ化物(特公昭48−20560号
公報)、ジヒドロシンコニジン硫酸塩の過ヨウ化物(特
開昭53−144893号公報)等がある。
上記ジヒドロシンコニジン硫酸塩の過ヨウ化物は、不
飽和有機物質であるシンコニジンを水素化により還元し
たジヒドロシンコニジンを硫酸と反応させて塩とし、適
当な液体媒体に溶解してから、ニトロセルロースの存在
下に、有効量のヨウ素及びヨウ化カルシウムと反応させ
ることにより合成される。なお、上記ニトロセルロース
は、偏光性物質と結合して偏光性物質の凝集等を防止
し、安定な懸濁液を維持するための保護コロイドとして
用いられるものである。
[発明が解決しようとする課題] 上記合成法で用いられるシンコニジンは末端にビニル
基を有している不飽和有機化合物である。このビニル基
は反応性が比較的高く不安定である。このため、例えば
ヨウ素等がビニル基に配位結合しやすく、この場合黄緑
色に発色するので青色の鮮明度が低下する。
このような不都合を解消するために、上記従来の合成
法では、末端ビニル基を水素化して飽和させることによ
り、末端ビニル基へのヨウ素等の配位をなくして、青色
の鮮明度が低下するのを防いでいた。
ところが、ビニル基が水素化された水素化ビニル基を
もつ分子同士は水素結合による相互作用が大きくなり、
この水素化ビニル基をもつ偏光性材料よりなる粒子は電
圧印加時に凝集しやすいという不都合がある。
また、上記従来の偏光性材料は有機塩基と酸およびハ
ロゲンからなる組成物であるために熱分解性があり、高
温で異常変色するという不都合もあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、末端ビ
ニル基へのヨウ素等の配位を防止した上で、電圧印加時
に凝集しにくく、高温においても異常変色しにくい偏光
性材料を提供することを解決すべき技術課題とするもの
である。
[課題を解決するための手段] 本発明は、アリール基及びアリール基に連結した飽和
分岐鎖を有する有機化合物の過ハロゲン化物よりなる偏
光性材料において、該飽和分岐鎖はビニル基がハロゲン
化されたハロゲン化ビニル基をもつことを特徴とする。
上記アリール基を有する有機化合物としては、例えば
キニン、キニジン、シンコニン、シンコニジン、クプレ
イン等のキナアルカロイドを使用することができる。
ビニル基のハロゲン化は、フッ素、塩素、臭素等のハ
ロゲンで処理することにより行なわれ、中でもフッ素化
が好ましい。フッ素はハロゲン原子の中でも最も原子半
径が小さく水素原子に近い。このため、ビニル基と他の
分子との配位能力をなくすという電子的な効果は水素と
ほとんど同じである。また、ポリエチレンとポリエチレ
ンの水素原子を全部フッ素原子に置換したテフロンとの
比較から明白なように、フッ素化したものは耐熱性、耐
薬品性、耐水性が飛躍的に向上する。ビニル基のハロゲ
ン化をフッ素以外のハロゲンにより行った場合には、末
端ビニル基へのヨウ素等の配位防止、耐熱性や耐薬品性
の向上等の効果は、上記したフッ素化の場合に比し僅か
に劣るが、基本的にはフッ素化の場合と同様の効果が得
られる。
上記有機化合物の過ハロゲン化物は、例えば以下のよ
うに製造することができる。まず、不飽和有機化合物を
フッ素化により還元する。得られた飽和有機化合物を適
当な酸と反応させて塩を形成後、適当な液体媒体に溶解
してから、ニトロセルロースの存在下に、有効量のハロ
ゲン原子及びハロゲン化物と反応させて過ハロゲン化物
とする。なお、上記ニトロセルロースは、偏光性物質と
結合して偏光性物質の凝集等を防止し、安定な懸濁液を
維持するための保護コロイドとして用いられるものであ
る。
[作用] 本発明の偏光性材料は、ビニル基がハロゲン化された
ハロゲン化ビニル基をもつ飽和分岐鎖がアリール基に連
結した有機化合物の過ハロゲン化物である。
ビニル基にハロゲン原子が付加することにより、ビニ
ル基と他の原子との配位能力がなくなりビニル基は安定
する。このため、本発明の偏光性材料はビニル基にヨウ
素等が配位して黄緑色等の他の色を発色させることがな
く、鮮明度の高い可逆的色変化を示す。
また、ビニル基に水素原子が付加した場合と比較し
て、水素結合力が働かない分、分子同士の結合力が小さ
い。このため、本発明の偏光性材料は電圧印加時の凝集
作用が起こりにくい。
さらに、本発明の偏光性材料はハロゲン化されること
により溶媒との相互作用が低下し、このため熱分解性が
抑えられて高温でも異常変色しにくい。
[実施例] 以下実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1) 1000ccの耐圧ガラス容器に水168.0g、97%硫酸15.0
g、及びシンコニジン40.0gを入れ溶解させた。この容器
を−70℃で冷却し、真空ポンプで容器内を真空にした。
次ぎに室温で1時間放置し、また−70℃で冷却しつつ真
空に引いた。この操作を3回繰返し、溶存空気を脱気し
た。
次ぎに−30℃に冷却した後、フッ素10%、アルゴン90
%の混合ガスを封入し、よく攪拌した。
2時間後、反応生成物に50%水酸化ナトリウム水溶液
30ccを加え、沈澱物を濾過した。この沈澱物を水でよく
洗浄後、乾燥した。これにより、シンコニジンのフッ素
化を終えた。
フッ化シンコニジン3.1g、98%硫酸0.7g、2−エトキ
シエタノール20.0g、水10.0gの溶液と、ニトロセルロー
ス14.2g、2−エトキシエタノール28.4g、トリクレジル
フォスフェート10.0gの溶液を混合し、よく攪拌した。
この溶液にヨウ化カルシウム0.49g、ヨウ素3.04g、n−
プロパノール12.0g、トリクレジルフォスフェート35.0g
の溶液を一気に加え、激しく攪拌した。30分の攪拌後、
液をガラス板上に広げて揮発性成分を除去して、本実施
例のフッ化シンコニジン硫酸塩の過ヨウ化物からなる偏
光性材料を得た。
その後、この偏光性材料をフッ素系のオイルであるフ
ロリナート(スリーM社製、商標)中に超音波でよく分
散させて懸濁液を作製した。この懸濁液はきわめて鮮明
な青色を示した。
この懸濁液をセル厚100μmのセルに封入して調光素
子を製造した。この調光素子にRMS値50V、1KHzの交流電
圧を印加したところ、青色から透明に変色した。また、
このとき偏光性材料の凝集は認められなかった。さらに
この調光素子を85℃のオーブン中に1000時間以上放置し
ても、まったく変色しなかった。
この懸濁液についても実施例1と同様に調光素子を作
製後、実施例1と同様の耐久試験を行ったところ、500
時間まで変色しなかった。
(実施例2) 500ccのフラスコに1,1,2,2−テトラクロルエタン100
g、シンコニジン10.0g、トリフロロ酢酸1.0gを入れ溶解
させた。そこへキセノンジフロライド(XeF2)を5.75g
入れ室温で1日攪拌した。その後、溶媒を濃縮し、エタ
ノールから再結晶してフッ化シンコニジンを得た。
フッ化シンコニジン3.1g、98%硫酸0.7g、2−エトキ
シエタノール20.0g、水10.0gの溶液と、ニトロセルロー
ス14.2g、2−エトキシエタノール28.4g、トリクレジル
フォスフェート10.0gの溶液を混合し、よく攪拌した。
この溶液にヨウ化カルシウム0.49g、ヨウ素3.04g、n−
プロパノール12.0g、トリクレジルフォスフェート35.0g
の溶液を一気に加え、激しく攪拌した。30分の攪拌後、
液をガラス板上に広げて揮発性成分を除去して、本実施
例のフッ化シンコニジン硫酸塩の過ヨウ化物からなる偏
光性材料を得た。その後、この偏光性材料をトリルアセ
テート中に分散させて懸濁液を得た。この懸濁液も実施
例1と同様に鮮明な青色を示した。
この懸濁液についても実施例1と同様に調光素子を作
製後、実施例1と同様の耐久試験を行ったところ、500
時間まで変色しなかった。
なお、上記実施例1、2では、懸濁媒体としてフロリ
ナート、トリルアセテートを使用したが、イソアミルア
セテート、ジオクチルフタレート等のエステル系溶媒、
トリクロロトリフロロエタン、テトラクロルエチレン、
1,1,2,2−テトラブロモエタン等のハロゲン系溶媒、あ
るいはこれらの混合溶媒等を使用することができる。
上記実施例1、2の偏光性材料は、アリール基に連結
した飽和分岐鎖がいずれもビニル基がフッ素化されたフ
ッ素化ビニル基をもつ。このため、ビニル基が水素化さ
れた場合と比較して、水素結合力が働かない分、分子同
士の結合力が小さい。したがって、上記実施例1、2の
偏光性材料は電圧印加時の凝集が起こりにくいものとな
った。また、フッ素化されることにより、溶媒との相互
作用が低下し、高温で他の色に変色することがなくなっ
た。
(比較例) 500ccのエルレンマイヤーフラスコに水168.0g、97%
硫酸15.0g、シンコニジン40.0g及び塩化パラジウムの2
%水溶液150ccを磁力攪拌機で攪拌しながら挿入した。
フラスコ中の空気は、水柱80〜100cmの加圧下に挿入
する水素で置換した。水素化反応はパラジウムが完全に
還元されるまで緩慢に進行し、この間充分に攪拌した。
反応生成物をパラジウムから濾別し、攪拌しながら水
で600ccに稀釈した。反応生成物に充分な攪拌下に約25g
の50%苛性ソーダを急激に加えてpH9〜10にした。その
後10分間攪拌を続けた。ジヒドロシンコニジンの無定形
結晶を真空濾過し、水で充分に洗浄した。次いで生成物
をできるだけ水分がなくなるまでつき固めてから、広げ
て空気中で乾燥した。生成物は50%エタノール水から0
〜2℃で8〜10時間結晶させた。生成物は濾別して最少
量の50%冷エタノール水で洗浄し82℃で4時間乾燥して
ジヒドロシンコニジンを得た。
このジヒドロシンコニジンをフッ化シンコニジンの代
りに使用すること以外は上記実施例1と同様の方法によ
り、ジヒドロシンコニジンの過ヨウ化物を合成し、イソ
ペンチルアセテート中に超音波でよく分散させて懸濁液
を作製した。
この懸濁液をセル厚100μmのセルに封入して調光素
子を製造した。この調光素子を85℃のオーブン中に放置
したところ、50時間で変色した。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明の偏光性材料は、ビニル基
を水素化する代りにハロゲン化することにより、アリー
ル基に連結した不飽和分岐鎖が還元された飽和有機化合
物の過ハロゲン化物である。
したがって、本発明の偏光性材料は、水素原子の代り
にハロゲン原子が付加した分水素結合力が低減され、分
子同士の結合力が小さくなる。このため本発明の偏光性
材料は、電圧印加時の凝集が起こりにくい。
また、水素化の代りにハロゲン化されているので、溶
媒との相互作用が低下して熱分解性が低くなり、高温に
おける変色を防止することができる。
フロントページの続き (72)発明者 龍田 成人 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 広瀬 美治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 戸島 和夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 中村 直樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アリール基及びアリール基に連結した飽和
    分岐鎖を有する有機化合物の過ハロゲン化物よりなる偏
    光性材料において、 該飽和分岐鎖はビニル基がハロゲン化されたハロゲン化
    ビニル基をもつことを特徴とする偏光性材料。
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