JP3176154B2 - 錯体結晶 - Google Patents

錯体結晶

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JP3176154B2 JP32559292A JP32559292A JP3176154B2 JP 3176154 B2 JP3176154 B2 JP 3176154B2 JP 32559292 A JP32559292 A JP 32559292A JP 32559292 A JP32559292 A JP 32559292A JP 3176154 B2 JP3176154 B2 JP 3176154B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,光バルブや調光ガラス
に使用される調光素子用粒子として有用な、多環式芳香
族化合物と、沃素と、からなる錯体結晶および調光素子
用粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、分極性の偏光粒子を分散媒体に分
散させて、この分散媒体に電場を負荷して偏光粒子を配
向させたり、ランダム化して分散媒体の光学的特性(透
過、遮光)を制御する調光素子が知られている。この偏
光粒子には、ヘラパタイトなど錯体イオンの使用が提案
されている。この偏光粒子を調光素子として使用する際
には、偏光粒子を分散媒体中に分散させた分散体を、対
向面側にそれぞれ透明電極を形成した一対の基板の間に
配置したり、調光素子の光学的性能や安全性を向上させ
るために用いられる微小セル中に保持するなどして使用
される。
【0003】この偏光粒子を分散させる分散媒体には、
水分が含まれていることが多い。このため従来の偏光粒
子は、錯体イオンが形成している包接構造を、水分子に
より破壊されることがあり、その結果、偏光性能が失わ
れる場合がある。現在知られている偏光粒子は、耐水性
が充分でないものが多く、調光素子の耐久性や安定性を
保持するためには、偏光粒子が耐水性であることが求め
られる。
【0004】また、自動車の高級化にともない、ウイン
ドガラスに遮光機能を付与することが望まれている。そ
こで、上記の偏光粒子を使用した遮光ガラスの製造が考
えられる。この場合、上記の偏光粒子を用いて調光素子
としての遮光ガラスを形成するには、合わせガラスの製
造工程の途中段階で、偏光粒子を含む分散媒体を封入す
る必要がある。ところが上記の偏光粒子は、100℃以
上の温度にさらされると、分解や劣化が生じることがわ
かっている。そのため通常130℃以上の高温で処理さ
れて製造される自動車用合わせガラスには、使用するこ
とができないという不具合がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで耐熱性が高く、
長寿命の調光素子を得るためには、耐水性と耐熱性を有
する錯体結晶を偏光粒子とする必要がある。本発明は上
記の事情に鑑みてなされたもので、調光素子用粒子とし
て有用な新規の結晶体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の錯体結晶は、
構造としてフェナントレンまたはアントラセンを有し、
かつその環構成炭素原子の少なくとも1つが窒素原子
置き換えられている多環式芳香族化合物の陽イオンと、
3沃素陰イオンとから構成されることを特徴とする。こ
の錯体結晶は、前記多環式芳香族化合物に、酸および沃
素を反応させて、陽イオンと陰イオンとで構成される電
荷移動錯体の結晶として単離することができる。そし
て、生成した結晶は、安定で強い偏光性を有し耐熱性、
耐水性に優れた調光素子粒子として利用できる。
【0007】多環式芳香族化合物とは、複数の芳香族環
が辺を共有して一体化しているものをいう。たとえば、
2つのベンゼン環が縮合して形成されるナフタレンのよ
うな構造式のものである。本発明にかかる多環式芳香族
化合物は、このナフタレンよりもさらに縮合環数の多い
もの、すなわち、3つの環が縮合している多環式芳香族
化合物である。また本発明にかかる多環式芳香族化合物
は、少なくとも1つの窒素原子を有する必要がある。こ
の窒素原子は、いわゆる複素環式化合物のように縮合環
の骨格原子として含まれていてもよいし、あるいは縮合
環式化合物の側鎖に置換基として結合していてもよい。
【0008】本発明にかかる多環式芳香族化合物を構成
する環の縮合数は、3であり、多環式芳香族化合物の大
きな広がりが、錯体を形成している3沃素陰イオンを被
い、水や酸素の攻撃から錯体構造を守るとともに、分子
全体を立体化学的にも安定させている。このため生成さ
れた錯体結晶は、安定性、耐熱性、耐水性が向上する。
また多環式芳香族化合物に存在する窒素原子は、錯体結
晶を形成するための活性点となっている。
【0009】この窒素原子を含む多環式芳香族化合物と
しては、たとえば、アクリジン、フェナントリジン、
1、7−フェナントロリン、1、10−フェナントロリ
ン、4、7−フェナントロリン、フェナジン、フェノキ
サジン、フェノチアジン、カルバゾール、イミノスチル
ベン、および前記含窒素多環式芳香族化合物もしくは窒
素原子を含まない少なくとも3つの環が縮合した多環式
芳香族化合物に、アミノ基、アミド基、ヒドラジド基、
イミノ基、グアニジル基が、置換基として結合した化合
物などが挙げられる。
【0010】さらに多環式芳香族化合物には、上記の誘
導体としてハロゲン置換基、炭素数10以下の脂肪族あ
るいは芳香族炭化水素置換基を有するもの、あるいはこ
れらが硫黄、酸素原子を介して結合したものも含まれ
る。硫黄、酸素原子を介して結合した置換基としては、
たとえば、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、メ
チルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基などが挙げ
られる。
【0011】この置換基は炭素数が10を超えると、生
成する錯体結晶の安定性が低下し、耐熱性や耐水性が低
下するので好ましくない。形成された錯体結晶は、窒素
原子をもつ多環式芳香族化合物が正の電荷(陽イオン)
を帯電し、沃素は負の電荷(陰イオン)に帯電している
と考えられる。このため、多環式芳香族化合物に特に電
子供与性の置換基が結合していると、正の電荷を帯電し
た多環式芳香族化合物がより安定化され耐熱性が向上す
る。
【0012】多環式芳香族化合物の陽イオンを形成する
には、酸が必須である。かかる陽イオンを形成する酸と
しては、多環式芳香族化合物に含まれる窒素原子に起因
する塩基性を中和して、中性塩を形成するもので、たと
えば、プロトン、塩酸、硫酸、燐酸、沃化水素酸などの
無機酸、カルボン酸、スルホン酸などの有機酸が利用で
きる。有機酸としては、たとえば、ベンゼンスルホン
酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などのスル
ホン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレイン酸、トリ
フルオル酢酸、安息香酸などのモノカルボン酸、シュウ
酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸などの
ジカルボン酸などが挙げられる。
【0013】本発明の錯体結晶は、酸アニオン(陰イオ
ン)が構成成分として入る場合がある。なお、調光素子
用粒子として好ましい錯体結晶を形成するのに好ましい
酸イオンは、スルホン酸イオン、ジカルボン酸イオンで
ある。沃素は、イオン化(I3 - )して多環式芳香族化
合物の不飽和系および窒素原子との間で錯体結晶を形成
する。本発明にかかる錯体結晶の主な構造は、多環式芳
香族化合物と、沃素原子鎖とが、交互に整然と並んだ構
造を有している。多環式芳香族化合物の分子面は、沃素
原子鎖を介して互いに平行な構造をとっている場合もあ
る。また、沃素原子鎖を包接するような包接体となって
いる場合もある。
【0014】調光素子用粒子とは、光バルブや、調光ガ
ラスに用いられる遮光特性や偏光特性のある粒子であ
り、電圧等の印加により、遮光量や偏光特性を、調整で
きるものをいう。本発明にかかる調光素子用粒子は分極
性があり、たとえば外部電場の作用により配向すること
が可能である。また、この調光素子用粒子は、針状や板
状の結晶形体であり、ランダムな分散状態で光を遮蔽
し、配向状態で光を透過させる機能を有する。
【0015】本発明にかかる錯体結晶の偏光性は、この
錯体中に取り込まれた沃素により発現される。また、錯
体結晶の分極性は、多環式芳香族化合物と、沃素との相
互作用により発現される。このため、光バルブ、調光ガ
ラス、防眩ミラー、表示素子、偏光素子等の調光素子用
粒子として使用することができる。上記の錯体結晶を形
成するには、たとえば、多環式芳香族化合物に、上記の
酸を加えて窒素原子に基づく塩基を中和して、水溶性の
中性塩溶液を形成する。これに沃素と沃化カリウムの混
合物で形成されたカリウムイオンと沃素−沃素イオンを
含む水溶液を添加混合することにより、電荷移動を示す
錯体が結晶として析出する。この析出結晶を単離するこ
とで錯体結晶が容易に得られる。
【0016】
【作用】この錯体結晶は、多環式芳香族化合物の窒素原
子が酸により中和され、窒素原子にプロトンが付加して
イオン化した多環式芳香族化合物に、沃素−沃化カリウ
ムに基づく沃素イオンが陰イオンとして付加して、安定
な多環式芳香族化合物の錯体結晶が形成される。
【0017】多環式芳香族化合物の種類によっては、酸
の陰イオンが沃素イオンに置換されず、多環式芳香族化
合物の電荷を中和するために残存し、多環式芳香族化合
物はイオン的に中和され錯体結晶が大きく成長するよう
な作用をしていると考えられる。また、この時、錯体結
晶は、針状あるいは板状として成長するため、調光素子
用粒子として有用な大きさ、形状を形成する。さらに、
これを調光素子用粒子に利用した場合、本発明にかかる
多環式芳香族化合物は、3つの環が縮合したものであ
り、生成した錯体結晶は構造的に非常に安定している。
このため、耐熱性、耐水性にすぐれた調光素子用粒子が
得られる。
【0018】本発明にかかる錯体結晶は、平面構造の多
環式芳香族化合物陽イオンと、3沃素陰イオンが規則正
しく配列した構造をとっている。このため錯体結晶は、
多環式芳香族化合物と3沃素陰イオンの配列によって偏
光性を示す。また、錯体結晶中の多環式芳香族化合物陽
イオンと、沃素陰イオンとの相互作用により、錯体結晶
ユニット上の電子が動きやすい電荷移動錯体が形成され
る。このため、錯体結晶の分極性が大きくなり、錯体結
晶全体の分極性も大となる。
【0019】
【実施例】以下実施例により具体的に説明する。 (実施例1) 1、7−フェナントロリン過沃素化物よりなる錯体結晶
の合成 1、7−フェナントロリン1.01gを水21g、濃硫
酸0.274gの混合液に添加して溶解させ、第1の溶
液を調製した。沃素0.708g、沃化カリウム0.4
68gを水14g、エタノール3.5gの混合液に添加
し溶解させて、第2の溶液を調製した。この第1と第2
の2つの溶液を一度に混合した後、さらに1時間攪拌を
続けた。混合溶液中で生成した沈澱物を、濾過、水洗、
真空乾燥することにより青灰色の針状結晶を1.16g
得た。この針状結晶は、1、7−フェナントロリン過沃
素化物よりなる錯体結晶であることを、X線回析、元素
分析、ラマンスペクトルおよび赤外線吸収法で確認し
た。この時得られた錯体結晶の多環式芳香族化合物:H
3 :H2 SO4 で表した組成比は、7:4:1であっ
た。この錯体結晶はDSC測定により、融点が160.
4℃であった。
【0020】この1、7−フェナントロリン過沃素化物
の錯体結晶0.2gに、エタノール10gを添加して超
音波洗浄器で10分間処理して精製した後、遠心分離器
でエタノールを除去して、錯体結晶を単離した。次いで
単離した錯体結晶0.2gに、フタル酸ジトリデシル1
0gを加え超音波洗浄器で一時間処理して、フタル酸ジ
トリデシルに錯体結晶を分散させた。次いで分散液を、
真空雰囲気で処理して残存するエタノールなどの揮発成
分を除去して、フタル酸ジトリデシルに1、7−フェナ
ントロリン過沃素化物の錯体結晶が分散した青色の分散
液を得た。この分散液は、130℃で10時間の熱処理
をおこなっても、錯体結晶の熱変化に基づく変色は認め
られなかった。 (実施例2) 1、10−フェナントロリン過沃素化物よりなる錯体結
晶の合成 1、10−フェナントロリン1.01gを、水21g、
濃硫酸0.274gの混合液に添加して溶解させ、第1
の溶液を調製した。沃素0.708g、沃化カリウム
0.468gを、水14g、エタノール3.5gの混合
液に添加し溶解させて、第2の溶液を作製した。この第
1と第2の2つの溶液を一度に混合した後、さらに1時
間攪拌を続けた。混合溶液中で生成した沈澱物を、濾
過、水洗、真空乾燥することにより赤褐色の柱状結晶を
1.60g得た。この柱状結晶は、1、10−フェナン
トロリン過沃素化物の錯体結晶であることを、X線回
析、元素分析、ラマンスペクトルおよび赤外線吸収法で
確認した。この時得られた錯体結晶の多環式芳香族化合
物:HI3 :H2 SO4 で表した組成比は、2:1:
0.08であった。この錯体結晶はDSC測定により、
融点が171.1℃であった。
【0021】この1、10−フェナントロリン過沃素化
物の錯体結晶0.2gにイソプロパノール10gを添加
して、超音波洗浄器で10分間処理して精製した。この
精製により錯体結晶が青色の繊維状結晶に変化した。次
いで遠心分離器を用いて、イソプロパノールを除去して
繊維状の錯体結晶を単離した。この錯体結晶0.2g
に、フタル酸ジトリデシル10gを加え超音波洗浄器で
一時間処理して錯体結晶を、フタル酸ジトリデシルに分
散させた。得られた分散液を、真空雰囲気中で処理し
て、分散液に残存するイソプロパノールなどの揮発成分
を除去して、フタル酸ジトリデシルに、1、10−フェ
ナントロリン過沃素化物の錯体結晶が分散した青色の分
散液を得た。この分散液は、130℃で10時間の熱処
理をしても、錯体結晶の熱変化に基づく変色は認められ
なかった。 (実施例3) 4、7−フェナントロリン過沃素化物よりなる錯体結晶
の合成 4、7−フェナントロリン1.01gを水21g、濃硫
酸0.274gの混合液に添加して溶解させ、第1の溶
液を調製した。沃素0.708g、沃化カリウム0.4
68gを、水14g、エタノール3.5gの混合液に添
加溶解させて、第2の溶液を調製した。この第1と第2
の2つの溶液を一度に混合した後、さらに1時間攪拌を
続けた。混合溶液中で生成した沈澱物を、濾過、水洗、
真空乾燥することにより、黒褐色の繊維状結晶1.60
gを得た。
【0022】この繊維状結晶は、4、7−フェナントロ
リン過沃素化物の錯体結晶であることを、X線回析、元
素分析、ラマンスペクトルおよび赤外線吸収法で確認し
た。この錯体結晶はDSC測定により、融点が195.
7℃であった。この4、7−フェナントロリン過沃素化
物の錯体結晶0.2gにエタノール10gを添加して、
超音波洗浄器で10分間処理して、錯体結晶を精製し
た。次いで遠心分離器を用いてエタノールを除去して、
錯体結晶を単離した。この4、7−フェナントロリン過
沃素化物の錯体結晶0.2gに、フタル酸ジトリデシル
10gを加え超音波洗浄器で一時間処理して、錯体結晶
をフタル酸ジトリデシルに分散させた。次いで、この分
散液を真空雰囲気中で処理して分散液中に残存している
エタノールなどの揮発成分を除去して、フタル酸ジトリ
デシルに4、7−フェナントロリン過沃素化物の錯体結
晶が分散した黒褐色の分散液を得た。この分散液は、1
30℃で10時間の熱処理をしても、結晶の熱変化に基
づく変色は認められなかった。 (実施例4) アクリジン過沃素化物よりなる錯体結晶の合成 アクリジン1gを水21g、エタノール21g、濃硫酸
0.274gの混合液に添加して溶解させて、第1の溶
液を調製した。次に沃素0.708g、沃化カリウム
0.468gを、水14g、エタノール3.5gの混合
液に添加し溶解させ、第2の溶液を調製した。この第1
と第2の2つの溶液を一度に混合した後、さらに1時間
攪拌を続けた。次いで混合溶液中で生成した沈澱物を、
濾過、水洗、真空乾燥すると青緑色の繊維状結晶が2.
02g得られた。
【0023】この繊維状結晶は、アクリジン過沃素化物
の錯体結晶であることを、X線回析、元素分析、ラマン
スペクトルおよび赤外線吸収法であることを確認した。
この時得られた錯体結晶の多環式芳香族化合物:H
3 :H2 SO4 で表した組成比は、4:2:1であっ
た。この錯体結晶はDSC測定により、融点が204.
8℃であった。
【0024】このアクリジン過沃素化物の錯体結晶0.
2gにエタノール10gを添加して、超音波洗浄器で1
0分間処理して精製した。次いで遠心分離器で、エタノ
ールを除去して繊維状結晶を単離した。このアクリジン
過沃素化物の錯体結晶0.2gに、フタル酸ジトリデシ
ル10gを加え超音波洗浄器で一時間処理して、アクリ
ジン過沃素化物の錯体結晶をフタル酸ジトリデシルに分
散させた。次いでこの分散液を真空雰囲気中で処理し
て、分散液中に残存しているエタノールなどの揮発成分
を除去して、フタル酸ジトリデシルにアクリジン過沃素
化物が分散した青緑色の分散液が得られた。この分散液
は130℃で10時間の熱処理をしても、アクリジン過
沃素化物の錯体結晶は、熱変化に基づく変色は認められ
なかった。 (実施例5) フェナントリジン過沃素化物よりなる錯体結晶の合成 フェナントリジン1gを水21g、濃硫酸0.274g
の混合液に添加して溶解させて、第1の溶液を調製し
た。次いで沃素0.708g、沃化カリウム0.468
gを、水14g、エタノール3.5gの混合液に添加し
溶解させ、第2の溶液を調製した。この第2と第2の2
つの溶液を一度に混合した後、さらに1時間攪拌を続け
た。混合溶液中で生成した沈澱物を、濾過、水洗、真空
乾燥することにより黒褐色の板状結晶1.22gを得
た。この板状結晶は、フェナントリジン過沃素化物の錯
体結晶であることを、X線回析、元素分析、ラマンスペ
クトルおよび赤外線吸収法で確認した。
【0025】この板状結晶はDSC測定により、融点が
185.1℃であった。このフェナントリジン過沃素化
物の錯体結晶0.2gに、エタノール10gを添加して
超音波洗浄器で10分間処理して精製した。次いで遠心
分離器で、エタノールを除去して錯体結晶を単離した。
このフェナントリジン過沃素化物の錯体結晶0.2gを
フタル酸ジトリデシル10gを加え超音波洗浄器で一時
間処理して、結晶をフタル酸ジトリデシルに分散させ
た。次いでこの分散液を真空雰囲気中で処理して、分散
液中に残存するエタノールなどの揮発成分を除去して、
フタル酸ジトリデシルにフェナントリジン過沃素化物の
錯体結晶を分散させた茶褐色の分散液を得た。この分散
液は130℃で10時間の熱処理をしても、錯体結晶の
熱変化に基づく変色は認められなかった。 (実施例6) 4−メチル−1、10−フェナントロリン過沃素化物よ
りなる錯体結晶の合成 4−メチル−1、10−フェナントロリン1.08gを
水21g、濃硫酸0.274gの混合液に添加して溶解
させて、第1の溶液を調製した。次に沃素0.708
g、沃化カリウム0.468gを、水14g、エタノー
ル3.5gの混合液に添加し溶解させて、第2の溶液を
調製した。この第1と第2の2つの溶液を一度に混合し
た後、さらに1時間攪拌を続けた。混合溶液中で生成し
た沈澱物を、濾過、水洗、真空乾燥することにより、黒
褐色の粒状結晶が1.78g得られた。
【0026】黒褐色の粒状結晶が4−メチル−1、10
−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶で有ること
を、X線回析、元素分析、ラマンスペクトルおよび赤外
線吸収法で確認した。この粒状結晶はDSC測定によ
り、融点が215.2℃であった。この4−メチル−
1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶0.
2gにエタノール10gを添加して、超音波洗浄器で1
0分間処理して精製した。次いで遠心分離器でエタノー
ルを除去して、4−メチル−1、10−フェナントロリ
ン過沃素化物の錯体結晶を単離した。この4−メチル−
1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶0.
2gにフタル酸ジトリデシル10gを加え、超音波洗浄
器で一時間処理して、この錯体結晶をフタル酸ジトリデ
シルに分散させた。次いでこの分散液を、真空雰囲気中
で処理して分散液中に残存するエタノールなどの揮発成
分を除去して、フタル酸ジトリデシルに4−メチル−
1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶が分
散した黒褐色の分散液を得た。この分散液は130℃で
10時間の熱処理をしても、錯体結晶の熱変化に基づく
変色は認められなかった。 (実施例7) 5−メチル−1、10−フェナントロリン過沃素化物よ
りなる錯体結晶の合成 5−メチル−1、10−フェナントロリン1.08gを
水21g、濃硫酸0.274gの混合液に添加して溶解
させて、第1の溶液を調製した。次に沃素0.708
g、沃化カリウム0.468gを、水14g、エタノー
ル3.5gの混合液に添加し溶解させて、第2の溶液を
調製した。この第1と第2の2つの溶液を一度に混合し
た後、さらに1時間攪拌を続けた。混合溶液中に生成し
た沈澱物を濾過、水洗、真空乾燥することにより、深緑
色の針状結晶を2.03g得た。
【0027】この深緑色の針状結晶は、5−メチル−
1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶であ
ることを、X線回析、元素分析、ラマンスペクトルおよ
び赤外線吸収法で確認した。この錯体結晶はDSC測定
により、融点が223.2℃であった。この5−メチル
−1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶
0.2gに、エタノール10gを添加して、超音波洗浄
器で10分間処理して錯体結晶を精製した。次いで遠心
分離器で、エタノールを除去して錯体結晶を単離した。
この5−メチル−1、10−フェナントロリン過沃素化
物の錯体結晶0.2gに、フタル酸ジトリデシル10g
を加え超音波洗浄器で一時間処理して、錯体結晶をフタ
ル酸ジトリデシルに分散させた。次いでこの分散液を真
空雰囲気中で処理して、分散液中に残存するエタノール
などの揮発成分を除去して、フタル酸ジトリデシルに5
−メチル−1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯
体結晶が分散した深緑色の分散液が得られた。この分散
液は130℃で10時間の熱処理をしても、錯体結晶に
熱変化に基づく変色は認められなかった。 (実施例8) 2、9−ジメチル−1、10−フェナントロリン過沃素
化物よりなる錯体結晶の合成 2、9−ジメチル−1、10−フェナントロリン1.1
6gを水21g、濃硫酸0.274gの混合液に添加し
て溶解させ、第1の溶液を調製した。次に沃素0.70
8g、沃化カリウム0.468gを、水14g、エタノ
ール3.5gの混合液に添加し溶解させ、第2の溶液を
調製した。この第1と第2の2つの溶液を一度に混合し
た後。さらに1時間攪拌を続けた。混合溶液中に生成し
た沈澱物を、濾過、水洗、真空乾燥することにより茶色
の粒状結晶が1.65g得られた。
【0028】この茶色の粒状結晶は、2、9−ジメチル
−1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶で
あることを、X線回析、元素分析、ラマンスペクトルお
よび赤外線吸収法で確認した。この粒状結晶はDSC測
定により、融点が153.8℃であった。この2、9−
ジメチル−1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯
体結晶0.2gに、エタノール10gを添加して、超音
波洗浄器で10分間処理して精製した。次いで、遠心分
離器でエタノールを除去して錯体結晶を単離した。この
錯体結晶0.2gにフタル酸ジトリデシル10gを加
え、超音波洗浄器で一時間処理して結晶をフタル酸ジト
リデシルに分散させた。次いで、この分散液を真空雰囲
気中で処理して、分散液中に残存するエタノールなどの
揮発成分を除去して、フタル酸ジトリデシルに2、9−
ジメチル−1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯
体結晶が分散した茶色の分散液を得た。この分散液は1
30℃で10時間の熱処理をしても、錯体結晶の熱変化
に基づく変色は認められなかった。 (実施例9) 4、7−ジメチル−1、10−フェナントロリン過沃素
化物よりなる錯体結晶の合成 4、7−ジメチル−1、10−フェナントロリン1.1
6gを水21g、濃硫酸0.274gの混合液に添加し
て溶解させ、第1の溶液を調製した。次に沃素0.70
8g、沃化カリウム0.468gを、水14g、エタノ
ール3.5gの混合液に添加し溶解させ、第2の溶液を
調製した。この第1と第2の2つの溶液を一度に混合し
た後、さらに1時間攪拌を続けた。混合溶液中で生成し
た沈澱物を、濾過、水洗、真空乾燥により青緑色の短冊
状結晶を1.94g得た。この青緑色の短冊状結晶は
4、7−ジメチル−1、10−フェナントロリン過沃素
化物の錯体結晶であることを、X線回析、元素分析、ラ
マンスペクトルおよび赤外線吸収法で確認した。この短
冊状の錯体結晶はDSC測定により、融点が144.5
℃であった。
【0029】この4、7−ジメチル−1、10−フェナ
ントロリン過沃素化物の錯体結晶0.2gに、エタノー
ル10gを添加して、超音波洗浄器で10分間処理して
精製した。次いで遠心分離器で、エタノールを除去して
錯体結晶を単離した。この4、7−ジメチル−1、10
−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶0.2gに、
フタル酸ジトリデシル10gを加え超音波洗浄器で一時
間処理して、錯体結晶をフタル酸ジトリデシルに分散さ
せた。次いで、この分散液を真空雰囲気中で処理して、
分散液中に残存しているエタノールなどの揮発成分を除
去して、フタル酸ジトリデシルに4、7−ジメチル−
1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶が分
散した青緑色の分散液が得られた。この分散液は130
℃で10時間の熱処理をしても、錯体結晶に熱変化に基
づく変色は認められなかった。 (実施例10) 5、6−ジメチル−1、10−フェナントロリン過沃素
化物よりなる錯体結晶の合成 5、6−ジメチル−1、10−フェナントロリン1.1
6gを水21g、濃硫酸0.274gの混合液に添加し
て溶解させ、第1の溶液を調製した。次いで沃素0.7
08g、沃化カリウム0.468gを、水14g、エタ
ノール3.5gの混合液に添加し溶解させ、第2の溶液
を調製した。この第1と第2の2つの溶液を、一度に混
合した後、さらに1時間攪拌を続けた。混合溶液中に生
成した沈澱物を、濾過、水洗、真空乾燥することにより
赤色の針状結晶を1.94g得た。
【0030】この赤色の針状結晶は5、6−ジメチル−
1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶であ
ることを、X線回析、元素分析、ラマンスペクトルおよ
び赤外線吸収法で確認した。この針状の錯体結晶はDS
C測定により、融点が206.9℃であった。この5、
6−ジメチル−1、10−フェナントロリン過沃素化物
の錯体結晶0.2gに、エタノール10gを添加して、
超音波洗浄器で10分間処理して精製した。次いで遠心
分離器で、エタノールを除去して錯体結晶を単離した。
この錯体結晶0.2gにフタル酸ジトリデシル10gを
加え、超音波洗浄器で一時間処理して、錯体結晶をフタ
ル酸ジトリデシルに分散させた。次いでこの分散液を、
真空雰囲気中で処理して、分散液中に残存するエタノー
ルなどの揮発成分を除去して、フタル酸ジトリデシルに
5、6−ジメチル−1、10−フェナントロリン過沃素
化物の錯体結晶が分散した赤色の分散液を得た。この分
散液は、130℃で10時間の熱処理をしても、錯体結
晶に熱変化による変色は認められなかった。 (実施例11) 5−メトキシ−1、10−フェナントロリン過沃素化物
よりなる錯体結晶の合成 5−メトキシ−1、10−フェナントロリン1.16g
を水21g、濃硫酸0.138の混合液に添加して溶
解させ、第1の溶液を調製した。次いで沃素0.708
g、沃化カリウム0.468gを、水14g、エタノー
ル3.5gの混合液に添加し溶解させ、第2の溶液を調
製した。この第1と第2の2つの溶液を一度に混合した
後、さらに1時間攪拌を続けた。混合溶液中に生成した
沈澱物を、濾過、水洗、真空乾燥することにより深緑色
繊維状結晶を2.13g得た。
【0031】この深緑色繊維状結晶は、5−メトキシ−
1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶であ
ることを、X線回析、元素分析、ラマンスペクトルおよ
び赤外線吸収法で確認した。この錯体結晶はDSC測定
により、融点が229.5℃であった。この5−メトキ
シ−1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶
0.2gに、エタノール10gを添加して、超音波洗浄
器で10分間処理して精製した。次いで遠心分離器でエ
タノールを除去して、錯体結晶を単離した。この錯体結
晶0.2gにフタル酸ジトリデシル10gを加え、超音
波洗浄器で一時間処理して、錯体結晶をフタル酸ジトリ
デシルに分散させた。次いで、この分散液を真空雰囲気
中で処理して、分散液中に残存するエタノールなどの揮
発成分を除去して、フタル酸ジトリデシルに5−メトキ
シ−1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶
が分散した青色の分散液を得た。この分散液は130℃
で10時間の熱処理をしても、錯体結晶に熱変化による
変色は認められなかった。
【0032】(実施例12) 5−アミノ−1、10−フェナントロリン過沃素化物よ
りなる錯体結晶の合成 5−アミノ−1、10−フェナントロリン1.0gを水
50g,エタノール10g,濃硫酸0.126gの混合
液に添加して溶解させ、第1の溶液を調整した、次いで
沃素0.649g、ヨウ化カリウム0.425gを水1
2.8g、エタノール3.26gの混合液を添加して溶
解させ、第2の溶液を調整した。この第1と第2の2つ
の溶液を一度に混合した後、さらに1時間攪拌を続け
た。混合溶液中に生成した沈澱物を、濾過、水洗、真空
乾燥することにより暗青色針状結晶を1.72g得た。
【0033】この暗青色針状結晶は、5−アミノ−1、
10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶であるこ
とを、X線回折、元素分析、ラマンスペクトルおよび赤
外線吸収法で確認した。この錯体結晶はDSC測定によ
り、融点が176.0℃であった。この5−アミノ−
1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶0.
2gに、エタノール10gを添加して、超音波洗浄器で
10分間処理して精製した。次いで遠心分離器でエタノ
ールを除去して、錯体結晶を単離した。この錯体結晶
0.2gにフタル酸ジトリデシル10gを加え、超音波
洗浄器で1時間処理して、錯体結晶をフタル酸ジトリデ
シルに分散させた。次いで、この分散液を真空雰囲気中
で処理して、分散液中に残存するエタノールなどの揮発
成分を除去して、フタル酸ジトリデシルに5−アミノ−
1、10−フェナントロリン過沃素化物の錯体結晶が分
散した青色の分散液を得た。この分散液は130℃で1
0時間の熱処理をしても、錯体結晶の熱変化による変色
は認められなかった。
【0034】(実施例13) アクリジン過沃素化物よりなる錯体結晶の合成 アクリジン1gを水21g、エタノール21g、表4に
示す有機酸の1種類を2.79mmolよりなる混合液
に添加して溶解させて、第1の溶液を調製した。次に沃
素0.708g、沃化カリウム0.468gを水14
g、エタノール3.5gの混合液に添加した後、第2の
溶液を調製した。この第1と第2の2つの溶液を1度に
混合した後、さらに1時間攪拌を続けた。次いで混合溶
液中に生成した沈澱物を、濾過、水洗、真空乾燥するこ
とによりアクリジン酸過沃素化物の錯体結晶が得られ
た。
【0035】この合成を表4に示す全ての有機酸を用い
て行いそれぞれアクリジン酸過沃素化物の錯体結晶を得
た。これらの錯体結晶の収量、色、結晶形態を表5にま
とめて示す。各アクリジン酸過沃素化物の錯体結晶0.
2gにイソプロパノールを添加して、超音波洗浄器で1
0分間処理して錯体結晶を精製した。次いで遠心分離器
を用いてイソプロパノールを除去して、各錯体結晶を単
離した。
【0036】単離した各アクリジン酸過沃素化物の錯体
結晶0.2gにフタル酸ジトリデシル10gを加え、超
音波洗浄器で1時間処理して各錯体結晶をフタル酸ジト
リデシルに分散させた。次いで、この分散液を真空雰囲
気中で処理して、分散液中に残存するイソプロパノール
などの揮発成分を除去して、フタル酸ジトリデシルにア
クリジン酸過沃素化物の錯体結晶が分散した黒褐色の分
散液を得た。この分散液は100℃で10時間の熱処理
をしても、錯体結晶に熱変化による変色は認められなか
った。 (比較例)特開昭53−144893号公報の実施例に
開示された方法に従って2個の芳香族環と2個の窒素原
子をもつジヒドロシンコニジン過沃素化物の錯体結晶を
合成した。そして、上記の実施例と同様にフタル酸ジト
リデシルに分散させ、分散液を130℃で10時間の耐
熱試験をおこなったところ、85℃以下の低温度で変色
し、室温に戻しても分散結晶は元の色に戻らなかった。 (評価)上記の実施例で得た各錯体結晶は、フタル酸ジ
トリデシル分散液中で130℃×10時間処理する耐熱
試験では、いずれも変色せず、安定で耐熱性を有してい
ることを示している。しかし比較例のジヒドロシンコニ
ジン過沃素化物は、85℃以下の低い熱処理温度で変色
し、耐熱性が不十分で有ることを示している。 (耐水性試験)上記の実施例で合成した各分散液1g
を、10gの水中に滴下し一時間攪拌した。水中に分散
された分散液粒は、いずれも変色などの変化がみられ
ず、分散液中に水分が含まれていても、偏光粒子は水の
影響を受けず安定であることを示している。一方、比較
例のジヒドロシンコニジン過沃素化物の錯体結晶の分散
液を、水中に滴下したところ分散液が瞬時に変色し、数
分で無色となった。したがって、ジヒドロシンコニジン
過沃素化物の錯体結晶は、分散液に水が含まれていると
変色し、耐水性が充分でないことを示している。しか
し、実施例の各分散液では、変化が無く、実施例の各過
沃素化物の錯体結晶は、耐水性を有していることを示し
ている。
【0037】実施例1〜12の各多環式芳香族化合物の
構造式、過沃素化物の錯体結晶の色および形状、融点、
分散液の色、耐熱性、耐水性を表1、表2、表3に纏め
て示す。また、実施例13に使用した有機酸を表4に、
得られた錯体結晶の添加量、収量、結晶形態を表5に示
す。また、参考までに実施例1、2、4、6、7および
11で得られた錯体結晶の元素組成比およびこれらの元
素組成比から求められた多環式芳香族化合物:HI 3
2 SO4 の組成比を表6に示す。さらに、実施例1〜
12で得た錯体結晶のX線回折チャートを図4〜図15
に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】(遮光性能)1、10−フェナントロリン
過沃素化物の錯体結晶(実施例2で作製した)をフタル
酸ジトリデシルに分散した分散液を、図2に示すセルに
封入して遮光性能を評価した。この評価用セルは、互い
平行に対向する一対のガラス基板2(ソーダ石灰ガラス
・厚さ1.1mm)と、ガラス基板2の対向する表面に
それぞれ形成された一対のITO透明電極3(厚さ15
00Å)と、一対のガラス基板2の周縁部をシールする
エポキシ系接着剤4とからなり、一対のガラス基板2と
接着剤4で囲まれたセルギャップ100μmのセル内に
分散媒5と、錯体結晶の調光素子用粒子1が封入されて
形成されている。
【0045】このセル中に、上記の分散液を封入して電
場を負荷すると、図2に示すよう調光用粒子1が、基板
2に対して垂直方向に配向するので、光線がセル内を透
過して透過率が高まる。そして電場の負荷を止めると図
3に示すように、調光用粒子1がランダムの状態とな
り、光線を乱反射させて光線の透過を阻止する。このた
めセルの光線透過率が低下して遮光状態となる。
【0046】この時の波長と透過率との関係を、縦軸に
透過率を、横軸に波長をとり、電場を負荷(ON)、電
場を止めた(OFF)時および電場を負荷した時の透過
率から、電場を止めたときの透過率を差し引いた差スペ
クトルを、図1に線グラフのスペクトルとして示す。図
1に示すように100V、1kHzの電場を負荷したと
きの透過率は、450〜800nmの範囲で約50%、
この電場をOFFした場合の透過率は約5%であった。
また、印加電圧を30〜100Vの範囲で変化させて
も、同程度の透過率が得られた。従って、差スペクトル
は、この電圧範囲で50%前後であるので、透過と非透
過の差が大きく、遮光ガラスとして使用可能である。こ
のように、本実施例の錯体結晶は、調光素子用粒子とし
て使用可能である。
【0047】
【発明の効果】本発明では、少なくとも1つの窒素原子
と3つの環が縮合した多環式芳香族化合物を用いて形成
した、過沃素化物の錯体結晶である。この錯体結晶は、
多環式芳香族化合物を含むので、共役系の長い電荷移動
錯体が形成され、分極性が発現する。この錯体結晶は、
含有する沃素分子鎖により偏光性が生ずる場合もある。
また、多環式芳香族化合物が面構造であり、錯体結晶の
構造を安定化するため、結晶の熱的な安定性が向上す
る。さらに多環式芳香族化合物の大きな面的な広がりが
水分子による攻撃から沃素を保護し、結晶の耐水性を向
上させている。さらに多環式芳香族化合物に電子供与性
の置換基を導入することで、正に帯電した芳香族環が安
定化され、過沃素化合物全体の耐熱性が向上する。
【0048】本発明にかかる錯体結晶は、針状あるいは
板状であり、上記のように分極性を有しているため、電
場で粒子の配向を制御することができる。したがって、
調光素子用粒子として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】は1、10−フェナントロリン過沃素化物の分
散液の透過光スペクトルである。
【図2】は遮光性能の評価用セルの断面模式図で透過状
態である。
【図3】は図2の遮光状態を説明する断面模式図であ
る。
【図4】は実施例1で得られた錯体結晶のX線回折チャ
ートである。
【図5】は実施例2で得られた錯体結晶のX線回折チャ
ートである。
【図6】は実施例3で得られた錯体結晶のX線回折チャ
ートである。
【図7】は実施例4で得られた錯体結晶のX線回折チャ
ートである。
【図8】は実施例5で得られた錯体結晶のX線回折チャ
ートである。
【図9】は実施例6で得られた錯体結晶のX線回折チャ
ートである。
【図10】は実施例7で得られた錯体結晶のX線回折チ
ャートである。
【図11】は実施例8で得られた錯体結晶のX線回折チ
ャートである。
【図12】は実施例9で得られた錯体結晶のX線回折チ
ャートである。
【図13】は実施例10で得られた錯体結晶のX線回折
チャートである。
【図14】は実施例11で得られた錯体結晶のX線回折
チャートである。
【図15】は実施例12で得られた錯体結晶のX線回折
チャートである。
【符号の説明】
1 調光素子用粒子、 2 ガラス基板、3 ITO透
明電極、 4 接着剤、 5 分散媒、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G02F 1/19 501 G02F 1/19 501 (72)発明者 龍田 成人 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岡田 茜 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 倉内 紀雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41 番地の1 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 岡山 忍 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 戸島 和夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 219/00 C07D 221/08 C07D 221/10 C30B 29/54 E06B 9/24 G02F 1/19 501 EPAT(QUESTEL)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環構造としてフェナントレンまたはアン
    トラセンを有し、かつその環構成炭素原子の少なくとも
    1つが窒素原子に置き換えられている多環式芳香族化合
    物の陽イオンと、3沃素陰イオンとから構成されること
    を特徴とする錯体結晶。
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