JP4816516B2 - ロッド状酸化亜鉛の製造方法、ロッド状酸化亜鉛及び樹脂複合材 - Google Patents

ロッド状酸化亜鉛の製造方法、ロッド状酸化亜鉛及び樹脂複合材 Download PDF

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Description

本発明は、ロッド状酸化亜鉛の製造方法、ロッド状酸化亜鉛並びに樹脂複合材
に関する。
従来から、各種の電気・電子・電装部品、自動車部品等の多種多様な用途に樹脂材料が用いられている。しかしながら、樹脂材料は熱伝導率が小さいため、樹脂材料を用いた部品が蓄熱し易いといった問題があった。そのため、樹脂材料の熱伝導性及び放熱特性を向上させるために、熱伝導性フィラーとして繊維状の酸化亜鉛を用いること等が提案されてきた。
例えば、特開平8−283456号公報(特許文献1)には、酸化亜鉛の繊維状物と、高熱伝導性無機粉末とを共に熱可塑性樹脂に充填せしめてなる熱可塑性樹脂組成物が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載のような酸化亜鉛の繊維状物を含有する従来の樹脂複合材においては、混練工程及び成形工程におけるせん断力によって酸化亜鉛の繊維状物が破砕されるという問題や、酸化亜鉛の繊維状物が凝集して樹脂複合材中に均一に分散させることが困難であるという問題があり、熱伝導性の向上に限界があった。
一方、このような繊維状の酸化亜鉛を製造するための種々の方法も研究されてきた。例えば、ロッド状の酸化亜鉛粉末と飽和水酸化亜鉛水溶液を100℃の条件下で混合して、ローター状の酸化亜鉛を製造する水熱合成法が知られている(Z.F.Zheng et.al.,「Rotor−like ZnO by epitaxial growth under hydrothermal condition」,Chem Commun.,2004年発行、1428〜1429頁(非特許文献1))。また、塩化亜鉛(ZnCl)の溶解した水溶液にヒドラジン(N)を添加し、得られたZnCl−(Nを140℃で12時間加熱して、フラワー状酸化亜鉛の凝集体を製造する水熱合成法も知られている(Changlong Jiang et.al.,「Precursor−Induced Hydrothermal Synthesis of Flowelike Cupped−End Microrod Bundles of ZnO」,J.Phys.Chem.B,2005年発行,vol.109,1361〜1363頁(非特許文献2))。しかしながら、このような非特許文献1や非特許文献2に記載のような水熱合成法を利用した従来の酸化亜鉛の製造方法においては、得られる酸化亜鉛の大きさが不均一なものとなってしまうという問題があった。また、非特許文献1や非特許文献2に記載のような従来の酸化亜鉛の製造方法においては、得られる酸化亜鉛が凝集し易いという問題があった
特開平8−283456号公報 Z.F.Zheng et.al.,「Rotor−like ZnO by epitaxial growth under hydrothermal condition」,Chem Commun.,2004年発行、1428〜1429頁 Changlong Jiang et.al.,「Precursor−Induced Hydrothermal Synthesis of Flowelike Cupped−End Microrod Bundles of ZnO」,J.Phys.Chem.B,2005年発行,vol.109,1361〜1363頁
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、凝集が十分に防止され且つ直径や長さの均一性が十分に高いロッド状の酸化亜鉛を効率よく得ることが可能なロッド状酸化亜鉛の製造方法及びその製造方法を利用して得られるロッド状酸化亜鉛、並びに、そのロッド状酸化亜鉛を用いて熱伝導性が十分に向上された樹脂複合材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、亜鉛含有化合物及び分散媒を含有する塩基性溶液中にアルミナゾルを共存させることにより、水熱合成法を利用した亜鉛酸化物の製造方法でありながら、驚くべきことに、凝集が十分に防止され且つ直径や長さの均一性が十分に高いロッド状の酸化亜鉛が効率よく得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法は、亜鉛含有化合物及び分散媒を含有する塩基性溶液中にアルミナゾルを共存させた状態で20〜200℃に維持して酸化亜鉛を析出せしめ、アルミナ又はアルミナゾルに被覆されたロッド状酸化亜鉛を得ることを特徴とするものである。
上記本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法においては、前記塩基性溶液中に共存する前記アルミナゾルの含有割合が、前記塩基性溶液中の前記亜鉛含有化合物の金属換算による含有量0.2molに対して、前記アルミナゾルの固形分の質量換算による含有量が0.05〜12.0gとなる範囲であることが好ましい。
また、上記本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法においては、前記アルミナゾル中のゾル粒子の平均粒子径が5〜200nmであることが好ましい。
さらに、上記本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法においては、前記酸化亜鉛を析出せしめた後に、酸素含有雰囲気下において150〜1350℃で熱処理する工程を更に含むことが好ましい。
また、上記本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法においては、前記ロッド状酸化亜鉛が、下記条件(A)〜(C):
(A)平均直径が0.1〜4μm
(B)平均長さが0.5〜15μm
(C)平均アスペクト比が3〜100
を満たすものであることが好ましい。
なお、本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法、ロッド状酸化亜鉛及び樹脂複合材によって、上記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法においては、前記塩基性溶液中にアルミナゾルを共存させることにより、アルミナゾル中のゾル粒子が酸化亜鉛の結晶成長の核として作用するとともに結晶成長の制御剤としても作用し、直径や長さの均一性が十分に高いロッド状の酸化亜鉛が生成される。また、このようにして生成されたロッド状の酸化亜鉛は、その近傍に存在するアルミナゾルによって被覆されるため、二次凝集が十分に防止される。そのため、本発明によれば、凝集が十分に防止され且つ直径や長さの均一性が十分に高いロッド状の酸化亜鉛を効率よく得ることが可能となるものと本発明者らは推察する。そして、このような本発明のロッド状酸化亜鉛を備える本発明の樹脂複合材においては、ロッド状酸化亜鉛の凝集が十分に防止されているため、ロッド状酸化亜鉛が樹脂全体に均一に分散する。また、本発明の樹脂複合材においては、樹脂中に分散するロッド状酸化亜鉛が微細で且つ異方性をもつものであるため、多くの熱伝導パスが形成され、熱伝導率が十分に向上するものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、凝集が十分に防止され且つ直径や長さの均一性が十分に高いロッド状の酸化亜鉛を効率よく得ることが可能なロッド状酸化亜鉛の製造方法及びその製造方法を利用して得られるロッド状酸化亜鉛、並びに、そのロッド状酸化亜鉛を用いて熱伝導性が十分に向上された樹脂複合材を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
先ず、本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法について説明する。すなわち、本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法は、亜鉛含有化合物及び分散媒を含有する塩基性溶液中にアルミナゾルを共存させた状態で20〜200℃に維持して酸化亜鉛を析出せしめ、アルミナ又はアルミナゾルに被覆されたロッド状酸化亜鉛を得ることを特徴とするものである。
本発明においては、先ず、亜鉛含有化合物及び分散媒を含有する前記塩基性溶液中にアルミナゾルを共存させた状態とする。
前記亜鉛含有化合物としては特に制限されず、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、水酸化亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられ、熱伝導率の向上に有効な大きさを有する微細なロッド状の酸化亜鉛が合成され易くなるという観点から、硝酸亜鉛及び酢酸亜鉛が好ましい。
さらに、前記塩基性溶液は、前記亜鉛含有化合物とともに分散媒を含有する塩基性の溶液であるが、主たる溶媒は水であることが好ましい。また、本発明にかかる塩基性溶液を塩基性に維持するために用いられるpH調整剤としては特に制限されないが、水酸化ナトリウム、アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジエチルアミン等が好適に用いられる。更に、本発明にかかる塩基性溶液のpHとしては、反応開始時においてpHが7〜14の範囲(反応終了時においてpHが7〜9の範囲)にあることが好ましく、酸化亜鉛の析出量の向上及び析出時間の短縮や、錯形成を回避するといった観点から反応開始時においてpHが9〜10の範囲(反応終了時においてpHが7〜8の範囲)にあることがより好ましい。
また、このような分散媒としては、水酸基を有する溶媒が挙げられ、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコールを用いることが好ましい。このような分散媒の配合量は特に限定されないが、塩基性溶液中に主たる溶媒として含有させる水100容量部に対して、分散媒の量が2〜30容量部であることが好ましい。なお、pH調整剤としてトリブチルアミン等の非水溶性の塩基を使用する場合は、分散媒の配合量を増やすことによって分散性を上げるという観点から、前記塩基性溶液中の水100容量部に対して、分散媒の量が30〜60容量部であることが好ましい。
さらに、前記アルミナゾルとしては、ゾル粒子(アルミナ水和物)の平均粒子径が5〜200nm(より好ましくは10〜100nm)のものが好ましい。このような平均粒子径が前記上限を超えると、二次凝集体の酸化亜鉛が生成され易くなる傾向にある。
また、前記塩基性溶液中にアルミナゾルを共存させる方法は特に制限されず、アルミナゾルを水に分散させた後、前記亜鉛含有化合物と前記分散媒とpH調整剤とを混合する方法や、予め塩基性溶液を調製しておき、そこにアルミナゾルを添加して混合する方法等が挙げられる。
また、前記塩基性溶液中の前記亜鉛含有化合物の含有量は特に限定されないが、均一な酸化亜鉛を析出せしめるという観点から0.1mol/L〜5mol/Lであることが好ましく、0.2mol/L〜2mol/Lであることがより好ましい。
さらに、前記塩基性溶液中に共存する前記アルミナゾルの含有割合は、二次凝集のない均一なロッド状酸化亜鉛を得るという観点から、前記塩基性溶液中の前記亜鉛含有化合物の金属換算による含有量0.2molに対して、前記アルミナゾルの固形分の質量換算による含有量が0.05〜12.0gとなる範囲であることが好ましく、より均一な直径や長さを有するロッド状酸化亜鉛を得るという観点からは、前記アルミナゾルの固形分の質量換算による含有量が0.1〜3.0gであることが好ましい。このようなアルミナゾルの固形分の質量換算による含有量が前記下限未満では、亜鉛含有化合物に対するアルミナゾルの含有量が少なくなり、生成された酸化亜鉛が二次凝集し易くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、均一な直径や長さを有する酸化亜鉛の製造が困難となるとともに、酸化亜鉛の生成割合が低下する傾向にある。
次に、本発明においては、前記塩基性溶液中にアルミナゾルを共存させた状態で20〜200℃(より好ましくは60℃〜160℃)に維持する。
このような工程によって、前記アルミナゾルの粒子を核として微細な酸化亜鉛が析出し、成長する。そして、このようにして結晶成長した微細な酸化亜鉛の表面にアルミナゾルが被覆される。また、このような反応温度が20℃未満では反応速度が低下して効率良くアルミナゾルの粒子の表面に十分な量の酸化亜鉛を析出せしめることが困難であり、他方、200℃を超えると、反応速度の観点からアルミナゾルを成長核としない遊離酸化亜鉛が生成され易くなるとともに、酸化亜鉛の形状が不均一になり易くなる。更に、このような反応の際には、均一なロッド状酸化亜鉛を生成するという観点から、圧力を0.1〜1.5Mpaとすることが好ましい。また、反応時間は特に限定されないが、前記アルミナゾルの粒子を核として析出・成長させる酸化亜鉛の大きさの制御と収率の向上という観点から、0.5時間〜48時間が好ましく、1時間〜10時間がより好ましい。そして、このようにして析出される酸化亜鉛の形状は、ロッド状となる。なお、本発明にいう「ロッド状」とは、いわゆる棒状の形状であればよく特に制限されず、例えば、円柱状、角柱状、針状、フットボール状、タワー状等の形状であってもよい。
さらに、本発明においては、前記アルミナゾルの表面に微細な酸化亜鉛を析出させ、必要に応じて洗浄及び乾燥せしめた後に、酸素含有雰囲気下(例えば、大気中)において150〜1350℃で熱処理する工程を更に含むことが好ましい。このような熱処理を施すことによって、不純物がより確実に除去されるとともに、酸化亜鉛がより安定化される傾向にある。なお、熱処理の温度が前記下限未満では不純物の除去や酸化亜鉛の安定化が十分に達成されない傾向にあり、他方、前記上限を超えると必要以上のエネルギーを消費することになる。また、熱処理の時間は特に限定されないが、不純物の除去や酸化亜鉛の安定化をより確実に達成するという観点から0.5〜48時間が好ましい。
また、本発明においては、酸化亜鉛に被覆されたアルミナ又はアルミナゾルの形状は特に制限されない。また、前記ロッド状酸化亜鉛としては、下記条件(A)〜(C):
(A)平均直径が0.1〜4μm(より好ましくは0.2〜2μm)
(B)平均長さが0.5〜15μm(より好ましくは1〜10μm)
(C)平均アスペクト比が3〜100(より好ましくは5〜50)
を満たすものであることが好ましい。なお、各条件については後述する。また、このような本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法によれば、製造されるロッド状酸化亜鉛のうちの半数以上を二次凝集及び分岐の無い単体とすることが可能である。
以上、本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法について説明したが、以下、本発明のロッド状酸化亜鉛について説明する。
本発明のロッド状酸化亜鉛は、酸化亜鉛と、該酸化亜鉛の表面に被覆されたアルミナ及び/又はアルミナゾルとからなり、且つ、下記条件(A)〜(C):
(A)平均直径が0.1〜4μm
(B)平均長さが0.5〜15μm
(C)平均アスペクト比が3〜100
を満たすことを特徴とするものである。
本発明のロッド状酸化亜鉛は、酸化亜鉛と、該酸化亜鉛の表面に被覆されたアルミナ及び/又はアルミナゾルとからなるため、凝集が十分に防止されたものとなる。そのため、本発明のロッド状酸化亜鉛を、例えば樹脂中に含有させた場合には、前記ロッド状酸化亜鉛が樹脂中に均一に分散する。更に、このようなロッド状酸化亜鉛としては、凝集のない単体が半数以上を占めていることが好ましい。
本発明のロッド状酸化亜鉛の平均直径は、上述のように、0.1〜4μm(より好ましくは0.2〜2μm)である。このようなロッド状酸化亜鉛の平均直径が上記下限未満では、樹脂複合材中に含有させた場合に溶融粘度が増加してしまう。他方、前記平均直径が上記上限を超えると、樹脂複合材中に含有させた場合に熱伝導率を効率的に向上させることが困難となる。なお、ここにいう直径とは、底面の形状が円形で無い場合には底面の外接円の直径をいう。
また、本発明のロッド状酸化亜鉛の平均長さは、0.5〜15μm(より好ましくは1〜10μm)である。このようなロッド状酸化亜鉛の平均長さが上記下限未満では樹脂複合材に熱伝導性フィラーとして含有させた場合に、熱伝導が不十分となり、樹脂複合材の熱伝導性を十分に向上させることができなくなり、他方、上記上限を超えると、樹脂複合材に含有させた場合に、溶融粘度を増加させたり、混練時に破断するロッド状酸化亜鉛の量が増加してしまう。
さらに、本発明のロッド状酸化亜鉛の平均アスペクト比は、3〜100(より好ましくは5〜50)である。このようなロッド状酸化亜鉛の平均アスペクト比が上記下限未満では樹脂複合材に熱伝導性フィラーとして含有させた場合に、熱伝導が不十分となり、樹脂複合材の熱伝導性を十分に向上させることができなくなり、他方、上記上限を超えると樹脂複合材に含有させた場合に、溶融粘度を増加させたり、混練時に破断するロッド状酸化亜鉛の量が増加してしまう。
本発明のロッド状酸化亜鉛は、前述のとおり酸化亜鉛の表面に被覆されたアルミナ及び/又はアルミナゾルを備えるものである。このような酸化亜鉛に被覆されるアルミナ及び/又はアルミナゾルの形状は特に制限されず、無定形でもよい。また、このようなロッド状酸化亜鉛中におけるアルミナ及び/又はアルミナゾルの被覆量は、0.5〜50質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。前記アルミナ及び/又はアルミナゾルの被覆量が前記下限未満では、酸化亜鉛の凝集を防止する効果が低減する傾向にあり、他方、上記上限を超えると、酸化亜鉛の割合が低下して熱伝導率が下がる傾向にある。なお、本発明のロッド状酸化亜鉛を製造するための方法としては、上記本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法を好適に採用することができる。
以上、本発明のロッド状酸化亜鉛について説明したが、以下、本発明の樹脂複合材について説明する。
本発明の樹脂複合材は、マトリックスとなる樹脂と、前記樹脂中に分散している上記本発明のロッド状酸化亜鉛とを備えることを特徴とするものである。
本発明においては、マトリックス樹脂中に凝集が十分に防止された上記本発明のロッド状酸化亜鉛が含有されているため、樹脂全体にロッド状酸化亜鉛が均一に分散する。そして、そのロッド状酸化亜鉛が微細で且つ異方性をもつものであることから、樹脂複合材中に多くの熱伝導パスが形成される。そのため、本発明の樹脂複合材においては、熱伝導率を十分に向上させることができる。
このようなマトリックスとなる樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、イミド樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、PPS樹脂、ポリアミド樹脂、ノリル樹脂、飽和ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。
得られる樹脂複合材中の上記本発明のロッド状酸化亜鉛の添加量は、特に限定されないが、0.1容量%〜75容量%であることが好ましく、0.5容量%〜40容量%であることがより好ましい。前記ロッド状酸化亜鉛の添加量が上記下限未満では樹脂複合材の熱伝導性を十分に向上させることができない傾向にあり、他方、上記上限を超えると樹脂複合材の流動性を低下させる傾向にある。
また、本発明の樹脂複合材においては、熱伝導性の効率的な向上という観点から、前記本発明のロッド状酸化亜鉛とともに、他の熱伝導性フィラーを組み合わせて用いてもよい。このような他の熱伝導性フィラーとしては、熱伝導率が20W/mk以上のものが好ましい。このような他の熱伝導性フィラーを含有させる場合においては、本発明の樹脂複合材中の他の熱伝導性フィラーの全添加量は5容量%〜80容量%であることが好ましい。
また、前記樹脂中に前記本発明のロッド状酸化亜鉛を分散させる方法は特に限定されず、樹脂中にロッド状酸化亜鉛を分散させる際に一般的に採用される公知の混合及び混練方法を適宜採用することができる。さらに、本発明の樹脂複合材の形状及び成形方法も特に限定されず、樹脂の成形方法として一般的に採用される公知の成形方法を適宜採用して、目的に応じた形状の樹脂複合材とすることができる。なお、本発明の樹脂複合材の溶融粘度は特に限定されないが、マトリックスとなる樹脂が熱可塑性樹脂の場合には、成形温度におけるMFRで0.1〜200g/(10分、荷重2.16kg)程度であることが好ましく、また、マトリックスとなる樹脂が熱硬化性樹脂の場合には、成形温度における粘度が0.1〜10Pa・s(剪断速度1sec−1)程度であることが好ましい。
このようにして得られた本発明の樹脂複合材においては、前記ロッド状亜鉛酸化物による熱伝導が効率良く達成され、樹脂単独の熱伝導率に対して厚さ方向(流動方向に対して垂直方向)の熱伝導率がロッド状酸化亜鉛1容量%あたり0.011W/mk以上向上していることが好ましく、0.015W/mk以上向上していることがより好ましい。樹脂単独の熱伝導率に対して厚さ方向(流動方向に対して垂直方向)の熱伝導率の上昇率が12%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[ロッド状酸化亜鉛]
(実施例1)
以下の手順で本発明のロッド状酸化亜鉛を製造した。すなわち、先ず、攪拌機と冷却管を取付けたガラス製の1Lセパラブルフラスコにイオン交換水を600ml加えた。次に、前記イオン交換水中に、アルミナゾル(日産化学工業株式会社製の商品名「アルミナゾル−200」、Al:10質量%)1mLを分散させた。次いで、硝酸亜鉛(II)六水和物(和光純薬工業製:59.498g、0.2モル)を加えて溶解した後に、28質量%のアンモニア水を100mL加えて混合し、さらに分散媒としてメタノールを60mL加え、140℃に加熱したオイルバスを用いて冷却管に水を流した還流状態で3時間維持した。次に、このようにして析出した酸化亜鉛を濾取し、イオン交換水で2回撹拌洗浄した後、凍結乾燥処理により乾燥せしめた後、大気中において800℃で2時間熱処理することにより、本発明のロッド状酸化亜鉛を得た。得られたロッド状酸化亜鉛の凍結乾燥処理後の収量及び熱処理後の収量を表1に示す。
(実施例2〜8)
アルミナゾルの添加量を3mL(実施例2)、5mL(実施例3)、10mL(実施例4)、20mL(実施例5)、30mL(実施例6)、40mL(実施例7)及び100mL(実施例8)とした以外は実施例1と同様にして本発明のロッド状酸化亜鉛をそれぞれ製造した。得られたロッド状酸化亜鉛の凍結乾燥処理後の収量及び熱処理後の収量を実施例ごとに表1に示す。
(実施例9)
アルミナゾルの添加量を3mLとし、硝酸亜鉛の代わりに酢酸亜鉛(和光純薬工業製:36.696g、0.2モル)を用いた以外は実施例1と同様にして本発明のロッド状酸化亜鉛を得た。得られた酸化亜鉛の凍結乾燥処理後の収量および熱処理後の収量を表1に示す。
(比較例1)
アルミナゾルを用いなかった以外は実施例1と同様にして酸化亜鉛を得た。得られた酸化亜鉛の凍結乾燥処理後の収量及び熱処理後の収量を表1に示す。
<実施例1〜9及び比較例1で得られたロッド状酸化亜鉛又は酸化亜鉛の特性評価>
〈長さの分布及び平均長さの測定〉
実施例1〜9で得られたロッド状酸化亜鉛及び比較例1で得られた酸化亜鉛を用い、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置(日機装株式会社製の商品名「マイクロトラック MT3300」)を用いて、それぞれの酸化亜鉛の長さの分布及び平均長さを測定した。実施例1〜9で得られたロッド状酸化亜鉛及び比較例1で得られた酸化亜鉛の平均長さを表1に示す。また、実施例1〜9で得られたロッド状酸化亜鉛の長さの分布を示すグラフをそれぞれ図1〜9に示し、比較例1で得られた酸化亜鉛の長さの分布を示すグラフを図10に示す。
表1に示す結果からも明らかなように、本発明のロッド状酸化亜鉛の製造方法(実際例1〜9で採用)によれば、長さの制御されたロッド状の酸化亜鉛を効率よく製造できることが確認された。
〈走査型電子顕微鏡(SEM)観察〉
実施例2及び9で得られたロッド状酸化亜鉛並びに比較例1で得られた酸化亜鉛の形態及びその表面状態を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。実施例2で得られたロッド状酸化亜鉛の形態を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図11に示し、実施例2で得られたロッド状酸化亜鉛の表面状態を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図12に示す。また、実施例9で得られたロッド状酸化亜鉛の形態を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図13に示す。さらに、比較例1で得られた酸化亜鉛の形態を示す査型電子顕微鏡(SEM)写真を図14に示し、比較例1で得られた酸化亜鉛の表面状態を示す査型電子顕微鏡(SEM)写真を図15に示す。
図11及び図13に示す結果からも明らかなように、本発明のロッド状酸化物(実施例2及び実施例9)は、十分に均一な長さと直径をもつものであることが確認された。また、図12に示す結果からも明らかなように本発明のロッド状酸化物(実施例2)は、酸化亜鉛の表面がアルミナ及び/又はアルミナゾルにより被覆されていることが確認された。これに対して、比較のための酸化亜鉛(比較例1)においては、図14に示す結果からも明らかなように、直径や長さが不均一で、しかも二次凝集があることが確認された。
このような結果から、本発明のロッド状酸化物の製造方法を採用して製造された本発明のロッド状酸化物は、直径や長さが十分に均一なものとなることが確認された。
〈X線回折(XRD)測定〉
実施例1〜8で得られたロッド状酸化亜鉛及び比較例1で得られた酸化亜鉛をそれぞれ試料として用い、リガク製「Rint2100」を用いて各試料のX線回折(XRD)測定を行った。得られたXRDパターンを図16及び図17に示す。なお、図17は図16の一部の拡大図である。また、測定条件は、CuKαを用い、40kv、30mA、2θ=2〜150°の範囲で大気中、室温(25℃)にて行った。
図16〜17に示すXRDパターンからも明らかなように、本発明のロッド状酸化亜鉛(実施例1〜8)においては、酸化亜鉛特有の回折パターンが観測された。また、アルミナゾルの添加量の増加に伴い、アルミナゾルに起因する回折ピークが顕著となった。
〈ICP発光分析〉
実施例1、2、4及び7で得られたロッド状酸化亜鉛のアルミ成分と亜鉛成分との比率をICP発光分析法により測定した。すなわち、先ず、各ロッド状酸化亜鉛に対してそれぞれ硫酸による煮沸処理を施し、アルミニウム成分と亜鉛成分を溶解させた。次に、得られた溶解液を試料として用い、ICP発光分析法を採用することにより、ロッド状酸化亜鉛中のアルミニウム成分と亜鉛成分との比率を測定した。得られた結果を表2に示す。
表2に示す結果からも明らかなように、アルミナゾルの添加量の増加に伴い、生成物中のアルミニウム量が多くなることが確認された。
[樹脂複合材(マトリックス樹脂:6ナイロン)]
(実施例10〜11)
6ナイロン樹脂(宇部興産株式会社製の商品名「1015B」)と実施例2で得られたロッド状酸化亜鉛とを、それぞれ表3に示す配合割合となるようにしてドライブレンドした後、得られた混合物を二軸押出機(テクノベル製二軸押出機KZW15−60MG,スクリュー径15mm)に供給し、溶融混練して樹脂複合材を得た。そして、混練された樹脂複合材を二軸押出機からストランド状に押出し、水槽で固化させた後にペレタイザーでカットして、樹脂複合材のペレットを得た。なお、二軸押出機のシリンダ設定温度は260℃、スクリュー回転数は200rpm、供給量は3kg/hとした。
次に、得られたペレットを用いて以下のようにして熱伝導率評価用の試験片を作製した。すなわち、先ず、上述のようにして得られたペレットに対して真空乾燥処理(80℃の温度条件で12時間)を行った。そして、真空乾燥処理後の前記ペレットをプレス成形することにより、縦25mm、横25mm、厚さ3mmの試験片(樹脂複合材)を作製した。なお、プレスの設定温度は250℃とした。
(比較例2〜3)
比較例1で得られた酸化亜鉛を用いた以外は実施例10と同様の方法を採用して樹脂複合材及び熱伝導率評価用の試験片を製造した。
(比較例4)
6ナイロン樹脂(宇部興産株式会社製の商品名「1015B」)のみを用い、ロッド状酸化亜鉛を用いなかった以外は実施例10と同様の方法を採用して6ナイロン樹脂のみからなる樹脂材及び熱伝導率評価用の試験片を製造した。
<実施例10〜11及び比較例2〜4で得られた樹脂複合材の特性評価>
〈熱伝導率の測定〉
実施例10〜11及び比較例2〜4で得られた試験片を用いて、定常法熱伝導率測定装置(アルバック理工製熱伝導率測定装置GH−1)によって、40℃(上下の温度差24℃)における熱伝導率を測定した。また、実施例10〜11及び比較例2〜4で得られた試験片の酸化亜鉛1容量%当たりの熱伝導率の向上割合及び熱伝導率向上率を求めた。なお、各試験片の酸化亜鉛1容量%当たりの熱伝導率の向上割合は、下記式:
P=(X−Y)/Z
(式中、Pは酸化亜鉛1容量%当たりの熱伝導率の向上割合を示し、Xは試験片の熱伝導率を示し、Yは比較例4で得られた試験片の熱伝導率を示し、Zは酸化亜鉛の含有量を示す。)
を計算することにより求めた。得られた結果を表3に示す。
〈走査型電子顕微鏡(SEM)観察〉
実施例10及び比較例2で得られた樹脂複合材中のロッド状酸化亜鉛の分散状態を走査電子鏡(SEM)により観察した。なお、観察面は液体窒素で凍結した破面とした。実施例10で得られた樹脂複合材の走査電子顕微鏡(SEM)写真を図18〜19に示し、比較例2で得られた樹脂複合材の走査電子顕微鏡(SEM)写真を図20〜21に示す。
表3及び図18〜21に示す結果からも明らかなように、本発明のロッド状酸化亜鉛(実施例2)を含有する本発明の樹脂複合材(実施例10)においては、十分に高い熱伝導率を有し、ロッド状酸化亜鉛がマトリックス中に均一に分散していることが確認された。一方、比較のための樹脂複合材(比較例2)においては、酸化亜鉛の凝集が認められ、熱伝導率も十分なものではなかった。
[樹脂複合材(マトリックス樹脂:ビスフェノールAタイプエポキシ樹脂)]
(実施例12)
先ず、主剤としてのビスフェノールAタイプエポキシ樹脂(エポキシ当量約190)123gと、硬化剤としての4メチルヘキサヒドロ無水フタール酸107gと、硬化促進剤としての1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)1gとを手作業で混合した後、更に、実施例2で得られたロッド状酸化亜鉛35gを加えて手作業で混合し、混合物を得た。次いで、真空式自公転ミキサーを用いて前記混合物の混合・脱気(自転:1000rpm、公転:2000rpm、200秒)を行い、ロッド状酸化亜鉛の配合量が3容量%の樹脂複合材を得た。
次いで、前記樹脂複合材を150℃に予熱した金型に流し込み、15分間放置して縦25mm、横25mm、厚さ3mmの大きさに成型した後、これを金型から取出し、2次硬化(150℃の温度条件下で4時間)させて、樹脂複合材の試験片を得た。
(実施例13)
先ず、主剤としてのビスフェノールAタイプエポキシ樹脂(エポキシ当量約190)101gと、硬化剤としての4メチルヘキサヒドロ無水フタール酸88gと、硬化促進剤としてのDBU0.8gとを手作業で混合した後、更に、実施例2で得られたロッド状酸化亜鉛を231g加えて手作業で混合し、混合物を得た。次に、真空式自公転ミキサーを用いて前記混合物の混合・脱気(自転:1000rpm、公転:2000rpm、200秒)を行い、ロッド状酸化亜鉛の配合量が20容量%の樹脂複合材を得た。
次いで、前記樹脂複合材を150℃に予熱した金型に流し込み、15分間放置して縦25mm、横25mm、厚さ3mmの大きさに成型した後、これを金型から取出し、2次硬化(150℃の温度条件下で4時間)させて、樹脂複合材の試験片を得た。
(実施例14)
実施例9で得られたロッド状酸化亜鉛を用いた以外は実施例12と同様にして、樹脂複合材の試験片を製造した。
(比較例5)
比較例1で得られた酸化亜鉛を用いた以外は実施例12と同様にして、樹脂複合材の試験片を製造した。
(比較例6)
比較例1で得られた酸化亜鉛を用いた以外は実施例13と同様にして、樹脂複合材の試験片を製造した。
(比較例7)
酸化亜鉛を用いなかった以外は実施例12と同様にして、樹脂複合材の試験片を製造した。
<実施例12〜14及び比較例5〜7で得られた樹脂複合材の特性評価>
〈熱伝導率の測定〉
実施例12〜14及び比較例5〜7で得られた試験片を用いて、定常法熱伝導率測定装置(アルバック理工製熱伝導率測定装置GH−1)によって、40℃(上下の温度差24℃)における熱伝導率を測定した。また、実施例12〜14及び比較例5〜7で得られた試験片の酸化亜鉛1容量%当たりの熱伝導率の向上割合及び熱伝導率向上率を求めた。なお、各試験片の酸化亜鉛1容量%当たりの熱伝導率の向上割合は、下記式:
P=(X−Y)/Z
(式中、Pは酸化亜鉛1容量%当たりの熱伝導率の向上割合を示し、Xは試験片の熱伝導率を示し、Yは比較例7で得られた試験片の熱伝導率を示し、Zは酸化亜鉛の含有量を示す。)
を計算することにより求めた。得られた結果を表4に示す。
〈走査型電子顕微鏡(SEM)観察〉
実施例12及び比較例5で得られた樹脂複合材中のロッド状酸化亜鉛の分散状態を走査電子顕微鏡(SEM)により観察した。なお、観察面は液体窒素で凍結した破面とした。実施例12で得られた樹脂複合材の走査電子顕微鏡(SEM)写真を図22〜23に示し、比較例で得られた樹脂複合材の走査電子顕微鏡(SEM)写真を図24〜25に示す。
表4及び図22〜23に示す結果からも明らかなように、本発明のロッド状酸化亜鉛(実施例2)を含有する本発明の樹脂複合材(実施例12)においては、十分に高い熱伝導率を有し、ロッド状酸化亜鉛がマトリックス中に均一に分散していることが確認された。一方、比較のための樹脂複合材(比較例5)においては、酸化亜鉛の凝集が認められ、熱伝導率も十分なものではなかった。
このような結果から、本発明の樹脂複合材(実施例12)においては、樹脂中にロッド状酸化亜鉛が均一に分散し、しかもそのロッド状酸化亜鉛が微細で且つ異方性をもつため、多くの熱伝導パスが形成されて熱伝導率が十分に向上されたものと推察される。
以上説明したように、本発明によれば、凝集が十分に防止され且つ直径や長さの均一性が十分に高いロッド状の酸化亜鉛を効率よく得ることが可能なロッド状酸化亜鉛の製造方法及びその製造方法を利用して得られるロッド状酸化亜鉛、並びに、そのロッド状酸化亜鉛を用いて熱伝導性が十分に向上された樹脂複合材を提供することが可能となる。
したがって、本発明は、熱伝導性樹脂複合材等を製造する際に好適に利用することが可能である。
実施例1で得られたロッド状酸化亜鉛の長さの分布を示すグラフである。 実施例2で得られたロッド状酸化亜鉛の長さの分布を示すグラフである。 実施例3で得られたロッド状酸化亜鉛の長さの分布を示すグラフである。 実施例4で得られたロッド状酸化亜鉛の長さの分布を示すグラフである。 実施例5で得られたロッド状酸化亜鉛の長さの分布を示すグラフである。 実施例6で得られたロッド状酸化亜鉛の長さの分布を示すグラフである。 実施例7で得られたロッド状酸化亜鉛の長さの分布を示すグラフである。 実施例8で得られたロッド状酸化亜鉛の長さの分布を示すグラフである。 実施例9で得られたロッド状酸化亜鉛の長さの分布を示すグラフである。 比較例1で得られたロッド状酸化亜鉛の長さの分布を示すグラフである。 実施例2で得られたロッド状酸化亜鉛の形態を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例2で得られたロッド状酸化亜鉛の表面状態を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例9で得られたロッド状酸化亜鉛の形態を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例1で得られた酸化亜鉛の形態を示す査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例1で得られた酸化亜鉛の表面状態を示す査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例1〜8で得られたロッド状酸化亜鉛及び比較例1で得られた酸化亜鉛のX線回折(XRD)パターンを示すグラフである。 図16に示すX線回折(XRD)パターンの一部を拡大したグラフである。 実施例10で得られた樹脂複合材の観測面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例10で得られた樹脂複合材の観測面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例2で得られた樹脂複合材の観測面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例2で得られた樹脂複合材の観測面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例12で得られた樹脂複合材の観測面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例12で得られた樹脂複合材の観測面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例5で得られた樹脂複合材の観測面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例5で得られた樹脂複合材の観測面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。

Claims (5)

  1. 亜鉛含有化合物及び分散媒を含有する塩基性溶液中にアルミナゾルを共存させた状態で20〜200℃に維持して酸化亜鉛を析出せしめ、アルミナ又はアルミナゾルに被覆されたロッド状酸化亜鉛を得ることを特徴とするロッド状酸化亜鉛の製造方法。
  2. 前記塩基性溶液中に共存する前記アルミナゾルの含有割合が、前記塩基性溶液中の前記亜鉛含有化合物の金属換算による含有量0.2molに対して、前記アルミナゾルの固形分の質量換算による含有量が0.05〜12.0gとなる範囲であることを特徴とする請求項1に記載のロッド状酸化亜鉛の製造方法。
  3. 前記アルミナゾル中のゾル粒子の平均粒子径が5〜200nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のロッド状酸化亜鉛の製造方法。
  4. 前記酸化亜鉛を析出せしめた後に、酸素含有雰囲気下において150〜1350℃で熱処理する工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のロッド状酸化亜鉛の製造方法。
  5. 前記ロッド状酸化亜鉛が、下記条件(A)〜(C):
    (A)平均直径が0.1〜4μm
    (B)平均長さが0.5〜15μm
    (C)平均アスペクト比が3〜100
    を満たすものであることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のロッド状酸化亜鉛の製造方法。
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