JP4815840B2 - 音波伝搬距離推定方法及び音波伝搬距離推定装置 - Google Patents

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本発明は音波伝搬距離推定方法及び音波伝搬距離推定装置に係り、特に水中物体の近距離捜索を行いながら、同時に遠距離捜索を効率的に行うことができる周波数による伝搬減衰差を利用した音波伝搬距離推定方法及び音波伝搬距離推定装置に関する。
水中物体の捜索方法としては、水中に探信波を送信し、水中物体に当たって送信地点に戻ってきた反射波を受信し解析することにより、物体の存在位置を特定するアクティブソーナーによる方法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。このため、水中物体を捜索する際は、一定の時間間隔で音波を繰り返し送信し、受信した音波を解析して水中物体からの反射波を探すこととなる。
遠距離に存在する水中物体を捜索する際には、遠方まで伝搬した音波が水中物体に当たって反射し、送信地点に戻ってくるまでの時間を考慮するため、送信時間間隔を十分長く確保し、かつ、伝搬による減衰も考慮して高出力で送信する必要がある。一方、近距離に存在する水中物体を捜索する際には、比較的短い時間間隔で低出力の音波を送信することとなる。
特に、浮遊物など反射音の非常に小さい水中物体の場合、遠方からは反射波を全く検出できず、非常に近距離となってから反射波を検出することとなり、船舶が衝突回避などの操作を実施不可能な場合がある。このため、浮遊物など反射音の小さい水中物体が存在すると予測される水域では、短い時間間隔で音波を送信して物体を捜索する必要がある。
特開平10−332818号公報
しかしながら、遠距離に非常に大きな水中物体が存在した場合、近距離の水中物体を捜索するために短い時間間隔で音波を送信していると、過去(1〜n回前)に送信した音波が遠方まで伝搬して遠距離水中物体にあたり、その反射波が送信点においても十分に検出可能な強度で受信される可能性がある。この場合、送信直後の音波に対する近距離水中物体からの反射波と、過去(1〜n回前)に送信し、遠方まで伝搬した音波に対する遠距離水中物体からの反射波を区別することができない。
このため、近距離捜索中は、遠距離水中物体の位置を求めることができないうえに、存在を認知することができない。また、遠距離水中物体からの反射波は、送信直後の音波に対する近距離水中物体からの反射波とみなされ、実際には存在しない位置(近距離)に水中物体を誤検出してしまう可能性がある。
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、近距離捜索を行いながら、同時に遠距離捜索を効率的に行うことができる周波数による伝搬減衰差を利用した音波伝搬距離推定方法及び音波伝搬距離推定装置を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、近距離捜索中の遠距離水中物体からの反射波による誤検出を排除できる音波伝搬距離推定方法及び音波伝搬距離推定装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明は、音波を水中に設定間隔で送信して水中物体で反射させ、その反射波を受信して受信した反射波の受信時刻と音波の送信時刻とから反射波の伝搬時間を求め、その伝時間から伝搬距離を求める音波伝搬距離推定方法において、アップチャープの第1の音波と、ダウンチャープの第2の音波とを交互に、かつ、設定時間間隔で水中に送信する第1のステップと、水中からの音波を受信して音響−電気変換して得た電気信号を整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を出力する第2のステップと、解析用信号と送信波形との相関を計算し、その相関結果から受信した反射波が第1のステップで送信した第1及び第2の音波のどちらに対する水中物体からの反射波かを判定する第3のステップと、第3のステップで判定した水中物体からの反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を周波数による伝搬減衰差の理論値又は予め用意したデータベースと比較して、水中物体からの反射波のおおよその伝搬時間を推定する第4のステップと、水中物体からの反射波の受信時刻と第4のステップで推定したおおよその伝搬時間とから水中物体からの反射波が音波として送信された送信時刻を推定し、その送信時刻と第3のステップで水中物体からの反射波として判定された第1の音波又は第2の音波の波形パターンとに基づき、水中物体からの反射波がどの送信音波に対する反射波かを特定する第5のステップと、第5のステップで特定された送信音波の送信時刻及び水中物体からの反射波の受信時刻から、水中物体からの反射波を形成した水中物体までの距離を算出する第6のステップと、第6のステップで算出した水中物体までの距離と現在解析している解析用信号の方位とから、水中物体の位置を推定する第7のステップとを含むことを特徴とする。
音波は伝搬した距離に応じて減衰するが、その際、周波数の高い波の方が減衰し易く、周波数の低い波の方が減衰し難いという性質を持つ。このため、高周波、低周波を組み合わせて送信した場合、伝搬した距離に応じて、低周波に比べて高周波が減衰する割合が高くなる。本発明は、この原理を利用して、受信したアップチャープの第1の音波又はダウンチャープの第2の音波の反射波の解析を行い、低周波と高周波の減衰率の差から解析対象の反射波がどの程度の距離を伝搬したものかを求める。
本発明では、過去(1〜n回前)に送信した音波に対する反射波についても、送信音波のパターンの違いからどの送信音波に対する反射波かを絞り込み、また周波数による音波の伝搬減衰差を利用して、解析対象の反射波がどの程度の距離を伝搬したものかを求めるようにしたため、それらを組み合わせていつ送信した音波に対する反射波であるかを判定することができ、これにより、過去(1〜n回前)に送信した音波に対する遠距離水中物体からの反射波に対しても、その物体の位置を求めることができる。
また、上記の目的を達成するため、本発明方法は、互いに異なる複数の周波数の音波が、一定時間内で互いに異なる順番で組み合わされた複数の音波を、巡回的に設定時間間隔で切り替えて水中に送信する第1のステップと、水中からの音波を受信して音響−電気変換して得た電気信号を整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を出力する第2のステップと、解析用信号と送信波形との相関を計算し、その相関結果から受信した反射波が第1のステップで送信した複数の音波のどの音波に対する水中物体からの反射波かを判定する第3のステップと、第3のステップで判定した水中物体からの反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を周波数による伝搬減衰差の理論値又は予め用意したデータベースと比較して、水中物体からの反射波のおおよその伝搬時間を推定する第4のステップと、水中物体からの反射波の受信時刻と第4のステップで推定したおおよその伝搬時間とから水中物体からの反射波が音波として送信された送信時刻を推定し、その送信時刻と複数の音波のうち第3のステップで水中物体からの反射波として判定された一の音波の波形パターンとに基づき、水中物体からの反射波がどの送信音波に対する反射波かを特定する第5のステップと、第5のステップで特定された送信音波の送信時刻及び水中物体からの反射波の受信時刻から、水中物体からの反射波を形成した水中物体までの距離を算出する第6のステップと、第6のステップで算出した水中物体までの距離と現在解析している解析用信号の方位とから、水中物体の位置を推定する第7のステップとを含むことを特徴とする。
この発明では、互いに異なる複数の周波数帯からなる音波が、互いに異なる順番で組み合わされた複数の音波を、巡回的に設定時間間隔で切り替えて水中に送信し、水中物体で反射された反射波を受信して解析を行い、互いに異なる複数の周波数帯の減衰率の差から解析対象の反射波がどの程度の距離を伝搬したものかを求め、かつ、音波のパターンからその反射波がどの送信波に対応したものかの送信時刻を求める。
また、上記の目的を達成するため、本発明方法は、互いに周波数帯が異なるアップチャープの複数の第1の音波と、互いに周波数帯が異なるダウンチャープの複数の第2の音波とを、設定時間間隔で巡回的に切り替えて水中に送信する第1のステップと、水中からの音波を受信して音響−電気変換して得た電気信号を整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を出力する第2のステップと、解析用信号と送信波形との相関を計算し、その相関結果から受信した反射波が第1のステップで送信した複数の第1音波及び複数の第2の音波のうちのどの音波に対する水中物体からの反射波かを判定する第3のステップと、第3のステップで判定した水中物体からの反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を周波数による伝搬減衰差の理論値又は予め用意したデータベースと比較して、水中物体からの反射波のおおよその伝搬時間を推定する第4のステップと、水中物体からの反射波の受信時刻と第4のステップで推定したおおよその伝搬時間とから水中物体からの反射波が音波として送信された送信時刻を推定し、その送信時刻と複数の第1の音波及び複数の第2の音波のうち第3のステップで水中物体からの反射波として判定された一の音波の波形パターンとに基づき、水中物体からの反射波がどの送信音波に対する反射波かを特定する第5のステップと、第5のステップで特定された送信音波の送信時刻及び水中物体からの反射波の受信時刻から、水中物体からの反射波を形成した水中物体までの距離を算出する第6のステップと、第6のステップで算出した水中物体までの距離と現在解析している解析用信号の方位とから、水中物体の位置を推定する第7のステップとを含むことを特徴とする。
この発明では、互いに周波数帯が異なるアップチャープの複数の第1の音波と、互いに周波数帯が異なるダウンチャープの複数の第2の音波とを、設定時間間隔で巡回的に切り替えて水中に送信し、水中物体で反射された反射波を受信して解析を行い、互いに異なる複数の周波数帯の減衰率の差から解析対象の反射波がどの程度の距離を伝搬したものかを求め、かつ、音波のパターンからその反射波がどの送信波に対応したものかの送信時刻を求める。
従来の解析手法に加えて高周波及び低周波の減衰率と、高周波と低周波を組み合わせた波形パターンの変更とを組み合わせて解析を行うことにより、過去(1〜n回前)に送信した音波に対する遠距離水中物体からの反射波に対しても、その物体の位置を求めることができる。これにより、近距離捜索を行いながら、同時に遠距離捜索を効率的に行うことができる。また、従来に課題であった、近距離捜索中における遠距離水中物体の誤検出を排除できるため、近距離の水中物体をより確実に検出することができる。
また、上記の目的を達成するため、本発明装置は、音波を水中に設定間隔で送信して水中物体で反射させ、その反射波を受信して受信した反射波の受信時刻と音波の送信時刻とから反射波の伝搬時間を求め、その伝時間から伝搬距離を求める音波伝搬距離推定装置において、アップチャープの第1の音波と、ダウンチャープの第2の音波とを交互に、かつ、設定時間間隔で水中に送信する送信手段と、水中からの音波を受信して音響−電気変換して得た電気信号を整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を出力する受信手段と、解析用信号と送信波形との相関を計算し、その相関結果から受信した反射波が送信手段で送信した第1及び第2の音波のどちらに対する水中物体からの反射波かを判定する反射波検出手段と、反射波検出手段で検出した水中物体からの反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を周波数による伝搬減衰差の理論値又は予め用意したデータベースと比較して、水中物体からの反射波のおおよその伝搬時間を推定する概算伝搬時間推定手段と、水中物体からの反射波の受信時刻と概算伝搬時間推定手段で推定したおおよその伝搬時間とから水中物体からの反射波が音波として送信された送信時刻を推定し、その送信時刻と反射波検出手段で水中物体からの反射波として検出された第1の音波又は第2の音波の波形パターンとに基づき、水中物体からの反射波がどの送信音波に対する反射波かを特定する送信音波特定手段と、送信音波特定手段で特定された送信音波の送信時刻及び水中物体からの反射波の受信時刻から、水中物体からの反射波を形成した水中物体までの距離を算出する距離算出手段と、距離算出手段で算出した水中物体までの距離と現在解析している解析用信号の方位とから、水中物体の位置を推定する位置推定手段とを有することを特徴とする。
この発明では、高周波、低周波を組み合わせて音波を水中に送信した場合、伝搬した距離に応じて、低周波に比べて高周波が減衰する割合が高くなるという原理を利用して、受信したアップチャープの第1の音波又はダウンチャープの第2の音波の反射波の解析を行い、低周波と高周波の減衰率の差から解析対象の反射波がどの程度の距離を伝搬したものかを求める。
本発明では、過去(1〜n回前)に送信した音波に対する反射波についても、送信音波のパターンの違いからどの送信音波に対する反射波かを絞り込み、また周波数による音波の伝搬減衰差を利用して、解析対象の反射波がどの程度の距離を伝搬したものかを求めるようにしたため、それらを組み合わせていつ送信した音波に対する反射波であるかを判定することができ、これにより、過去(1〜n回前)に送信した音波に対する遠距離水中物体からの反射波に対しても、その物体の位置を求めることができる。
また、上記の目的を達成するため、本発明装置は、互いに異なる複数の周波数の音波が、一定時間内で互いに異なる順番で組み合わされた複数の音波を、巡回的に設定時間間隔で切り替えて水中に送信する送信手段と、水中からの音波を受信して音響−電気変換して得た電気信号を整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を出力する受信手段と、解析用信号と送信波形との相関を計算し、その相関結果から受信した反射波が送信手段で送信した複数の音波のどの音波に対する水中物体からの反射波かを判定する反射波検出手段と、反射波検出手段で検出した水中物体からの反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を周波数による伝搬減衰差の理論値又は予め用意したデータベースと比較して、水中物体からの反射波のおおよその伝搬時間を推定する概算伝搬時間推定手段と、水中物体からの反射波の受信時刻と概算伝搬時間推定手段で推定したおおよその伝搬時間とから水中物体からの反射波が音波として送信された送信時刻を推定し、その送信時刻と複数の音波のうち反射波検出手段で水中物体からの反射波として検出された一の音波の波形パターンとに基づき、水中物体からの反射波がどの送信音波に対する反射波かを特定する送信音波特定手段と、送信音波特定手段で特定された送信音波の送信時刻及び水中物体からの反射波の受信時刻から、水中物体からの反射波を形成した水中物体までの距離を算出する距離算出手段と、距離算出手段で算出した水中物体までの距離と現在解析している解析用信号の方位とから、水中物体の位置を推定する位置推定手段とを有することを特徴とする。
この発明では、互いに異なる複数の周波数帯からなる音波が、互いに異なる順番で組み合わされた複数の音波を、巡回的に設定時間間隔で切り替えて水中に送信し、水中物体で反射された反射波を受信して解析を行い、互いに異なる複数の周波数帯の減衰率の差から解析対象の反射波がどの程度の距離を伝搬したものかを求め、かつ、音波のパターンからその反射波がどの送信波に対応したものかの送信時刻を求める。
また、上記の目的を達成するため、本発明装置は、互いに周波数帯が異なるアップチャープの複数の第1の音波と、互いに周波数帯が異なるダウンチャープの複数の第2の音波とを、設定時間間隔で巡回的に切り替えて水中に送信する送信手段と、水中からの音波を受信して音響−電気変換して得た電気信号を整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を出力する受信手段と、解析用信号と送信波形との相関を計算し、その相関結果から受信した反射波が送信手段で送信した複数の第1音波及び複数の第2の音波のうちのどの音波に対する水中物体からの反射波かを判定する反射波検出手段と、反射波検出手段で検出した水中物体からの反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を周波数による伝搬減衰差の理論値又は予め用意したデータベースと比較して、水中物体からの反射波のおおよその伝搬時間を推定する概算伝搬時間推定手段と、水中物体からの反射波の受信時刻と概算伝搬時間推定手段で推定したおおよその伝搬時間とから水中物体からの反射波が音波として送信された送信時刻を推定し、その送信時刻と複数の第1の音波及び複数の第2の音波のうちは反射波検出手段で水中物体からの反射波として検出された一の音波の波形パターンとに基づき、水中物体からの反射波がどの送信音波に対する反射波かを特定する送信音波特定手段と、送信音波特定手段で特定された送信音波の送信時刻及び水中物体からの反射波の受信時刻から、水中物体からの反射波を形成した水中物体までの距離を算出する距離算出手段と、距離算出手段で算出した水中物体までの距離と現在解析している解析用信号の方位とから、水中物体の位置を推定する位置推定手段とを有することを特徴とする。
この発明では、互いに周波数帯が異なるアップチャープの複数の第1の音波と、互いに周波数帯が異なるダウンチャープの複数の第2の音波とを、設定時間間隔で巡回的に切り替えて水中に送信し、水中物体で反射された反射波を受信して解析を行い、互いに異なる複数の周波数帯の減衰率の差から解析対象の反射波がどの程度の距離を伝搬したものかを求め、かつ、音波のパターンからその反射波がどの送信波に対応したものかの送信時刻を求める。
本発明によれば、過去(1〜n回前)に送信した音波に対する反射波からも水中物体の位置を求めることが可能であることから、送信間隔を短くして近距離と遠距離を同時に捜索することが可能であるため、近距離捜索と遠距離捜索を同時に効率的に行うことができると共に、従来課題であった近距離捜索中の遠距離水中物体からの反射波による誤検出を排除でき、近距離の水中物体をより確実に検出することができる。
次に、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明になる音波伝搬距離推定装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図において、本実施の形態の音波電波距離推定装置は、送信設定部100と、送信部200と、受信部300と、解析部400と、表示部500とから構成されている。送信設定部100は、送信周波数設定部110と、送信間隔設定部120と、送信出力設定部130とを含む。これらの設定部110〜130はそれぞれ概略次のように動作する。
送信周波数設定部110は、送信回毎に、送信波形のパターン(アップチャープ/ダウンチャープ)とその周波数(開始周波数・終了周波数)とを設定する。送信間隔設定部120は、各送信と次の送信との間の時間間隔(送信間隔)を設定する。送信出力設定部130は、送信する音波の出力を設定する。
送信部200は、送信パルス生成部210と、パルス送信部220とを含む。これらの手段はそれぞれ概略次のように動作する。送信パルス生成部210は、送信設定部100の設定に基づき送信パルスを生成する。パルス送信部220は、送信パルス生成部210で生成された送信パルスを増幅して水中へ送信する。
受信部300は、受波増幅部310と、整相加算部320とを含む。これらの手段はそれぞれ概略次のように動作する。受波増幅部310は、水中からの音波を音響−電気変換して得た電気信号を増幅し、AD変換する。整相加算部320は、受波増幅部310の出力信号を、整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を解析部400へ出力し、整相加算部320の方位毎の解析用信号出力に対して、それぞれ解析を行わせる。
解析部400は、相関処理部410と、反射検出部420と、概算距離推定部430と、送信波判定部440と、距離算出部450と、位置推定部460とを含む。これらの手段はそれぞれ概略次のように動作する。相関処理部410は、整相加算部320から受け取った解析用信号と、送信波形との相関を計算する。反射波検出部420は、相関処理部410の計算結果から、解析用信号の中に存在する水中物体からの反射波を検出し、その反射波がアップチャープとダウンチャープのどちらの送信波形に対する反射波かを判定する。
概算距離推定部430は、反射波の高周波成分と低周波成分の減衰率の違いから、反射波のおおよその伝搬時間を推定することにより概算距離を推定する。送信波判定部440は、反射波検出部420と概算距離推定部430の結果から、反射波がどの送信に対する反射かを判定する。距離算出部450は、送信波判定部440の結果及び送信時刻と反射波の受信時刻の差から、水中物体までの距離を算出する。位置推定部460は、距離算出部450の算出結果と解析対象としている解析用信号の方位から、受信信号の発生源となった水中物体の位置を推定する。
表示部500は、水中物体位置表示部510を含む。この水中物体位置表示部510は、解析部400内の位置推定部460により推定された水中物体の位置推定結果に基づいて、検出した水中物体の位置を表示する。
(第1の実施の形態)
次に、図2、図3のフローチャート及び図4を併せ参照して、本発明の第1の実施の形態の動作について詳細に説明する。まず、送信設定部100において、送信する波形の設定を行う。本実施の形態では、奇数回目の送信ではS1(アップチャープ)の波形、偶数回目の送信ではS2(ダウンチャープ)の波形になるよう、それぞれ交互に送信する(図4(A)参照)。この送信波形の設定においては、送信周波数設定部110により上記の送信波形のパターンと共に、S1(アップチャープ)、S2(ダウンチャープ)の開始周波数と終了周波数を設定する(図2のステップA1)。また、送信間隔設定部120により各送信波の送信間隔が設定されると共に送信出力設定部130により送信波の出力強度を設定する(図2のステップA2)。そして、送信設定部100は、上記の設定情報を、送信部200及び解析部400に出力する(図2のステップA3)。
送信部200では、送信設定部100の設定に基づき送信パルス生成部210で生成した送信パルスを、パルス送信部220から設定された一定の送信間隔で送信パルスを音波として水中に間欠的に送信し続ける(図2のステップB1、B2、・・・、Bn)。
受信部300では、水中物体で反射した音波(反射波)等を受波増幅部310にて受信して音響−電気変換し、その電気信号を増幅し、更にAD変換を行う。その後、AD変換後の電気信号を整相加算部320にて整相加算して方位毎の指向性ビームを合成する。この方位毎の指向性ビームを、方位毎の解析用信号として解析部400に出力する。本処理は、時系列で連続的に行い続けるが、説明の都合上、ここでは処理ステップを送信間隔と同期させ図2のステップC1、C2、・・・、Cnのように区分する。
解析部400では、受信部300から受け取った方位毎の解析用信号を使用し、水中物体からの反射波を検出して、その位置を推定するための処理を行う。本処理も時系列で連続的に行い続けるが、受信部300の処理ステップにあわせて図2のステップD1、D2、・・・、Dnのように区分し、同じ区分の間は同じ処理を繰り返すものとする。
ここで、解析部400での処理を、図2のステップDmを例に、図2、図3を用いて詳細に説明する。ステップDmは、解析部400において、m回目と(m+1)回目の送信(図2のステップBmとB(m+1))の間に行われ続ける処理であり、他のステップでも同様の処理を行う。なお下記の処理は、受信部300から受け取った方位毎の解析用信号の全方位について同様に行うものとする。
(1)まず、m回目の送信(図2のステップBm)が奇数回目の送信であった場合の処理について説明する。この場合、m回目の送信(図2のステップBm)では、図4(A)に示すように、送信部200はS1(アップチャープ)の波形を送信する。はじめに、解析部400内の相関処理部410は、整相加算部320から受け取った方位毎の解析用信号について、それぞれS1(アップチャープ)、S2(ダウンチャープ)の送信波形に対する理論的な反射波形との相関処理を行う(図3のステップF1)。
次に、ステップF1の相関処理結果から、S1(アップチャープ)またはS2(ダウンチャープ)の送信波形に対する理論的な反射波形との相関が閾値を超えた部分の信号を抽出する(図3のステップF2)。以下では、この相関処理が閾値を超えた部分の信号のことを、水中物体からの反射波と呼ぶ。
次に、解析部400は、概算距離推定部430にてステップF2で抽出した反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を、周波数による伝搬減衰差の理論値もしくは予め用意したデータベースと比較し、おおよその伝搬時間及び伝搬距離を算出する(図3のステップF3)。
これにより、例えば、図4(B)に示すように、受信部300で受信した反射波が、m回目のアップチャープの送信に対する反射波であり、かつ、その周波数に依存した減衰差が小さい時には、その反射波は近距離水中物体からの反射波であると推定する。また、(m−1)回目のダウンチャープの送信に対する反射波を受信したとき、その反射波の周波数に依存した減衰差が中程度であるときには、その反射波は中距離水中物体からの反射波であると推定する。更に、(m−2)回目のアップチャープの送信に対する反射波を受信したとき、その反射波の周波数に依存した減衰差が大きい時には、その反射波は遠距離水中物体からの反射波であると推定する。
次に、ステップF3で算出した伝搬時間を、反射波の受信時刻から差し引き、予測送信時刻を算出する(図3のステップF4)。続いて、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻及びステップF2で判定した送信波形パターンより、受信部300で受信した反射波がどの送信音波に対するものであるかを判定する(図3のステップF5)。この場合、以下の(1−1)又は(1−2)のいずれかの判定が行われる。
(1−1)上記ステップF1の処理の結果、S1(アップチャープ)との相関処理が閾値を超えた場合の処理について以下に示す。この場合、反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)または、その偶数回前の送信(図2のステップB[m−2k](k=1,2,3,・・・))に対する反射である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)またはその偶数回前の送信(図2のステップB[m−2k](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
(1−2)上記ステップF1の処理の結果、S2(ダウンチャープ)との相関処理が閾値を超えた場合の処理について以下に示す。この場合、反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)の奇数回前の送信(図2のステップB[m−(2k−1)](k=1,2,3,・・・))に対する反射である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)の奇数回前の送信(図2のステップB[m−(2k−1)](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
ステップF5により、予測送信時刻が送信時刻に最も近い送信音波が、受信反射波に対する送信波であると特定できるため、距離算出部450は、その送信時刻及び反射波の受信時刻から、反射波を形成した水中物体までの距離を算出する(図3のステップF6)。次に、位置推定部460は、ステップF6で算出した水中物体までの距離、及び現在解析している解析用信号の方位から、当該水中物体の位置を推定し、表示部500に出力する(図3のステップF7)。最後に、表示部500では、解析部400から受け取った当該水中物体の推定位置を表示する(図2のステップE1)。
(2)次に、m回目の送信(図2のステップBm)が偶数回目の送信であった場合の処理について説明する。この場合、送信部200はm回目の送信(図2のステップBm)では、S2(ダウンチャープ)の波形を送信することとなる。
この場合、解析部400は、図2のステップDmの処理において、上記(1)の場合と同様に図3のステップF1からステップF4までの処理を行った後、図3のステップF5において、ステップF1での相関処理結果が、S1(アップチャープ)との相関処理が閾値を超えていたときには、後述の(2−1)の処理を行い、S2(ダウンチャープ)との相関処理が閾値を超えていたときには、後述の(2−2)の処理を行う。
(2−1)上記ステップF1の処理の結果、S1(アップチャープ)との相関処理が閾値を超えた場合、反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)の奇数回前の送信(図2のステップB[m−(2k−1)](k=1,2,3,・・・))に対する反射である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)の奇数回前の送信(図2のステップB[m−(2k−1)](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
(2−2)上記ステップF1の処理の結果、S2(ダウンチャープ)との相関処理が閾値を超えた場合、反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)または、その偶数回前の送信(図2のステップB[m−2k](k=1,2,3,・・・))に対する反射である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)またはその偶数回前の送信(図2のステップB[m−2k](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
以下、解析部400は、上記(1)と同様に図3のステップF6からステップF7までと同様の処理を行う。最後に、表示部500では、解析部400から受け取った当該水中物体の推定位置を表示する(図2のステップE1)。
このように、本実施の形態によれば、過去(1〜n回前)に送信した音波に対する反射波についても、送信波形のパターンの違いからどの送信に対する反射波かを絞り込み、また周波数による伝搬減衰差を利用しておおよその伝搬距離を推定することにより、いつ送信した音波に対する反射波かを判定できるため、過去(1〜n回前)に送信した音波に対する反射波からも、その反射波を発生させた水中物体の位置を求めることができる。
また、本実施の形態によれば、過去(1〜n回前)に送信した音波に対する反射波からも水中物体の位置を求めることが可能であることから、送信間隔を短くして近距離と遠距離を同時に捜索することが可能であるため、近距離捜索と遠距離捜索を同時に効率的に行うことができる。
更に、本実施の形態によれば、過去(1〜n回前)に送信した音波に対する反射波からも水中物体の位置を求めることが可能であることから、従来課題であった近距離捜索中の遠距離水中物体からの反射波による誤検出を排除できるため、近距離の水中物体をより確実に検出することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、アップチャープとダウンチャープの2種類の送信波形パターンを使用するのではなく、図5(A)に示すように、低周波と高周波を順に組み合わせて、その順序を入れ替えて送信することにより送信波形のパターンを変更する点が、第1の実施の形態と異なる。
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態の装置構成と同じであり、図1のブロック図で示される。ただし、図1中の送信周波数設定部110と、反射波検出部420のみ、本実施の形態特有の構成とされる。すなわち、送信周波数設定部110は、送信回毎に、送信波形のパターンとその周波数を設定する。送信波形は、図5(A)にS3、S4で示すように、低周波、高周波の順に送信した波形(S3)、または高周波、低周波の順に送信した波形(S4)の2パターンとする。周波数は、低周波数と高周波数の2つの周波数を設定する。
また、反射波検出部420は、相関処理部410の結果から、解析用信号の中に存在する水中物体からの反射波を検出し、その反射波が低周波、高周波の順に送信した波形(S3)、または高周波、低周波の順に送信した波形(S4)のどちらの送信波形に対する反射波かを判定する。
次に、本発明における第2の実施の形態の動作について説明する。本実施の形態の動作は、第1の実施の形態の動作と基本的に同様である(図2、図3参照)。ただし、図2のステップA1の処理及び解析部400の解析処理D1〜Dnが第1の実施の形態と異なる。
すなわち、ステップA1では、送信設定部100において、送信する波形の設定を行うが、本実施の形態では、奇数回目の送信ではS3(低周波、高周波の順に送信した波形)、偶数回前の送信ではS4(高周波、低周波の順に送信した波形)になるよう、それぞれ交互に送信する(図5(A)参照)。ここで、ステップA1では高周波と低周波の周波数も設定する。
これに伴い、解析部400の処理に変更が生じるため、解析部400の処理ステップDmの処理について、つまり図3のステップF1からF7の部分における、本実施の形態での動作について説明する。
(3)まず、m回目の送信(図2のステップBm)が奇数回目の送信であった場合の処理について説明する。この場合、送信部200は、m回目の送信(図2のステップBm)では、S3(低周波、高周波の順に送信した波形)を送信することとなる(図5(A)参照)。
解析部400は、はじめに、方位毎の解析用信号について、それぞれS3(低周波、高周波の順に送信した波形)、S4(高周波、低周波の順に送信した波形)の送信波形に対する理論的な反射波形との相関処理を行う(図3のステップF1)。次に、ステップF1の処理の結果、S3(低周波、高周波の順に送信した波形)またはS4(高周波、低周波の順に送信した波形)の送信波形に対する理論的な反射波形との相関が閾値を超えた部分の信号を抽出する(図3のステップF2)。以下では、この相関処理が閾値を超えた部分の信号のことを、水中物体からの反射波と呼ぶ。
次に、ステップF2で抽出した反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を、周波数による伝搬減衰差の理論値もしくは予め用意したデータベースと比較し、おおよその伝搬時間及び伝搬距離を算出する(図3のステップF3)。これにより、例えば、図5(B)に示すように、受信部300で受信した反射波が、m回目のS3(低周波、高周波の順に送信した波形)の送信に対する反射波であり、かつ、その周波数に依存した減衰差が小さい時には、その反射波は近距離水中物体からの反射波であると推定する。また、(m−1)回目のS4(高周波、低周波の順に送信した波形)の送信に対する反射波を受信したとき、その反射波の周波数に依存した減衰差が中程度であるときには、その反射波は中距離水中物体からの反射波であると推定する。更に、(m−2)回目のS3(低周波、高周波の順に送信した波形)の送信に対する反射波を受信したとき、その反射波の周波数に依存した減衰差が大きい時には、その反射波は遠距離水中物体からの反射波であると推定する。
次に、ステップF3で算出した伝搬時間を、反射波の受信時刻から差し引き、予測送信時刻を算出した後(図3のステップF4)、ステップF1での相関処理結果が、S3との相関処理が閾値を超えていたときには、送信波判定部440は、後述の(3−1)の処理を行い、S4との相関処理が閾値を超えていたときには、後述の(3−2)の処理を行う(図3のステップF5)。
(3−1)上記ステップF1の処理の結果、S3(低周波、高周波の順に送信した波形)との相関処理が閾値を超えた場合、受信した反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)または、その偶数回前の送信(図2のステップB[m−2k](k=1,2,3,・・・))に対する反射波である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)またはその偶数回前の送信(図2のステップB[m−2k](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
(3−2)一方、上記ステップF1の処理の結果、S4(高周波、低周波の順に送信した波形)との相関処理が閾値を超えた場合、受信した反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)の奇数回前の送信(図2のステップB[m−(2k−1)](k=1,2,3,・・・))に対する反射波である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)の奇数回前の送信(図2のステップB[m−(2k−1)](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
上記のステップF5の判定により、当該反射波がどの送信に対する反射波かを判断できるため、距離算出部450がその送信時刻及び反射波の受信時刻から、反射波を形成した水中物体までの距離を算出する(図3のステップF6)。次に、位置推定部460がステップF6で算出した水中物体までの距離、及び現在解析している解析用信号の方位から、当該水中物体の位置を推定し、表示部500に出力する(図3のステップF7)。最後に、表示部500では、解析部400から受け取った当該水中物体の推定位置を表示する(図2のステップE1)。
(4)次に、m回目の送信(図2のステップBm)が偶数回目の送信であった場合の処理について説明する。この場合、m回目の送信(図2のステップBm)では、S4(高周波、低周波の順に送信した波形)の波形を送信することとなる。
この場合、解析部400は、図2のステップDmの処理において、上記(3)の場合と同様に図3のステップF1からステップF4までの処理を行った後、図3のステップF5において、ステップF1での相関処理結果が、S3との相関処理が閾値を超えていたときには、後述の(4−1)の処理を行い、S4との相関処理が閾値を超えていたときには、後述の(4−2)の処理を行う。
(4−1)上記ステップF1の処理の結果、S3(低周波、高周波の順に送信した波形)との相関処理が閾値を超えた場合の処理について以下に示す。この場合、反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)の奇数回前の送信(図2のステップB[m−(2k−1)](k=1,2,3,・・・))に対する反射である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)の奇数回前の送信(図2のステップB[m−(2k−1)](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
(4−2)上記ステップF1の処理の結果、S4(高周波、低周波の順に送信した波形)との相関処理が閾値を超えた場合の処理について以下に示す。この場合、反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)または、その偶数回前の送信(図2のステップB[m−2k](k=1,2,3,・・・))に対する反射である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)またはその偶数回前の送信(図2のステップB[m−2k](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
以下、本実施の形態では解析部400は、上記(3)の場合の、ステップF6からステップF7までと同様の処理を行う。本実施の形態も第1の実施の形態と同様の効果を有する。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、2種類の送信波形パターンを使用するのではなく、図6(A)に示すように、送信波形のパターンを、低周波帯でのアップチャープ、低周波帯でのダウンチャープ、高周波帯でのアップチャープ、高周波帯でのダウンチャープの4種類を使用する点が上記の第1及び第2の実施の形態と異なる。
本実施の形態の装置構成は、第1及び第2の実施の形態の装置構成と同じであり、図1のブロック図で示される。ただし、図1中の送信周波数設定部110と、反射波検出部420のみ、本実施の形態特有の構成とされる。すなわち、送信周波数設定部110は、送信回毎に、送信波形のパターンとその周波数を設定する。ここで、送信波形は、図6(A)のS5からS8のように、低周波帯でのアップチャープ(S5)、低周波帯でのダウンチャープ(S6)、高周波帯でのアップチャープ(S7)、高周波帯でのダウンチャープ(S8)の4パターンとする。周波数は、低周波帯、高周波帯それぞれのアップチャープとダウンチャープの開始周波数と終了周波数を設定する。
一方、反射波検出部420は、相関処理部410の結果から、解析用信号の中に存在する水中物体から反射波を検出し、その反射波が低周波帯でのアップチャープ(S5)、低周波帯でのダウンチャープ(S6)、高周波帯でのアップチャープ(S7)、高周波帯でのダウンチャープ(S8)のどの送信波形に対する反射かを判定する。
次に、本実施の形態の動作について説明する。第3の実施の形態の動作は、第1の実施の形態の動作と基本的に同様である(図2、図3参照)が、図2のステップA1との処理及び解析部400の解析処理D1〜Dnが第1及び第2の実施の形態と異なる。
すなわち、本実施の形態では、ステップA1では、送信設定部100において、送信する波形の設定を行うが、図6(A)に示すように、a回目[a=4b+1;b=0,1,2,・・・]の送信では低周波帯でのアップチャープ(S5)、(a+1)回目の送信では低周波帯でのダウンチャープ(S6)、(a+2)回目の送信では高周波帯でのアップチャープ(S7)、(a+3)回目の送信では高周波帯でのダウンチャープ(S8)になるよう、送信する。このとき、低周波帯、高周波帯それぞれのアップチャープとダウンチャープの開始周波数と終了周波数も設定する(図2のステップA1)。
これに伴い、解析部400の処理に変更が生じる。次に、この第3の実施の形態における解析部400のステップDmの処理(図3のステップF1からF7の処理)について説明する。
(5)まず、図6(A)に示すように、m回目の送信(図2のステップBm)がa回目[a=4b+1;b=0,1,2,…]の送信であった場合の処理について説明する。この場合、m回目の送信(図2のステップBm)では、低周波のアップチャープ(S5)を送信することとなる。解析部400は、まず、相関処理部410にて方位毎の解析用信号について、それぞれ低周波帯でのアップチャープ(S5)、低周波帯でのダウンチャープ(S6)、高周波帯でのアップチャープ(S7)、高周波帯でのダウンチャープ(S8)の送信波形に対する理論的な反射波形との相関処理を行う(図3のステップF1)。
次に、反射波検出部420が、ステップF1の処理の結果、低周波帯でのアップチャープ(S5)、低周波帯でのダウンチャープ(S6)、高周波帯でのアップチャープ(S7)、高周波帯でのダウンチャープ(S8)の送信波形に対する理論的な反射波形との相関が閾値を超えた部分の信号を抽出する(図3のステップF2)。以下では、この相関処理が閾値を超えた部分の信号のことを、水中物体からの反射波と呼ぶ。
次に、概算距離推定部430において、ステップF2で抽出した反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を、周波数による伝搬減衰差の理論値もしくは予め用意したデータベースと比較し、おおよその伝搬時間及び伝搬距離を算出する(図3のステップF3)。これにより、例えば、図6(B)に示すように、受信部300で受信した反射波が、m回目のS5(低周波数帯でのアップチャープ)の送信に対する反射波であり、かつ、その周波数に依存した減衰差が小さい時には、その反射波は近距離水中物体からの反射波であると推定する。また、(m−1)回目のS8(高周波数帯でのダウンチャープ)の送信に対する反射波を受信したとき、その反射波の周波数に依存した減衰差が中程度であるときには、その反射波は中距離水中物体からの反射波であると推定する。更に、(m−2)回目のS7(高周波数帯でのアップチャーぷ)の送信に対する反射波を受信したとき、その反射波の周波数に依存した減衰差が大きい時には、その反射波は遠距離水中物体からの反射波であると推定する。
次に、ステップF3で算出した伝搬時間を、反射波の受信時刻から差し引き、予測送信時刻を算出し(図3のステップF4)、更にステップF1での相関処理結果が、低周波帯でのアップチャープ(S5)との相関処理が閾値を超えていたときには、送信波判定部440は、後述の(5−1)の処理を行い、低周波帯でのダウンチャープ(S6)との相関処理が閾値を超えていたときには、後述の(5−2)の処理を行い、高周波帯でのアップチャープ(S7)との相関処理が閾値を超えていたときには、後述の(5−3)の処理を行い、高周波帯でのダウンチャープ(S8)との相関処理が閾値を超えていたときには、後述の(5−4)の処理を行う(図3のステップF5)。
(5−1)上記ステップF1の処理の結果、低周波帯でのアップチャープ(S5)との相関処理が閾値を超えた場合、受信部300で受信した反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)または、その4の倍数回前の送信(図2のステップB[m−4k](k=1,2,3,・・・))に対する反射波である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)またはその4の倍数回前の送信(図2のステップB[m−4k](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
(5−2)上記ステップF1の処理の結果、低周波帯でのダウンチャープ(S6)との相関処理が閾値を超えた場合、受信部300で受信した反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)の(4の倍数−1)回前の送信(図2のステップB[m−(4k−1)](k=1,2,3,・・・))に対する反射波である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)の(4の倍数−1)回前の送信(図2のステップB[m−(4k−1)](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
(5−3)上記ステップF1の処理の結果、高周波帯でのアップチャープ(S7)との相関処理が閾値を超えた場合、受信部300で受信した反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)の(4の倍数−2)回前の送信(図2のステップB[m−(4k−2)](k=1,2,3,・・・))に対する反射である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)の(4の倍数−2)回前の送信(図2のステップB[m−(4k−2)](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
(5−4)上記ステップF1の処理の結果、高周波帯でのダウンチャープ(S8)との相関処理が閾値を超えた場合、受信部300で受信した反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)の(4の倍数−3)回前の送信(図2のステップB[m−(4k−3)](k=1,2,3,・・・))に対する反射である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)の(4の倍数−3)回前の送信(図2のステップB[m−(4k−3)](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
上記のステップF5により、当該反射波がどの送信に対する反射波かを判断できるため、距離算出部450は、その送信時刻及び反射波の受信時刻から、反射波を形成した水中物体までの距離を算出する(図3のステップF6)。次に、ステップF6で算出した水中物体までの距離、及び現在解析している解析用信号の方位から、当該水中物体の位置を推定し、表示部500に出力する(図3のステップF7)。
(6)次に、m回目の送信(図2のステップBm)が(a+1)回目[a=4b+1;b=0,1,2,…]の送信であった場合の処理について説明する。この場合、m回目の送信(図2のステップBm)では、低周波帯でのダウンチャープ(S6)を送信することとなる。
この場合、解析部400は、図2のステップDmの処理において、上記(5)の場合と同様に図3のステップF1からステップF4までの処理を行った後、図3のステップF5において、低周波帯でのアップチャープ(S5)との相関処理が閾値を超えていたときには、送信波判定部440は、後述の(6−1)の処理を行い、低周波帯でのダウンチャープ(S6)との相関処理が閾値を超えていたときには、後述の(6−2)の処理を行い、高周波帯でのアップチャープ(S7)との相関処理が閾値を超えていたときには、後述の(6−3)の処理を行い、高周波帯でのダウンチャープ(S8)との相関処理が閾値を超えていたときには、後述の(6−4)の処理を行う。
(6−1)上記ステップF1の処理の結果、低周波帯でのアップチャープ(S5)との相関処理が閾値を超えた場合、受信部300で受信した反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)または、その(4の倍数−3)回前の送信(図2のステップB[m−(4k−3)](k=1,2,3,・・・))に対する反射波である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)またはその(4の倍数−3)回前の送信(図2のステップB[m−(4k−3)](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
(6−2)上記ステップF1の処理の結果、低周波帯でのダウンチャープ(S6)との相関処理が閾値を超えた場合、受信部300で受信した反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)の(4の倍数)回前の送信(図2のステップB[m−4k](k=1,2,3,・・・))に対する反射波である。そこで、送信波判定部440は、ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)の(4の倍数)回前の送信(図2のステップB[m−4k](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
(6−3)上記ステップF1の処理の結果、高周波帯でのアップチャープ(S7)との相関処理が閾値を超えた場合、受信部300で受信した反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)の(4の倍数−1)回前の送信(図2のステップB[m−(4k−1)](k=1,2,3,・・・))に対する反射波である。そこで、送信波判定部440は、
ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)の(4の倍数−1)回前の送信(図2のステップB[m−(4k−1)](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
(6−4)上記ステップF1の処理の結果、高周波帯でのダウンチャープ(S8)との相関処理が閾値を超えた場合、受信部300で受信した反射波は、m回目の送信(図2のステップBm)の(4の倍数−2)回前の送信(図2のステップB[m−(4k−2)](k=1,2,3,・・・))に対する反射波である。そこで、送信波判定部440は、
ステップF4で算出した予測送信時刻が、m回目の送信(図2のステップBm)の(4の倍数−2)回前の送信(図2のステップB[m−(4k−2)](k=1,2,3,・・・))のどの送信時刻に最も近いかを判定する(図3のステップF5)。
上記のステップF5の処理が終わると、図3のステップF6からステップF7までと同様の処理が行われる。
(7)次に、m回目の送信(図2のステップBm)が(a+2)回目[a=4b+1;b=0,1,2,…]の送信であった場合の処理について説明する。この場合、m回目の送信(図2のステップBm)では、高周波帯でのアップチャープ(S7)を送信することとなる。この場合も、上記(5)、(6)と同様の考え方に基づいてステップF5を変更し、ステップF1からF7の処理を行って当該水中物体の位置を推定し、表示部500に出力する。
(8)次に、m回目の送信(図2のステップBm)が(a+3)回目[a=4b+1;b=0,1,2,…]の送信であった場合の処理について説明する。この場合、m回目の送信(図2のステップBm)では、高周波帯でのダウンチャープ(S8)を送信することとなる。この場合も、上記(5)、(6)と同様の考え方に基づいてステップF5を変更し、ステップF1からF7の処理を行って当該水中物体の位置を推定し、表示部500に出力する。
この第3の実施の形態によれば、送信波形のパターンを2パターンから4パターンに増やしたことにより、検出した反射波が何回前の送信に対する反射かを判定する際に、第1及び第2の実施の形態に比べ細かい絞込みができるという効果がある。
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、送信設定部100、送信部200、受信部300及び解析部400の前記各動作をコンピュータにより実行させるためのコンピュータプログラムも本発明に包含されるものである。また、第2の実施の形態では高周波数と低周波数の2種類の周波数を組み合わせた2種類の音波を交互に送信したが、3種類以上の周波数の音波を組み合わせた複数の種類の音波を巡回的に切り替えて送信するようにしてもよく、更に複数の周波数帯の複数のアップチャープの音波と複数の周波数帯の複数のダウンチャープの音波を巡回的に切り替えて送信するようにしてもよい。
本発明によれば、移動中の船舶が、近距離の水中物体を重点的に捜索しながら遠距離の水中の障害物も捜索するといった用途に適用できる。また、水中にある遠距離障害物と近距離障害物を区別し、近距離障害物をより確実に効率的に検出することにより衝突を回避するといった用途に適用できる。
また、近距離の魚群を追尾しながら遠距離の魚群についても位置を把握するといった用途に適用できる。また、遠距離に存在する水中物体からの反射波と近距離の魚群からの反射波をより確実に区別し、効率的に検出することにより、魚群を追尾するといった用途にも適用可能である。
また、大まかな位置が判明している水中物体を捜索する際に、近距離に存在する水中物体を重点的に捜索しながらも、遠距離に存在する水中物体も捜索するといった用途にも適用可能である。
本発明装置の一実施の形態のブロック図である。 本発明方法の一実施の形態の動作説明用フローチャートである。 本発明方法の第1の実施の形態の動作説明用フローチャートである。 本発明の第1の実施の形態の動作説明用波形図である。 本発明の第2の実施の形態の動作説明用波形図である。 本発明の第3の実施の形態の動作説明用波形図である。
符号の説明
100 送信設定部
110 送信周波数設定部
120 送信間隔設定部
130 送信出力設定部
200 送信部
210 送信パルス生成部
220 パルス送信部
300 受信部
310 受波増幅器
320 整相加算部
400 解析部
410 相関処理部
420 反射波検出部
430 概算距離推定部
440 送信波判定部
450 距離算出部
460 位置推定部
500 表示部
510 水中物体位置表示部




Claims (6)

  1. 音波を水中に設定間隔で送信して水中物体で反射させ、その反射波を受信して受信した反射波の受信時刻と前記音波の送信時刻とから反射波の伝搬時間を求め、その伝時間から伝搬距離を求める音波伝搬距離推定方法において、
    アップチャープの第1の音波と、ダウンチャープの第2の音波とを交互に、かつ、設定時間間隔で水中に送信する第1のステップと、
    水中からの音波を受信して音響−電気変換して得た電気信号を整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を出力する第2のステップと、
    前記解析用信号と送信波形との相関を計算し、その相関結果から受信した反射波が前記第1のステップで送信した前記第1及び第2の音波のどちらに対する水中物体からの反射波かを判定する第3のステップと、
    前記第3のステップで判定した前記水中物体からの反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を周波数による伝搬減衰差の理論値又は予め用意したデータベースと比較して、前記水中物体からの反射波のおおよその伝搬時間を推定する第4のステップと
    前記水中物体からの反射波の受信時刻と前記第4のステップで推定したおおよその伝搬時間とから前記水中物体からの反射波が音波として送信された送信時刻を推定し、その送信時刻と前記第3のステップで前記水中物体からの反射波として判定された前記第1の音波又は前記第2の音波の波形パターンとに基づき、前記水中物体からの反射波がどの送信音波に対する反射波かを特定する第5のステップと、
    前記第5のステップで特定された送信音波の送信時刻及び前記水中物体からの反射波の受信時刻から、前記水中物体からの反射波を形成した前記水中物体までの距離を算出する第6のステップと、
    前記第6のステップで算出した前記水中物体までの距離と現在解析している前記解析用信号の方位とから、該水中物体の位置を推定する第7のステップと
    を含むことを特徴とする音波伝搬距離推定方法。
  2. 音波を水中に設定間隔で送信して水中物体で反射させ、その反射波を受信して受信した反射波の受信時刻と前記音波の送信時刻とから反射波の伝搬時間を求め、その伝時間から伝搬距離を求める音波伝搬距離推定方法において、
    互いに異なる複数の周波数の音波が、一定時間内で互いに異なる順番で組み合わされた複数の音波を、巡回的に設定時間間隔で切り替えて水中に送信する第1のステップと、
    水中からの音波を受信して音響−電気変換して得た電気信号を整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を出力する第2のステップと、
    前記解析用信号と送信波形との相関を計算し、その相関結果から受信した反射波が前記第1のステップで送信した前記複数の音波のどの音波に対する水中物体からの反射波かを判定する第3のステップと、
    前記第3のステップで判定した前記水中物体からの反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を周波数による伝搬減衰差の理論値又は予め用意したデータベースと比較して、前記水中物体からの反射波のおおよその伝搬時間を推定する第4のステップと
    前記水中物体からの反射波の受信時刻と前記第4のステップで推定したおおよその伝搬時間とから前記水中物体からの反射波が音波として送信された送信時刻を推定し、その送信時刻と前記複数の音波のうち前記第3のステップで前記水中物体からの反射波として判定された一の音波の波形パターンとに基づき、前記水中物体からの反射波がどの送信音波に対する反射波かを特定する第5のステップと、
    前記第5のステップで特定された送信音波の送信時刻及び前記水中物体からの反射波の受信時刻から、前記水中物体からの反射波を形成した前記水中物体までの距離を算出する第6のステップと、
    前記第6のステップで算出した前記水中物体までの距離と現在解析している前記解析用信号の方位とから、該水中物体の位置を推定する第7のステップと
    を含むことを特徴とする音波伝搬距離推定方法。
  3. 音波を水中に設定間隔で送信して水中物体で反射させ、その反射波を受信して受信した反射波の受信時刻と前記音波の送信時刻とから反射波の伝搬時間を求め、その伝時間から伝搬距離を求める音波伝搬距離推定方法において、
    互いに周波数帯が異なるアップチャープの複数の第1の音波と、互いに周波数帯が異なるダウンチャープの複数の第2の音波とを、設定時間間隔で巡回的に切り替えて水中に送信する第1のステップと、
    水中からの音波を受信して音響−電気変換して得た電気信号を整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を出力する第2のステップと、
    前記解析用信号と送信波形との相関を計算し、その相関結果から受信した反射波が前記第1のステップで送信した前記複数の第1音波及び前記複数の第2の音波のうちのどの音波に対する水中物体からの反射波かを判定する第3のステップと、
    前記第3のステップで判定した前記水中物体からの反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を周波数による伝搬減衰差の理論値又は予め用意したデータベースと比較して、前記水中物体からの反射波のおおよその伝搬時間を推定する第4のステップと
    前記水中物体からの反射波の受信時刻と前記第4のステップで推定したおおよその伝搬時間とから前記水中物体からの反射波が音波として送信された送信時刻を推定し、その送信時刻と前記複数の第1の音波及び前記複数の第2の音波のうち前記第3のステップで前記水中物体からの反射波として判定された一の音波の波形パターンとに基づき、前記水中物体からの反射波がどの送信音波に対する反射波かを特定する第5のステップと、
    前記第5のステップで特定された送信音波の送信時刻及び前記水中物体からの反射波の受信時刻から、前記水中物体からの反射波を形成した前記水中物体までの距離を算出する第6のステップと、
    前記第6のステップで算出した前記水中物体までの距離と現在解析している前記解析用信号の方位とから、該水中物体の位置を推定する第7のステップと
    を含むことを特徴とする音波伝搬距離推定方法。
  4. 音波を水中に設定間隔で送信して水中物体で反射させ、その反射波を受信して受信した反射波の受信時刻と前記音波の送信時刻とから反射波の伝搬時間を求め、その伝時間から伝搬距離を求める音波伝搬距離推定装置において、
    アップチャープの第1の音波と、ダウンチャープの第2の音波とを交互に、かつ、設定時間間隔で水中に送信する送信手段と、
    水中からの音波を受信して音響−電気変換して得た電気信号を整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を出力する受信手段と、
    前記解析用信号と送信波形との相関を計算し、その相関結果から受信した反射波が前記送信手段で送信した前記第1及び第2の音波のどちらに対する水中物体からの反射波かを判定する反射波検出手段と、
    前記反射波検出手段で検出した前記水中物体からの反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を周波数による伝搬減衰差の理論値又は予め用意したデータベースと比較して、前記水中物体からの反射波のおおよその伝搬時間を推定する概算伝搬時間推定手段と
    前記水中物体からの反射波の受信時刻と前記概算伝搬時間推定手段で推定したおおよその伝搬時間とから前記水中物体からの反射波が音波として送信された送信時刻を推定し、その送信時刻と前記反射波検出手段で前記水中物体からの反射波として検出された前記第1の音波又は前記第2の音波の波形パターンとに基づき、前記水中物体からの反射波がどの送信音波に対する反射波かを特定する送信音波特定手段と、
    前記送信音波特定手段で特定された送信音波の送信時刻及び前記水中物体からの反射波の受信時刻から、前記水中物体からの反射波を形成した前記水中物体までの距離を算出する距離算出手段と、
    前記距離算出手段で算出した前記水中物体までの距離と現在解析している前記解析用信号の方位とから、該水中物体の位置を推定する位置推定手段と
    を有することを特徴とする音波伝搬距離推定装置。
  5. 音波を水中に設定間隔で送信して水中物体で反射させ、その反射波を受信して受信した反射波の受信時刻と前記音波の送信時刻とから反射波の伝搬時間を求め、その伝時間から伝搬距離を求める音波伝搬距離推定装置において、
    互いに異なる複数の周波数の音波が、一定時間内で互いに異なる順番で組み合わされた複数の音波を、巡回的に設定時間間隔で切り替えて水中に送信する送信手段と、
    水中からの音波を受信して音響−電気変換して得た電気信号を整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を出力する受信手段と、
    前記解析用信号と送信波形との相関を計算し、その相関結果から受信した反射波が前記送信手段で送信した前記複数の音波のどの音波に対する水中物体からの反射波かを判定する反射波検出手段と、
    前記反射波検出手段で検出した前記水中物体からの反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を周波数による伝搬減衰差の理論値又は予め用意したデータベースと比較して、前記水中物体からの反射波のおおよその伝搬時間を推定する概算伝搬時間推定手段と
    前記水中物体からの反射波の受信時刻と前記概算伝搬時間推定手段で推定したおおよその伝搬時間とから前記水中物体からの反射波が音波として送信された送信時刻を推定し、その送信時刻と前記複数の音波のうち前記反射波検出手段で前記水中物体からの反射波として検出された一の音波の波形パターンとに基づき、前記水中物体からの反射波がどの送信音波に対する反射波かを特定する送信音波特定手段と、
    前記送信音波特定手段で特定された送信音波の送信時刻及び前記水中物体からの反射波の受信時刻から、前記水中物体からの反射波を形成した前記水中物体までの距離を算出する距離算出手段と、
    前記距離算出手段で算出した前記水中物体までの距離と現在解析している前記解析用信号の方位とから、該水中物体の位置を推定する位置推定手段と
    を有することを特徴とする音波伝搬距離推定装置。
  6. 音波を水中に設定間隔で送信して水中物体で反射させ、その反射波を受信して受信した反射波の受信時刻と前記音波の送信時刻とから反射波の伝搬時間を求め、その伝時間から伝搬距離を求める音波伝搬距離推定装置において、
    互いに周波数帯が異なるアップチャープの複数の第1の音波と、互いに周波数帯が異なるダウンチャープの複数の第2の音波とを、設定時間間隔で巡回的に切り替えて水中に送信する送信手段と、
    水中からの音波を受信して音響−電気変換して得た電気信号を整相加算して、方位毎の指向性ビームを合成し、方位毎の解析用信号を出力する受信手段と、
    前記解析用信号と送信波形との相関を計算し、その相関結果から受信した反射波が前記送信手段で送信した前記複数の第1音波及び前記複数の第2の音波のうちのどの音波に対する水中物体からの反射波かを判定する反射波検出手段と、
    前記反射波検出手段で検出した前記水中物体からの反射波の高周波成分と低周波成分の強度比を算出し、その強度比を周波数による伝搬減衰差の理論値又は予め用意したデータベースと比較して、前記水中物体からの反射波のおおよその伝搬時間を推定する概算伝搬時間推定手段と
    前記水中物体からの反射波の受信時刻と前記概算伝搬時間推定手段で推定したおおよその伝搬時間とから前記水中物体からの反射波が音波として送信された送信時刻を推定し、その送信時刻と前記複数の第1の音波及び前記複数の第2の音波のうち前記は反射波検出手段で前記水中物体からの反射波として検出された一の音波の波形パターンとに基づき、前記水中物体からの反射波がどの送信音波に対する反射波かを特定する送信音波特定手段と、
    前記送信音波特定手段で特定された送信音波の送信時刻及び前記水中物体からの反射波の受信時刻から、前記水中物体からの反射波を形成した前記水中物体までの距離を算出する距離算出手段と、
    前記距離算出手段で算出した前記水中物体までの距離と現在解析している前記解析用信号の方位とから、該水中物体の位置を推定する位置推定手段と
    を有することを特徴とする音波伝搬距離推定装置。
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