JP4815707B2 - 光硬化性組成物、その硬化物及び積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止膜用材料等として好適な光硬化性組成物、その硬化物及び積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
反射防止膜用材料として、例えば、熱硬化型ポリシロキサン組成物が知られており、特開昭61−247743号公報、特開平6−25599号公報、特開平7−331115号公報及び特開平10−232301号公報等に開示されている。
しかしながら、このような熱硬化型ポリシロキサン組成物を利用して得られる反射防止膜は、耐擦傷性等に乏しく、結果として、耐久性に乏しかった。
また、かかる反射防止膜を製造するにあたり、高温で、長時間にわたって加熱処理をする必要があり、生産性が低く、あるいは適用可能な基材の種類が限定された。
【0003】
そこで、特開平8−94806号公報に開示されているように、基材上に、微粒子を高屈折率バインダー樹脂中に極在化させた高屈折率膜と、フッ素系共重合体からなる低屈折率膜とを順次に積層した反射防止膜用材料が提案されている。
より具体的には、高屈折率膜を形成するのに、金属酸化物粒子等の微粒子層を工程紙上に予め形成しておき、それを基材上の高屈折率バインダー樹脂に対して圧接することにより、高屈折率バインダー樹脂中に微粒子層を埋設して、極在化させている。
また、低屈折率膜については、フッ化ビニリデン及びヘキサフルオロプロピレンからなるフッ素含有共重合体と、エチレン性不飽和基を有する重合性化合物と、重合開始剤とからなる樹脂組成物を硬化して、薄膜としている。
一方、特開平8−231222号公報及び特開平9−12314号公報には、針状金属酸化物の微粉末が開示されているが、かかる微粉末を用いた反射防止膜用材料は開示されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、特開平8−94806号公報に示されるように高屈折率膜に含まれる金属酸化物粒子の形状は球状であり、一般にその形状等について何等考慮されておらず、また、高屈折率膜の帯電防止性及び耐擦傷性等についてはさらに改善されることが求められていた。
【0005】
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、針状酸化物粒子を含む二種類の金属酸化物粒子を含む光硬化性組成物を構成することにより、硬化させた場合に、特に、耐擦傷性(耐スチールウール性)に優れた硬化物及び積層体が得られることを見出した。
従って、本発明は、硬化させた場合に、帯電防止性及び耐擦傷性等に優れた硬化物が得られる光硬化性組成物、そのような硬化性組成物からなる硬化物及びその硬化物を含む積層体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記化合物(A)〜(D)を含むことを特徴とする光硬化性組成物が提供される。
(A)ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物である針状粒子
(B)(A)以外の粒子であって、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物である粒子
(C)多官能(メタ)アクリレート
(D)光重合開始剤
このように構成することにより、この光硬化性組成物を光硬化させた場合に、帯電防止性、及び耐擦傷性、特に耐擦傷性等に優れた硬化物が得られる。
【0007】
また、本発明の光硬化性組成物を構成するにあたり、全酸化物粒子(化合物(A)+化合物(B))に対する化合物(A)の重量比((A)/((A)+(B)))が0.2〜0.9であることが好ましい。
このような比に構成することにより、光硬化させた場合に、帯電防止性、及び耐擦傷性、特に耐擦傷性により優れた硬化物が得られる。
【0008】
また、本発明の光硬化性組成物を構成するにあたり、化合物(A)が、表面処理された針状酸化物粒子であることが好ましい。
表面処理された針状酸化物粒子とすることにより、光硬化性組成物中の化合物(A)の分散性を向上させることができる。
また、好ましい表面処理としては、化合物(A)と、重合性不飽和基を有する有機化合物との結合が挙げられる。
重合性不飽和基を有する有機化合物と結合させることにより、光硬化性組成物中の化合物(A)の分散性を向上させることができるだけでなく、硬化させた場合に、化合物(A)の表面上に結合させた有機化合物由来の重合性不飽和基を利用して、光硬化性組成物中の他の成分との間の結合力をより強固なものにすることができる。
【0009】
また、この場合、化合物(A)が、表面処理された針状アンチモン含有酸化錫であることが好ましい。
【0010】
また、本発明の光硬化性組成物を構成するにあたり、化合物(B)が、表面処理された酸化物粒子であることが好ましい。
表面処理された酸化物粒子とすることにより、光硬化性組成物中の化合物(B)の分散性を向上させることができる。
また、好ましい表面処理としては、化合物(A)の場合と同様に、化合物(B)と、重合性不飽和基を有する有機化合物との結合が挙げられる。
また、この場合、化合物(B)が、表面処理された酸化ジルコニウム粒子若しくはアンチモン含有酸化錫であることが好ましい。
【0011】
また、本発明の別の態様は、上述した光硬化性組成物を硬化してなる硬化物である。
このような光硬化性組成物を硬化させることにより、帯電防止性及び耐擦傷性等に優れた硬化物を得ることができる。
【0012】
本発明の硬化物は、従来の球状酸化物粒子を含有する組成物から硬化させた硬化物等に比べて、酸化物粒子を少量添加するだけで所望の帯電防止効果が得られる。この理由は、化合物(A)の形状が針状であるため、少量の添加でも、硬化物中に導電路を有効に形成することができるためである。
従って、硬化物における酸化物粒子含有量を減らして帯電防止効果を損なうことなく透明性が高めることができる。
本発明の硬化物の表面抵抗は、1012オーダーより低いのが好ましく、1010オーダーより低いのがより好ましい。表面抵抗が低いと、帯電防止性が特に高まり、ほこり等の付着を顕著に防止できる。
また、本発明の硬化物は、化合物(A)と化合物(B)の二種類の酸化物粒子を含むことにより、耐擦傷性に優れる。
【0013】
また、本発明のさらに別の態様は、上記の硬化物からなる硬化物層を含む積層体である。
このような硬化物層を含むことにより、帯電防止性及び耐擦傷性等に優れた積層体を得ることができる。
【0014】
また、本発明の積層体を構成するにあたり、硬化物層の膜厚を0.05〜20μmとすることが好ましい。
このような膜厚とすることにより、耐擦傷性に優れる積層体を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光硬化性組成物、硬化物及び積層体についてさらに詳しく説明する。
1.化合物(A)、針状酸化物粒子
化合物(A)は、光硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の耐擦傷性を高めるために用いられる。
(1)組成及び形状
化合物(A)は、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物である針状粒子である。
【0016】
化合物(A)の具体例としては、針状酸化ケイ素(SiO2)、針状酸化アルミニウム(Al2O3)、針状酸化ジルコニウム(ZrO2)、針状酸化チタン(TiO2)、針状酸化亜鉛(ZnO)、針状酸化ゲルマニウム(GeO2)、針状スズドープ酸化インジウム(ITO)、針状酸化スズ(SnO2)、針状アンチモン含有酸化スズ(ATO)、針状酸化アンチモン(Sb2O5)、針状酸化セリウム(CeO2)、及び針状アンチモン酸亜鉛(AZO)等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらのうち、帯電防止性の観点から針状ATOが好ましい。
針状ATOの製造方法については特に制限されるものではないが、例えば、錫成分、アンチモン成分、ケイ素成分及びアルカリ金属のハロゲン化物を含む被焼成処理物を焼成した後、得られた焼成物の可溶性塩類を除去する方法や、針状酸化錫微粉末の粒子表面に含水酸化アンチモンを沈着させた後、これを分別回収し、焼成する方法等を挙げることができる。
【0017】
化合物(A)の形状としては、微粉末状の、細長い形状であれば特に限定されず、繊維状、柱状、棒状及びその他の類似形状のものも含まれる。
また、化合物(A)のアスペクト比は、5以上が好ましく、10以上がより好ましい。
例えば、化合物(A)として、短軸平均粒子径が0.005〜0.05μm、長軸平均粒子径が0.1〜3μm及び平均アスペクト比が5以上のものが挙げられる。
化合物(A)の形状は、所望の効果、光硬化性組成物中における分散性等により適宜選択できる。
【0018】
(2)表面処理
化合物(A)は、表面処理されていることが好ましい。表面処理を施すと、分散性がより向上する結果、積層体の濁度(ヘイズ値)を低下させることができる。ここで、表面処理とは、化合物(A)と表面処理剤とを混合することにより表面を改質する操作を意味するものであり、その方法としては、物理吸着、化学結合を形成する反応のいずれを用いてもよいが、表面処理の効果の観点から、化学結合を形成する反応がより好ましい。
【0019】
(i)表面処理剤
カップリング剤を用いて表面処理を行なう場合、カップリング剤の例として以下の処理剤が挙げられる。
▲1▼重合性不飽和基を有する有機化合物
化合物(A)と結合させる重合性不飽和基を有する有機化合物としては、分子内にウレタン結合[−O−C(=O)NH−]やチオウレタン結合[−S−C(=O)NH−]、及び不飽和二重結合とを有するアルコキシシラン化合物が好ましい。具体例としては、例えば、下記式(1)に示す化合物を挙げることができる。
【0020】
【化1】
【0021】
式(1)中、R1、R2は、同一でも異なっていてもよいが、水素原子又はC1〜C8のアルキル基若しくはアリール基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル基等を挙げることができる。ここで、pは、1〜3の整数である。
【0022】
[(R1O)pR2 3−pSi−]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
R3は、C1からC12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。
また、R4は、2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。
R5は、(q+1)価の有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Zは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。また、qは、好ましくは、1〜20の整数であり、さらに好ましくは、1〜10の整数、特に好ましくは、1〜5の整数である。
【0023】
本発明で用いられる重合性不飽和基を有する有機化合物の合成は、例えば、特開平9−100111号公報に記載された方法を用いることができる。より具体的には、水酸基含有(メタ)アクリレート、アルコキシシラン、及びジイソシアネートを反応させることにより得られる。
【0024】
ここで用いる水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、等を好適に用いることができる。水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA、PET−30、東亞合成(株)製、商品名:アロニックス M−215、M−233、M−305、M−400等として入手することができる。
【0025】
また、アルコキシシランについても、ジイソシアネートと反応する官能基を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルジエトキシメチルシラン等のチオール基含有アルコキシシランを好適に用いることができる。
【0026】
さらに、ジイソシアネートについても、上記多官能(メタ)アクリレート及びアルコキシシランと反応することが可能なイソシアネート基を有しているものであれば特に制限されるものではない。このような例としては、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネ−ト、4,4’−ビフェニレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネ−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト、水添ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト、2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等を挙げることができる。これらの中では、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンがより好ましい。
尚、上記アルコキシシラン及びジイソシアネートは、それぞれ一種単独又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0027】
▲2▼他のカップリング剤
表面処理に適する他の好ましいカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等の分子内に不飽和二重結合を有する化合物群、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の分子内にエポキシ基を有する化合物群、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等の分子内にアミノ基を有する化合物群、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の分子内にメルカプト基を有する化合物群、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアルキルシラン類、テトラブトキシシチタン、テトラブトキシジルコニウム、テトライソプロポキシアルミニウム等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、これらのカップリング剤の中では、有機樹脂と共重合もしくは架橋反応する官能基を有するものが好ましい。
【0028】
▲3▼表面処理剤の添加量
尚、化合物(A)を表面処理するにあたり、表面処理剤の添加割合を、化合物(A)100重量部に対して、0.1〜125重量部とすることが好ましく、1〜100重量部とすることがより好ましく、5〜50重量部とすることがより好ましい。
その理由は、表面処理剤の添加割合が0.1重量部未満の場合には、硬化物の耐擦傷性が不十分になる場合があるためであり、一方、添加割合が125重量部を越える場合、硬化物の硬度が不十分になる場合があるためである。
【0029】
(3)添加量
本発明の光硬化性組成物では、化合物(A)の添加量が全固形分の5〜80重量%であることが好ましい。ここで全固形分とは、本発明の光硬化性組成物を120℃下で揮発成分を除去した後の残渣分である。
この理由は、添加量が5重量%未満の場合には、硬化させた場合に、耐擦傷性等が得られない場合があるためであり、添加量が80重量%を超える場合には、光硬化性組成物の塗布、乾燥時に製膜性が不十分な場合や、硬化物の透明性が低下する場合があるためである。
また、上記の理由により、添加量を5〜75重量%とすることがより好ましく、10〜70重量%とすることがさらに好ましい。
【0030】
尚、化合物(A)は、全酸化物粒子、即ち、化合物(A)及び後述する化合物(B)の合計((A)+(B))に対する重量比((A)/((A)+(B)))が0.2〜0.9であることが好ましい。
この理由は、化合物(A)の比が0.2未満になると、積層体の耐擦傷性が低下する場合があるためである。一方、化合物(A)の比が0.9を超えると、硬化物の透明性が低下する場合があるためである。
また、このような理由から、化合物(A)の重量比を0.2〜0.8とするのがより好ましく、0.3〜0.7とするのがさらに好ましい。
【0031】
2.化合物(B)、酸化物粒子
化合物(B)は、化合物(A)以外の粒子であって、光硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の帯電防止性を高めるために用いられる。
化合物(B)は、その形状は、針状である必要はなく、特に限定されない。好ましくは、アスペクト比が1〜3の粒子である。
化合物(B)の具体例としては、化合物(A)と同様の酸化物粒子が挙げられ、特に、酸化ジルコニウム、アンチモン含有酸化錫等が好ましい。
また、化合物(B)は、化合物(A)と同様に、分散性を向上させるために表面処理されていることが好ましい。この場合、化合物(B)の表面処理として、重合性不飽和基を有する有機化合物との結合を行なうことがより好ましい。
【0032】
また、全固形分中の化合物(B)の添加量は3〜65重量%であることが好ましい。
この理由は、添加量が3重量%未満の場合には、硬化させた場合に、耐擦傷性等が得られない場合があるためであり、添加量が65重量%を超える場合には、光硬化性組成物の塗布、乾燥時に製膜性が不十分な場合や、硬化物の透明性が低下する場合があるためである。
また、上記の理由により、添加量を5〜60重量%とすることがより好ましく、20〜50重量%とすることがさらに好ましい。
【0033】
3.化合物(C)、多官能(メタ)アクリレート
多官能(メタ)アクリレートは、光硬化性組成物を硬化して得られる硬化物の耐擦傷性及び硬度を高めるために用いられる。
【0034】
(1)多官能(メタ)アクリレート
多官能(メタ)アクリレートは、分子内に少なくとも二つの(メタ)アクリロイル基を含有する化合物である。その例としては、上述のペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の水酸基含有多官能(メタ)アクリレートならびにジペンタエリスリト−ルヘキサ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレ−ト、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−トトリ(メタ)アクリレ−ト等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0035】
(2)添加量
本発明の光硬化性組成物では、多官能(メタ)アクリレートの添加量が5〜30重量%であることが好ましい。
この理由は、添加量が5重量%未満となると、光硬化性組成物を硬化させた時に、製膜性が不十分になる場合があるためであり、一方、添加量が30重量%を超えると、得られる硬化物の耐擦傷性が不十分になる場合があるためである。
また、上記の理由により、多官能(メタ)アクリレートの添加量を5〜30重量%とするのがより好ましく、8〜28重量%とするのがより好ましい。
【0036】
4.化合物(D)、光重合開始剤
光重合開始剤は、組成物を硬化させるために用いられる。
(1)光重合開始剤
光重合開始剤の例としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
【0037】
尚、これらの光重合開始剤の中では、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドが好ましい。
【0038】
(2)添加量
本発明の光硬化性組成物では、光重合開始剤の添加量が0.5〜10重量%であることが好ましい。
この理由は、添加量が0.5重量%未満となると、硬化組成組成物の硬化が不十分となる場合があるためである。一方、添加量が10重量%を超えると、光重合開始剤自身が可塑剤として働き、硬化物の硬度が低下する場合があるためである。
また、上記の理由により、光重合開始剤の添加量を0.5〜8重量%とするのがより好ましく、0.5〜5重量%とするのがさらに好ましい。
【0039】
6.有機溶剤
本発明の光硬化性組成物においては、上記化合物(A)〜(D)以外に、有機溶剤を配合することが好ましい。
有機溶剤としては特に制限されるものではないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル基含有アルコール類、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等のヒドロキシエステル類、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸ブチル等のβ―ケトエステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類からなる群から選択される少なくとも一種の有機溶剤を使用することが好ましい。これらの中で、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類がより好ましい。
【0040】
有機溶剤は、光硬化性組成物の全固形分濃度が0.5〜75%となるよう添加される。即ち、有機溶剤の添加量としては、全固形分を100重量部としたときに、33.3〜19,900重量部が好ましい。
この理由は、有機溶剤の添加量が33.3重量部未満となると、光硬化性組成物の粘度が増加して塗布性が低下する場合があるためであり、一方、19,900重量部を越えると、得られる硬化物の膜厚が薄すぎて十分な耐擦傷性が発現しない場合があるためである。
【0041】
7.その他
本発明の光硬化性組成物には、本発明の目的や効果を損なわない範囲において、光酸発生剤、光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、無機充填剤、顔料、染料等の添加剤をさらに含有させてもよい。
【0042】
8.調製方法
本発明の光硬化性組成物は、上記化合物(A)〜(D)、及び有機溶剤と、必要に応じて添加剤をそれぞれ添加して、室温又は加熱条件下で混合することにより調製することができる。具体的には、ミキサ、ニーダー、ボールミル、三本ロール等の混合機を用いて、調製することができる。ただし、加熱条件下で混合する場合には、重合開始剤の分解開始温度以下で行うことが好ましい。また、1μm以下の薄膜を形成する場合、必要に応じて塗布前に光硬化性組成物を有機溶剤で希釈し、塗布してもよい。
【0043】
9.硬化条件
光硬化性組成物の硬化条件についても特に制限されるものではないが、例えば紫外線を用いた場合、露光量を0.01〜10J/cm2とするのが好ましい。
この理由は、露光量が0.01J/cm2未満となると、硬化不良が生じる場合があるためであり、一方、露光量が10J/cm2を超えると、硬化時間が過度に長くなる場合があるためである。
また、上記の理由により、露光量を0.1〜5J/cm2とするのがより好ましく、0.3〜3J/cm2とするのがより好ましい。
【0044】
10.硬化物
本発明の硬化物は、帯電防止性及び耐擦傷性等に優れ、反射防止膜、防汚膜、撥水膜、電子部品、光学部品、包装容器、又は帯電防止膜の一部品として使用できる。
【0045】
11.積層体
本発明の積層体は、基材上に、上記の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物層を含んでおり、反射防止膜等として使用できる。この場合、この硬化物層は高屈折率膜として機能する。
図1に、本発明の積層体の一実施形態を表す断面図を示す。図1は、基材12の上に、ハードコート層14、本発明の硬化物からなる硬化物層(高屈折率膜)16及び低屈折率膜18が積層された反射防止膜である。このとき、基材12の上に、ハードコート層14を設けずに、直接、高屈折率膜16を形成してもよい。
また、高屈折率膜16と低屈折率膜18の間、又は高屈折率膜16とハードコート層14の間に、さらに、中屈折率膜(図示せず。)を設けてもよい。
【0046】
(1)低屈折率膜
(i)低屈折率膜用硬化性組成物1
低屈折率膜を形成するための低屈折率膜用硬化性組成物としては、特に制限されるものでないが、主成分として、フッ素系樹脂(フッ素化合物含む。)、シロキサン系樹脂(シリコーン樹脂や、ポリシラザン樹脂を含む。)、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせを含むことが好ましい。
これらの樹脂であれば、低屈折率膜として、強固な薄膜を形成することができ、結果として、低屈折率膜の耐擦傷性を著しく向上させることができるためである。また、これらの樹脂であれば、低屈折率膜における屈折率の値の調節が比較的容易なためである。
【0047】
(ii)低屈折率膜用硬化性組成物2
低屈折率膜を形成するための低屈折率膜用硬化性組成物としては、熱硬化性、光硬化性等のいずれの硬化性組成物であっても良いが、製造が容易であることから、熱硬化性の含フッ素組成物であることが好ましい。そして、このような含フッ素組成物の一例として、以下の(a)〜(d)成分から構成された含フッ素組成物を挙げることができる。
(a)水酸基を有する含フッ素共重合体
(b)水酸基と反応し得る官能基を有する熱硬化剤
(c)硬化触媒
(d)有機溶剤
【0048】
(a)水酸基を有する含フッ素共重合体
(a)成分としては、分子内に水酸基を有する含フッ素共重合体であれば、好適に使用することができる。より具体的には、フッ素原子を含有する単量体と、水酸基を含有する単量体とを共重合して得ることができる。また、必要に応じて、これらの単量体以外のエチレン性不飽和単量体を添加することも好ましい。
フッ素原子を含有する単量体としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、(フルオロアルキル)ビニルエーテル、(フルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ(アルコキシビニルエーテル)、フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
尚、フッ素原子を含有する単量体の配合量は特に制限されるものではないが、10〜99モル%であることが好ましく、15〜97モル%であることがより好ましい。
【0049】
また、水酸基を含有する単量体としては、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシペンチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル、アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
尚、水酸基を含有する単量体の配合量は特に制限されるものではないが、1〜20モル%であることが好ましく、より好ましくは、3〜15モル%である。
【0050】
(b)水酸基と反応し得る官能基を有する熱硬化剤
水酸基と反応し得る官能基を有する熱硬化剤(以下、単に熱硬化剤と称する場合がある。)としては、分子内にメチロール基及びアルコキシ化メチル基あるいはいずれか一方を2個以上有するメラミン化合物を使用することが好ましい。
より具体的には、ヘキサメチルエーテル化メチロールメラミン化合物、ヘキサブチルエーテル化メチロールメラミン化合物、メチルブチル混合エーテル化メチロールメラミン化合物、メチルエーテル化メチロールメラミン化合物、ブチルエーテル化メチロールメラミン化合物等のメチル化メラミン化合物等がより好ましい。
また、熱硬化剤の添加量を、水酸基を有する含フッ素共重合体100重量部に対して、1〜70重量部とすることが好ましい。
この理由は、かかる熱硬化剤の添加量が、1重量部未満となると、水酸基を有する含フッ素共重合体の硬化が不十分となる場合があるためであり、一方、70重量部を超えると、低屈折率膜用硬化性組成物の保存安定性が低下する場合があるためである。
【0051】
(c)硬化触媒
硬化触媒としては、水酸基含有重合体と硬化剤との間の反応を促進するものであれば、好適に使用することができる。
このような硬化剤としては、有機酸、無機酸及びこれらと塩基性化合物との塩をもちいることができ、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、蓚酸、蟻酸、酢酸等の有機酸、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸等の無機酸、及び、これらのアンモニウム塩を挙げることができる。
また、硬化触媒の添加量についても特に制限されるものでは無いが、上述した水酸基を有する含フッ素共重合体と、水酸基と反応し得る官能基を有する熱硬化剤との合計量を100重量部としたときに、当該硬化触媒の添加量を0.1〜30重量部とするのが好ましい。
この理由は、かかる硬化触媒の添加量が0.1重量部未満となると、硬化触媒の添加効果が発現しない場合があるためであり、一方、硬化触媒の添加量が30重量部を超えると、低屈折率膜用硬化性組成物の保存安定性が低下する場合があるためである。
【0052】
(d)有機溶剤
低屈折率膜用硬化性組成物に使用する有機溶剤としては、前述した光硬化性組成物に使用する有機溶剤と同様の種類を使用することが好ましい。
また、有機溶剤の添加量を、水酸基を有する含フッ素共重合体100重量部に対して、500〜10,000重量部とすることが好ましい。
この理由は、かかる有機溶剤の添加量が500重量部未満となると、均一な膜厚を有する低屈折率膜を形成することが困難となる場合があるためであり、一方、10,000重量部を超えると、低屈折率膜用硬化性組成物の保存安定性が低下する場合があるためである。
【0053】
(iii)屈折率
低屈折率膜における屈折率(Na−D線の屈折率、測定温度25℃)を1.35〜1.50とするのが好ましい。
この理由は、かかる屈折率が1.35未満の値となると、使用可能な材料の種類が過度に制限される場合があり、一方1.5を超えると、高屈折率膜と組み合わせた場合に、反射防止効果が著しく低下する場合があるためである。
また、上記の理由により、低屈折率膜の屈折率を、より好ましくは1.35〜1.45とすることであり、1.35〜1.42とすることがさらに好ましい。
【0054】
また、低屈折率膜を設ける場合、より優れた反射防止効果が得られることから、高屈折率膜との間の屈折率差を0.05以上の値とするのが好ましい。この理由は、低屈折率膜と、高屈折率膜との間の屈折率差が0.05未満の値となると、これらの反射防止膜層での相乗効果が得られず、却って反射防止効果が低下する場合があるためである。
また、上記の理由により、低屈折率膜と、高屈折率膜との間の屈折率差を0.1〜0.5とするのがより好ましく、0.15〜0.5とするのがさらに好ましい。
【0055】
(iv)膜厚
また、低屈折率膜の膜厚についても特に制限されるものではないが、0.05〜1μmであることが好ましい。
この理由は、かかる低屈折率膜の膜厚が0.05μm未満となると、反射防止効果や基材に対する密着力が低下する場合があるためである。一方、低屈折率膜の膜厚が1μmを超えると、光干渉が生じて、反射防止効果が低下する場合があるためである。
また、上記の理由により、膜厚を0.05〜0.5μmとすることがより好ましく、0.06〜0.2μmとすることがさらに好ましい。
【0056】
(v)形成方法
低屈折率膜用硬化性組成物を高屈折率膜に対して塗布(コーティング)して、低屈折率膜形成用の塗膜を形成することが好ましい。
このようなコーテイング方法としては、特に制限されるものでないが、例えば、ディッピング法、スプレー法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、又はインクジェット法等のコーテイング方法を用いることができる。
次いで、高屈折率膜の一部と反応させて、全体として強固な塗膜を形成できることから、低屈折率膜用硬化性組成物からなる塗膜を熱硬化することが好ましい。この場合、30〜200℃、0.1〜180分間の条件で加熱するのが好ましい。この理由は、このような加熱条件であれば、基材や形成される反射防止膜を損傷することなく、より効率的に反射防止性に優れた反射防止膜を得ることができるためである。
また、上記の理由により、低屈折率膜を形成する際の加熱条件としては、50〜160℃で、0.2〜120分間の条件で加熱することがより好ましく、60〜140℃で、0.5〜60分間の条件で加熱することがさらに好ましい。
【0057】
(2)高屈折率膜
本発明の積層体において、高屈折率膜は、上記の化合物(A)〜(D)を含有する光硬化性組成物の硬化物からなる。
【0058】
(i)屈折率
また、高屈折率膜における屈折率(Na−D線の屈折率、測定温度25℃)を1.45〜2.1とするのが好ましい。
この理由は、かかる屈折率が1.45未満の値となると、低屈折率膜と組み合わせた場合に、反射防止効果が著しく低下する場合があるためであり、一方、2.1を超えると、使用可能な材料が過度に制限される場合があるためである。
また、上記の理由により、高屈折率膜の屈折率を、より好ましくは1.55〜2.0とすることであり、1.6〜1.9とすることがさらに好ましい。
【0059】
(ii)膜厚
高屈折率膜の膜厚は、特に制限されるものではないが、0.05〜20μmであることが好ましい。
この理由は、かかる高屈折率膜の膜厚が0.05μm未満となると、低屈折率膜と組み合わせた場合に、反射防止効果や基材に対する密着力が低下して、低屈折率膜における耐擦傷性についても低下する場合があるためである。一方、高屈折率膜の膜厚が20μmを超えると、積層体フィルムが大きくカールする場合やクラックが発生する場合があるためである。
また、上記の理由により、膜厚を0.05〜10μmとするのが好ましく、0.1〜10μmとするのがより好ましく、0.1〜5μmとするのがさらに好ましい。
【0060】
(iii)形成方法
低屈折率膜用硬化性組成物のコーティング方法に記載した方法と同様に本発明の光硬化性組成物の塗膜を形成した後、上述の硬化条件にて硬化させる。
高屈折率膜を形成する工程において、一度塗りで高屈折率膜を形成してもよく、複数回に分けて高屈折率膜を形成してもよい。
【0061】
(3)ハードコート層
ハードコート層を設けることにより、基材の硬度を補強することができ、それに伴い、積層体の耐擦傷性をより向上させることができる。
ハードコート層の構成材料についても特に制限されるものでないが、シロキサン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせを挙げることができる。これらの中で高い硬度を有する材料としては、例えば、特開昭63−117074に示されるアルキルアルコキシシランとコロイド状シリカとを親水性溶媒中で反応させて得られる熱硬化型ハードコート組成物や、特開平9−100111に示される反応性シリカ粒子が分散された紫外線硬化型のハードコート組成物や、ウレタンアクリレートと多官能性アクリレートとを主成分とする公知の紫外線硬化型ハードコート組成物を挙げることができる。
【0062】
また、ハードコート層の膜厚を0.1〜50μmとすることが好ましい。
この理由は、ハードコート層の膜厚が0.1μm未満となると、基材の硬度補強が不十分な場合があるためであり、一方、膜厚が50μmを超えると、製造が困難となったり、あるいは、フィルム用途に用いた場合に屈曲性が低下する場合があるためである。
また、上記の理由により、ハードコート層の膜厚を0.5〜30μmとするのがより好ましく、0.5〜20μmとするのがさらに好ましい。
【0063】
(4)基材
かかる高屈折率膜等を設ける基材の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリルカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ノルボルネン樹脂、アクリルスチレン樹脂、及びガラス等からなる基材を挙げることができる。
例えば、これらの基材を含む反射防止膜とすることにより、カメラのレンズ部、テレビ(CRT)、液晶表示装置の画面表示部、あるいは液晶表示装置におけるカラーフィルター等の広範な反射防止膜の利用分野において、反射防止効果はもちろんのこと、優れた耐擦傷性や透明性が得られ、しかも優れた機械的強度や耐久性を得ることができる。
【0064】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例の記載に限定されるものではない。また、実施例中、各成分の配合量は特に記載のない限り重量部を意味している。また、
【0065】
製造例1
球状ジルコニア微粉末ゾル(B−1)の調製
球状ジルコニア微粉末(住友大阪セメント(株)社製)300部をメチルエチルケトン(MEK)700部に添加し、ガラスビーズにて168時間分散を行い、カラスビーズを除去して球状ジルコニア微粉末ゾル(B−1)950部を得た。
この球状ジルコニア微粉末ゾルをアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30%であった。
また、この固形物の電子顕微鏡観察の結果、短軸平均粒子径15nm、長軸平均粒子径20nm、アスペクト比1.3であった。
【0066】
製造例2
重合性不飽和基を有する有機化合物の合成
攪拌機付きの容器内のメルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8部と、ジブチルスズジラウレート0.2部とからなる溶液に対し、イソホロンジイソシアネート20.6部を、乾燥空気中、50℃、1時間の条件で滴下した後、60℃、3時間の条件で、さらに攪拌した。
これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4部を、30℃、1時間の条件で滴下した後、60℃、3時間の条件で、さらに攪拌し、反応液とした。
この反応液中の生成物、即ち、重合性不飽和基を有する有機化合物における残存イソシアネート量をFT−IRで測定したところ、0.1重量%以下であり、各反応がほぼ定量的に行われたことを確認した。また、分子内に、チオウレタン結合と、ウレタン結合と、アルコキシシリル基と、重合性不飽和基とを有することを確認した。
【0067】
製造例3
重合性不飽和基を有する有機化合物が結合した(反応性)針状アンチモン含有酸化錫(ATO)微粉末ゾル(RA−1)の合成
攪拌機付きの容器内に、針状ATO分散液(石原テクノ(株)製、商品名:FSS−10M、分散溶媒MEK、固形分30重量%、針状ATO微粉末の短軸平均粒子径15nm、長軸平均粒子径150nm、アスペクト比10)(A−1)95部と、製造例2で合成した重合性不飽和基を有する有機化合物0.8部と、蒸留水0.1部と、p−ヒドロキシフェニルモノメチルエーテル0.01部とを混合し、65℃で、加熱攪拌した。5時間後、オルト蟻酸メチルエステル0.3部を添加し、さらに1時間加熱し、反応性針状ATO微粉末ゾル(RA−1)を得た。
この反応性針状ATO微粉末ゾルをアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30%であった。 また、反応性針状ATO微粉末ゾルを磁性るつぼに2g秤量後、80℃のホットプレート上で30分予備乾燥し、750℃のマッフル炉中で1時間焼成した後の無機残渣より、固形分中の無機含量を求めたところ、88%であった。
【0068】
製造例4
反応性ジルコニア微粉末ゾル(RB−1)の合成
製造例2で合成した重合性不飽和基を有する有機化合物5.2部、製造例1で調製した球状ジルコニア微粉末ゾル(B−1)(ジルコニア濃度30%)237部、イオン交換水0.1部、及びp−ヒドロキシフェニルモノメチルエーテル0.03部の混合液を、60℃、3時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.0部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性ジルコニア微粉末ゾル(RB−1)を得た。
この反応性ジルコニア微粉末ゾルの固形分含量、及び固形分中の無機含量を製造例3と同様に求めたところ、それぞれ31%、93%であった。
【0069】
製造例5
反応性ATO微粉末ゾル(RB−2)の合成
攪拌機付きの容器内に、アンチモン含有酸化錫(ATO)分散液(石原テクノ(株)製、商品名:SNS−10M、分散溶媒MEK、ATO含量27.4重量%、固形分30重量%、ATO微粉末の短軸平均粒子径22nm、長軸平均粒子径25nm、アスペクト比1.1)(B−2)95.0部と、製造例2で合成した重合性不飽和基を有する有機化合物4.0部と、蒸留水0.1部と、p−ヒドロキシフェニルモノメチルエーテル0.03部とを混合し、65℃で、加熱攪拌した。5時間後、オルト蟻酸メチルエステル0.7部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性ATO微粉末ゾル(RB−2)を得た。
この反応性ATO微粉末ゾル(RB−2)の固形分含量、及び固形分中の無機含量を製造例3と同様に求めたところ、それぞれ33%、80%であった。
【0070】
製造例6
低屈折率膜用硬化性組成物の調製
(1)水酸基を有する含フッ素重合体の調製
内容積1.5リットルの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブ内を窒素ガスで十分置換処理した後、酢酸エチル500gと、エチルビニルエーテル(EVE)34.0gと、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)41.6gと、パーフルオロプロピルビニルエーテル(FPVE)75.4gと、過酸化ラウロイル1.3gと、シリコーン含有高分子アゾ開始剤(和光純薬工業(株)製、商品名:VPS1001)7.5gと、反応性乳化剤(旭電化工業(株)製、商品名:NE−30)1gとを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次いで、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)119.0gをさらに仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が70℃に達した時点での圧力は、5.5×105Paを示した。その後、攪拌しながら、70℃、20時間の条件で反応を継続し、圧力が2.3×105Paに低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出し、オートクレーブを開放し、固形分濃度30重量%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を、メタノールに投入し、ポリマーを析出させた後、メタノールによりさらに洗浄し、50℃で真空乾燥を行い、170gの水酸基を有する含フッ素重合体を得た。
【0071】
得られた水酸基を有する含フッ素重合体について、固有粘度(N,N−ジメチルアセトアミド溶剤使用、測定温度25℃)を測定したところ、0.28dl/gであった。
また、かかる含フッ素重合体について、ガラス転移温度を、示差走査型熱量計(DSC)を用い、昇温速度5℃/分、窒素気流中の条件で測定したところ、31℃であった。
また、かかる含フッ素重合体について、フッ素含量を、アリザリンコンプレクソン法を用いて測定したところ、51.7%であった。
さらに、かかる含フッ素重合体について、水酸基価を、無水酢酸を用いたアセチル化法により測定したところ、102mgKOH/gであった。
【0072】
(2)硬化性組成物の調製
攪拌機付の容器内に、(1)で得られた水酸基を有する含フッ素共重合体100gと、サイメル303(三井サイテック(株)製、アルコキシ化メチルメラミン化合物)11.1gと、メチルイソブチルケトン(MIBK)3,736gとをそれぞれ添加し、110℃、5時間の条件で攪拌し、水酸基を有する含フッ素共重合体とサイメル303とを反応させた。
次いで、キャタリスト4040(三井サイテック(株)製、固形分濃度40重量%)11.1gをさらに添加し、10分間攪拌して、粘度1mPa・s(測定温度25℃)の低屈折率膜用硬化性組成物を得た。
【0073】
尚、得られた低屈折率膜用硬化性組成物から得られる低屈折率膜の屈折率を測定した。即ち、低屈折率膜用硬化性組成物を、ワイヤーバーコータ(#3)を用いて、シリコンウエファ(膜厚1μm)上に塗工し、室温で5分間風乾して、塗膜を形成した。
次いで、熱風乾燥器中において、140℃、1分間の条件で塗膜を加熱硬化させ、0.3μmの膜厚の低屈折率膜を形成した。得られた低屈折率膜におけるNa−D線の屈折率を、測定温度25℃の条件で、分光エリプソメーターを用いて測定した。その結果、屈折率は1.40であった。
【0074】
実施例1
(1)光硬化性組成物の調製
紫外線を遮蔽した容器中において、製造例3で調製した反応性針状ATO微粉末ゾル(RA―1)107.7部(反応性針状ATO32.3部)、製造例4で調製した反応性ジルコニア微粉末ゾル(RB―1)149.4部(反応性ジルコニア46.3部)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)(C−1)12.6部、メラミンアクリレート((株)三和ケミカル製、商品名:ニカラック MX―302)(C−3)4.0部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(D−1)0.5部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1(D−2)0.5部、及び光酸発生剤(ユニオンカーバイド(株)製、商品名:サイラキュア UVI−6950)3.8部を50℃で2時間攪拌することで均一な溶液の組成物を得た。この組成物を製造例1と同様に固形分含量を測定したところ、36%であった。
【0075】
(2)反射防止膜積層体の作製
UV硬化性ハードコート材Z7503(JSR(株)製、固形分濃度50%)を、ワイヤーバーコータ(#20)を用いて、ポリエステルフィルムA4300(東洋紡績(株)製、膜厚188μm、)上に塗工し、オーブン中、80℃、1分間の条件で乾燥し、塗膜を形成した。次いで、大気中、メタルハライドランプを用いて、0.3J/cm2の光照射条件で塗膜を紫外線硬化させ、膜厚10μmのハードコート層を形成した。
次いで、(1)で調製した組成物を、膜厚に応じたワイヤーバーを装着したコーターを用いて、ハードコート層上に塗工し、オーブン中、80℃、1分間の条件で乾燥し、塗膜を形成した。次いで、大気中、メタルハライドランプを用いて、0.3J/cm2の光照射条件で塗膜を紫外線硬化させ、表1記載の膜厚の硬化物層(高屈折率層)を形成した。
さらに、製造例6で調整した低屈折率膜用硬化性組成物を、高屈折率膜上に、ワイヤーバーコーター(#3)を用いて塗工し、室温で5分間風乾して、塗膜を形成した。この塗膜を、オーブンを用いて140℃、1分の条件で加熱し、膜厚0.1μmの低屈折率膜を形成し、反射防止膜積層体を得た。
【0076】
実施例2
(1)光硬化性組成物の調製
紫外線を遮蔽した容器中において、製造例3で調製した反応性針状ATO微粉末ゾル(RA―1)107.7部(反応性針状ATO32.3部)、製造例4で調製した反応性ジルコニア微粉末ゾル(RB―1)149.4部(反応性ジルニア46.3部)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD DPHA)(C−1)12.6部、メラミンアクリレート((株)三和ケミカル製、商品名:ニカラック MX―302)(C−3)4.0部を混合した後、固形分濃度が59.5%になるまでロータリーエバポレーターで濃縮した。この濃縮液に1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(D−1)0.5部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1(D−2)0.5部、光酸発生剤(ユニオンカーバイド(株)製、商品名:サイラキュア UVI−6950)3.8部、メチルイソブチルケトン43.2部添加し、50℃で2時間攪拌することで均一な溶液の組成物を得た。この組成物を製造例1と同様に固形分含量を測定したところ、48%であった。
(2)反射防止膜積層体の作製
得られた組成物を用いて、実施例1と同様にして反射防止膜積層体を作製した。
【0077】
実施例3〜6、参考例1,2及び比較例1,2
光硬化性組成物の各成分を表1に示す配合重量比で加えて組成物を調製し、実施例1と同様にして反射防止膜積層体を作製した。
尚、比較例1及び2は、光硬化性組成物中に化合物(B)及び化合物(A)をそれぞれ含まない例である。
【0078】
試験例1
反射防止膜積層体の評価
実施例1〜6、参考例1,2及び比較例1,2で得られた反射防止膜積層体における耐擦傷性を以下の基準で評価した。
また、これらの反射防止膜積層体における反射率、濁度(ヘイズ値)、全光線透過率、及び表面抵抗を下記に示す測定法により測定した。
【0079】
(1)耐擦傷性
得られた反射防止膜積層体の表面を#0000スチールウールにより、荷重200g/cm2の条件で30回こすり、反射防止膜積層体の耐擦傷性を以下の基準から目視にて評価した。得られた結果を表1に示す。
評価5:傷の発生が全く観察されなかった。
評価4:1〜5本の傷の発生が観察された。
評価3:6〜50本の傷の発生が観察された。
評価2:51〜100本の傷の発生が観察された。
評価1:塗膜剥離が観察された。
尚、評価3以上の耐擦傷性であれば、実用上許容範囲であり、評価4以上の耐擦傷性であれば実用上の耐久性が優れていることから好ましく、評価5の耐擦傷性であれば、実用上の耐久性が著しく向上することからさらに好ましいといえる。
【0080】
(2)反射率
得られた反射防止膜積層体における反射率(測定波長域における最低反射率)を、分光反射率測定装置(大型試料室積分球付属装置150−09090を組み込んだ分光光度計U−3410、日立製作所(株)製)により、JIS K7105(測定法A)に準拠して、波長340〜700nmの範囲で測定した。
即ち、アルミの蒸着膜における反射率を基準(100%)として、各波長における反射防止膜積層体(反射防止膜)における最低反射率を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0081】
(3)濁度(ヘイズ値)及び全光線透過率
得られた反射防止膜積層体につき、カラーヘイズメーター(スガ試験機(株)製)を用いて、JIS K7105に準拠してヘイズ値及び全光線透過率を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0082】
(4)表面抵抗
PET表面に製膜した硬化物の表面抵抗(Ω/□)を、高抵抗率計(三菱化学(株)製、商品名:HCP−HT450、電極MCP−JB03)を用い、印加電圧100V(1012Ω/□未満の場合)又は1000V(1012Ω/□以上の場合)の条件で測定した。得られた結果を表1に示す。
【0083】
【表1】
【0084】
表1中の略称の内容を下記に示す。
A−1:針状ATO微粉末ゾル
RA−1:製造例3で合成した反応性針状ATO微粉末ゾル
RB−1:製造例4で合成した反応性ジルコニア微粉末ゾル
RB−2:製造例5で合成した反応性ATO微粉末ゾル
C−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
C−2:ペンタエリスリトールトリアクリレート
C−3:メラミンアクリレート
D−1:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
D−2:2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1
MEK:メチルエチルケトン
MIBK:メチルイソブチルケトン
【0085】
【発明の効果】
本発明の光硬化性組成物、その硬化物及び積層体によれば、硬化後には帯電防止性及び耐擦傷性等に優れる硬化性組成物、その硬化物及び積層体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層体の一実施形態を表す断面図である。
【符号の説明】
10 積層体
12 基材
14 ハードコート層
16 硬化物層(高屈折率膜)
18 低屈折率膜
Claims (7)
- 下記化合物(A)〜(D)を含むことを特徴とする光硬化性組成物。
(A)表面処理された針状アンチモン含有酸化錫
(B)(A)以外の粒子であって、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、スズ、アンチモン及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物である粒子
(C)多官能(メタ)アクリレート
(D)光重合開始剤 - 全酸化物粒子(前記化合物(A)+前記化合物(B))に対する前記化合物(A)の重量比((A)/((A)+(B)))が0.2〜0.9であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性組成物。
- 前記化合物(B)が、表面処理された酸化物粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光硬化性組成物。
- 前記化合物(B)が、表面処理された酸化ジルコニウム粒子若しくはアンチモン含有酸化錫であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光硬化性組成物を硬化してなる硬化物。
- 基材上に、請求項5に記載の硬化物からなる硬化物層を含む積層体。
- 前記硬化物層の膜厚が0.05〜20μmである請求項6に記載の積層体。
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