JP4814583B2 - 波面収差測定装置 - Google Patents
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Description
このようなレーザ光源の波長は固定されているので、干渉計を構成するビームスプリッタ及び参照ミラー等の各光学素子は、レーザ光源の波長に最適化されたコーティング等が施されている。又、被検光学系の波面収差を解析する干渉縞解析装置においても特定波長のレーザ光源を使用することを前提に解析プログラムが組み込まれている。
図1は多波長透過波面収差解析装置の構成図である。照明系1は、任意の波長λi(i=1,2,3,…、n)を選択可能なレーザ光を出力する。このレーザ光の波長λiは、深紫外線(DUV)から近赤外線(NIR)の波長、例えば波長200nm〜1500nmの波長領域内における任意の波長である。この照明系1から出力されるレーザ光の波長λiは、手動又は後述する波面収差解析装置2の切り換え制御により自動で行なわれる。この照明系1から出力されたレーザ光は、トワイマン・グリーン干渉計(以下、干渉計と省略する)3に導かれる。
光ファイバ照明系4は、複数の波長のレーザ光のうちUVからNIRの波長領域、具体的には第1の波長として波長300nm〜1500nmの波長領域中の複数の波長λ1、λ2、…、λn−1の各レーザ光をシングルモードの各光ファイバ(以下、シングルモードファイバと称する:SMF)F1、F2、…、Fn−1により伝送させて干渉計3に入射させる。
これら第1のレーザ光源L1、L2、…、Ln−1の各レーザ出射端には、それぞれ各シングルモードファイバF1、F2、…、Fn−1の一端が接続されている。これらシングルモードファイバF1、F2、…、Fn−1の他端は、それぞれ波長切替えユニット7に接続されている。
このコリメータレンズ11は、各レーザ出射コネクタC1、C2、…、Cn−1のうちいずれか1つから出射されたレーザ光を平行光にコリメートする。このコリメータレンズ11は、可視光線の波長領域(400nm〜700nm付近)と、赤外線の波長領域(700nm〜1500nm)とに対して作用させるために単レンズを使用し、各レーザ出射コネクタC1、C2、…、Cn−1から出射されるレーザ光の取り込み開口数(NA)を小さくしている。これにより、コリメータレンズ11は、各波長λi(i=1,2,3,…、n−1)の各レーザ光を略無収差の平行光に整形できる。
具体的に直接入射照明系5には、例えば1台の第2のレーザ光源Lnが備えられている。この第2のレーザ光源LnはDUVの波長領域の波長λnのレーザ光を出力する。例えば、この第2のレーザ光源Lnから出力されるレーザ光の波長λnは、DUVの波長領域(例えば波長200nm〜300nm)内である。
ビームステアラー12は、第2のレーザ光源Lnから出力されたレーザ光を当該ビームステアラー12から出射する角度及び位置を調整する。すなわち、ビームステアラー12は、第1のミラー13と第2のミラー14とを有する。第1のミラー13は、第2のレーザ光源Lnから水平方向に出力されたレーザ光を上方に向けて垂直方向に反射する。この第1のミラー13は、例えばz方向(矢印b1方向)に移動可能である。第2のミラー14は、第1のミラー13で反射されたレーザ光を水平方向に反射する。第2のミラー14の反射光路上には、第2の照明筒15が設けられているので、第1のミラー13で反射したレーザ光は、第2の照明筒15内に入射する。この第2のミラー14は、例えばz方向(矢印b2方向)に移動可能である。
この球面ミラー27は、その鏡面をSiにより形成されるのが好適である。通常、フィゾー型干渉計等では、ガラス製の球面ミラーを用いるのが一般的である。ガラスの反射率が約4%程度であるのに対し、Siの反射率は高く、例えば可視領域では40%程度である。又、後述するようにビームスプリッタ24は、平行平面板を用いてその第2面24bに減反射コート(ARコート)を施すが、このARコートを広帯域にした場合、その反射率は約0.5%となるのが現実的である。ここで、球面ミラー27を反射率の高いSiにより形成することにより、球面ミラー27から反射した光に対するビームスプリッタ24の第2面24bから反射される不要な光の光量を相対的に減少することができる。
この参照ミラー28は、圧電素子(PZT)29を用いたステージに設けられている。この参照ミラー28は、圧電素子29の駆動によりビームスプリッタ24を透過する参照光Rの進行方向と同一方向にステップ移動する。このように参照ミラー28をステップ移動させるのは、位相の異なる干渉縞画像データを複数枚取り込み、これら干渉縞画像データの波面収差の解析を行うという位相シフト法を実現するためである。
ビームスプリッタ24は、照明系1から出力されたレーザ光を測定光Hと参照光Rとに分岐し、被検光学系25を透過して球面ミラー27に入射し、この球面ミラー27で反射して再び被検光学系25を透過して戻ってきた測定光Hと、参照ミラー28で反射して戻ってきた参照光Rとを上方に反射する。
各波長λ1、λ2、…、λn−1のうちUVからNIRの波長領域内の波長、例えば波長λ1に最適設計された被検光学系25の波面収差の解析を行う場合、当該被検光学系25が架台20のアーム23の下面に設けられる。このとき、XYZステージ26の駆動により球面ミラー27をXYZ方向に移動し、球面ミラー27の曲率中心Cと被検光学系25の焦点位置Sとが一致するようにアライメント調整される。
これと共に、波面収差解析装置2は、オペレータにより波長λ1のレーザ光の出力指示の操作が行われると、当該波長λ1に対応する参照ミラー28のステップ移動量の駆動指令を圧電素子29に発する。なお、波面収差解析装置2は、照明系1から出力されるレーザ光の波長λ1がオペレータの手動により切り換えられたとき、照明系1で切り換えられたレーザ光の波長λiを自動的に読み取り、当該波長λ1に対応する参照ミラー28のステップ移動量の駆動指令を圧電素子29に発してもよい。
そして、測定光Hは、ビームスプリッタ24を透過し、撮像系31の各レンズL1、L2を通してCCD撮像装置30に入射し、これと共に参照光Rは、ビームスプリッタ24で上方に反射し、測定光Hと同様に撮像系31の各レンズL1、L2を通してCCD撮像装置30に入射する。これにより、測定光Hと参照光Rとによる干渉縞が生じ、この干渉縞がCCD撮像装置30の撮像面30a上に結像される。
又、波面収差解析装置2は、UVからNIRの波長領域におけるそれぞれ異なる複数の波長λiの各レーザ光を被検光学系25に透過させて生成される複数の干渉縞に基づいて波長λi毎の被検光学系25の各波面収差を求め、これら波面収差の差分に基づいて縦の色収差、横の色収差を求める。
このビームスプリッタ24は、上記同様に、入射したレーザ光を測定光Hと参照光Rとに分岐する。このうち測定光Hは、被検光学系25を透過して球面ミラー27に入射し、この球面ミラー27で上方に反射し、再び被検光学系25を透過してビームスプリッタ24に入射する。参照光Rは、参照ミラー28で反射して再びビームスプリッタ24に入射する。そして、測定光Hは、ビームスプリッタ24を透過し、撮像系31の各レンズL1、L2を通してCCD撮像装置30に入射し、これと共に参照光Rは、ビームスプリッタ24で上方に反射し、測定光Hと同様に撮像系31の各レンズL1、L2を通してCCD撮像装置30に入射するので、測定光Hと参照光Rとによる干渉縞が生じ、この干渉縞がCCD撮像装置30の撮像面30a上に結像される。
図4は多波長透過波面収差解析装置における照明系1の別の例の構成図を示す。この装置では、上記第1の実施の形態における各コリメータレンズ11、18を1つのコリメータレンズ40に置き換えている。コリメータレンズ40は、UVからNIRの波長領域のレーザ光を干渉計3に導く場合に配置された照明光路切替ミラー19と干渉計3のビームスプリッタ24との間の光軸上に設けられている。
第1のレーザ光源L1から出力された波長λ1のレーザ光は、シングルモードファイバL1内を通してレーザ出射コネクタC1に至り、このレーザ出射コネクタC1から第1の照明筒10内に出射され、さらに照明光路切替ミラー19で反射し、コリメータレンズ40により平行光に変換される。この平行光に変換された波長λ1のレーザ光は、干渉計3のビームスプリッタ24に入射する。
第2のレーザ光源Lnから出力された波長λnのレーザ光は、ビームステアラー12内の空間中を伝播し、第1のミラー13で反射し、さらに第2のミラー14で反射して第2の照明筒15内に入射し、この第2の照明筒15内の集光レンズ16により集光されてピンホール17に入射する。このピンホール17を通過した波長λnのレーザ光は、コリメータレンズ40によりコリメートされて平行光に変換され、干渉計3のビームスプリッタ24に入射する。
なお、波面収差解析装置2による被検光学系25の波面収差の解析及びその評価、さらに縦の色収差、横の色収差の測定は、上記第1の実施の形態と同様なのでその説明は省略する。
図5は多波長透過波面収差解析装置における照明系1の別の例の構成図を示す。各第1のレーザ光源L1、L2、…、Ln−1の各レーザ出射端には、それぞれ各シャッタS1、S2、…、Sn−1が設けられている。これらシャッタS1、S2、…、Sn−1は、例えば制御部の機能を有する波面収差解析装置2から発せられるシャッタ制御信号により開閉制御される。
又、ハーフミラー41が照明光路切替ミラー19に代わって固定して設けられている。
しかるに、第1のレーザ光源L1から出力された波長λ1のレーザ光は、シャッタS1を通過し、シングルモードファイバL1内を通してレーザ出射コネクタC1に至り、このレーザ出射コネクタC1から第1の照明筒10内に出射され、さらにハーフミラー41で反射し、コリメータレンズ40により平行光に変換される。この平行光に変換された波長λ1のレーザ光は、干渉計3のビームスプリッタ24に入射する。
しかるに、第2のレーザ光源Lnから出力された波長λnのレーザ光は、ビームステアラー12内の空間中を伝播し、第1のミラー13で反射し、さらに第2のミラー14で反射して第2の照明筒15内に入射し、この第2の照明筒15内の集光レンズ16により集光されてピンホール17に入射する。このピンホール17を通過した波長λnのレーザ光は、ハーフミラー41を透過し、コリメータレンズ40によりコリメートされて平行光に変換され、干渉計3のビームスプリッタ24に入射する。
なお、波面収差解析装置2による被検光学系25の波面収差の解析及びその評価、さらに縦の色収差、横の色収差の測定は、上記第1の実施の形態と同様なのでその説明は省略する。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、次のように変形してもよい。
上記各実施の形態では、直接入射照明系5の第2のレーザ光源Lnを1台として説明しているが、複数台備えてもよい。
上記各実施の形態では、レンズで構成された透過型の対物レンズの波面収差(透過は面収差)を測定する場合についてのみ説明した。しかし、反射型の素子(ミラー)とレンズとを複合した対物レンズ(被検光学系)や反射素子のみで構成された対物レンズ(被検光学系)の波面収差を測定する場合にも、当然のことながら本発明が有効であることは明らかである。被検光学系は、如何なる素子で構成されていてもよい。
Claims (8)
- コヒーレント光を干渉計に入射し、前記干渉計において前記コヒーレント光を被検光学系を介して前記被検光学系の光学性能を反映した干渉縞を生成し、前記干渉縞に基づいて前記被検光学系の波面収差を測定する波面収差測定装置において、
第1の波長の前記コヒーレント光をファイバにより伝送させて前記干渉計に入射させる第1の照明系と、
前記第1の波長とは異なる第2の波長の前記コヒーレント光を空中間に伝送させて前記干渉計に入射させる第2の照明系と、
を具備し、
前記第2の照明系は、深紫外領域の波長の前記コヒーレント光を出力する光源と、
前記光源から出力された前記コヒーレント光の光軸の角度及び位置を調整する調整光学系と、
を有することを特徴とする波面収差測定装置。 - 前記第1の照明系は、紫外領域乃至赤外領域における任意の波長の前記コヒーレント光を出力することを特徴とする請求項1記載の波面収差測定装置。
- 前記第1の照明系は、前記紫外領域乃至前記赤外領域においてそれぞれ異なる波長の前記コヒーレント光を出力する少なくとも1つの光源を有することを特徴とする請求項1記載の波面収差測定装置。
- 前記第1の照明系からの前記コヒーレント光又は前記第2の照明系からの前記コヒーレント光のいずれか一方に切り替えて前記干渉計に入射させる照明切替部を備えたことを特徴とする請求項1記載の波面収差測定装置。
- 前記第2の照明系は、前記深紫外領域の波長の前記コヒーレント光を出力することを特徴とする請求項1記載の波面収差測定装置。
- 前記照明切替部は、反射部材を挿脱することによって前記第1の照明系からの前記コヒーレント光又は前記第2の照明系からの前記コヒーレント光を前記干渉計に入射させることを特徴とする請求項4記載の波面収差測定装置。
- 前記第2の照明系は、除振台上に設置されていることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1項に記載の波面収差測定装置。
- 前記第2の照明系は、前記第2の波長の前記コヒーレント光を前記干渉計に入射させるための集光レンズとピンポールとを設けた照明筒を備え、
前記調整光学系は、第1のミラーと第2のミラーとを有し、前記第1と前記第2のミラーとのそれぞれの移動により前記照明筒に入射する前記第2の波長の前記コヒーレント光の角度と位置を調整することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の波面収差測定装置。
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