JP2004340901A - パスマッチ経路型干渉計装置 - Google Patents

パスマッチ経路型干渉計装置 Download PDF

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Abstract

【目的】パスマッチ経路部に光強度調整光学系を設けることにより、被検面の反射率の違いに応じて、簡便に干渉縞のコントラストを光学的に調整できるようにする。
【構成】光強度調整光学系30は、回転軸31を中心に略同心円上に配置された、光透過率が互いに異なる3つのNDフィルタのうちの1つを、選択的に切り替えてパスマッチ経路部20の第1の経路上に位置せしめることにより、第1の経路および第2の経路をそれぞれ通過する2つの光束の各光強度の比率を調整する。補償光学系40は屈折率および厚みがNDフィルタと略同一に設定された補償板を第2の経路上に挿入することにより、NDフィルタが挿入された場合と抜脱された場合とで変化する2つの経路の光路長差を補償する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光束を2つの光束に分岐し、これら2つの光束を、互いの光路長差が干渉計の基準面と被検体の被検面との光学的距離の2倍に相当するように調整された2つの経路を別々に通過させた後、合波して出力するパスマッチ経路部を有するパスマッチ経路型干渉計装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、レーザ光源等の可干渉性の良い光源を搭載したフィゾー型干渉計は、基準面と被検面との間に使用光源の可干渉距離に応じた間隔を空けることが可能となり、ワークスペースが十分にとれるため、使い易い干渉計として広く用いられている。しかし、平行平面ガラスのように被検面と略平行な非被検面を有する被検体を測定解析する場合、使用光源の可干渉距離が長いために、基準面と被検面からの光干渉とともに、基準面と非被検面(被検体における被検面とは反対側の面)および被検面と非被検面からの光干渉が各々生じてしまう。通常、基準面と被検面からの光干渉によって生じる干渉縞以外の干渉縞はノイズとなり、被検面の形状を高精度で測定することが困難となってしまう。
【0003】
このようなフィゾー型干渉計における問題点を解決する技術として、本願出願人は、下記特許文献1に記載されているようなパスマッチ経路型干渉計装置を既に開示している。このパスマッチ経路型干渉計装置によれば、測定光の可干渉距離を所定長未満に設定するとともに、測定光の一部を迂回させるパスマッチ経路部を設けて、迂回しないで直進した測定光の被検面からの反射光と、迂回した測定光の基準面からの反射光による場合以外は光干渉が生じないようにしているため、極めて簡易な構成でノイズのない明瞭な干渉縞画像を得ることが可能となる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−21606号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、1つの干渉計装置により複数種類の被検体が測定解析されることも一般的に行なわれているが、被検体の種類によって被検面の反射率が大きく異なることがある。被検面からの反射光と基準面からの反射光とにより生じる干渉縞においては、それぞれの反射光の光強度が同程度である場合にコントラストが良くなり、干渉縞解析を行ない易くなる。そこで、従来は、基準面の反射率が互いに異なる複数の基準板を用意しておき、被検面の反射率の違いに応じて基準板を交換することによって、干渉縞のコントラスト調整が図られていた。
【0006】
しかし、重い基準板を交換するのは容易ではなく、基準板を交換するごとに光学系内における基準面の傾き調整が必要となるなど、作業性の面で問題がある。また、高価な基準板を数多く用意することは経済的な負担が著しく増大する。このため、基準板の交換は最小限に留め、被検面ごとの多少の反射率の違いに対しては、撮像系において画像の階調度を変えるなどの画像処理を行なうことにより、干渉縞のコントラスト調整が行なわれるのが一般的である。
【0007】
しかしながら、撮像された干渉縞画像に基づき高精度な解析処理を行なうためには、このような画像処理に頼るのではなく、光学的にコントラスト調整を行なうことが望ましい。そこで、被検面の反射率の違いに応じてより簡便に、干渉縞のコントラスト調整を光学的に行なうことが可能な干渉計装置が望まれていた。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、被検面の反射率の違いに応じて、簡便に干渉縞のコントラストを光学的に調整することが可能な干渉計装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のパスマッチ経路型干渉計装置は、光源からの光束を2つの光束に分岐し、これら2つの光束を、互いの光路長差が干渉計の基準面と被検体の被検面との光学的距離の2倍に相当するように調整された2つの経路を別々に通過させた後、該2つの光束を合波して出力するパスマッチ経路部を有し、このパスマッチ経路部から出力された光束を前記基準面に照射するとともに、この基準面を透過した光束が該基準面と離間した前記被検面に照射されるようになし、該基準面で反射された光波面と該被検面で反射された光波面との干渉により生じる干渉縞に基づいて該被検面の波面情報を得るパスマッチ経路型干渉計装置において、
前記パスマッチ経路部に、前記基準面および前記被検面の各反射率に応じて、該パスマッチ経路部から出力される前記2つの光束の各光強度の比率を調整する光強度調整光学系を備えてなることを特徴とするものである。
【0010】
本発明において、前記被検体が透明平行板であり、前記光源から出力された前記光束は、可干渉距離が前記透明平行板の厚み(ただし、光学的距離)の2倍よりも小さく設定された低可干渉光束とすることができる。
【0011】
また、前記光強度調整光学系は、例えば、NDフィルタや偏光板のように、前記2つの経路の少なくとも一方の経路途中に配置され、該光強度調整光学系へ入力される光束の光強度を変えて出力する光学部材で構成することができる。
【0012】
また、前記光強度調整光学系は、前記2つの光束の各光強度の比率を可変調整するもの(例えば、各光強度の比率を複数段階に可変調整するものや、連続的に可変調整するもの)とすることが好ましい。
【0013】
その場合、前記光強度調整光学系は複数のNDフィルタを備えてなり、該複数のNDフィルタを選択的に切り替えて前記経路上に位置せしめることにより、前記各光強度の比率を変えるように構成されたものとすることができる。
【0014】
さらには、前記複数のNDフィルタの選択的な切替えを行なう駆動手段と、該駆動手段を制御する駆動制御手段を備えてなるようにしてもよい。
【0015】
また、前記光強度調整光学系は、前記2つの経路の一方に挿脱可能に設けられ、該2つの経路の他方には、該光強度調整光学系が挿入された場合と抜脱された場合とで変化する該2つの経路の光路長差を補償する補償光学系が挿脱可能に設けられている構成とすることもできる。
【0016】
なお、上記「挿脱可能」とは、前記光強度調整光学系または前記補償光学系の全体が挿脱可能になっている場合、あるいはそれらの一部分が挿脱可能なっている場合を含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0018】
<第1実施形態>
図1は本発明の第1実施形態に係るパスマッチ経路型干渉計装置の概略図、図2は図1に示す光強度調整光学系の概略図、図3は図1に示す補償光学系の概略図である。図1に示す干渉計装置は、光源1から出力されコリメータレンズ2によって平行光とされた光束の光路上に、パスマッチ経路部20を備えてなるパスマッチ経路型干渉計装置である。
【0019】
上記パスマッチ経路部20は、コリメータレンズ2から発散レンズ3に向けて直線的に延びる第1の経路上に配置された2つのハーフプリズム21,22と、第1の経路から分岐して2つのハーフプリズム21,22の間を迂回する第2の経路上に配置された2つの全反射ミラー23,24とを備えてなる。
【0020】
このパスマッチ経路部20においては、コリメータレンズ2からの光束が、ハーフプリズム21のハーフミラー面21aにおいて、該ハーフミラー面21aを透過する光束と該ハーフミラー面21aで直角反射される光束とに分岐される。上記ハーフミラー面21aを透過した光束は、第1の経路に沿って上記ハーフプリズム22に入射され、上記ハーフミラー面21aで直角反射された光束は、第2の経路に沿って上記全反射ミラー23,24により順次直角反射された後上記ハーフプリズム22に入射される。そして、上記ハーフプリズム22において、第1の経路を通過した光束の一部と第2の経路を通過した光束の一部とが合波されて出力される。
【0021】
ハーフプリズム22から出力された光束は、発散レンズ3およびコリメータレンズ5によりビーム径を拡大された後、透明な基準板6に照射される。基準板6内に入射した光束の一部は基準面6aで反射されるが、その余の光束は基準面6aを透過して、載置面8上に載置された被検体7に照射されるようになっている。
【0022】
基準板6の基準面6aから反射された光束(光波面)と被検体7の被検面7aから反射された光束(光波面)は互いに干渉し合い、ハーフプリズム4のハーフミラー面4aで直角反射され、イメージングレンズ9を介して、撮像カメラ10内のCCD素子上に干渉縞画像を形成する。このCCD素子により光電変換された干渉縞画像情報に基づき、コンピュータ11において被検面7aの表面形状等の測定解析が行なわれるとともに、CRT等の画像表示部12上に干渉縞画像が表示されるようになっている。
【0023】
なお、上述したパスマッチ経路部20は、第1の経路(光路長L)と第2の経路(光路長L=l+l+l)との光路長差が、基準板6の基準面6aと被検体7の被検面7aとの光学的距離Lの2倍に略等しいように設定されている。これにより、第1の経路を経て被検面7aで反射され基準面6aを透過する光束の光路長と、第2の経路を経て基準面6aで反射される光束の光路長とは互いに等しくなる。
【0024】
このような構成により、被検体7がガラス薄板やプラスチック板、石英板等の透明平行板であっても、被検面7aの形状等を高精度で測定することが可能となる。すなわち、SLD(スーパー・ルミネッセント・ダイオード)、ハロゲンランプあるいは高圧水銀ランプ等(例えば可干渉距離が1μm)の低可干渉光源を光源1として用い、そこから出力される光束の可干渉距離を透明平行板の厚みtの2倍より小さく設定することによって、基準板6の基準面6aと被検体7の非被検面7b(被検体の裏面)および被検面7aと非被検面7bからの光干渉が生じないようにすることが可能となっている。なお、このようなパスマッチ経路部の作用等については、前掲した特許文献1において詳しく開示されており、その詳細な説明は省略する。
【0025】
第1実施形態の特徴は、パスマッチ経路部20内において、第1の経路上に配置された光強度調整光学系30と第2の経路上に配置された補償光学系40とを備えている点にある。
【0026】
光強度調整光学系30は、図2に示すように、回転軸31回りに回転可能に支持されたターレット板32を備えてなり、このターレット板32には、回転軸31を中心に略同心円上に配置された4つの円形開口部33が形成されている。これら4つの円形開口部33のうち3つには、光透過率が互いに異なるNDフィルタ(ニュートラルデンシティフィルタ)34a〜34cがそれぞれ保持されており、残りの1つは素通しの状態(開放状態)とされている。
【0027】
この光強度調整光学系30は、4つの円形開口部33のうちの1つを、選択的に切り替えてパスマッチ経路部20の第1の経路上に位置せしめるように構成されており、これにより第1の経路を通過する光束の光強度を変化させて、第1の経路および第2の経路をそれぞれ通過する2つの光束の各光強度の比率を調整するようになっている。なお、3つのNDフィルタ34a〜34cは、各々の屈折率および厚みが互いに略同一となるように設定されている。
【0028】
一方、補償光学系40は、図3に示すように、回転軸41回りに回転可能に支持されたターレット板42を備えてなり、このターレット板42には、回転軸41を中心に略同心円上に配置された2つの円形開口部43が形成されている。2つの円形開口部43の一方には、屈折率および厚みが上記NDフィルタ34a〜34cと略同一に設定された補償板44が保持されており、他方は素通しの状態とされている。
【0029】
この補償光学系40は、上記NDフィルタ34a〜34cのいずれかが第1の経路上に挿入された場合には補償板44を第2の経路上に挿入し、NDフィルタ34a〜34cが第1の経路上から抜脱され、素通しの円形開口部33が第1の経路上に挿入された場合には、補償板44を第2の経路上から抜脱して素通しの円形開口部43を第2の経路上に挿入するように構成されており、これにより、NDフィルタ34a〜34cが挿入された場合と抜脱された場合とで変化する2つの経路の光路長差を補償するようになっている。
【0030】
なお、NDフィルタ34a〜34cおよび補償板44は、それらの各面(表裏面)における反射光の悪影響を排除するため、第1,第2の経路上に配置された状態においては光軸に対して各面が斜交するように構成する、あるいは各面に反射防止膜を形成しておくなどの処理を施しておくことが好ましい。
【0031】
図1に示すように、上記光強度調整光学系30および上記補償光学系40は、駆動手段としてのモータ14,15によって、それぞれ駆動されるように構成されている。これらのモータ14,15は、モータドライバ16,17をそれぞれ介して、駆動制御手段としてのコンピュータ11に接続されており、このコンピュータ11からの制御信号によって駆動制御される。コンピュータ11には、キーボードや切替スイッチ等の入力手段13が接続されている。この入力手段13は、例えば、干渉計装置のオペレータが上記被検面7aの反射率の数値データを直接入力したり、被検面7aの反射率の数値範囲に応じてどれを選択すれば良いかが予め指定された複数の切替ボタンを押圧したりするなどの切替動作により操作される。
【0032】
上記光強度調整光学系30および上記補償光学系40は、コンピュータ11を介してモータ14,15によりそれぞれ駆動される。上述したように光強度調整光学系30は、その4つの円形開口部33のうちの1つが、選択的に切り替えられてパスマッチ経路部20の第1の経路上に挿入配置される。4つの円形開口部33のうちのどれが第1の経路上に挿入されるのかについては、上記第1の経路を経て上記被検面7aから反射される光束の光強度Pと、上記第2の経路を経て上記基準面6aから反射される光束の光強度Pとが互いに略等しくなるという条件の下に、予め決められている。また、光強度調整光学系30における3つのNDフィルタ34a〜34cの各透過率は、パスマッチ経路部20に配置された各光学部品の透過率や反射率、上記基準面6aの透過率および反射率、上記被検面7aの反射率等を勘案して設定される。
【0033】
例えば、光強度調整光学系30の素通しの円形開口部33が第1の経路上に挿入配置される(このとき第2の経路上には、補償光学系40の素通しの円形開口部43が挿入配置される)場合を考える。このとき、上記2つの光強度P,Pが互いに略等しくなるための条件は、上記ハーフプリズム21のハーフミラー面21aの透過率Thmおよび反射率Rhm、上記基準面6aの透過率Trおよび反射率Rr、上記被検面7aの反射率Rsを用いて、下式(1)で表される。なお、上記ハーフプリズム22のハーフミラー面22aの透過率および反射率をそれぞれ0.5、上記全反射ミラー23,24の各反射率をそれぞれ1とする。
hm×Tr×Rs×Tr=Rhm×Rr……(1)
【0034】
また、光強度調整光学系30のNDフィルタ34a〜34cのいずれかが第1の経路上に挿入配置される(このとき第2の経路上には、補償光学系40の補償板44が挿入配置される)場合を考える。このとき、上記2つの光強度P,Pが互いに略等しくなるための条件は、NDフィルタの透過率Tndを用いて、下式(2)で表される。なお、簡単化のため上記補償板44の透過率を1とする。
hm×Tnd×Tr×Rs×Tr=Rhm×Rr……(2)
【0035】
そして、例えば、測定される被検体を、その被検面の反射率の違いにより複数種類に分類し、最も頻繁に測定される種類の被検体の被検面の反射率を上式(1)に代入し、ハーフミラー面21aの透過率Thmおよび反射率Rhm、基準面6aの透過率Trおよび反射率Rrを、上式(1)を満たすように決定する。また、他の種類の被検体の各被検面の反射率をそれぞれ上式(2)に代入し(この第1実施例では3つまで可能)、そのとき上式(2)を満たすような値に、上記NDフィルタ34a〜34cの各透過率を決定しておく。そして、これら他の種類の被検体を測定する場合は、その被検面の反射率に応じたNDフィルタを第1の経路上に配置する(このとき第2の経路上には、補償板44が配置される)。これにより、被検面7aの反射率に応じて、被検面7aから反射され基準面6aを透過した光束の光強度と、基準面6aから反射された光束の光強度とを互いに略等しくなるように調整することができ、干渉縞のコントラストを良好とすることが可能となる。
【0036】
なお、上式(1),(2)は、厳密に等号が成立しなくてもよい。例えば、各式において、両辺の値に10%程度の誤差が生じていても、干渉縞のコントラストを十分に良好とすることが可能である。
【0037】
また、上述した光強度調整光学系30および補償光学系40は、複数の開口部を同心円上に備え、各開口部の配置切替を回転移動により行なうターレットタイプのものであるが、このような複数の開口部を直線上に備え、各開口部の配置切替を直線移動により行なう往復動タイプのものとしてもよい。また、開口部の形状や個数は、適宜変更することができる。
【0038】
あるいは、光強度調整光学系30を回転グラデーションNDまたは回転偏光板を用いて構成し、入力光束の光強度に対する出力光束の光強度の比率を連続的に変化させることができるようにしてもよい。この場合には、被検面の反射率の違いに対してより細やかに対応することが可能となる。
【0039】
また、上述した例では、被検面7aの反射率が既知であることを前提としているが、被検面7aの反射率が未知の場合にも対応できるように、被検面7aの反射率を測定する機構を干渉計装置に組み込むようにしてもよい。そして、測定された被検面7aの反射率に応じて、光強度調整光学系30および補償光学系40を自動調整するように構成することも可能である。
【0040】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図4は本発明の第2実施形態に係るパスマッチ経路型干渉計装置の概略図である。なお、図4において、上記第1実施形態と同様の構成要素については、図1において用いたものと同一の符番を付すこととし、その詳細な説明は省略する。
【0041】
この第2実施形態の特徴は、パスマッチ経路部20内において、第2の経路上に配置された光強度調整光学系30Aを備えている点にある。この光強度調整光学系30Aは、上述した第1実施形態の光強度調整光学系30と同様に、回転軸31Aを中心とした同心円上に複数の円形開口部(図示略)を備え、それら複数の円形開口部内に、互いに透過率が異なるNDフィルタ(屈折率は互いに略等しい)をそれぞれ備えている。上述した第1実施形態の光強度調整光学系30と異なるのは、素通しの円形開口部が無い点である。
【0042】
すなわち、この第2実施形態では、NDフィルタが第2の経路上に配置された状態において、第1の経路(光路長L)と第2の経路(光路長L=l+l+l)との光路長差が、基準板6の基準面6aと被検体7の被検面7aとの光学的距離Lの2倍に略等しいように設定されている。したがって、第1実施形態において必要とされた補償光学系40を備える必要がなく、装置構成を簡易化することが可能となる。
【0043】
なお、光強度調整光学系30Aの各NDフィルタの透過率は、第1実施形態に準じて設定を行なえばよい。また、光強度調整光学系30Aを、上述した往復動タイプのものとすることや、回転グラデーションNDまたは回転偏光板を用いたものとすることも可能である。
【0044】
また、光強度調整光学系30Aを所定の光透過率を有する1つのNDフィルタで構成し、このNDフィルタを第2の経路上に挿脱可能に構成したり、光透過率が異なる他のNDフィルタに交換できるようにしたりすることも可能である。
【0045】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図5は本発明の第3実施形態に係るパスマッチ経路型干渉計装置の概略図である。なお、図5において、上記第1実施形態と同様の構成要素については、図1において用いたものと同一の符番を付すこととし、その詳細な説明は省略する。
【0046】
この第3の実施形態の特徴は、基準面6aおよび被検面7aの各反射率に応じて、第1の経路および第2の経路をそれぞれ通過する2つの光束の各光強度の比率を調整する光強度調整光学系30Bを、パスマッチ経路部20内に配置されたハーフプリズム21により構成していることにある。すなわち、ハーフプリズム21のハーフミラー面21aには、入力された光束の一部を透過し、その余の光束を反射するコート処理が施されており、基準面6aおよび被検面7aの各反射率に応じて、そのコート特性(反射/透過特性)を変えることにより、第1の経路および第2の経路をそれぞれ通過する2つの光束の各光強度の比率を調整し、これにより第1の経路を経て被検面7aから反射される光束の光強度Pと、第2の経路を経て基準面6aから反射される光束の光強度Pとを互いに略等しくするように構成されている。
【0047】
上記2つの光強度P,Pが互いに略等しくなるために、上記ハーフプリズム21のハーフミラー面21aの透過率Thmおよび反射率Rhmに求められる条件は、上記基準面6aの透過率Trおよび反射率Rr、上記被検面7aの反射率Rsを用いて、下式(3)で表される。なお、ハーフプリズム22のハーフミラー面22aの透過率および反射率をそれぞれ0.5、全反射ミラー23,24の各反射率をそれぞれ1とする。
hm×Tr×Rs×Tr=Rhm×Rr……(3)
【0048】
ここで、Thm+Rhm=1とすると、透過率Thmおよび反射率Rhmは、それぞれ下式(4),(5)で表される。
hm=Rr/(Tr×Rs×Tr+Rr)……(4)
hm=(Tr×Rs×Tr)/(Tr×Rs×Tr+Rr)……(5)
【0049】
したがって、例えば、Tr=0.96,Rr=0.04,Rs=0.8の場合、Thmは約0.0515、Rhmは約0.9485となる。
【0050】
この第3実施形態では、ハーフミラー面21aのコート特性が互いに異なる複数のハーフプリズム21を予め用意しておき、被検面7aの反射率に応じて、上記2つの光強度P,Pが互いに略等しくなるようにハーフプリズム21を交換することにより、干渉縞のコントラストを良好とすることが可能となる。
【0051】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明のパスマッチ経路型干渉計装置は上記実施形態に限られるものではなく、その他種々の変更が可能である。
【0052】
例えば、本願出願人が特開平11−23216号公報において開示している技術を本発明に適用するようにしてもよい。すなわち、上記各実施形態において、P偏光を透過する第1の偏光板を光源1とハーフプリズム21との間に配置して光源1からの光束をP偏光に変換するとともに、パスマッチ経路部20の第2経路中にλ/2光学位相板を挿入して、第2の経路を通過する光束をS偏光に変換し、ハーフプリズム22において、P偏光のまま第1の経路を通過した光束と合成する。また、基準板6と被検体7の間にλ/4光学位相板を配置して被検面7aまたは非被検面7bで反射された光をS偏光からP偏光に、もしくはP偏光からS偏光に変換する。そして、撮像カメラ10とハーフプリズム4との間にS偏光を透過する第2の偏光板を配置して、S偏光のみが撮像カメラ10に入射されるようにする。
【0053】
こうすることにより、パスマッチ経路部20により光路長が互いに等しくなるように調整される2つの光束(第1の経路を通過して被検面7aで反射される光束と、第2経路を通過して基準面6aで反射される光束)は、共にS偏光となるため撮像カメラ10に入射されて被検面7aの情報を担持した干渉縞画像が撮像される。一方、光路長が互いに異なるため干渉縞は形成しないが、バックグラウンド光となって干渉縞画像のコントラスト低下の原因となる他の光束のうち、第1の経路を通過して基準面6aで反射される光束、および第2の経路を通過して被検面7aまたは非被検面7bで反射される光束は、P偏光となるため撮像カメラ10には入射されない。このため、干渉縞画像のコントラストをより向上させることが可能となる。
【0054】
なお、上記λ/2光学位相板を第1の経路内に配設し、上記第2の偏光板を、P偏光を透過する偏光板に代えるようにしてもよい。あるいは、上記第1の偏光板としてS偏光を透過する偏光板を用い、第2の偏光板については、上記λ/2光学位相板を第1の経路内に配設する場合にはS偏光を透過する偏光板とし、上記λ/2光学位相板を第2の経路内に配設する場合にはP偏光を透過する偏光板とすることも可能である。
【0055】
また、上記第1,第2実施形態においては、光強度調整光学系の駆動をコンピュータにより制御するように構成されているが、被検面の反射率に応じてオペレータが光強度調整光学系のNDフィルタを手動で切り替えるようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態においては、基準面から反射される光束の光強度と、被検面から反射される光束の光強度とが互いに略等しくなるように調整する場合を例にとって説明しているが、これら2つの光束の各光強度を任意の比率に調整することも可能である。
【0057】
また、測定対象の被検体が不透明である場合には、レーザダイオード(LD)等の高可干渉光源を用いることも可能であり、その場合には、パスマッチ経路部における第1の経路と第2の経路との光路長差を、基準面と被検面との光学的距離の2倍に略等しく設定する必要はない。
【0058】
また、球面状の被検面を測定し得るように、平面状の基準板に替えて被検面に応じた球面を有する基準レンズを用いる構成とすることも可能である。
【0059】
また、上記各実施形態においては、光強度調整光学系が第1の経路途中に配置されたもの(第1実施形態)、第2の経路途中に配置されたもの(第2実施形態)、第1の経路と第2の経路との分岐点に配置されたもの(第3実施形態)をそれぞれ示しているが、光強度調整光学系を第1の経路途中と第2の経路途中の両方に配置したり、分岐点と併せて3箇所に設置したりするようにしてもよい。
【0060】
なお、本発明のパスマッチ経路型干渉計装置によれば、光強度調整光学系を備えたことにより、基準板を交換することなく干渉縞のコントラスト調整を行なうことが可能となるが、基準板を交換して基準面の反射率を変えることを組み合わせるように構成することも可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のパスマッチ経路型干渉計装置は、光源からの光束を2つの光束に分岐し、これら2つの光束を、互いの光路長差が基準面と被検面との光学的距離の2倍に相当するように調整された2つの経路を別々に通過させた後、合波して出力するパスマッチ経路部に、基準面および被検面の各反射率に応じて、2つの光束の各光強度の比率を調整する光強度調整光学系を備えている。
【0062】
この光強度調整光学系により、上記2つの光束の各光強度の比率を調整することによって、基準面から反射される光束の光強度と、被検面から反射される光束の光強度との比率を容易に調整することが可能となるので、干渉縞のコントラスト調整を光学的に簡便に行なうことが可能となる。
【0063】
特に、基準面から反射される光束の光強度と、被検面から反射される光束の光強度とが互いに略等しくなるように調整することにより、干渉縞のコントラストを良好とすることが可能となるので、干渉縞の測定解析を高精度に行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るパスマッチ経路型干渉計装置の概略構成図
【図2】図1に示す光強度調整光学系の概略構成図
【図3】図1に示す補償光学系の概略構成図
【図4】本発明の第2実施形態に係るパスマッチ経路型干渉計装置の概略構成図
【図5】本発明の第3実施形態に係るパスマッチ経路型干渉計装置の概略構成図
【符号の説明】
1・・・光源
2,5・・・コリメータレンズ
3・・・発散レンズ
4・・・ハーフプリズム
4a・・・ハーフミラー面
6・・・基準板
6a・・・基準面
7・・・被検体(透明平行板)
7a・・・被検面
7b・・・非被検面
8・・・載置面
9・・・撮像レンズ
10・・・撮像カメラ
11・・・コンピュータ(駆動制御手段)
12・・・画像表示部
13・・・入力手段
14,15・・・モータ(駆動手段)
16,17・・・モータドライバ
20・・・パスマッチ経路部
21,22・・・ハーフプリズム
21a,22a・・・ハーフミラー面
23,24・・・全反射ミラー
30,30A,30B・・・光強度調整光学系
31,31A,41・・・回転軸
32,42・・・ターレット板
33,43・・・円形開口部
34a〜34c・・・NDフィルタ
40・・・補償光学系
44・・・補償板
Z・・・光軸
・・・被検体の厚み

Claims (7)

  1. 光源からの光束を2つの光束に分岐し、これら2つの光束を、互いの光路長差が干渉計の基準面と被検体の被検面との光学的距離の2倍に相当するように調整された2つの経路を別々に通過させた後、該2つの光束を合波して出力するパスマッチ経路部を有し、このパスマッチ経路部から出力された光束を前記基準面に照射するとともに、この基準面を透過した光束が該基準面と離間した前記被検面に照射されるようになし、該基準面で反射された光波面と該被検面で反射された光波面との干渉により生じる干渉縞に基づいて該被検面の波面情報を得るパスマッチ経路型干渉計装置において、
    前記パスマッチ経路部に、前記基準面および前記被検面の各反射率に応じて、該パスマッチ経路部から出力される前記2つの光束の各光強度の比率を調整する光強度調整光学系を備えてなることを特徴とするパスマッチ経路型干渉計装置。
  2. 前記被検体が透明平行板であり、前記光源から出力された前記光束は、可干渉距離が前記透明平行板の厚み(ただし、光学的距離)の2倍よりも小さく設定された低可干渉光束であることを特徴とする請求項1記載のパスマッチ経路型干渉計装置。
  3. 前記光強度調整光学系は、前記2つの経路の少なくとも一方の経路途中に配置され、該光強度調整光学系へ入力される光束の光強度を変えて出力するものであることを特徴とする請求項1または2記載のパスマッチ経路型干渉計装置。
  4. 前記光強度調整光学系は、前記2つの光束の各光強度の比率を可変調整するものであることを特徴とする請求項1または2記載のパスマッチ経路型干渉計装置。
  5. 前記光強度調整光学系は複数のNDフィルタを備えてなり、該複数のNDフィルタを選択的に切り替えて前記経路上に位置せしめることにより、前記各光強度の比率を変えるように構成されていることを特徴とする請求項4記載のパスマッチ経路型干渉計装置。
  6. 前記複数のNDフィルタの選択的な切替えを行なう駆動手段と、該駆動手段を制御する駆動制御手段とを備えてなることを特徴とする請求項5記載のパスマッチ経路型干渉計装置。
  7. 前記光強度調整光学系は、前記2つの経路の一方に挿脱可能に設けられ、該2つの経路の他方には、該光強度調整光学系が挿入された場合と抜脱された場合とで変化する該2つの経路の光路長差を補償する補償光学系が挿脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜6までのいずれか1項記載のパスマッチ経路型干渉計装置。
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