JP4813815B2 - 血管硬化度算出装置および血管硬化度算出プログラム - Google Patents

血管硬化度算出装置および血管硬化度算出プログラム Download PDF

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Description

本発明は、血管の硬化度を算出する血管硬化度算出装置、および、演算処理装置内で実行されその演算処理装置を血管硬化度算出装置として動作させる血管硬化度算出プログラムに関する。
近年、益々の高齢化社会を迎え、動脈硬化性疾患の早期診断、早期治療への対策が急務とされている。このためには、先ずは、動脈硬化がどの程度進んでいるかを正しく測定、評価する必要がある。
動脈硬化を非観血的に定量診断する手法の1つとして大動脈について2点間の脈波伝播速度(PWV:Pulse Wave Velocity)を測定する大動脈脈波伝播速度検査法が知られている。
脈波伝播速度は硬い物質中で速く、軟かい物質中では遅いこと、さらに、健康な動脈壁は柔かく弾力性に富み、動脈硬化の血管壁は硬くもろいことが知られている。大動脈脈波伝播速度検査法は、この性質を利用するものであり、概略的に言うと大動脈の2点間の脈波伝播速度を測定し、その速度が速いほど動脈硬化が進んでいると診断するものである。この脈波伝播速度(PWV)は、通常、m/secの単位で表現される。
図1は、脈波伝播速度測定法の一例を示す模式図である。この図1に示す脈波伝播速度測定法は、Frank法と呼ばれる測定法である。
ここでは、図1(A)に示すように、2つの脈波センサを用い、それぞれ頸動脈と大腿動脈の脈波を測定する。また、大動脈弁口から各脈波測定点までの距離a,b+cを測る。大動脈弁口と大腿動脈測定用の脈波センサとの間を直線で測らずに折れ線(距離bと距離c)で測るのは、大動脈が延びる経路を考慮したものである。
図1(B)は、各脈波センサで測定された、頸動脈波(a)および大腿動脈波(b)を示している。
これらの脈波の所定の立ち上がり点、例えば波高値の1/5だけ立ち上がった点どうしの時間Tを求める。
このように距離a,b,cと時間Tを求めることにより、脈波伝播速度PWVは、
Figure 0004813815
により求められる。
特許文献1には、上記の脈波伝播速度測定法を基にした改良技術が開示されている。尚、この特許文献1では、頸動脈および大腿動脈の脈波に代えて上腕および足首の脈波測定が行なわれている。
図2は、脈波伝播速度測定法のもう1つの例を示す模式図である。この図2に示す脈波伝播速度測定法は、吉村法と呼ばれる測定法である。
図1に示すFrank法と同様に頸動脈と大腿動脈の脈波を測定する2つのセンサに加え、さらに大動脈弁口にもセンサを配置してII音の開始点を計測する。また、大動脈弁口と大腿動脈脈波測定用センサとの間の直線距離Dを測る。この直線距離Dと動脈の実際の経路との相違を補正するため、その直線距離Dを1.3倍する。
また、図2(B)の(b)に示す頸動脈波の立ち上がりのタイミングから大腿動脈波の立ち上がりまでの時間Tと、大動脈弁口のII音のタイミングから、頸動脈波上の、そのII音を捉えたタイミングまでの時間tを測定する。
このように、直線距離Dと、時間T,tを求めることにより、脈波伝播速度PWVが、
Figure 0004813815
により求められる。
ここで、脈波伝播速度は、血圧により変動する。これは、血圧が上がるとその分血管が内部の血液に押されて膨張し、見かけ上血管が硬くなるためである。
図3は、最小血圧(拡張期血圧)と大動脈脈波伝播速度との関係を示すグラフである。この図3は、73の症例について、最小血圧(拡張期血圧)と大動脈脈波伝播速度との関係を調べたものである。
この図3に示すように、血圧が上昇すると大動脈脈波伝播速度も高速となる。
図4は、脈波伝播速度補正カーブを示した図である。
図3に示すように脈波伝播速度は血圧によって変化する。そこで、図3に示すような多数の症例について統計的に解析し、図4に示すように脈波伝播速度補正カーブを求めておく。実際の測定にあたっては脈波伝播速度を測定するとともに血圧を測定し、測定した脈波伝播速度を図4に示す脈波伝播速度補正カーブに従って、最小血圧(拡張期血圧)80mmHgのときの脈波伝播速度に換算する。ここでは、この最小血圧(拡張期血圧)80mmHgのときの脈波伝播速度に換算したときの大動脈脈波伝播速度を、後述する表記と合わせ、PWV2と表記する。
特許文献1でも、この血圧による補正が行なわれている。
こうすることにより、その症例の脈波測定時の血圧には依存しない、その症例の大動脈脈波伝播速度が求められ、その大動脈脈波伝播速度を元に動脈硬化の診断が行なわれる。
特許第3140007号公報
ところが、上記のFrank法あるいは吉村法のいずれにおいても股下における大腿動脈の脈波検出を必要としており、羞恥心も手伝って簡便には測定することができないという問題がある。
上述の特許文献1には上腕と足首の脈波測定を行なうことが記載されており、簡便な測定を行なうことができるという点では優れているものの、この場合、従来より多用されてきたFrank法や吉村法により得られた厖大なデータが利用できず、多数の症例のデータを収集することから始める必要がある。また、多数の症例のデータを収集したとしても、Frank法や吉村法により得られたデータと値が異なる(例えば正常範囲の上下限値が異なる)とFrank法や吉村法により得られたデータに慣れている医師を戸惑わせることとなり、最悪の場合誤診につながりかねないという問題がある。
また、本願出願人において、上腕と膝の脈波を検出して脈波伝播速度を求めることを提案しており(特願2004−151745号)、この測定法によれば、簡便な測定を行なうことができるとともに再現性の良い測定を行なうことができるが、この場合も、このままでは従来より多用され蓄積されてきたFrank法や吉村法による大動脈脈波伝播速度PWV2のデータを使うことができず、多数の症例のデータを収集する必要があり、数値が異なることも問題となる。
本発明は、上記事情に鑑み、簡便な測定が可能であって、その簡便な測定による測定結果を用いて、過去に蓄積されたデータを活用することのできる評価値を求める血管硬化度算出装置、および、演算処理装置をそのような血管硬化度算出プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の血管硬化度算出装置は、膝あるいは足首からなる第1の部位と膝および足首を除く所定の第2の部位の2つの脈波に基づいて、心臓と上記第1の部位との間の、血圧による補正前の脈波伝播速度PWV1を求め、さらに、その脈波伝播速度PWV1と最小血圧Pdとを用いて、式
β=a×{(PWV1+α)×P0/Pd+γ}+b ……(3)
但しα,γ,a,bは係数、P0は補正目標の最小血圧を表わす定数である。
あるいはこの式(3)と実質的に同一な式に従って、血圧により補正された大動脈の脈波伝播速度PWV2と統計的に同一あるいは近似した値である評価値βを求める演算部と、
演算部で求められた評価値βを出力する評価値出力部とを備えたことを特徴とする。
本発明の血管硬化度算出装置は、脈波伝播速度PWV1を求めるにあたり、膝あるいは足首からなる第1の部位と例えば上腕等の第2の部位の脈波を検出すればよく、簡便な測定に適合したものとなっている。また、本発明の血管硬化度算出装置は、血圧により補正された大動脈の脈波伝播速度PWV2と統計的に同一あるいは近似した値である評価値βを求めるものであるため、従来より厖大な蓄積のある大動脈脈波伝播速度PWV2のデータをそのまま活用することができる。
ここで、上記本発明の血管硬化度算出装置において、上記第1の部位が膝であることが好ましい。
膝の方が足首よりも高精度な測定を行なうことができ、好ましい。
また、上記本発明の血管硬化度算出装置において、上記第2の部位が上腕であって、上記演算部は上腕で測定した最小血圧Pdを用いて演算を行なうものであることも好ましい態様である。
上腕であれば簡便な測定を損なうこともなく、また、脈波検出と血圧測定とを兼ねることができる。
また、上記本発明の血管硬化度算出装置において、大動脈の脈波伝播速度PWV2が心臓と股下との間の脈波伝播速度であって、上記演算部は、血圧により補正された心臓と股下との間の脈波伝播速度と統計的に同一あるいは近似した値である評価値βを求めるものであることが好ましい。
大動脈脈波伝播速度は、前述したFrank法や吉村法に示すように典型的には心臓と股下との間の脈波伝播速度である。
また、上記目的を達成する本発明の血管硬化度算出プログラムは、プログラムを実行する演算処理装置内で実行され、その演算処理装置を、膝あるいは足首からなる第1の部位と膝および足首を除く所定の第2の部位の2つの脈波に基づいて、心臓と上記第1の部位との間の、血圧による補正前の脈波伝播速度PWV1を求め、さらに、その脈波伝播速度PWV1と最小血圧Pdとを用いて、式
β=a×{(PWV1+α)×P0/Pd+γ}+b ……(3)
但しα,γ,a,bは係数、P0は補正目標の最小血圧を表わす定数である。
あるいはこの式(3)と実質的に同一な式に従って、血圧により補正された大動脈の脈波伝播速度PWV2と統計的に同一あるいは近似した値である評価値βを求める演算部と、
演算部で求められた評価値βを出力する評価値出力部とを備えた血管硬化度算出装置として動作させることを特徴とする。
本発明の血管硬化度算出プログラムは、本発明の血管硬化度算出装置の各種態様に対応する各種態様全てを包含するものである。
以上の本発明によれば、簡便な測定を可能とし、また過去に蓄積された厖大なデータをそのまま有効利用することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図5は、本発明の血管硬化度算出装置の一実施形態を含む生体計測装置を示すブロック構成図である。
この生体計測装置10は、心音マイク111と、上腕用カフ113と、膝用カフ114と、2つの心電センサ115,116とを備えている。
心音マイク111は、被検者20の心臓21の音(心音)をピックアップすべく、その心臓の近傍に貼着されている。また、上腕用カフ113は左上腕に巻回され、膝用カフ114は左膝に巻回されている。これら上腕用カフ113および膝用カフ114では、それぞれ左上腕、左膝の脈波がピックアップされる。さらに、2つの心電センサ115,116ではそれぞれ右手首、左手首の心電波形がピックアップされる。
また、この生体計測装置10は、さらにアナログ処理部12、A/D変換部13、およびデジタル処理部14を備えている。
2つの心電センサ115,116でピックアップされた心電波形は、心電増幅器121に入力されて増幅されA/D変換部13でデジタル信号に変換されてデジタル処理部14に伝えられる。
また、心音マイク111でピックアップされた心音は、心音増幅器122に入力されて増幅され、さらにA/D変換部13によりデジタル信号に変換されてデジタル処理部14に伝えられる。
また、上腕用カフ113および膝用カフ114には、空気ポンプ131,132のそれぞれにより、各所定のカフ圧となるように空気が送り込まれ、それぞれの圧センサ133,134でカフ圧の微小変化が捉えることにより左上腕および左膝の脈波がピックアップされる。圧センサ133,134でピックアップされた脈波は増幅器135,136でそれぞれ増幅されてA/D変換部13に入力され、デジタル信号に変換されてデジタル処理部14に入力される。
デジタル処理部14には、CPU141,メモリ142、表示装置143、記録装置144、操作装置145、およびポンプ制御装置146が備えられており、それら相互間とさらにA/D変換部13との間はバス147で相互に接続されている。
CPU141では各種のプログラムが実行され、これにより、CPU141は、生体計測装置10の各部の制御を担う。またメモリ142は、CPU141で実行される各種プログラムやA/D変換部13から伝送されてきた各種データを格納する役割りを担っている。また、表示装置143は、表示画面上に心電図や脈波等の各種波形やデータを表示し、記録装置144は、それらの各種波形やデータをプリント出力する。さらに操作装置145は、オペレータの操作によりこの生体計測装置10に各種指示を入力するためのものである。さらにポンプ制御装置146は、2つのポンプ131,132の動作を制御するためのものである。
ここで、CPU141では、上記のようにしてA/D変換部13でディジタル信号に変換されて伝達されてきた各種信号に基づいて、心臓21(大動脈弁口)から膝までの間の脈波伝搬速度が求められる。
図6は脈波伝播速度測定時の各種波形を示した図である。
ここでは、図5に示すように、上腕と膝にそれぞれ上腕用カフ113と膝用カフ114を巻く。また心臓と膝との間の距離Lを巻尺で測定する。さらに、上腕用カフ113と膝用カフ114とにより、それぞれ上腕部、膝部の脈波をピックアップし、それとともに心音マイクにより心音をピックアップする。また、ここでは心電図も測定している。
これらの心音および脈波をピックアップして得られた心音波形および脈波波形から、心臓と膝との間の脈波伝搬時間Tを求める。距離Lを脈波伝搬時間Tで割り算することにより脈波伝搬速度PWV1が求められる。
心臓から膝までの脈波伝搬時間Tは、心臓の大動脈弁の開放時点から脈波が上腕に達した時点までの時間t’bと、脈波が上腕に達した時点から脈波が膝に達した時点までの時間tbaとを足し算した時間である。
図6(A)は大動脈弁の開閉動作のタイミングを示しており、図6(B)〜図6(E)は、大動脈弁の開閉動作を含む心臓の動きに基づく各種波形を示している。図6(B)〜図6(E)は、それぞれ、心電図、心音図、上腕動脈波および膝動脈波の波形である。
図6(D)の上腕動脈波および図6(E)の膝動脈波は、それぞれ、図1に示す上腕用カフ113、および膝用カフ114の圧力変化をピックアップすることにより得られた、それぞれ上腕および膝の各脈波である。
心臓から膝までの脈波伝搬時間Tは、図6(E)に示すように、大動脈弁開のタイミングから膝動脈波の立ち上がりまでの時間であるが、この脈波伝搬時間Tは、理論上は、大動脈弁開のタイミングから図6(D)の上腕動脈波の立ち上がりのタイミングまでの時間t’bと、図6(D)の上腕動脈波の立ち上がりのタイミングから図6(D)の膝動脈波の立ち下がりのタイミングまでの時間tbaとを加算することにより求められる。大動脈弁開のタイミングを含むその前後で発せられる心音はI音と呼ばれるが、このI音には大動脈弁の開放音だけでなく他の音も混在しており、そのI音から大動脈弁開のタイミングを知ることは単純にはできない。そこで、ここでは、大動脈弁の閉鎖音発生のタイミングから、その大動脈弁閉鎖に起因して上腕動脈波にあらわれる切痕(dicrotic notch)までの時間tbを測定する。この時間tbは、大動脈弁開から上腕動脈波の立ち上がりまでの時間t’bと同一であることから、
T=tb+tba ……(4)
により、心臓から膝までの脈波伝搬時間Tが求められる。
上記の測定法により心臓から膝までの脈波伝搬時間Tを求め、心臓と膝との間の距離Lを巻尺で測り、下記式(5)に示すようにして脈波伝搬時間Tで距離Lを割り算することにより、心臓から膝までの脈波伝搬速度PWVが求められる。
PWV=L/T ……(5)
図5に戻って説明を続ける。
上腕用カフ113は、上腕の血圧測定用としても用いられる。すなわち、ここでは、その上腕用カフ113のカフ圧を十分に高いカフ圧まで上昇させた後そのカフ圧が徐々に降圧され、その降圧の過程において圧センサ133により脈波が順次検出され、上記と同様にしてデジタル信号に変換されてデジタル処理部14に入力される。デジタル処理部14では、順次入力されてきた脈波の振幅の変化に基づき、公知のオシロメトリック法を用いて、上腕の血圧が決定される。ここで決定される血圧には、最小血圧(拡張期血圧)Pdと最大血圧(収縮期血圧)Psとが含まれる。
図7は、ここで用いる、人体の各部位等の記号の説明である。
ここでは、上腕、心臓、股下、膝、および足首を、それぞれ、B,H,F,K,およびAで表わす。また、心臓Hと股下Fとの間の距離、股下Fと膝Kとの間の距離、膝Kと足首Aとの間の距離を、それぞれ、L1,L2,およびL3で表わし、心臓Hから股下Fまでの脈波伝搬時間、股下Fから膝Kまでの脈波伝搬時間、および膝Kから足首Aまでの脈波伝搬時間を、それぞれ、T1,T2,およびT3で表わす。さらに、心臓Hから股下Fまでの間の脈波伝搬速度(L1/T1)、股下Fから膝Kまでの脈波伝搬速度(L2/T2)、および膝Kから足首Aまでの脈波伝搬速度(L3/T3)を、それぞれ、hfPWV,fkPWV,およびkaPWVで表わすことがある。さらに、心臓Hから膝Kまでの脈波伝搬速度((L1+L2)/(T1+T2))、および心臓Hから足首Aまでの脈波伝搬速度((L1+L2+L3)/(T1+T2+T3))を、それぞれ、hkPWVおよびhaPWVで表わすことがある。
図8は、図5に示す生体計測装置10内に構築された血管硬化度算出装置としての処理を示すブロック図である。
ここでは、先ず、上記のようにして心臓から膝までの脈波伝播速度hkPWVが求められる(ステップ81)。ここで、この心臓から膝までの脈波伝播速度hkPWVに代わり、心臓から足首までの脈波伝播速度haPWVを求めてもよい。心臓から足首までの脈波伝播速度haPWVの求め方は、図6を参照して説明した心臓から膝までの脈波伝播速度hkPWVの求め方と比べ、膝用カフ114に代えて足首用カフを採用するなど、膝を足首と読み替えればよく、ここでの重複説明は省略する。また、ここでは、心臓から膝までの脈波伝播速度hkWPVを求めるものとして説明を続ける。
心臓から膝までの脈波伝播速度hkPWVが求められた後、次に下記(6)式に従って評価値βが求められる(ステップ82)。
β=a×{(hkPWV+α)×80/Pd+γ}+b ……(6)
ここでは、最小血圧Pdは、上腕で測定した最小血圧を採用している。
ここで、上記(1)式におけるα,γは、最小血圧PdにおけるhkPWVを、最小血圧80mmHgにおけるhkPWVに変換するための係数であり、また係数a,bとしては、大動脈脈波伝播速度、すなわちここでは、心臓から股下までの、最小血圧80mmHgに補正した後の脈波伝播速度hfPWV2と統計的に同一あるいは近似した値の評価値βが求められるように、過去の大動脈臨床データにより決定された換算係数が採用される。
このようにして求めた評価値βは、図5に示す生体計測装置10の表示装置により表示され、あるいは記録装置144により記録される。
図9は、従来法と、(6)式に従って求めた評価値との関係を示すグラフである。この図9のグラフにおいて、横軸の「PWV原法」は、心臓から股下までの脈波伝播速度hfPWVを求めそれを最小血圧80mmHgのときの値に補正したものである。また、縦軸の「本手法」は、(6)式に従って求めた評価値βを表わしている。
この図9のグラフに示すように、本手法は、PWV原法と極めて相関が高く、また、本手法によればPWV原法と統計的に同一の値に変換される。したがってこのような変換を行なうことにより、過去のPWV原法の厖大なデータをそのまま活用することができ、医師は従来と同じ感覚で診断することができる。
このように、本実施形態によれば、従来法であるFrank法や吉村法で蓄積したデータをそのまま利用することができ、医師にとっても感覚的に従来法と適合した評価値が求められるため、誤診の可能性も大きく低減させることができる。
脈波伝播速度測定法の一例を示す模式図である。 脈波伝播速度測定法のもう1つの例を示す模式図である。 最小血圧(拡張期血圧)と大動脈脈波伝播速度との関係を示すグラフである。 脈波伝播速度補正カーブを示した図である。 生体計測装置を示す図である。 脈波伝播速度測定時の各種波形を示した図である。 ここで用いる、人体の各部位等の記号の説明図である。 図5に示す生体計測装置内に構築された血管硬化度算出装置としての処理を示すブロック図である。 従来法と評価値βとの関係を示すグラフである。
符号の説明
10 生体計測装置
12 アナログ処理部
13 A/D変換部
14 デジタル処理部
111 心音マイク
113 上腕用カフ
114 膝用カフ
115,116 心電センサ

Claims (4)

  1. 膝あるいは足首からなる第1の部位と、膝および足首を除き、かつ該第1の部位との間に心臓を挟むように位置した第2の部位の2つの脈波に基づいて、心臓と前記第1の部位との間の、血圧による補正前の脈波伝播速度PWV1を求め、さらに、該脈波伝播速度PWV1と最小血圧Pdとを用いて、式
    β=a×{(PWV1+α)×P/Pd+γ}+b
    但しα,γ,a,bは係数、Pは補正目標の最小血圧を表わす定数である。
    に従って、血圧により補正された大動脈の脈波伝播速度PWV2と統計的に同一あるいは近似した値であり、かつ、血圧により補正された心臓と股下との間の脈波伝播速度と統計的に同一あるいは近似した値である評価値βを求める演算部と、
    前記演算部で求められた評価値βを出力する評価値出力部とを備えたことを特徴とする血管硬化度算出装置。
  2. 前記第1の部位が膝であることを特徴とする請求項1記載の血管硬化度算出装置。
  3. 前記第2の部位が上腕であって、前記演算部は上腕で測定した最小血圧Pdを用いて演算を行なうものであることを特徴とする請求項1記載の血管硬化度算出装置。
  4. プログラムを実行する演算処理装置内で実行され、該演算処理装置を、
    膝あるいは足首からなる第1の部位と、膝および足首を除き、かつ該第1の部位との間に心臓を挟むように位置した第2の部位の2つの脈波に基づいて、心臓と前記第1の部位との間の、血圧による補正前の脈波伝播速度PWV1を求め、さらに、該脈波伝播速度PWV1と最小血圧Pdとを用いて、式
    β=a×{(PWV1+α)×P /Pd+γ}+b
    但しα,γ,a,bは係数,P は補正目標の最小血圧を表わす定数である。
    に従って、血圧により補正された大動脈の脈波伝播速度PWV2と統計的に同一あるいは近似した値であり、かつ、血圧により補正された心臓と股下との間の脈波伝播速度と統計的に同一あるいは近似した値である評価値βを求める演算部と、
    前記演算部で求められた評価値βを出力する評価値出力部とを備えた血管硬化度算出装置として動作させることを特徴とする血管硬化度算出プログラム。
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