JP2004321438A - 動脈硬化度評価装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】血圧値BPを測定するとともに、血圧測定と略同時に検出された脈波に基づいて脈波伝播速度PWVを算出し、測定した血圧値BPおよび脈波伝播速度PWVを記憶装置に蓄積する。そして、蓄積した血圧値BPと脈波伝播速度PWVに基づいて、表示器に、所定期間(たとえば90日間)の最高血圧値BPSYSの変化に対する脈波伝播速度PWVの変化を表す変化直線74を表示する。この変化直線74はその傾きが動脈硬化度を表し、たとえば、変化直線74の傾きが大きい場合には動脈硬化が進行していると判断できる。従って、脈波伝播速度PWVを所定の血圧値BPに補正するためにの複数の関係線を使用しないことから、各患者の血圧値BPと脈波伝播速度PWVとの関係がどのような関係であるかに拘わらず、精度良く動脈硬化度を評価することができる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脈波伝播速度や脈波伝播時間など、生体の動脈内を脈波が伝播する速度に関連する脈波伝播速度情報を用いて動脈硬化度を評価する装置に関し、特に、血圧の変化に対する脈波伝播速度情報の変化に基づいて動脈硬化度を評価する動脈硬化度評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血管の動脈硬化度が脈波伝播速度情報に影響を与えることを利用して、脈波伝播速度情報に基づいて動脈硬化度を評価する装置が知られている。ところで、脈波伝播速度情報は血圧値にも影響されるので、脈波伝播速度情報に基づいて動脈硬化を評価する装置は、通常、血圧を測定する機能も備え、脈波伝播速度を80mmHg等の所定の血圧値における値に換算した補正脈波伝播速度情報を決定し、その補正脈波伝播速度に基づいて動脈硬化の診断が行なわれ、投薬の効果や、運動療法の効果が判断される(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、血圧値に対する脈波伝播速度情報の関係は複雑であることから、特許文献1に記載された装置では、図9に示す最低血圧値と脈波伝播速度との関係を模式化した複数の関係線を記憶しており、その複数の関係線のうち、実際に測定した最低血圧値および実際に測定した脈波伝播速度により決定される点に最も近い関係線を選択し、所定の血圧値においてその選択した関係線が示す脈波伝播速度を補正脈波伝播速度に決定している。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−301034号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示す複数の関係線は、できるだけ多くの患者に適合するように実験に基づいて決定されているが、血圧値(図9では最低血圧値)と脈波伝播速度情報(図9では脈波伝播速度)との関係は個人差が大きく、図9に示す複数の関係線のいずれにも適合しない患者も多い。従って、従来のように補正脈波伝播速度情報に基づいて診断した動脈硬化度はその精度が不十分であった。
【0006】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、精度良く患者の動脈硬化度を評価することができる動脈硬化度評価装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために種々検討を重ねた結果、以下の知見を見いだした。すなわち、脈波伝播速度は血圧が高いほど速くなり、逆に血圧が低いほど遅くなるというように、脈波伝播速度情報は血圧の影響も受けるので、従来は、脈波伝播速度情報を所定の血圧値における値に補正しているのであるが、血圧が変化しても脈波伝播速度情報がそれほど変化しない場合があり、そのような場合こそ、動脈硬化が進行していることを見いだした。この理由は、血圧が変化しても脈波伝播速度情報がそれほど変化しない場合は、血管内の血液の圧力すなわち血圧の高低に拘わらず血管壁が硬い、すなわち、動脈硬化が進行している、と考えられるからである。
【0008】
【課題を解決するための第1の手段】
すなわち、前記目的を達成するための第1発明は、(a)生体の血圧値を測定する血圧測定装置と、(b)その血圧測定装置による血圧測定と略同時に前記生体から検出される脈波に基づいて、その生体の動脈内を脈波が伝播する速度に関連する脈波伝播速度情報を算出する脈波伝播速度情報算出手段と、(c)その血圧測定装置によって測定された血圧値とその脈波伝播速度情報算出手段によって算出された脈波伝播速度情報とを蓄積する記憶装置と、(d)その記憶装置に蓄積された血圧値および脈波伝播速度情報に基づいて、前記生体の血圧値の経日変化に対する脈波伝播速度情報の経日変化を出力する出力装置とを含むことを特徴とする動脈硬化評価装置である。
【0009】
なお、上記略同時とは、血圧測定装置による血圧測定中だけでなく、血圧測定期間の直前や直後など、血圧値が血圧測定期間におけるものとそれほど変わらない期間を意味する。
【0010】
【第1発明の効果】
この発明によれば、この動脈硬化評価装置を定期的(たとえば1ヶ月毎など)に使用すると、血圧測定装置により測定された血圧値と、脈波伝播速度情報算出手段により、その血圧値が測定されるのと略同時に生体から検出される脈波に基づいて算出された脈波伝播速度情報とが記憶装置に蓄積され、記憶装置に蓄積された血圧値と脈波伝播速度情報に基づいて、出力装置に、生体の血圧値の経日変化に対する脈波伝播速度情報の経日変化が出力されるので、たとえば、血圧値の低下に比べて、脈波伝播速度情報の変化が小さい場合には動脈硬化が進行していると判断できるなど、出力装置に出力された内容から、患者の動脈硬化度を評価することができ、前述の関係線を使用しないことから、各患者の血圧値と脈波伝播速度情報との関係がどのような関係であるかに拘わらず、精度良く動脈硬化度を評価することができる。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】
また、前記目的を達成するための第2発明は、(a)生体の血圧値を測定する血圧測定装置と、(b)その血圧測定装置による血圧測定と略同時に前記生体から検出される脈波に基づいて、その生体の動脈内を脈波が伝播する速度に関連する脈波伝播速度情報を算出する脈波伝播速度情報算出手段と、(c)その血圧測定装置によって測定された血圧値とその脈波伝播速度情報算出手段によって算出された脈波伝播速度情報とを蓄積する記憶装置と、(d)前記血圧値を変量とする血圧値軸と前記脈波伝播速度情報を変量とする脈波伝播速度情報軸とからなる二次元グラフを出力し、その二次元グラフに、前記記憶装置に蓄積された血圧値および脈波伝播速度情報に基づいて、所定期間の血圧値の変化に対する脈波伝播速度情報の変化を表す変化直線を出力する出力装置とを含むことを特徴とする動脈硬化度評価装置である。
【0012】
【第2発明の効果】
この発明によれば、出力装置に出力される変化直線の傾きが、血圧値の変化に対する脈波伝播速度情報の変化を示しているので、その傾きの大小から患者の動脈硬化度を容易に評価することができる。また、前述の関係線を使用しないことから、各患者の血圧値と脈波伝播速度情報との関係がどのような関係であるかに拘わらず、精度良く動脈硬化度を評価することができる。
【0013】
【第2発明の他の態様】
前記出力装置に出力される変化直線は、前記所定期間の始期において前記血圧測定装置によって測定された血圧値および前記脈波伝播速度情報算出手段によって算出された脈波伝播速度情報によって定まる点と、その所定期間の終期において前記血圧測定装置によって測定された血圧値および前記脈波伝播速度情報算出手段によって算出された脈波伝播速度情報によって定まる点とを結ぶ直線であってもよいし、前記所定期間内に測定された複数の血圧値および複数の脈波伝播速度情報によって定まる複数の点に基づいて決定される回帰直線であってもよい。
【0014】
【課題を解決するための第3の手段】
また、前記目的を達成するための第3発明は、(a)生体の血圧値を測定する血圧測定装置と、(b)その血圧測定装置による血圧測定と略同時に前記生体から検出される脈波に基づいて、その生体の動脈内を脈波が伝播する速度に関連する脈波伝播速度情報を算出する脈波伝播速度情報算出手段と、(c)その血圧測定装置によって測定された血圧値とその脈波伝播速度情報算出手段によって算出された脈波伝播速度情報とを蓄積する記憶装置と、(d)その記憶装置に蓄積された血圧値および脈波伝播速度情報に基づいて、前記血圧測定装置によって測定された血圧値の所定期間の変化量と、前記脈波伝播速度情報算出手段によって算出された脈波伝播速度情報のその所定期間の変化量との比を出力する出力装置とを含むことを特徴とする動脈硬化度評価装置である。
【0015】
【第3発明の効果】
この発明によれば、出力装置に、所定期間の血圧値の変化量とその所定期間の脈波伝播速度情報の変化量との比が出力されるので、その比から患者の動脈硬化度を容易に評価することができる。また、前述の関係線を使用しないことから、各患者の血圧値と脈波伝播速度情報との関係がどのような関係であるかに拘わらず、精度良く動脈硬化度を評価することができる。
【0016】
【発明の他の態様】
ここで、前記出力装置は、前記所定期間の脈波伝播速度情報の平均値をさらに出力することが好ましい。その理由は、脈波伝播速度情報自体も動脈硬化の診断に利用できるので、出力装置からは脈波伝播速度情報も出力することが好ましいが、脈波伝播速度情報は測定毎のばらつきが大きいので、平均値に基づいた診断の方が、より信頼性のある診断となるからである。
【0017】
また、好ましくは、前記脈波伝播速度情報算出手段は、前記生体の大動脈を含む部位における脈波伝播速度情報を算出するものである。このようにすれば、出力装置に、血圧値の経日変化に対する大動脈を含む部位の脈波伝播速度情報の経日変化が出力され、大動脈を含む部位の脈波伝播速度情報は、心血管疾患に対する優れた予測指標であることから、心血管疾患に対する危険性を精度よく診断することができる。
【0018】
【発明の好適な実施の形態】
次に、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明が適用された動脈硬化度評価装置8の構成を説明するブロック図である。
【0019】
図1において、上腕カフ10は、一般的な上腕用のカフであり、例えば患者の右腕の上腕部12に巻回される。上腕カフ10には、圧力センサ14および圧力制御弁16が配管18により接続されている。また、圧力制御弁16は、さらに、配管19により空気ポンプ20と接続されている。上記上腕カフ10は、布製帯状袋内にゴム製袋を収容した構造である。
【0020】
圧力制御弁16は、上腕カフ10内への圧力の供給を許容する圧力供給状態、上腕カフ10内の圧力を維持する圧力維持状態、上腕カフ10内を徐々に排圧する徐速排圧状態、および上腕カフ10内を急速に排圧する急速排圧状態の4つの状態に切り換えられるように構成されている。
【0021】
圧力センサ14は、上腕カフ10内の圧力を検出してその圧力を表す圧力信号SP1を静圧弁別回路22および脈波弁別回路24にそれぞれ供給する。静圧弁別回路22はローパスフィルタを備えており、圧力信号SP1に含まれる定常的な圧力すなわち上腕カフ10の圧迫圧力である上腕カフ圧PC1を表す上腕カフ圧信号SC1を弁別して、その上腕カフ圧信号SC1を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置26へ供給する。脈波弁別回路24はバンドパスフィルタを備えており、圧力信号SP1の振動成分である上腕脈波信号SM1を弁別してその上腕脈波信号SM1を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置26へ供給する。上記脈波弁別回路24により弁別される上腕脈波信号SM1は上腕脈波を表す。
【0022】
足首カフ28は、一般的な足首用カフであり、前記患者の足首30に装着される。その足首カフ28には、配管31を介して圧力センサ32および圧力制御弁34が接続されている。また、圧力制御弁34は、さらに、配管36により空気ポンプ38に接続されている。圧力制御弁34は、空気ポンプ38から供給される圧力の高い空気の圧力を調圧して足首カフ28内へ供給し、或いは、足首カフ28内の空気を排気することにより足首カフ28内の圧力を調圧する。圧力センサ32は、足首カフ28内の圧力を検出してその圧力を表す圧力信号SP2を静圧弁別回路40および脈波弁別回路42にそれぞれ供給する。
【0023】
静圧弁別回路40および脈波弁別回路42は、それぞれ前記静圧弁別回路22および脈波弁別回路24と同じ構成を有しており、静圧弁別回路40は圧力信号SP2に含まれる定常的な圧力すなわち足首カフ28の圧迫圧力である足首カフ圧PC2を表す足首カフ圧信号SC2を弁別して、その足首カフ圧信号SC2を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置26へ供給する。脈波弁別回路42は、圧力信号SP2の振動成分である足首脈波信号SM2を周波数的に弁別してその足首脈波信号SM2を図示しないA/D変換器を介して電子制御装置26へ供給する。この脈波弁別回路42により弁別される足首脈波信号SM2は足首脈波を表す。
【0024】
動脈硬化度評価装置8は、さらに、入力装置44、記憶装置46および出力装置として機能する表示器48を備えている。上記入力装置44は、患者の身長Tが入力されるための図示しない複数の数字入力キーを備えており、入力された患者の身長Tを表す身長信号STを電子制御装置26へ供給する。記憶装置46は、EPROMやフラッシュメモリー等の半導体メモリーにより構成され、電子制御装置26において逐次決定される血圧値BPや脈波伝播速度PWVを蓄積する。表示器48は、血圧値BPの経日変化に対するおよび脈波伝播速度PWVの経日変化を表示する。
【0025】
電子制御装置26は、CPU50,ROM52,RAM54,および図示しないI/Oポート等を備えた所謂マイクロコンピュータにて構成されている。CPU50は、ROM52に予め記憶されたプログラムに従ってRAM54の一時記憶機能を利用しつつ信号処理を実行し、I/Oポートから駆動信号を出力することにより、圧力制御弁16、34、空気ポンプ20、38を制御する。また、CPU50は、電子制御装置26に供給される信号に基づいて演算処理を実行することにより、血圧値BPおよび脈波伝播速度PWVを決定し、その決定した血圧値BPおよび脈波伝播速度PWVを記憶装置46に蓄積させ、また、表示器48の表示内容を制御する。
【0026】
図2は、電子制御装置26の制御機能の要部を示す機能ブロック線図である。上腕カフ圧制御手段60は、静圧弁別回路22から供給される上腕カフ圧信号SC1に基づいて上腕カフ圧PC1を判断しつつ、空気ポンプ18および圧力制御弁16を制御し、上腕カフ圧PC1を所定の上腕脈波検出圧に制御する。ここで、上腕脈波検出圧とは、上腕部12における最低血圧値よりも低い圧力であって脈波弁別回路24により弁別される上腕脈波信号SM1が十分な信号強度となるような圧力であり、たとえば60mmHgに設定されている。そして、上腕カフ圧PC1をその上腕脈波検出圧にて一拍分以上の時間保持した後、上腕カフ圧PC1を上腕部12における一般的な最高血圧値BPSYS よりも高い値に設定された目標圧力値PC1M(例えば180mmHg)まで急速昇圧させ、次いで、上腕カフ圧PC1を2〜3mmHg/sec程度の速度で徐速降圧させる。そして、血圧値決定手段62によって血圧値BPが決定された後に、上腕カフ圧PC1を大気圧まで排圧する。
【0027】
血圧値決定手段62は、上記上腕カフ圧制御手段60によって上腕カフ10の圧迫圧力が徐速降圧させられる過程で順次供給される上腕脈波信号SM1に基づいて上腕脈波の振幅を逐次決定するとともに、その徐速降圧過程で順次供給される上腕カフ圧信号SC1に基づいて上腕カフ圧PC1を逐次決定し、よく知られたオシロメトリック法を用いて、上腕部12における最高血圧値BPSYS、平均血圧値BPMEAN、最低血圧値BPDIAを決定し、決定した血圧値BPを測定日時とともに記憶装置46に記憶する。このようにして血圧値BPが決定されることから、本動脈硬化度評価装置8では、上腕カフ10、圧力制御弁16、圧力センサ14,空気ポンプ20、静圧弁別回路22、脈波弁別回路24、上腕カフ圧制御手段60および血圧値決定手段62等により血圧測定装置64が構成される。
【0028】
足首カフ圧制御手段66は、前記上腕カフ圧制御手段60により上腕カフ圧PC1が上腕脈波検出圧に制御されているときに、静圧弁別回路40から供給される足首カフ圧信号SC2に基づいて足首カフ圧PC2を判断しつつ、空気ポンプ38および圧力制御弁34を制御して、足首カフ圧PC2を所定の足首脈波検出圧に制御する。ここで、足首脈波検出圧とは、足首30における最低血圧値よりも低い圧力であって脈波弁別回路42により弁別される足首脈波信号SM2が十分な信号強度となるような圧力であり、たとえば、前記上腕脈波検出圧と同じ60mmHgに設定されている。
【0029】
脈波伝播速度算出手段68は、上腕カフ圧PC1が上腕脈波検出圧に制御されている状態で検出される上腕脈波(すなわち脈波弁別回路24により弁別される上腕脈波信号SM1)、および足首カフ圧PC2が足首脈波検出圧に制御されている状態で検出される足首脈波(すなわち脈波弁別回路42により弁別される足首脈波信号SM2)に基づいて脈波伝播速度PWVを算出する。すなわち、上腕カフ圧PC1が上腕脈波検出圧に制御されている状態で得られる上腕脈波において立ち上がり点やピークなどの所定部位が検出された時間と、足首カフ圧PC2が足首脈波検出圧に制御されている状態で得られる足首脈波において上記上腕脈波の所定部位に対応する部位が検出された時間との時間差を、脈波伝播時間DT(sec)として算出する。ここで算出される脈波伝播時間DTは、心臓から大動脈を経て足首カフ28が装着されている部位までを脈波が伝播する時間と、心臓から大動脈を経て上腕カフ10が装着されている部位までを脈波が伝播する時間との時間差であることから、大動脈を含む部位の脈波伝播時間DTである。
【0030】
さらに、脈波伝播速度算出手段68は、入力装置44から供給された患者の身長Tを、身長Tと距離差Lとの間の予め記憶された関係である式1に代入することにより、心臓から大動脈を経て足首カフ28が装着されている部位まで脈波が伝播する距離と、心臓から大動脈を経て上腕カフ10が装着されている部位まで脈波が伝播する距離との距離差Lを求め、さらに、得られた距離差Lと脈波伝播時間DTとを式2に代入することにより脈波伝播速度PWV(cm/sec)を算出する。そして、算出した脈波伝播速度PWVを測定日時とともに記憶装置46に記憶する。
(式1) L=aT+b
(a,bは、実験に基づいて決定された定数)
(式2) PWV=L/DT
【0031】
トレンド表示手段70は、記憶装置46に蓄積されている血圧値BPおよび脈波伝播速度PWVに基づいて、たとえば図3に示すように、患者の現在および過去の脈波伝播速度PWVおよび血圧値BPを表示器48にトレンド表示する。図3では、脈波伝播速度PWVは折れ線グラフで表示され、最高血圧値BPSYSおよび最低血圧値BPDIAは棒グラフの上端点および下端点により表示されている。
【0032】
前述のように、脈波伝播速度PWVは、動脈硬化度だけでなく血圧値BPの変化の影響も受けるので、脈波伝播速度PWVの変化に基づいて動脈硬化度の改善または悪化を評価する場合には、血圧の変化も考慮しなければならない。従って、図3に示すように、脈波伝播速度PWVの変化とともに血圧値BPの変化も示すのである。しかし、図3に示すように、同一のグラフ内ではあるが、脈波伝播速度PWVの変化と血圧値BPの変化がそれぞれ別々に示されているだけでは、経験の少ない者は、血圧値BPの考慮を忘れて脈波伝播速度PWVだけに基づいて動脈硬化度の診断をしてしまう危険性がある。図3に示す例の場合には、降圧剤の効果によって血圧が低下しているために、脈波伝播速度PWVが動脈硬化の判断基準値である1400cm/secを下まわったと判断すべきであるのだが、脈波伝播速度PWVだけに着目してしまうと、動脈硬化が改善されたと判断してしまう危険性がある。また、血圧値BPを考慮するとしても、血圧値BPの変化が脈波伝播速度PWVにどの程度影響を与えているかの判断は困難である。
【0033】
そこで、本実施例では、変化直線表示手段72により、血圧値BPの変化に対する脈波伝播速度PWVの変化を示す変化直線74を表示する。すなわち、変化直線表示手段72は、記憶装置46に記憶されている血圧値BPおよび脈波伝播速度PWVに基づいて、図4に例示するように、表示器48に脈波伝播速度軸76と最高血圧値軸78とを有する二次元グラフ80を表示するとともに、その二次元グラフ80に、所定期間における最高血圧値BPSYSの変化に対する脈波伝播速度PWVの変化を表す変化直線74を表示する。ここで、上記所定期間は、治療や生活習慣の改善などによる動脈硬化度の変化を確認するための期間であり、予め設定される。たとえば3ヶ月毎あるいは6ヶ月毎に治療や生活習慣の改善による効果を確認する場合には、上記所定期間は、3ヶ月相当の期間または6ヶ月相当の期間として、90日または180日に設定される。なお、以下の説明では、上記所定期間は90日に設定されているものとする。
【0034】
図4に示す変化直線74は、図3の2002年3月および6月における最高血圧値BPSYSおよび脈波伝播速度PWVに基づいて決定されたものであり、その変化直線74の傾きは比較的小さい。図4に示すように脈波伝播速度軸76が横軸で最高血圧値軸86が縦軸である場合、脈波伝播速度PWVに与える血圧値BPの影響が大きいほど変化直線74の傾きが小さくなり、脈波伝播速度PWVに与える血圧値BPの影響が小さいほど変化直線74の傾きが大きくなるので、図4に示す例では、血圧値BPの変化が脈波伝播速度PWVに与える影響が大きいといえる。そして、血管が硬いほど血圧値BPの変化に対する脈波伝播速度PWVの変化は少ない、逆に言えば、血管が柔らかいほど血圧値BPの変化に対する脈波伝播速度PWVの変化は大きいので、図4に示す場合には、血管が比較的柔らかいと判断できる。
【0035】
図5は、図2の機能ブロック線図に示した電子制御装置26の制御機能をフローチャートにして示す図である。なお、このフローチャートは、入力装置44から予め身長信号STが供給されていることを条件として、図示しないスタートボタンにより開始される。
【0036】
まず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1では、2つの空気ポンプ20、38を起動させ、且つ、それら2つの空気ポンプ20、38にそれぞれ接続された圧力制御弁16、34を制御することにより、上腕カフ圧PC1および足首カフ圧PC2を、予め設定された脈波検出圧(ここでは、ともに60mmHg)に制御する。
【0037】
そして、続くS2では、上腕カフ圧PC1および足首カフ圧PC2がそれぞれ脈波検出圧に制御されている状態で、脈波弁別回路24から供給される上腕脈波信号SM1および脈波弁別回路42から供給される足首脈波信号SM2を、それぞれ一拍分ずつ読み込む。
【0038】
続くS3は脈波伝播速度算出手段68に相当し、上記S2で読み込んだ一拍分の上腕脈波信号SM1および足首脈波信号SM2に基づいて脈波伝播速度PWVを算出する。すなわち、S3では、S2で読み込んだ上腕脈波信号SM1および足首脈波信号SM2がそれぞれ表す上腕脈波および足首脈波において、予め定められた所定部位(たとえば立ち上がり点)をそれぞれ決定し、上腕脈波の所定部位と足首脈波の所定部位との検出時間差を脈波伝播時間DTとして算出し、次いで、予め供給されている身長信号STが表す患者の身長Tを前記式1に代入することにより距離差Lを算出し、その脈波伝播時間DTおよび距離差Lを前記式2に代入することにより脈波伝播速度PWVを算出する。そして、算出した脈波伝播速度PWVを測定日時とともに記憶装置46に記憶する。
【0039】
続くS4では、空気ポンプ38を停止させ、且つ、圧力制御弁34を急速排圧状態とすることにより、足首カフ圧PC2を大気圧まで排圧する。本フローチャートでは、前記S1およびこのS4が足首カフ圧制御手段66に相当する。
【0040】
続くS5では、圧力制御弁16を圧力供給状態に切り替えることにより、上腕カフ圧PC1の急速昇圧を開始する。そして続くS6では、その上腕カフ圧PC1が180mmHgに設定された目標圧力値PC1Mに到達したか否かを判断する。このS6の判断が否定されるうちは、S6の判断を繰り返し実行する。一方、S6の判断が肯定された場合には、続くS7において、空気ポンプ18を停止させ、且つ、圧力制御弁16を徐速排圧状態に切り替えることにより、上腕カフ圧PC1の3mmHg/sec程度での徐速降圧を開始する。
【0041】
続いて血圧値決定手段62に相当するS8乃至S10を実行する。S8では、上腕カフ圧PC1の徐速降圧過程で逐次得られる上腕脈波信号SM1が表す上腕脈波の振幅の変化に基づいて最高血圧値BPSYS、平均血圧値BPMEAN、および最低血圧値BPDIAを決定するための、良く知られたオシロメトリック方式の血圧測定アルゴリズムを実行する。続くS9では、上記S8において血圧値BPの決定が完了したか否かを判断する。このS9の判断が否定された場合には、S8の血圧測定アルゴリズムを継続するが、肯定された場合には、続くS10において、S8乃至S9の繰り返しにより決定した最高血圧値BPSYS、平均血圧値BPMEAN、および最低血圧値BPDIAを測定日時とともに記憶装置48に記憶する。
【0042】
そして、続くS11では、空気ポンプ20を停止させ、且つ、圧力制御弁16を急速排圧状態とすることにより、上腕カフ圧PC1を大気圧まで排圧する。本フローチャートでは、前記S1、S5乃至S7およびこのS11が上腕カフ圧制御手段60に相当する。
【0043】
続くS12はトレンド表示手段70に相当し、記憶装置46に記憶されている過去の血圧値BP、脈波伝播速度PWV、および上記S3、S10で記憶装置46に記憶した今回の血圧値BP、脈波伝播速度PWVを、前述の図3に示すようにトレンド表示する。
【0044】
続くS13は変化直線表示手段72に相当し、記憶装置46に記憶されている90日前の脈波伝播速度PWVおよび最高血圧値BPSYSと、今回測定した脈波伝播速度PWVおよび最高血圧値BPSYSとに基づいて、図4に示すように、脈波伝播速度軸76と最高血圧値軸78とを有する二次元グラフ80に、90日間の最高血圧値BPSYSの変化に対する脈波伝播速度PWVの変化を表す変化直線74を表示する。
【0045】
上述の実施例によれば、この動脈硬化評価装置8を定期的(たとえば1ヶ月毎など)に使用すると、血圧測定装置64により測定された血圧値BPと、脈波伝播速度算出手段68(S3)により、その血圧値BPが測定されるのと略同時に検出された脈波に基づいて算出された脈波伝播速度PWVとが、記憶装置46に蓄積され、記憶装置46に蓄積された血圧値BPと脈波伝播速度PWVに基づいて、表示器48に、90日間の最高血圧値BPSYSの変化に対する脈波伝播速度PWVの変化を表す変化直線74が表示されるので、たとえば、変化直線74の傾きが大きい場合には動脈硬化が進行していると判断できるなど、表示器48に表示された変化直線74から、患者の動脈硬化度を評価することができ、前述の関係線を使用しないことから、各患者の血圧値BPと脈波伝播速度PWVとの関係がどのような関係であるかに拘わらず、精度良く動脈硬化度を評価することができる。
【0046】
また、上述の実施例によれば、表示器48に表示される変化直線74の傾きが、最高血圧値BPSYSの変化に対する脈波伝播速度PWVの変化を示しているので、その傾きの大小から患者の動脈硬化度を容易に評価することができる。
【0047】
また、上述の実施例によれば、脈波伝播速度算出手段68(S3)により算出される脈波伝播速度PWVは大動脈を含む部位の脈波伝播速度PWVであることから、表示器48には、90日間の最高血圧値BPSYSの変化に対する大動脈を含む部位の脈波伝播速度PWVの変化を表す変化直線74が表示され、大動脈を含む部位の脈波伝播速度PWVは心血管疾患に対する優れた予測指標であることから、変化直線74に基づいて心血管疾患に対する危険性を精度よく診断することができる。
【0048】
次に、本発明の第2実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と同一の構成を有する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
第2実施例の動脈硬化評価装置が前述の第1実施例の動脈硬化評価装置8とことなる点は、電子制御装置26の制御機能のみである。図6は、第2実施例の動脈硬化評価装置における電子制御装置26の制御機能の要部を示す機能ブロック線図である。
【0050】
図6の機能ブロック線図において、前述の図2の機能ブロック線図と異なる点は、変化直線表示手段72に代えて変化率表示手段82が設けられていること、および、平均脈波伝播速度表示手段84が設けられていることのみである。
【0051】
変化量比表示手段82は、記憶装置46に記憶されている血圧値BPおよび脈波伝播速度PWVに基づいて、所定期間における血圧値BPの変化量すなわち血圧変化量ΔBPおよびその所定期間における脈波伝播速度PWVの変化量すなわち脈波伝播速度変化量ΔPWVを算出し、さらに、血圧変化量ΔBPと脈波伝播速度変化量ΔPWVとの比すなわち変化量比を算出して、その変化量比を表示器48に表示する。ここで、上記所定期間は、前述の実施例の変化直線表示手段72における所定期間と同じである。また、変化量比は、血圧変化量ΔBPと脈波伝播速度変化量ΔPWVのどちらが分母であってもよい。すなわち、変化量比はΔBP/ΔPWVおよびΔPWV/ΔBPのいずれであってもよいが、本実施例では、ΔPWV/ΔBPとする。また、血圧値BPは、最高血圧値BPSYS、平均血圧値BPMEAN、最低血圧値BPDIAのいずれであってもよいが、本実施例では最高血圧値BPSYSとする。この変化量比ΔPWV/ΔBPは、前述の実施例における変化直線74の傾きの逆数に相当するものであることから、変化量比ΔPWV/ΔBPは動脈硬化の程度を表し、変化量比ΔPWV/ΔBPが小さいほど動脈硬化が進行しており、変化量比ΔPWV/ΔBPが大きいほど動脈硬化が少ないといえる。
【0052】
平均脈波伝播速度表示手段84は、記憶装置46に記憶されている脈波伝播速度PWVに基づいて、上記変化量比表示手段82の所定期間における脈波伝播速度PWVの平均値すなわち平均脈波伝播速度PWVAVを算出し、その平均脈波伝播速度PWVAVを表示器48に表示するとともに、上記所定期間の脈波伝播速度PWVの最小値PWVMINおよび最大値PWVMAXを決定して、その最小値PWVMINおよび最大値PWVMAXも表示器48に表示する。
【0053】
図7は、記憶装置46に記憶されている血圧値BPおよび脈波伝播速度PWVのうち、前述の図3に示されている2002年3月から6月までの血圧値BPおよび脈波伝播速度PWVに基づいて、変化量表示手段82および平均脈波伝播速度表示手段84により表示器48に表示される表示例を示す図である。図7では、円グラフにより平均脈波伝播速度PWVAVおよび脈波伝播速度PWVの最大値すなわちPWVMAX、最小値PWVMINが示されており、円グラフ内に、変化量比ΔPWV/ΔBPが示されている。
【0054】
上述の実施例によれば、この動脈硬化評価装置8を定期的(たとえば1ヶ月毎など)に使用すると、血圧測定装置64により測定された血圧値BPと、脈波伝播速度算出手段68により、その血圧値BPが測定されるのと略同時に検出された脈波に基づいて算出された脈波伝播速度PWVとが、記憶装置46に蓄積され、記憶装置46に蓄積された血圧値BPと脈波伝播速度PWVに基づいて、表示器48に、所定期間の最高血圧値BPSYSの変化に対する脈波伝播速度PWVの変化を表す変化量比ΔPWV/ΔBPが表示されるので、変化量比ΔPWV/ΔBPが小さい場合には動脈硬化が進行していると判断できるなど、表示器48に表示された変化量比ΔPWV/ΔBPから、患者の動脈硬化度を評価することができ、前述の関係線を使用しないことから、各患者の血圧値BPと脈波伝播速度PWVとの関係がどのような関係であるかに拘わらず、精度良く動脈硬化度を評価することができる。
【0055】
また、上述の実施例によれば、表示器48に表示される変化量比ΔPWV/ΔBPが、最高血圧値BPSYSの変化に対する脈波伝播速度PWVの変化を示しているので、その変化量比ΔPWV/ΔBPの大小から患者の動脈硬化度を容易に評価することができる。
【0056】
また、上述の実施例によれば、表示器48には、所定期間の平均脈波伝播速度PWVAVがさらに表示されるので、その平均脈波伝播速度PWVAVに基づいてより信頼性のある診断が可能となる。
【0057】
また、上述の実施例によれば、脈波伝播速度算出手段68により算出される脈波伝播速度PWVは大動脈を含む部位の脈波伝播速度PWVであることから、表示器48には、所定期間の最高血圧値BPSYSの変化に対する大動脈を含む部位の脈波伝播速度PWVの変化を表す変化量比ΔPWV/ΔBPが表示され、大動脈を含む部位の脈波伝播速度PWVは心血管疾患に対する優れた予測指標であることから、変化量比ΔPWV/ΔBPに基づいて心血管疾患に対する危険性を精度よく診断することができる。
【0058】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は他の態様においても適用される。
【0059】
たとえば、前述の動脈硬化度評価装置8は、上腕部12に装着された上腕カフ10内の圧力変化に基づいて血圧値BPを決定していたが、足首30に装着された足首カフ28内の圧力変化に基づいて血圧値BPを決定してもよいし、上腕部12および足首30以外の他の部位(たとえば大腿部)にカフが装着され、そのカフ内の圧力変化に基づいて血圧値BPを決定するものであってもよい。
【0060】
また、前述の実施例では、動脈硬化度評価装置8により、1ヶ月などの定期的に血圧値および脈波伝播速度PWVを測定し、その測定値に基づいて、血圧値の経日変化に対する脈波伝播速度PWVの経日変化を決定していたが、運動負荷、投薬、室温の変化などによって患者の血圧を短時間の間に比較的大きく変化させ、その血圧変化期間に血圧値および脈波伝播速度を逐次測定して、短時間における、血圧値の変化に対する脈波伝播速度PWVの変化を決定する場合に、前述の実施例の動脈硬化度評価装置8を使用してもよい。
【0061】
また、前述の第2実施例では、平均脈波伝播速度PWVAV、脈波伝播速度の最大値PWVMAX、最小値PWVMINは円グラフによって示されていたが、図8に示すように、帯グラフによってそれらが示されてもよい。なお、図8では、治療開始から3ヶ月間、次の3ヶ月間(すなわち治療開始後3ヶ月から6ヶ月)、およびさらにその次の3ヶ月間(すなわち治療開始後6ヶ月から9ヶ月)のそれぞれの平均脈波伝播速度PWVAVが示されている。このように所定期間毎の平均脈波伝播速度PWVAVが示されると、測定毎のばらつきの影響が少なくなって、脈波伝播速度PWVの変化傾向を正確に知ることができる。
【0062】
また、前述の図4の二次元グラフ80は、脈波伝播速度軸76が横軸で最高血圧値軸78が縦軸であったが、縦軸が脈波伝播速度軸76であり、横軸が最高血圧値軸78であってもよい。
【0063】
また、前述の第1実施例の変化直線表示手段72では、血圧値BPとして最高血圧値BPSYSを用いていたが、最高血圧値BPSYSに代えて平均血圧値BPMEANや最低血圧値BPDIAを用いてもよい。
【0064】
また、前述の平均脈波伝播速度表示手段84は、平均脈波伝播速度PWVAVに加えて、脈波伝播速度PWVの最大値PWVMAXおよび最小値PWVMINも表示していたが、平均脈波伝播速度PWVAVだけを表示するようになっていてもよい。
【0065】
また、前述の動脈硬化度評価装置8では、上腕部12および足首30にカフ10,30をそれぞれ装着し、上腕部12および足首30の2部位において得られる脈波に基づいて脈波伝播速度PWVを算出しているが、心臓、首部、手首、指先等、他の部位において得られる信号に基づいて脈波伝播速度PWVを算出してもよい。
【0066】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された動脈硬化度評価装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】図1の電子制御装置の制御機能の要部を示す機能ブロック線図である。
【図3】図2のトレンド表示手段により表示器に表示される現在および過去の脈波伝播速度および血圧値のトレンドの一例を示す図である。
【図4】図2の変化直線表示手段72により表示される二次元グラフおよび変化直線の一例を示す図である。
【図5】図2の機能ブロック線図に示した電子制御装置の制御機能をフローチャートにして示す図である。
【図6】第2実施例の動脈硬化評価装置における電子制御装置の制御機能の要部を示す機能ブロック線図である。
【図7】図6の変化量表示手段および平均脈波伝播速度表示手段により表示器に表示される表示例を示す図である。
【図8】図6の平均脈波伝播速度表示手段により表示器に表示される表示例であって、図7とは別の例を示す図である。
【図9】補正脈波伝播速度を決定するために、最低血圧値と脈波伝播速度との関係を模式化した計算図表である。
【符号の説明】
8:動脈硬化度評価装置
46:記憶装置
48:表示器(出力装置)
64:血圧測定装置
68:脈波伝播速度算出手段
72:変化直線表示手段
74:変化直線
80:二次元グラフ
Claims (6)
- 生体の血圧値を測定する血圧測定装置と、
該血圧測定装置による血圧測定と略同時に前記生体から検出される脈波に基づいて、該生体の動脈内を脈波が伝播する速度に関連する脈波伝播速度情報を算出する脈波伝播速度情報算出手段と、
該血圧測定装置によって測定された血圧値と該脈波伝播速度情報算出手段によって算出された脈波伝播速度情報とを蓄積する記憶装置と、
該記憶装置に蓄積された血圧値および脈波伝播速度情報に基づいて、前記生体の血圧値の経日変化に対する脈波伝播速度情報の経日変化を出力する出力装置と
を含むことを特徴とする動脈硬化度評価装置。 - 生体の血圧値を測定する血圧測定装置と、
該血圧測定装置による血圧測定と略同時に前記生体から検出される脈波に基づいて、該生体の動脈内を脈波が伝播する速度に関連する脈波伝播速度情報を算出する脈波伝播速度情報算出手段と、
該血圧測定装置によって測定された血圧値と該脈波伝播速度情報算出手段によって算出された脈波伝播速度情報とを蓄積する記憶装置と、
前記血圧値を変量とする血圧値軸と前記脈波伝播速度情報を変量とする脈波伝播速度情報軸とからなる二次元グラフを出力し、該二次元グラフに、前記記憶装置に蓄積された血圧値および脈波伝播速度情報に基づいて、所定期間の血圧値の変化に対する脈波伝播速度情報の変化を表す変化直線を出力する出力装置と
を含むことを特徴とする動脈硬化度評価装置。 - 前記出力装置に出力される変化直線は、前記所定期間の始期において前記血圧測定装置によって測定された血圧値および前記脈波伝播速度情報算出手段によって算出された脈波伝播速度情報によって定まる点と、該所定期間の終期において前記血圧測定装置によって測定された血圧値および前記脈波伝播速度情報算出手段によって算出された脈波伝播速度情報によって定まる点とを結ぶ直線であることを特徴とする請求項2に記載の動脈硬化度評価装置。
- 生体の血圧値を測定する血圧測定装置と、
該血圧測定装置による血圧測定と略同時に前記生体から検出される脈波に基づいて、該生体の動脈内を脈波が伝播する速度に関連する脈波伝播速度情報を算出する脈波伝播速度情報算出手段と、
該血圧測定装置によって測定された血圧値と該脈波伝播速度情報算出手段によって算出された脈波伝播速度情報とを蓄積する記憶装置と、
該記憶装置に蓄積された血圧値および脈波伝播速度情報に基づいて、前記血圧測定装置によって測定された血圧値の所定期間の変化量と、前記脈波伝播速度情報算出手段によって算出された脈波伝播速度情報の該所定期間の変化量との比を出力する出力装置と
を含むことを特徴とする動脈硬化度評価装置。 - 前記出力装置は、前記所定期間の脈波伝播速度情報の平均値を、さらに出力するものであることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の動脈硬化度評価装置。
- 前記脈波伝播速度情報算出手段は、前記生体の大動脈を含む部位における脈波伝播速度情報を算出するものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の動脈硬化度評価装置。
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