JP4812807B2 - タンパク質含有水溶液安定化剤及びタンパク質含有水溶液の安定化方法 - Google Patents
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Description
製造工程及び保存期間中において、安定してタンパク質を取り出し精製するための一つの方法として凍結乾燥が一般的に行われている。タンパク質の多くは熱によって失活しやすい性質を有するが、凍結乾燥法では、熱をかけずにタンパク質を安定化することができる。
しかしながら、凍結乾燥法は、脱水により変性するタンパク質には使用できないこと、凍結乾燥工程中に吸湿や酸化による変質が起こりやすいこと等の難点がある。また、凍結乾燥製剤は使用時に溶媒(溶解液)に溶解して用いられるため、溶媒(溶解液)と組み合わせて供給される場合、試薬をその都度に必要量を調製しなければならないという煩雑さの問題がある。
このような理由からタンパク質を水溶液中で安定化させる技術が公開されている。たとえば、ウレアーゼパーオキシターゼの水溶液の安定化剤として、グリセリンなどの多価 アルコールを含有させたり(たとえば、特許文献1)、コレステロールオキシターゼを含む水溶液に、牛血清アルブミンやグルコース等の糖類あるいはリジン等のアミノ酸を添加する(たとえば、特許文献2)等が挙げられる。
しかし、これらはいずれも特定のタンパク質を安定化させるための方法であり汎用性があるとは言いがたく、タンパク質全般に適用して活性を長期間維持できる汎用的な安定化剤及び安定化方法はなかった。
すなわち、本発明は、リゾチームを含んでなる水溶液の安定化剤であって、下記一般式(1)で表される化合物(A)及び/又はその塩酸塩(B)を含んでなるリゾチーム含有水溶液の安定化剤;その安定化剤でリゾチームの水溶液を安定化する方法;安定化剤で安定化されたリゾチーム水溶液である。
このα−アミノ酸としては、特に限定されるものではなく、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、セリン、スレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸及びグルタミン酸などが挙げられる。力価の保持率の観点から、好ましくはアルギニン、ヒスチジン、リシン、アスパラギン及びグルタミンであり、さらに好ましくはアルギニンである。
直鎖の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基、パルミチル基、ステアリル基、オレイル基及びベヘニル基等が挙げられる。
分岐の脂肪族炭化水素基としては、イソプロピル基、ターシャリーブチル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基及びメチルベンジル基等が挙げられる。
これらの炭化水素基のうち、タンパク質含有水溶液の安定化の観点から、直鎖の脂肪族炭化水素基が好ましく、さらに好ましくはメチル基及びエチル基、最も好ましくはエチル基である。
糖としては、グルコース、スクロース、ソルビトール、マンニトール及びトレハロース等が挙げられる。
上記一般式(4)で表されるN−アルカノイルアミド基(Y1)において、R4は水素原子又は炭素数1〜36の炭化水素基を表し、これらの炭化水素基はR2と同様に、その一部が他の官能基に置換されていてもよい。
また、α−アミノ酸の側鎖に酸性のイオン性基を含有する場合は、化合物(A)の無機塩基塩又は有機塩基塩であってもよい。
有機酸としては、1価の有機酸(例えば乳酸、酢酸及び蟻酸等)、2価の有機酸(例えばアジピン酸及びフタル酸等)及び3価以上の有機酸(例えばクエン酸、トリメリット酸及びピロメリット酸等)等が挙げられる。
無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化アンモニウム等が挙げられる。
有機塩基としては、1価のアミン(例えばメチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、エタノールアミン及びジエタノールアミン等)、2価のアミン(例えばエチレンジアミン等)及び3価以上のアミン(例えばジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラアミン等)等が挙げられる。
緩衝剤としては、公知(特開平08−187095号公報等に記載)の緩衝剤を使用できる。多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール及び公知(特開平08−187095号公報等に記載)の糖類を使用できる。
分離精製工程で分離された酵素の安定化水溶液を作成する場合の一例を以下に挙げる。
1.化合物(A)及び/又はその塩(B)又は本発明の安定化剤を水に加え、水溶液を作製する。
2.分離精製後の酵素水溶液を上記水溶液に加える。
3.常温(10〜25℃)もしくは冷蔵(4℃〜10℃程度)で密封保存する。
加水分解酵素としては、リゾチーム、プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、グルコアミラーゼなどが挙げられる。
異性化酵素としては、グルコースイソメラーゼが挙げられる。
酸化還元酵素としては、ペルオキシダーゼなどが挙げられる。
転移酵素としては、アシルトランスフェラーゼ、スルホトランスフェラーゼなどが挙げられる。
合成酵素としては、脂肪酸シンターゼ、リン酸シンターゼ、クエン酸シンターゼなどが挙げられる。
脱離酵素としては、ペクチンリアーゼなどが挙げられる。
タンパク製剤としては、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターロイキン1〜12、成長ホルモン、エリスロポエチン、インスリン、顆粒状コロニー刺激因子(G−CSF)、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)、ナトリウム利尿ペプチド、血液凝固第VIII因子、ソマトメジン、グルカゴン、成長ホルモン放出因子、血清アルブミン、カルシトニン等が挙げられる。
ワクチンとしては、A型肝炎ワクチン、B型肝炎ワクチン、C型肝炎ワクチン及びインフルエンザワクチン等が挙げられる。
ホルモンとしては甲状腺刺激ホルモン及び黄体形成ホルモン等が挙げられる。
い。なお、以下の記載において、実施例19〜38はそれぞれ参考例1〜20である。
実施例1 (N−アセチルアルギニン−エチルエステルの合成)
200mLコルベンにN−アセチルアルギニン(エムピー・バイオ社製)12.6g(
0.05モル)に、触媒としてメタンスルホン酸1.0gと、エタノール92.0g(2
.0モル)を加え、80℃で5時間加熱攪拌して反応させた。エバポレーターで濃縮後、
水から再結晶して0.2Torrで3時間減圧乾燥し、N−アセチルアルギニン−エチル
エステル8.7g(収率72%)を得た。核磁気共鳴スペクトル(NMR)で測定した純
度は99%であった。
実施例1において、エタノールをメタノール6.4g(2.0モル)に変更する以外は実施例1と同様におこない、N−アセチルアルギニン−メチルエステル8.2g(収率75%)を得た。純度は99%であった。
200mLコルベンにN−アセチルアルギニン(エムピー・バイオ社製)12.6g(0.05モル)に、触媒として濃塩酸10gを加えて撹拌し、均一化した。ここでN−メチルアミン62g(2.0モル)を加え、60℃で3時間加熱攪拌して反応させた。エバポレーターで濃縮後、水から再結晶して0.2Torrで3時間減圧乾燥し、N−アセチルアルギニン−メチルアミド7.4g(収率68%)を得た。核磁気共鳴スペクトル(NMR)で測定した純度は99%であった
200mLコルベンにアルギニン(和光純薬製)8.1g(0.05モル)に、触媒として濃塩酸1.0gと、アセトン116g(2.0モル)を加え、60℃で3時間加熱攪拌して反応させた。エバポレーターで濃縮後、水から再結晶して0.2Torrで3時間減圧乾燥し、N−ジメチルイミノアルギニン8.2g(収率81%)を得た。その後、N−ジメチルイミノアルギニン6.1g(0.03モル)に、触媒としてメタンスルホン酸1.0gと、エタノール92g(2.0モル)を加え、80℃で5時間加熱攪拌して反応させた。エバポレーターで濃縮後、水から再結晶して0.2Torrで3時間減圧乾燥し、N−ジメチルイミノアルギニン−エチルエステル5.5g(収率80%)を得た。核磁気共鳴スペクトル(NMR)で測定した純度は99%であった。
200mLコルベンにN−ジメチルイミノアルギニン10.1g(0.05モル)に、触媒として濃塩酸10gを加えて撹拌し、均一化した。ここでN−メチルアミン62g(2.0モル)を加え、60℃で3時間加熱攪拌して反応させた。エバポレーターで濃縮後、水から再結晶して0.2Torrで3時間減圧乾燥し、N−ジメチルイミノアルギニン−メチルアミド7.1g(収率66%)を得た。核磁気共鳴スペクトル(NMR)で測定した純度は99%であった
200mLコルベンにヒスチジン(和光純薬製)7.8g(0.05モル)に、触媒として酢酸70gと、無水酢酸30.6g(0.3モル)を加え、105℃で3時間加熱攪拌して反応させた。エバポレーターで濃縮後、水から再結晶して0.2Torrで3時間減圧乾燥し、N−アセチルヒスチジン7.1g(収率72%)を得た。その後、N−アセチルヒスチジン5.9g(0.03モル)に、触媒としてメタンスルホン酸1.0gと、エタノール92g(2.0モル)を加え、80℃で5時間加熱攪拌して反応させた。エバポレーターで濃縮後、水から再結晶して0.2Torrで3時間減圧乾燥し、N−アセチルヒスチジン−エチルエステル5.4g(収率76%)を得た。核磁気共鳴スペクトル(NMR)で測定した純度は99%であった。
200mLコルベンにリシン(和光純薬製)7.3g(0.05モル)に、触媒として酢酸70gと、無水酢酸30.6g(0.3モル)を加え、105℃で3時間加熱攪拌して反応させた。エバポレーターで濃縮後、水から再結晶して0.2Torrで3時間減圧乾燥し、N−アセチルリシン7.6g(収率81%)を得た。その後、N−アセチルリシン5.6g(0.03モル)に、触媒としてメタンスルホン酸1.0gと、エタノール92g(2.0モル)を加え、80℃で5時間加熱攪拌して反応させた。エバポレーターで濃縮後、水から再結晶して0.2Torrで3時間減圧乾燥し、N−アセチルリシン−エチルエステル5.3g(収率78%)を得た。核磁気共鳴スペクトル(NMR)で測定した純度は99%であった。
200mLコルベンにN−アセチルアルギニン−エチルエステル12.1g(0.05モル)にイオン水100gを加え溶解させ、35wt%濃塩酸21g(0.2モル)を加えて、30分撹拌した。エバポレーターで濃縮後、水から再結晶して0.2Torrで3時間減圧乾燥し、N−アセチルアルギニン−エチルエステル・塩酸塩12.6g(収率90%)を得た。核磁気共鳴スペクトル(NMR)で測定した純度は99%であった。
リゾチーム(市販品「リゾチーム」和光純薬製、力価20,000units/mg)10mgを50mMリン酸緩衝液(pH=7)0.9mLに溶解させ、さらに、予め実施例1のN−アセチルアルギニンエチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液0.1mLを加え、1分間かき混ぜ本発明のタンパク質含有水溶液(R−1)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に1.0重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.041mol/Lであった。
この(R−1)の酵素活性(力価)を後述の方法で測定した。
実施例9において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例2のN−アセチルアルギニン−メチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルアルギニン−メチルエステル水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、本発明のリゾチーム含有水溶液(R−2)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に1.0重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−メチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.046mol/Lであった。
実施例9において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例3のN−アセチルアルギニン−メチルアミド1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルアルギニン−メチルアミド水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、本発明のリゾチーム含有水溶液(R−3)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に1.0重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−メチルアミドの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.046mol/Lであった。
実施例9において、10%重量N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例4のN−ジメチルイミノアルギニン−エチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−メチルイミノアルギニン−エチルエステル水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、本発明のリゾチーム含有水溶液(R−4)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に1.0重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−ジメチルイミノアルギニン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.043mol/Lであった。
実施例9において、10%重量N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例5のN−ジメチルイミノアルギニン−メチルアミド1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−ジメチルイミノアルギニン−メチルアミド水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、本発明のリゾチーム含有水溶液(R−5)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に1.0重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−ジメチルイミノアルギニン−メチルアミドの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.047mol/Lであった。
実施例9において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例6のN−アセチルヒスチジン−エチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルヒスチジン−エチルエステル水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、本発明のリゾチーム含有水溶液(R−6)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に1.0重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルヒスチジン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.043mol/Lであった。
実施例9において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例7のN−アセチルリシン−エチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルリシン−エチルエステル水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、本発明のリゾチーム含有水溶液(R−7)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に1.0重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルリシン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.044mol/Lであった。
実施例9において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例8のN−アセチルアルギニン−エチルエステル・塩酸塩1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル・塩酸塩水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、本発明のリゾチーム含有水溶液(R−8)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に1.0重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−エチルエステル・塩酸塩の濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.036mol/Lであった。
実施例9において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例1のN−アセチルアルギニン−エチルエステル0.1gをイオン交換水49.9gに撹拌混合して溶解させておいた0.2重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、本発明のリゾチーム含有水溶液(R−9)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に1.0重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.001mol/Lであった。
実施例9において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、実施例1のN−アセチルアルギニン−エチルエステル1.21gをそのまま使用する以外は実施例9と同様に行い、本発明のリゾチーム含有水溶液(R−10)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に1.0重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.50mol/Lであった。
実施例9において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させた牛血清アルブミン(和光純薬製)の水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、リゾチーム含有水溶液(R’−1)を得た。
実施例9において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させたグルコース(和光純薬製)の水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、リゾチーム含有水溶液(R’−2)を得た。
実施例9において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させたグリセリン(和光純薬製)の水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、リゾチーム含有水溶液(R’−3)を得た。
実施例9において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させたアルギニン・塩酸塩(和光純薬製)の水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、リゾチーム含有水溶液(R’−4)を得た。
実施例9において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させたアルギニンエチルエステル(エムピーバイオ社製)の水溶液0.1mLを使用する以外は実施例9と同様に行い、リゾチーム含有水溶液(R’−5)を得た。
実施例9〜18及び比較例1〜5で得られたリゾチーム含有水溶液(R−1)〜(R−10)及び(R’−1)〜(R’−5)が入った容積1.5mLのエッペンドルフチューブを80℃に温調した振とう器付き恒温槽で30分インキュベートし、各溶液50μLを、2%枯草菌懸濁液(20%枯草菌懸濁液2mlに50mMリン酸緩衝液18mLを加えて前もって調製したもの)1mLと50mMリン酸緩衝液2mLとが入った試験管に加えた。加えた直後の450nmにおける吸光度(A0)を分光光度計(島津製作所製、UV−2550)で測定し、さらに測定開始から5分後にもう一度吸光度(A5)を測定し、これらの450nmにおける5分間の吸光度変化(ΔA)を以下の式で算出した。
ΔA=A5−A0
ΔAb=Ab5−Ab0
遺伝子組換えインターフェロンβ(和光純薬工業製、マウス由来)100μgをイオン水100μLに溶解させ、この水溶液100μLに、予め実施例1のN−アセチルアルギニン−エチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液10μLを加えて軽く振り混ぜて均一化し本発明のインターフェロンβ水溶液(I−1)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.038mol/Lであった。
この(I−1)の活性(力価)を後述の方法で測定した。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例2のN−アセチルアルギニン−メチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルアルギニン−メチルエステル水溶液10μLを使用する以外は実施例19と同様に行い、本発明のインターフェロンβ水溶液(I−2)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−メチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.042mol/Lであった。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例3のN−アセチルアルギニン−メチルアミド1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルアルギニン−メチルアミド水溶液10μLを使用する以外は実施例19と同様に行い、本発明のインターフェロンβ水溶液(I−3)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−メチルアミドの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.042mol/Lであった。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例4のN−ジメチルイミノアルギニン−エチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−ジメチルイミノアルギニン−エチルエステル水溶液10μLを使用する以外は実施例19と同様に行い、本発明のインターフェロンβ水溶液(I−4)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−ジメチルイミノアルギニン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.040mol/Lであった。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例5のN−ジメチルイミノアルギニン−メチルアミド1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−ジメチルイミノアルギニン−メチルアミド水溶液10μLを使用する以外は実施例19と同様に行い、本発明のインターフェロンβ水溶液(I−5)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−ジメチルイミノアルギニン−メチルアミドの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.042mol/Lであった。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例6のN−アセチルヒスチジン−エチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルヒスチジン−エチルエステル水溶液10μLを使用する以外は実施例19と同様に行い、本発明のインターフェロンβ水溶液(I−6)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルヒスチジン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.039mol/Lであった。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例7のN−アセチルリシン−エチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルリシン−エチルエステル水溶液10μLを使用する以外は実施例19と同様に行い、本発明のインターフェロンβ水溶液(I−7)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルリシン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.040mol/Lであった。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例8のN−アセチルアルギニン−エチルエステル・塩酸塩1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル・塩酸塩水溶液10μLを使用する以外は実施例19と同様に行い、本発明のインターフェロンβ水溶液(I−8)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−エチルエステル・塩酸塩の濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.033mol/Lであった。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例1のN−アセチルアルギニン−エチルエステル0.1gをイオン交換水49.9gに撹拌混合して溶解させておいた0.2重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液0.1mLを使用する以外は実施例19と同様に行い、本発明のインターフェロンβ水溶液(I−9)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.001mol/Lであった。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、実施例1のN−アセチルアルギニン−エチルエステル1.21gをそのまま使用する以外は実施例19と同様に行い、本発明のインターフェロンβ水溶液(I−10)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.50mol/Lであった。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させた牛血清アルブミン(和光純薬製)の水溶液0.1mLを使用する以外は実施例19と同様に行い、インターフェロンβ水溶液(I’−1)を得た。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させたグルコース(和光純薬製)の水溶液0.1mLを使用する以外は実施例19と同様に行い、インターフェロンβ水溶液(I’−2)を得た。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させたグリセリン(和光純薬製)の水溶液0.1mLを使用する以外は実施例19と同様に行い、インターフェロンβ水溶液(I’−3)を得た。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させたアルギニン・塩酸塩(和光純薬製)の水溶液0.1mLを使用する以外は実施例19と同様に行い、インターフェロンβ水溶液(I’−4)を得た。
実施例19において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させたアルギニンエチルエステル(エムピーバイオ社製)の水溶液0.1mLを使用する以外は実施例19と同様に行い、インターフェロンβ水溶液(I’−5)を得た。
実施例19〜28及び比較例6〜10で得られたインターフェロン水溶液(I−1)〜(I−10)及び(I’−1)〜(I’−5)を恒温槽中で37℃、3時間インキュベートし、この水溶液50μLを、インターフェロンβ ELISAキット(「インターフェロンβ ELISAキット」、鎌倉テクノサイエンス社製)を用いて、力価を測定した。力価はインターフェロンに作用する酵素標識抗インターフェロンモノクローナル抗体の酵素活性で評価した。酵素活性はキットに添付の説明書に従い、分光光度計で吸光度読み取り検量線を作成し、検量線から各サンプルの力価を算出した。
また、インターフェロン水溶液(I−1)〜(I−10)及び(I’−1)〜(I’−5)を恒温槽でインキュベートする前に上記と同様に測定し、別途力価を算出した。
力価の保持率は、以下の式で計算した。
力価の保持率=(インキュベート後の力価)/(インキュベート前の力価)×100
西洋ワサビ由来ペルオキシターゼ標識抗ヒトインターフェロンβマウスモノクローナル抗体溶液(鎌倉テクノサイエンス社製100μLに、予め実施例1のN−アセチルアルギニン−エチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液を10μLを加えて軽く振り混ぜて均一化して本発明のモノクローナル抗体水溶液(M−1)を得た。
この(M−1)の活性(力価)を後述の方法で測定した。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.038mol/Lであった。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例2のN−アセチルアルギニン−メチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルアルギニン−メチルエステル水溶液10μLを使用する以外は実施例29と同様に行い、本発明のモノクローナル抗体水溶液(M−2)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−メチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.042mol/Lであった。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例3のN−アセチルアルギニン−メチルアミド1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルアルギニン−メチルアミド水溶液10μLを使用する以外は実施例29と同様に行い、本発明のモノクローナル抗体水溶液(M−3)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−メチルアミドの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.042mol/Lであった。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例4のN−ジメチルイミノアルギニン−エチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−ジメチルイミノアルギニン−エチルエステル水溶液10μLを使用する以外は実施例29と同様に行い、本発明のモノクローナル抗体水溶液(M−4)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中の N−ジメチルイミノアルギニン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.040mol/Lであった。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例5のN−ジメチルイミノアルギニン−メチルアミド1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−ジメチルイミノアルギニン−メチルアミド水溶液10μLを使用する以外は実施例29と同様に行い、本発明のモノクローナル抗体水溶液(M−5)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−ジメチルイミノアルギニン−メチルアミドの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.042mol/Lであった。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例6のN−アセチルヒスチジン−エチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルヒスチジン−エチルエステル水溶液10μLを使用する以外は実施例29と同様に行い、本発明のモノクローナル抗体水溶液(M−6)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中の N−アセチルヒスチジン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.039mol/Lであった。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例7のN−アセチルリシン−エチルエステル1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルリシン−エチルエステル水溶液10μLを使用する以外は実施例29と同様に行い、本発明のモノクローナル抗体水溶液(M−7)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルリシン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.040mol/Lであった。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例8のN−アセチルアルギニン−エチルエステル・塩酸塩1gをイオン交換水9gに撹拌混合して溶解させておいた10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル・塩酸塩水溶液10μLを使用する以外は実施例29と同様に行い、本発明のモノクローナル抗体水溶液(M−8)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−エチルエステル・塩酸塩の濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.033mol/Lであった。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、予め実施例1のN−アセチルアルギニン−エチルエステル0.1gをイオン交換水49.9gに撹拌混合して溶解させておいた0.2重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液0.1mLを使用する以外は実施例29と同様に行い、本発明のモノクローナル抗体水溶液(M−9)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.001mol/Lであった。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、実施例1のN−アセチルアルギニン−エチルエステル1.21gをそのまま使用する以外は実施例29と同様に行い、本発明のモノクローナル抗体水溶液(M−10)を得た。
得られたタンパク質含有水溶液中のタンパク質濃度は、タンパク質含有水溶液の重量を基準に0.091重量%であった。
得られたタンパク質含有水溶液中のN−アセチルアルギニン−エチルエステルの濃度は、タンパク質含有水溶液の体積を基準に0.50mol/Lであった。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させた牛血清アルブミン(和光純薬製)の水溶液10μLを使用する以外は実施例29と同様に行い、モノクローナル抗体水溶液(M’−1)を得た。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させたグルコース(和光純薬製)の水溶液10μLを使用する以外は実施例29と同様に行い、モノクローナル抗体水溶液(M’−2)を得た。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させたグリセリン(和光純薬製)の水溶液10μLを使用する以外は実施例29と同様に行い、モノクローナル抗体水溶液(M’−3)を得た。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させたアルギニン・塩酸塩(和光純薬製)の水溶液10μLを使用する以外は実施例29と同様に行い、モノクローナル抗体水溶液(M’−4)を得た。
実施例29において、10重量%N−アセチルアルギニン−エチルエステル水溶液の代わりに、10重量%となるようにイオン交換水で予め溶解させたアルギニンエチルエステル(エムピーバイオ社製)の水溶液0.1mLを使用する以外は実施例29と同様に行い、モノクローナル抗体水溶液(M’−5)を得た。
実施例29〜38及び比較例11〜15で得られたモノクローナル抗体水溶液(M−1)〜(M−10)及び(M’−1)〜(M’−5)を恒温槽中で37℃、3時間インキュベートし、この水溶液50μLを、インターフェロンβ ELISAキット(「インターフェロンβ ELISAキット」、鎌倉テクノサイエンス社製)を用いて、力価を測定した。力価はインターフェロン標準液(キットに付属)に作用する酵素標識抗インターフェロンモノクローナル抗体の酵素活性で評価した。酵素活性はキットに添付の説明書に従い、分光光度計で吸光度を読み取り検量線を作成し、検量線から各サンプルの力価を算出した。
また、モノクローナル抗体水溶液(M−1)〜(M−10)及び(M’−1)〜(M’−5)を恒温槽でインキュベートする前に上記と同様に測定し、別途力価を算出した。
力価の保持率は、以下の式で計算した。
力価の保持率=(インキュベート後の力価)/(インキュベート前の力価)×100
Claims (4)
- アミノ酸がアルギニンである請求項1に記載のリゾチーム含有水溶液の安定化剤。
- リゾチームを含んでなる水溶液に、下記一般式(1)で表される該化合物(A)及び/又はその塩酸塩(B)を、リゾチームの水溶液の体積に基づいて(A)及び(B)の合計濃度が0.001〜0.5mol/Lで含有させることからなるリゾチーム含有水溶液の安定化方法。
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