JP4812206B2 - エレベータのライフプラン設定支援システム - Google Patents

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  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Indicating And Signalling Devices For Elevators (AREA)
  • Maintenance And Inspection Apparatuses For Elevators (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータシステム及びインターネットを利用して、エレベータの新規設置からメインテナンスに至るまでのライフプランの設定を支援するシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレベータはビル内に設置され、ビル内に居る人間を上下方向に輸送する、所謂「縦の交通移動手段」であり、その設置を行うに際しては、設置スペース、エレベータ速度など多くの仕様がそのビル固有の環境や条件に左右されることになる。
【0003】
したがって、あるビルにエレベータを新規に設置する場合、従来はエレベータメーカの営業員がユーザを訪問し、ユーザ側の担当者と綿密な打ち合わせを行う必要があった。そして、エレベータメーカの営業員は、この打ち合わせの席上において、カタログや写真により製品例を紹介すると共に、ユーザ側担当者からそのビル固有の環境や条件あるいは希望事項を訊きだしてエレベータの新規仕様の概略を決定するようにしていた。
【0004】
この後、エレベータメーカの営業員は、決定した新規仕様の概略データを会社に持ち帰って見積もり作業を行い、後日ユーザ側担当者に対して工期が記載されている見積書を提出するようにしていた。そして、ユーザ側担当者がこの見積書に記載された工期及び価格を承認することにより、ユーザからエレベータメーカに対する発注が行われ、エレベータメーカはその後実際にエレベータの設置作業を開始することになる。
【0005】
また、エレベータは、不特定多数の人間を輸送するという公共性を有するものであるが故に高度の安全性が要求されている。したがって、エレベータシステムの管理上メインテナンスは非常に重要な意義を有するものとされている。
【0006】
従来のメインテナンスは、エレベータのメインテナンスサービスを提供するエレベータ保守管理会社(以後、本明細書では、このようにメインテナンスサービスを行うエレベータ保守管理会社と、エレベータを新規に製造するエレベータ製造会社との双方を総称して「エレベータメーカ」と呼ぶことにする)が一定期間経過毎に定期的なメインテナンス作業を行って異常の有無を診断する他に、エレベータ運行中に異常事故が発生した場合等に、ユーザからの電話等による連絡を受けてエレベータメーカの保守作業員が現地に向かい、そこで異常個所の修理を行うと共にその他の個所について異常の有無を診断するなどしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来、エレベータシステムの新規設置を行う際は下記の▲1▼〜▲4▼のような課題を有しており、また、エレベータシステムのメインテナンスを行う際は下記の▲5▼〜▲7▼のような課題を有していた。
【0008】
▲1▼エレベータメーカ側及びユーザ側共に、打ち合わせの席に臨むまではエレベータ設置仕様に関する具体的な知識を持ち合わせていないために、最終的な設置仕様を決定するまでに両者共に多くの時間と労力を費やす結果となっていた。特に、ユーザ側にとっては、発注仕様を決定する際に、エレベータシステム完成後のイメージを充分につかんでおく必要があるが、イメージをつかむための資料がカタログや写真しかないために充分に具体的なイメージをつかむことができず、そのため慎重な検討を行う余りいたずらに時間を費やすことが多く、更に、発注仕様決定の後に追加仕様を要求することも多く発生していた。
【0009】
▲2▼ユーザ側は正式発注を行った後に仕様変更を希望することも多くあるが、ユーザ側では設計・製造工程を確認することができないために、納期や価格の変動情況を直ちに知ることができず、仕様変更自体の可否を判別することが困難な場合がある。
【0010】
▲3▼ユーザ側が互いに競合する複数のエレベータメーカから見積もりを取ることを希望する場合、従来の販売形態は直接対面を基本的な形態としているため、ユーザ側担当者は発注の可能性の低いエレベータメーカの営業員を自社に呼ぶことに心理的に躊躇する傾向がある。このような傾向は、エレベータメーカ側にとっては折角の受注の機会を逃すことにつながり、一方、ユーザ側にとっても自社にとってより好適な見積もりを取得できる機会を逃すことにつながる。
【0011】
▲4▼従来のエレベータ設置仕様の決定は、ともすれば専門的知識を有するエレベータメーカ側の主導で行われており、ユーザ側の希望する条件が必ずしも充分に反映されているとは言い難いものであった。
【0012】
▲5▼従来、ユーザは異常の発生に気が付いてはじめてエレベータメーカ側に修理を依頼することが多くあったが、このような異常事故の中には寿命部品の寿命切れ等に起因するものなど、ある程度異常発生が予測できるものが多く含まれている。そして、このような予測し得る異常が発生するとユーザ側は復旧まではエレベータの使用ができなくなり、一方、エレベータメーカ側ではその分だけ余分な労力を強いられることとなる。
【0013】
▲6▼エレベータのメインテナンスは高度な専門知識が要求されるため、従来は暗黙の了解事項としてメインテナンス作業はエレベータメーカ側の専権事項とされ、ユーザはメインテナンスに介入すべきでないものと考えられていた。そのため、ユーザに対しては充分なメインテナンス情報が開示されないままに、メーカ主導でメインテナンスが行われ、ユーザの希望が必ずしも充分に反映されないことがあった。しかし、このような事態は、昨今の情報公開の流れに逆行するものであり、また、ユーザ側の技術知識も最近は豊富になりつつある。それ故、エレベータメインテナンスに関する情報を正確にユーザ側に公開した上で、一部についてはユーザの判断に委ねる方が妥当である場合も少なからずあると考えられる。
【0014】
▲7▼従来、エレベータメーカはエレベータの運行状態にかかわらず、一律の定額料金をメインテナンス料としてユーザに請求していた。しかし、このようなメインテナンス料の請求の仕方は、異常事故等を殆ど発生しない優良ユーザにとっては不利益をもたらす結果となる。つまり、従来は、価格面でのユーザに対するサービスが不充分な場合があった。
【0015】
従来のエレベータシステムの新規設置及びメインテナンスを行うにあたっては上記のような課題を有しており、昨今の景気低迷の情況を打開し、エレベータ産業の興隆を図るにはこれらの課題を早急に解決する必要がある。
【0016】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、近時のコンピュータ技術の発達に伴って急速に普及したインターネットの有効利用に基づき、上記▲1▼〜▲7▼の課題を解決することが可能な、エレベータシステムの新規設置からメインテナンスに至るまでのライフプランの設定を支援することが可能なシステムを提供することを目的としている。
【0017】
すなわち、エレベータを新規に設置する場合にはその仕様の設定を容易且つ確実に行うことができ、ユーザ及びエレベータメーカ双方の労力を軽減すると共に、ユーザの希望条件を充分に取り入れることを可能にし、更に、エレベータのメインテナンスを行う場合には、エレベータのメインテナンス情報を可能な限りユーザに対して公開し、ユーザの希望を極力取り入れたエレベータのメインテナンスを実現すると共に、ユーザ側及びエレベータメーカ側双方の労力を軽減できるようにすることを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、複数のユーザ端末と、これらのユーザ端末とインターネットを介して接続され、PDM機能に基づきエレベータ情報管理データベースの管理を行うエレベータライフプラン設定用サーバとを備えており、このエレベータライフプラン設定用サーバは、前記ユーザ端末からエレベータの新規設置についての見積もり依頼を受けた場合に、前記ユーザ端末に対してエレベータ新規仕様を記入し得る画面を提供し、前記ユーザ端末がこの画面に記入してきた新規仕様データに基づきエレベータの新規設置に関する見積もりを行うと共に、この見積もり結果を前記ユーザ端末に送付し、前記ユーザ端末からの発注意思を確認した場合に前記エレベータ情報管理データベースに受注情報を登録するエレベータ新規仕様設定用サーバと、前記ユーザ端末からメインテナンスの依頼を受けた場合に、前記ユーザ端末に対してエレベータメインテナンス仕様を記入し得る画面を提供し、前記ユーザ端末がこの画面に記入してきたメインテナンス仕様データに基づきエレベータのメインテナンスの実施内容を決定し、この決定した内容を前記エレベータ情報管理データベースに登録するエレベータメインテナンス仕様設定サーバと、を有するものである、ことを特徴とする。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記エレベータ新規仕様設定用サーバは、いずれかのユーザ端末からアクセスがあった場合に、そのユーザ端末に対してID番号の認証又はID番号の発行を行うユーザ認証手段と、前記ユーザ認証手段が前記認証又は発行を行った後、所望のエレベータ新規仕様を記入し得る画面をユーザ端末に対して提供する新規仕様記入画面提供手段と、前記ユーザ端末が前記新規仕様記入画面提供手段の提供した画面に新規仕様を記入してきた場合に、エレベータの価格及び工期を前記エレベータ情報管理データベースを参照して演算し、この演算に基づく見積もり結果を前記ユーザ端末に送付すると共に、発注意思を問い合わせる見積もり送付手段と、前記見積もり送付手段が前記見積もり結果を送付した後、前記ユーザ端末から発注意思が有る旨の最終的確認を得た場合に、前記エレベータ情報管理データベースにエレベータの新規設置に関して受注した旨及びその新規仕様に関するデータを登録する新規仕様データ登録手段と、を有するものであることを特徴とする。
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記新規仕様記入画面提供手段は、エレベータの基本的な仕様を文字により記入するための基本仕様入力画面と、この基本仕様入力画面の記入結果に基づきエレベータの各個所の全体的構成及び部分的構成をコンピュータグラフィックスを用いて表す電子モックアップ画面とを提供するものである、ことを特徴とする。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明において、前記新規仕様記入画面提供手段は、所定の検索項目の記入に基づき過去の受注物件に関する一覧表示画面を提供し、この一覧表示画面上で選択された受注物件の仕様データが流用可能な新規仕様データとして表示された画面を前記ユーザ端末に対して提供するものであり、前記見積もり送付手段は、前記ユーザ端末が前記過去の受注物件の流用可能な仕様データを新規仕様データとして前記画面に記入してきた場合に、流用の程度に応じて割り引きした見積もりを行うものである、ことを特徴とする。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記新規仕様記入画面提供手段は、前記電子モックアップ画面上でエレベータの各部のシミュレーション動作を表示可能なものである、ことを特徴とする。
【0023】
請求項6記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記新規仕様記入画面提供手段は、前記電子モックアップ画面上でエレベータの各部を3次元的に表し、更に3次元空間内でエレベータの各部を自在に回転させることにより所望の部位を所望の角度から見ることができるように表示することが可能なものである、ことを特徴とする。
【0024】
請求項7記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記新規仕様記入画面提供手段は、前記一覧表示画面に過去の受注物件のリストを表示する場合に、前記アクセスがあったユーザ端末に係るユーザの物件と、その他のユーザに係る物件とを分けて表示し、その他のユーザに係る物件のうち仕様データを公開することが禁止されているものについては画面上での表示を行わないものである、ことを特徴とする。
【0025】
請求項8記載の発明は、請求項2乃至7のいずれかに記載の発明において、前記新規仕様記入画面提供手段は、前記新規仕様データ登録手段による受注登録が既に行われているユーザ端末が受注時の仕様の内容を変更することを希望した場合には、前記所望のエレベータ新規仕様を記入し得る画面をユーザ端末に対して提供するものであり、前記見積もり送付手段は、前記ユーザが前記画面に記入した変更仕様に基づきエレベータの価格及び工期の演算を再度行い、変更仕様に基づく価格及び工期の変動状況をそのユーザ端末に報告すると共に、変更仕様の内容を実施するか否かについて問い合わせるものであり、前記新規仕様データ登録手段は、前記ユーザ端末から変更仕様の内容を実施する旨の通知を受けた場合に、前記エレベータ情報管理データベースに新規仕様の内容を変更したこと、及びその変更仕様に関するデータを登録するものである、ことを特徴とする。
【0026】
請求項9記載の発明は、請求項2乃至8のいずれかに記載の発明において、前記新規仕様記入画面提供手段は、エレベータの交通に関する仕様について前記ユーザ端末が入力するための交通計算画面を前記ユーザ端末に提供するものであり、前記エレベータ新規仕様設定用サーバは、前記ユーザ端末が前記交通計算画面に記入してきた交通計算仕様に基づきかご設置台数、又は輸送能力に関する仕様を演算する交通演算手段を有する、ことを特徴とする。
【0027】
請求項10記載の発明は、請求項2乃至9のいずれかに記載の発明において、前記エレベータ新規仕様設定用サーバは、前記ユーザ端末がエレベータの発注仕様を確認し得るデータを生成する発注仕様確認データ生成手段を有する、ことを特徴とする。
【0028】
請求項11記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記エレベータメインテナンス仕様設定用サーバは、いずれかのユーザ端末からアクセスがあった場合に、そのユーザ端末に対してID番号の認証又はID番号の発行を行うユーザ認証手段と、前記ユーザ認証手段が前記認証又は発行を行った後、所望のエレベータメインテナンス仕様を記入し得る画面をユーザ端末に対して提供するメインテナンス仕様記入画面提供手段と、前記ユーザ端末が前記メインテナンス仕様記入画面提供手段の提供した画面に記入したメインテナンス仕様についてのデータを前記エレベータ情報管理データベースに登録するメインテナンス依頼情報登録手段と、を有するものであることを特徴とする。
【0029】
請求項12記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記エレベータ情報管理データベースに格納されている各ユーザのメインテナンス情報に基づきそのユーザのエレベータのメインテナンス時期をチェックするメインテナンス時期チェック手段と、前記メインテナンス時期チェック手段のチェック結果に基づき、メインテナンスが必要とされるユーザに係るユーザ端末に対してエレベータのメインテナンスを行うことを勧告するメールを発送するメインテナンス勧告メール発送手段と、を有するものであることを特徴とする。
【0030】
請求項13記載の発明は、請求項12記載の発明において、前記メインテナンス時期チェック手段は、寿命の近づいた部品の交換又は修理時期をチェックするものであり、前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記寿命の近づいた部品を含むエレベータ個所をコンピュータグラフィックスを用いて表した電子モックアップ画面を提供するものである、ことを特徴とする。
【0031】
請求項14記載の発明は、請求項13記載の発明において、前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記電子モックアップ画面上で前記寿命の近づいた部品を他の個所と異なる色で表示するものである、ことを特徴とする。
【0032】
請求項15記載の発明は、請求項12記載の発明において、前記メインテナンス時期チェック手段は、エレベータシステム全体を改修すべき時期をチェックするものであり、前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記メインテナンス勧告メール発送手段がエレベータシステムの改修を行うことを勧告するメールを発送した後、前記ユーザ端末側からのアクセスがあった場合に、エレベータシステムの改修仕様を記入し得る画面を前記ユーザ端末に対して提供するものである、ことを特徴とする。
【0033】
請求項16記載の発明は、請求項11記載の発明において、前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記ユーザ端末が所定の画面上で所定の操作を行った場合に、前記ユーザ端末に対して保守プランを変更した内容を申請することが可能な保守プラン申請画面を提供するものである、ことを特徴とする。
【0034】
請求項17記載の発明は、請求項16記載の発明において、前記保守プランを変更した内容は、エレベータメインテナンス時に必ず行うべきものとされている基本メインテナンスに、ユーザ端末側が任意に取捨選択可能なオプションメインテナンスを組み合わせたものである、ことを特徴とする。
【0035】
請求項18記載の発明は、請求項16又は17記載の発明において、前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記ユーザ端末が保守プランを変更した内容を申請する場合に、エレベータメインテナンス上適正な内容の推奨保守プランを前記ユーザ端末側に提示することが可能なものである、ことを特徴とする。
【0036】
請求項19記載の発明は、請求項11乃至18記載の発明において、前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記ユーザ端末が所定の画面上で所定の操作を行った場合に、エレベータの運転条件についての設定を変更することが可能な画面を前記ユーザ端末に対して提供するものである、ことを特徴とする。
【0037】
請求項20記載の発明は、請求項11乃至19のいずれかに記載の発明において前記エレベータメインテナンス仕様設定用サーバは、エレベータの操作手順及びメインテナンス手順を含むマニュアルデータを前記ユーザ端末に提供するオンラインマニュアル手段を有する、ことを特徴とする。
【0038】
請求項21記載の発明は、請求項9記載の発明において、前記新規仕様記入画面提供手段は、前記交通演算手段が演算したかご設置台数又は輸送能力に関する仕様によりエレベータ運転が行われる場合のシミュレーション動作を、前記電子モックアップ画面上で表示可能なものである、ことを特徴とする。
【0039】
請求項22記載の発明は、請求項13記載の発明において、前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記ユーザ端末がいずれかの部品について交換又は改修をせずに削除した状態とする旨を伝えてきた場合であって、その部品が所定のオプション機能実現のために必要な部品である場合には、その部品の削除によってそのオプション機能が働かなくなる旨を警告する画面を前記ユーザ端末に表示させるものである、ことを特徴とする。
【0040】
請求項23記載の発明は、請求項22記載の発明において、前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記ユーザ端末に働かなくなる旨を警告したオプション機能に基づくエレベータ各部のシミュレーション動作を、前記電子モックアップ画面上で表示可能なものである、ことを特徴とする。
【0041】
請求項24記載の発明は、請求項19記載の発明において、前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記エレベータの運転条件についての設定を変更した後及び変更する前のシミュレーション動作を電子モックアップ画面上で表示可能なものである、ことを特徴とする。
【0042】
請求項25記載の発明は、請求項20記載の発明において、前記オンラインマニュアル手段は、前記エレベータの操作手順及びメインテナンス手順についてのシミュレーション動作を前記ユーザ端末の画面上で表示可能なものである、ことを特徴とする。
【0043】
請求項26記載の発明は、請求項5、23、24、25のいずれかに記載の発明において、前記シミュレーション動作が、エレベータかご内又はエレベータ乗り場付近に居るエレベータ利用者の視点から見たバーチャル・ビュー・シミュレーション動作を含む、ことを特徴とする。
【0044】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係るエレベータのライフプラン設定支援システムの構成を示すブロック図である。エレベータライフプラン設定用サーバ1と複数のユーザ端末2とはインターネット3を介して接続されている。エレベータライフプラン設定用サーバ1は、ユーザ端末2からのアクセスに応じるためエレベータ情報管理データベース4に対してデータの読み出し及び書き込みを行うなど、このエレベータ情報管理データベース4の管理を行っている。そして、エレベータライフプラン設定用サーバ1は、エレベータ新規仕様設定用サーバ1A及びエレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bの2つのサーバにより構成されている。
【0045】
図2は、図1におけるエレベータ新規仕様設定用サーバ1A及びエレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bの構成を示すブロック図である。この図に示すように、エレベータ新規仕様設定用サーバ1Aは、PDM(プロダクツ・データ・マネージメント)システム5Aを有しており、更にこのPDMシステム5A内にユーザ認証手段6A、新規仕様記入画面提供手段7A、見積もり送付手段8A、及び新規仕様データ登録手段9Aを有している。また、エレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bは、PDMシステム5Bを有しており、更にこのPDMシステム5B内にユーザ認証手段6B、メインテナンス仕様記入画面提供手段7B、メインテナンス時期チェック手段8B1、メインテナンス勧告メール発送手段8B2、メインテナンス依頼情報登録手段9Bを有している。
【0046】
エレベータ新規仕様設定用サーバ1Aにおいて、ユーザ認証手段6Aは、ユーザ端末2からのアクセスに応じてID番号の発行やID番号の認証を行うものである。新規仕様記入画面提供手段7Aは、ユーザ認証手段6AがID番号を認証したユーザ端末2に対しエレベータ新規設置のために必要な仕様データを記入するための画面を提供するものである。見積もり送付手段8Aは、ユーザ端末2が上記の画面に記入してきた新規仕様データに基づきエレベータの価格及び工期を演算し、この演算に基づく見積もり結果をユーザ端末2に送付するものである。新規仕様データ登録手段9Aは、見積もり送付手段8Aがユーザ端末2に見積もり結果を送付した後、発注意思の有無を問い合わせるものであり、発注意思が有る旨の最終的確認を得た場合に、エレベータ情報管理データベース4に受注した旨、及びその新規仕様に関するデータを登録するものである。
【0047】
エレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bにおいて、ユーザ認証手段6Bは、ユーザ端末2からのアクセスに応じて既にユーザに対して発行済みのID番号の認証を行うものである。メインテナンス仕様記入画面提供手段7Bは、ユーザ認証手段6BがID番号を認証したユーザ端末2に対しエレベータメインテナンスのために必要な仕様データを記入するための画面を提供するものである。メインテナンス時期チェック手段8B1は、エレベータ情報管理データベース4内の所定のデータベースを毎日確認し、エレベータシステム全体、あるいはシステムを個々の部品の中でメインテナンスが必要な時期が近づいているか否かについてチェックするものである。メインテナンス勧告メール発送手段8B2は、メインテナンス時期チェック手段8B1のチェック結果を受け、メインテナンスが必要な時期が近づいている対象が存在すれば、ユーザに対しその対象についてメインテナンスを行うことを勧告するメールを発送するものである。メインテナンス依頼情報登録手段9Bは、ユーザ端末2がメインテナンス仕様記入画面提供手段7Bの提供した画面に記入したメインテナンス仕様についてのデータをエレベータ情報管理データベース4に登録するものである。
【0048】
図3は、図1におけるエレベータライフプラン設定用サーバ1及びエレベータ情報管理データベース4の詳細な構成を示すブロック図である。エレベータライフプラン設定用サーバ1は、図1及び図2においては図示しなかったが、実は全社的情報サーバ10及び局所的情報サーバ11を有しており、PDMシステム5A,5Bはこの全社的情報サーバ10内に具備された構成となっている。そして、局所的情報サーバ11は、本社サーバ12、工場サーバ13、フィールドサーバ14、及び海外現法サーバ15などの複数のサーバにより構成されている。全社的情報サーバ10は、局所的情報サーバ11を構成する各サーバのアドレス情報を記憶しており、各サーバを制御することによりユーザ端末2側からのアクセス要求に応じるなど、エレベータライフプラン設定用サーバ1としての全体的な制御を司るものである。
【0049】
エレベータ情報管理データベース4は、符号16〜31で示す複数のデータベースにより構成されている。そして、本社サーバ12は、顧客データベース16、発番データベース17、仕様データベース18、価格データベース19を管理するようになっている。
【0050】
顧客データベース16には、各ユーザ毎のセキュリティ管理のためのID番号及びパスワードデータが格納されている。また、ID番号のサブファイルとしてユーザ毎に仕向先別の建物情報群(例えば、○○ビル、○○マンション等)のファイルが作成されており、PDMシステム5A,5Bはこれらの建物情報群に対する管理もできるようになっている。
【0051】
発番データベース17には、各エレベータ毎にエレベータメーカが発行した発番(製造番号)についてのデータが格納されている。エレベータメーカは、この発番をキーワードとして以降の説明における各種データに対してアクセスすることができる。
【0052】
仕様データベース18には、エレベータの用途(乗用、住宅用、寝台用等)、定員(6人、9人、11人、…等)、及び停止階床数などの基本的仕様、並びに付加仕様(例えば、車椅子仕様、地震管制仕様等)等のデータが格納されている。
【0053】
価格データベース19には、上記の基本的仕様から確定される基本価格や各種の付加仕様価格、あるいは更に、ユーザ固有の特殊仕様であって過去に納品済みの既納品価格などのデータが格納されている。
【0054】
工場サーバ13は、NET-COSTデータベース20、3D−CADデータベース21、電気CADデータベース22、出図手配データベース23、設計ノウハウデータベース24、製造データベース25、工程データベース26、調達データベース27を管理するようになっている。
【0055】
NET-COSTデータベース20には、各エレベータタイプ毎にエレベータメーカが仕入れる各種部品、ユニット、装置等のトータル基本ネット価格や製造コストデータ等が格納されている。
【0056】
3D−CADデータベース21には、3D−CADデータ及び基本BOMデータが格納されている。すなわち、各種部品、ユニット、装置などの個別CADデータは、後述する電子モックアップ画面上でモックアップされる。そして、総アセンブリされたエレベータのかご室最終形や出入り口の意匠が基本BOMデータとして格納されている。また、これらの総アセンブリデータは、各部品を選択することによりモデリングできるようになっている。
【0057】
電気CADデータベース22には、各部品、ユニット、装置などの定格情報や耐用寿命年数、あるいは電気特性についての最大定格や、機械特性などのデータが格納されている。
【0058】
出図手配データベース23には、上記の発番データベース17に格納されている各エレベータ毎の発番を基に顧客仕様に応じて手配された部品等についての図面番号等が格納されている。
【0059】
設計ノウハウデータベース24には、機械構成部品、ユニット、電気品等についての設計基準データが格納されている。これらは何れもメーカ側の標準エレベータを構成し得る部品についてのデータであり、寸法データ、重量、他の部品との取付方法、最大適用仕様を超えた場合の制約条件、仕様などの各種データである。
【0060】
製造データベース25には、エレベータメーカのトレーサアビリティに必要な情報として、製造日、試験日、製造出荷日、試験番号、プリント基板やソフトウエア等のバージョンデータ等が格納されている。
【0061】
工程データベース26には、各製造、サイト工事、納入引き渡し迄の標準リードタイムデータが工程管理データとして格納されている。PDMシステム5A,5Bはこの工程管理データを基に仕様決定日などをキーインして工程表が作成することができる。この工程管理データは、デイリー処理によってタイムリーなデータ更新がなされ、随時物件毎の設計・製造進捗状況を確認することができる。また、この工程データベース26は、仕様決定後にユーザ要求に基づく仕様変更が発生した場合の標準対応リードタイムデータを備えており、PDMシステム5A,5Bは工程変更についても管理できるようになっている。
【0062】
調達データベース27には、各種部品、ユニットなどの調達先やリアルタイムな在庫情報、手配時のリードタイムなどの情報が格納されている。また、調達先から部品生産廃止情報などが流れた場合、PDMシステム5A,5Bはタイムリーにこの情報を検索できるようになっている。この情報は一般情報としてインターネット3を介して公開可能なものである。
【0063】
フィールドサーバ14は、保守データベース28、品質データベース29、トラブルデータベース30を管理するようになっている。
【0064】
保守データベース28には、エレベータメーカの保守部門等がユーザと保守契約を結んだ場合にその契約内容が登録されるようになっている。また、エレベータシステムを納入して一般使用が開始された後は、各エレベータの稼働状況(運転時間、運転回数等)、部品交換基準データ、部品の寿命データ、及び保守履歴データ(いつどのような部品を交換してその交換回数は何回かなどの各エレベータの大まかな故障情報)等が格納されるようになっている。そして、ユーザと保守部門との間の保守契約において保守部門が立案した保守プランデータ、及びこれに関する保守料データ等も登録されている。また、部品単位での保守品価格とその工事費に関する価格データも格納されるようになっている。更に、この保守データベース28には、ユーザ自身でエレベータのメインテナンスを行うことができるように、日常の手入れ方法などがオンラインマニュアルデータとして格納されている。
【0065】
品質データベース29には、ロープ式エレベータ、油圧式エレベータ、あるいは超々高速エレベータや中低速エレベータなどいったエレベータタイプ別の故障情報や、マイナーチェンジ情報、トレーサアビリティ管理情報、設計変更管理情報等が格納されている。
【0066】
トラブルデータベース30には、エレベータ毎のトラブル情報がデータ化されて格納されている。例えば、トラブル発生の日時、トラブルモード(現象、原因)、運転状況(運転方向、かご位置、速度状態、呼び登録の有無等)、かご内状況、トラブル対応者等の情報である。
【0067】
海外現法サーバ15は、総合データベース31を管理するようになっている。この総合データベース31には、エレベータメーカの海外現地法人における総合データが格納されている。総合データとは、上記のデータベース16〜30に格納された各データに対応する種々のデータをまとめたものである。つまり、総合データベース31は、データベース16〜30のミニチュア版ともいえるものである。
【0068】
図4は、エレベータ情報管理データベース4の階層構造を示す説明図である。この図に示すように、各物件X1〜Xn毎に種々のデータが階層化されて格納されている。第1階層は基本的なイベント項目に分類されており、第2階層以降はこのイベント項目に属する項目を細分類している。図示した例は、第1階層の「仕様」という項目が第2階層で「標準仕様」及び「付加仕様」に分類され、この「標準仕様」が第3階層以降で更に細かく分類されたものである。
【0069】
図5は、上記のような階層構造を有するエレベータ情報管理データベース4内において、例えば仕様データベース18の階層構造を更に示したものである。この図に示すように、第1階層はエレベータの用途別に分類されており、第2階層は各種の用品別に分類されており、第3階層は用品を構成するユニット別に分類されており、第4階層はユニットを構成する部品別に分類されており、以下第5階層以降も同様に細分類されている。そして、これら細分類された項目は、ユーザの仕様に応じて必要となるエレベータ構成部品を各階層から検索/表示できるように関連付けされて管理されており、最新の情報が格納されるようになっている。
【0070】
図6は、図1及び図2に示したエレベータのライフプラン設定支援システムが行う処理の概略を示すフローチャートである。本システムが行う処理は大別すると、新規仕様設定とメインテナンス仕様設定とに分かれており、メインテナンス仕様設定は部品交換、システム改修、保守プラン変更、運転条件変更の各処理に分かれている。
【0071】
新規仕様設定の場合、まず、ユーザ端末2がエレベータライフプラン設定用サーバ1のエレベータ新規仕様設定用サーバ1Aにアクセスするが、これに対してユーザ認証手段6AがユーザのID番号又は仮ID番号の認証を行い(ステップ6−1)、その後新規仕様記入画面提供手段7Aがユーザ端末2に新規仕様記入画面を提供する(ステップ6−2)。ユーザ端末2ではこの画面に新規仕様を記入してくるが(ステップ6−3)、見積もり送付手段8Aはこの記入してきた仕様に基づき見積もりを行い、その見積もり結果をユーザ端末2へ送付する(ステップ6−4)。そして、ユーザがこの見積もり結果を承認した場合に、新規仕様データ登録手段9Aがエレベータ情報管理データベース4に受注登録を行う(ステップ6−5)。
【0072】
このようにして、新規仕様が設定されエレベータメーカによりユーザのビルに設置されたエレベータには物件コードが付され、以降はエレベータメーカによりメインテナンス管理が行われることになる。
【0073】
各種のメインテナンスのうち部品交換を行う場合、まず、メインテナンス時期チェック手段8B1がエレベータ情報管理データベース4を参照して部品交換時期をチェックする(ステップ6−6)と共に、メインテナンス勧告メール発送手段8B2が部品を交換することを勧告するメールをユーザ端末2に発送する。そして、このメールを見たユーザはエレベータライフプラン設定用サーバ1のエレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bにアクセスするが、これに対してユーザ認証手段6BがユーザのID番号の認証を行う(ステップ6−7)。この認証の後、メインテナンス仕様記入画面提供手段7Bがユーザ端末2にメインテナンス仕様記入画面を提供し、この画面にユーザが仕様を記入する(ステップ6−8)。そして、ユーザが依頼したメインテナンスの内容をメインテナンス依頼情報登録手段9Bがエレベータ情報管理データベース4に登録を行う(ステップ6−9)。上記した例は、エレベータメーカ側が部品交換時期をチェックし、これに基づきユーザがメインテナンスを依頼するケースであるが、ユーザが自発的に部品の交換を依頼することもできる(ステップ6−10)。その後の処理は上記と同様である(ステップ6−7,6−8,6−9)。
【0074】
システム改修を行う場合も、部品交換の場合と同様に、エレベータメーカ側で改修時期をチェックするケース(ステップ6−11)と、ユーザが自発的に改修を依頼するケース(ステップ6−12)とがある。但し、保守プランの変更、運転条件の変更については処理の性質上ユーザが自発的に依頼するケース(ステップ6−13,6−14)となる。
【0075】
以下、新規仕様の設定及びメインテナンス仕様設定の処理の詳細を順次説明する。図7は、新規仕様設定処理の詳細を説明するためのフローチャートである。
【0076】
エレベータ新規仕様設定用サーバ1Aにいずれかのユーザ端末2からアクセスがあると、ユーザ認証手段6Aがユーザ認証処理を行う(ステップ7−1)。ここで、このユーザ認証手段6Aが行うユーザ認証処理の内容を図8のフローチャートに基づき説明する。
【0077】
ユーザ認証手段6Aは、ユーザ端末2からアクセスがあると、ユーザID認証画面P801をユーザ端末2側に提供する。ユーザが既に本システムの登録会員である場合は、ユーザ端末2の画面のID及びPASSWORDの右側のボックスにID番号及びパスワードを自ら記入する。いま、ユーザがはじめてアクセスを行った者であるとすると、このユーザは「仮ID発行」と書かれたボタンをクリックする。すると、仮ID発行のための画面P802が表示されるので、ユーザは名前やメールアドレスなどの必要事項を記入する。そして、これらの必要事項データをサーバ1A側に送信すると、ユーザ認証手段6Aにより仮ID及びパスワードが発行され、これらを知らせる画面P803がユーザ端末2の画面に表示される。
【0078】
このようにして仮ID及びパスワードが発行された後、ユーザは画面P801を再度呼び出してID及びPASSWORDの右側のボックスに仮ID番号及びパスワードを記入した後、「実行」ボタンをクリックする。すると、ユーザ認証手段6AはこのID及びパスワードが正しいものであるか否かを判別する(ステップ801)。ユーザ認証手段6Aは、ID及びパスワードが正しくなければ、その旨を通知する画面P807をユーザ端末2の画面に表示させるが、正しいものであれば、次にこのIDが仮ID又は正規のIDのいずれであるかを判別する(ステップ802)。
【0079】
ユーザ認証手段6Aは、この判別結果が仮IDの場合にはユーザがエレベータ見積もりを依頼するための画面P804を表示させる。そして、ユーザがこの画面上で「エレベータ見積もり」の文字をクリックすると、サーバ1A側での見積もり処理が開始される。この後、ユーザがこの見積もりに対して発注を行うと、ユーザ認証手段6Aは正規のIDをこのユーザに対して発行するようになっている。一方、ユーザ認証手段6Aが正規IDと判別した場合には、登録会員であるユーザが見積もり又はその他の処理を依頼するための画面P805を表示させるようにする。
【0080】
画面P805における「物件コード」とは、発番データベース17が格納しているデータである発番すなわちエレベータの製造番号のことを意味している。登録会員であるユーザが現在発注済みの物件を持っている場合、その物件コードを画面P805上のボックス内に記入すると、現在の状況に応じて「物件情報」のうちの「進捗・工程」、「発注情報変更」のうちのいずれか又は双方が表示される。「進捗・工程」とはエレベータ設置工事の進捗状況や工事日程を問い合わせる場合にクリックする文字であり、「発注情報変更」とは既に発注した物件の仕様を変更したい場合にクリックする文字である。例えば、ユーザが当該物件を発注して間もない場合には、未だ工事が開始されていないので「発注情報変更」のみが表示され、ユーザが当該物件を発注してある程度の期間経過した場合には、既に工事が開始されているので「進捗・工程」及び「発注情報変更」の双方が表示され、ユーザが当該物件を発注してから相当な期間が経過し工事完了が近づいている場合には、もはや仕様変更は不可であるため「進捗・工程」のみが表示される。
【0081】
なお、画面P805は、エレベータの新規仕様設定処理及びメインテナンス仕様設定処理の2つの処理において共通して仕様される画面である。したがって、ユーザがメインテナンスの依頼を行う場合にクリックする「保守情報」の文字も「物件情報」の項目として表示されている。
【0082】
また、画面P805において、ユーザが物件コードを記入した場合には「エレベータ見積もり」の文字は表示されず、「物件情報」及びその下側の文字だけが表示される。一方、ユーザが物件コードを記入していない場合には「エレベータ見積もり」の文字だけが表示され(ユーザがこれをクリックすると新規の見積もりが開始される)、「物件情報」は表示されない。
【0083】
ユーザがパスワードを変更しようとする場合には、画面P801のID及びPASSWORDの右側のボックスにID番号及びパスワードを記入した後、「PASSWORD変更」ボタンをクリックする。すると、ユーザ認証手段6AはこのID番号及びパスワードの正否を判別し(ステップ803)、正しければ画面P806で新たなパスワードを表示し、間違っていればその旨を画面P807で表示する。
【0084】
さて、図7に戻って説明を続けると、いま仮IDを発行してもらったユーザが図8における画面P804の「エレベータ見積もり」の文字をクリックしたとすると、新規仕様記入画面提供手段7Aはユーザが新規設置仕様を記入するために必要な一連の画面を提供する(ステップ7−2)。
【0085】
すなわち、新規仕様記入画面提供手段7Aは、まず、図9に示すような画面901をユーザ端末2の画面に表示させる。この画面には、「新規入力」ボタン902と「既設物件参照/流用」ボタン903が設けられている。ユーザは、エレベータメーカがエレベータ情報管理データベース4に保持している既設物件の仕様データを参照又は流用することにより仕様を設定する場合には「既設物件参照/流用」ボタン903をクリックすればよく、一方、全く白紙の状態から仕様を設定する場合には「新規入力」ボタン902をクリックすればよい。そして、新規仕様記入画面提供手段7Aは、この画面901上においてユーザがいずれのボタンをクリックしたのかを判別する(ステップ7−3)。
【0086】
いま、ユーザが「新規入力」ボタン902の方をクリックしたとすると、新規仕様記入画面提供手段7Aはユーザ端末2に図10に示す基本仕様入力画面1001を表示させるようにする。この画面には、「型式」、「エレベータ用途」、「定員」、「速度〔m/min〕」、などの必須仕様項目が例えば黒色で表示され、また、付加的仕様項目である「希望日限」が例えば青色で表示されている。ユーザは、これらの項目をスクロールキーを操作することにより埋めて行き、全ての必須仕様項目を埋めた後、「選択完了」ボタンをクリックする(ステップ7−4)。
【0087】
すると、新規仕様記入画面提供手段7Aは、図11に示すような電子モックアップ画面1101をユーザ端末2に表示する。この電子モックアップ画面1101は、全体イメージ画面1102、用品ユニットイメージ画面1103、及び用品イメージ画面1104により構成されている。ユーザは、この電子モックアップ画面1101上に必要な仕様データの記入を行うようにする(ステップ7−5)。
【0088】
全体イメージ画面1102は、エレベータの各主要個所の全体イメージを3次元的に表したものであり、図示した例ではかご及びその周辺部分が3次元空間上に表されている。全体イメージ画面1102には、物件情報表示欄1105が設けられており、この欄内には「製造番号」、「物件名」、「かご」、「ホールボタン」、「巻上機」等が表示されるようになっている。但し、いまの場合、ユーザは図9において「新規入力」ボタン902の方をクリックしているので、「製造番号」は表示されず、新規仕様記入画面提供手段7Aは、図10の基本仕様入力画面1001上でユーザが記入した基本仕様データに基づき、仕様データベース18及び3D-CADデータベース21等から最も近いデータを本社サーバ12及び工場サーバ13を介して取り出して、図示したようにかご及びその周辺部分を表示することになる。「同一仕様」ボタン1106、及び「変更」ボタン1107は、ユーザが図9において「既設物件参照/流用」ボタン903をクリックした場合に用いるものであり、これについては後述する。また、「戻る」ボタン1108は、前の画面に戻る場合に用いるボタンである。
【0089】
全体イメージ画面1102の下部には「シミュレーション」ボタン1109が設けられており、ユーザがこの「シミュレーション」ボタン1109をクリックすると、画面上に表示されているかごが実際の動きと同様のシミュレーション動作を行う。つまり、全体イメージ画面1102に写し出されたかごが昇降路内を上下動し、各階でドアを開閉する様子がユーザに示される。
【0090】
「シミュレーション」ボタン1109の隣には「回転」ボタン1110が設けられており、ユーザがこの「回転」ボタン1110をクリックした後、マウスボタンを押した状態でカーソルを移動させることにより、全体イメージ画面1102内のかご及びその周辺部分を所望の角度だけ回転させることができる。つまり、ユーザは、図示されたような背面方向からばかりでなく、正面方向又は側面方向あるいは上面方向又は底面方向などのあらゆる方向からかご及びその周辺部分を観察することができる。したがって、ユーザはこの全体イメージ画面1102によってエレベータの主要個所の全体イメージを具体的且つ詳細に把握することが可能になる。「回転」ボタン1110の隣には特殊リスト表示欄1111が設けられているが、これは用品ユニットイメージ画面1103又は用品イメージ画面1104において、ユーザが標準品以外の特殊な用品ユニット又は用品を選択した場合にそのユニット名、又は用品名を表示してユーザに対して注意を喚起するためのものである。
【0091】
用品ユニットイメージ画面1103は、全体イメージ画面1102において表示された主要個所を構成する用品ユニットのイメージを3次元的に表したものである。この用品ユニットイメージ画面1103には、各種の用品ユニットについての用品ユニットタグ1112が付されており、ユーザはこのタグをクリックすることにより全体イメージ画面1102内の所望のユニットを表示することができる。あるいは、全体イメージ画面1102において、表示しようとするユニット部分にカーソルを移動させてクリックすることにより用品ユニットイメージ画面1103にその用品ユニットを表示させることもできる。図示した例では、かごの用品ユニットが表示されている。
【0092】
用品ユニットイメージ画面1103内には、また、仕様項目表示欄1113が設けられており、画面イメージとリンクした各種の仕様項目についての標準仕様寸法が示されている。そして、用品ユニットイメージ画面1103内には、標準品以外で選択可能な特殊用品ユニット又は用品の名称を示した特殊リスト表示欄1114が設けられており、ユーザはこの特殊リスト表示欄1114に示されている名称をクリックすることにより、その特殊仕様の用品ユニット又は用品を選択することができる。但し、この場合、特殊仕様のものが選択されたことにつきユーザの注意を喚起するために、全体イメージ画面1102内の特殊リスト表示欄1111にその名称が表示されると共に、全体イメージ画面1102上ではその特殊仕様品の表示が拘束される。なお、ユーザは仕様項目表示欄1113内の寸法を自己の希望する値に自由に変更することができるが、その寸法が標準仕様から外れた場合には特殊リスト表示欄1114にその寸法が特殊仕様の寸法であることが表示される。
【0093】
用品イメージ画面1104は、全体イメージ画面1102において表示された主要個所を構成する用品ユニットを2次元的な簡単な図により示すものである。この用品イメージ画面1104には各種の用品についての用品タグ1115が付されており、ユーザは所望の用品に係るタグをクリックすることにより、あるいは全体イメージ画面1102に写し出された所望の用品部分をクリックすることにより、その用品を用品イメージ画面1104内に示すことができる。また、この用品イメージ画面1104にも特殊リスト表示欄1116が設けられており、標準品以外で選択可能な特殊用品の名称が表示されている。
【0094】
ユーザは、このような全体イメージ画面1102、用品ユニットイメージ画面1103、及び用品イメージ画面1104を用いてかご及びその周辺部分の仕様を決定すると、次に、全体イメージ画面1102における物件情報表示欄1105内の「ホールボタン」の文字をクリックする。そして、かごの場合と同様にして、全体イメージ画面1102、用品ユニットイメージ画面1103、及び用品イメージ画面1104を用いて詳細な仕様を決定していくことができる。そして、全ての仕様を決定し、充分に検討した後、仕様入力完了ボタン1117をクリックする。
【0095】
ユーザが仕様入力完了ボタン1117をクリックすると電子モックアップ画面1101に記入された新規仕様データは、ユーザ端末2側から見積もり送付手段8Aに出力される。そして、見積もり送付手段8Aはこの入力した新規仕様データに基づき見積もり処理を開始してエレベータの価格及び工期を演算し、この演算に基づく見積もり結果をユーザ端末2側に送付して通知する(ステップ7−10)。
【0096】
図12は、このように見積もり送付手段8Aからユーザ端末2に送付され、ユーザ端末2に表示される価格工程見積もり詳細画面1201の説明図である。この価格工程見積もり詳細画面1201には価格表示欄1202及び工期表示欄1203が設けられている。価格表示欄1202には、各主要個所回りの価格及びこれらの合計価格のみが表示されているが、ユーザは「仕様詳細表示」ボタン1204をクリックすることにより、より詳細な価格の内訳を知ることができる。
【0097】
工期表示欄1203には各主要個所の工期の日限が記載されている。各日限には特記欄が設けられており、日限が遅延する予定の場合等に遅延する理由等が記載できるようになっている。ユーザは「工程表」ボタン1205をクリックすることにより、図13に示すように、この工期表示欄1203の内容をバーススケジュール形式で表した工程表1302を含む工程表表示画面1301で表示することができる。
【0098】
この工程表表示画面1301において、「巻上機」の「5月」の欄が中央位置まで黒くなっているのは、現在の日付が5月15日であるため、この中央位置まで工程が進行していることを示している。また、「カゴ枠」及び「カゴ室」の「9月」の欄」が黒くなっているのは、この実施形態ではユーザが図10の基本仕様入力画面1001において、工事終了の希望日限を8月31日と記入したものと想定しており、希望日限を超過する部分を容易に認識できるようにするためである。そして、ユーザはこの画面における「出力」ボタン1303をクリックすることにより、この工程表表示画面1301の内容をプリントアウトすることができる。なお、この工程表1302は、市販されている表計算ソフトのファイル形式で別途保存することも可能になっている。
【0099】
価格工程見積もり詳細画面1201の下部には、ユーザの発注意思の有無を見積もり送付手段8Aが確認するため(ステップ7−11)、「発注致しますか」という文章が表示されており、その横に「YES」ボタン1006及び「NO」ボタン1007が設けられている。ユーザは、表示された価格及び工期を了解できる場合は「YES」ボタン1206をクリックして発注の申込みを行うことができ、一方、了解できない場合は「NO」ボタン1207をクリックして発注する意思がないことを表明することができる。
【0100】
新規仕様データ登録手段9Aは、価格工程見積もり詳細画面1201において、ユーザが「YES」ボタン1206又は「NO」ボタン1207のいずれをクリックするかを判別している(ステップ7−12)。そして、「YES」ボタン1206がクリックされた場合、新規仕様データ登録手段9Aは、エレベータ情報管理データベース4の顧客データベース16にそのユーザから受注した旨を登録し、また、発番を発行してこれを発番データベース17に登録すると共に、その発番に係る新規仕様データを仕様データベース18に登録するなど、必要なデータの登録をその他のデータベースに対して行うようにする(ステップ7−13)。
【0101】
ユーザが価格工程見積もり詳細画面1201において「YES」ボタン1206をクリックし、新規仕様データ登録手段9Aがエレベータ情報管理データベース4の各データベースに必要なデータを登録した後、新規仕様データ登録手段9Aは、図14に示したような仕様設定完了表示画面1401をユーザ端末2に表示させるようにする。この仕様設定完了表示画面1401には、見積もり書表示ボタン1402、据付図表示ボタン1403、意匠図表示ボタン1404、及び3Dモデル表示ボタン1405の各ボタンが設けられている。図2では、図示を省略していたが、エレベータ新規仕様設定用サーバ1Aは、発注仕様確認データ生成手段を有しており、発注を行ったユーザはこれらのボタンをクリックすることにより発注仕様の詳細を確認することができるようになっている。
【0102】
ところで、図12の価格工程見積もり詳細画面1201は、ユーザに価格表示欄1202及び工期表示欄1203を呈示すると共に、これに対して「発注いたしますか」という問いかけを行い、「YES」又は「NO」の二者択一を要求するものであったが、ユーザ側の選択の幅をより広げ、ユーザが更に別の仕様を希望できるようにすることも可能である。
【0103】
図15は、このような価格工程見積もり詳細画面1501を示すものである。この価格工程見積もり詳細画面1501は、外見上は図12の価格工程見積もり詳細画面1201とほぼ同様のものであり、異なっているのは「発注致しますか」という文章が「別仕様をインプットしますか」に変わっている点である。
【0104】
ユーザは、表示された価格工程見積もり詳細画面1501の価格表示欄15002及び工期表示欄1503の内容を検討し、この内容のままで発注しても構わないのであれば、この「YES」ボタンではなく「NO」ボタン1507をクリックする。一方、この内容では了解できず、更に別の仕様の入力を希望するのであれば「YES」ボタン1506をクリックする。
【0105】
「YES」ボタン1506をクリックすると、ユーザ端末2には再び図11の電子モックアップ画面1101が表示され、ユーザは既述したのと同様の方法で自己が希望する仕様を記入する。この場合、例えば、ユーザは最初に呈示された手摺Aに変えて手摺Bを採用した見積もりを要求し、それでも了解できずに更に手摺Cを採用した見積もりを要求したものとする。
【0106】
すなわち、ユーザは、電子モックアップ画面1101上で手摺Cを記入した後、仕様入力完了ボタン1117をクリックしたとする。すると、ユーザ端末2には、図16に示すような、仕様/見積もり比較確認画面1601が表示される。この画面には、手摺A,B,Cの各見積もり価格が表示されている。ユーザは、手摺Aを採用した場合の仕様詳細、価格詳細、工程を知りたい場合はそれらの「表示」ボタンをクリックすればよい。同様に、手摺B又は手摺Cを採用した場合の仕様詳細、価格詳細、工程を知りたい場合はそれらの「表示」ボタンをクリックすればよい。
【0107】
更に、この画面には「別の仕様をインプットしますか?」という文章が表示されており、その横に「YES」ボタン及び「NO」ボタンが設けられている。ユーザが、別の仕様例えば手摺Dを採用した場合の仕様をインプットしたい場合は「YES」ボタンをクリックすればよく、その場合には前と同様に図11の電子モックアップ画面1101が表示されるので、この手摺Dを採用した場合の仕様を記入すればよい。
【0108】
図16の画面では、現在、手摺Aが選択された状態が表示されており、ユーザは手摺Aを採用した仕様で発注したいと思う場合には「NO」ボタンをクリックする。すると、ユーザ端末2には図17に示す発注前最終確認画面1701が表示される。発注前最終確認画面1701が仕様/見積もり比較確認画面1601と異なる点は、「別の仕様をインプットしますか?」という文章が「発注を行いますか?」という文章に変わっている点と、「仕様比較」の下の手摺A〜Cの名称の左側にチェック印指定部1702が設けられている点である。ユーザは、手摺Aの左横のチェック印指定部1702にチェック印を付け、この状態で「YES」ボタンを押す。
【0109】
すると、新規仕様データ登録手段9Aは、既述したように、新規仕様データ登録手段9Aがエレベータ情報管理データベース4の各データベースに必要なデータを登録した後、図14に示した仕様設定完了表示画面1401をユーザ端末2に表示させるようにする。
【0110】
これまで説明してきたのは、図9の画面901において、ユーザが「新規入力」ボタン902をクリックした場合、すなわちステップ3における判別結果が「YES」の場合の新規仕様設定についてであったが、次にユーザが「既設物件参照/流用」ボタン903をクリックした場合、すなわちステップ7−3における判別結果が「NO」の場合の設定の仕方につき説明する。
【0111】
ユーザが「既設物件参照/流用」ボタン903をクリックすると、ユーザ端末2には図18に示すような既設物件検索流用画面1801が表示される。ユーザは、画面上の「用途」、「定員」、「階床」の各検索項目の欄に該当するデータを記入した後(ステップ7−6)、検索実行ボタン1802をクリックする。すると、ユーザ物件リスト1803には、現在アクセスを行っているユーザ自身がこれまでに発注した物件について、件数と共に、名称、住所、リンクが表示される(ステップ7−7)。ユーザの中には不動産会社のように、同じような仕様の複数のビルやマンションを所有している場合があるが、ここにはこのような建物に設置された類似仕様の一連のエレベータがリストアップされる。なお、「リンク」とはデータの格納先を示すものであり、ユーザはこの部分をクリックすることにより、別の画面でその既設物件に関する詳しい情報を入手することができる。
【0112】
既設物件検索流用画面1801には、また、他ユーザ既設物件リスト1804も表示される(ステップ7−7)。これは、現在アクセスを行っているユーザ以外の他のユーザが所有している物件のリストである。但し、このリスト1804には、リスト1803とは異なり、「公開可/不可」を示す欄が設けられており、「不可」が記入されている物件については情報が公開されないようになっている。
【0113】
いま、例えば、ユーザがユーザ既設物件リスト1803の中からいずれかの物件をピックアップし、このピックアップした物件にカーソルを当ててその物件の表示を反転させ、その状態で「流用ボタン」1805をクリックしたとする。すると、図11の電子モックアップ画面1101が表示され、この画面上にピックアップされた物件のイメージや各種仕様が表示される。この場合、既述した「新規入力」の場合では表示されなかった物件情報表示欄1105内の製造番号が表示されることになる。
【0114】
ユーザは、この電子モックアップ画面1101上に表示された既設物件と全く同一仕様でかまわなければ「同一仕様」ボタン1106をクリックした後、仕様入力完了ボタン1117をクリックすればよい(ステップ7−8)。また、この表示された既設物件の一部の仕様について変更を行いたければ「変更」ボタン1107をクリックして、その一部の仕様についての変更を行った後、仕様入力完了ボタン1117をクリックすればよい(ステップ7−8)。
【0115】
ユーザが仕様入力完了ボタン1117をクリックすると電子モックアップ画面1101に記入された新規仕様データは、ユーザ端末2側から見積もり送付手段8Aに出力される。そして、見積もり送付手段8Aはこの入力した新規仕様データに基づき見積もり処理を開始してエレベータの価格及び工期を演算する。この場合、見積もり送付手段8Aは、既設物件の仕様についてその流用の程度に応じて割り引きを行うものとし、割引率を決定する(ステップ7−9)。このように、既設物件の仕様を新規仕様に流用する場合に割り引きを行うのは、過去に経験した技術をそのまま応用できるので、一般にエレベータの設置工事をより容易に行うことができるのが通常だからである。なお、ステップ7−10以降の処理については、既述したのと同様であるため重複した説明を省略する。
【0116】
このように、この実施形態では、ユーザが既設物件の仕様を流用できるようにして仕様設定を容易に行えるようにし、さらに、既設物件の仕様を流用することによりエレベータメーカの労力が軽減される分が見積もり価格に反映されるようにし、ユーザに対する価格面でのサービスを向上させることが企図されている。
【0117】
ところで、ユーザはエレベータメーカに対して一旦発注を行った後に、種々の事情から仕様変更を申し入れる場合がある。従来、このような場合に、ユーザは仕様変更を行った場合の納期や価格の変動状況を直ちに知ることができず、仕様変更が可能であるかどうかの判別自体が困難である場合もあったが、本発明によれば、このような場合にも有効に対処することが可能となっている。
【0118】
すなわち、ユーザはエレベータメーカに発注を行った後に、仕様変更を行おうとする場合には、図8の画面P805において物件コードを記入し、物件情報として表示される「進捗・工程」の文字をクリックする。これにより、ユーザ端末2には図13に示した工程表表示画面1301が表示され、ユーザは発注後の工事の進捗状況に基づき仕様変更が可能な状況であるかを判別することができる。そして、ユーザは、仕様変更が可能であると判別した場合、図11の電子モックアップ画面1101上に仕様変更を希望する物件についての詳細を表示させ、「変更」ボタン1107をクリックして希望する個所についての変更内容を記入した後、仕様入力完了ボタン1117をクリックする。
【0119】
これにより、見積もり送付手段8Aは再度演算を行い、その演算結果をユーザ端末2側に報告する。図19は、このときユーザ端末2側に報告される内容を示す説明図である。この図に示される価格工程見積もり詳細画面1901では、仕様変更前及び仕様変更後の各価格及び各工期がそれぞれ価格表示欄1902及び工期表示欄1903に対比された態様で示されている(価格表示欄1902においてはかっこ内が変更前のものを示している)。
【0120】
ユーザはこの結果を検討し、変更仕様を実施しようとする場合には「YES」ボタン1904をクリックする。これにより、新規仕様データ登録手段9は、新規仕様の内容を変更したこと、及びその変更仕様に関するデータをエレベータ情報管理データベース4に登録する。一方、ユーザはこの結果(例えば、「三方枠」の工期が遅れることになる)では変更仕様を実施できないと判断した場合には、「NO」ボタンをクリックし、再度図11の電子モックアップ画面1101上で別の変更仕様を記入するか、あるいは仕様の変更を行わないようにする。
【0121】
ところで、前述した図11の全体イメージ画面1102におけるシミュレーション動作の記載においては説明が省略されていたが、本実施形態では上記の「シミュレーションボタン」1109をクリックすることにより、ユーザは種々の視点から見たシミュレーション動作をユーザ端末2の画面に表示できるようになっている。以下、このシミュレーション動作の表示の仕方につき説明する。
【0122】
エレベータのシミュレーション動作を画面上で表示する場合、最も簡潔な表示の仕方は、エレベータ利用者(乗客)を登場させることなく、単にエレベータの機械部分の動きのみを写し出すことであるが、通常、その視点についてはエレベータの動作内容をユーザが最も理解しやすく且つ見やすいと考えられるような視点が各場面毎で選択されて切り換わるようになっている。このような視点を本明細書では、「客観視点」と呼ぶことにする。これに対し、シミュレーション動作中にエレベータ利用者を画面に登場させ、このエレベータ利用者の視点から見た動作を表示する仕方もあるが、このような表示におけるエレベータ利用者の視点を本明細書では「仮想視点」と呼ぶことにし、この仮想視点から見たエレベータの模擬動作のことを「バーチャル・ビュー・シミュレーション」と呼ぶことにする。このバーチャル・ビュー・シミュレーションの表示によれば、ユーザはあたかも自分が実際にエレベータかご内又はエレベータ乗り場に居るかのような感覚を体験することができ、そのエレベータの新規仕様についてのイメージを具体的に抱くことができるようになる。あるいは、文章や音声等のみによる説明では素早く理解するのが困難な操作手順等についても、このバーチャル・ビュー・シミュレーションの表示を活用することにより、ユーザは容易にその内容を理解することができるようになる。
【0123】
また、シミュレーション動作表示中にユーザがクリック操作等により客観視点又は仮想視点の好きな方、あるいは複数の客観視点及び仮想視点の中から好みの視点を選択できるようにする表示の仕方があるが、このような表示の仕方で写し出されるシミュレーションを本明細書では「リアルタイム・シミュレーション」と呼ぶ。これに対し、各場面毎で用いられる視点が予め作成・編集されたストーリーに沿って決められており、画面の表示の仕方についてユーザが介入する余地のないシミュレーションを本明細書では「非リアルタイム・シミュレーション」と呼ぶことにする。通常、画面にエレベータ利用者が登場するシミュレーションはリアルタイム・シミュレーションとし、エレベータ利用者が登場しないシミュレーションは非リアルタイム・シミュレーションとしてシミュレーション内容がプログラムされることが多いが必ずしも一義的に定まっているわけではない。
【0124】
次に、上記の各シミュレーションの表示の仕方の一例につき説明する。図11の電子モックアップ画面1101上でユーザが「シミュレーションボタン」1109をクリックすると、ユーザ端末2の画面は図33に示すようなオペレーションシミュレータ画面3301に切り換わる。このオペレーションシミュレータ画面3301は、選択オペレーション表示欄3302、オペレーション概要表示欄3303、各種操作ボタン3304、及びシミュレーション表示画面3305により構成されている。
【0125】
選択オペレーション表示欄3302は、画面上でシミュレーション動作を行わせることが可能なオペレーションの種類を選択するための欄であり、図示の例では、「通常運転(自動)」、「通常運転(乗客)」、「パーキング」等のオペレーションが表示されている。「通常運転(自動)が選択されると、かごの昇降路における移動動作やドア開閉動作が自動動作として、つまり乗客が居ない態様でシミュレーション表示される。一方、「通常運転(乗客)」が選択されると、「通常運転(自動)」の場合と同様に、かごの昇降路における移動動作やドア開閉動作がシミュレーション表示されるが、この場合には乗り場ホールで乗客が乗り降りしたり、かご内で乗客が操作盤を操作する様子についても表示されるようになっている。また、「パーキング」が選択されると、所定階にかごが停止状態となる様子がシミュレーション表示される(この場合には、オペレーションの性質上、乗客は表示されない)。
【0126】
そして、ユーザが、シミュレーション表示させようとするオペレーションの名称にカーソルを合わせると、選択オペレーション表示欄3302においてその文字が反転されて表示されると共に、選択されたオペレーションの概要がオペレーション概要表示欄3303に表示されるようになっている。図示の例では、「通常運転(乗客)」の文字が反転された状態で表示されており、更に、この「通常運転(乗客)」の文字がクリックされた場合にシミュレーション表示画面3305に表示される内容がオペレーション概要表示欄3303に示されている。
【0127】
各種操作ボタン3304は、シミュレーション表示画面3305に表示される画面に対する操作を行うためのボタンであり、ユーザはこれらのボタンを操作することにより、シミュレーション動作について再生、停止、早送り、終了等の操作を行うことができる。
【0128】
シミュレーション表示画面3305は、上記したように、選択オペレーション表示欄3302で選択されたオペレーションのシミュレーション動作を表示する画面であり、上記のリアルタイム・シミュレーション又は非リアルタイム・シミュレーションの機能に基づきエレベータの一連の動作についての動画像が連続的に再生されるようになっている。図示の例は、「通常運転(乗客)」の再生中の一コマの内容を示したものであり、昇降路3307を移動してきたかご3306が所定階床に到着し、ホールドア3308の前で待っている二人の乗客M1,M2がこれからかご3306に乗り込もうとしている状態を写し出している。
【0129】
この後、画面の表示内容が進行し、図34(a)に示すように、シミュレーション表示画面3305には、ホールドア及びかごドアが開放した場面が大きく写し出される。図示の例は、乗り場ホールで待っていた二人の乗客M1,M2がかご内の様子をうかがっており、かご内には二人の乗客M3,M4が立っている場面である。このとき、ユーザが乗客M1の部分にカーソルをあててクリックを行うと、それ以降は矢印Y1で示す乗客M1の視点(仮想視点)から見た画面に切り換わり、バーチャル・ビュー・シミュレーションが表示される。図34(b)は、このような乗客M1の仮想視点から見た画像の表示内容であり、乗客M2と、これに相対する二人の乗客M3,M4が更に大きく写し出されている。
【0130】
それまで画面に表示されていたのは、エレベータの動作を最も把握しやすいと考えられる客観的な視点からのものであったが、このように乗客M1の仮想視点から見たバーチャル・ビューを表示することにより、ユーザは恰も自分が実際にエレベータの乗り場ホールに居るかのような臨場感を味わうことができ、エレベータの運転動作の内容を具体的且つ鮮明に理解することができるようになる。なお、図34(a)における矢印Y1は説明の便宜上付したものであり、実際の画面では表示されないものである。また、図34(b)において、ユーザが乗客M2の部分にカーソルをあててクリックを行うと、更にそれ以降は矢印Y2で示す乗客M2の視点から見た画面に切り換わるようになる。
【0131】
そして、上記のようなバーチャル・ビュー・シミュレーションの表示によれば、画面上での文章説明や音声出力による説明だけでは直ちに理解するのが難しいようなエレベータ操作手順等についてもユーザに容易に理解させることができるようになる。例えば、図35(a)は、かご内に乗り込んだ乗客M5がかご操作盤に対して操作を行おうとしている画面であるが、この画面以降はストーリーの展開に従って、矢印Y5で示す乗客M5の視点から見た画面に切り換わる。図35(b)は、このとき乗客M5の仮想視点から見た画像の表示内容であり、かご操作盤と、これに設けられた行先階ボタンや戸開ボタン及び戸閉ボタンとが写し出されている。
【0132】
いま、1階の乗り場ホールからかご内に乗り込んだ乗客M5が目的階の5階に行こうと思って▲5▼のボタンを押そうとしたが、誤って▲7▼のボタンを押してしまい、その後に▲5▼のボタンを押したため、図35(b)では▲5▼及び▲7▼の2つのボタンが点灯された状態となっている。このままの状態では、乗客M5は他の乗客に迷惑をかける虞があるので、7階の呼び登録をキャンセルしておくことが好ましい(最近の殆どのエレベータにはこのようなキャンセル機能が装備されている)。この場合のキャンセルを行うためには、乗客M5は▲7▼のボタンを2回連続して押せばよい。このようなキャンセル機能を働かせるための操作手順については、もちろん画面上での文章説明や音声出力等によっても説明可能ではあるが、上記のように乗客M5の視点から見た大きなかご操作盤や乗客M5の指の動き等を画面上に写し出すことにより、ユーザはより素早く且つ容易に操作手順を理解することができる。
【0133】
また、エレベータのかご内には、行先階ボタンの他に、戸開ボタン及び戸閉ボタン、あるいは非常時に用いる非常呼びボタンやインターホンなどが設置されているが、このような各種ボタンや各種の機器の使用方法についてもバーチャル・ビュー・シミュレーション表示の手法を採用することにより、ユーザに容易且つ正確に理解させることができる。
【0134】
なお、上記のように操作手順等を説明するためにのシミュレーションは、人体モデルが登場してくるにもかかわらず、通常は、画面の表示の仕方についてユーザが介入することができない非リアルタイム・シミュレーションとしてプログラムされるのが通常であり、図35(a)の画面から図35(b)の画面への切り換わりも、既述したように、ストーリーの展開にしたがって自動的に行われるようになっている。しかし、この場合においても、ユーザが画面上で人体モデル(乗客M5)の部分をクリックした場合には、ストーリーの展開にかかわらず、その時点から乗客M5の仮想視点で見た画面が写し出されるようにプログラムすることも可能である。
【0135】
また、図2では図示を省略していたが、エレベータ新規仕様設定用サーバ1Aは交通演算手段を有しており、ユーザ側の希望する条件に応じてかご設置台数を演算することができるようになっている。すなわち、ユーザが図10の基本仕様入力画面1001における「交通計算」ボタンをクリックすると、ユーザ端末2には図20に示す交通計算画面2001が表示される。この交通計算画面2001には複数項目の基本仕様入力欄2002が設けられており、ユーザがこれらの欄に必要なデータを記入すると、右側の計算結果表示欄2003に交通演算手段による演算結果が表示されるようになっている。計算結果表示欄2003に表示されるのは、基本仕様を満足するかご設置台数であるが、これらはかごの台数によって「1カー制御方式」とか「2カー制御方式」と呼ばれる。なお、基本仕様入力欄2002の各項目のうち、「最大走行時間」とはかごが最下階から最上階まで移動するのに要する時間である。また、「制御方式」とは上記の「1カー制御方式」及び「2カー制御方式」のことを指しているが、通常、この欄は記入せずに空白のまま演算を行う。
【0136】
上記した例は、基本仕様入力欄2002の入力に基づきかご設置台数が計算結果として表示される例であるが、場合によってはビルのスペース上の制限からかごの設置台数が決まっていることがある。このような場合には、計算結果表示欄2003にその決まっているかごの設置台数を表示させておき、基本仕様入力欄2002の各項目のうち、「輸送能力」及び「平均待ち時間」の欄を空白にしておく。そして、この状態で交通演算手段を起動させると、予め決められたかご数における「輸送能力」及び「平均待ち時間」が演算結果として表示されることになる。
【0137】
そして、新規仕様記入画面提供手段7Aは、上記の交通演算手段が演算したかご設置台数、又は「輸送能力」及び「平均待ち時間」などの輸送能力に関する仕様によりエレベータ運転が行われる場合のシミュレーション動作についても、図20の「シミュレーション」ボタン2004をクリックすることにより電子モックアップ画面上で表示を行うことができる。すなわち、ユーザが「シミュレーション」ボタン2004をクリックすると、ユーザ端末2の画面は図36に示すような交通シミュレーション画面3601に切り換わる。この交通シミュレーション画面3601は、計算結果表示欄3602、計算結果概要表示欄3603、各種操作ボタン3604、及びシミュレーション表示画面3605により構成されている。
【0138】
計算結果表示欄3602は、交通演算手段の計算結果であるかご設置台数を表す記号を表示するための欄であり、図示例の「TYPE1」、「TYPE2」、「TYPE3」等の英数字は、計算結果概要表示欄3603に表示されているように、それぞれかご設置台数が1台、2台、3台であることを意味している。そして、ユーザが計算結果表示欄3602において、シミュレーション表示させようとする英数字にカーソルを合わせると、この英数字が反転されて表示されると共に、これに対応する日本語文字も反転表示されるようになっている。図示の例では、それぞれ「TYPE1」及び「エレベータ1台構成」が反転表示されている。
【0139】
各種操作ボタン3604は、シミュレーション表示画面3605に表示される画面に対する操作を行うためのボタンであり、ユーザはこれらのボタンを操作することにより、シミュレーション動作について再生、停止、早送り、終了等の操作を行うことができる。
【0140】
シミュレーション表示画面3605は、上記したように、計算結果表示欄3602で選択されたかご設置台数でエレベータ運転を行った場合のシミュレーション動作を表示する画面であり、前述したリアルタイム・シミュレーション又は非リアルタイム・シミュレーションの機能に基づきエレベータの一連の動作についての動画像が連続的に再生されるようになっている。図示の例は、「TYPE1」すなわちかご設置台数が1台の場合の再生中の一コマの内容を示したものであり、昇降路3607を移動するかご3606が写し出されている。
【0141】
図37は、このようなシミュレーション表示画面の一例を示すズームアウト画面である。この図に示すように、各階床の乗り場には乗客M1,M2,M5,M6が待っており、かご内に乗客M3,M4が乗っている様子が表示されている。そして、ユーザは所定の画面操作を行うことにより、例えば、8階乗場付近のズームイン画面を表示させることもできる。このズームイン画面は図34(a)と同様の画面である。したがって、前述したように、ユーザは乗客M1又はM2の部分にカーソルをあててクリックすることにより、乗客M1,M2の視点から見たバーチャル・ビュー・シミュレーション表示をユーザ端末2に行わせることができる。
【0142】
図37の場面以降、かごが8階から7階、6階への下降して行き、乗客の乗降する様子が動画像として連続的に画面に表示される。ユーザは、このような画面を通して、交通演算手段の演算結果であるかご設置台数や「輸送能力」及び「平均待ち時間」が満足のいく仕様であるかを具体的に確認することが可能になる。また、バーチャル・ビュー・シミュレーションの画面を表示させることにより、乗客としてエレベータに乗降する行為を模擬的に体験ことができるので、乗客としての立場でかご設置台数等の仕様が適切なものであるか否かを判断することができる。
【0143】
以上のように、上記したエレベータ新規仕様設定用サーバ1Aによるエレベータの新規設置仕様設定機能を用いればエレベータメーカの営業員とユーザ側担当者とが直接対面しなくても、電子モックアップ画面をはじめとする種々の機能を活用することにより、ユーザ側担当者はエレベータシステム完成後のイメージを充分具体的につかむことができ、その他の詳細な仕様についても迅速且つ正確に知ることができるようになる。したがって、短時間でエレベータの新規仕様を設定することができるようになり、ユーザ側及びエレベータメーカ側双方が費やす時間及び労力を大幅に軽減することができる。
【0144】
また、ユーザがエレベータメーカに対して発注を行った後に仕様を変更する場合でも、仕様変更に伴う価格及び工期の変動状況を素早く把握することができ、ユーザ側及びエレベータメーカ側の双方が迅速な対応をとることができるようになる。
【0145】
更に、本発明のエレベータ新規仕様設定機能を利用すれば、従来のような営業員と担当者との直接対面による販売形態がそれほど必要でなくなるために、ユーザ側では発注の見込みの低いと思われるエレベータメーカに対しても躊躇することなく見積もりを依頼することができ、一方、エレベータメーカにとっても従来殆ど交流のなかったユーザからも営業取引できるチャンスを増やすことが期待できる。すなわち、本システムの導入によってエレベータ業界全体の活性化を図ることが可能になる。
【0146】
次に、メインテナンス仕様設定処理の詳細につき説明する。図21は、部品寿命が近づいたものが有るので、メインテナンス時期チェック手段8B1及びメインテナンス勧告メール発送手段8B2の機能に基づき、ユーザ端末2側に対してメインテナンスを行うことを促す場合の実施形態の動作を示すものである。すなわち、まず、メインテナンス時期チェック手段8B1は、本社サーバ12を介してエレベータ情報管理データベース4内の顧客データベース16及び仕様データベース18を参照し、工場サーバ13を介して出図手配データベース23を参照し、更にフィールドサーバ14を介して保守データベース28をそれぞれ毎日参照する(ステップ21−1)。そして、これらのデータベースの参照に基づき、各ユーザの物件毎に寿命が近づいた部品つまり交換時期に達した部品が存在するか否かを判別する(ステップ21−2)。
【0147】
交換時期に達した部品が存在する場合、メインテナンス勧告メール発送手段8B2は、その旨を知らせるメールを当該ユーザ当てに発送する(ステップ21−3)。この場合のメールの文章としては、例えば、「お客様の物件○○ビルのエレベータが部品交換時期となりました。下記URLにてご案内いたします」というようなものとする。
【0148】
このメールにはエレベータメーカのホームページのURLが記載されており、メールを受け取ったユーザは、このURL部分をクリックすることにより(ステップ21−4)当該エレベータメーカのホームページにアクセスすることができ、ユーザ端末2に図8のユーザ認証画面P801を表示することができる。そして、ユーザはこの画面によりユーザIDの認証を受けるようにする。なお、メインテナンス仕様設定処理のサービスを利用するユーザは、過去に本サービスを提供するエレベータメーカによってエレベータの設置を行った者であり、当然のことながら既にID番号の発行を受けた者ばかりである。
【0149】
ユーザ認証手段6BがこのユーザIDを認証すると(ステップ21−5)、メインテナンス仕様記入画面提供手段7Bは、図22に示すような保守情報画面2201をユーザ端末2に表示させるようにし、更に図23に示すような依頼確認画面2301をサブ画面として表示させるようにする(ステップ21−6)。
【0150】
この保守情報画面2201には、建物名記入欄2202が設けられており、建物名が記されている。建物名記入欄2202の下方には電子モックアップ画面2203が設けられ、寿命が近づいた部品を含んでいるエレベータの主要個所(図22の例では、カゴ及びその周辺個所)が表示されている。電子モックアップ画面2203の隣には、エレベータ稼働ステータス画面2204が設けられており、ここに寿命が近づいている部品名や部品の状態などが表示されている。エレベータ稼働ステータス画面2204の上方には各種情報表示欄2205が設けられており、エレベータのメインテナンスに必要な情報が項目毎に表示されている。
【0151】
建物名記入欄2202の側方には、「各部品名表示」ボタン2206、「部品寿命表示」ボタン2207、「オプション設定」ボタン2208、及び「オンラインマニュアル」ボタン2209が設けられている。
【0152】
「各部品名表示」ボタン2206をクリックすると、電子モックアップ画面2203上に写し出されている各部品のそばにその部品名が表示されるようになっている。「部品寿命表示」ボタン2207をクリックすると、電子モックアップ画面2203上に写し出されている各部品が、交換時期に達するまでの日数のレベルに対応するように異なる色で表示されるようになっている。「オプション設定」ボタン2208をクリックすると、オプション機能すなわち運転条件を新たに設定し直すことができるようになっているが、これについては後述する。「オンラインマニュアル」ボタン2209をクリックすると、ユーザが知りたいと思っている操作手順や用語等の解説がエレベータ情報管理データベース4のデータに基づき表示されるようになっている。また、各種情報表示欄2205のうちの「保守プラン」のデータ記入欄の隣には、「保守プラン変更」ボタン2210が設けられている。この「保守プラン変更」ボタン2210をクリックすることで、ユーザはエレベータメーカとの間で契約している保守プランの内容を変更することができるが、これについても後述する。
【0153】
図23の依頼確認画面2301には、寿命時期が近づいた部品がリストアップされており、リストアップされた各部品につき、「発注」、「保守依頼」、「交換しない」等を選択するためのチェック印指示部2302が設けられている。「発注」は単に部品を発注するためのものであり、後日、新規部品がユーザのもとに届けられることになる。「保守依頼」はエレベータメーカの保守作業員にメインテナンス作業の実行を依頼するためのものであり、後日エレベータメーカの保守作業員がユーザ側に出向いてメインテナンスを実行することになる。但し、部品によってはユーザ側による交換作業が禁止されているものが有り、このような部品については「発注」を選択することができないようになっている。
【0154】
「交換しない」は、ユーザが寿命時期の近づいている部品を最早不要と判断した場合に選択する欄である。但し、この部品を不要としたことにより現在実行中の或るオプション機能が働かなくなる虞がある場合、メインテナンス仕様記入画面提供手段7Bはその旨を警告する画面をユーザ端末2に表示させるようにする。例えば、或るユーザが、カゴ内のスピーカによりオプション機能であるオートアナウンス機能を実行していたが、最早不要となったので、寿命が近づいたスピーカを交換することなく、そのまま廃棄処分にしようとする場合などは、スピーカを交換しなければオートアナウンス機能もなくなる旨を記載したメッセージを流すようにして、ユーザ側の注意を喚起するようにしている。
【0155】
ユーザは、各部品に関するチェック印指示部2302に対してチェック印を付した後、「申請」ボタン2303をクリックする。すると、このチェック印を付した状態に対応するデータをメインテナンス依頼情報登録手段9Bがエレベータ情報管理データベース4内の保守データベース28等に登録する(ステップ21−7)。そして、この登録が行われると、電子モックアップ画面2303における該当部品の色が変化し、発注又は保守依頼等が行われたことが確認できるようになっている。例えば、「COP(カゴ内操作盤)ボタン」につき「発注」を選択した場合、それまで寿命時期が近づいていることを示す赤色で表示されていたCOPボタンが、今度は発注済みを示す紫色で表示されるようになる。
【0156】
上記した例は、メインテナンス時期チェック手段8B1の自動チェック機能に基づき、ユーザ端末2側に寿命時期が近づいたことが通知され、これに対してユーザ端末2側が応答した場合を説明したものであるが、ユーザ端末2側が自発的に部品の発注又は保守依頼を行うこともできる。例えば、各種のランプ等の部品は寿命時期とは関係なく突然に切れる場合がしばしば発生するが、このような場合ユーザは本システムを利用して直ちにエレベータメーカに対して必要な手配を行うことができる。
【0157】
図24はこのような場合の処理手順を示すフローチャートである。すなわち、ユーザはユーザ端末2によりエレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bにアクセスし、ユーザ認証手段6BによりユーザIDの認証を受け(ステップ24−1)、その後前記の図8のメイン画面P805をユーザ端末2に表示させる(ステップ24−2)。
【0158】
次いで、ユーザがメイン画面P805に物件コード(発番又は製造番号と呼ばれるもの)を入力すると(ステップ24−3)、上記した図22の保守情報画面2201(メインテナンス仕様記入画面)がユーザ端末2に現れる(ステップ24−4)。ユーザが電子モックアップ画面2203上で発注又は保守依頼をしようとする部品の個所をダブルクリックすると(ステップ24−5)、その部品についての詳細な情報が記載された図25の部品情報画面2501が表示されるようになる(ステップ24−6)。
【0159】
部品情報画面2501は、部品表示画面2502を有しており、ここにユーザがクリックした部品(図25の例ではホールランタン)が表示されるようになっている。また、部品表示画面2502の隣には部品説明欄2503が設けられており、ここに部品表示画面2502に表示されている部品の名称、及びその定格や規格などの必要事項が表示されている。部品説明欄2503の上方には、部品表示画面2502に表示された部品についての各種のメインテナンス情報が表示される各種情報表示欄2504が項目毎に設けられている。この各種情報表示欄2504のうち最下行の項目は「部品種類」になっており、この欄にはスクロールキーが付されている。ユーザがこのスクロールキーをクリックするとプルダウンメニューが現れていくつかの種類が表示されるようになっている。そして、ユーザはこれらの中から交換したい部品の種類を選択する(ステップ24−7)。
【0160】
次いで、ユーザが「メインテナンス情報」ボタン2507をクリックすると、図260に示すようなメインテナンス情報画面2601が現れる。このメインテナンス情報画面2601は、部品の交換手順などのメインテナンス手順を表示するものであり(ステップ24−8)、アニメーション画面2602及びその題名表示欄2603と、交換手順表示欄2604と、日常手入れ手順表示欄2605とを有している。アニメーション画面2602に現在表示されているのはホールランタンの交換手順であり、交換手順表示欄2604の右側に付されているスクロールキーを操作することにより、ホールランタンの一連の交換手順を記載した文章が交換手順表示欄2604に順次表示されると共に、その一連の動作がアニメーションとして画面2602に表示される。同様に、日常の手入れ手順についての文章及びアニメーションも日常手入れ手順表示欄2605及びアニメーション画面2602に表示される。
【0161】
ユーザは、上記のようなメインテナンス手順の表示を画面上で確認した後、自身で部品交換作業を行うことができると判断した場合は部品情報画面2501上で「発注」ボタン2505のみをクリックし、また、自身で部品交換作業を行うことが困難でありエレベータメーカの保守作業員に依頼した方が適切であると判断した場合は「発注」ボタン2505及び「保守依頼」ボタン2506の双方をクリックする(ステップ24−9)。
【0162】
メインテナンス依頼情報登録手段9Bは、このような「発注」ボタン2505、「保守依頼」ボタン2506のクリックされた際のメインテナンス仕様データをエレベータ情報管理データベース4の保守データベース28に登録する(ステップ24−10)。
【0163】
ところで、上記した例は、ユーザが故障した部品が予め分かっている場合について説明したものであるが、ユーザは図6の保守情報画面2201上で寿命が近づいている部品の状態をチェックすることにより自発的に部品の発注又は保守依頼を事前に行うことも可能である。すなわち、ユーザはユーザ端末2に保守情報画面2201を表示させた後、「部品寿命表示」ボタン2207をクリックする。すると、既述したように、電子モックアップ画面2203上に写し出されている各部品が、交換時期に達するまでの日数のレベルに対応するように異なる色で表示される。したがって、ユーザはこのときの表示色に基づいて各部品に対する「発注」、「保守依頼」を行うべきか否かを判断することができる。なお、この実施形態では、ユーザが「部品寿命表示」ボタン2207をクリックしなくても、電子モックアップ画面2203上である部品の個所をクリックしただけでもその部品は残りの寿命に対応する色で表示されるようになっている。
【0164】
これまで説明してきたのは、寿命が近づいた部品を新しいものに交換する際の処理の仕方に関するものであったが、本発明のシステムによれば、エレベータシステム全体について改修すべき時期をチェックすることも可能である。図27は、この場合の処理手順を示すフローチャートである。
【0165】
すなわち、メインテナンス時期チェック手段8B1は、各物件毎にエレベータ情報管理データベース4内の顧客データベース16及び仕様データベース18、更に保守データベース28などを参照し(ステップ27−1)、エレベータシステム全体の改修を実施するのに適当な時期になった物件が有るか否かを判別する(ステップ27−2)。
【0166】
改修実施適当時期になった物件が存在する場合、メインテナンス勧告メール発送手段8B2は、その旨を知らせるメールを当該ユーザ宛てに発送する(ステップ27−3)。この場合のメールの文章としては、例えば、「お客様の物件○○ビルのエレベータに改修をお奨めする時期となりました。下記URLにてご案内いたします」というようなものとする。
【0167】
このメールにはエレベータメーカのホームページのURLが記載されており、メールを受け取ったユーザは、このURL部分をクリックすることにより当該エレベータメーカのホームページにアクセスすることができ、ユーザ端末2にユーザID認証画面P801を表示することができる(ステップ27−4)。そして、ユーザはこのメイン画面において所定の操作を行い、ユーザIDの認証を受けるようにする。
【0168】
ユーザ認証手段6BがこのユーザIDを認証すると(ステップ27−5)、ユーザはこのメイン画面上に表示されている「エレベータシステム改修」の文字をクリックし、エレベータシステムの改修仕様データを記入するための画面をユーザ端末2に表示させるようにする(ステップ27−6)。この画面は、エレベータの新規仕様を記入するための画面(図11)と同様の画面であり、これについては先に新規仕様設定処理において詳しく説明したので、ここではその説明を省略することにする。
【0169】
そして、ユーザがこの改修仕様記入画面に必要な全ての仕様を入力した後、「仕様入力完了」のボタンをクリックすると、メインテナンス依頼情報登録手段9がこの改修仕様についてのデータをエレベータ情報管理データベース4内の保守データベース28等に登録する(ステップ27−7)。
【0170】
次に、ユーザがエレベータメーカと契約する保守プランの内容を変更するための手続につき説明する。既述したように、従来、エレベータメーカはエレベータの実際の運行状態にかかわらず、メインテナンス料として一律の定額料金をユーザに対して請求しており、ユーザはメインテナンス料の支払いに関しては殆ど選択の余地がないのが実情であった。そこで、本システムでは、エレベータの安全上絶対に必要な基本的メインテナンス事項については必ずユーザにメインテナンスを受けることを義務づけることとするが、その他のオプション的な性格を有するメインテナンス事項についてはユーザ自身の判断に委ねて取捨選択してもらうようにしている。このようなシステムを採用することにより、エレベータの安全性を確保すると共に、ユーザの納得する保守契約を結ぶことができ、ユーザに対する価格面でのサービスを向上させることが可能になる。
【0171】
図28は、この保守プランの内容変更を行う手続について説明するためのフローチャートである。すなわち、ユーザはユーザ端末2によりエレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bにアクセスし、ユーザ認証手段7によりユーザIDの認証を受け(ステップ28−1)、その後メイン画面P805をユーザ端末2に表示させる(ステップ28−2)。
【0172】
次いで、ユーザがこのメイン画面上で物件コード(発番又は製造番号と呼ばれるもの)を入力すると(ステップ28−3)、図22保守情報画面2201(メインテナンス仕様記入画面)がユーザ端末2に現れる(ステップ28−4)。この保守情報画面2201上でユーザが「保守プラン変更」ボタン2210をクリックすると(ステップ28−5)、メインテナンス仕様記入画面提供手段7Bは図29に示すような保守プラン申請画面2901をユーザ端末2に表示させる(ステップ28−6)。この保守プラン申請画面2901には保守プランの変更につき申請すべき事項が表示されているので、これにつき説明しておく。
【0173】
図29の保守プラン申請画面2901における「メインテナンスコース」と書かれた項目では、ユーザがフルメインテナンス又はユーザセレクトメインテナンスのいずれかをチェック印を付すことにより選択できるようになっている。ここで、フルメインテナンスとは、基本メインテナンスに全てのオプションメインテナンスを組み合わせたものを指し、ユーザセレクトメインテナンスとは、基本メインテナンスにユーザが選択したオプションメインテナンスを組み合わせたものを指している。
【0174】
「基本メインテナンス」と書かれた項目では、基本メインテナンスの説明と、アンダーラインが付された「基本メインテナンス」の文字が表示されている。ユーザは、このアンダーラインが付された文字をクリックすることにより、基本メインテナンスの詳しい内容を画面上に表示させることができる。
【0175】
「オプションメインテナンス」の項目には、「全て依頼する」ボタン2902、「全て依頼しない」ボタン2903、及び「全て推奨にする」ボタン2904が設けられている。そして、これらのボタンの下方には、複数のオプションメインテナンス項目について、工数及び工賃が示されており、更に、各項目には、「推奨」チェック印指示部2905、「依頼する」指示部2906、「依頼しない」指示部2907が設けられている。
【0176】
ボタン2902〜2904は一括入力を可能にするものであり、ボタン2902をクリックすると全てのオプションメインテナンスを依頼することができ、ボタン2903をクリックすると全てのオプションメインテナンスを依頼しないようにすることができる。また、ボタン2904をクリックすると、「推奨」チェック印指示部2905にチェック印が付されているオプションメインテナンスのみを依頼することができる。
【0177】
ユーザは、また、これら一括入力を行うためのボタン2902〜2904を用いずに、各項目の「依頼する」指示部2906又は「依頼しない」指示部2907のうちのいずれかにチェック印を付すことにより、各項目に係るメインテナンスの実施についての是非をその都度検討しながら希望するメインテナンスのみを依頼することも可能になっている。
【0178】
「定期メインテナンス間隔」と書かれた項目では、ユーザがエレベータメーカの推奨する間隔、あるいは自己の希望する間隔のいずれを依頼することもできるようになっている。ただし、あまりに長い間隔をユーザが依頼するのは安全管理上問題があるため、ユーザが選択できる間隔は11ヶ月以内に限定されている。
【0179】
「保守料金」と書かれた項目では、現在契約されている保守料金の内訳、エレベータメーカ推奨コースの保守料金の内訳、ユーザが自身で選択したコースの保守料金の内訳が表示されるようになっており、ユーザが最終的に申請を行う前の検討が行いやすくなるよう配慮がなされている。
【0180】
上記の各項目のうち「メインテナンスコース」、「オプションメインテナンス」、及び「定期メインテナンス」についての選択又は入力の内容によりメインテナンスの具体的な依頼内容及び保守料金が特定されることになる。したがって、ユーザはこれらの選択又は入力を行った後、「申請」ボタン2908をクリックして、メインテナンスの依頼を最終的に申請することになる(ステップ28−7)。
【0181】
このとき、メインテナンス依頼情報登録手段9Bはユーザがエレベータメーカ側の推奨している項目に沿わないメインテナンス内容を選択又は入力している場合には、ユーザ端末2に例えば「推奨に沿わない項目があります。よろしいですか?」というような注意メッセージを表示する(ステップ28−8、ステップ28−9)。そして、メインテナンス依頼情報登録手段9Bは、上記の注意メッセージと共に表示していた「OK」ボタンをユーザがクリックした場合に(ステップ28−10)、その依頼内容をエレベータ情報管理データベース4内の保守データベース28に登録する。一方、ユーザは上記の注意メッセージにより、再度依頼内容を検討しようとする気になった場合はステップ28−7に戻って選択又は入力のやり直しを行うことになる。
【0182】
次に、本システムによれば、オプション機能すなわち運転条件を新たに設定し直すことができるので、これにつき説明する。図30は、このオプション機能設定の手順を説明するためのフローチャートである。
【0183】
すなわち、ユーザはユーザ端末2によりエレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bにアクセスし、ユーザ認証手段6BによりユーザIDの認証を受け(ステップ30−1)、その後メイン画面P805をユーザ端末2に表示させる(ステップ30−2)。
【0184】
次いで、ユーザがこのメイン画面上で物件コード(発番又は製造番号と呼ばれるもの)を入力すると(ステップ30−3)、図22の保守情報画面2201(メインテナンス仕様記入画面)がユーザ端末2に現れる(ステップ30−4)。この保守情報画面2201上でユーザが「オプション設定」ボタン2208をクリックすると(ステップ30−5)、メインテナンス仕様記入画面提供手段7Bは図31に示すような各種設定画面3101をユーザ端末2に表示させる(ステップ30−6)。
【0185】
ユーザがこの画面に表示されている各項目に記入を行った後(ステップ30−7)「適用」ボタン3102をクリックすると(ステップ30−8)、メインテナンス依頼情報登録手段9Bはその記入内容に係るデータをエレベータ情報管理データベース4の保守データベース28に登録する。このとき、メインテナンス依頼情報登録手段9Bは、この設定されたオプション機能は次回のエレベータ起動時より適用される旨のメッセージを表示する(ステップ30−9)。なお、ユーザがオプション機能の変更を中止したい場合や入力操作を再度やり直したい場合には、「キャンセル」ボタン3103をクリックすればよい。
【0186】
ところで、先にエレベータの新規仕様設定処理における説明において、シミュレーション動作の表示に関して詳しく述べたが、このエレベータのメインテナンス仕様設定処理においても、同様のシミュレーション動作の表示を行うことができる。すなわち、ユーザが「シミュレーション」ボタン3104をクリックすると、メインテナンス仕様記入画面提供手段7Bが上記のオプション機能に関するシミュレーション動作を電子モックアップ画面上で表示するようになっている。したがって、ユーザは上記のステップ30−8において「適用」ボタン3102をクリックする前に、オプション機能の設定を変更する前又は変更した後のエレベータの運転動作を事前に確認することができる。例えば、図31の例では、ユーザが「基準階帰着」の項目に関しては「あり」の方にチェック印を付し、基準階を1階に設定しようとしているが、ユーザはこのような基準階帰着という動作がどのようなものであるかを画面上で確認した上で「適用ボタン」3102をクリックすることができる。
【0187】
次に、このシミュレーション動作の表示につき説明する。ユーザが図31における「シミュレーション」ボタン3104をクリックすると、ユーザ端末2の画面は図38に示すようなオペレーションシミュレータ画面3801に切り換わる。このオペレーションシミュレータ画面3801は、選択オペレーション表示欄3802、オペレーション概要表示欄3803、各種操作ボタン3804、及びシミュレーション表示画面3805により構成されている。
【0188】
選択オペレーション表示欄3802は、画面上でシミュレーション動作を行わせることが可能なオペレーションの種類を選択するための欄であり、図示の例では、「パーキング」、「基準階帰着」、「各停運転」等のオペレーションが表示されている。「パーキング」が選択されると、所定階にかごが停止状態となる動作がシミュレーション表示され、「基準階帰着」が選択されると、一定時間以上かご呼び及びホール呼びがないかごが基準階として設定されている階床(図38の設定例では1階)に帰着する動作が表示され、また、「各停運転」が選択されると、呼びボタンの操作の有無にかかわらずかごが1階床ずつ全ての階に停止する運転動作が表示されるようになっている。
【0189】
そして、ユーザが、シミュレーション表示させようとするオペレーションの名称にカーソルを合わせると、選択オペレーション表示欄3802においてその文字が反転されて表示されると共に、選択されたオペレーションの概要がオペレーション概要表示欄3803に表示されるようになっている。図示の例では、「基準階帰着」の文字が反転された状態で表示されており、更に、この「基準階帰着」の文字がクリックされた場合にシミュレーション表示画面3805に表示される内容がオペレーション概要表示欄3803に示されている。
【0190】
各種操作ボタン3804は、シミュレーション表示画面3805に表示される画面に対する操作を行うためのボタンであり、ユーザはこれらのボタンを操作することにより、シミュレーション動作について再生、停止、早送り、終了等の操作を行うことができる。
【0191】
シミュレーション表示画面3805は、上記したように、選択オペレーション表示欄3802で選択されたオペレーションのシミュレーション動作を表示する画面であり、前述したリアルタイム・シミュレーション又は非リアルタイム・シミュレーションの機能に基づきエレベータの一連の動作についての動画像が連続的に再生されるようになっている。図示の例は、「基準階帰着」の再生中の一コマの内容を示したものであり、昇降路3807を上昇してきたかご3806が最上階の乗り場ホールに到着し、ホールドア3808の前で待っている乗客M1がこれからかご3806に乗り込もうとしている状態を写し出している。
【0192】
この後、図39に示すように、画面にはエレベータ昇降路全体が表示され、この昇降路に沿ってかごが昇降動する動作や各階床の乗り場ホールでかごが停止しドアを開閉する動作などが表示される。すなわち、図39(a)は、最上階に到着したかご内に乗客M1が乗り込んだ後ドアが閉じられて停止している状態であり、図39(b)は、途中階にかごが到着した後ドアが開き乗客M1がかごから降りた状態を示している。そして、この後、どの階床の乗り場からも呼びがなく、またかご内には乗客が居ない状態が一定時間以上続いたため、かごは図39(c)に示すように、基準階として設定されている1階の乗り場に帰着して待機している状態となる。
【0193】
このような一連の動作が動画像により画面に写し出されるので、ユーザは基準階帰着という動作の内容を充分具体的に理解した上で図31の画面における「適用」ボタン3102をクリックすることができる。なお、この例では、ユーザが「適用」ボタン3102をクリックする前(すなわち設定変更前)に「シミュレーション」ボタン3104をクリックして基準階帰着についてのシミュレーション表示を行う例につき説明したが、もちろん、「適用」ボタン3102をクリックした後(すなわち設定変更後)に「シミュレーション」ボタン3104をクリックしても基準階帰着についてのシミュレーション表示を行うことは可能である。
【0194】
また、いま述べているのはエレベータのメインテナンス仕様設定処理に関してであり、図38の選択オペレーション表示欄3802に表示されるオペレーションは必ずしもその全てがシミュレーション動作中に乗客(エレベータ利用者)が登場するものではないが、乗客が登場するオペレーションのシミュレーション表示においては、新規仕様設定処理において既述したバーチャル・ビュー・シミュレーションを表示できるようにしている。このバーチャル・ビュー・シミュレーションの表示については先に詳述しているので、重複した説明を省略することとする。
【0195】
また、図2では図示を省略していたが、エレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bは、オンラインマニュアル手段を有しており、このオンラインマニュアル手段を用いてエレベータの操作手順やメインテナンス手順などのマニュアルデータをユーザ端末2に表示させることができる。すなわち、ユーザが図22の保守情報画面2201上の「オンラインマニュアル」ボタン2209をクリックすると、図32(a)に示すようなオンラインマニュアル画面3201がユーザ端末2に表示される。そして、この画面上のアンダーラインが付された表題部分をクリックすると、図32(b)に示すように、この表題に関する説明部分が表示される。したがって、ユーザは自己が利用している当該エレベータについての詳細なマニュアル情報を簡単に入手することができる。
【0196】
但し、エレベータメーカの機密保持の必要性やその他の理由により、詳細な情報をマニュアル情報として一般公開することが不適切な事項については、マニュアル情報として掲載するのを避け、公開できない旨を表示することにする。
【0197】
そして、このオンラインマニュアル手段は、上記のエレベータの操作手順やメインテナンス手順などについてのシミュレーション動作をユーザ端末2の画面上に表示させることができ、更に、このシミュレーション動作を表示させるにあたっては、先に説明したバーチャル・ビュー・シミュレーションやリアルタイム・シミュレーション及び非リアルタイム・シミュレーションの手法を採用することができる。したがって、ユーザはマニュアル情報の内容を容易且つ正確に理解することができるようになる。
【0198】
以上のように、上記したエレベータのメインテナンス仕様設定機能によれば、寿命部品等の交換時期の予測を看過することなく容易に行うことができるので、寿命部品の寿命切れ等に起因する異常事故を未然に防ぐことができ、復旧まではエレベータを使用することができなくなるというユーザ側の不都合の発生頻度を低減できると共に、エレベータメーカ側の余分の労力についても軽減できるという効果が得られる。
【0199】
また、寿命部品を交換するか否かについてもユーザ側の判断によっては交換不要の選択を取り得る余地を残すなどして、ユーザの判断又は希望を安全性を損なわない範囲で極力尊重して取り入れるようにしている。更に、従来、ユーザ側には殆ど選択の余地がなかった保守料金についても、ユーザがかなりの自由度をもって選択できるようにするなど多くの工夫を施している。したがって、ユーザが充分に納得し得るメインテナンスを実施することになり、ユーザに対するサービスを大幅に向上させることができる。
【0200】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、エレベータを新規に設置する場合にはその仕様の設定を容易且つ確実に行うことができ、ユーザ及びエレベータメーカ双方の労力を軽減すると共に、ユーザの希望条件を充分に取り入れることが可能になり、更に、エレベータのメインテナンスを行う場合には、エレベータのメインテナンス情報を可能な限りユーザに対して公開し、ユーザの希望を極力取り入れたエレベータのメインテナンスを実現すると共に、ユーザ側及びエレベータメーカ側双方の労力を軽減することができる。
【0201】
すなわち、エレベータを新規に設置する時点から設置後にメインテナンスを行う時点まで、エレベータの全ての期間にわたって、インターネットを介してユーザとエレベータメーカとの間でエレベータの各種設定に関するコミュニケーションを円滑に行うことが可能となり、ユーザに対するサービスを大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエレベータのライフプラン設定支援システムの構成を示すブロック図。
【図2】図1におけるエレベータ新規仕様設定用サーバ1A及びエレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bの構成を示すブロック図。
【図3】図1におけるエレベータライフプラン設定用サーバ1及びエレベータ情報管理データベース4の詳細な構成を示すブロック図。
【図4】図1又は図3におけるエレベータ情報管理データベース4の階層構造を示す説明図。
【図5】図4のエレベータ情報管理データベース4内の仕様データベース18の階層構造を示す説明図。
【図6】図1及び図2に示したエレベータのライフプラン設定支援システムが行う処理の概略を示すフローチャート。
【図7】本発明のシステムにおける新規仕様設定処理の詳細を説明するためのフローチャート
【図8】図2におけるユーザ認証手段6Aが行うユーザ認証処理を説明するためのフローチャート。
【図9】図2における新規仕様記入画面提供手段7Aがユーザ端末2に表示させる画面についての説明図。
【図10】図2における新規仕様記入画面提供手段7Aがユーザ端末2に表示させる基本仕様入力画面についての説明図。
【図11】図2における新規仕様記入画面提供手段7Aがユーザ端末2に表示させる電子モックアップ画面についての説明図。
【図12】図2における見積もり送付手段8Aからユーザ端末2に送付され、ユーザ端末2に表示される価格工程見積もり詳細画面の説明図。
【図13】図12の「工程表」ボタン1205をクリックした場合にユーザ端末2に表示される工程表表示画面の説明図。
【図14】図2における新規仕様データ登録手段9Aが受注登録後にユーザ端末2に表示させる仕様設定完了表示画面についての説明図。
【図15】図1における見積もり送付手段8Aからユーザ端末2に送付され、ユーザ端末2に表示される、図12とは別の価格工程見積もり詳細画面の説明図。
【図16】図2における見積もり送付手段8Aが、ユーザの別仕様インプット後にユーザ端末2に表示させる、仕様/見積もり比較確認画面についての説明図。
【図17】図16の「NO」ボタンをクリックした場合に、ユーザ端末2に表示される発注前最終確認画面についての説明図。
【図18】図2における新規仕様記入画面提供手段7Aがユーザ端末2に表示させる既設物件検索流用画面についての説明図。
【図19】図2における見積もり送付手段8Aが、ユーザの変更仕様インプット後にユーザ端末2に表示させる、価格工程見積もり詳細画面についての説明図。
【図20】図2のエレベータ新規仕様設定用サーバ1Aが具備する交通演算手段がユーザ端末2に表示させる交通計算画面についての説明図。
【図21】図2のエレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bを中心とした動作を説明するためのフローチャート。
【図22】図2におけるメインテナンス仕様記入画面提供手段7Bがユーザ端末2に表示させる保守情報画面についての説明図。
【図23】図2におけるメインテナンス仕様記入画面提供手段7Bがユーザ端末2に表示させる依頼確認画面についての説明図。
【図24】図2のエレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bを中心とした動作を説明するためのフローチャート。
【図25】図2におけるメインテナンス仕様記入画面提供手段7Bがユーザ端末2に表示させる部品情報画面についての説明図。
【図26】図2におけるメインテナンス仕様記入画面提供手段7Bがユーザ端末2に表示させるメインテナンス情報画面についての説明図。
【図27】図2のエレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bを中心とした動作を説明するためのフローチャート。
【図28】図2のエレベータメインテナンス仕様設定用サーバ1Bを中心とした動作を説明するためのフローチャート。
【図29】図2におけるメインテナンス仕様記入画面提供手段7Bがユーザ端末2に表示させる保守プラン申請画面についての説明図。
【図30】図2におけるメインテナンス仕様記入画面提供手段7Bがユーザ端末2に表示させる保守プラン申請画面についての説明図。
【図31】図2におけるメインテナンス仕様記入画面提供手段8がユーザ端末2に表示させる各種設定画面についての説明図。
【図32】図2のエレベータメインテナンス設定用サーバ1Bが具備するオンラインマニュアル手段がユーザ端末2に表示させるオンラインマニュアル画面についての説明図。
【図33】図2における新規仕様記入画面提供手段7Aがユーザ端末2に表示させるオペレーションシミュレータ画面3301についての説明図。
【図34】図33におけるシミュレーション表示画面3305に表示されるバーチャル・ビュー・シミュレーション動作の表示画面例を示す説明図であり、(a)は客観視点からの表示画面、(b)は(a)の画面における乗客M1の仮想視点からの表示画面を示している。
【図35】図33におけるシミュレーション表示画面3305に表示されるバーチャル・ビュー・シミュレーション動作の表示画面例を示す説明図であり、(a)は客観視点からの表示画面、(b)は或る乗客M5の仮想視点からの表示画面を示している。
【図36】図2における新規仕様記入画面提供手段7Aがユーザ端末2に表示させる交通シミュレーション画面3601についての説明図。
【図37】図36のシミュレーション表示画面3605に表示されるズームアウト画面の説明図。
【図38】図2におけるメインテナンス仕様記入画面提供手段7Bがユーザ端末2に表示させるオペレーションシミュレータ画面3801についての説明図。
【図39】図38のオペレーションシミュレータ画面3801における表示例の説明図であり、(a)は、最上階に到着したかご内に乗客M1が乗り込んだ後ドアが閉じられて停止している状態、(b)は、途中階にかごが到着した後ドアが開き乗客M1がかごから降りた状態、(c)は、どの階床の乗り場からも呼びがなく、またかご内には乗客が居ない状態が一定時間以上続いたため、かごが基準階として設定されている1階の乗り場に帰着して待機している状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
1 エレベータライフプラン設定用サーバ
1A エレベータ新規仕様設定用サーバ
1B エレベータメインテナンス仕様設定用サーバ
2 ユーザ端末
3 インターネット
4 エレベータ情報管理データベース
5A PDMシステム
6A ユーザ認証手段
7A 新規仕様記入画面提供手段
8A 見積もり送付手段
9A 新規仕様データ登録手段
5B PDMシステム
6B ユーザ認証手段
7B メインテナンス仕様記入画面提供手段
8B1 メインテナンス時期チェック手段
8B2 メインテナンス勧告メール発送手段
9B メインテナンス依頼情報登録手段
10 全社的情報サーバ
11 局所的情報サーバ
12 本社サーバ
13 工場サーバ
14 フィールドサーバ
15 海外現法サーバ
16 顧客データベース
17 発番データベース
18 仕様データベース
19 価格データベース
20 NET-COSTデータベース
21 3D-CADデータベース
22 電気CADデータベース
23 出図手配データベース
24 設計ノウハウデータベース
25 製造データベース
26 工程データベース
27 調達データベース
28 保守データベース
29 品質データベース
30 トラブルデータベース
31 総合データベース
M1〜M6 乗客

Claims (26)

  1. 複数のユーザ端末と、これらのユーザ端末とインターネットを介して接続され、PDM機能に基づきエレベータ情報管理データベースの管理を行うエレベータライフプラン設定用サーバとを備えており、
    このエレベータライフプラン設定用サーバは、
    前記ユーザ端末からエレベータの新規設置についての見積もり依頼を受けた場合に、前記ユーザ端末に対してエレベータ新規仕様を記入し得る画面を提供し、前記ユーザ端末がこの画面に記入してきた新規仕様データに基づきエレベータの新規設置に関する見積もりを行うと共に、この見積もり結果を前記ユーザ端末に送付し、前記ユーザ端末からの発注意思を確認した場合に前記エレベータ情報管理データベースに受注情報を登録するエレベータ新規仕様設定用サーバと、
    前記ユーザ端末からメインテナンスの依頼を受けた場合に、前記ユーザ端末に対してエレベータメインテナンス仕様を記入し得る画面を提供し、前記ユーザ端末がこの画面に記入してきたメインテナンス仕様データに基づきエレベータのメインテナンスの実施内容を決定し、この決定した内容を前記エレベータ情報管理データベースに登録するエレベータメインテナンス仕様設定サーバと、
    を有するものである、
    ことを特徴とするエレベータのライフプラン設定支援システム。
  2. 前記エレベータ新規仕様設定用サーバは、
    いずれかのユーザ端末からアクセスがあった場合に、そのユーザ端末に対してID番号の認証又はID番号の発行を行うユーザ認証手段と、
    前記ユーザ認証手段が前記認証又は発行を行った後、所望のエレベータ新規仕様を記入し得る画面をユーザ端末に対して提供する新規仕様記入画面提供手段と、
    前記ユーザ端末が前記新規仕様記入画面提供手段の提供した画面に新規仕様を記入してきた場合に、エレベータの価格及び工期を前記エレベータ情報管理データベースを参照して演算し、この演算に基づく見積もり結果を前記ユーザ端末に送付すると共に、発注意思を問い合わせる見積もり送付手段と、
    前記見積もり送付手段が前記見積もり結果を送付した後、前記ユーザ端末から発注意思が有る旨の最終的確認を得た場合に、前記エレベータ情報管理データベースにエレベータの新規設置に関して受注した旨及びその新規仕様に関するデータを登録する新規仕様データ登録手段と、
    を有するものであることを特徴とする請求項1記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  3. 前記新規仕様記入画面提供手段は、エレベータの基本的な仕様を文字により記入するための基本仕様入力画面と、この基本仕様入力画面の記入結果に基づきエレベータの各個所の全体的構成及び部分的構成をコンピュータグラフィックスを用いて表す電子モックアップ画面とを提供するものである、
    ことを特徴とする請求項2記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  4. 前記新規仕様記入画面提供手段は、所定の検索項目の記入に基づき過去の受注物件に関する一覧表示画面を提供し、この一覧表示画面上で選択された受注物件の仕様データが流用可能な新規仕様データとして表示された画面を前記ユーザ端末に対して提供するものであり、
    前記見積もり送付手段は、前記ユーザ端末が前記過去の受注物件の流用可能な仕様データを新規仕様データとして前記画面に記入してきた場合に、流用の程度に応じて割り引きした見積もりを行うものである、
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  5. 前記新規仕様記入画面提供手段は、前記電子モックアップ画面上でエレベータの各部のシミュレーション動作を表示可能なものである、
    ことを特徴とする請求項3記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  6. 前記新規仕様記入画面提供手段は、前記電子モックアップ画面上でエレベータの各部を3次元的に表し、更に3次元空間内でエレベータの各部を自在に回転させることにより所望の部位を所望の角度から見ることができるように表示することが可能なものである、
    ことを特徴とする請求項3記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  7. 前記新規仕様記入画面提供手段は、前記一覧表示画面に過去の受注物件のリストを表示する場合に、前記アクセスがあったユーザ端末に係るユーザの物件と、その他のユーザに係る物件とを分けて表示し、その他のユーザに係る物件のうち仕様データを公開することが禁止されているものについては画面上での表示を行わないものである、
    ことを特徴とする請求項4記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  8. 前記新規仕様記入画面提供手段は、前記新規仕様データ登録手段による受注登録が既に行われているユーザ端末が受注時の仕様の内容を変更することを希望した場合には、前記所望のエレベータ新規仕様を記入し得る画面をユーザ端末に対して提供するものであり、
    前記見積もり送付手段は、前記ユーザが前記画面に記入した変更仕様に基づきエレベータの価格及び工期の演算を再度行い、変更仕様に基づく価格及び工期の変動状況をそのユーザ端末に報告すると共に、変更仕様の内容を実施するか否かについて問い合わせるものであり、
    前記新規仕様データ登録手段は、前記ユーザ端末から変更仕様の内容を実施する旨の通知を受けた場合に、前記エレベータ情報管理データベースに新規仕様の内容を変更したこと、及びその変更仕様に関するデータを登録するものである、
    ことを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  9. 前記新規仕様記入画面提供手段は、エレベータの交通に関する仕様について前記ユーザ端末が入力するための交通計算画面を前記ユーザ端末に提供するものであり、
    前記エレベータ新規仕様設定用サーバは、前記ユーザ端末が前記交通計算画面に記入してきた交通計算仕様に基づきかご設置台数、又は輸送能力に関する仕様を演算する交通演算手段を有する、
    ことを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載のエレベータのライフプラン設定支援システム装置。
  10. 前記エレベータ新規仕様設定用サーバは、前記ユーザ端末がエレベータの発注仕様を確認し得るデータを生成する発注仕様確認データ生成手段を有する、
    ことを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  11. 前記エレベータメインテナンス仕様設定用サーバは、
    いずれかのユーザ端末からアクセスがあった場合に、そのユーザ端末に対してID番号の認証又はID番号の発行を行うユーザ認証手段と、
    前記ユーザ認証手段が前記認証又は発行を行った後、所望のエレベータメインテナンス仕様を記入し得る画面をユーザ端末に対して提供するメインテナンス仕様記入画面提供手段と、
    前記ユーザ端末が前記メインテナンス仕様記入画面提供手段の提供した画面に記入したメインテナンス仕様についてのデータを前記エレベータ情報管理データベースに登録するメインテナンス依頼情報登録手段と、
    を有するものであることを特徴とする請求項1記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  12. 前記エレベータ情報管理データベースに格納されている各ユーザのメインテナンス情報に基づきそのユーザのエレベータのメインテナンス時期をチェックするメインテナンス時期チェック手段と、
    前記メインテナンス時期チェック手段のチェック結果に基づき、メインテナンスが必要とされるユーザに係るユーザ端末に対してエレベータのメインテナンスを行うことを勧告するメールを発送するメインテナンス勧告メール発送手段と、
    を有するものであることを特徴とする請求項11記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  13. 前記メインテナンス時期チェック手段は、寿命の近づいた部品の交換又は修理時期をチェックするものであり、
    前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記寿命の近づいた部品を含むエレベータ個所をコンピュータグラフィックスを用いて表した電子モックアップ画面を提供するものである、
    ことを特徴とする請求項12記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  14. 前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記電子モックアップ画面上で前記寿命の近づいた部品を他の個所と異なる色で表示するものである、
    ことを特徴とする請求項13記載のエレベータのメインテナンス仕様設定支援システム。
  15. 前記メインテナンス時期チェック手段は、エレベータシステム全体を改修すべき時期をチェックするものであり、
    前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記メインテナンス勧告メール発送手段がエレベータシステムの改修を行うことを勧告するメールを発送した後、前記ユーザ端末側からのアクセスがあった場合に、エレベータシステムの改修仕様を記入し得る画面を前記ユーザ端末に対して提供するものである、
    ことを特徴とする請求項12記載のエレベータのライフプラン定支援システム。
  16. 前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記ユーザ端末が所定の画面上で所定の操作を行った場合に、前記ユーザ端末に対して保守プランを変更した内容を申請することが可能な保守プラン申請画面を提供するものである、
    ことを特徴とする請求項11乃至15のいずれかに記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  17. 前記保守プランを変更した内容は、エレベータメインテナンス時に必ず行うべきものとされている基本メインテナンスに、ユーザ端末側が任意に取捨選択可能なオプションメインテナンスを組み合わせたものである、
    ことを特徴とする請求項16記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  18. 前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記ユーザ端末が保守プランを変更した内容を申請する場合に、エレベータメインテナンス上適正な内容の推奨保守プランを前記ユーザ端末側に提示することが可能なものである、
    ことを特徴とする請求項16又は17記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  19. 前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記ユーザ端末が所定の画面上で所定の操作を行った場合に、エレベータの運転条件についての設定を変更することが可能な画面を前記ユーザ端末に対して提供するものである、
    ことを特徴とする請求項11乃至18のいずれかに記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  20. 前記エレベータメインテナンス仕様設定用サーバは、エレベータの操作手順及びメインテナンス手順を含むマニュアルデータを前記ユーザ端末に提供するオンラインマニュアル手段を有する、
    ことを特徴とする請求項11乃至19のいずれかに記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  21. 前記新規仕様記入画面提供手段は、前記交通演算手段が演算したかご設置台数又は輸送能力に関する仕様によりエレベータ運転が行われる場合のシミュレーション動作を、前記電子モックアップ画面上で表示可能なものである、
    ことを特徴とする請求項9記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  22. 前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記ユーザ端末がいずれかの部品について交換又は改修をせずに削除した状態とする旨を伝えてきた場合であって、その部品が所定のオプション機能実現のために必要な部品である場合には、その部品の削除によってそのオプション機能が働かなくなる旨を警告する画面を前記ユーザ端末に表示させるものである、
    ことを特徴とする請求項13記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  23. 前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記ユーザ端末に働かなくなる旨を警告したオプション機能に基づくエレベータ各部のシミュレーション動作を、前記電子モックアップ画面上で表示可能なものである、
    ことを特徴とする請求項22記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  24. 前記メインテナンス仕様記入画面提供手段は、前記エレベータの運転条件についての設定を変更した後及び変更する前のシミュレーション動作を電子モックアップ画面上で表示可能なものである、
    ことを特徴とする請求項19記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  25. 前記オンラインマニュアル手段は、前記エレベータの操作手順及びメインテナンス手順についてのシミュレーション動作を前記ユーザ端末の画面上で表示可能なものである、
    ことを特徴とする請求項20記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
  26. 前記シミュレーション動作が、エレベータかご内又はエレベータ乗り場付近に居るエレベータ利用者の視点から見たバーチャル・ビュー・シミュレーション動作を含む、
    ことを特徴とする請求項5、23、24、25のいずれかに記載のエレベータのライフプラン設定支援システム。
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