JP2000122899A - 生産ラインの保守支援システム - Google Patents

生産ラインの保守支援システム

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JP2000122899A
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淳 秋山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンピュータが故障したときに迅速に復旧対
策を講じることができ、しかも予防保全のための保守点
検を見落としなく行うことができる生産ラインの保守支
援システムを実現する。 【解決手段】 コンピュータの故障を発見したときに、
故障を修理するための保守作業がどの保守項目に該当す
るかを判別し、判別した保守項目に対応する保守作業の
依頼先を保守データテーブルから検索し、検索した保守
作業の依頼先に保守作業の要求を出す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車生産ライン
等のような生産ラインに導入されたコンピュータの保守
作業を支援する生産ラインの保守支援システムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、工場では、生産を自動化するた
めの生産ラインが構築されている。自動車生産ラインに
は各種のコンピュータが導入されている。例えば、生産
の進捗状況を監視したり、生産ラインの設備を制御した
りするために、パソコンが導入されている。パソコンの
上位階層には、パソコンを制御して製造管理、出荷管
理、在庫管理、生産のスケジューリングを行うサーバと
してのコンピュータ等が設置されている。更にサーバの
上位階層には各サーバを統括する統括サーバが設けられ
ている。
【0003】このように自動車生産ラインには、用途に
応じて多くのコンピュータが導入されている。それぞれ
のコンピュータは、製造メーカや機種によって保守のし
かたが様々である。また、同じコンピュータでも保守項
目によって保守作業の依頼先が異なることがある。保守
項目によって保守作業が可能な時間帯が異なることがあ
る。さらに、保守項目に応じて保守契約が基本契約であ
ったりオプション契約であったりすることがある。
【0004】このようなことから、生産ラインの作業者
は、コンピュータが故障したときに、次のことを直ちに
知ることができなかった。 どの業者に保守作業を依頼すればよいか。 今は保守作業が可能な時間帯であるか。 修理のための保守作業は基本契約を結んでいるものか
オプション契約を結んでいるものか。
【0005】これらのことを知るには、取扱説明書や契
約書を取り出してきて調べなければならなかった。この
ため、故障に対して迅速な復旧対策を講じることができ
なかった。また、コンピュータには定期的な保守点検が
必要な項目がある。保守項目は多数あるため、作業者は
それぞれの保守項目について保守点検の時期を管理する
ことが難しかった。例えば、保守項目には1年毎に点検
する項目もあれば、2年毎に点検する項目もある。この
ように、コンピュータが故障したときに迅速に保守作業
を依頼できなかった。また、予防保全のための保守点検
の時期を管理するのが難しかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題点を解決するためになされたものであり、保守項目
と、保守作業の依頼先、保守作業が可能な時間帯、保守
契約の種類等をテーブル形式に対応させたデータテーブ
ルを作成してメモリに格納しておき、このデータテーブ
ルを検索して保守に関する情報を抽出することによっ
て、コンピュータが故障したときに迅速に復旧対策を講
じることができ、しかも予防保全のための保守点検を見
落としなく行うことができる生産ラインの保守支援シス
テムを実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は次のとおりの構
成になった である。
【0008】(1)生産ラインに導入されたコンピュー
タの保守作業を支援する生産ラインの保守支援システム
において、コンピュータの保守項目と、保守作業の依頼
先とをテーブル形式に対応させた保守データテーブルを
格納した保守データ用メモリと、コンピュータの状態を
監視する監視手段と、監視手段がコンピュータの故障を
発見したときに、故障を修理するための保守作業がどの
保守項目に該当するかを判別し、判別した保守項目に対
応する保守作業の依頼先を保守データテーブルから検索
する検索手段と、検索手段で検索した保守作業の依頼先
に保守作業の要求を出す通知手段と、を具備したことを
特徴とする生産ラインの保守支援システム。
【0009】(2)生産ラインに導入されたコンピュー
タの保守作業を支援する生産ラインの保守支援システム
において、コンピュータについて設けた保守項目と、保
守作業の依頼先とをテーブル形式に対応させた保守デー
タテーブルを格納した保守データ用メモリと、コンピュ
ータに対して行った保守作業の履歴を記録した履歴デー
タを格納した履歴メモリと、この履歴データを参照し、
保守作業の時期が到来した保守項目を判別する判別手段
と、この判別手段で判別した保守項目に対応する保守作
業の依頼先を保守データテーブルから検索する検索手段
と、この検索手段で検索した保守作業の依頼先に保守作
業の要求を出す通知手段と、を具備したことを特徴とす
る生産ラインの保守支援システム。
【0010】(3)保守データテーブルを画面に一覧表
示する表示手段及び前記保守データ用メモリを生産ライ
ンの現場と保守作業の依頼先の少なくとも一方に設けた
ことを特徴とする請求項1または(2)記載の生産ライ
ンの保守支援システム。
【0011】(4)前記判別手段が保守作業の時期の到
来した保守項目を判別したときに、コンピュータの動作
状態を診断し、診断結果をもとに直ちに保守作業を行う
か保守作業を延期するかを判断する保守時期判断手段を
具備した(2)記載の生産ラインの保守支援システム。
【0012】(5)コンピュータの故障データをプロッ
トしてバスタブ曲線を作成するバスタブ曲線作成手段
と、保守項目を選択する選択手段と、選択した保守項目
の保守作業を実行したと仮定した場合の予測バスタブ曲
線を生成する予測バスタブ曲線作成手段と、前記予測バ
スタブ曲線とバスタブ曲線作成手段で作成した実際のバ
スタブ曲線とを同一画面上に比較対照して表示する表示
手段と、を具備したことを特徴とする(1)または
(2)記載の生産ラインの保守支援システム。
【0013】(6)前記保守データテーブルには、保守
項目に対応させるデータとして、保守作業が可能な時間
帯、保守項目について結んだ契約の種類が設けられてい
ることを特徴とする(1)または(2)記載の生産ライ
ンの保守支援システム。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を詳し
く説明する。図1は本発明の一実施例を示す構成図であ
る。この実施例は自動車生産ラインの例である。図1
で、コンピュータCは自動車生産ラインLに導入されて
いる。コンピュータCは、例えば、生産の進捗状況を監
視するパソコン、出荷管理、在庫管理を行うサーバ等で
ある。
【0015】保守データ用メモリ1は保守データテーブ
ルを格納している。保守データテーブルの一例を図2に
示す。図2の例では、保守データテーブルは、コンピュ
ータの保守項目に対して、保守項目について結んだ契約
の種類(基本契約とオプション契約)、保守作業が可能
な時間帯(平日12時間と休日24時間)、保守作業の
依頼先(保守サービス会社)とをテーブル形式に対応さ
せている。
【0016】図1へ戻り、監視手段2はコンピュータC
の状態を監視する。検索手段3は、監視手段2がコンピ
ュータCの故障を発見したときに、故障を修理するため
の保守作業がどの保守項目に該当するかを判別し、判別
した保守項目に対応する保守作業の依頼先を保守データ
テーブルから検索する。通知手段4は、検索手段3で検
索した保守作業の依頼先に保守作業の要求を出す。表示
手段5は保守データテーブルを画面に一覧表示する。表
示制御手段6は、表示手段5を制御する。
【0017】保守データ用メモリ1、表示手段5及び表
示制御手段6は、自動車生産ラインの現場と保守作業の
依頼先の少なくとも一方に設けられている。これらが生
産ラインの現場と保守作業の依頼先の両方に設けられて
いる場合は、両方で保守データテーブルの内容を確認し
ながら保守作業の発注等を行うことができる。メモリ7
は監視手段2がコンピュータCの故障を発見したとき
に、故障データを格納する。
【0018】バスタブ曲線作成手段8は、メモリ7の故
障データをプロットしてバスタブ曲線を作成する。選択
手段9は保守データテーブルの中にある保守項目を選択
する。予測バスタブ曲線作成手段10は、選択した保守
項目の保守作業を実行したと仮定した場合の予測バスタ
ブ曲線を生成する。表示手段5は、予測バスタブ曲線と
バスタブ曲線作成手段10で作成した実際のバスタブ曲
線とを同一画面上に比較対照して表示する。
【0019】図3は一般的なバスタブ曲線を示した図で
ある。図3に示すように、バスタブ曲線は、設備の設計
・製作の不良等によって故障が生じる初期故障期間、故
障発生率がほぼ一定値に安定している偶発故障期間、機
械的な摩耗・劣化等によって故障が発生する摩耗故障期
間の3期間によって設備の故障特性の一般的なパターン
を表している。
【0020】予測バスタブ曲線と作成した実際のバスタ
ブ曲線とを同一画面上に比較対照して表示し、比較結果
をもとに、設備が初期故障期間、偶発故障期間、摩耗故
障期間の中でどの期間に該当するかを識別する。そし
て、該当期間をもとに、今後の故障率を算定し、(維持
管理費用)×(故障率)と、機器の更新に必要な費用及
び更新によるメリット(定量化したもの)とを比較し、
損益の分岐点を設備のライフサイクルと判断する。
【0021】図4は本発明の他の実施例の構成図であ
る。図4で、履歴メモリ20は、コンピュータCに対し
て行った保守作業の履歴を記録した履歴データを格納す
る。判別手段21は、履歴データを参照し、保守作業の
時期が到来した保守項目を判別する。検索手段3は判別
手段21で判別した保守項目に対応する保守作業の依頼
先を保守データテーブルから検索する。
【0022】通知手段4は検索手段3で検索した保守作
業の依頼先に保守作業の要求を出す。このようにして保
守時期の到来した保守項目について保守依頼が出され、
予防保全のための保守作業が行われる。
【0023】保守時期判断手段22は、判別手段21が
保守作業の時期が到来した保守項目を判別したときに、
コンピュータCの動作状態を診断し、診断結果をもとに
直ちに保守作業を行うか保守作業を延期するかを判断す
る。例えば、診断の結果が良好であるときは、保守作業
を先延ばしする。診断の結果、異常が見付かったときは
異常部分について保守作業を行う。
【0024】なお、実施例では生産ラインが自動車生産
ラインである例を取り上げたが、生産ラインはこれ以外
であってもよい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば次の効果が得られる。
【0026】請求項1の発明によれば、コンピュータが
故障したときに、故障を修理するための保守作業の依頼
先を保守データテーブルから検索し、依頼先に保守作業
の要求を出すため、迅速に復旧対策を講じることができ
る。これによって、コンピュータの故障により生産ライ
ンが停止する時間を短縮できる。
【0027】請求項2の発明によれば、保守作業の時期
が到来した保守項目について、保守作業の依頼先に対し
て保守作業の要求を出すため、予防保全のための保守点
検を見落としなく行うことができる。図5はコンピュー
タの寿命予測に用いるバスタブ曲線である。図5で、バ
スタブ曲線G1は本発明のシステムで予防保全を行わな
かった場合の曲線、バスタブ曲線G2は本発明のシステ
ムで予防保全を行った場合の曲線である。本発明のシス
テムによりA部分の面積に比例したコストを削減できる
ことになる。
【0028】請求項3の発明によれば、保守データテー
ブルの内容を画面上で確認しながら保守作業を行うこと
ができる。
【0029】請求項4の発明によれば、コンピュータの
実際の状態を参照して的確な時期に保守作業を実行でき
る。
【0030】請求項5の発明によれば、保守作業を行っ
た場合と行わなかった場合のバスタブ曲線の違いを視覚
的に確認できる。
【0031】請求項6の発明によれば、今は保守作業が
可能な時間帯であるか、修理のための保守作業は基本契
約を結んでいるものかオプション契約を結んでいるもの
かをわざわざ取扱説明書や契約書を取り出さなくても容
易に知ることができる。
【0032】以上説明したように本発明によれば、コン
ピュータが故障したときに迅速に復旧対策を講じること
ができ、しかも予防保全のための保守点検を見落としな
く行うことができる生産ラインの保守支援システムを実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図である。
【図2】保守データテーブルの一例を示した図である。
【図3】一般的なバスタブ曲線を示した図である。
【図4】本発明の他の実施例の構成図である。
【図5】本発明による効果の説明図である。
【符号の説明】
1 保守データ用メモリ 2 監視手段 3 検索手段 4 通知手段 5 表示手段 8 バスタブ曲線作成手段 9 選択手段 10 予測バスタブ曲線作成手段 L 自動車生産ライン C コンピュータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生産ラインに導入されたコンピュータの
    保守作業を支援する生産ラインの保守支援システムにお
    いて、 コンピュータの保守項目と、保守作業の依頼先とをテー
    ブル形式に対応させた保守データテーブルを格納した保
    守データ用メモリと、 コンピュータの状態を監視する監視手段と、 監視手段がコンピュータの故障を発見したときに、故障
    を修理するための保守作業がどの保守項目に該当するか
    を判別し、判別した保守項目に対応する保守作業の依頼
    先を保守データテーブルから検索する検索手段と、 検索手段で検索した保守作業の依頼先に保守作業の要求
    を出す通知手段と、を具備したことを特徴とする生産ラ
    インの保守支援システム。
  2. 【請求項2】 生産ラインに導入されたコンピュータの
    保守作業を支援する生産ラインの保守支援システムにお
    いて、 コンピュータについて設けた保守項目と、保守作業の依
    頼先とをテーブル形式に対応させた保守データテーブル
    を格納した保守データ用メモリと、 コンピュータに対して行った保守作業の履歴を記録した
    履歴データを格納した履歴メモリと、 この履歴データを参照し、保守作業の時期が到来した保
    守項目を判別する判別手段と、 この判別手段で判別した保守項目に対応する保守作業の
    依頼先を保守データテーブルから検索する検索手段と、 この検索手段で検索した保守作業の依頼先に保守作業の
    要求を出す通知手段と、を具備したことを特徴とする生
    産ラインの保守支援システム。
  3. 【請求項3】 保守データテーブルを画面に一覧表示す
    る表示手段及び前記保守データ用メモリを生産ラインの
    現場と保守作業の依頼先の少なくとも一方に設けたこと
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の生産ライン
    の保守支援システム。
  4. 【請求項4】 前記判別手段が保守作業の時期の到来し
    た保守項目を判別したときに、コンピュータの動作状態
    を診断し、診断結果をもとに直ちに保守作業を行うか保
    守作業を延期するかを判断する保守時期判断手段を具備
    した請求項2記載の生産ラインの保守支援システム。
  5. 【請求項5】 コンピュータの故障データをプロットし
    てバスタブ曲線を作成するバスタブ曲線作成手段と、 保守項目を選択する選択手段と、 選択した保守項目の保守作業を実行したと仮定した場合
    の予測バスタブ曲線を生成する予測バスタブ曲線作成手
    段と、 前記予測バスタブ曲線とバスタブ曲線作成手段で作成し
    た実際のバスタブ曲線とを同一画面上に比較対照して表
    示する表示手段と、を具備したことを特徴とする請求項
    1または請求項2記載の生産ラインの保守支援システ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記保守データテーブルには、保守項目
    に対応させるデータとして、保守作業が可能な時間帯、
    保守項目について結んだ契約の種類が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載の生産ライ
    ンの保守支援システム。
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