JP4812135B2 - 補強土擁壁を積層するための施工具 - Google Patents

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本発明は、補強土(補強盛土)工法における補強土擁壁構造の擁壁を積層するための施工具に関する。
近時、土自身の性質を変えないで土の内部応力や・ひずみ状態を力学的に変化させて盛土を強化する補強土工法(所謂、盛土工法、補強盛土工法、テールアルメ工法)が、阪神淡路大震災の検証から安全性が実証され注目されている。
この工法の特徴は、(1)比較的広範囲な盛土材料に対して適用でき、(2)垂直な直壁構造にできるので土地の有効利用ができ、(3)施工が容易で工期を短くでき、(4)壁構造自体に柔軟性があり、変形に対する追従性が高いことが挙げられる。
この補強土擁壁構造の従来例を、図16に示して説明すると、基部である基礎コンクリートaの上に矩形のコンクリート製壁面材bを積載して垂直の壁を形成し、各壁面材bの裏面部には固定金具cを介して補強材である棒状のタイバーdを取付、この補強材のタイバーd末端には移動抵抗板eを固着し、この補強材dと移動抵抗板eとを盛土G内に埋め込んで、補強土擁壁が前面に倒れることを阻止しするとともに、盛土の加重が補強土擁壁の裏面部に加わり、補強土擁壁が所定の場所に直立状態で安定して固定される(他に、特許文献1,2)。
このような作用で補強土擁壁の状態が維持されるので、前述の(4)項の構造自体に柔軟性を持たせ、変形に対する追従性を高くすることが重要であり、このため、図示するように、通常の補強土擁壁は単純に積み上げる、所謂「いも積み」と呼ばれる工法が採用され、各壁面材bの間には、透水防砂材fや横目地材gが施され、隣り合う壁面材とは僅かであるが独立して前後に移動でき、補強土擁壁面全体として柔軟性を確保している。
ところで、単純に補強土擁壁を垂直に積み上げる「いも積み」は、上下・左右方向の補強土擁壁の移動を束縛するだけで、擁壁面の前後方向の柔軟性が比較的大きく確保できるが、外観が単純になり、特に、擬石を配した擁壁となると自然に調和しない傾向にある。このため、特許文献3,4に示すように、補強土擁壁を交互にずらして積み上げる所謂「レンガ積み」も試みられている。
特許第2612411号公報 特許第2735786号公報 特開平10−60896号明細書 特許第3032778号公報
しかしながら、従来の補強土擁壁に柔軟性を付与するためには、特許文献1に示すように連結棒を上下の補強土擁壁に挿入したりしていたが作業が厄介であり、特許文献2に示すように、上下左右の壁面部材の側部に凸部と凹部と設けて、凸部と凹部とをしっかりと噛み合わせて組み立てた補強土擁壁もあるが、十分な柔軟性を確保しづらいという問題点があり、特に、補強土擁壁を交互にずらして積み上げる所謂「レンガ積み」に適用するとなると、1つの補強土擁壁を周囲の6つの補強土擁壁によって、しっかりと固定されてしまい、壁面での柔軟性が失われてしまうといった問題点があり、また、なによりも、外観において、上下左右にはっきりとした直線の境目が現れ、模様も単純になり自然に調和せず、特に、擬石を配した擁壁となると自然に調和しない傾向にある。
また、特許文献3,4に示すような、上下の補強土擁壁を左右にずらして積み上げる補強土擁壁工法は、上述したように、右上下および左上下の補強土擁壁他に、左右の補強土擁壁の計6枚の周囲の補強土擁壁にタイトに接続固定されてしまって、補強土擁壁として特徴の1つである、前述の(4)項の構造自体に柔軟性(特に、前後方向)を持たせることができず、したがって、盛土の変形に対する追従性を高くすることができなくなる。このことは、前述したように、「いも積み」の補強土擁壁についても、言えることで、あまり周囲の補強土擁壁にタイトに固定されてしまうと、補強土擁壁工法の利点が半減してしまうと言った問題点があった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、補強土擁壁の組み立てを容易にするとともに、各補強土擁壁の前後方向の僅かな移動を許容して、補強土擁壁全体の柔軟性を確保し、補強土擁壁工法の利点をより生かす補強土擁壁構造の擁壁を積層するための施工具を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、基礎前面部に対して側面が突出する突出部と切欠する切欠部とを有する側面部を一枚の補強土擁壁に設け、該突出部或いは切欠部と隣り合う補強土擁壁の切欠部或いは突出部とが噛み合って擁壁面を形成する補強土擁壁を積層するための施工具であって、
該施工具は案内部材と連結固定棒からなり、該案内部材は底部を補強土擁壁の裏面部に固定するとともに上方に延びるガイド面を有し、案内部材の側面部には前記連結固定棒を嵌挿する結合孔が設けられ、施工に際しては、案内部材を補強土擁壁の裏面部にガイド面がほぼ垂直になるように固着するとともに、連結固定棒を結合孔に水平に嵌挿し、上方から積層する補強土擁壁をガイド面に沿って下方に滑らせて案内し、上下の補強土擁壁面がほぼ同じ面になるように積層することを特徴とする補強土擁壁を積層するための施工具である。
すなわち、補強土擁壁を垂直に積み上げるため、前記施工具を使用することにより、簡単に上下および左右の隣り合う補強土擁壁の裏面とを同じ面に位置させることができ、案内部材と連結固定棒が安全柵として機能し、極めて安全で簡単に擁壁を積層施工できる。
本発明によれば、補強土擁壁構造において、補強土擁壁は垂直に積み上げるため、通常のクレーンだけでの施工では、位置合わせが厄介で困難な作業であり、かつ、非常に危険であるが、本発明の施工具を使用することにより、簡単に上下および左右の隣り合う補強土擁壁の裏面とを同じ面で、所定位置に積層させることができ、且つ、案内部材と連結固定棒が安全柵のように機能し、極めて安全で簡単に擁壁を積層施工できるという効果がある。
本発明の補強土擁壁構造と、この補強土擁壁を積層するための施工具の好適な実施例を図面に沿って説明する。
[実施例1]
補強土擁壁工法に用いる1単位の補強土擁壁を、図1乃至5に示して説明するが、コンクリート基盤1は多角形で、基盤前面部11には複数の擬石111が配置されており、図1及び図4に示すように、前記基礎前面部11に対して側面が側面方向に突出する突出部131と側面方向に切欠する切欠部132とを有する側面部13を設け、図5に示すように、基盤裏面部12は平面で適所には結合金具2(図7を参照)を固定するためのボルト121が埋め込まれ、また、案内部材6(図8参照)を固定するボルト122が埋め込まれている。
図1のA部分の拡大斜視の図4、側面部の図2から上面の図3に示すように、基盤1の側面部13には、隣り合う補強土擁壁の側面部13と互いに緩く噛み合うように側面部13に裏面部12と片面がほぼ同じ突出部131と、裏面部12に切欠の溝が開放されている切欠部132とが設けられている。本擁壁の突出部131は隣り合う補強土擁壁の切欠部132に、本擁壁の切欠部132と隣り合う補強土擁壁の突出部131とが噛み合って、補強土擁壁面全体を構成するようにしている。
図1から図5に示す本実施例の補強土擁壁の基盤1の多角形の形状は、ジグザグに組み合わせて、図6に示すように、全体の大きな壁面で隙間無く該多角形で埋め尽くすもので、基盤1の前面部11における端部形状の傾斜は45度かその倍数角度(90度、135度、180度、225度、270度、315度)の鈍角で、上方から下ろすだけで、無理なく下での最上段の補強土擁壁(基盤1)に積載され、組み合わせられるようになっている。
また、本実施例の基盤1の多角形形状は、基盤1の中心点での点対称であり、これは、1つの基盤(補強土擁壁)1の上下(或いは180度回転)にひっくり返しても同じ形状となり、同じ型枠から成型した補強土擁壁でもひっくり返して使用することで、擬石の配置も逆になり、あたかも、2種類の補強土擁壁(基盤1)が存在するか如くになるので、補強土擁壁全体の模様にそれだけ変化を与えることができる。したがって、型枠が2つあれば、4つの異なった模様の補強土擁壁となり、3つであれば、6つの異なった模様の補強土擁壁となり、組み合わせ態様もそれだけ多彩となる。
このことは、例えば、ある擬石配列の多角形基盤Bを配置し、その周りには、多角形基盤1を180度回転した基盤B’を配置するだで、図6に示すように、極めて多様な模様となり、自然に調和した補強土擁壁構造とすることができる。なお、擁壁構造の全体の端部には、必要に応じて、平坦な縁部を形成するように端部用の多角形基盤Cを作成して用いればよい。
前記基盤側面部13の突出部131と切欠部132とは、補強土擁壁構造を組み立てた側面図の図7に示すように、擁壁面を形成した際に、前記突出部131の側面131aと前記切欠部132の側面132aとの間に隙間Xを生じるように、前記突出部131の厚みZ1と前記切欠部132の溝幅Z2より小さく、すなわち、
(数式)Z2>Z1 Z2−Z1=X
として、隙間Xの存在によって周囲の補強土擁壁に対して僅かな前後移動Y(最大移動範囲X)を許容するように構成されている。
前記突出部131の側面部13での位置は、図7に示すように、片面(図での左側面)は裏面部12と同じ面になるように位置し、切欠部132の切欠の溝も裏面部12の方向に開放されている位置になるから、組み立てる際に、隣り合う補強土擁壁1の裏面部12(前面部11も同じ)を同じ面に位置させると、隙間Xは、切欠部132の内側、即ち、補強土擁壁1の接続部の内側に存在するので、盛土G等が混入することがない。言い換えれば、基盤側面部13の全辺には、必ず突出部131か切欠部132を存在させており、すなわち、盛土Gに対しては隣り合う補強土擁壁1を含む突出部131が必ず目地や壁のように存在し、隙間Xが突出部131の内側に存在して、大量の盛土Gが流入しないようにし、結果として、補強土擁壁1の柔軟性を保持している。
ところで、本実施例1の基盤1の大きさは、平均の高さ120cm、幅200cmであるが、隙間Xの値はこの面積にあまり関係なく2〜5cm程度がよいが、本実施例では3cmである。これは、2cm以下で余り小さいと補強土擁壁としての柔軟性が得られず、5cm以上となると組み立てしづらく、また、補強土擁壁面を維持しずらくなるからである。勿論、隣り合う補強土擁壁は、もっぱら、この突出部131と切欠部132との緩い噛み合わせと、結合金具2により接続し、これにより補強土擁壁面を維持しつつ、壁面の柔軟性も得るもので、他の結合部材を用いる必要はなく、補強土擁壁1の組み立ても至って簡単である。
また、図5に示すように、基盤(補強土擁壁)1の上方向の上側辺a(13)には、1つ以上の突出部131と切欠部132を存在させ、下方向の下側辺b(13)にも、1つ以上の突出部131と切欠部132を存在させ、同様に、左右方向の左右側辺c(13)、d(13)にも、1つ以上の突出部131と切欠部132を存在させ、必要以上に隣り合う基盤1が前後に移動しないようにしている。つまり、水平方向及び垂直方向の各辺部には少なくとも1つ以上の突出部131と切欠部132を存在させて、補強土擁壁1が必要以上に前後に移動しないように規制している。そして、この突出部131と切欠部132の位置も、基盤(補強土擁壁)1を上下(或いは180度回転)にひっくり返しても同じ位置になるように、補強土擁壁の中心点O1での点対象となるように位置させ、補強土擁壁を容易に施工できるようにしてある。
複数の補強土擁壁を繋いで、補強土擁壁前面の状態を維持するには、本実施例が補強土擁壁1の中心部の位置を交互にずらして積載しているので、補強土擁壁1の中心から左右の位置に結合金具2を用いて、上下の補強土擁壁1の裏面部12を接続すれば、広い大きな面積の補強土擁壁を構成することができる。
このために、図5、結合状態の側断面図である図7と、その裏面部の平面図である図8に示すように、上下方向に隣り合う基盤裏面部12に設けられた固定ボルト121を、両基盤1に跨る結合金具2の固定面23の両端近傍の貫通孔21に嵌挿し、隣り合う補強土擁壁の前面と裏面とをほぼ同じ面になるように両固定ボルト121をナット22で固定し、両基盤1を接続して固定する。
ここで、この結合金具2の固定面23と補強土擁壁の基盤裏面部12の間には厚手のゴム3を介在させるが、このゴム3等の柔軟材料を介して結合金具2によって両基盤1を固定しているので、施工後の当初は補強土擁壁面全体の同一平面を維持しつつも、盛土Gの強い変形圧力が加わった場合には、ゴム3が圧縮するので、隙間X分だけ基盤1の前後方向Y(図7を参照)の移動を許容することができ、かつ、棒状の補強材5が接続され、補強材5の末端にはアンカープレート等の抵抗物51が接続され、これらは盛土Gに埋められ、結果として補強土擁壁1は後方に引っ張られているので、補強土擁壁面全体として柔軟性が確保できる。
また、上記の補強土擁壁の前後移動を許容する材料として、圧縮可能で柔軟性のあるゴム3の他に木材4でもよく、特にベニヤなども最適であるが、これは、木材4、特にベニヤ等の自然に朽ち果てる材料を介して結合金具によって両擁壁面を固定すると、補強土擁壁面全体の構造は維持しつつも、戸外で時間を経て木材が朽ち果てるので、木材の厚み分だけ腐って何も存在しなくなるから、その結果、前記隙間Xだけ前後方向Yの移動を許容することができ、補強土擁壁面全体として柔軟性が確保できる。
勿論、ゴム等の圧縮可能な柔軟材料と、木材等の自然に朽ち果てる材料とを組み合わせてもよい。
これらの補強土擁壁の緩い結合で、擁壁面相互に多少の凸凹を生じても、補強土擁壁面全体からみれば目立つものではなく、棒状の補強材で後方に引っ張られているので壁面全体としての垂直性は維持され、崩壊することもなく安全性も確保される。
なお、図7に示すように、盛土Gに補強材5の末端にはアンカープレート等の抵抗物51を埋め込むが、この盛土Gには層状にプラスチックの網状板52や不織布53を埋め込むと、盛土Gの密度の変動が少なく安定する。
ところで、この補強土擁壁工法は、補強土擁壁をほぼ垂直に積み上げること、及び、下位置の補強土擁壁の上側面部の突出部を上位置の補強土擁壁の下側面部切欠部に、また、下位置の補強土擁壁の上側面部の切欠部を上位置の補強土擁壁の下側面部突出部に噛み合わせる必要があるため、現場での補強土擁壁面の組み立て施工が従来のクレーンによっては上げ下げや位置合わせが困難であり、補強土擁壁自体が重量のあることから、落下等の危険があった。
そこで、側面部に突出部と切欠部とを設ける補強土擁壁を安全で簡単に積み上げる施工具を、前述した補強土擁壁構造と合わせて想到したので、これを、図9から11に沿って説明する。
先ず、本発明の補強土擁壁に用いる施工具は、図9、図10に示すように、補強土擁壁1の裏面部12に案内手段を設けるが、これは、一枚の基盤1につき一対の細長い案内部材6と、複数の擁壁に亘って掛け渡される連結固定棒71,72から構成され、案内部材6はL字型に曲げられた底部61の固定孔611に裏面部12の固定ボルト122にナット62で強固に固定するとともに、案内部材6の細長い側部63には、補強土擁壁1面の裏面部12の面に接続するように上方に延びるガイド面64を有し、案内部材6の側面部63には2つの連結固定棒7を嵌挿する結合孔65,66が設けられる。
実施例の基盤を使用使用する補強土擁壁工法の施工に際しては、図9に示すように、既に積層された補強土擁壁1(A)の裏面部12に案内部材6が固定するが、案内部材6もガイド面64は補強土擁壁1の裏面部12に面に接続するように、且つ、多少傾斜θを有するがほぼ垂直になるように固定されているから、上方から積層する補強土擁壁1(B)をクレーンのワイヤーロープ67に吊って、前記案内部材6のガイド面64に沿って下方に滑らせして案内すると、自然に、下位置の補強土擁壁1(A)の突出部131或いは切欠部132と、下がってきた上位置の補強土擁壁1(B)の切欠部132或いは突出部131とが噛み合い、上下の補強土擁壁1面がほぼ同じ面になるように積層する。
この施工具は、2本の結合固定棒71,72を結合孔65,66に水平に嵌挿して固定するが、図11に示すように、案内部材6と結合固定棒71,72とが落下防止網のようになり、補強土擁壁1の所定外の落下を防ぎ、安全柵としても機能する。
したがって、図11に示すように、補強土擁壁を垂直に積み上げるに際し、本施工具を使用することにより、簡単に上下および左右の隣り合う補強土擁壁の裏面部とを同じ面で所定位置に積むこと、及び、極めて安全で簡単に施工することができる。
[実施例2]
実施例1の補強土擁壁の基盤(パネル)1面は、図示したように、自然により調和させるため、単純な幾何学形状ではなく、不規則な多角形とした上に、基盤面にも自然石を模した不規則な形状の擬石を任意に配置したものであり、制作が容易ではない。そこで、多少規則性が補強土擁壁前面に現れても、製作の容易性や施工作業が容易となることから、補強土擁壁の基盤(パネル)面の形状を矩形としたものでも、本発明の特徴を生かせる補強土擁壁構造とすることができる。 これを、実施例2として、図12から図14を参照して説明するが、実施例1とは補強土擁壁の形状が異なるだけで、他の構成や作用は同じであるので、補強土擁壁の形状の説明以外は省略する。
図12は、実施例2の矩形の補強土擁壁の平面図で、図13は図の下から見た側面部13bの側面図であるが、基盤1bは長方形をしており、外に現れる基盤前面部11bは、適宜の色彩や模様が施されており、基盤裏面部は適所には結合金具(図5を参照)を固定するためのボルトが埋め込まれ、また、案内部材(図8参照)を固定するボルトも埋め込まれ、結合金具と裏面との間に、ゴムのような圧縮柔軟材、及び/又は、木材のような自然に朽ち果てる材料を介在させることは実施例1と同じである。
図13、及び図15に示すように、基盤1bの側面部13bには、隣り合う補強土擁壁の側面部13bと互いに緩く噛み合うように側面部13bに裏面部12bと片面がほぼ同じ突出部131bと、裏面部12に切欠の溝が開放されている切欠部132bとが設けられている。本擁壁の突出部131bは隣り合う補強土擁壁の切欠部132bに、本擁壁の切欠部132bと隣り合う補強土擁壁の突出部131とが噛み合って、図14に示すように、補強土擁壁1bの両端に上下に接する補強土擁壁1bの中心部が位置するように交互にずらしてジグザグに積載し、所謂、レンガ積みにして補強土擁壁面全体を構成するようにしている。
実施例1と同様に、基盤側面部13bの突出部131bと切欠部132bとは、補強土擁壁構造を組み立てた図の下から見た側面図である図15に示すように、擁壁面を形成した際に、突出部131bの内側の側面と切欠部132bの奥の側面との間に隙間Xを生じるように、前記突出部131bの厚みZ1と前記切欠部132の溝幅Z2より小さく、すなわち、
(数式)Z2>Z1 Z2−Z1=X
として、隙間Xの存在によって周囲の補強土擁壁に対して僅かな前後移動Y(最大移動範囲X)を許容するように構成されている。
本実施例2の基盤1の大きさも、高さ120cm、幅200cmであり、隙間Xの値はあまりこの面積に関係なく2〜5cm程度がよく、実際には3cmである。
前記突出部131bの側面部13bでの位置は、図15に示すように、片面は裏面部12bと同じ面になるように位置し、切欠部132bの切欠の溝も裏面部12bに開放されている位置になるから、組み立てる際に、隣り合う補強土擁壁1bの裏面部12b(前面部11bも同じ)を同じ面に位置させると、隙間Xは、切欠部132bの内側、即ち、補強土擁壁1bの接続部の内側に存在するので、盛土G等が混入することがないは、実施例1と同じであり、作用効果も同様であるので、省略する。
また、図12に示すように、基盤(補強土擁壁)1の矩形の上下方向の側辺e(13b),f(13b)には、1つ以上の突出部131bと切欠部132bを存在させ、同様に、左右方向の左右側辺g(13b),h(13b)にも、1つ以上の突出部131bと切欠部132bを存在させ、必要以上に隣り合う基盤1が前後に移動しないようにしいる。そして、この突出部131bと切欠部132bの位置も、基盤(補強土擁壁)1を上下(或いは180度回転)にひっくり返しても同じ位置になるように、補強土擁壁の中心点O2での点対象となるように位置させ、補強土擁壁を容易に施工できるようにしてある。
なお、実施例1と同様に、基盤側面部13bの全辺には、必ず突出部131bか切欠部132bを目地のように存在、すなわち、盛土Gには隣り合う補強土擁壁1を含む突出部131bが必らず存在し、内側に存在する隙間Xに大量の盛土Gが入らないようにし、結果として、補強土擁壁1の柔軟性を保持している。
以上説明したように、各実施例は、擁壁工法において、補強土擁壁面を形成した際に、突出部の内側の側面と切欠部の奥の側面との間に隙間Xを生じるようにしたので、隣り合う補強土擁壁の切欠部或いは突出部とが噛み合って簡単に擁壁面を形成しつつも、補強土擁壁の側部に設けた突出部の側面と前記切欠部の側面との間に隙間Xが生じ、この隙間Xは隣り合う補強土擁壁に対して、その隙間X分だけ前後方向Yの移動を許容することでき、結果として補強土擁壁面全体として柔軟性が確保できる。
また、隣り合う補強土擁壁を固定するに際しても、ゴム等の柔軟材料を介して結合金具によって両擁壁面を固定した場合には、補強土擁壁面全体の構造は維持しつつも、ゴム等の柔軟材料が圧縮するので、隙間X分だけ前後方向の移動を許容すことでき、補強土擁壁面全体として柔軟性が確保できる。
また、隣り合う補強土擁壁を固定するに際しても、木材等の自然に朽ち果てる材料を介して結合金具によって両擁壁面を固定した場合には、補強土擁壁面全体の構造は維持しつつも、時間を経て自然に木材が朽ち果てるので、その結果、隙間X分だけ前後方向Yの移動を許容すことでき、補強土擁壁面全体として柔軟性が確保できる。
さらに、補強土擁壁をジグザグに配置したので補強土擁壁面全体として、上下左右の直線の境界線が現れることがなく、模様も複雑にすることができ、より自然に調和する補強土擁壁構造とすることができ、結合金具は、補強土擁壁工法の前提構成でもある盛土内に配置された棒状或いは板状の補強材の取り付け金具としても機能し、コンパクトで作業性も向上する。
また、実施例の施工具及びその施工方法は、補強土擁壁構造において、補強土擁壁は垂直に積み上げるため、従来施工法での、通常のクレーンだけでの施工では、位置合わせが厄介で困難な作業であり、かつ、非常に危険であるが、簡単に上下および左右の隣り合う補強土擁壁の裏面とを同じ面で、且つ、既に施工した補強土擁壁の突出部或いは切欠部と、吊り下げられて下降補強土擁壁の補強土擁壁の切欠部或いは突出部とが自然に噛み合うように、所定位置に積層させることができ、且つ、案内部材と連結固定棒が安全柵のように機能し、極めて安全で簡単に擁壁を積層施工できる。
なお、本発明の特徴を損なうものでなければ、前述した実施例に限定しないことは勿論であり、実施例でのゴム3は、ゴムと同等の圧縮性と柔軟性ある材料であれば他の合成樹脂等の材料でもよく、また、ベニヤ材等の木材4も戸外で自然に朽ち果てる材料であれば他の厚紙等の材料でも良いことは勿論、これらを適宜組み合わせても良いことは勿論である。また、実施例は補強土擁壁を交互にずらして積層したが、単純に補強土擁壁を積み上げる所謂「いも積」に用いても良いことも勿論である。
本発明の実施例1の補強土擁壁の前面部の平面図である。 図1の側面図である。 図1の下方からの側面図である。 図1のA1部分の拡大斜視図である。 図1の裏面部の平面図である。 図1の補強土擁壁を積層して壁面を構成した正面図である。 図7(a)は図6の補強土擁壁を積層した側断面図であり、図7(b)は、A2部分の拡大断面図である。 実施例1の補強土擁壁を積層した状態、及び、施工具を取り付けた裏面の平面図である 本発明の実施例の施工具を使用する説明図である。 図9の施工具の拡大斜視図である。 図8の全体の平面図である。 本発明の実施例2の補強土擁壁の前面部の平面図である。 図12の側面図である。 図12の補強土擁壁を積層して壁面を構成した正面図である。 図12の補強土擁壁を左右方向に並べた横断面図である。 従来の補強土擁壁の斜視図である。
符号の説明
X…隙間、Y…移動方向、G…盛土、
a(13),b(13),e(13b),f(13b)…水平方向の辺、
c(13),d(13),g(13b),h(13b)…垂直方向の辺,
1,1b…基盤(補強土擁壁)、11,11b…基盤前面部、111…擬石、
12,12b…基盤裏面部、121,122…固定ボルト、
13,13b…側面部、131,131b…突出部、131a…側面、
132,132b…切欠部、132a…側面、
2…結合金具、21…貫通孔、22…ナット、23…固定面、
3…ゴム、4…木材、
5…補強材、51…抵抗物、52…プラスチックの網状板、53…不織布、
6…案内部材、61…底部、611…固定孔、62…ナット、63…側部、
64…ガイド面、65,66…結合孔、67…クレーンのワイヤーロープ、
7,71,72…連結固定棒、

Claims (1)

  1. 基礎前面部に対して側面が突出する突出部と切欠する切欠部とを有する側面部を一枚の補強土擁壁に設け、該突出部或いは切欠部と隣り合う補強土擁壁の切欠部或いは突出部とが噛み合って擁壁面を形成する補強土擁壁を積層するための施工具であって、
    該施工具は案内部材と連結固定棒からなり、該案内部材は底部を補強土擁壁の裏面部に固定するとともに上方に延びるガイド面を有し、案内部材の側面部には前記連結固定棒を嵌挿する結合孔が設けられ、施工に際しては、案内部材を補強土擁壁の裏面部にガイド面がほぼ垂直になるように固着するとともに、連結固定棒を結合孔に水平に嵌挿し、上方から積層する補強土擁壁をガイド面に沿って下方に滑らせて案内し、上下の補強土擁壁面がほぼ同じ面になるように積層することを特徴とする補強土擁壁を積層するための施工具。
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