JP4812100B2 - 流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法及びその予測システム - Google Patents

流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法及びその予測システム Download PDF

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Description

本発明は、流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法及びその予測システムに係り、特にポンプや水車などの流体機械におけるキャビテーション壊食量の予測方法及びその予測システムに好適なものである。
近年の流体機械の小型・軽量化に伴い、液体用ターボポンプなどのポンプの運転条件はますます過酷になってきている。これは、ポンプをより高速度で運転することによって、低コストな小型のポンプで大流量を発生させることができるからである。
ところが、ポンプを高速で運転した場合、ポンプ内部の液体には後述するキャビテーションと呼ばれる現象が生じ、それに伴って発生するキャビテーション壊食によってポンプ内部が損傷を受ける場合がある。この損傷は、しばしばポンプにおける大きな問題となり、キャビテーション壊食量の正確な予測は解決すべき課題となっている。
キャビテーションとは、液体中にその液体の蒸気圧よりも低圧の部分が生じた際に、その部分に蒸気の気泡が発生する現象である。キャビテーションによる気泡が高圧部分で急激に液体に戻る場合、その箇所に局部的に衝撃的な圧力が生じ、その圧力がポンプの内壁や翼面に作用してその箇所の表面を侵食する場合がある。これがキャビテーション壊食である。ポンプ内に生じるキャビテーションの強さはポンプ羽根の周速の3乃至5乗に比例するとも言われているため、前述の通りポンプを高速運転する場合のキャビテーション壊食はポンプの性能維持や寿命管理などの観点から非常に重要な問題となる。
キャビテーション壊食が発生したポンプ内部は、時には部分的に海綿状に侵食されて貫通孔を発生するに至る場合もある。このような場合、ポンプの性能は著しく低下し、場合によってはポンプとして機能しなくなるため、壊食の抑制と同様に壊食量の予測は非常に重要となる。
従来の、水車及びポンプ水車に発生するキャビテーション壊食量の推定方法として、特開2003−269313号公報(特許文献1)に示された方法がある。このキャビテーション壊食量の推定方法は、水車及びポンプ水車の実機、相似模型または類似模型のランナまたは流水部表面に運転時に加わる衝撃圧の大きさを、ランナ表面又は流水部に設置される衝撃圧力センサー、水中マイクロフォンまたはAE(アコースティック・エミッション)センサーで検出し、その衝撃圧の大きさに基づいてキャビテーション壊食量を推定する方法が用いられてきた。
特開2003−269313号公報
上記の特許文献1に開示された従来技術では、実機、相似模型または類似模型の運転時に検出した衝撃圧の大きさに基づいてキャビテーション壊食量を推定する方法であるため、短時間に簡便かつ高精度にキャビテーション壊食量を予測することが難しいという課題があった。即ち、実機、相似模型または類似模型の運転時に衝撃圧力センサー、水中マイクロフォンまたはAEセンサーなどで衝撃圧を検出する作業は一般に面倒であり、衝撃圧のみで精度良くキャビテーション壊食量を推定するには、衝撃圧と実機、相似模型または類似模型の壊食量との関係を長時間にわたって運転して実測し、データベースを構築する必要があった。なお、キャビテーション強さを推定するために、水中マイクロフォンまたはAEセンサーで雑音を実測する場合には、その測定が面倒であった。
本発明の目的は、短時間に、簡便かつ高精度にキャビテーション壊食量を予測することが可能な流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法及びその予測システムを提供することにある。
前述の目的を達成するための本発明の第1の態様は、予測の対象とする実機流体機械を模擬した模型流体機械におけるキャビテーション壊食の発生位置を予測し、前記予測したキャビテーション壊食の発生位置を軟質金属で構成して、前記模型流体機械を所定運転条件で運転することによって前記軟質金属の表面にキャビテーションの崩壊圧力に由来する窪み状変形を生じさせ、計測手段により前記窪み状変形の変形量を定量的に計測し、前記計測した窪み状変形の変形量に基づいてその変形量の時間変化である変形速度を算出し、前記軟質金属に係る試験片により予め計測して纏めた前記変形速度に及ぼすキャビテーション強さの影響のデータベースを用いて前記模型流体機械の前記所定運転条件におけるキャビテーション強さを算出し、前記算出した模型流体機械のキャビテーション強さを前記実機流体機械のキャビテーション強さに換算し、前記換算した実機流体機械のキャビテーション強さからキャビテーション衝撃力をパラメータとしたキャビテーションエネルギー分布を推定し、前記キャビテーションエネルギー分布の中で前記実機流体機械の材料に壊食を生じさせるしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和を算出し、前記しきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和と予め求めた壊食速度との関係から前記実機流体機械における最大壊食速度を算出し、前記最大壊食速度と前記実機流体機械の運転時間とから前記実機流体機械における前記キャビテーション壊食の発生量を算出する、流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法である。
係る本発明の第1の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)前記模型流体機械に貼付けた箔や板で前記軟質金属を構成したこと。
また、本発明の第2の態様は、予測の対象とする流体機械におけるキャビテーション壊食の発生位置を予測し、前記予測したキャビテーション壊食の発生位置に箔や板からなる軟質金属を貼付して、前記流体機械を所定運転条件で運転することによって前記軟質金属の表面に前記キャビテーションの崩壊圧力に由来する窪み状変形を生じさせ、計測手段により前記窪み状変形の変形量を定量的に計測し、前記計測した窪み状変形の変形量に基づいてその変形量の時間変化である変形速度を算出し、前記軟質金属に係る試験片により予め計測して纏めた前記変形速度に及ぼすキャビテーション強さの影響のデータベースを用いて前記流体機械の前記所定運転条件におけるキャビテーション強さを算出し、前記算出した流体機械のキャビテーション強さからキャビテーション衝撃力をパラメータとしたキャビテーションエネルギー分布を推定し、前記キャビテーションエネルギー分布の中で前記流体機械の材料に壊食を生じさせるしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和を算出し、前記しきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和と予め求めた壊食速度との関係から前記流体機械における最大壊食速度を算出し、前記最大壊食速度と前記流体機械の運転時間とから前記流体機械における前記キャビテーション壊食の発生量を算出する、流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法である。
係る本発明の第1または第2の態様におけるより好ましい具体的構成例は次の通りである。
(1)前記窪み状変形の変形量は、前記運転後に生成した前記窪み状変形の体積を算出した値を用いること。
また、本発明の第3の態様は、予測の対象とする実機流体機械を模擬した模型流体機械を所定運転条件で運転することによって、キャビテーション壊食の発生位置に設けた軟質金属の表面に発生されるキャビテーションの崩壊圧力に由来する窪み状変形の変形量を定量的に計測する計測手段と、前記計測手段で計測された窪み状変形の変形量に基づいてその変形量の時間変化である変形速度を算出する変形速度算出手段と、前記軟質金属に係る試験片を用いて前記変形速度に及ぼすキャビテーション強さの影響を予め計測して纏めたデータベースと、前記模型流体機械の前記所定運転条件におけるキャビテーション強さを前記データベースに基づいて算出する模型キャビテーション強さ算出手段と、前記模型キャビテーション強さ算出手段で算出した前記模型流体機械のキャビテーション強さを前記実機流体機械のキャビテーション強さに換算する実機キャビテーション強さ算出手段と、前記実機キャビテーション強さ算出手段で換算された実機流体機械のキャビテーション強さからキャビテーション衝撃力をパラメータとしたキャビテーションエネルギー分布を推定するエネルギー分布推定手段と、前記エネルギー分布推定手段で推定されたキャビテーションエネルギー分布の中で前記実機流体機械の材料に壊食を生じさせるしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和を算出するエネルギー総和算出手段と、前記エネルギー総和算出手段で算出されたしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和と予め求めた壊食速度との関係から前記実機流体機械における最大壊食速度を算出する最大壊食速度算出手段と、前記最大壊食速度と前記実機流体機械の運転時間とから前記実機流体機械における前記キャビテーション壊食の発生量を算出する壊食発生量算出手段とを備える流体機械のキャビテーション壊食量の予測システムである。
また、本発明の第4の態様は、予測の対象とする流体機械を所定運転条件で運転することによって、キャビテーション壊食の発生位置に設けた軟質金属の表面に発生されるキャビテーションの崩壊圧力に由来する窪み状変形の変形量を定量的に計測する計測手段と、前記計測手段で経時的に計測された窪み状変形の変形量に基づいてその変形量の時間変化である変形速度を算出する変形速度算出手段と、前記軟質金属に関する試験片を用いて前記変形速度に及ぼすキャビテーション強さの影響を予め計測して纏めたデータベースと、前記流体機械の前記所定運転条件におけるキャビテーション強さを前記データベースに基づいて算出するキャビテーション強さ算出手段と、前記キャビテーション強さ算出手段で換算された流体機械のキャビテーション強さからキャビテーション衝撃力をパラメータとしたキャビテーションエネルギー分布を推定するエネルギー分布推定手段と、前記エネルギー分布推定手段で推定されたキャビテーションエネルギー分布の中で前記流体機械の材料に壊食を生じさせるしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和を算出するエネルギー総和算出手段と、前記エネルギー総和算出手段で算出されたしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和と予め求めた壊食速度との関係から前記流体機械における最大壊食速度を算出する最大壊食速度算出手段と、前記最大壊食速度と前記流体機械の運転時間とから前記流体機械における前記キャビテーション壊食の発生量を算出する壊食発生量算出手段とを備える流体機械のキャビテーション壊食量の予測システムである。
係る本発明の流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法及びその予測システムによれば、短時間に、簡便かつ高精度にキャビテーション壊食量を予測することが可能である。
以下、本発明の複数の実施形態について図を用いて説明する。各実施形態の図における同一符号は同一物または相当物を示す。各実施形態では、流体機械としてポンプの、特に羽根車を対象とする場合を例に説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法及びその予測システムを図1から図6を用いて説明する。
まず、本実施形態のキャビテーション壊食量の予測システム1の全体構成に関して図1を参照しながら説明する。図1は本発明の第1実施形態のキャビテーション壊食量の予測システム1の全体構成を示す斜視図である。
予測システム1は、3次元形状測定装置400、コンピュータ500、表示装置600などから構成されている。
3次元形状測定装置400は、羽根車200の軟質金属301(図4参照)の表面に発生するキャビテーションの崩壊圧力に由来する窪み状変形の変形量を定量的に計測するためのものであり、ステージ402にレーザ変位計401を搭載して構成されている。この3次元形状測定装置400では、所定時間運転した模型流体機械の羽根車200をステージ402上に載置し、レーザ変位計401をXステージ403及びYステージ404を用いてX及びY方向にスキャンしながら、Z方向の基準位置と被測定物(羽根車200の軟質金属301)表面上のレーザ光が照射された点との距離を測定することにより、表面の3次元的な形状を測定することができる。3次元形状測定装置400の測定データは自動的にコンピュータ500に入力される。
なお、羽根車200を3次元形状測定装置400のステージ402に載置することが困難である場合は、羽根車200上の窪み状変形が生じた箇所のレプリカを採取し、そのレプリカの凹凸を3次元形状測定装置400で測定することで間接的に測定するようにしてもよい。また、3次元形状測定装置400の測定データを手動でコンピュータ500に入力するようにしてもよい。
コンピュータ500は、各種のプログラム11〜17、および各種のデータベース21〜23を搭載している。
この各種のプログラム11〜17は、変形量の算出プログラム11、模型流体機械のキャビテーション強さImの算出プログラム12、実機流体機械のキャビテーション強さIpの算出プログラム13、実機流体機械のキャビテーション強さIpを用いたキャビテーション衝撃力とエネルギー分布の関係の推定プログラム14、しきい値以上のキャビテーションエネルギーの算出プログラム15、最大壊食速度の算出プログラム16、および壊食量の算出プログラム17などからなっている。
上記の各種のデータベース21〜23は、軟質金属の単位時間当たり変形量(変形速度)とキャビテーション強さとの関係のデータベース21、壊食が発生する最低限の衝撃力(しきい値)の材料毎のデータベース22、および材料毎のしきい値以上のキャビテーションエネルギー総和と最大壊食速度との関係のデータベース23とからなっている。
予測システム1において、模型流体機械の運転時間を入力して、その時間における模型流体機械の表面の形状を3次元形状測定装置400で測定することを複数回実施すれば、模型流体機械のキャビテーション強さImは自動的に計算される。次に、模型流体機械および実機流体機械の運転条件を入力すれば実機流体機械のキャビテーション強さIp、実機流体機械におけるキャビテーションエネルギー、最大壊食速度が順次計算され、表示装置600に出力される。
ここで、実機流体機械の運転時間を入力すれば壊食量の予測値が表示装置600に出力され、減肉の基準値を入力すれば予測寿命やメンテナンスの時期が表示装置600に出力される。また、要求寿命を入力すれば、実機流体機械がその要求を満足するか否かが表示装置600に出力される。
上述した予測システム1を用いることにより、設計した流体機械の寿命を短時間に正確に予測することが可能であり、また流体機械の点検時期や補修または交換時期を容易かつ正確に決定することも可能となる。
次に、図2から図6を参照しながら、本実施形態のキャビテーション壊食量の予測方法を具体的に説明する。図2は本発明の第1実施形態のキャビテーション壊食量の予測方法のフローチャート、図3は図2の予測方法における測定対象である羽根車200を示す斜視図、図4は図2の予測方法における羽根車200の測定対象部201に軟質金属301を貼付けた状態を示す斜視図、図5は図2の予測方法における運転時間と軟質金属301の変形量との関係を示す図、図6は図2の予測方法におけるキャビテーション衝撃力と衝撃頻度との関係を示す図である。
本実施形態のキャビテーション壊食量の予測方法では、まず、プログラム11により、模型流体機械の加速壊食試験に基づいて軟質金属301の変形量を算出する(ステップS11)。
模型流体機械の加速壊食試験においては、キャビテーション壊食が発生する羽根車200上の場所を特定するために、羽根車200の表面に塗料を塗布して所定の条件で一定時間の運転を行う。その運転後に、羽根車200上の特定の位置(領域)において塗料の剥離が観察されたら、その位置においてキャビテーション壊食が発生すると推定する。この位置を羽根車200の測定対象部201(図3参照)とする。
この加速壊食試験では、少なくとも予測対象部に、両面粘着テープを用いて軟質金属箔で構成された軟質金属301を貼付する。この軟質金属301を貼付する位置は、前の試験で塗料が剥離した位置、すなわち、図3の測定対象部201の位置である。なお、貼付する軟質金属301は、軟質金属板で構成されていても良い。また、測定対象部201を構成する羽根車200を軟質金属材料で形成してもよい。
上記の両面粘着テープは、厚すぎると軟質金属の変形が過大になり、薄すぎると粘着力が低下して試験中に剥離するという問題が生じる。別途実施した詳細な検討より、本実施形態における両面粘着テープの厚みは、概ね0.05mm以上、0.25mm以下が適当であることが明らかとなっている。なお、軟質金属箔の貼付は、必ずしも両面粘着テープによらなくても、例えばエポキシ系やシリコーン系などの耐水性を有する接着剤による方法でも同様の効果が得られる。ただし、一般に接着剤は両面粘着テープより接着強度の発生に時間を要するため、作業性は低い場合がある。
軟質金属301を貼付けた模型流体機械をキャビテーションが発生するような所定の条件で運転することによって、キャビテーションが崩壊する箇所には図示しない窪み状変形が発生する。その変形量を所定の方法で測定する。本実施形態では、3次元形状測定装置400を用いて、この変形量を軟質金属301の表面の3次元的な形状として測定する。その測定結果を表示装置600に表示し、コンピュータ500に記録する。
なお、羽根車200を3次元形状測定装置400のステージ402に載置することが困難である場合は、羽根車200上の窪み状変形が生じた箇所においてレプリカを採取し、そのレプリカの凹凸を3次元形状測定装置400で測定することで間接的に測定する。
変形量の算出方法としては、以下の方法を用いる。まず模型流体機械の所定位置(羽根車200の軟質金属301)における試験前の表面形状を測定してコンピュータ500に記録しておく。次に同じ位置における試験後の表面形状を測定してコンピュータ500に記録する。コンピュータ500は、変形量の算出プログラム11を用いて、それらの表面形状を比較し、変形量を差分として算出する。以上はレプリカを用いる場合も同様の測定法を用いることが可能である。
加速壊食試験では、測定対象部201の軟質金属301は変形しやすい(すなわち、柔軟な)材料であるほど試験時間は短縮できる。しかしながら、過度に柔軟な材料は取り扱いが困難である上に、模型流体機械の運転時におけるキャビテーション以外に起因する外力で変形してしまう恐れがあるため、適度に柔軟な材料を選定する必要がある。一般に金属は純度が高くなるほど塑性変形しやすくなる。本発明に至る検討において、軟質金属301としてアルミニウム板を使用する場合は、純度が概ね99%以上の、日本工業規格における純アルミニウムに分類される材質が適切であることが分かった。同様に、軟質金属301としてアルミニウム箔を使用する場合は、純度が概ね95%以上の材質が適切であることがわかった。特に、軟質金属板または軟質金属羽根としては純度99.5%以上のアルミニウム、軟質金属箔としては純度99.2%以上のアルミニウム箔を用いることが好ましい。
なお、これらの材質はアルミニウムが価格や入手の容易さの点で優れているが、必ずしもアルミニウムでなくてもよく、軟質金属に分類される材質を適宜選択すれば同様の効果を得ることが可能である。本試験に適切な材質としては、銅、スズ、鉛、インジウムなどが挙げられる。
模型流体機械の運転時間を変化させて、上記の表面形状を複数回測定し、上記の変形量をプログラム11により複数回算出する。そこで得られた変形量を模型流体機械の運転時間に対してプロットすると、所定の時間範囲では図5に示すような直線関係が得られる。その傾きから図5に示すように単位時間当たりの変形量すなわち変形速度Vcをプログラム11により算出する。
次に、算出した変形量とデータベース21とを用いてプログラム12により、模型流体機械のキャビテーション強さImを算出する(ステップS12)。
データベース21は、軟質金属301についての、作用するキャビテーション強さと変形速度との関係を記録したものである。ここでキャビテーション強さとは、単位時間・単位面積当たりのキャビテーションエネルギーを言う。データベース21を作成するために使用する装置としては、流体中にてキャビテーションを発生させ、そのキャビテーション衝撃力と衝撃頻度を測定できるとともに、軟質金属301に係る試験片にキャビテーション衝撃力を負荷して、試験片の表面に変形を与えることが可能なキャビテーション試験機が適切である。この目的に合致する試験機としては、例えばASTM(American Society for Testing and Materials)のG134−95に規定されている噴流試験装置などが挙げられる。なお、試験片を用いた噴流試験装置による試験結果に基づいて、データベース21、22、23に記録するためのデータが順に算出される。
ステップS11の加速壊食試験で使用した軟質金属301と同一の材質で製作した試験片を上述のキャビテーション試験機(噴流試験装置)に適用して、試験片にキャビテーション衝撃力を負荷することにより、試験片の表面に窪み状変形を発生させる。この変形量を、ステップS11の変形量の算出と同じ方法で算出する。
一方、キャビテーション試験機による測定において、圧力センサーを設置してキャビテーション衝撃力を負荷することにより、キャビテーション衝撃力を圧力センサーで測定する。その測定結果をコンピュータ500に入力し、プログラム(図示せず)を用いてキャビテーション衝撃力の頻度分布を算出する。この算出結果の例を図6に示す。
これらの算出結果を比較することにより、同一のキャビテーション条件におけるキャビテーション強さと試験片の変形速度との関係を定量的に求めることが可能であり、この関係を所定の材料とキャビテーション条件について取得することにより、データベース21を得る。このようにして、データベース21を短時間に、簡便に構築することができると共に、このデータベース21を用いることにより精度良くキャビテーション壊食量を算出することができる。
そして、ステップS11で算出した変形量とデータベース21とを用いることにより、模型流体機械におけるキャビテーション強さImを求めることができる。
次に、プログラム13により実機流体機械のキャビテーション強さIpを算出する(ステップS13)。
この算出方法には、模型流体機械および実機流体機械の相似性を利用することで可能であり、例えば次の数(1)を用いて算出することができる。
Figure 0004812100
ここで、添字のp及びmはそれぞれ実機及び模型を表し、n:回転速度、D:羽根車代表径、Pw:軸動力、a、b:定数を表す。
次に、プログラム14により、キャビテーション強さIpから実機流体機械におけるキャビテーション衝撃力とキャビテーションエネルギー分布の関係を推定する(ステップS14)。
この推定方法にも、模型流体機械および実機流体機械の相似性を利用することが可能である。
次に、データベース22を用いてプログラム15により、実機流体機械のしきい値以上のキャビテーションエネルギーを算出する(ステップS15)。
このデータベース22は、材料毎の壊食が発生する最低限の衝撃力(しきい値)を記録したものである。上述したようにして実機流体機械に作用するキャビテーションエネルギーが推定できるが、このキャビテーションエネルギーの全てがキャビテーション壊食に関与するわけではない。これは、それぞれの材質に対してキャビテーション壊食を発生する最低限のキャビテーション衝撃力が存在するためであり、その衝撃力をしきい値と称する。このしきい値を図6中に例示する。このしきい値は、前述の噴流試験装置等での測定結果を基づいて算出することができ、材料毎の値がデータベース22に蓄積されている。
上記のデータベース22から、実機流体機械の材質におけるしきい値を確定し、ステップS14で推定したエネルギー分布のうち、このしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和を算出する。これを図6中に例示する。
次に、データベース23を用いてプログラム16により、実機流体機械での最大壊食速度を算出する(ステップS16)。
しきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和と最大壊食速度の間には比例関係が存在する。この比例関係を用いて、しきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和と最大壊食速度との関係を、材料毎に、前述の噴流試験装置等での測定結果に基づいて予め算出しておく。この材料毎の値はデータベース23に蓄積されている。
このデータベース23を用いて、ステップS15で算出したしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和から実機流体機械での最大壊食速度を算出することができる。
次に、プログラム17を用いて、実機流体機械において想定される運転時間を上記で求めた最大壊食速度に掛けることにより、実機流体機械の所定の運転条件における壊食量を算出する(ステップS17)。
本実施形態によれば、模型流体機械内部に発生するキャビテーションの強さを簡便な方法で直接的かつ定量的に測定することが可能であり、また簡便かつ確実な方法で実機流体機械内部のキャビテーション壊食速度の算出が可能であるため、流体機械の寿命予測が簡便かつ高精度に行える。これにより、キャビテーション壊食に対する流体機械の寿命設計を高精度化できる。その具体的効果として、定期点検の回数を削減できる、補修や部品交換の時期を明確化できるなどがある。また、本実施形態による予測方法から、流体機械の性能とキャビテーション壊食速度とのバランスを考慮した運転条件を設定することも可能である。
なお、本実施形態において、流体機械としては主としてターボポンプを想定したが、本発明はポンプ以外の流体機械、例えば発電用の水車やレシプロポンプ、あるいは流体の経路である配管などにも適用することが可能である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法およびその予測システムについて図7を用いて説明する。図7は本発明の第2実施形態の流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法のフローチャートである。この第2実施形態は、次に述べる点で第1実施形態と相違するものであり、その他の点については第1実施形態と基本的には同一であるので、重複する説明を省略する。
この第2実施形態では、模型ポンプを用いる代わりに実機ポンプを用いてキャビテーション壊食量の予測を行う方法およびシステムである。大型のポンプでは、実機製作後の大幅な修正が困難であるため、模型ポンプで性能等を確認する必要があり、キャビテーション壊食量の予測にも模型ポンプを用いることになる。しかし、比較的小型のポンプの場合、模型ポンプを製作せず、実機ポンプを直接製作する場合がある。
この実機ポンプを直接製作する場合には、最初に、実機である流体機械の加速壊食試験に基づいて軟質金属301の変形量を算出する(ステップS11’)。なお、この加速壊食試験および軟質金属301の変形量を算出方法は、第1実施形態の場合と同様である。
次に、算出した変形量とデータベース21とを用いて、流体機械のキャビテーション強さIpを直接算出する(ステップS13’)。この算出方法は、第1実施形態の場合と同様である。
以下のフロー(ステップ14〜17)は、第1実施形態と同様であるので、重複する説明を省略する。
この第2実施形態によれば、キャビテーション壊食量の予測に模型ポンプを用いず、実機ポンプを用いているので、予測の誤差を低減することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法について図8から図10を用いて説明する。図8は本発明の第3実施形態の流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法による軟質金属301の表面形状の測定結果を示す図、図9は第3実施形態における軟質金属301の変形量の算出方法を示す図、図10は第3実施形態における変形量の算出方法を示す図である。この第3実施形態は、次に述べる点で第1実施形態と相違するものであり、その他の点については第1実施形態と基本的には同一であるので、重複する説明を省略する。
第1実施形態においては、流体機械内部の表面の変形量を、変形前後の形状測定結果の比較を行うことによって求めた。この第3実施形態では、変形後の形状測定結果のみを用いることで表面の変形量を算出する方法について詳細に記述する。
第3実施形態において、表面形状の測定結果は例えば図8に示すような2次元的な測定結果の集合体である。これは、表面形状の測定に図1に示すようなXYZステージを具備する3次元形状測定装置を使用することによって為し得る。すなわち、X方向に1回スキャンした際に得られる表面形状の測定結果が図8に示す曲線である。このX方向スキャンを1度行う毎に、Y方向に微小量の移動をさせることにより、表面形状が3次元で測定される。
この変形後に測定した曲線を用いて、変形前の曲線を推定する。具体的には、変形後の曲線を多項式に近似して、得られた曲線を変形前の曲線と推定する。こうして得られた曲線と変形後の曲線を比較することにより、変形量を求める。この際、単純に測定で得られた曲線と、その多項式近似曲線との差分を計算すると、当然のことながら計算結果はほぼ零となる。従って、差分の絶対値、すなわち図9に示す測定結果(実線)とその近似曲線(破線)に囲まれる部分の面積を計算することで有意な計算結果を得ることができる。
次いで、この計算結果をY方向に積分すれば、測定した3次元曲面の全面における変形量の総和を求めることができる。
また、変形後の表面形状は、変形前の表面にキャビテーション崩壊圧力に由来する凹部が発生した形状であるとの考えに基づくならば、変形前の2次元曲線は、図10に示すように、変形後の曲線から得た近似曲線を所定量だけ平行移動した曲線とするのが妥当であると考えることができる。この場合の平行移動するべき所定量として、例えば変形後の曲線と近似曲線上の各点の距離の平均や、標準偏差が挙げられる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態の流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法について図11を用いて説明する。図11は本発明の第4実施形態における軟質金属301の変形量の算出方法を示す図である。この第4実施形態は、次に述べる点で第3実施形態と相違するものであり、その他の点については第3実施形態と基本的には同一であるので、重複する説明を省略する。
上記第3実施形態における変形前の曲線の推定方法を基にさらに検討すると、変形前の曲線は、図11に示すように、変形後の曲線の凸部を連結した包絡線で近似できるとも考えられる。ただし、凸部の頂点付近の測定結果にはノイズを含む場合が多いため、そのような場合、ローパスフィルタを用いるなどの方法で測定結果のノイズ成分を除去することが重要となる。
この第4実施形態のような方法で包絡線を求め、これを変形前の曲線と推定して変形後の曲線との差分を計算し、計算結果をY方向に積分すれば、測定した3次元曲面の全面における変形量の総和を求めることができる。
本発明の第1実施形態のキャビテーション壊食量の予測システムの全体構成を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態のキャビテーション壊食量の予測方法のフローチャートである。 図2の予測方法における測定対象である羽根車を示す斜視図である。 図2の予測方法における羽根車の測定対象部に軟質金属を貼付けた状態を示す斜視図である。 図2の予測方法における運転時間と軟質金属の変形量との関係を示す図である。 図2の予測方法におけるキャビテーション衝撃力と衝撃頻度との関係を示す図である。 本発明の第2実施形態の流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法のフローチャートである。 本発明の第3実施形態の流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法による軟質金属の表面形状の測定結果を示す図である。 第3実施形態における軟質金属の変形量の異なる算出方法を示す図である。 第3実施形態における変形量の算出方法を示す図である。 本発明の第4実施形態における軟質金属の変形量の算出方法を示す図である。
符号の説明
1…予測システム、11〜17…プログラム、21〜23…データベース、200…羽根車、201…測定対象部、301…軟質金属、400…3次元形状測定装置、401…レーザ変位計、402…ステージ、403…Xステージ、404…Yステージ、500…コンピュータ、600…表示装置。

Claims (6)

  1. 予測の対象とする実機流体機械を模擬した模型流体機械におけるキャビテーション壊食の発生位置を予測し、
    前記予測したキャビテーション壊食の発生位置を軟質金属で構成して、前記模型流体機械を所定運転条件で運転することによって前記軟質金属の表面にキャビテーションの崩壊圧力に由来する窪み状変形を生じさせ、計測手段により前記窪み状変形の変形量を定量的に計測し、
    前記計測した窪み状変形の変形量に基づいてその変形量の時間変化である変形速度を算出し、
    前記軟質金属に係る試験片により予め計測して纏めた前記変形速度に及ぼすキャビテーション強さの影響のデータベースを用いて前記模型流体機械の前記所定運転条件におけるキャビテーション強さを算出し、
    前記算出した模型流体機械のキャビテーション強さを前記実機流体機械のキャビテーション強さに換算し、
    前記換算した実機流体機械のキャビテーション強さからキャビテーション衝撃力をパラメータとしたキャビテーションエネルギー分布を推定し、
    前記キャビテーションエネルギー分布の中で前記実機流体機械の材料に壊食を生じさせるしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和を算出し、
    前記しきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和と予め求めた壊食速度との関係から前記実機流体機械における最大壊食速度を算出し、
    前記最大壊食速度と前記実機流体機械の運転時間とから前記実機流体機械における前記キャビテーション壊食の発生量を算出する
    ことを特徴とする流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法。
  2. 請求項1において、前記模型流体機械に貼付けた箔や板で前記軟質金属を構成したことを特徴とする流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法。
  3. 予測の対象とする流体機械におけるキャビテーション壊食の発生位置を予測し、
    前記予測したキャビテーション壊食の発生位置に軟質金属からなる箔や板を貼付して、前記流体機械を所定運転条件で運転することによって前記軟質金属の表面に前記キャビテーションの崩壊圧力に由来する窪み状変形を生じさせ、計測手段により前記窪み状変形の変形量を定量的に計測し、
    前記計測した窪み状変形の変形量に基づいてその変形量の時間変化である変形速度を算出し、
    前記軟質金属に係る試験片により予め計測して纏めた前記変形速度に及ぼすキャビテーション強さの影響のデータベースを用いて前記流体機械の前記所定運転条件におけるキャビテーション強さを算出し、
    前記算出した流体機械のキャビテーション強さからキャビテーション衝撃力をパラメータとしたキャビテーションエネルギー分布を推定し、
    前記キャビテーションエネルギー分布の中で前記流体機械の材料に壊食を生じさせるしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和を算出し、
    前記しきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和と予め求めた壊食速度との関係から前記流体機械における最大壊食速度を算出し、
    前記最大壊食速度と前記流体機械の運転時間とから前記流体機械における前記キャビテーション壊食の発生量を算出する
    ことを特徴とする流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法。
  4. 請求項1または3において、前記窪み状変形の変形量は、前記運転後に生成した前記窪み状変形の体積を算出した値を用いることを特徴とする流体機械のキャビテーション壊食量の予測方法。
  5. 予測の対象とする実機流体機械を模擬した模型流体機械を所定運転条件で運転することによって、キャビテーション壊食の発生位置に設けた軟質金属の表面に発生されるキャビテーションの崩壊圧力に由来する窪み状変形の変形量を定量的に計測する計測手段と、
    前記計測手段で計測された窪み状変形の変形量に基づいてその変形量の時間変化である変形速度を算出する変形速度算出手段と、
    前記軟質金属に係る試験片を用いて前記変形速度に及ぼすキャビテーション強さの影響を予め計測して纏めたデータベースと、
    前記模型流体機械の前記所定運転条件におけるキャビテーション強さを前記データベースに基づいて算出する模型キャビテーション強さ算出手段と、
    前記模型キャビテーション強さ算出手段で算出した前記模型流体機械のキャビテーション強さを前記実機流体機械のキャビテーション強さに換算する実機キャビテーション強さ算出手段と、
    前記実機キャビテーション強さ算出手段で換算された実機流体機械のキャビテーション強さからキャビテーション衝撃力をパラメータとしたキャビテーションエネルギー分布を推定するエネルギー分布推定手段と、
    前記エネルギー分布推定手段で推定されたキャビテーションエネルギー分布の中で前記実機流体機械の材料に壊食を生じさせるしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和を算出するエネルギー総和算出手段と、
    前記エネルギー総和算出手段で算出されたしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和と予め求めた壊食速度との関係から前記実機流体機械における最大壊食速度を算出する最大壊食速度算出手段と、
    前記最大壊食速度と前記実機流体機械の運転時間とから前記実機流体機械における前記キャビテーション壊食の発生量を算出する壊食発生量算出手段とを備える
    ことを特徴とする流体機械のキャビテーション壊食量の予測システム。
  6. 予測の対象とする流体機械を所定運転条件で運転することによって、キャビテーション壊食の発生位置に設けた軟質金属の表面に発生されるキャビテーションの崩壊圧力に由来する窪み状変形の変形量を定量的に計測する計測手段と、
    前記計測手段で経時的に計測された窪み状変形の変形量に基づいてその変形量の時間変化である変形速度を算出する変形速度算出手段と、
    前記軟質金属に関する試験片を用いて前記変形速度に及ぼすキャビテーション強さの影響を予め計測して纏めたデータベースと、
    前記流体機械の前記所定運転条件におけるキャビテーション強さを前記データベースに基づいて算出するキャビテーション強さ算出手段と、
    前記キャビテーション強さ算出手段で換算された流体機械のキャビテーション強さからキャビテーション衝撃力をパラメータとしたキャビテーションエネルギー分布を推定するエネルギー分布推定手段と、
    前記エネルギー分布推定手段で推定されたキャビテーションエネルギー分布の中で前記流体機械の材料に壊食を生じさせるしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和を算出するエネルギー総和算出手段と、
    前記エネルギー総和算出手段で算出されたしきい値以上のキャビテーションエネルギーの総和と予め求めた壊食速度との関係から前記流体機械における最大壊食速度を算出する最大壊食速度算出手段と、
    前記最大壊食速度と前記流体機械の運転時間とから前記流体機械における前記キャビテーション壊食の発生量を算出する壊食発生量算出手段とを備える
    ことを特徴とする流体機械のキャビテーション壊食量の予測システム。
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