JP2015505612A - 回転子材料の決定論的疲労寿命予測の方法及びシステム - Google Patents
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Abstract
疲労寿命予測の方法は、対象物の臨界亀裂サイズを計算するステップと;対象物の超音波データの第一の欠陥を識別するステップと;第一の欠陥が第二の欠陥と相互作用しているか、第一の欠陥が第二の欠陥と合体するか、又は第一の欠陥が孤立しているかの決定を行うステップと;決定に基づいて、初期亀裂サイズを計算するステップと;初期亀裂サイズが臨界亀裂サイズに到達するまでの負荷周期数を決定するために、疲労及びクリープによる初期亀裂サイズの増大を計算するステップと、を備える。
Description
[関連出願の相互参照]
本願は、2012年1月23日出願の米国仮出願第61/589426号の優先権を主張し、その開示全体が参照として本願に組み込まれる。
本願は、2012年1月23日出願の米国仮出願第61/589426号の優先権を主張し、その開示全体が参照として本願に組み込まれる。
本発明は、回転子材料の疲労寿命予測に関する。
疲労寿命予測は、タービン発電機における重要な管理タスクである。キャスティング、バルブ、回転子の材料は、高温高圧環境における長期間稼働によって冶金学的に劣化する。破壊及びクリープによる亀裂が、過酷な状況における稼働年月において発生して発達し得る。確実な寿命予測法が、ライフサイクルコストを低減する保全及び修理計画のために当該分野において望まれている。
数十年間にわたる努力にもかかわらず、複数の困難及び課題が当該分野には残っている。高温高圧環境における疲労亀裂伝播は、複雑な動的プロセスであり、多くの専門分野及び経験的判断が関係している。過酷な環境下における疲労寿命予測においては、以下の二つの主な要因を注意深く含むようにしなければならない:(1)時間及び温度に依存した疲労及びクリープ疲労の亀裂成長;(2)多重亀裂相互作用、及びその最終的な疲労寿命に対する影響。疲労亀裂成長は、応力拡大係数だけではなく、J積分によるものである。多重亀裂の相互作用、又は亀裂と境界との間の相互作用が、応力拡大係数及びJ積分に影響を与える。蒸気タービン又はガスタービンに対する典型的な負荷プロファイルにおける保持時間も、疲労亀裂成長に影響を与える。専門知識のない一般的なエンジニアが寿命予測を上手く行うことは簡単ではない。
このプロセスに必要とされる有用な経験的情報を管理することができるシステムが望まれている。
本発明の例示的な実施形態では、疲労寿命予測の方法は、対象物の臨界亀裂サイズを計算するステップと;対象物の超音波データの第一の欠陥を識別するステップと;第一の欠陥が第二の欠陥と相互作用しているか、第一の欠陥が第二の欠陥と合体するか、又は第一の欠陥が孤立しているかの決定を行うステップと;決定に基づいて、初期亀裂サイズを計算するステップと;初期亀裂サイズが臨界亀裂サイズに到達するまでの負荷周期数を決定するために、疲労及びクリープによる初期亀裂サイズの増大を計算するステップと、を含む。
対象物はタービン発電機の部品を含む。部品は回転子を含む。相互作用についての所定の基準に合致する場合に、第一の欠陥が第二の欠陥と相互作用している。合体についての所定の基準に合致する場合に、第一の欠陥が第二の欠陥と合体する。
疲労及びクリープによる初期亀裂サイズの増大を計算するステップは、初期亀裂サイズが臨界亀裂サイズに合致するか又は超えるまで、繰り返される。
負荷周期は、対象物に印加される最少応力、対象物に印加される最大応力、対象物の温度暴露、及び、保持時間を含む。
本発明の例示的な実施形態では、疲労寿命予測のシステムは、プログラムを記憶するためのメモリデバイスと、メモリデバイスと通信するプロセッサと、を備え、プロセッサが、プログラムを用いて、対象物の臨界亀裂サイズを計算し、対象物の超音波データの第一の欠陥を識別し、第一の欠陥が第二の欠陥と相互作用しているか、第一の欠陥が第二の欠陥と合体するか、又は第一の欠陥が孤立しているかの決定を行い、決定に基づいて、初期亀裂サイズを計算し、初期亀裂サイズが臨界亀裂サイズに到達するまでの負荷周期数を決定するために、疲労及びクリープによる初期亀裂サイズの増大を計算する。
対象物はタービン発電機の部品を含む。部品は回転子を含む。相互作用についての所定の基準に合致する場合に、第一の欠陥が第二の欠陥と相互作用している。合体についての所定の基準に合致する場合に、第一の欠陥が第二の欠陥と合体する。
プロセッサは、プログラムコードを用いて、初期亀裂サイズが臨界亀裂サイズに合致するか又は超えるまで、疲労及びクリープによる初期亀裂サイズの増大を計算することを繰り返す。
本発明の例示的な実施形態では、疲労寿命予測用のコンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読プログラムコードを有する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を備え、コンピュータ可読プログラムコードが、対象物の臨界亀裂サイズを計算するステップと;対象物の超音波データの第一の欠陥を識別するステップと;第一の欠陥が第二の欠陥と相互作用しているか、第一の欠陥が第二の欠陥と合体するか、又は第一の欠陥が孤立しているかの決定を行うステップと;決定に基づいて、初期亀裂サイズを計算するステップと;初期亀裂サイズが臨界亀裂サイズに到達するまでの負荷周期数を決定するために、疲労及びクリープによる初期亀裂サイズの増大を計算するステップとを行うように構成されている。
対象物はタービン発電機の部品を含む。部品は回転子を含む。相互作用についての所定の基準に合致する場合に、第一の欠陥が第二の欠陥と相互作用している。合体についての所定の基準に合致する場合に、第一の欠陥が第二の欠陥と合体する。
疲労及びクリープによる初期亀裂サイズの増大を計算するステップが、初期亀裂サイズが臨界亀裂サイズに合致するか又は超えるまで、繰り返される
本発明の例示的な実施形態では、疲労寿命予測の方法は、対象物の臨界亀裂サイズを計算するステップと;対象物の第一の欠陥を識別するステップと;第一の欠陥が第二の欠陥と相互作用しているか、第一の欠陥が第二の欠陥と合体するか、又は第一の欠陥が孤立しているかの決定を行うステップと;決定に基づいて、初期亀裂サイズを計算するステップと;初期亀裂サイズが臨界亀裂サイズに到達するまでの負荷周期数を決定するために、疲労及びクリープによる初期亀裂サイズの増大を計算するステップと、を含む。
第一の欠陥及び第二の欠陥は非超音波データを用いて発見される
本発明の例示的な実施形態によると、時間依存疲労クリープ破壊分析用の方法論が提供される。本方法論は、破壊力学及び塑性に基づいていて、特にプログラミング用に設計される。多重亀裂間の相互作用、及び亀裂と回転子表面との間の相互作用が系統的に含まれる。本方法論は、Siemens AutoNDE等のエキスパートシステムソフトウェア(Microsoft Visual Studioを用いて実行され、十分な三次元(3D)可視化性能を有する)に実装され得る。本システムは、確率論的疲労寿命予測用の非破壊評価(NDE,non−destructive evaluation)試験を直接サポートする。
本開示は以下のように体系化される。まず、高温での時間及び温度依存の疲労亀裂伝播の理論的基礎が提供される。また、開発されたモデルを用いた疲労寿命予測の決定論的分析が提供される。第二に、亀裂‐亀裂条件と、亀裂‐表面条件についての相互作用の基準が、本発明の例示的な実施形態に従って説明される。次に、本発明の例示的な実施形態を組み込んだモジュールを備えたエキスパートシステムAutoNDEが紹介される。これに続いて、例を用いて、本発明の方法論及びエキスパートシステムソフトウェアのデモンストレーションを行う。最後に、結論を与える。
一般的な疲労寿命予測方法論
このセクションでは、高温における疲労寿命予測の方法論、並びに、クリープ疲労亀裂成長モデル、亀裂伝播の時間及び温度依存性について述べる。
疲労亀裂成長モデル
高温における亀裂サイズの増分は、一般的に以下のように表される、
ここで、aは亀裂サイズであり、Nは周期的負荷の回数である。
第一項は、純粋な疲労の寄与を記述する。以下の式のパリスモデルは、式(1)の第一項について最も一般的に用いられるモデルの一つである、
ここで、C0及びn0は実験データから推定された二つのモデルパラメータである。ΔKは、周期的応力拡大範囲である。
式(1)の第二項は、時間依存のクリープ又は疲労クリープの寄与を記述し、[da/dt]aveは平均亀裂成長率であり、thは保持時間である。(Ct)aveを用いて、台形負荷波形についての時間依存亀裂成長を相関させることができる。保持時間th中において、(Ct)aveは以下のように定義される
Ctパラメータについての以下の表現は、広範なクリープ条件に対してクリープ亀裂成長率を表すことが分かっている
ここで、(Ct)SSCは、小規模クリープ(SSC,small scale creep)領域における(Ct)の値を表し、C*(t)は、小規模クリープ条件と広範囲クリープ条件との間の移行領域におけるC*の時間依存値を表す。弾性、塑性、及びクリープ変形の二つの一般的な場合を以下簡単に紹介する。
弾性、塑性、一次、及び二次クリープ
回転子鋼の弾性、塑性、一次、及び二次クリープの変形速度を、以下の単軸構成式によって記述することができる
ここで、A1、p及びn1は一次クリープを記述する定数であり、A及びnは二次クリープを記述するパラメータである。σは応力である。式(4)及び(5)に従って振る舞う成分に対するCtの値を推定するための表現は
によって与えられる。ここで、νはポアソン比であり、Eは弾性率であり、Wは試料の幅であり、Fは幾何学的補正関数であり、F’は、a/WについてのFの導関数であり、
は、以下のように与えられるクリープ領域の変化率である
有限要素分析によると、βは、0.33であると求められるスケーリング定数であり、
は、クリープ先端応力場の無次元定数である。項In1は一次クリープ指数の無次元関数である
In1=6.568-0.4744n1+0.0404n1 2-0.001126n1 3 (9)
Ch *の値は、C*についての表現において、Aを[(1+p)A1]1/(1+p)で置換し、nをn1で置換することによって得ることができる。適切な置換によって、弾性、塑性、一次、及び二次クリープによって変形する材料についての(Ct)aveの表現を、式(4)の積分によって得ることができる
ΔKhは、保持時間の応力拡大範囲である。tplは、塑性によるクリープ遅延を記述するタイムシフト定数であり、以下のように推定可能であり
ここで、ξ≒0.55は、有限要素分析によるスケーリング定数であり、σyは降伏応力であり、mは周期的塑性指数である。
In1=6.568-0.4744n1+0.0404n1 2-0.001126n1 3 (9)
Ch *の値は、C*についての表現において、Aを[(1+p)A1]1/(1+p)で置換し、nをn1で置換することによって得ることができる。適切な置換によって、弾性、塑性、一次、及び二次クリープによって変形する材料についての(Ct)aveの表現を、式(4)の積分によって得ることができる
弾性、塑性、及び二次クリープのみ
一次クリープの振る舞いが考慮されないか、又は無視可能であると仮定すると、式(5)が
となる。この場合、式(4)のクリープ領域膨張率
は、二次クリープの定数A及びnの関数であり、
と表され、αは、スケーリング関数であり、クリープ領域膨張率の表現からのnに依存する。αは
と表され、3≦n≦13について、αn n+1=0.69である。式(7)の項Ch *によって記述されるC*の時間依存振る舞いは適切ではない。従って、弾性、塑性、及び二次クリープによって変形する材料について、(Ct)aveの表現は以下の形となる
この場合のクリープ遅延時間tplは
によって与えられる。純粋なクリープ条件下において、(Ct)ave及びda/dtは、
[da/dt]ave=B(Ct)ave q (17)
によって相関し、ここで、B及びqは二つの較正パラメータである。周期依存亀裂成長に対してパリス方程式を用いると、式(1)を以下のように記述することができる
[da/dt]ave=B(Ct)ave q (17)
によって相関し、ここで、B及びqは二つの較正パラメータである。周期依存亀裂成長に対してパリス方程式を用いると、式(1)を以下のように記述することができる
応力拡大計算用の幾何学的形状の補正因子
図1A〜図1Dに示される四種類の亀裂の幾何学的形状(ジオメトリ)を用いて、NDE識別及び相互作用を表す。これらの場合の各々についてのC*の表現を、完全塑性J積分の解から導出することができる。図1A及び図1Bの幾何学的構成は、ダブルエッジノッチパネル(DENO,double edge notched panel,両縁切欠パネル)としてモデル化されている。図1Cの構成は、センタークラックパネル(CCPL,center cracked panel,中心亀裂パネル)としてモデル化されている。図1Dの構成は、孤立又はエッジ接続亀裂としてモデル化されている。
これら四つの場合のC*が、式(19)に、(a,b)の場合、(c)の場合、(d)の場合について順に示されている
これら四つの場合のKの計算における幾何学的補正関数F(a/W)が、式(20)に、(a,b)の場合、(c)の場合、(d)の場合について順に示されている
応力拡大計算のためのクラック形状パラメータQ及び位置パラメータC1を以下の式において定義する。式(21)において、厚さ方向(孤立)、非厚さ方向(孤立)、厚さ方向(表面)、非厚さ方向(表面)が順に示されている。式(22)において、埋没亀裂、表面亀裂が順に示されている。
及び
式(19)において用いられる関数h(a/W,n)がTable1及びTable2(表1及び表2)(図12を参照)に、それぞれDENO型及びCCPL型の試料についてまとめられている。h(a/W,n)についての対応する表面プロットが図4及び図5に示されている。a/Wの値及びクリープ指数nが与えられると、Table1及びTable2を用いて、h(a/W,n)の関数値が補間される。
応力拡大計算用の相互作用の拡大比率
亀裂‐亀裂相互作用及び亀裂‐表面相互作用によって誘起される応力拡大計算用の拡大比率を、図1Aに示される試料の幾何学的構成を用いて表すことができる。以下の多項式フィッティング関数が使用可能である
図1Bに示されるような二つの相互作用している亀裂の上の自由表面に対する影響を記述するため、対応する拡大比率を各場合において増大させ得る。
温度依存パラメータ
クリープ疲労は、時間依存でもあるし、温度依存でもある。時間依存性は式(17)において構築されている。クリープ試験を用いて、多くの温度依存パラメータを得ることができる。温度依存パラメータは、Table3(表3)(図13を参照)に列挙されている。
決定論的残存寿命予測
残存寿命の推定には、NDE試験データから抽出された初期亀裂サイズa0と、臨界亀裂サイズacとの計算が含まれる。システム不良は、亀裂サイズが臨界亀裂サイズよりも大きいこととして定義され、acは
として表され、ここで、KICは、モードIの臨界応力拡大である。C1及びQはそれぞれ式(22)、式(21)において定義されている。Δσは、上述のように定義される。
亀裂成長率は、主に、亀裂先端における周期的応力拡大範囲によるものである。亀裂の幾何学的構成、形状、位置及び相互作用を考慮した応力拡大範囲の計算は
となり、ここで、Mは、式(23)又は式(24)に従った値をとる。C1及びQはそれぞれ式(22)、式(21)において定義されている。式(1)を再構成すると、
が得られる。式(18)を用いて、a0からacまで式(27)を積分することによって、疲労寿命を以下のように得ることができる
本発明の例示的な実施形態に係る超音波指標相互作用及び合体基準
内部亀裂は、高温高圧条件において伝播し得る。ボア(穴開き)回転子とは異なり、ソリッド(中実)回転子は、内部表面を有さず、ボア回転子のような表面亀裂を有さない。内部亀裂は、回転子半径の40%の深度以内に通常は位置している。従って、ソリッド回転子においては、表面亀裂を検討しない。超音波走査をソリッド回転子の外側から行い、鉄心全体の周囲で走査を行う。疑わしい指標(欠陥指示模様)をデータプリプロセッサにおいて分析する。データプリプロセッサは、指標の位置を円筒座標でマッピングする。この指標情報が与えられると、指標が円形であると仮定して、各指標に対する初期亀裂サイズを推定する。二つの超音波指標の間の相互作用は、経験的及び予測知識に基づいている。二つの指標の各対を分析して、相互作用しているかどうかを決定する。指標が他の指標との相互作用を有さない場合、それを孤立した亀裂として取り扱う。二つの指標が互いに相互作用している場合、対応する幾何学的構成及び亀裂形状の補正因子を用いて、応力拡大係数の計算における相互作用の影響を補償し得る。二つの亀裂は、亀裂伝播過程のある時点において一つの大きな亀裂に合体し得る。周期毎の方法に基づいた亀裂成長計算は、各反復(イタレーション)におけるこれらの変化を検討し得る。亀裂成長は、図2に示されるように、r‐z平面内においてのみ生じると仮定される。
二つの指標の相互作用基準
二つの指標の相互作用基準は二つの側面に依存している。二つの指標の間の空間的距離をSで表し、ここで、S=√((x1−x2)2+(y1−y2)2+(z1−z2)2)である。x1、y1、z1及びx2、y2、z2は二つの座標のデカルト座標である。x=rcos(θ)及びy=rsin(θ)を用いれば、円筒座標(r,θ,z)をデカルト座標(x,y,z)に変換するのは容易である。二つの指標の最大直径をD=max(D1,D2)で表す。相互作用の第一の基準はS<3Dである。亀裂成長がr‐z平面内のみにおいて生じるという仮定を行っているので、相互作用を制限するように角距離の制限を課すことができる。図2は、長さD1及びD2の二つの指標についてのr‐θ平面における角距離を示す。距離2h=raveΔθであり、ここで、rave=(D1+D2)/2は、二つの指標の平均半径であり、Δθ=|θ1−θ2|は、二つの指標の間の角度差である。相互作用の第二の基準は2h/D<0.8である。両方の基準が満たされると、亀裂成長の計算において、二つの亀裂を、相互作用している亀裂として考慮する。幾何学的相互作用係数は、図1Aに示される試料に従って計算される。
二つの指標の合体
亀裂成長は動的過程である。二つの小さな孤立した亀裂が別々に成長し、互いに相互作用して、最終的には一つの亀裂に合体し得る。現状における二つの相互作用している亀裂の合体基準が図3に示されている。二つの亀裂が一つの亀裂に合体した後において、サイズDnewのこの新たな亀裂が、他の亀裂と相互作用又は合体し続けることも可能である。従って、一周期における亀裂成長計算における各反復において、新たな亀裂サイズを用いてこれら全ての基準を評価して、相互作用及び合体を決定することができる。
本発明の例示的な実施形態に係るエキスパートシステム
AutoNDEソフトウェアプラットフォームを、超音波検査データ分析及び視覚化並びに寿命予測用の総合的ツールとしてVisual Studioを用いて実装する(図6を参照)。AutoNDEは、多様なアプリケーションに適合するように非常にフレキシブルに設計される。AutoNDEの主なコンポーネントの一つはデータ分析及び可視化であり、生の超音波検査データを人間が解読可能な画像に変換することを含む。本発明の例示的な実施形態によると、欠陥領域識別及びグループ化アルゴリズムが、生データとは無関係な画像分析目的でAutoNDEに組み込まれる。コンポーネントが超音波検査からの生データを変換して、欠陥領域を決定すると、本発明の例示的な実施形態に係る疲労予測モジュールがAutoNDEによって呼び出されて、疲労欠陥成長軌跡及び残存寿命の推定等の必要な計算を完了させる。本発明の例示的な実施形態によると、相互作用及び合体の基準は、疲労寿命予測モジュールの機能として実装される。従って、基準及びモジュールの両方を簡単にカスタマイズして、他のアプリケーションの場合に用いることができる。
以下においては、図7に示されるAutoNDEの疲労寿命予測コンポーネントに更に注目し、データ分析及び可視化コンポーネントの関する詳細については説明しない。本発明の例示的な実施形態に係る相互作用及び合体の基準を備えた疲労成長及び寿命計算の全体的な手順が図8に示されている。疲労寿命予測モジュールの基本的な手順は以下の通りである:まず、臨界亀裂サイズを材料の情報に基づいて計算する。ユーザによって指定された負荷プロファイルから、周期的疲労事象及びクリープ疲労事象等の情報を記憶する。次に、プログラムがNDE走査データをロードして、指標を対応する初期亀裂サイズに変換して、上記「超音波指標相互作用及び合体基準」において説明した基準を用いて相互作用分析を行う。二つのNDE指標が一つの指標に合体し得て、それに応じて、合体した指標の初期亀裂サイズが再計算される。実際の亀裂成長計算用の前処理を行った後で、プログラムが、式(28)を用いて各指標について疲労寿命を計算して、結果をユーザに報告する。
疲労寿命予測の全体的な手順が図8に示されている。ステップ802では、ユーザの直接入力又はコンピュータファイルシステムに記憶された外部ファイルのいずれかから材料特性を読み込む。ステップ803では、ユーザの直接入力又はコンピュータファイルシステムに記憶された外部ファイルのいずれかから温度情報と共に疲労負荷を読み込む。ステップ802及び803は共に、式(25)を用いて臨界亀裂サイズを決定するためのステップ801に必要な情報を提供する。ステップ804では、コンピュータファイルシステムのファイルから、指標サイズ、欠陥位置、検査プローブ等の情報を読み込む。また、ユーザは、欠陥の追加や削除等の編集を手動で行うこともできる。ステップ805では、ステップ804の情報を用いて、相互作用及び合体分析を行う。複数の指標の相互作用が見つかると、ステップ806において、相互作用している指標の最大サイズ値(例えば、図3の直径D)に基づいて、全ての相互作用している指標のサイズを再評価する。合体基準に合致すると、ステップ807において、二つの指標を一つの指標に合体して、図3の直径Dnewに基づいて指標サイズを再評価する。それ以外の場合、ステップ805が終了した後において、指標サイズは変化していないままである。ステップ808では、式(30)〜式(31)を用いた初期亀裂サイズ計算のために、ステップ805、ステップ806及びステップ807からの指標サイズの結果を用いる。式(30)のERSは、指標サイズに等しい(直径に関して)。ステップ808の結果としての初期亀裂サイズの値の各々を用いて、疲労寿命を計算する。計算は、周期積分機構を用いて、反復手順で行われる。各初期亀裂サイズ値について、ステップ810では、一回の負荷周期中に疲労が寄与する亀裂成長量(Δa1)を計算する。ステップ809では、一回の負荷周期中にクリープが寄与する亀裂成長量(Δa2)を計算する。ステップ811では、二つの成分を足し合わせることによって、一回の負荷周期中の亀裂成長量(Δa)を得る。ステップ812では、負荷周期前の亀裂サイズ(aN)に亀裂成長量(Δa)を足すことによって現在の亀裂サイズ(aN+1)を得て、疲労寿命を1だけ(つまり、N=N+1)増やす。ステップ813では、現在の亀裂サイズ(aN+1)が臨界亀裂サイズ(ac)よりも大きいかどうかを調べる。大きくなければ、ステップ809、810、811、812、813を繰り返す。ステップ813において現在の亀裂サイズが臨界亀裂サイズ(ac)よりも大きいと識別されると、反復を終了する。その時の値Nが、計算されている指標の疲労寿命である。
図14は三つの例示的な負荷周期を示す。負荷周期は、以下の情報によって特徴付けられる(分単位):最少応力(例えば、−20MPa)、最大応力(例えば、500MPa)、温度(例えば、500F)、保持時間(例えば、100時間)。
本発明の例示的な実施形態の例
このセクションでは、工学的な例を用いて、本発明の方法論の全体的なアイディアのデモンストレーションを行う。この例の手順ステップは以下の通りである:まず、超音波検査データを分析して、対象の応答画像を再構築するのに用いる。次に、グループ化アルゴリズムを用いて、欠陥(例えば、疲労亀裂)を識別し、DGS(distance gain size,距離・増幅率・サイズ)法を用いて、各亀裂のサイズを推定する。そして、推定結果に基づいて、疲労亀裂成長モデルを用いて、各亀裂の疲労寿命を計算する。本発明の相互作用基準は、複数の亀裂間の相互作用の影響と、亀裂と境界との間の相互作用の影響を含ませるように計算に組み込まれる。疲労寿命予測結果を用いて、次回の検査業務の間隔を決定することができる。
超音波試験データ及び画像再構築の例
超音波検査データの取得は、適切な設備及びソフトウェアを用いて行われ、データがRDTIFFフォーマットで報告される。結果のデータファイルは、サンプリング周波数、対象内の音速、プローブの移動等の全ての情報を記憶する。この例では寿命予測の方法論に注目しているので、取得設定、データフォーマット、データストレージの詳細についてはここで説明しない。プローブの移動が円周方向に沿ったものであるので、対象の同じ位置が、一点よりも多くの応答データポイントで頻繁にカバーされることになる。従って、再構築プロセスは、データの最大値をとることで、複数のデータポイントを使用する。例えば、画像座標(300,200)の画素は、異なる円周方向位置からプローブによって報告される0.9、0.8、0.5(1で正規化されている)等の複数の超音波応答データ値を有し得るが、0.9の最大値が再構築画像に用いられる。再構築超音波応答画像が図9Aに示されていて、欠陥領域が図9Bで注記されている。
疲労亀裂サイズ推定のためのDGS法の例
DGS法は、プローブから異なる距離に位置する反射体の異なるサイズに起因する異なるエコーの大きさをグラフ表示する。DGS図を、一つが直径10mm、もう一つが直径20mmという特定のプローブで用いるために作成した。最近のDGS図は、個々のプローブ及び金属試験片の種類に対してカスタマイズされる。こうした図は、欠陥の実際のサイズを反映しないものであり得るが、欠陥サイズを、較正又は比較ブロックと同じ様に、等価欠陥サイズ(EFS,equivalent flaw size)として、等価なディスクサイズに関連付ける。
この例では、用いられた試験プローブ用のDGSサイジングの式は、式(29)で与えられる
ここで、d0は較正又は比較孔の直径であり、h0は較正強度であり、h1は欠陥領域の最大超音波検査強度であり、g0は較正利得であり、g1は超音波検査利得であり、d1は等価反射体サイズ(ERS,equivalent reflector size)である。この例では、検査データからの最大強度はh1=0.9176(1で正規化されている)であり、較正強度はh0=0.8であり、較正利得はg0=18dBであり、検査利得はg1=22dBであり、較正等価反射体サイズd0は2.5mmである。この情報を用いて、欠陥の等価反射体サイズが、d1=2.1mmと計算される。そして、ERSが、実際の欠陥サイズ(RDS,real defect size)に変換され、RDSを用いて、疲労寿命予測用の等価初期欠陥サイズ(EIFS,equivalent initial flaw size)が得られる。DGS等価反射体サイズからRDSへの変換は、式(30)に示されていて、RDSからEIFSへの変換は式(31)に示されている。
ここで、r=0.4は、楕円状亀裂の短軸対長軸の比率である。欠陥のEIFSは、式(30)及び式(31)を用いて、a0=1.3mmと計算される。
疲労寿命予測の例
この例では、回転子の動作プロファイルに基づいて、クリープを考慮せず、周期的疲労亀裂成長モデル(例えば、式(2))のみを用いる。この回転子の材料は、26NiCrMoV14‐5/TLV9123 18であり、式(2)で用いられる対応モデルパラメータは、C0=1.2604×10−13と、n0=3.1である。この材料の破壊靱性は142MPa√(m)であり、この材料の臨界亀裂サイズは16.3mmである。与えられた情報に基づいて、疲労寿命が、コールド、ウォーム、ホットスタートについて合計で2382スタート(始動数)であると計算される。疲労亀裂成長軌跡が図10に示されている。疲労寿命予測結果に基づき、この回転子が、略2000スタート又は2000時間(いずれか早い方)にわたって更に作動することが再保証される。
結論
本開示は、超音波検査データを用いた革新的な疲労寿命予測方法論を提供する。破壊力学及びクリープ効果による疲労亀裂成長について説明してきた。亀裂‐亀裂相互作用、亀裂‐境界相互作用、多重亀裂合体の基準について詳述してきた。本発明の方法を全般的にデモンストレーションするため、超音波検査データを用いて、実際的で工学的な例が与えられている。提供された方法論及び必要な計算は、エキスパートシステムソフトウェアプラットフォーム(例えば、AutoNDE)の一部として実施される。上記の説明から、複数の結論が導かれる。
本発明の方法論は、意思決定のための産業的発電機回転子の疲労寿命予測に直接適用可能である。例えば、超音波検査データに基づいて、状態監視保全用に、回転子の残存寿命を推定することができる。
ソフトウェアプラットフォームAutoNDEは、本発明の方法論で実施されると、超音波検査データを分析して、欠陥領域を識別することができ、多量のデータに対して非常に効率的である。AutoNDEシステムの二次元(2D)/三次元(3D)可視化性能が、本発明の方法の全体的な効率を改善することができる。
当業者には理解されるように、本発明の態様は、システム、方法、又はコンピュータプログラム製品として実施され得る。従って、本発明の態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マクロコード等)、又は、ソフトウェアの態様及びハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形式となり得て、これら全てが、本願において一般的に、“回路”、“モジュール”、“システム”と指称され得る。更に、本発明の態様は、一つ又は複数のコンピュータ可読媒体に実装されたコンピュータプログラム製品の形式となり得て、そのコンピュータ可読媒体には、コンピュータ可読プログラムが実装される。
一つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用可能である。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体、又はコンピュータ可読ストレージ媒体であり得る。コンピュータ可読ストレージ媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁的、赤外線、若しくは半導体のシステム、装置、若しくはデバイス、又はこれらの適切な組み合わせであり得るが、これらに限定されるものではない。コンピュータ可読ストレージ媒体のより具体的な例(不完全な一覧)として、一つ又は複数のワイヤを有する電気接続、携帯型コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM,random access memory)、リードオンリメモリ(ROM,read−only memory)、イレーサブルプログラマブルリードオンリメモリ(EPROM(erasable programmable read−only memory)又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD‐ROM,compact disc read−only memory)、光学ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、これらの適切な組み合わせが挙げられる。本願において、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、装置又はデバイスによって又はこれに関連して用いられるプログラムを含む又は記憶することができる任意の有形媒体であり得る。
コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読プログラムコードが例えばベースバンドで又は搬送波の一部として実装される伝播データ信号を含み得る。このような伝播信号は、多様な形式となり得て、電磁的、光学的、又はこれらの適切な組み合わせが挙げられるが、これらに限定されるものではない。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではなく、命令実行システム、装置又はデバイスによって又はこれと関連して用いられるプログラムを通信、伝播又は伝達することができるコンピュータ可読媒体であり得る。
コンピュータ可読媒体に実装されるプログラムコードは、適切な媒体(無線、有線、光ファイバケーブル、RF等が挙げられるが、これに限定されるものではない)、又はこれらの適切な組み合わせを用いて、伝達され得る。
本発明の態様用の演算を行うコンピュータプログラムコードは、一つ又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれ得て、そうしたプログラミング言語として、Java(登録商標)、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語や、C等の従来の手続型プログラミング言語等が挙げられる。プログラムコードは、スタンドアローン型ソフトウェアパッケージとして、ユーザのコンピュータで完全に実行されるか、ユーザのコンピュータで部分的に実行されるか、ユーザのコンピュータで部分的に且つリモートコンピュータで部分的に実行されるか、又は、リモートコンピュータ又はサーバで完全に実行され得る。後者の場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN,local area network)やワイドエリアネットワーク(WAN,wide area network)等の任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続され得て、又は、接続は外部コンピュータになされ得る(例えば、インターネットサービスプロバイダを用いてインターネットを介して)。
本発明の態様は、本発明の実施形態に係る方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明されている。フローチャート及び/又はブロック図の各ブロック、及びフローチャート及び/又はブロック図のブロックの組み合わせが、コンピュータプログラム命令によって実行可能であることを理解されたい。こうしたコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又はマシンを生成する他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供され得て、コンピュータ又は他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックにおいて特定されている機能/動作を行うための手段を生じさせる。
こうしたコンピュータプログラム命令は、特定の方法でコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイスを機能させることができるコンピュータ可読媒体内にも記憶され得て、コンピュータ可読媒体に記憶された命令が、フローチャート及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックにおいて特性されている機能/動作を実施する命令を含む製品を生じさせるようになる。
コンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイスにもロードされて、そのコンピュータ、他のプログラム可能データ処理装置、又は他のデバイスで実施される一組の演算ステップがコンピュータ実施プロセスを生じさせ得て、コンピュータ又は他のプログラム可能装置で実行される命令が、フローチャート及び/又はブロック図の一つ又は複数のブロックにおいて特定されている機能/動作を実施するためのプロセスを提供するようになる。
次に、図11を参照すると、本発明の例示的な実施形態に従い、コンピュータシステム1101は、特に、中央処理装置(CPU,central processing unit)1102、メモリ1103、入出力(I/O,input/output)インターフェース1104を備え得る。コンピュータシステム1101は、一般的に、I/Oインターフェース1104を介して、ディスプレイ1105及び多様な入力デバイス1106(マウスやキーボード等)に接続される。支持回路は、キャッシュ、電源、クロック回路、通信バス等の回路を含み得る。メモリ1103は、RAM、ROM、ディスクドライブ、テープドライブ等、又はこれらの組み合わせを含み得る。本発明の例示的な実施形態は、メモリ1103に記憶されたルーチン1107として実装され、信号源1108からの信号を処理するようにCPU1102によって実行され得る。そうすると、コンピュータシステム1101は、本発明のルーチン1107を実行する際には専用コンピュータシステムになる汎用コンピュータシステムである。
また、コンピュータシステム1101は、オペレーティングシステム及びマイクロ命令コードも含む。本願で説明される多様なプロセス及び機能は、マイクロ命令コードの一部であるか、又は、オペレーティングシステムを介して実行されるアプリケーションプログラムの一部(又はこれらの組み合わせ)であり得る。また、追加のデータストレージデバイスや印刷デバイス等の他の多様な周辺デバイスもコンピュータシステム1101に接続され得る。
図面のフローチャート及びブロック図は、本発明の多様な実施形態に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の考えられる実施形態の設計、機能、演算を例示している。この点に関して、フローチャートやブロック図の各ブロックは、モジュール、セグメント、又はコードの一部であり得て、特定の論理機能を実施するための一つ又は複数の実行可能命令を備える。一部代替実施形態では、ブロックに示される機能が、図面に示される順番以外で生じることには留意されたい。例えば、含まれる機能に応じて、続けて示される二つのブロックが、実質的に同時に実行されたり、場合によってはブロックが逆の順番で実行されたりし得る。また、ブロック図及び/又はフローチャートの図面の各ブロック、並びに、ブロック図及び/又はフローチャートの図面のブロックの組み合わせを、特定の機能又は動作を実行する専用のハードウェアベースシステム、又は、専用のハードウェア及びコンピュータ命令の組み合わせによって実行可能であることも留意されたい。
本願で用いられる用語は、特定の実施形態を説明する目的のためだけのものであり、本発明を限定するものではない。本願においては、特に断らない限り、単数形での記載は、複数形の場合も含むものである。本願において用いられる場合、“備える”との用語は、言及された特徴、整数、ステップ、工程、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するものであるが、一つ以上の他の特徴、整数、ステップ、工程、要素、構成要素、それらの組み合わせの存在を排除するものではない。
添付の特許請求の範囲における対応する構造、材料、動作、全てのミーンズ(ステップ)プラスファンクションの要素の等価物は、特許請求されている他の要素と組み合わさって機能を実行するための任意の構造、材料、又は動作を含むものである。本発明の説明は、例示及び説明目的のものであって、包括的なものではなく、本発明を開示されたものに限定するものでもない。当業者には、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、多様な修正及び変更が明らかなものである。実施形態は、本発明の原理及び実際の適用を最も良く説明するために選択及び記載されたものであり、当業者は、想定される具体的な使用に適したものとして多様な修正を備えた多様な実施形態について本発明を理解することができるものである。
Claims (21)
- 疲労寿命予測の方法であって、
対象物の臨界亀裂サイズを計算するステップと、
前記対象物の超音波データの第一の欠陥を識別するステップと、
前記第一の欠陥が第二の欠陥と相互作用しているか、前記第一の欠陥が第二の欠陥と合体するか、又は前記第一の欠陥が孤立しているかの決定を行うステップと、
前記決定に基づいて、初期亀裂サイズを計算するステップと、
前記初期亀裂サイズが前記臨界亀裂サイズに到達するまでの負荷周期数を決定するために、疲労及びクリープによる前記初期亀裂サイズの増大を計算するステップと、を備えた方法。 - 前記対象物がタービン発電機の部品を含む、請求項1に記載の方法。
- 前記部品が回転子を含む、請求項2に記載の方法。
- 相互作用についての所定の基準に合致する場合に、前記第一の欠陥が前記第二の欠陥と相互作用している、請求項1に記載の方法。
- 合体についての所定の基準に合致する場合に、前記第一の欠陥が前記第二の欠陥と合体する、請求項1に記載の方法。
- 前記疲労及びクリープによる前記初期亀裂サイズの増大を計算するステップが、前記初期亀裂サイズが前記臨界亀裂サイズに合致するか又は超えるまで、繰り返される、請求項1に記載の方法。
- 負荷周期が、前記対象物に印加される最少応力、前記対象物に印加される最大応力、前記対象物の温度暴露、及び、保持時間を含む、請求項1に記載の方法。
- 疲労寿命予測のシステムであって、
プログラムを記憶するためのメモリデバイスと、
前記メモリデバイスと通信するプロセッサと、を備え、
前記プロセッサが、前記プログラムを用いて、
対象物の臨界亀裂サイズを計算し、
前記対象物の超音波データの第一の欠陥を識別し、
前記第一の欠陥が第二の欠陥と相互作用しているか、前記第一の欠陥が第二の欠陥と合体するか、又は前記第一の欠陥が孤立しているかの決定を行い、
前記決定に基づいて、初期亀裂サイズを計算し、
前記初期亀裂サイズが前記臨界亀裂サイズに到達するまでの負荷周期数を決定するために、疲労及びクリープによる前記初期亀裂サイズの増大を計算する、システム。 - 前記対象物がタービン発電機の部品を含む、請求項8に記載のシステム。
- 前記部品が回転子を含む、請求項9に記載のシステム。
- 相互作用についての所定の基準に合致する場合に、前記第一の欠陥が前記第二の欠陥と相互作用している、請求項8に記載のシステム。
- 合体についての所定の基準に合致する場合に、前記第一の欠陥が前記第二の欠陥と合体する、請求項8に記載のシステム。
- 前記プロセッサが、プログラムコードを用いて、前記初期亀裂サイズが前記臨界亀裂サイズに合致するか又は超えるまで、前記疲労及びクリープによる前記初期亀裂サイズの増大を計算することを繰り返す、請求項8に記載のシステム。
- 疲労寿命予測用のコンピュータプログラム製品であって、
コンピュータ可読プログラムコードを有する非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体を備え、
前記コンピュータ可読プログラムコードが、
対象物の臨界亀裂サイズを計算するステップと、
前記対象物の超音波データの第一の欠陥を識別するステップと、
前記第一の欠陥が第二の欠陥と相互作用しているか、前記第一の欠陥が第二の欠陥と合体するか、又は前記第一の欠陥が孤立しているかの決定を行うステップと、
前記決定に基づいて、初期亀裂サイズを計算するステップと、
前記初期亀裂サイズが前記臨界亀裂サイズに到達するまでの負荷周期数を決定するために、疲労及びクリープによる前記初期亀裂サイズの増大を計算するステップとを行うように構成されている、コンピュータプログラム製品。 - 前記対象物がタービン発電機の部品を含む、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記部品が回転子を含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
- 相互作用についての所定の基準に合致する場合に、前記第一の欠陥が前記第二の欠陥と相互作用している、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品。
- 合体についての所定の基準に合致する場合に、前記第一の欠陥が前記第二の欠陥と合体する、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品。
- 前記疲労及びクリープによる前記初期亀裂サイズの増大を計算するステップが、前記初期亀裂サイズが前記臨界亀裂サイズに合致するか又は超えるまで、繰り返される、請求項14に記載のコンピュータプログラム製品。
- 疲労寿命予測の方法であって、
対象物の臨界亀裂サイズを計算するステップと、
前記対象物の第一の欠陥を識別するステップと、
前記第一の欠陥が第二の欠陥と相互作用しているか、前記第一の欠陥が第二の欠陥と合体するか、又は前記第一の欠陥が孤立しているかの決定を行うステップと、
前記決定に基づいて、初期亀裂サイズを計算するステップと、
前記初期亀裂サイズが前記臨界亀裂サイズに到達するまでの負荷周期数を決定するために、疲労及びクリープによる前記初期亀裂サイズの増大を計算するステップと、を備えた方法。 - 前記第一の欠陥及び前記第二の欠陥が非超音波データを用いて発見される、請求項20に記載の方法。
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