JP4665186B2 - 材料固有のキャビテーション衝撃力のしきい値特定方法と、キャビテーション噴流による壊食量の定量的予測法と、そのための壊食量の定量的予測装置。 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
近年ポンプや水車やバルブ等の流体機器の高速化と小型化に伴い、不可避的に生じるキャビテーションは、気泡の崩壊時に数GPaにもなる局所的高衝撃圧を生じて、流体機器にしばしば致命的な損傷を与えることが知られている。しかるに、近年、当該キャビテーションは、流体機器に損傷を与えるだけでなく、条件によっては、キャビテーション気泡の崩壊衝撃力が材料の耐食性を逆に向上させることや、圧縮残留応力の導入や疲労強度向上などの作用があることが実証され、ショットピーニングのように、材料の表面改質へのキャビテーションの有効利用が注目されている。このようなキャビテーション噴流による壊食を回避あるいは防止するためにも、あるいはキャビテーション気泡の衝撃力を材料の表面改質へ有効利用するためにも、キャビテーションの崩壊衝撃力と壊食を定量的に予測することが望まれている。そこで、本発明は、材料固有のキャビテーション衝撃力のしきい値を特定する方法を提案するとともに、キャビテーション噴流による壊食量の定量的予測法と、キャビテーション噴流による壊食量の定量的予測装置の開発を行った。
【0002】
【従来技術】
アメリカ材料規格協会ASTMでは、材料の耐キャビテーション性を調べる試験方法として、キャビテーション噴流を用いた材料試験、即ち供試材料で製作した試験片を水槽内に設置し、当該水槽にポンプなどで加圧した高圧水を噴射して、噴流のまわりにキャビテーション気泡を発生させ、当該キャビテーション気泡を当該試験片表面で圧潰させ、当該試験片の表面形状や質量損失の変化から当該材料の耐キャビテーション性を調べる試験を、ASTMG134として規格化した。
【0003】
また、キャビテーション気泡の圧潰衝撃力を計測するために、高分子圧電材料の一種であるPVDFフィルムを用いたキャビテーション衝撃力計測センサを開発し、その波高解析装置(キャビテーション・インパクト・カウンタ)により計測するようにした。しかし、これら計測値からは直接的に壊食量の定量的予測は出来ない。
【0004】
流体機械に致命的損傷を与えるキャビテーション噴流による壊食や壊食量の予測、さらにはキャビテーション気泡の衝撃力を用いた材料の表面改質では、キャビテーション衝撃力と材料の強さの関係の把握が重要である。そのため、材料の耐キャビテーション性を示すパラメータとして、キャビテーション崩壊衝撃力に対する材料のしきい値を定め、壊食を定量的に予測することが望まれている。しかしながら、これまでは、しきい値を計測する有効な手段がなかった。また、キャビテーション衝撃力は、局所的領域に金属をも破壊する高衝撃圧が短時間に作用するために、その計測が困難であった。そのため、各方面で流体機器の壊食量評価方法やシステムについて、研究されているが、いまだ満足できるものは開発されていない。。先行技術としては、例えば、キャビテーション強度を直接的かつ簡便に計測して、流体機械の構成部品の壊食速度をモニタできるようにした壊食量評価システムが公開されている(特開平11―287704号公報)。これは、「流体の流路内の圧力波を検出する圧力波センサと、前記圧力波センサで検出された圧力波から雑音を除去してキャビテーション気泡崩壊による衝撃波形を取出すハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタを通過した衝撃波形をサンプリングして、サンプリング値を抽出するサンプリング部と、所定の検出時間内に検出された前記サンプル値を基にキャビテーションによる壊食量を評価する演算部とを有することを特徴とする壊食評価システム。」である。しかし、この流体機械の壊食量評価システムは、材料毎の「しきい値」の概念がないので、流体機械に用いられることの多い種々の材料毎の壊食量を予測をすることができない欠点がある。また、先行技術では、ハイパスフィルタとピークホールド回路が必須であるので、正確に計測ができず、精度が惡く、応用範囲も狭い。
【0005】
【解決しようとした技術的課題】
材料の耐キャビテーション性を調べるキャビテーション壊食試験法は、近年、従来の超音波によるキャビテーション壊食試験に代わり変わりASTM規格による材料試験キャビテーション噴流式試験法が規格化された。前記ASTM規格による材料試験は、キャビテーション気泡の崩壊衝撃力に対して、材料の耐キャビテーション性を調べることを目的としているが、同規格においてはキャビテーション気泡の圧潰衝撃力の分布(例えば、衝撃力の強さと発生頻度の関係)がキャビテーション噴流の条件(例えば、噴射圧力や試験片を設置した水槽の圧力)により異なったり、または種々の衝撃力を発生し得るという点について考慮されていない。したがって、異なるキャビテーション噴流の条件で試験した結果について合理的な説明ができず、材料相互間の相対的な耐キャビテーション性がキャビテーション噴流の条件により異なるという結果に陥る。従ってキャビテーション噴流による試験により、耐キャビテーション性を確定しても、実際の流体機械に生じるキャビテーション損傷を定量的に予測できない。
【0006】
これに対し、特開平11−287704号に係る流体機械の壊食量評価システムは、流体機械のキャビテーションによる損傷量を予測する目的において共通しているが、その方法や装置やセンサは相違している。
【0007】
まず第1に、方法における違いは、当該先行技術では、1N以上の衝撃力の2乗の合計と壊食量が比較するという原則を前提にしているが、これはAlやCu等のキャビテーションに対して弱い材料の場合には、条件によって該当することもあると思われるが、実際の流体機械に用いられることが多い鋳鉄や真鍮やステンレス鋼などでは当該原則は該当しない。従って、先行技術では、これらの材料についての壊食量の予測ができない。つまり、当該先行技術には、材料毎の「しきい値」(材料に影響を与えるキャビテーション衝撃力の限界値を意味する。)の概念がないので、流体機械に用いられることの多い種々の材料毎の壊食量を予測をすることができない欠点がある。これに対し、本発明では、キャビテーション噴流壊食試験装置と衝撃力の計測により、材料毎の「しきい値」と「衝撃エネルギと壊食量の関係」を得て、これに基づいて、流体機械に生じるキャビテーション損傷を定量的に予測する方法である。
【0008】
第2に、装置における違いは、先行技術では、ハイパスフィルタとピークホールド回路が必須であるのに対し、本発明は、PVDFフィルムを使ったセンサと波高分析器のみでキャビテーション衝撃力を計測できる。従って、装置として低コストであるだけでなく、高頻度で連続してキャビテーション衝撃力が生じている場合には、正確に計測ができるので、本発明の方が精度が高く、応用範囲が広い。
【0009】
第3に、センサにおける違いは、先行技術のセンサは、圧力を計測することにより力を計測しようとするもので、センサの面積を考慮する必要があるため、困難である。先行技術では、剛球落下試験により衝撃力を校正して求め、衝撃波から衝撃力を求めて衝撃エネルギを算出している。これに対し、本発明のセンサは、衝撃力を直接計測できるので、精度が高い。そのうえ、高分子圧電材料(PVDFフィルム)を用いているセンサは、薄く(0.11mm)、柔軟性に富んでいるので、流体機械に容易に貼り付けて計測し壊食量を予測することが出来る。特に最近の流体機械は、高速・小型化しているので、先行技術では直接貼り付けて測定することが困難なことが多いが、本発明は流体機械に容易に貼り付けて測定したり壊食量を予測することが可能である。
【0010】
このように、先行技術と本発明とはその方法も装置も大きく相違するものであり、その壊食量の定量的予測も本発明の方が高精度、広応用範囲、高経済性である。
【0011】
即ち、本発明者は、種々の金属材料やアクリル材料について、キャビテーション噴流式試験により種々の条件で壊食試験を行い、壊食率を実験的に求めた。更に各噴射条件についてキャビテ-ション衝撃力を計測し、壊食に関わる衝撃エネルギーを算出した。そのうえで、壊食率と衝撃エネルギーの関係から、壊食には、あるしきい値以上の衝撃力のみが関与し、そのしきい値は材料に固有の値であることを実験的に明らかにした。
【0012】
即ち、本発明は、これによってポンプや水車、バルブ等の流体機械に生じるキャビテーション損傷を回避・防止あるいは定量的に予測することを目的とするとともに、キャビテーション気泡の圧潰衛筆力により材料の疲労強度向上や圧縮残留応力の導入などの表面処理や、キャビテーションを用いた洗浄を、被加工面・被洗浄面に損傷を生じることなく実施することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
特許を受けようとする第1発明は、試験対象材料の試験片を設置した水を満たした水槽内に、ノズルを通してポンプにより加圧した高圧水を噴射することによりキャビテーション噴流を発生し、当該キャビテーション噴流を当該試験片に噴射することにより、当該キャビテーション噴流まわりのキャビテーション気泡を当該試験片表面で圧潰させ、当該試験片の表面形状や質量損失量を計測することにより壊食率(質量損失量の時間変化率)を計測するに際し、キャビテーション噴流の条件を変化させて、各条件ごとの壊食率を計測するとともに、当該試験片表面に高分子圧電フィルムを用いたキャビテーション衝撃力計測センサを貼り付けてキャビテーション噴流の条件を変化させて、各条件ごとのキャビテーション気泡の圧潰衝撃力を計測し、その出力波形の波高解析結果からキャビテーション衝撃エネルギーを計算し、前記各条件における壊食率とキャビテーション衝撃エネルギーとを比較して材料ごとに損傷を生じるキャビテーション衝撃力のしきい値を特定するようにしたことを特徴とする材料固有のキャビテーション衝撃力のしきい値特定方法である。
【0014】
当該第1発明は、材料固有のキャビテーション衝撃力のしきい値特定方法の発明である。当該「しきい値」とは、材料に影響を与えるキャビテーション衝撃力の限界値を意味する。すなわち、「しきい値」以下のキャビテーション衝撃力は、材料の損傷に影響を与えず、「しきい値」以上のキャビテーション衝撃力が材料の損傷に影響を与えるものである。
【0015】
特許を受けようとする第2発明は、試験対象材料の試験片を設置した水を満たした水槽内に、ノズルを通してポンプにより加圧した高圧水を噴射することによりキャビテーション噴流を発生し、当該キャビテーション噴流を当該試験片に噴射することにより、当該キャビテーション噴流まわりのキャビテーション気泡を当該試験片表面で圧潰させ、当該試験片の表面形状や質量損失量を計測することにより壊食率(質量損失量の時間変化率)を計測するに際し、キャビテーション噴流の条件を変化させて、各条件ごとの壊食率を計測するとともに、当該試験片表面に高分子圧電フィルムセンサを貼り付けてキャビテーション噴流の条件を変化させて、各条件ごとのキャビテーション気泡の圧潰衝撃力を計測し、その出力波形の波高解析結果からキャビテーション衝撃エネルギーを計算し、前記各条件における壊食率とキャビテーション衝撃エネルギーとを比較して固有材料ごとに損傷を生じる「キャビテーション衝撃力のしきい値(つよさ)」を特定できるとともに「衝撃エネルギーと壊食率の関係」を得ておき、流体機器内に高分子圧電フィルムセンサを貼り付けてキャビテーション衝撃力を計測し、その計測したキャビテーション衝撃力から「キャビテーション衝撃エネルギー」を計算し、「当該キャビテーション衝撃エネルギー」と固有材料ごとに損傷を生じる「キャビテーション衝撃力のしきい値」と「衝撃エネルギーと壊食率の関係」とからキャビテーション気泡の崩壊衝撃力を定量的に予測するようにしたことを特徴とするキャビテーション噴流による壊食量の定量的予測法である。
【0016】
特許を受けようとする第3発明は、高分子圧電フィルムセンサがPVDFフイルムであることを特徴とする第2発明に記載するキャビテーション噴流による壊食量の定量的予測法である。
【0017】
特許を受けようとする第4発明は、試験対象材料の試験片を設置した水を満たした水槽内に、ノズルを通してポンプにより加圧した高圧水を噴射することによりキャビテーション噴流を発生し、当該キャビテーション噴流を当該試験片に噴射することにより、当該キャビテーション噴流まわりのキャビテーション気泡を当該試験片表面で圧潰させ、当該試験片の表面形状や質量損失量を計測することにより壊食率(質量損失量の時間変化率)を計測するキャビテーション噴流式試験装置と、PVDFフイルムを用いたキャビテーション衝撃力計測センサと、同センサの出力波形を解析する波高解析装置(キャビテーション・インパクト・カウンタ)と、波高解析結果からキャビテーション衝撃エネルギーを計算するソフトウェアと当該ソフトウェアをインストールしたコンピュータとを用意しておき、キャビテーション噴流式試験装置を用いて、キャビテーション噴流の条件を変化させながら、「各条件ごとの壊食率」を計測するとともに、当該試験片表面に高分子圧電フィルムを用いたキャビテーション衝撃力計測センサを貼り付けてキャビテーション噴流の条件を変化させながら、各条件ごとのキャビテーション気泡の圧潰衝撃力を計測し、その出力波形の波高解析結果をからキャビテーション衝撃エネルギーを計算するソフトウェアを用いて「キャビテーション衝撃エネルギー」を計算し、前記各条件における壊食率とキャビテーション衝撃エネルギーとを比較して固有材料ごとに損傷を生じる「キャビテーション衝撃力のしきい値(つよさ)」を特定するとともに「衝撃エネルギーと壊食率の関係」を得ておき、流体機器内に高分子圧電フィルムを用いたキャビテーション衝撃力計測センサを貼り付けてキャビテーション衝撃力を計測し、その出力波形の波高解析結果をからキャビテーション衝撃エネルギーを計算するソフトウェアを用いて「流体機器内のキャビテーション衝撃エネルギー」を計算し、「流体機器内のキャビテーション衝撃エネルギー」とその分布と、固有材料ごとに損傷を生じる「キャビテーション衝撃力のしきい値(つよさ)」と「衝撃エネルギーと壊食率の関係」とからキャビテーション気泡の崩壊衝撃力を定量的に予測するようにしたことを特徴とするキャビテーション噴流による壊食量の定量的予測装置である。
【0018】
第4発明に係るキャビテーション噴流による壊食量の定量的予測装置は、キャビテーション噴流式試験装置と、PVDFフイルムを用いたキャビテーション衝撃力計測センサと、同センサの出力波形を解析する波高解析装置(キャビテーション・インパクト・カウンタ)と、波高解析結果からキャビテーション衝撃エネルギーを計算するソフトウェアと当該ソフトウェアをインストールしたコンピュータとを組み合わせて構成されたものである。
【0019】
【実施例】
以下、本発明を図示実施例に基づいて詳細に説明する。
【0020】
本発明に係るキャビテーション噴流による壊食量の定量的予測装置は、ASTM規格のキャビテーション噴流式材料試験装置10と、PVDFフィルムを用いたキャビテーション衝撃力計測センサ3と、同センサの出力波形を波高分析回路7を用いて解析する波高解析装置(キャビテーション・インパクト・カウンタ)と、波高解析結果からキャビテーション衛撃エネルギーを計算するソフトウェアから構成される。
【0021】
図1は、キャビテーション噴流式材料試験装置10の構成を示す構成図であり、図2は、キャビテーション噴流による壊食量の定量的予測装置の作用流れを示す概略説明図である。
【0022】
本実施例には、図1に示したキャビテーション噴流式壊食試験装置10を使用した。特に、壊食試験には、ASTM規格に準拠した試験部1を使用し、キャビテーション衝撃力の計測には、ASTM規格のノズル2を使用して試験部1には衝撃力センサ3を取り付けやすいように大型の試験部1を使用した。試料水は貯水槽4に貯留し、これをプランジャポンプ5で加圧し、ASTM規格の供試ノズル2(スロート部直径が0.4mm、スロート部長さが1.2mm)を通して試験部1内に設置した壊食試験片6やキャビテーション衝撃力計測センサ3に噴射した。ノズル上流側圧力P1および下流側圧力P2を制御することにより、キャビテーション噴流の加工能力を制御した。
【0023】
キャビテーション噴流の支配パラメータであるキャビテーション数σは、ノズル上流側圧力P1、下流側圧力P2および試料水の飽和蒸気圧Pvから、P1≫P2≫Pvなので、以下のように定義した。
【0024】
【式1】
【0025】
キャビテーション噴流は、△P=P1−P2=一定の条件ではσ=0.014近傍においてキャビテーションの壊食量△mが極大となるので、σ=0.014一定で、P1=15MPaとP1=20MPaとし、キャビテーション数の影響を調べるためにσ=0.025、P1=20MPaとした合計3条件で、壊食試験とキャビテーション衝撃力の計測を行った。スタンドオフ距離は、スタンドオフ距離を変えた壊食試験より壊食率が極大となるσ=0.014では19mm、σ=0.025では14mmとした。
【0026】
壊食試験の供試材料には、アルミニウムA1050、銅C1100、アクリル樹脂の3種類を使用した。
【0027】
キャビテーション衝撃力の計測には、図2に示すように発明者らが開発した衝撃力センサ(PVDF)3を使用し、鉛筆芯破断法を用いて校正した。衝撃力センサ3からの信号は、アナログ式の波高分析回路7により解析した。衝撃力センサ3からの衝撃力パルスは種々の大きさを持つので、これにしきい値を設定して、しきい値以上のパルスを一定時間カウンタ8で計数した。しきい値を変えて計測を繰り返すことにより、しきい値から決定されるパルスの振幅と発生頻度の関係、すなわち波高分布9を得た。得られた波高分布9から以下のようにして、衝撃エネルギーを算出した。個々のキャビテーション衝撃エネルギーEiは、音響エネルギーIiと、衝撃力の作用時間τiと、作用面積Aiから式(2)のように表される。
【0028】
【式2】
【0029】
音響エネルギーIは、パルスの衝撃圧P、音速c、密度P?から次ぎの式で計算できる。
【0030】
【式3】
【0031】
音響エネルギIは、上記式3と表され、衝撃力Fiは、パルスの衝撃圧Piと作用面積Aiの積で表されるので、パルスの衝撃圧Piは
【0032】
【式4】
【0033】
となり、式(2)に式(3)、(4)を代入すると、衝撃エネルギは
【0034】
【式5】
【0035】
となる。ここで、Pi、iは未知数であるが、PiがFiに比例し、τiは一定であると仮定すると、
【0036】
【式6】
【0037】
となる。したがって個々の衝撃力の大きさFiから、式(6)によりキャビテーションの衝撃エネルギーを求めた。
【0038】
壊食試験の実験結果は次ぎの通りである。
【0039】
図3は、壊食試験結果の一例として、σ=0.014、P1=20MPaの場合の3種類の供試材料について質量欠損△mの経時変化を示すグラフである。周知のように、壊食の過程が潜伏期、加速期、定常期、減衰期と経過するのに伴い、質量損失量の時間変化率(壊食率)が変化し、ある時点において壊食率が最大となる。ASTMでは、この最大壊食率を、そのキャビテーション条件における材料の耐キャビテーション性を示す壊食率としているので、本発明でもそれを採用した。表1には、各条件における3種類の材料の最大壊食率を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
図4は、壊食試験を行ったキャビテーション噴流の条件で計測したキャビテーション衝撃力分布から求めたしきい値と衝撃エネルギの関係を示すグラフである。
【0042】
図5は、Cuについて最大壊食率と衝撃力エネルギの関係をしきい値を変えて示すグラフである。しきい値が80Nの場合は、最大壊食率と衝撃エネルギの関係がほぼ1本の直線で表されるが、しきい値が80Nより大きくても、小さくても、ばらつきが大きくなる。
【0043】
図6は、しきい値とばらつきの関係を3種類の材料について示すグラフである。しきい値がCuでは80N、Alでは79N、アクリルでは94Nにおいてばらつきが最も小さくなる。すなわち最大壊食率と衝撃エネルギが比例する関係には材料固有のしきい値が存在する。
【0044】
図7は、このしきい値を用いて表した最大壊食率と衝撃エネルギーの関係を示すグラフである。
【0045】
つまり、壊食量の予測は、次ぎのようにして行う。
(1)ASTM規格のキャビテーション噴流式材料試験装置10により、材料の耐キャビテーション牲として壊食率を計測する。その際、キャビテーション噴流の条件を2条件以上変化さえて、各条件ごとの壊食率を計測する。
【0046】
(2)壊食試験と同様のキャビテーション噴流の条件で、PVDFフィルムを用いたキャビテーション衝撃力計測センサ3と、同センサ3の出力波形を解析する波高解析装置(キャビテーション・インパクト・カウンタ)により、波高解析結果からキャビテーション衝撃エネルギーを計算する。
【0047】
(3)各条件において、壊食率と衝撃エネルギーを比較して「衛撃エネルギーと壊食率の関係」を求め、材料ごとの「しきい値」を求める。
【0048】
(4)キャビテーション壊食を予測したい流体機械の衝撃エネルギーを計測する。
【0049】
(5)材料の「しきい値」と「衛撃エネルギーと壊食率の関係」から壊食量を予測する。
【0050】
尚、キャビテーション噴流まわりに発生するキャビテーション気泡の崩壊衛筆力による金属材料表面を強化するキャビテーション・ピーニングにおいても、材料に効果的なキャビテーション衝撃力が存在する。すなわち、効率よくピーニングするためには「しきい値」以上のキャビテーション衝撃力を噴射する必要がある。したがってそのようなキャビテーション噴流条件を見出すことも重要である。
【0051】
【発明の効果】
本発明は、以上のように材料の耐キャビテーション牲(壊食率)を明確に把握でき、流体機械のキャビテーション壊食率を定量的に予測できる。したがって、キャビテーション・ピーニングに最適なキャビテーション噴流の条件を把握できる。
【0052】
本方法によって材料ごとに「しきい値」を求めることができ、「しきい値」が既知の複数の材料を用いて、衝撃エネルギー分布(衝撃力の強さと発生頻度の関係)が未知のキャビテーション噴流について、壊食試験を行うことにより衝撃エネルギーの分布を求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を構成するキャビテーション噴流式材料試験装置を示す構成図である。
【図2】本発明を構成するキャビテーション噴流による壊食量の定量的予測装置の作用流れを示す概略説明図である。
【図3】壊食試験結果の一例として、σ=0.014、P1=20MPaの場合の3種類の供試材料について質量欠損△mの経時変化を示すグラフである。
【図4】壊食試験を行ったキャビテーション噴流の条件で計測したキャビテーション衝撃力分布から求めたしきい値と衝撃エネルギの関係を示すグラフである。
【図5】Cuについて最大壊食率と衝撃力エネルギーの関係をしきい値を変えて示すグラフである。
【図6】しきい値とばらつきの関係を3種類の材料について示すグラフである。
【図7】しきい値を用いて表した最大壊食率と衝撃エネルギーの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1:試験部
2:ノズル
3:衝撃力センサ
4:貯水槽
5:プランジャポンプ
6:試験片
7:波高分析回路
8:カウンタ
9:波高分布
10:キャビテーション噴流式壊食試験装置
Claims (4)
- 試験対象材料の試験片を設置した水を満たした水槽内に、ノズルを通してポンプにより加圧した高圧水を噴射することによりキャビテーション噴流を発生し、当該キャビテーション噴流を当該試験片に噴射することにより、当該キャビテーション噴流まわりのキャビテーション気泡を当該試験片表面で圧潰させ、当該試験片の表面形状や質量損失量を計測することにより試験開始時点と各試験時点との間における質量損失量で表される壊食率を計測するに際し、キャビテーション噴流の条件を変化させて、各条件ごとの前記壊食率を計測するとともに、当該試験片表面に高分子圧電フィルムを用いたキャビテーション衝撃力計測センサを貼り付けてキャビテーション噴流の条件を変化させて、各条件ごとのキャビテーション気泡の圧潰衝撃力を計測し、その出力波形の波高解析結果からキャビテーション衝撃エネルギーを計算し、前記各条件における前記壊食率とキャビテーション衝撃エネルギーとを比較することで、材料ごとに、前記壊食率が最大となる最大壊食率とキャビテーション衝撃エネルギーとが比例する関係で損傷を生じるキャビテーション衝撃力のしきい値を特定するようにしたことを特徴とする材料固有のキャビテーション衝撃力のしきい値特定方法。
- 試験対象材料の試験片を設置した水を満たした水槽内に、ノズルを通してポンプにより加圧した高圧水を噴射することによりキャビテーション噴流を発生し、当該キャビテーション噴流を当該試験片に噴射することにより、当該キャビテーション噴流まわりのキャビテーション気泡を当該試験片表面で圧潰させ、当該試験片の表面形状や質量損失量を計測することにより試験開始時点と各試験時点との間における質量損失量で表される壊食率を計測するに際し、キャビテーション噴流の条件を変化させて、各条件ごとの前記壊食率を計測するとともに、当該試験片表面に高分子圧電フィルムセンサを貼り付けてキャビテーション噴流の条件を変化させて、各条件ごとのキャビテーション気泡の圧潰衝撃力を計測し、その出力波形の波高解析結果からキャビテーション衝撃エネルギーを計算し、前記各条件における前記壊食率とキャビテーション衝撃エネルギーとを比較することで、固有材料ごとに、前記壊食率が最大となる最大壊食率とキャビテーション衝撃エネルギーとが比例する関係で損傷を生じるキャビテーション衝撃力のしきい値を特定できるとともに、衝撃エネルギーと前記壊食率の関係を得ておき、流体機器内に高分子圧電フィルムセンサを貼り付けてキャビテーション衝撃力を計測し、その計測したキャビテーション衝撃力からキャビテーション衝撃エネルギーを計算し、当該キャビテーション衝撃エネルギーと固有材料ごとに損傷を生じるキャビテーション衝撃力のしきい値と衝撃エネルギーと前記壊食率の関係とからキャビテーション気泡の崩壊衝撃力を定量的に予測するようにしたことを特徴とするキャビテーション噴流による壊食量の定量的予測法。
- 高分子圧電フィルムセンサがPVDFフイルムであることを特徴とする請求項2に記載するキャビテーション噴流による壊食量の定量的予測法。
- 試験対象材料の試験片を設置した水を満たした水槽内に、ノズルを通してポンプにより加圧した高圧水を噴射することによりキャビテーション噴流を発生し、当該キャビテーション噴流を当該試験片に噴射することにより、当該キャビテーション噴流まわりのキャビテーション気泡を当該試験片表面で圧潰させ、当該試験片の表面形状や質量損失量を計測することにより試験開始時点と各試験時点との間における質量損失量で表される壊食率を計測するキャビテーション噴流式試験装置と、PVDFフイルムを用いたキャビテーション衝撃力計測センサと、同センサの出力波形を解析する波高解析装置であるキャビテーション・インパクト・カウンタと、波高解析結果からキャビテーション衝撃エネルギーを計算するソフトウェアと当該ソフトウェアをインストールしたコンピュータとを用意しておき、キャビテーション噴流式試験装置を用いて、キャビテーション噴流の条件を変化させながら、各条件ごとの前記壊食率を計測するとともに、当該試験片表面に高分子圧電フィルムを用いたキャビテーション衝撃力計測センサを貼り付けてキャビテーション噴流の条件を変化させながら、各条件ごとのキャビテーション気泡の圧潰衝撃力を計測し、その出力波形の波高解析結果をからキャビテーション衝撃エネルギーを計算するソフトウェアを用いてキャビテーション衝撃エネルギーを計算し、前記各条件における前記壊食率とキャビテーション衝撃エネルギーとを比較することで、固有材料ごとに、前記壊食率が最大となる最大壊食率とキャビテーション衝撃エネルギーとが比例する関係で損傷を生じるキャビテーション衝撃力のしきい値を特定するとともに衝撃エネルギーと前記壊食率の関係を得ておき、流体機器内に高分子圧電フィルムを用いたキャビテーション衝撃力計測センサを貼り付けてキャビテーション衝撃力を計測し、その出力波形の波高解析結果をからキャビテーション衝撃エネルギーを計算するソフトウェアを用いて流体機器内のキャビテーション衝撃エネルギーを計算し、流体機器内のキャビテーション衝撃エネルギーとその分布と、固有材料ごとに損傷を生じるキャビテーション衝撃力のしきい値と衝撃エネルギーと前記壊食率の関係とからキャビテーション気泡の崩壊衝撃力を定量的に予測するようにしたことを特徴とするキャビテーション噴流による壊食量の定量的予測装置。
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