JP5156481B2 - 水力発電所における水車部品の摩耗診断方法及び摩耗診断システム - Google Patents

水力発電所における水車部品の摩耗診断方法及び摩耗診断システム Download PDF

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Description

本発明は、水力発電所の水車部品に対する土砂摩耗診断方法及びその土砂摩耗診断システムに関するものである。
一般に、水力発電所における水車部品等は、運転時の河川水中に含まれる土砂により摩耗する。このため、土砂濃度の高い状態で、水力発電所の運転が続く場合には、水車部品等の点検周期が短くなることがある。つまり、水力発電所の運転を予定より早く停止して水車部品等の点検に入ることがある。また、水力発電所の運転中であっても、豪雨等により河川水中の土砂濃度が高くなった場合、水車部品等の土砂摩耗を抑制するために、一時的に水車の運転を停止することがある。
従来、水車部品等の土砂摩耗の抑制に関する技術として、発電所入口に河川水中の土砂を測定する装置を配置し、発電の停止及び再開を判断する運転管理方法(例えば特許文献1参照。)や、気象情報から土砂流入量を予測し運転管理する方法などが開示されている(例えば特許文献2参照。)。
特開2003−213659号公報 特開2005−336937号公報
しかし、これらの技術は、土砂による水車部品等の摩耗を低減するものであって、水車部品等の土砂摩耗を診断するものではない。従来、土砂摩耗の診断は、水車部品等の摩耗量を直接計測するものであって、その摩耗量が一定の閾値に至ったか否かで補修の要否を判断していた。土砂摩耗により水車部品等の形状が変化すると、水車の運転効率が低下する。このため、水車部品等の摩耗量が一定の閾値に至った場合には、当該摩耗箇所を例えば溶接などで補修するものであった。
このような水車部品等の補修期間を延伸するために、例えば、水車部品等の耐摩耗性の向上を目的として様々な表面コーティング技術等が検討されてきたが、いずれも点検時に行う対処手段であった。このため、この点検時に水車部品等の摩耗箇所が溶接補修されたとしても、次回点検時における当該摩耗箇所の推定摩耗量や、水車部品等の余寿命等について、予測することはできなかった。
本発明は上述の事項に基づいてなされたもので、その目的は、水力発電所の水車部品等の土砂による摩耗量と摩耗形状を予測することができる摩耗診断方法及び摩耗診断システムを提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、河川水に含まれる土砂により、水力発電所の水車部品に発生する摩耗量を診断する水力発電所における水車部品の摩耗診断方法において、前記水車部品の解析格子を作成する手順と、前記手順で得られた前記水車部品の解析格子と、前記水力発電所における土砂の濃度/粒径、流速を含む河川水データとを取り込み、固液二相流解析を行う乱流解析プログラムにより土砂流が前記水車部品に衝突する流れを演算する手順と、前記手順で得られた土砂流が前記水車部品に衝突する流れから、摩耗評価プログラムにより、土砂の衝突角度、衝突速度、固相濃度の値を算出し、前記水車部品における単位時間当たりの摩耗量(摩耗速度)を演算する手順とを実行するものとする。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記水車部品における単位時間当たりの摩耗量(摩耗速度)と、前記水力発電所の運転時間とに基づいて、前記水車部品の摩耗量を演算する手順とを更に備えたものとする。
(3)上記(2)において、好ましくは、前記水車部品の摩耗量と、前記水車部品の解析格子の情報とに基づいて、前記水力発電所の運転時間経過後の前記水車部品の摩耗形状を演算する手順を更に備えたものとする。
(4)上記(3)において、好ましくは、前記水力発電所の運転時間経過後の前記水車部品の摩耗形状の情報と、その時点より後の、前記水力発電所における土砂の濃度/粒径、流速を含む河川水データの情報に基づき、前記水車部品における単位時間当たりの摩耗量(摩耗速度)を繰り返し算出し、前記水力発電所の運転時間情報から摩耗量を繰り返し算出し、前記摩耗速度及び前記摩耗量によって、前記水力発電所の運転時間経過時点での前記水車部品の摩耗形状を順次演算する手順を更に備えたものとする。
(5)上記(4)において、好ましくは、前記水力発電所の運転時間と前記水車部品の摩耗量との関数関係に基づいて、前記水力発電所の運転時間経過時点以降の前記水車部品の摩耗量特性を演算する手順を更に備えたものとする。
(6)上記目的を達成するために、本発明は、河川水に含まれる土砂により、水力発電所の水車部品に発生する摩耗量を診断する水力発電所における水車部品の摩耗診断システムにおいて、前記水力発電所における土砂の濃度/粒径、流速を含む河川水データを管理蓄積するサーバと、該サーバと通信手段を介して接続され、前記水車部品の解析格子を作成する手段と、前記手段で得られた前記水車部品の解析格子と、前記水力発電所における土砂の濃度/粒径、流速を含む河川水データとを取り込み、固液二相流解析を行う乱流解析プログラムにより土砂流が前記水車部品に衝突する流れを演算する手段と、前記手段で得られた土砂流が前記水車部品に衝突する流れから、摩耗評価プログラムにより、土砂の衝突角度、衝突速度、固相濃度の値を算出し、前記水車部品における単位時間当たりの摩耗量(摩耗速度)を演算する手段と、前記水車部品における単位時間当たりの摩耗量(摩耗速度)と、前記水力発電所の運転時間とに基づいて、前記水車部品の摩耗量を演算する手段と、前記水車部品の摩耗量と、前記水車部品の解析格子の情報とに基づいて、前記水力発電所の運転時間経過後の前記水車部品の摩耗形状を演算する手段と、前記水力発電所の運転時間と前記水車部品の摩耗量との関数関係に基づいて、前記水力発電所の運転時間経過時点以降の前記水車部品の摩耗量特性を演算する手段とを有する演算機と、を備えたものとする。
本発明によれば、水力発電所の水車部品の土砂による摩耗量と摩耗した形状を予測できる。さらに、運転時間と摩耗量の関係式を算出することで、今後の摩耗量を予測でき、水車部品の土砂摩耗に対する余寿命診断を行うことができる。その結果、修理・交換が必要となる摩耗限界量までの運転時間の予測が可能となる。さらに、河川水の土砂濃度と粒子径と摩耗速度の関係から、河川水の土砂濃度と粒子径の情報を用いて、修理・交換が必要となる摩耗限界量に達する運転時間までの運転計画を立てることが可能となる。
以下に、本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法及び摩耗診断システムの実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断システムの一実施の形態を示す概念図である。この図1において、河川水を堰き止めたダム9には、水力発電所8に河川水を導入するための取水口7が設けられている。取水口7には、水力発電所8に流入する河川水の土砂濃度、粒子径を測定する河川水分析装置1が少なくとも1箇所以上設置されている。
河川水分析装置1で測定した土砂情報は、通信手段2を介して河川水の土砂濃度、粒子径を管理及び蓄積するサーバ3に送信される。ここで、河川水分析装置1は、少なくとも河川の土砂濃度、粒子径を測定または予測する機能を有するものであれば良く、直接測定する方式あるいは気象情報から河川に流れ込む土砂の粒子径と濃度を予測する方式のいずれであっても構わない。また、河川水分析装置1で測定される河川の土砂濃度、粒子径の情報は、常時観測されたデータであっても、一定時間間隔の観測データであっても良い。
また、水力発電所8の水車部品に流入する河川水の時間ごとの流量、水車の落差、水車の回転速度、及び水車の運転時間等は、水車の運転状況の情報として、水力発電所8から通信手段6を介してサーバ3に送信される。なお、河川水分析装置1及び水力発電所8からサーバ3への通信手段2,6は、それぞれ有線方式であっても無線方式であっても良い。
サーバ3は上述した土砂情報や水車の運転状況の情報を受信し、内部のデータベースに逐次格納する。また、サーバ3は通信手段4を介して演算機5と接続されている。このため、演算機5からアクセスがあると、上述したデータベースから必要な情報を読み出して、演算機5へ送信する。
演算機5は、少なくともキーボードやマウスで代表される入力装置51、サーバ3から通信手段4を介して送信される河川の土砂濃度、粒子径および水車の運転状況の情報を受信し、各種演算を行う演算装置50、算出した水車部品の摩耗形状等を表示するための表示装置52及びそれらの結果やプログラムを格納するための記憶装置53を備えるものである。
図2は、本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法及び摩耗診断システムの一実施の形態を示す機能ブロック図である。図2において、図1に示す符号と同符号のものは同一部分である。
演算機5の演算装置50は、摩耗量を評価し余寿命診断したい水車部品の形状をCADソフトにより定義する形状定義部500と、該水車部品周りにおける水の流れを解析するために必要な領域の解析格子を格子作成プログラムにより作成する演算部501と、サーバ3に収集された河川水の土砂濃度、粒子径の情報、および流量等の情報を解析条件として、固液二相流解析を実施して、土砂粒子が水車部品に衝突する流れを乱流解析プログラムにより算出する演算部502と、固液二相流解析から算出された土砂粒子が水車部品に衝突する流れから、衝突角度、衝突流速、単位時間あたり衝突数を摩耗評価プログラムにより算出し、単位時間あたりの摩耗量を計算する演算部503と、単位時間あたりの摩耗量と、サーバ3に収集された水車の運転時間の情報を乗じることで、運転時間経過後の摩耗量を摩耗量計算プログラムにより算出する演算部504と、はじめに定義した摩耗量を評価し余寿命診断したい水車部品の形状から、運転時間経過後の摩耗量を表面垂直方向に差し引くことで、運転時間経過後の摩耗した水車部品の形状をCADソフトにより算出する形状定義部505と、サーバ3に収集された水車の運転時間の情報と摩耗量の関係を摩耗量計算プログラムにより関数化する演算部506とにより構成されている。
また、サーバ3のデータベースには、上述したように、河川水の土砂濃度/粒子径の情報、水力発電所8の水車部品に流入する河川水の流量の情報、水車の落差、水車の回転速度、及び水車の運転時間等の情報が水力発電所データとして格納されている。
図3は、本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法及び摩耗診断システムの一実施の形態で用いる水車部品の形状と解析格子と算出された土砂の流れとを示す説明図である。図3(a)は、水車部品80の初期形状と解析格子と土砂の流れを示し、図3(b)は、水車部品80の摩耗による変形形状と解析格子と土砂の流れを示している。図3において、水車部品80は、例えば縦軸のフランシス型水車に設けられたガイドベーンを構成する1枚の羽根であって、この羽根を水平断面で切断して上方視した状態が示されている。また、水車部品80のまわりの流水部(水や土砂が流れる領域)に流れを解析するための格子が示され、矢印10は、算出された土砂の流れを示している。
図4は、本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法及び摩耗診断システムの一実施の形態で用いる水車部品の壁面と衝突する土砂の流れを示す説明図である。図4において、土砂の流れ10は、水車部品80の壁面81に衝突角度β、衝突流速Vpで衝突する様子を示している。
次に、上述した本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断システムによる摩耗診断方法の一実施の形態の動作を図1乃至図4を用いて説明する。
まず、図2に示すように、評価部位の形状定義工程(ステップ1)が、演算装置50内のCADソフトを備えた形状定義部500で行われる。具体的には、初期の水車部品80の羽根面の形状、対象である羽根の周りの壁面形状、解析上必要となる境界面形状(入口境界、出口境界、周囲境界など)を例えばCADソフトを使用して形状データを生成し、そのデータを記憶装置53に格納する。図3(a)に示す初期の水車部品80の羽根面の形状等から形状データが生成される。
次に、解析格子作成工程(ステップ2)が、演算装置50内の格子作成プログラムを備えた演算部501で行われる。具体的には、上述の記憶装置53に格納された形状データを読み出して、水車部品80の羽根面の初期形状データから流水部(水や土砂が流れる領域)に解析格子を作成する。さらに水車部品80の羽根の壁面付近にあっては、精度良く解析するために、細かい格子を生成する。ここで、水や土砂が流れる領域とは、水車部品80の羽根面を含み、流れこむ土砂を含む河川水が正しく、水車部品80の羽根面を通過するために必要または十分な解析領域をいう。例えば、水車部品80の羽根面を通過する入口の代表直径をD1、出口の代表直径をD2とすると、部品の入口側にD1の5倍、出口側にD2の5倍の長さの領域を加えた解析領域である。生成された解析格子のデータは、記憶装置53に格納される。図3(a)に示す初期の水車部品80の羽根の壁面付近の解析格子は、他の部分の解析格子より細かく生成されている。
次に、固液二相流解析実施工程(ステップ3)が、演算装置50内の乱流解析プログラムを備えた演算部502で行われる。具体的には、水力発電所データである河川水の土砂濃度/粒子径の情報、河川水の流量の情報、水車の落差や回転速度などの情報をサーバ3から通信手段4により取り込み、入口境界条件や初期条件に変換し、土砂粒子(固相)が初期の水車部品80の羽根の壁面へ衝突する流れ(固相の流れ)を算出するものである。算出されたデータは、記憶装置53に格納される。
次に、土砂摩耗速度工程(ステップ4)が、演算装置50内の摩耗評価プログラムを備えた演算部503で行われる。具体的には、まず、ステップ3で算出された土砂粒子が初期の水車部品80の羽根の壁面へ衝突する流れのデータを記憶装置53から読み出し、衝突角度、衝突流速、固相濃度を算出する。図4において、土砂の流れを示す矢印10は、その長さを衝突流速Vpとして表している。また、衝突流速Vpは、解析格子の壁面第一層にある固相流速(土砂の流速)を用いている。衝突角度βは、直接算出できないので、解析格子の壁面第一層の固相流れ方向のベクトルと壁面の法線方向のベクトルとにより、角度αを算出し、90°−α=βを用いて算出している。さらに、固相濃度Cpは、壁面第一層の解析格子における固相の体積分率を算出して用いている。次に、算出したこれらの値から、単位時間あたりの摩耗量(摩耗速度)を算出する。具体的には、以下の(数1)〜(数3)に示した演算式で計算する。
Figure 0005156481
Figure 0005156481
Figure 0005156481
上記(数1)において、Erは単位土砂粒子濃度あたりの摩耗速度、すなわち、ある土砂粒子数における単位時間あたりの摩耗速度である摩耗率を表す。Aは水車部品80の材料による係数、Vpは土砂粒子の流速(上記衝突流速)、f(β)は土砂粒子の水車部品80の壁面への衝突角度βに関する衝突角度係数を表す。上記(数2)は、水車部品80の壁面が炭素鋼壁面の場合のf(β)を示し、衝突角度βが約38°の時には最大値をとり、衝突角度βが0°未満(羽根面から剥離する流れ)の時にはf(β)=0となる。
次に、上記(数3)において、上記(数1)で算出した摩耗率Erに単位時間あたりの衝突数、すなわち土砂粒子濃度(固相濃度Cp)を乗ずることで単位時間あたりの摩耗量、すなわち摩耗速度Eiを算出することができる。算出された各データは、記憶装置53に格納される。
次に、摩耗量計算工程(ステップ5)が、演算装置50内の摩耗量計算プログラムを備えた演算部504で行われる。具体的には、まず、ステップ4で算出された単位時間あたりの摩耗量、すなわち摩耗速度Eiのデータを記憶装置53から読み出すと共に、水力発電所データである水車の運転時間の情報をサーバ3から通信手段4により取り込み、この二つのデータを乗算することで、運転時間経過後の水車部品80の摩耗量を算出する。算出されたデータは、記憶装置53に格納される。
次に、摩耗形状予測工程(ステップ6)が、演算装置50内のCADソフトを備えた形状定義部505で行われる。具体的には、まず、ステップ5で算出された運転時間経過後の水車部品80の摩耗量のデータを記憶装置53から読み出し、水車部品80の初期形状に対して、摩耗量を表面垂直方向に差し引いた形状を算出することで、変形後の水車部品80の形状を定義する。図3(b)に摩耗により変形した水車部品80の羽根面が示されている。算出されたデータは、記憶装置53に格納される。
さらに、上記摩耗形状予測工程(ステップ6)で算出された変形後の水車部品80の形状を基にして、上記評価部位の形状定義工程(ステップ1)、解析格子作成工程(ステップ2)等の一連のループが繰り返される。具体的には、河川水の土砂濃度/粒子径が変化した場合、水力発電所の水車部品80に流入する河川水の時間毎の流量が変化した場合、その他水車運転の運転状況が変化した場合等には、運転時間経過後の摩耗した水車部品80の形状を再度定義し、解析するために必要な領域の解析格子を作成し、上述した解析及び摩耗診断を繰り返す。この繰り返しの回数が多いほど、より精度の高い水車部品80の摩耗量及び摩耗形状が予測できる。
一方、運転時間と摩耗量の関係導出工程(ステップ7)が、演算装置50内の摩耗量計算プログラムを備えた演算部506で行われる。具体的には、まず、上記摩耗量計算工程(ステップ5)によって、算出された水車部品80の摩耗量とその経過運転時間をデータベースとして記憶装置53に格納する。したがって、上述した解析及び摩耗診断の繰り返し毎に、経過運転時間と摩耗量のデータを蓄積格納することになる。次に、この蓄積格納されたデータを記憶装置53から読み出し、水車の経過運転時間と、水車部品80における予測した摩耗量の積算値の関係式である近似関数曲線を算出する。
図5は、本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法及び摩耗診断システムの一実施の形態に用いる水車部品の余寿命診断を説明する説明図である。上述した運転時間と摩耗量の関係導出工程(ステップ7)の近似関数曲線の算出を説明するものであって、図5において、横軸は水車の経過運転時間tを示し、縦軸は水車部品80における予測した摩耗量の積算値Eを示す。各運転時間の摩耗量の積算値をプロットし、近似関数曲線E=F(t)が求められている。当該水車部品80における摩耗限界量がEmaxの場合、当該水車部品80の摩耗限界量に到達する運転時間tmは、近似関数曲線E=F(t)とEmaxの交点から算出できる。
本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法及び摩耗診断システムの一実施の形態によれば、河川水の土砂濃度と粒子径、および水車の運転条件を基に、摩耗量を実際に直接計測することなく、診断したい部品の摩耗量を予測することが可能である。また、予測により得られた摩耗した部品の形状を基に、一連の解析を繰り返すことにより正確な摩耗量が予測できる。
さらに、運転時間と摩耗量の関係式を算出することで、今後の摩耗量を予測でき、水車部品の土砂摩耗に対する余寿命診断を行うことができる。このことから、修理・交換が必要となる摩耗限界量までの運転時間の予測が可能となる。さらに、河川水の土砂濃度と粒子径と摩耗速度の関係から、河川水の土砂濃度と粒子径の情報を用いて、修理・交換が必要となる摩耗限界量に達する運転時間までの運転計画を立てることが可能となる。
なお、本発明においては、水車部品80を水車に設けられたガイドベーンを構成する1枚の羽根において説明したが、これに限らない。水力発電所を構成する機器であって、流入する河川水の土砂によって摩耗が発生するものであればよい。
本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断システムの一実施の形態を示す概念図である。 本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法及び摩耗診断システムの一実施の形態を示す機能ブロック図である。 本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法及び摩耗診断システムの一実施の形態で用いる水車部品の形状と解析格子と算出された土砂の流れとを示す説明図である。 本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法及び摩耗診断システムの一実施の形態で用いる水車部品の壁面と衝突する土砂の流れを示す説明図である。 本発明の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法及び摩耗診断システムの一実施の形態に用いる水車部品の余寿命診断を説明する説明図である。
1 河川水分析装置
2 通信手段
3 サーバ
4 通信手段
5 演算機
8 水力発電所
80 水車部品
9 ダム

Claims (6)

  1. 河川水に含まれる土砂により、水力発電所の水車部品に発生する摩耗量を診断する水力
    発電所における水車部品の摩耗診断方法において、
    前記水車部品の解析格子を作成する手順と、
    前記手順で得られた前記水車部品の解析格子と、前記水力発電所における土砂の濃度/粒径、流速を含む河川水データとを取り込み、固液二相流解析を行う乱流解析プログラムにより土砂流が前記水車部品に衝突する流れを演算する手順と、
    前記手順で得られた土砂流が前記水車部品に衝突する流れから、摩耗評価プログラムにより、土砂の衝突角度、衝突速度、固相濃度の値を算出し、前記水車部品における単位時間当たりの摩耗量(摩耗速度)を演算する手順とを実行する
    ことを特徴とする水力発電所における水車部品の摩耗診断方法。
  2. 請求項1記載の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法において、
    前記水車部品における単位時間当たりの摩耗量(摩耗速度)と、前記水力発電所の運転時間とに基づいて、前記水車部品の摩耗量を演算する手順とを更に備えた
    ことを特徴とする水力発電所における水車部品の摩耗診断方法。
  3. 請求項2記載の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法において、
    前記水車部品の摩耗量と、前記水車部品の解析格子の情報とに基づいて、前記水力発電所の運転時間経過後の前記水車部品の摩耗形状を演算する手順を更に備えた
    ことを特徴とする水力発電所における水車部品の摩耗診断方法。
  4. 請求項3記載の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法において、
    前記水力発電所の運転時間経過後の前記水車部品の摩耗形状の情報と、その時点より後の、前記水力発電所における土砂の濃度/粒径、流速を含む河川水データの情報に基づき、前記水車部品における単位時間当たりの摩耗量(摩耗速度)を繰り返し算出し、前記水力発電所の運転時間情報から摩耗量を繰り返し算出し、前記摩耗速度及び前記摩耗量によって、前記水力発電所の運転時間経過時点での前記水車部品の摩耗形状を順次演算する手順を更に備えた
    ことを特徴とする水力発電所における水車部品の摩耗診断方法。
  5. 請求項4記載の水力発電所における水車部品の摩耗診断方法において、
    前記水力発電所の運転時間と前記水車部品の摩耗量との関数関係に基づいて、前記水力発電所の運転時間経過時点以降の前記水車部品の摩耗量特性を演算する手順を更に備えた
    ことを特徴とする水力発電所における水車部品の摩耗診断方法。
  6. 河川水に含まれる土砂により、水力発電所の水車部品に発生する摩耗量を診断する水力発電所における水車部品の摩耗診断システムにおいて、
    前記水力発電所における土砂の濃度/粒径、流速を含む河川水データを管理蓄積するサーバと、
    該サーバと通信手段を介して接続され、
    前記水車部品の解析格子を作成する手段と、
    前記手段で得られた前記水車部品の解析格子と、前記水力発電所における土砂の濃度/粒径、流速を含む河川水データとを取り込み、固液二相流解析を行う乱流解析プログラムにより土砂流が前記水車部品に衝突する流れを演算する手段と、
    前記手段で得られた土砂流が前記水車部品に衝突する流れから、摩耗評価プログラムにより、土砂の衝突角度、衝突速度、固相濃度の値を算出し、前記水車部品における単位時間当たりの摩耗量(摩耗速度)を演算する手段と、
    前記水車部品における単位時間当たりの摩耗量(摩耗速度)と、前記水力発電所の運転時間とに基づいて、前記水車部品の摩耗量を演算する手段と、
    前記水車部品の摩耗量と、前記水車部品の解析格子の情報とに基づいて、前記水力発電所の運転時間経過後の前記水車部品の摩耗形状を演算する手段と、
    前記水力発電所の運転時間と前記水車部品の摩耗量との関数関係に基づいて、前記水力発電所の運転時間経過時点以降の前記水車部品の摩耗量特性を演算する手段とを有する演算機と、
    を備えたことを特徴とする水力発電所における水車部品の摩耗診断システム。
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