JP4812037B2 - エレベーター乗りかごの速度検出装置およびエレベーターの安全装置 - Google Patents

エレベーター乗りかごの速度検出装置およびエレベーターの安全装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4812037B2
JP4812037B2 JP2007190998A JP2007190998A JP4812037B2 JP 4812037 B2 JP4812037 B2 JP 4812037B2 JP 2007190998 A JP2007190998 A JP 2007190998A JP 2007190998 A JP2007190998 A JP 2007190998A JP 4812037 B2 JP4812037 B2 JP 4812037B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speed
acceleration
car
time
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007190998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009023823A (ja
Inventor
秀樹 井上
岸川  孝生
朗 大貫
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2007190998A priority Critical patent/JP4812037B2/ja
Priority to CN2008100040465A priority patent/CN101353126B/zh
Publication of JP2009023823A publication Critical patent/JP2009023823A/ja
Priority to HK09103749.9A priority patent/HK1124302A1/xx
Application granted granted Critical
Publication of JP4812037B2 publication Critical patent/JP4812037B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、移動体の速度検出方法及び装置に係り、特にエレベーターの乗りかごの速度の検出とその安全を図る安全装置用の速度検出方法及び装置に関する。
従来複数種類のセンサを用い、エレベーターの安全装置を構成する例として、特許文献1などが挙げられる。特許文献1では、速度センサおよび加速度センサによる検出値に関し、それぞれ別個に閾値処理を行うことで、過速の判定を行っていた。
国際公開WO2004/083091
昇降路の終端階付近で、乗りかごの定格速度を中間階より小さくする装置として、終端階減速装置がある。終端階減速装置の適用により、不慮の緩衝器への突入に際しても、前もって十分な減速が行われているとみなせるため、緩衝器長やピット深さの短縮を実現できる。終端階付近で、よりきめ細かい制限速度が設定できれば、より短い緩衝器長と、より浅いピットを実現できるため、コスト的に有利となる。
また、昨今、乗りかごの速度の検出を、機械室ではなく乗りかごに設置したセンサで行う方式の検討が進められている。
乗りかごでの速度検出は、ロープの介在無しに行えるため、直接的な値を取得できる他、ロープ切れに際しても速度の検出が可能となる。更に、速度検出器について、可動部を排除した非接触方式とすることで、更なる信頼性の向上が見込める。
一方、制限速度の小さい終端階付近において、中間階と同程度の精度で速度を検出するには、応答の速い速度検出手段を用いる必要がある。位置の微分から速度に変換する速度検出方式では、例えば、リニアエンコーダに必要とされる位置分解能が高くなってしまう。
一例として、終端階付近の制限速度10[m/min]の箇所を想定する。同箇所において、制限速度丁度で運行中、不意にかごが自由落下を開始したと仮定する。
この時、速度検出のサンプリングの時間間隔を10[ms]とすると、1回の速度サンプリング間で、最大で制限速度の50%を越える非常止め動作域までかごが加速する。これは、安全装置向けの速度検出の分解能として不十分である。
そこで、非常止め動作域前に、少なくとも複数回の速度サンプリング値を取得し、非常止めではない通常のブレーキによる減速を行うためには、速度検出のサンプリング間隔を1[ms]程度まで短縮する必要がある。1[ms]サンプリングであれば、1サンプリングあたり速度の増加は、5%前後であるため、複数回の速度サンプリング値による合理性の判定も可能となる。
次に、制限速度10[m/min]から自由落下を開始する設定条件下で、かご外に設置した所定分解能のリニアエンコーダの検出パルス1つ分を、かごが通過する時間を考える。
かごから非接触で読むリニアエンコーダの分解能として、現実的な値と思われる分解能10[mm]の場合、自由落下開始後のかごの通過には30[ms]を要する。
したがって、制限速度が小さい終端階付近での速度検知において、かごからかご外のリニアなコード(符号)を読む速度検出の適用に際しては、リニアエンコーダの位置分解能を非常に高く(細分距離を短く)するか、もしくは応答遅れの対策が必要となる。
これは、ロープの断線などに関係なく、乗りかごの速度を検出し、その安全を目指す終端階減速装置において、終端階付近での制限速度をより小さく設定する場合に、是非解決すべき課題となる。
本発明の目的は、移動体の低速域における速度を、所定の精度と所定の応答時間で検出できる移動体の速度検出方法または装置を提供することである。
本発明の他の目的は、エレベーターの昇降路端への不慮の衝突の場合でも、十分に減速させ、小さな緩衝器で済む終端階減速装置を、乗りかごの移動速度を直接的に検出することによって実現することである。
本発明はその一面において、走行路を移動する移動体において、移動体と走行路との間の相対移動により位置検出信号を生成し、前記位置検出信号に基き前記移動体の速度を演算する第1の速度演算と、前記移動体の加速度を検出し、この加速度に基き前記移動体の速度を演算する第2の速度演算と、前記第1,第2の速度演算で得られた速度信号を合成することを特徴とする。
本発明は他の一面において、加速度を積分して得られた速度信号を、前記位置検出信号をトリガとして差分化し、前記第1の速度演算に基く速度信号と、差分化された速度信号とを加算することを特徴とする。
本発明の望ましいエレベーターにおける実施態様においては、乗りかごの位置信号を得るリニアエンコーダと、かごの加速度を検出する加速度センサと、リニアエンコーダからの位置信号から速度に変換する手段と、加速度センサからの測定値を速度に変換する手段と、リニアエンコーダから得られた速度値と、加速度センサから得られた速度値とを合成した速度合成値を演算する手段と、上記速度合成値に対し、位置その他の条件を加味し閾値判定を行う手段と、判定結果を制御装置へ出力する手段を備える。
本発明の望ましい実施態様によれば、移動体の低速域における速度を、所定の精度と所定の応答時間で検出できる移動体の速度検出方法または装置を提供することができる。
本発明の他の望ましい実施態様によれば、エレベーターの昇降路端への衝突を防ぐ安全装置としての終端階減速装置を、乗りかごの移動速度を直接的に検出することによって実現することができる。
リニアエンコーダなど限られた分解能をもつ位置特定手段の出力に基いて演算される速度値は、所定の精度が確保されている一方で、低い速度域での応答時間が長い。
一方、加速度センサは、かごの速度に依存せず、常に一定の応答時間内に検知出力を期待できる。その反面、積分処理による速度値への変換では誤差が累積する。速度への変換を前提にした場合、両者の特性は、精度および応答時間の面で相補的である。よって、両者の測定値を、所定の構成に従い速度の次元で合成すれば、応答時間と精度の双方の改善が期待できる。
閾値処理は、合成後の速度値に対し一括で行う形式とすることで、閾値テーブルをかご位置に対する制限速度値の2次元データで構成が可能となる。
特許文献1のように、速度センサと加速度センサ出力に個別に閾値処理すると、かご位置対制限速度の2次元テーブルに加え、かご位置と現在速度に対しそれぞれ制限加速度を定義した3次元の閾値テーブルが必要となるため、構成が複雑化する。
本発明のその他の目的と特徴は、以下に述べる実施形態の中で明らかにする。
図1は、本発明の一実施例による速度検出装置を適用したエレベーター装置の概略構成図である。
乗りかご101とつり合い錘102はメインロープ103で相互に接続され、メインロープ103は巻き上げ機104に巻き掛けられている。巻き上げ機104が、制御装置105の指令により、メインロープ103を駆動する。これにより、乗りかご101(以降単に“かご”と表記する場合がある)及びつり合い錘102が昇降路内を移動する。かごには、かご側安全装置106が搭載され、かご側安全装置106には、速度センサ107、加速度センサ108、絶対位置センサ109が接続されている。
かご側安全装置106が、センサからの入力データを基に判定した過速の有無を含む安全制御情報は、信号ライン110を通して制御装置105へ送信される。制御装置105は、安全制御情報に基き、ブレーキ111や非常止め装置112の動作指令を出力する。状況に応じ、かご側安全装置106が直接、非常止め装置112やブレーキ111の動作指令を出力してもよい。非常止め装置112は、良く知られているように、ガイドレール113に対して、かご101の落下を止めるように構成されている。
図2は、本発明の第1の実施例における制御機能ブロック図である。本制御機能は、図1におけるかご側安全装置106が備えているものとする。本実施例では、速度センサ201として、リニアエンコーダ202と、時間微分器203の組み合わせを用いている。リニアエンコーダ202からの出力CP1は、時間微分器203により速度CP2に変換される。
一方、加速度センサ204からの加速度CP3は、時間積分器205を経由し、速度CP4に変換される。ここで、加速度センサ204の応答は、少なくとも終端階減速装置が動作するかご速度(低速)において、リニアエンコーダ202の応答時間より、早い(短い)ものとする。リニアエンコーダ202に基く速度値CP2と、加速度センサ204に基く速度値CP4は、加算器206により合成されCP5となり、閾値判定器207で閾値処理される。閾値判定器207においては、絶対位置センサ208からの絶対位置情報に基き、現在の位置における制限速度を閾値として設定する。その判定値CP6は、図1に示す制御装置105や、非常止め装置112へ送信される。変数リセット器209は、時間積分器205内の変数の調整を行う。代表的な変数の調整は、積分累積値のリセットであり、リセット信号CP7で時間積分器205の積分値をリセットする。上記調整のトリガとしては、まず、リニアエンコーダ202が最小単位目盛を読み込み、その時点の位置が確定したときである。次に、タイマ210による所定時間の経過信号CP8の発生時が挙げられる。さらには、加速度センサ204の出力CP3が長期間小さい値を継続したときである。ここでは、これらの少なくとも1つが該当した場合に、積分値をリセットするものとする。なお、リニアエンコーダ202は、乗りかご101と昇降路のレール113の、少なくとも相対位置の変化を計測できるものとする。
図3は、図2における2つの速度信号CP2とCP4を合成した合成速度信号CP5の時間変化の一例図である。合成速度信号CP5の値は、速度であるため、同図の縦軸はかご速度v、横軸は時間tである。ここで、丸印で示される301は、リニアエンコーダ202の出力に基き決定した速度値CP2のプロット、+印で示される302は、加速度センサ204の出力に基く速度値CP4のプロットである。同図の如く、加速度センサ由来の速度値のプロット(+印)302は、所定の低速領域、少なくとも終端階減速装置が動作するかご速度領域において、リニアエンコーダに基くプロット(丸印)301よりも、時間分解能が高いものとする。
図4は、本発明の一実施例による過速判定時間を説明するための検出速度の一例の比較図である。
まず、図4(a)を用い、従来方式による過速検出の応答時間遅れが発生する例を説明する。同図において、401は過速検出の閾値、402はリニアエンコーダのみによる速度値CP2、403はかご速度の真値である。
かご速度が遅い領域では、リニアエンコーダの最小単位目盛を読む時間間隔Δt01,Δt02,…が広くなる。終端階減速装置が適用されている場合、このかご速度の遅い領域においても過速検出の閾値401が存在しうる。ここで、リニアエンコーダのみから速度を求める従来方式の場合、実際のかご速度403が閾値を越えた時刻txより、最大でリニアエンコーダの最小単位目盛を読む時間間隔分遅れた時点t1になって、ようやく過速を検出する。実際には、合理性判定の必要性から、最初の速度超過の検出ではなく、2度目以降の速度超過の検出を待って、過速の判定を行う。このため、実際に過速判定を出力できるのは、早くとも時点t2以降となる。この判定時間の遅れは、更なるかご速度の超過と、制動距離の余裕減の、二重の副作用をもつことは、容易に理解できる。
一方、図4(b)は、本発明による図2の実施例による過速判定時間の短縮例である。加速度センサからの測定値は、かご速度に依存せず常に一定の時間間隔Δtaで取得可能である。このため、本実施例による合成速度信号CP5での速度値は、404の如く、Δta程度の時間応答をもつ。したがって、最初の閾値超過を時点ta1で検出できることになり、従来方式によるt1より早い時点での検出が可能になる。加速度センサ値が十分に信頼できれば、ta2の時点で合理性判定を行うことが可能である。或いは、より慎重を期し、異なる方式の速度検出手段であるリニアエンコーダによる判定を行えるt1まで待って合理性判定を行っても良い。この場合でも、従来法による時点t2以降の判定より、十分に短い判定時間とすることができる。
リニアエンコーダと加速度センサの測定値を組み合わせ、図4(b)に示したような合成速度値404を得るために、本実施例では、図2における変数リセット器209が時間積分器205内の変数を適宜リセットする。これにより、加速度積分により得た速度値の差分化を行う。差分化を行うことで、リニアエンコーダ出力の微分による速度値と、加速度センサ積分値による速度値とに対し、加算器206による単純な加算を行うことで、正しい速度値CP5を得ることが出来る。加えて、加速度の積分により生じる誤差の累積を防止できる。
図5は、図2に示す本発明の一実施例における各部信号CP1〜CP7の時間変化の一例図である。リニアエンコーダ出力CP1は、代表として1相分のみを示し、その相の立上りと立下りの双方で、位置のカウントを行うものとした。
本発明では、他の実施例も含め、リニアエンコーダに限らず、適宜かごの直線運動を回転運動に変換する機構を介し、ロータリーエンコーダで読み込む形式も含むものとする。リニアエンコーダ202からの出力CP1を単純に微分し、速度値CP2としている。図示のごとく、速度の遅い箇所では、速度変化の時間分解能は低い。変数リセット器209からの出力CP7は、そのリセット要因として、リニアエンコーダ出力変化のエッジのみを用いている。積分器205の出力CP4は、加速度センサ出力CP3を、CP7のタイミングでリセット(積分値の0クリア)しつつ積分したものである。本CP4値を、CP2値に加算することで、CP5のような、時間応答性の速い速度値を得ることが出来る。
この結果、CP5が、閾値401を超えた時点で、閾値判定器207の出力判定値CP6の変化を得ることができ、速やかに、制御装置105や非常止め装置112へ通知し、非常ブレーキを作動させる。
図6は、終端階減速装置適用時の制限速度閾値の例を示す。これは、閾値判定器207に内蔵される。同図横軸は、昇降路内の基準位置からの高さhである。例えば、ピット床面や、下部ファイナルリミットスイッチなどを基準にしても良い。縦軸はかご速度vである。601は定格速度で、通常かごが走行する速度である。602は制限速度で、この速度を超過した場合、制動動作を行う必要がある。図示では、602は1本に省略しているが、通常、主索を経由して制動を行うブレーキのトリガとなる閾値と、非常止め動作のためのトリガとなる閾値の少なくとも2本が存在する。603および604は、終端階減速装置動作域である。図では、最上階付近と最下階付近の閾値のカーブが対称であるが、非対称の構成としても良い。閾値判定器207においては、絶対位置センサ109からの絶対位置情報に基き、現在の位置における制限速度を閾値として設定する。
図7は、タイマによるリセット信号生成の例を示す。かご速度が遅い場合、同図CP1の波形に示す通り、リニアエンコーダからの検出エッジ間の時間間隔が長くなる。このとき、図中のエンコーダ出力エッジのみのタイミングで、変数リセット器209が時間積分器205をリセットした場合、図中のCP4のタイマリセット無しの如く、加速度積分の誤差が累積する。エンコーダ検出パルスの間隔は、停止を含むかご速度の小さな領域で、広くなる。その結果、加速度積分の累積誤差が過速検出閾値401を越えるケースが発生する。そこで、変数リセット器209は、タイマ210からの情報も利用し、リセットを行う。CP8はタイマからの出力信号の例である。CP7は、エンコーダ検出パルスのエッジと、タイマ値により生成したリセット信号である。同リセット方式適用後の時間積分器205の出力CP4は、図7最下部に示すようになる。タイマ210の計時は、自身のタイムアウト時および、エンコーダ検出パルスのエッジの双方で再スタートする。具体的には、図7のCP8下のSで示すタイミングとなる。
図8は、タイマ値の設定例を示す。同図上から3−4段目は、加速度センサ108の背景ノイズが比較的小さいケース1、同様に、5−6段目は比較的大きなケース2をそれぞれ示す。同図一点鎖線は、前回の時間積分器205のリセットからの時刻t1と、リニアエンコーダ目盛間隔dより求められる速度値で、t1時にリニアエンコーダのパルスが入力された場合に対応するかご速度の想定値d/t1である。もし、加速度センサの誤差が無い場合、時間積分器205の出力が、d/t1曲線にクロスする時点で、次のリニアエンコーダパルスが発生する筈である。逆に、リニアエンコーダパルスの発生無しに、時間積分器出力が、d/t1曲線にクロスした場合は、加速度センサ入力値の誤差の累積によるものと推測される。尚、時間積分器205のリセットとともに、t1の始点も対応して移動する。タイマ値は、有意な加減速が無い状態での加速度センサからの背景ノイズを入力した場合に、時間積分器205の出力がd/t1曲線にクロスする平均時間とする。
尚、上記クロスする条件下での時間積分器205の出力が、過速検出閾値401より、はるかに小さい場合、更にd/t1曲線の数倍の余裕をとっても良い。同様に、上記クロスする条件下での時間積分器205の出力が、過速検出閾値401を上回る場合、過速検出閾値401を上回らない値にタイマ値を設定する。但し、加速度センサ出力が有意な加速度変化を検出していないことを条件とする。
次に、図9を用い、加速度変化によるリセット信号生成の例を示す。同図、中段よりやや上のケース1が、加速度変化によるリセットを用いない場合である。同図下段寄りのケース2が、加速度変化によるリセットを用いた場合である。ここで、中段の加速度センサ入力値CP3に、A点において、背景ノイズ901を有意に超える変化を生じたとする。従来法によるリセット方式では、B点(タイマによる)、およびC点(リニアエンコーダパルスエッジ検出による)でリセットがかかるため、時間積分器205の出力CP4は、過速検出閾値401よりも小さい値のままで推移してしまう。
一方、加速度変化によるリセットを用いる場合、加々速度(CP3の変化率)に示すように、加速度の変化率を閾値902に基いて閾値処理し、閾値902を超えた場合に、CP7のD点の如く、リセットを出力する。一方、タイマによるリセット出力は、CP8のF点の如く抑圧される。加えて、タイマは、E点において、再スタートする。これら一連の手順によるリセット動作の変更で、時間積分器205の出力CP4が、H点で過速検出閾値401を超過するため、従来法より早い段階で、過速の兆候を検出することができる。また、H点での時間積分器205の出力CP4は、真の加速開始時からの積分値のため、従来法より正確な速度値を提示することができる。
尚、上記加速度の変化率の処理、加速度変化率の閾値処理、タイマ再スタート処理は、変数リセット器209にて行う。
上記実施例では、加速度変化率を閾値処理し、新たなリセット信号を生成したが、加速度値CP3が、通常の加速度センサ背景ノイズ901を上回ったことをトリガとして、同様の処理を行っても良い。これにより、ランプ状の加速度変化時にも対応可能となる。
また、加速度の変化率の閾値超過か、加速度値の背景ノイズ超過かのいずれかにおいて、時間積分器205の変数リセットは行わず、タイマの再スタート処理のみを行う。あるいは、タイマ値を一時的に増加させるか、タイマ出力を一時的に無視する方式としても、類似の効果を得られる。
図10は、加速度寄与率を可変とする実施例を示す。本実施例では、ゲイン調整器211を用い、加速度の積分値である時間積分器205の出力を調整する。ゲイン調整は、絶対位置センサ208の情報を基に行う。
図11は、図10の実施例の作用説明図である。例えば、図11(a)において、Aの箇所においては、ゲイン調整器211のゲインを通常より下げることで、同図(b)におけるC点のような加速度センサに基く外乱を、同図(c)の如く軽減することができる。これは、図11(a)のAの箇所は、昇降路の上下方向に空間的余裕が大きいため、過速検出までの時間が長い場合でも制動の余裕があることによる。更に、同箇所においては、定格速度が大きい領域のため、リニアエンコーダ検出パルスの時間間隔が短く、リニアエンコーダのみを利用し応答時間の短い過速検出を行えることによる。この性質を利用し、ゲイン調整器211のゲインの指令に、速度を利用しても良い。
また、ゲイン調整器211のゲインの指令に加速度センサの情報そのものを利用しても良い。加速度センサ204の検出軸のうち、過速検出に用いるかご運行方向(通常上下方向)の検出軸2041以外の軸2042の情報を利用する。その軸の加速度の変動が大きい場合、かご内で暴れや重量物の積み込みを行っていると判断し、ゲイン調整器211のゲインを調節するものである。複数の検出軸が1つのパッケージ内に封入されている加速度センサも多いため、本方式の追加によるコスト増も小さく抑えることが可能である。また、過速検出に用いる上下方向の加速度そのものを利用し、ゲインを調整しても良い。これは、背景ノイズが多い場合など、正しい加速度積分が実行できないと判定した場合に、誤動作を防止するために、加速度センサ情報の寄与率を低下させるものである。かご加速終了時や共振など、加速度ノイズが大きくなる条件が予め既知の場合、その条件成立時のみ、検出時間増などの副作用が許容できる範囲で、ゲインを調整しても良い。この動作は、誤差履歴管理手段212が行う。地震やその他の要因による振動情報など、かご過速検出に利用できる情報がある場合、外部情報入力手段213により、情報を取得し、ゲイン調整器211や、時間積分器205への入力とする。尚、ゲイン調整機能は、時間積分器205に内蔵しても良い。ゲイン調整器は、時間積分器205の前に設置しても良い。ゲインの調整ではなく、加速度センサ108,時間積分器205,加算器206への加速度センサに基く側の入力の少なくともいずれか1つを休止する方式としても良い。
また、図10においては、ゲイン調整器211への指令として、絶対位置情報や速度情報など、複数の指令入力を同時に示したが、少なくとも何れかの1つ以上を利用する方式としても良い。
図12は、誤差のフィードバックによる時間積分器205の定数補正を行う実施例である。
図13は、図12の実施例の作用説明図である。図13(a)には、定数補正前の速度値CP5を示している。Aのケースでは、定数が過大、Bでは逆に過小と思われる。ここで、定数補正手段214を用い、加速度の積分による速度値と、リニアエンコーダに基く速度値との差を評価し、時間積分器205内の定数を補正する。補正後の速度値CP5を図13(b)に示す。誤差の補正には、リニアエンコーダの微分値以外に、絶対位置センサの位置の微分値を用いても良い。
本発明の一実施例による速度検出装置を適用したエレベーター装置の概略構成図。 本発明の第1の実施例における制御機能ブロック図。 図2における2つの速度信号CP2とCP4を合成した合成速度信号CP5の時間変化の一例図。 本発明の一実施例による過速判定時間を説明するための検出速度の一例比較図。 図2に示す本発明の一実施例における各部信号CP1〜CP7の時間変化の一例図。 終端階減速装置適用時の制限速度閾値の例。 タイマによるリセット信号生成の例。 タイマ値設定例。 加速度変化によるリセット信号生成の例。 加速度寄与率を可変とする実施例。 図10の実施例の作用説明図。 誤差フィードバックによる時間積分器の定数補正を行う実施例。 図12の実施例の作用説明図。
符号の説明
101…乗りかご、102…つりあい錘、103…メインロープ、104…巻き上げ機、105…制御装置、106…かご側安全装置、107,201…速度センサ、108,204…加速度センサ、109,208…絶対位置センサ、110信号ライン、111…ブレーキ、112…非常止め装置、113…ガイドレール、202…リニアエンコーダ、203…時間微分器、205…時間積分器、206…加算器、207…閾値判定器、209…変数リセット器、210…タイマ、211…ゲイン調整器、212…誤差履歴管理手段、213…外部情報入力手段、214…定数補正手段、301…リニアエンコーダに基く速度値プロット、302…加速度センサに基く速度値プロット、401…過速検出閾値、601…定格速度、602…制限速度、603,604…終端階減速装置動作域。

Claims (5)

  1. 昇降路内を昇降移動する乗りかごを備えるエレベーター装置において、
    前記乗りかごと昇降路との間の相対移動により位置検出信号を生成するエンコーダと、
    前記位置検出信号に基き前記乗りかごの速度を演算する第1の速度演算手段と、
    前記乗りかごの運行方向の検出軸における加速度および前記運行方向以外の検出軸における加速度を検出する加速度センサと、
    前記運行方向の検出軸における加速度を積分し速度を演算するとともに、前記運行方向の検出軸以外の検出軸における加速度の変動に応じて、前記加速度を積分するゲインを調整する機能を持つ第2の速度演算手段と、
    前記第2の速度演算手段から得られた速度を、前記エンコーダからの位置検出信号の最小単位をトリガとしてリセットすることにより差分化する差分化手段と、
    前記第1の速度演算手段からの速度と、前記差分化された速度とを加算する加算手段とを備えたことを特徴とするエレベーター乗りかごの速度検出装置。
  2. 請求項1におけるエレベーター乗りかごの速度検出装置から得られた速度値が所定値を超えたことに応じて、前記乗りかごの昇降を、前記昇降路内のレールに対して制動するブレーキ装置を作動させる非常ブレーキ手段を備えたことを特徴とするエレベーターの安全装置。
  3. 請求項において、前記エンコーダと、前記第1の速度演算手段と、前記加速度センサと、前記第2の速度演算手段と、前記差分化手段と、前記加算手段、および前記非常ブレーキ手段を、前記乗りかごに搭載したことを特徴とするエレベーターの安全装置。
  4. 請求項2または3において、前記第2の速度演算手段は、前記加速度を積分する積分手段と、計時手段により所定時間を計時する毎に前記積分手段の出力をリセットすることにより差分化する差分化手段を備えたことを特徴とするエレベーターの安全装置。
  5. 請求項2〜4のいずれかにおいて、加速度の時間変化率が閾値を越えたことに応じて、加速度を積分する積分手段の出力をリセットすることにより差分化する差分化手段を備えたことを特徴とするエレベーターの安全装置。
JP2007190998A 2007-07-23 2007-07-23 エレベーター乗りかごの速度検出装置およびエレベーターの安全装置 Expired - Fee Related JP4812037B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007190998A JP4812037B2 (ja) 2007-07-23 2007-07-23 エレベーター乗りかごの速度検出装置およびエレベーターの安全装置
CN2008100040465A CN101353126B (zh) 2007-07-23 2008-01-16 移动体的速度检测方法以及装置
HK09103749.9A HK1124302A1 (en) 2007-07-23 2009-04-23 Method and device for detecting the speed of moving objects

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007190998A JP4812037B2 (ja) 2007-07-23 2007-07-23 エレベーター乗りかごの速度検出装置およびエレベーターの安全装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009023823A JP2009023823A (ja) 2009-02-05
JP4812037B2 true JP4812037B2 (ja) 2011-11-09

Family

ID=40306190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007190998A Expired - Fee Related JP4812037B2 (ja) 2007-07-23 2007-07-23 エレベーター乗りかごの速度検出装置およびエレベーターの安全装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP4812037B2 (ja)
CN (1) CN101353126B (ja)
HK (1) HK1124302A1 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2408701B1 (en) 2009-03-16 2018-05-30 Otis Elevator Company Elevator over-acceleration and over-speed protection system
US8827044B2 (en) 2009-03-16 2014-09-09 Otis Elevator Company Over-acceleration and over-speed detection and processing system
CN102408050B (zh) * 2010-09-25 2015-05-06 倪建军 一种抗冲击载荷的施工升降机超载保护装置
WO2012090264A1 (ja) * 2010-12-27 2012-07-05 三菱電機株式会社 エレベーターの終端階強制減速装置
DE102011076241A1 (de) * 2011-03-07 2012-09-13 Dekra Industrial Gmbh Verfahren und Vorrichtung zur Prüfung der ordnungsgemäßen Funktionsfähigkeit eines Aufzugs
JP5529075B2 (ja) * 2011-05-25 2014-06-25 株式会社日立製作所 エレベータ
JP5829869B2 (ja) * 2011-09-08 2015-12-09 東芝エレベータ株式会社 エレベータの非常停止装置
CN102344063A (zh) * 2011-09-29 2012-02-08 日立电梯(中国)有限公司 电梯轿厢绝对位置的检测系统
JP2015508367A (ja) * 2012-01-25 2015-03-19 インベンテイオ・アクテイエンゲゼルシヤフトInventio Aktiengesellschaft エレベータケージの移動動作を監視する方法および制御装置
DE102012106018A1 (de) * 2012-07-05 2014-01-09 Rg Mechatronics Gmbh Verfahren und Vorrichtung zum frühzeitigen Auslösen einer Aufzugsbremse
JP5932577B2 (ja) * 2012-09-06 2016-06-08 株式会社日立製作所 エレベータの安全システム
EP2909122B1 (de) * 2012-10-18 2018-05-23 Inventio AG Sicherheitseinrichtung einer aufzugsanlage
WO2014067814A1 (de) * 2012-10-30 2014-05-08 Inventio Ag Bewegungs-überwachungssystem einer aufzugsanlage
US20150251877A1 (en) * 2012-12-17 2015-09-10 Mitsubishi Electric Corporation Elevator apparatus
JP6220613B2 (ja) * 2013-09-19 2017-10-25 株式会社日立製作所 エレベータの制御システム
JP5963335B1 (ja) * 2015-06-29 2016-08-03 東芝エレベータ株式会社 エレベータ用速度検出装置およびエレベータ
CN105712142B (zh) * 2016-03-22 2018-01-12 上海点络信息技术有限公司 一种电梯运行状态的检测系统及检测方法
US10694998B2 (en) * 2016-09-30 2020-06-30 Asia Air Survey Co., Ltd. Moving body information detection terminal
CN108639892B (zh) * 2018-07-25 2020-07-10 厦门乃尔电子有限公司 一种电梯轿厢速度检测系统及方法
CN111547036A (zh) * 2019-01-24 2020-08-18 罗伯特·博世有限公司 用于车辆的电子驻车制动系统、控制装置及控制方法
CN111747252A (zh) * 2019-03-26 2020-10-09 福州特设云服信息技术有限公司 一种电梯制动距离的检测方法
CN110127483A (zh) * 2019-05-28 2019-08-16 苏州台菱电梯有限公司 一种电梯故障救援系统
CN111563229B (zh) * 2020-05-13 2022-03-22 浙江大学 基于高斯混合模型的直梯超速自动复位故障诊断方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS57141370A (en) * 1981-02-25 1982-09-01 Hitachi Ltd Generator for speed command of elevator
JPS6277802A (ja) * 1985-09-30 1987-04-10 Toshiba Corp 車両用速度検知装置
JP2000221207A (ja) * 1999-01-29 2000-08-11 Hitachi Ltd 走行速度検出装置
WO2004083090A1 (ja) * 2003-03-18 2004-09-30 Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha エレベータの非常止め装置

Also Published As

Publication number Publication date
HK1124302A1 (en) 2009-07-10
CN101353126B (zh) 2011-08-03
CN101353126A (zh) 2009-01-28
JP2009023823A (ja) 2009-02-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4812037B2 (ja) エレベーター乗りかごの速度検出装置およびエレベーターの安全装置
JP6317077B2 (ja) エレベーターの安全システム
KR100969047B1 (ko) 엘리베이터 장치
EP1431229B1 (en) Elevator device
EP2835334B1 (en) Method for controlling an elevator and elevator
AU2008277684B2 (en) Elevator system with an elevator car, a braking device for stopping an elevator car in a special operating mode and a method for stopping an elevator car in a special operating mode
JP6397129B2 (ja) エレベータの制御装置およびガバナロープ伸縮量推定方法
US10266371B2 (en) Elevator control apparatus
JP2009215057A (ja) エレベータの強制減速制御システム
JP2009221009A (ja) エレベータの制御装置
JP2019099324A (ja) エレベーター用制御装置
JP4566587B2 (ja) エレベータの制御装置
JP5079351B2 (ja) エレベータ装置
JP7140634B2 (ja) エレベーターの制御システム
JP6611882B2 (ja) エレベータの制御装置およびガバナロープ伸縮量推定方法
JP6754715B2 (ja) エレベーターのカウンターウェイトクリアランス診断装置
JP6307406B2 (ja) エレベータ装置
JP7121139B2 (ja) エレベーター制御装置
JP6272199B2 (ja) エレベータ装置およびエレベータ装置の電子安全システムの点検方法
KR20070069127A (ko) 엘리베이터 장치
JP2005126185A (ja) エレベータの着床制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090310

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090907

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090915

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100901

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110405

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110705

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20110712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110817

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110819

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4812037

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140902

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees