JP4811104B2 - 軸受構造及びその軸受構造を用いた揺動回転電機 - Google Patents

軸受構造及びその軸受構造を用いた揺動回転電機 Download PDF

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Description

本発明は、±180度以下の回転角度の揺動を連続して行う軸を支承する軸受構造及びその軸受構造を用いた揺動回転電機に関する。
一般的に、回転電機の軸受構造は、すべり軸受や転がり軸受が多く、軸受構造における潤滑は、周速や稼働頻度が高いものは強制給油、低いものはグリスを用いている。又、図1に示すように、軸の回転角度が±180度以下の揺動を連続して行う揺動回転電機(以下、揺動モータと呼ぶ。)においても、同様の軸受構造を用いている。
特開2000−18243号公報 特開平11−153133号公報 特開平10−242199号公報 特開平5−231424号公報 特開平11−132228号公報 特開昭58−13222号公報
揺動モータでは、同じ位置(角度)での揺動動作が多く、その軸受構造は、部分的に力を受けることになる。
例えば、図2(a)に示すすべり軸受の場合、軸の揺動角度が所定範囲に制限されるため、軸を支承する軸受部の所定範囲の部分、特に、軸受部の内面下方側に、軸にかかる荷重が働くことになる。
又、図2(b)に示す転がり軸受の場合でも、軸の揺動角度が所定範囲に制限されるため、軸を支承する軸受部(内輪、玉、外輪)の所定範囲の部分、特に、軸受部の下方側の内輪、玉、外輪に、軸にかかる荷重が働くことになる。
従って、揺動モータでは、すべり軸受の場合も転がり軸受の場合も、以下のような要因により、軸受部の寿命が短く、頻繁なメンテナンスが必要となるという問題があった。
(1)特定の位置で常に力を受けるため、部分的に疲労破壊、摩耗が進行し、その結果、振動や騒音が増加してしまう。
(2)グリス潤滑の場合、グリスが撹拌されないため、短時間で油膜が切れてしまい、その結果、フレッティングや焼き付きを起こしてしまう。
なお、強制給油を行う場合は、力の働く部分に油を集中的に給油することにより、軸受部の寿命を延ばすことが可能である。しかしながら、給油装置の設置、排油の回収等、揺動モータの構造が複雑になり、コストが高くなると共に、油漏れのリスクも高くなるという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたもので、給油装置等や頻繁なメンテナンスを必要とすることなく、寿命の長い軸受構造及びその軸受構造を用いた揺動回転電機を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第の発明に係る軸受構造は、
外周面に第1内輪外周軌道を有する第1内輪と、内周面に第1外輪内周軌道を有する第1外輪と、前記第1内輪外周軌道と前記第1外輪内周軌道の間に介挿された複数の第1玉と、前記第1内輪の外周面と前記第1外輪の内周面との間に挿設され、前記第1玉を転動可能に保有する複数の第1保有空間を有する第1保持部材とを備えた第1転がり軸受と、
内周面に前記第1外輪を直接的又は間接的に保持し、外周面に第2内輪外周軌道を有する第2内輪と、内周面に第2外輪内周軌道を有する第2外輪と、前記第2内輪外周軌道と前記第2外輪内周軌道の間に介挿された複数の第2玉と、前記第2内輪の外周面と前記第2外輪の内周面との間に挿設され、前記第2玉を転動可能に保有する複数の第2保有空間を有する第2保持部材とを備えた第2転がり軸受とからなる軸受構造であって、
前記第1保有空間は、前記第1玉が該軸受の一方の周方向に転動するとき、前記第1内輪外周軌道と前記第1外輪内周軌道の適正な第1位置へ前記第1玉を配置させて、前記第1転がり軸受の回転を許容する第1許容部と、前記第1玉が前記一方の周方向と逆の周方向に転動するとき、前記第1位置から前記第1玉を離間させて、前記第1転がり軸受の回転を制止する第1制止部とからなり、
前記第2保有空間は、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第2内輪外周軌道と前記第2外輪内周軌道の適正な第2位置へ前記第2玉を配置させて、前記第2転がり軸受の回転を許容する第2許容部と、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2位置から前記第2玉を離間させて、前記第2転がり軸受の回転を制止する第2制止部とからなり、
更に、
前記第1許容部は、該軸受の周方向に垂直な第1垂直面と、前記第1垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第1位置における前記第1玉の中心から前記第1玉の半径距離の位置に配置された第1平行面とからなり、前記第1玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1垂直面及び前記第1平行面に接することにより、前記第1位置へ前記第1玉を配置させるものであり、
前記第1制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第1玉の直径より小さい幅を有し、前記第1垂直面に対向して前記逆の周方向側に配置された第1小垂直面と、前記第1平行面と前記第1小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第1傾斜面とからなり、前記第1玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1小垂直面及び前記第1傾斜面に接することにより、前記第1位置から前記第1玉を離間させるものであり、
前記第2許容部は、該軸受の周方向に垂直な第2垂直面と、前記第2垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第2位置における前記第2玉の中心から前記第2玉の半径距離の位置に配置された第2平行面とからなり、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2垂直面及び前記第2平行面に接することにより、前記第2位置へ前記第2玉を配置させるものであり、
前記第2制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第2玉の直径より小さい幅を有し、前記第2垂直面に対向して前記一方の周方向側に配置された第2小垂直面と、前記第2平行面と前記第2小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第2傾斜面とからなり、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2小垂直面及び前記第2傾斜面に接することにより、前記第2位置から前記第2玉を離間させるものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る軸受構造は、
上記第の発明に記載の軸受構造において、
前記第1保有空間は、隣り合う前記第1保有空間同士における前記第1平行面、前記第1傾斜面及び第1小垂直面が、前記第1内輪の外周面と前記第1外輪の内周面との中心線に対して、互いに逆の位置となるように形成されたものであり、
前記第2保有空間は、隣り合う前記第2保有空間同士における前記第2平行面、前記第2傾斜面及び第2小垂直面が、前記第2内輪の外周面と前記第2外輪の内周面との中心線に対して、互いに逆の位置となるように形成されたものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る軸受構造は、
外周面に第1内輪外周軌道を有する第1内輪と、内周面に第外輪内周軌道を有する第1外輪と、前記第1内輪外周軌道と前記第1外輪内周軌道の間に介挿された複数の第1玉と、前記第1内輪の外周面と前記第1外輪の内周面との間に挿設され、前記第1玉を転動可能に保有する複数の第1保有空間を有する第1保持部材と、前記第1内輪の外周面と前記第1外輪の内周面との間にグリスを封入する第1封入部材とを備えた第1転がり軸受と、
内周面に前記第1外輪を直接的又は間接的に保持し、外周面に第2内輪外周軌道を有する第2内輪と、内周面に第2外輪内周軌道を有する第2外輪と、前記第2内輪外周軌道と前記第2外輪内周軌道の間に介挿された複数の第2玉と、前記第2内輪の外周面と前記第2外輪の内周面との間に挿設され、前記第2玉を転動可能に保有する複数の第2保有空間を有する第2保持部材と、前記第2内輪の外周面と前記第2外輪の内周面との間にグリスを封入する第2封入部材とを備えた第2転がり軸受とからなる軸受構造であって、
前記第1保持部材は、前記第1保有空間の反対側の面に突設され、該軸受の直径方向と平行な第1被係止面を有する第1被係止突起部を有し、
前記第1封入部材は、該第1封入部材の前記第1被係止突起部側の面に突設され、前記第1被係止面に対向した第1係止面を有する第1係止突起部を有し、
前記第1保有空間は、前記第1玉が該軸受けの一方の周方向に転動するとき、前記第1内輪外周軌道と前記第1外輪内周軌道の適正な第1位置へ前記第1玉を配置させて、前記第1転がり軸受の回転を許容する第1許容部と、前記第1玉が前記一方の周方向と逆の周方向に転動するとき、前記第1位置から前記第1玉を離間させると共に、前記第1玉により前記第1保持部材を前記第1封入部材側へ移動させ、前記第1被係止突起部を第1係止突起部に係止させて、前記第1転がり軸受の回転を制止する第1制止部とからなり、
前記第2保持部材は、前記第2保有空間の反対側の面に突設され、該軸受の直径方向と平行な第2被係止面を有する第2被係止突起部を有し、
前記第2封入部材は、該第2封入部材の前記第2被係止突起部側の面に突設され、前記第2被係止面に対向した第2係止面を有する第2係止突起部を有し、
前記第2保有空間は、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第2内輪外周軌道と前記第2外輪内周軌道の適正な第2位置へ前記第2玉を配置させて、前記第2転がり軸受の回転を許容する第2許容部と、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2位置から前記第2玉を離間させると共に、前記第2玉により前記第2保持部材を前記第2封入部材側へ移動させ、前記第2被係止突起部を第2係止突起部に係止させて、前記第2転がり軸受の回転を制止する第2制止部とからなることを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る軸受構造は、
上記第の発明に記載の軸受構造において、
前記第1許容部は、該軸受の周方向に垂直な第1垂直面と、前記第1垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第1位置における前記第1玉の中心から前記第1玉の半径距離の位置に配置された第1平行面とからなり、前記第1玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1垂直面及び前記第1平行面に接することにより、前記第1位置へ前記第1玉を配置させるものであり、
前記第1制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第2玉の直径より小さい幅を有し、前記第1垂直面に対向して前記逆の周方向側に配置された第1小垂直面と、前記第1平行面と前記第1小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第1傾斜面とからなり、前記第1玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1小垂直面及び前記第1傾斜面に接することにより、前記第1位置から前記第1玉を離間させると共に、前記第1玉により前記第1保持部材を押圧し、前記第1保持部材と共に前記第1被係止突起部を前記第1封入部材側へ移動させるものであり、
前記第2許容部は、該軸受の周方向に垂直な第2垂直面と、前記第2垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第2位置における前記第2玉の中心から前記第2玉の半径距離の位置に配置された第2平行面とからなり、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2垂直面及び前記第2平行面に接することにより、前記第2位置へ前記第2玉を配置させるものであり、
前記第2制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第2玉の直径より小さい幅を有し、前記第2垂直面に対向して前記一方の周方向側に配置された第2小垂直面と、前記第2平行面と前記第2小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第2傾斜面とからなり、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2小垂直面及び前記第2傾斜面に接することにより、前記第2位置から前記第2玉を離間させると共に、前記第2玉により前記第2保持部材を押圧し、前記第2保持部材と共に前記第2被係止突起部を前記第2封入部材側へ移動させるものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る軸受構造は、
外周面に内輪外周軌道を有する内輪と、内周面に中輪内周軌道を有し、外周面に中輪外周軌道を有する中輪と、内周面に外輪内周軌道を有する外輪と、前記内輪外周軌道と前記中輪内周軌道の間に介挿された複数の第1玉と、前記中輪外周軌道と前記外輪内周軌道の間に介挿された複数の第2玉と、前記内輪の外周面と前記中輪の内周面との間に挿設され、前記第1玉を転動可能に保有する複数の第1保有空間を有する第1保持部材と、前記中輪の外周面と前記外輪の内周面との間に挿設され、前記第2玉を転動可能に保有する複数の第2保有空間を有する第2保持部材とを備えた転がり軸受であり、
前記第1保有空間は、前記第1玉が該軸受の一方の周方向に転動するとき、前記内輪外周軌道と前記中輪内周軌道の適正な第1位置へ前記第1玉を配置させて、前記第1転がり軸受の回転を許容する第1許容部と、前記第1玉が前記一方の周方向と逆の周方向に転動するとき、前記第1位置から前記第1玉を離間させて、前記第1転がり軸受の回転を制止する第1制止部とからなり、
前記第2保有空間は、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記中輪外周軌道と前記外輪内周軌道の適正な第2位置へ前記第2玉を配置させて、前記第2転がり軸受の回転を許容する第2許容部と、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2位置から前記第2玉を離間させて、前記第2転がり軸受の回転を制止する第2制止部とからなり、
更に、
前記第1許容部は、該軸受の周方向に垂直な第1垂直面と、前記第1垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第1位置における前記第1玉の中心から前記第1玉の半径距離の位置に配置された第1平行面とからなり、前記第1玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1垂直面及び前記第1平行面に接することにより、前記第1位置へ前記第1玉を配置させるものであり、
前記第1制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第1玉の直径より小さい幅を有し、前記第1垂直面に対向して前記逆の周方向側に配置された第1小垂直面と、前記第1平行面と前記第1小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第1傾斜面とからなり、前記第1玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1小垂直面及び前記第1傾斜面に接することにより、前記第1位置から前記第1玉を離間させるものであり、
前記第2許容部は、該軸受の周方向に垂直な第2垂直面と、前記第2垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第2位置における前記第2玉の中心から前記第2玉の半径距離の位置に配置された第2平行面とからなり、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2垂直面及び前記第2平行面に接することにより、前記第2位置へ前記第2玉を配置させるものであり、
前記第2制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第2玉の直径より小さい幅を有し、前記第2垂直面に対向して前記一方の周方向側に配置された第2小垂直面と、前記第2平行面と前記第2小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第2傾斜面とからなり、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2小垂直面及び前記第2傾斜面に接することにより、前記第2位置から前記第2玉を離間させるものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る軸受構造は、
上記第の発明に記載の軸受構造において、
前記第1保有空間は、隣り合う前記第1保有空間同士における前記第1平行面、前記第1傾斜面及び第1小垂直面が、前記内輪の外周面と前記中輪の内周面との中心線に対して、互いに逆の位置となるように形成されたものであり、
前記第2保有空間は、隣り合う前記第2保有空間同士における前記第2平行面、前記第2傾斜面及び第2小垂直面が、前記中輪の外周面と前記外輪の内周面との中心線に対して、互いに逆の位置となるように形成されたものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る軸受構造は、
外周面に内輪外周軌道を有する内輪と、内周面に中輪内周軌道を有し、外周面に中輪外周軌道を有する中輪と、内周面に外輪内周軌道を有する外輪と、前記内輪外周軌道と前記中輪内周軌道の間に介挿された複数の第1玉と、前記中輪外周軌道と前記外輪内周軌道の間に介挿された複数の第2玉と、前記内輪の外周面と前記中輪の内周面との間に挿設され、前記第1玉を転動可能に保有する複数の第1保有空間を有する第1保持部材と、前記中輪の外周面と前記外輪の内周面との間に挿設され、前記第2玉を転動可能に保有する複数の第2保有空間を有する第2保持部材と、前記内輪の外周面と前記中輪の内周面との間にグリスを封入する第1封入部材と、前記中輪の外周面と前記外輪の内周面との間にグリスを封入する第2封入部材とを備えた転がり軸受であり、
前記第1保持部材は、前記第1保有空間の反対側の面に突設され、該軸受の直径方向と平行な第1被係止面を有する第1被係止突起部を有し、
前記第1封入部材は、該第1封入部材の前記第1被係止突起部側の面に突設され、前記第1被係止面に対向した第1係止面を有する第1係止突起部を有し、
前記第1保有空間は、前記第1玉が該軸受の一方の周方向に転動するとき、前記内輪外周軌道と前記中輪内周軌道の適正な第1位置へ前記第1玉を配置させて、前記第1転がり軸受の回転を許容する第1許容部と、前記第1玉が前記一方の周方向と逆の周方向に転動するとき、前記第1位置から前記第1玉を離間させると共に、前記第1玉により前記第1保持部材を前記第1封入部材側へ移動させ、前記第1被係止突起部を第1係止突起部に係止させて、前記第1転がり軸受の回転を制止する第1制止部とからなり、
前記第2保持部材は、前記第2保有空間の反対側の面に突設され、該軸受の直径方向と平行な第2被係止面を有する第2被係止突起部を有し、
前記第2封入部材は、該第2封入部材の前記第2被係止突起部側の面に突設され、前記第2被係止面に対向した第2係止面を有する第2係止突起部を有し、
前記第2保有空間は、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記中輪外周軌道と前記外輪内周軌道の適正な第2位置へ前記第2玉を配置させて、前記第2転がり軸受の回転を許容する第2許容部と、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2位置から前記第2玉を離間させると共に、前記第2玉により前記第2保持部材を前記第2封入部材側へ移動させ、前記第2被係止突起部を第2係止突起部に係止させて、前記第2転がり軸受の回転を制止する第2制止部とからなることを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る軸受構造は、
上記第の発明に記載の軸受構造において、
前記第1許容部は、該軸受の周方向に垂直な第1垂直面と、前記第1垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第1位置における前記第1玉の中心から前記第1玉の半径距離の位置に配置された第1平行面とからなり、前記第1玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1垂直面及び前記第1平行面に接することにより、前記第1位置へ前記第1玉を配置させるものであり、
前記第1制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第2玉の直径より小さい幅を有し、前記第1垂直面に対向して前記逆の周方向側に配置された第1小垂直面と、前記第1平行面と前記第1小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第1傾斜面とからなり、前記第1玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1小垂直面及び前記第1傾斜面に接することにより、前記第1位置から前記第1玉を離間させると共に、前記第1玉により前記第1保持部材を押圧し、前記第1保持部材と共に前記第1被係止突起部を前記第1封入部材側へ移動させるものであり、
前記第2許容部は、該軸受の周方向に垂直な第2垂直面と、前記第2垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第2位置における前記第2玉の中心から前記第2玉の半径距離の位置に配置された第2平行面とからなり、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2垂直面及び前記第2平行面に接することにより、前記第2位置へ前記第2玉を配置させるものであり、
前記第2制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第2玉の直径より小さい幅を有し、前記第2垂直面に対向して前記一方の周方向側に配置された第2小垂直面と、前記第2平行面と前記第2小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第2傾斜面とからなり、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2小垂直面及び前記第2傾斜面に接することにより、前記第2位置から前記第2玉を離間させると共に、前記第2玉により前記第2保持部材を押圧し、前記第2保持部材と共に前記第2被係止突起部を前記第2封入部材側へ移動させるものであることを特徴とする。
上記課題を解決する第の発明に係る揺動回転電機は、
回転軸を揺動させる揺動回転電機であって、
上記第1〜第のいずれかの発明に記載の軸受構造の前記第1内輪又は前記内輪の内周面に、前記回転軸の少なくとも一方側を保持することを特徴とする。
第1〜第の発明によれば、軸受の内径側(第1転がり軸受又は内輪−中輪)において、第1玉を保有する第1保持部材の構成により、一方の周方向への回転を許容し、逆の周方向への回転を制止すると共に、軸受の外径側(第2転がり軸受又は中輪−外輪)において、第2玉を保有する第2保持部材の構成により、一方の周方向への回転を制止し、逆の周方向への回転を許容するので、軸を揺動運動させても、一方の周方向への回転する際には、内径側の軸受部分が回転し、逆の周方向に回転する際には、外径側の軸受部分が回転して、各軸受部分は、一方向又は逆方向に回る/止まるを繰り返しながら、全周に渡って回転することとなる。その結果、荷重を受ける場所が常に移動するため、部分的な摩耗や疲労破壊を防止することができる。又、各軸受部分が全周に渡って回転することにより、軸受自体でグリスの撹拌を行うことができ、グリスの潤滑不良を防止して、動作の信頼性を向上させることができる。
又、第〜第の発明によれば、第1〜第の発明に記載した2つの転がり軸受を一体化する構成であるので、部品点数が低減すると共に組み込み作業が不要となるため、低コスト化が可能となり、又、軸受構造をよりコンパクトにすることができる。
の発明によれば、揺動回転電機において、第1〜第の発明に記載した軸受構造を用いるので、上記第1〜第の発明の効果に加えて、グリス潤滑のための強制給油装置や油回収装置が不要となり、揺動回転電機自体のコストを下げることができる。
本発明に係る軸受構造は、内径側、外径側に2つの転がり軸受を組み込んだ軸受構造、又は、これらの転がり軸受を一体化した軸受構造において、転動体となる玉を保有する保持部材の構造を工夫することにより、内径側では、一方の周方向への回転を許容し、逆の周方向への回転を制止して、回転方向を一方の周方向に限定すると共に、外径側では、逆の周方向への回転を許容し、一方の周方向への回転を制止して、回転方向を逆の周方向へ限定するようにしたものである。又、本発明に係る揺動モータは、上記構造の軸受構造を用いたものである。
以下、図3〜図10を参照して、本発明に係る軸受構造及びその軸受構造を用いた揺動回転電機の実施形態のいくつかを説明する。
<第1実施形態>
本実施形態の軸受構造は、玉を保有する保持部材に所定形状の複数の保有空間を形成し、その保有空間内において、適正な転動軌道位置に玉を配置したり、適正な転動軌道位置から玉を軸方向に移動させたりすることにより、転がり軸受の回転方向を限定するものであり、更に、その転がり軸受を2つ用い、2つの転がり軸受の回転許容方向が逆になるように、直径方向に2重に組み込むことで、揺動可能とするものである。
以下、図3〜図7を用いて、本実施形態の実施例のいくつかを説明する。
図3は、本発明に係る軸受構造を用いた揺動モータの概略構成図である。
図3に示すように、本実施例の揺動モータ1は、回転軸となる軸2と、軸2と同軸に支持される回転子3と、回転子3の周囲に配設される固定子4とを有しており、固定子4は、揺動モータ1の筐体となるフレーム5の内側に支持されており、又、軸2は、軸2を支承する軸受6を介して、フレーム5の両端部に配設されたブラケット7に支持される。
軸受6は、軸2を内周側に直接支承する内径側の転がり軸受11Aと、ブラケット7に支持された外径側の転がり軸受11Bとを有し、転がり軸受11Aと転がり軸受11Bとの間に設けた中間リング12を介して、転がり軸受11Bが転がり軸受11Aを間接的に支持し、転がり軸受11A、11Bが同一回転軸となるように組み込まれたものである。そして、この二重の転がり軸受11A、11Bを、軸2の直結側(図3中右側)、反直結側(図3中右側)両方に配設している。
次に、図4(a)〜図4(c)及び図5(a)〜図5(b)を用いて、本実施例の軸受構造を構成する転がり軸受11A、11Bの構造及びその動作を詳細に説明する。
ここで、図4(a)は、転がり軸受の平面図、図4(b)、図4(c)は、回転許容状態を説明する図であり、図4(b)は、図4(a)のX−X線展開図、図4(c)は、図4(a)、図4(b)のZ−Z線断面図である。又、図5(a)、図5(b)は、回転制止状態を説明する図であり、図5(a)は、図4(a)のX−X線展開図、図5(b)は図4(a)、図5(a)のZ−Z線断面図である。
なお、転がり軸受11A、11Bでは、大きさと後述する保有空間19の形成方向のみが異なり、その他の構成は同等であるので、図4、図5では、一方の内径側の転がり軸受11Aの構造のみ図示して説明を行う。
図4(a)に示すように、本実施例における内径側の転がり軸受11A(第1転がり軸受)は、内周面に軸2を支承し、外周面に内輪外周軌道を有する内輪13(第1内輪)と、外周面が中間リング12に支持され、内周面に外輪内周軌道を有する外輪14(第1外輪)と、内輪13の外周面の内輪外周軌道と外輪14の内周面の外輪内周軌道との間に、転動可能に介挿された複数の玉15を有するものである。なお、図示していないが、グリスを封入する平板状のシールド板も、内輪13の外周面及び外輪14の内周面が形成する空間の両側縁部に配置されており、外輪14の内周面側に保持されている。又、内輪13の外周面の内輪外周軌道及び外輪14の内周面の外輪内周軌道は、通常、玉15の半径より僅かに大きい径の円弧状溝として形成される。
なお、外径側の転がり軸受11B(第2転がり軸受)の構成を説明すると、内周面に中間リング12を支承し、外周面に内輪外周軌道を有する内輪13(第2内輪)と、外周面がブラケット7に嵌合され、内周面に外輪内周軌道を有する外輪14(第2外輪)と、内輪13の外周面の内輪外周軌道と外輪14の内周面の外輪内周軌道との間に、転動可能に挿設された複数の玉15(第2玉)を有する構成となる。なお、転がり軸受11Bは、内径側の転がり軸受11Aの外径側に配置されるため、その大きさが異なるが、基本的な構成は同じである。又、内径側の転がり軸受11Aの外輪14の外周面は、外径側の転がり軸受11Bにより、その内周面に直接的に支承するようにしてもよい。
本実施例において、保持器18(第1保持部材)は、図4(b)、(c)に示すように、内輪13の外周面と外輪14の内周面との間に挿設されている。更に詳細には、保持器18は、保持器18に複数形成された特有形状の保有空間19(第1保有空間)を有し、保有空間19に玉15が転動可能に保有されている。この保有空間19は、玉15の転動、即ち、転がり軸受11Aの回転方向を一方の周方向に限定するように構成されており、このような保有空間19が形成された保持器18を各々有する転がり軸受11A、転がり軸受11Bを、直径方向に2重に組み合わせることで、軸2の揺動動作を可能としている。
保有空間19は、転がり軸受11Aの周方向X−Xに垂直に(転がり軸受11Aの直径方向に平行に)形成され、保有空間19において、一方の周方向側(CCW方向側)に配置された垂直面18aと、周方向X−Xに垂直に形成され、軸方向Yにおいて、幅が玉15の直径より小さく、保有空間19において、垂直面18aに対向して、逆の周方向側(CW方向側)に所定距離離れて配置された小垂直面18bと、垂直面18aに隣接して形成され、周方向X−Xに平行であり、内輪13の外周面の内輪外周軌道及び外輪14の内周面の外輪内周軌道の適正な位置W−Wにおける玉15の中心cから玉15の半径距離の位置に配置された平行面18cと、平行面18cと小垂直面18bとの間に隣接して形成され、周方向X−Xに対して、所定の鋭角な傾斜角を有する傾斜面18dとを有するものである。
各面18a、18b、18c、18dにより形成された特有形状の保有空間19は、その開口方向が、内輪13の外周面と外輪14の内周面との中心線X−Xに対して、隣り合う保有空間19同士で逆方向となるように、つまり、隣り合う保有空間19同士における小垂直面18b、平行面18c及び傾斜面18dが、中心線X−Xに対して、互いに逆の位置となるように配置されており、そのような保有空間19内に玉15が転動可能に配置されている。
上記保有空間19において、玉15が、垂直面18aと平行面18c(第1許容部)が形成する矩形状の空間(図中の保有空間19の左側)に位置するときには、換言すると、玉15が、一方の周方向となる反時計(CCW)方向に転動して、垂直面18aと平行面18cに当接する場合には、垂直面18a及び平行面18cに当接することにより、玉15の中心cが、適正な位置W−W上に配置されることになる。この場合、玉15に対する内輪13の外周面及び外輪14の内周面の幅として、玉15が自由に転動できる所定の幅が確保されるので、玉15は自由に転動することができ、その方向への転がり軸受11Aの回転を許容(アンロック)することとなる(図4(b)、(c)参照)。
逆に、上記保有空間19において、玉15が、小垂直面18bと傾斜面18d(第1制止部)が形成する台形状の空間(図中の保有空間19の右側)に位置するときには、換言すると、玉15が、逆の周方向となる時計(CW)方向に転動して、小垂直面18bと傾斜面18dに当接する場合には、小垂直面18b及び傾斜面18dに当接することにより、玉15が、転がり軸受11Aの軸方向Yに移動して、玉15の中心cが、適正な位置W−Wから離間されることになる。この場合、玉15に対して、内輪13の外周面及び外輪14の内周面の幅が狭くなるので、玉15が自由に転動することができなくなり、その方向への転がり軸受11Aの回転が制止(ロック)されることとなる(図5(a)、(b)参照)。
又、上述したように、隣り合う保有空間19同士で、保有空間19の開口方向が逆方向となるように配置されているので、隣り合う保有空間19に保有された玉15同士も、互いに、適正な位置W−Wから逆方向に離間されることになり、その結果、隣り合う玉15同士が、内輪13の外周面及び外輪14の内周面が形成する空間の両側縁部方向に離間して、バランスよく、確実に転がり軸受11Aの回転を制止することができる。
なお、小垂直面18b及び傾斜面18dに換えて、1つの傾斜面により上記制止部を形成するようにしてもよいが、玉15がCW方向に転動する際、内輪13の外周面及び外輪14の内周面と玉15との間に働く力を制限することを考慮すると、本実施例のように、小垂直面18b及び傾斜面18dから制止部を形成することが望ましい。又、傾斜面18dの傾斜角度は、その傾斜角が緩やかであれば、輪13の外周面及び外輪14の内周面と玉15との間に働く力の変化は緩やかになるが、その転動距離も長くなる。又、その傾斜角が直角に近くなれば、輪13の外周面及び外輪14の内周面と玉15との間に働く力の変化は急になるが、その転動距離は短くなる。従って、傾斜面18dの傾斜角度は、軸受の負荷等に応じて適宜に選択することが望ましい。
ここで、外径側の転がり軸受11Bにおける保持器18の構成について、簡単に言及すると、転がり軸受11Bにおける保持器18の保有空間19は、内径側の転がり軸受11Aにおける保持器18の保有空間19に対して、周方向X−Xにおいて、逆向きの方向の配置となるように形成されている。そのため、転がり軸受11Bにおいても、上述した保持器18の保有空間19の作用により、転がり軸受11Aの場合とは逆に、逆の周方向に転動する際、玉15は自由に転動することができ、その方向への転がり軸受11Bの回転を許容(アンロック)することとなり、一方の周方向に転動する際、玉15は自由に転動することができなくなり、その方向への転がり軸受11Bの回転が制止(ロック)されることとなる。
このように、本実施例の転がり軸受11Aにおいては、保持器18における保有空間19を上記構成とすることにより、玉15の転動状態を制御して、一方の周方向にのみ回転を許容し、逆の周方向には回転できないようにすることができる。そして、内径側の転がり軸受11Aと外径側の転がり軸受11Bにおいて、保持器18における保有空間19の設置方向を逆にすることで、例えば、一方の周方向をCCW方向、逆の周方向をCW方向とすると、内径側の転がり軸受11AはCCW方向のみ回転可能に、外径側の転がり軸受11BはCW方向のみ回転可能にすることができる。従って、一方の転がり軸受を制止しても、他方の転がり軸受側が回転するので、負荷をかけることなく、確実に一方の転がり軸受の回転を制止することができる。
軸2を揺動する際には、軸2を一方の周方向に回転する時のみ、内径側の転がり軸受11Aが一方向に順次回転していくので、特定の部分のみに荷重が働くことはなく、部分的な摩耗や疲労破壊の発生を抑制することができる。又、内径側の転がり軸受11Aが一方向に順次回転していくことにより、内径側の転がり軸受11Aが一方向に全周に渡って周回することとなるので、グリスが撹拌されて、内径側の転がり軸受11Aでのグリス潤滑が維持されることになる。
同様に、軸2を揺動する際には、軸2を逆の周方向に回転するときのみ、外径側の転がり軸受11Bが逆方向に順次回転していくので、特定の部分のみに荷重が働くことはなく、部分的な摩耗や疲労破壊の発生を抑制することができる。又、外径側の転がり軸受11Bが逆方向に順次回転していくことにより、外径側の転がり軸受11Bが逆方向に全周に渡って周回することとなるので、グリスが撹拌されて、外径側の転がり軸受11Bでのグリス潤滑が維持されることになる。
図6、図7は、本実施例の軸受構造を説明する図であり、図6(a)は、転がり軸受の平面図、図6(b)、図6(c)は、回転許容状態を説明する図であり、図6(b)は、図6(a)のX−X線展開図、図6(c)は、図6(a)、図6(b)のZ−Z線断面図である。又、図7(a)、図7(b)は、回転制止状態を説明する図であり、図7(a)は、図6(a)のX−X線展開図、図7(b)は図6(a)、図7(a)のZ−Z線断面図である。
なお、ここでも、内径側の転がり軸受21Aと外径側の転がり軸受21B(図示せず)では、大きさと後述する保持器22、シールド板23の構成のみが異なり、その他の構成は同等であるので、図6、図7では、一方の内径側の転がり軸受21Aの構造のみ図示する。又、実施例1における転がり軸受と同等の構成には、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6(a)に示すように、本実施例における内径側の転がり軸受21A(第1転がり軸受)は、実施例1と同様に、内輪13、外輪14、玉15を有するものである。なお、一方側しか図示していないが、グリスを封入する平板状のシールド板が、内輪13の外周面及び外輪14の内周面が形成する空間の両側縁部に配置されており、外輪14の内周面側に保持されている。
本実施例において、保持器22(第1保持部材)は、図6(b)、(c)に示すように、内輪13の外周面と外輪14の内周面との間に挿設されている。更に詳細には、保持器22は、保持器22に複数形成された特有形状の保有空間24(第1保有空間)を有し、保有空間24に、玉15が転動可能に保有されている。加えて、保持器22には、保有空間24と反対側の面に被係止面を有する被係止突起部22eが形成され、シールド板23(第1封入部材)には、被係止突起部22eの被係止面に対向して、係止面を有する係止突起部23aが形成されている。このように、本実施例は、実施例1と比較すると、保有空間24の構成、被係止突起部22e、係止突起部23aを有する点が相違するが、これらの構成により、実施例1と同様に、玉15の転動、即ち、転がり軸受21Aの回転方向を一方の周方向に限定するようにしており、更に、このような構成の転がり軸受を、互いに回転許容方向が逆になるように、直径方向に2重に組み合わせることで、軸2の揺動動作を可能としている。
保有空間24は、転がり軸受21Aの周方向X−Xに垂直に(転がり軸受21Aの直径方向に平行に)形成され、保有空間24において、一方の周方向側(CCW)側に配置された垂直面22aと、周方向X−Xに垂直に形成され、軸方向Yにおいて、幅が玉15の直径より小さく、保有空間24において、垂直面22aに対向して、逆の周方向側(CW方向側)に所定距離離れて配置された小垂直面22bと、垂直面22aに隣接して形成され、周方向X−Xに平行であり、内輪13の外周面の内輪外周軌道及び外輪14の内周面の外輪内周軌道の適正な位置W−Wにおける玉15の中心cから玉15の半径距離の位置に配置された平行面22cと、平行面22cと小垂直面22bとの間に隣接して形成され、周方向X−Xに対して、所定の鋭角な傾斜角を有する傾斜面22dとを有するものである。
各面22a、22b、22c、22dにより形成された特有形状の保有空間24は、その開口側の方向が、中心線X−X線に対して、軸方向Yにおいて、一方の方向のみとなるように配置されており、そのような保有空間24内に玉15が転動可能に配置されている。このように、保有空間24の開口方向は、実施例1における保有空間19と開口方向が相違する。
加えて、上述したように、保持器22には、保有空間24の開口方向と反対側の面に突設され、転がり軸受21Aの直径方向と平行であり、周方向X−Xにおいて、CW方向側に向いた被係止面を有し、側面視が三角形状の被係止突起部22eが設けられている。又、シールド板23には、シールド板23の被係止突起部22e側の面に突設され、被係止面に対向して、周方向X−Xにおいて、CCW方向側に向いた係止面を有し、側面視が三角形状の係止突起部23aが設けられている。
上記保有空間24において、玉15が、垂直面22aと平行面22c(第1許容部)が形成する矩形状の空間(図中の保有空間24の左側)に位置するときには、換言すると、玉15が、一方の周方向となる反時計(CCW)方向に転動して、垂直面22aと平行面22cに当接する場合には、垂直面22a及び平行面22cに当接することにより、玉15の中心cが、内輪13の外周面の内輪外周軌道及び外輪14の内周面の外輪内周軌道の適正な位置W−Wに配置されることになる。この場合、玉15に対する内輪13の外周面及び外輪14の内周面の幅として、玉15が自由に転動できる所定の幅が確保されるので、後述する図7の場合とは異なり、保持器22がシールド板23側に移動されることはなく、突起部22e、23a同士が互いに引掛ることもなく、玉15は、自由に転動することができ、その方向への転がり軸受21Aの回転を許容(アンロック)することとなる(図6(b)、(c)参照)。
逆に、上記保有空間24において、玉15が、小垂直面22bと傾斜面22d(第1制止部)が形成する台形状の空間(図中の保有空間24の右側)に位置するときには、換言すると、玉15が、逆の周方向となる時計(CW)方向に転動して、小垂直面22bと傾斜面22dに当接する場合には、小垂直面22b及び傾斜面22dに当接することにより、玉15が、転がり軸受21Aの軸方向Yに移動して、玉15の中心cが、適正な位置W−Wから離間されると共に、傾斜面22dを軸方向Yに押圧して、保持器22がシールド板23側へ移動することになる。この場合、玉15に対して、内輪13の外周面及び外輪14の内周面の幅が狭くなると共に、保持器22の突起部22eもシールド板23側へ移動して、突起部22eがシールド板23の突起部23aと互いに引っ掛かることになるので、玉15が自由に転動することができなくなると共に保持器22自体が自由に回転することができなくなり、その方向への転がり軸受11Aの回転が制止(ロック)されることとなる(図7(a)、(b)参照)。
ここで、外径側の転がり軸受21Bの保持器22の構成について、簡単に言及すると、転がり軸受21Bにおける保持器22の保有空間24は、内径側の転がり軸受21Aにおける保持器22の保有空間24に対して、周方向X−Xにおいて、逆向きの方向の配置となるように形成されており、又、被係止突起部22e、係止突起部23aも、逆向きの方向の配置となるように形成されている。そのため、外径側の転がり軸受21Bにおいても、上述した保持器22の保有空間24及び被係止突起部22e、係止突起部23aの作用により、転がり軸受21Aの場合とは逆に、逆の周方向に転動する際、玉15、保持器22は自由に転動することができ、その方向への転がり軸受の回転を許容(アンロック)することとなり、一方の周方向に転動する際、玉15、保持器22は自由に転動することができなくなり、その方向への転がり軸受の回転が制止(ロック)されることとなる。
このように、本実施例の転がり軸受21Aにおいては、保持器22、シールド板23を上記構成とすることで、玉15の転動状態、保持器22の動作状態を制御して、一方の周方向にのみ回転を許容し、逆の周方向には回転できないようにすることができる。そして、内径側の転がり軸受21Aと外径側の転がり軸受21Bにおいて、保持器22における保有空間24、被係止突起部22e及びシールド板23における係止突起部23aの設置方向を逆にすることで、例えば、一方の周方向をCCW方向、逆の周方向をCW方向とすると、内径側の転がり軸受21AはCCW方向のみ回転可能に、外径側の転がり軸受21BはCW方向のみ回転可能にすることができる。
そして、軸2を揺動する際、軸2を一方の周方向に回転する時のみ、内径側の転がり軸受21Aが一方向に順次回転していくので、特定の部分のみに荷重が働くことはなく、部分的な摩耗や疲労破壊の発生を抑制することができる。又、内径側の転がり軸受21Aが一方向に順次回転していくことにより、内径側の転がり軸受21Aが一方向に全周に渡って周回することとなるので、グリスが撹拌されて、内径側の転がり軸受21Aでのグリス潤滑が維持されることになる。
同様に、軸2を揺動する際、軸2を逆の周方向に回転するときのみ、外径側の転がり軸受21Bが逆方向に順次回転していくので、特定の部分のみに荷重が働くことはなく、部分的な摩耗や疲労破壊の発生を抑制することができる。又、外径側の転がり軸受21Bが逆方向に順次回転していくことにより、外径側の転がり軸受21Bが逆方向に全周に渡って周回することとなるので、グリスが撹拌されて、外径側の転がり軸受21Bでのグリス潤滑が維持されることになる。
第1参考形態
上記実施例1、2においては、保持器に所定形状の複数の保有空間を形成し、その保有空間内に玉を配置することで、転がり軸受の回転方向を限定するようにしているが、本参考形態では、保持器を構成する複数の仕切部材を所定形状に形成し、仕切部材同士の間に特定形状の保有空間を形成し、その保有空間内において、適正な転動軌道位置に玉を配置したり、適正な転動軌道位置から玉を直径方向に移動させたりすることにより、転がり軸受の回転方向を限定するものであり、更に、その転がり軸受を2つ用い、2つの転がり軸受の回転許容方向が逆になるように、直径方向に2重に組み込むことで、揺動可能とするものである。
以下、図8、9を用いて、本参考形態のいくつかを説明する。
参考例1
図8は、本参考例の軸受構造を説明する図であり、転がり軸受の平面図である。以下、図8を用いて、転がり軸受の構造及び動作を詳細に説明する。
なお、ここでも、内径側の転がり軸受31Aと外径側の転がり軸受31B(図示せず)は、大きさと後述する保持器32の構成のみが異なり、その他の構成は同等であるので、図8では、一方の内径側の転がり軸受31Aの構造のみ図示する。又、実施例1における転がり軸受と同等の構成には、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図8に示すように、本参考例における内径側の転がり軸受31A(第1転がり軸受)は、実施例1と同様に、内輪13、外輪14、玉15を有し、シールド板(図示せず)も配置されたものである。
本参考例において、図8に示すように、保持器32(第1保持部材)は、内輪13の外周面と外輪14の内周面との間に挿設されている。更に詳細には、保持器32は、外輪14の内周面に支持され、特有形状に形成された複数の仕切部材33(第1仕切部材)を有し、隣り合う仕切部材33同士の間の複数の保有空間34(第1保有空間)が形成されており、保有空間34に、玉15が転動可能に保有されている。このように、本参考例は、実施例1と比較すると、保有空間34の構成が相違するが、これらの構成により、実施例1と同様に、玉15の転動、即ち、転がり軸受31Aの回転方向を一方の周方向に限定するようにしており、更に、このような構成の転がり軸受を、互いに回転許容方向が逆になるように、直径方向に2重に組み合わせることで、軸2の揺動動作を可能としている。
仕切部材33は、仕切部材33のCW方向側の面に、転がり軸受31Aの周方向に垂直に(転がり軸受31Aの直径方向に平行に)形成された垂直面33aを有し、仕切部材33のCCW方向側の面、つまり、垂直面33aの反対側の面に、転がり軸受31Aの周方向に垂直であり、転がり軸受31Aの直径方向において、玉15の直径より小さい幅を有する小垂直面33bと、小垂直面33bからCCW方向側かつ外輪14の内周面側へ突設され、外輪14の内周面に対して鋭角な傾斜角を有する傾斜面33cとを有するものである。そして、各面33a、33b、33cを有する仕切部材33は、玉15の直径より大きい間隔を置いて配置されており、仕切部材33同士の間には、特有形状の保有空間34が形成されており、そのような保有空間34内に玉15が転動可能に配置されている。なお、仕切部材33の内輪13側の面は、内輪13側が自在に回転できるように、内輪13と所定の間隔を開け、内輪13の形状に合わせて、例えば、湾曲形状に形成されている。
上記保有空間34において、玉15が、図8中の保有空間34の右側に位置するときには、換言すると、玉15が、CCW方向に転動して、仕切部材33の垂直面33a(第1許容部)に当接する場合には、垂直面33aに当接することにより、玉15の中心位置が、内輪13の外周面と外輪14の内周面との間の中心線上に配置されることになる。この場合、内輪13の外周面の内輪外周軌道と共に外輪14の内周面の外輪内周軌道に、玉15が適切に接触するような位置に配置され、玉15が自由に転動できる所定の幅が確保されるので、玉15は、自由に転動することができ、その方向への転がり軸受31Aの回転を許容(アンロック)することとなる。
逆に、上記保有空間34において、玉15が、図8中の保有空間34の左側に位置するときには、換言すると、玉15が、CW方向に転動して、小垂直面33b及び傾斜面33c(第1制止部)に当接する場合には、小垂直面33b及び傾斜面33cに当接することにより、玉15が、傾斜面33cを乗り上がり、転がり軸受31Aの直径方向の内輪13側へ移動して、玉15の中心位置が、中心線上からずれた位置に配置されることになる。この場合、玉15は、外輪14の内周面の外輪内周軌道との接触がなくなると共に内輪13の外周面の内輪外周軌道側に押圧されることになり、玉15と内輪外周軌道との適切な隙間が無くなるので、玉15は、自由に転動することができなくなり、その方向への転がり軸受31Aの回転を制止(ロック)することとなる。
このように、本参考例の転がり軸受31Aにおいては、保持器32を上記構成とすることにより、玉15の転動状態を制御して、一方の周方向にのみ回転を許容し、逆の周方向には回転できないようにすることができる。そして、内径側の転がり軸受31Aと外径側の転がり軸受31Bにおいて、保持器32の設置方向を逆に組み込むことで、例えば、一方の周方向をCCW方向、逆の周方向をCW方向とすると、内径側の転がり軸受31AはCCW方向のみ回転可能に、外径側の転がり軸受31BはCW方向のみ回転可能にすることができる。
そして、軸2を揺動する際、軸2を一方の周方向に回転する時のみ、内径側の転がり軸受31Aが一方向に順次回転していくので、特定の部分のみに荷重が働くことはなく、部分的な摩耗や疲労破壊の発生を抑制することができる。又、内径側の転がり軸受31Aが一方向に順次回転していくことにより、内径側の転がり軸受31Aが一方向に全周に渡って周回することとなるので、グリスが撹拌されて、内径側の転がり軸受31Aでのグリス潤滑が維持されることになる。
同様に、軸2を揺動する際、軸2を逆の周方向に回転するときのみ、外径側の転がり軸受31Bが逆方向に順次回転していくので、特定の部分のみに荷重が働くことはなく、部分的な摩耗や疲労破壊の発生を抑制することができる。又、外径側の転がり軸受31Bが逆方向に順次回転していくことにより、外径側の転がり軸受31Bが逆方向に全周に渡って周回することとなるので、グリスが撹拌されて、外径側の転がり軸受31Bでのグリス潤滑が維持されることになる。
参考例2
図9は、本参考例の軸受構造を説明する図であり、転がり軸受の平面図である。以下、図9を用いて、転がり軸受の構造等を詳細に説明する。
なお、ここでも、内径側の転がり軸受41Aと外径側の転がり軸受41B(図示せず)は、大きさと後述する保持器42の構成のみが異なり、その他の構成は同等であるので、図9では、一方の内径側の転がり軸受41Aの構造のみ図示する。又、実施例1における転がり軸受と同等の構成には、同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本参考例における内径側の転がり軸受41Aの構成は、図9に示すように、参考例1に示した転がり軸受31Aと略同等であるが、保持器42を構成し、特有形状に形成された複数の仕切部材43の支持方向が異なっている。具体的には、保持器42は、内輪13の外周面に支持され、特有形状に形成された複数の仕切部材43(第1仕切部材)を有し、隣り合う仕切部材43同士の間の複数の保有空間44(第1保有空間)が形成されており、保有空間44に、玉15が転動可能に保有されている。このように、本参考例は、実施例1と比較すると、保有空間34の支持構成が相違するが、これらの構成により、実施例1と同様に、玉15の転動、即ち、転がり軸受41Aの回転方向を一方の周方向に限定するようにしており、更に、このような構成の転がり軸受を、互いに回転許容方向が逆になるように、直径方向に2重に組み合わせることで、揺動モータ3において、軸2の揺動動作を可能としている。
仕切部材43は、仕切部材43のCW方向側の面に、転がり軸受41Aの周方向に垂直に(転がり軸受41Aの直径方向に平行に)形成された垂直面43aを有し、仕切部材43のCCW方向側の面、つまり、垂直面43aの反対側の面に、転がり軸受41Aの周方向に垂直であり、転がり軸受41Aの直径方向において、玉15の直径より小さい幅を有する小垂直面43bと、小垂直面43bからCCW方向側かつ内輪13の外周面側へ突設され、内輪13の外周面に対して鋭角な傾斜角を有する傾斜面43cとを有するものである。そして、各面43a、43b、43cを有する仕切部材43は、玉15の直径より大きい間隔を置いて配置されており、仕切部材43同士の間には、特有形状の保有空間44が形成されており、そのような保有空間44内に玉15が転動可能に配置されている。なお、仕切部材43の外輪14側の面は、内輪13側が自在に回転できるように、外輪14と所定の間隔を開け、外輪14の形状に合わせて、例えば、湾曲形状に形成されている。
上記保有空間44において、玉15が、図9中の保有空間44の右側に位置するときには、換言すると、玉15が、CCW方向に転動して、仕切部材43の垂直面43a(第1許容部)に当接する場合には、垂直面43aに当接することにより、玉15の中心位置が、内輪13の外周面と外輪14の内周面との間の中心線上に配置されることになる。この場合、内輪13の外周面の内輪外周軌道と共に外輪14の内周面の外輪内周軌道に、玉15が適切に接触するような位置に配置され、玉15が自由に転動できる所定の幅が確保されるので、玉15は、自由に転動することができ、その方向への転がり軸受41Aの回転を許容(アンロック)することとなる。
逆に、上記保有空間44において、玉15が、図9中の保有空間44の左側に位置するときには、換言すると、玉15が、CW方向に転動して、小垂直面43b及び傾斜面43c(第1制止部)に当接する場合には、小垂直面43b及び傾斜面43cに当接することにより、玉15が、傾斜面43cを乗り上がり、転がり軸受41Aの直径方向の外輪14側へ移動して、玉15の中心位置が、中心線上からずれた位置に配置されることになる。この場合、玉15は、内輪13の外周面の内輪外周軌道との接触がなくなると共に外輪14の内周面の外輪内周軌道側に押圧されることになり、玉15と外輪内周軌道との適切な隙間が無くなるので、玉15は、自由に転動することができなくなり、その方向への転がり軸受41Aの回転を制止(ロック)することとなる。
このように、本参考例の転がり軸受41Aにおいては、保持器42を上記構成とすることにより、玉15の転動状態を制御して、一方の周方向にのみ回転を許容し、逆の周方向には回転できないようにすることができる。そして、内径側の転がり軸受41Aと外径側の転がり軸受41Bにおいて、保持器42の設置方向を逆に組み込むことで、例えば、一方の周方向をCCW方向、逆の周方向をCW方向とすると、内径側の転がり軸受41AはCCW方向のみ回転可能に、外径側の転がり軸受41BはCC方向のみ回転可能にすることができる。
そして、軸2を揺動する際、軸2を一方の周方向に回転する時のみ、内径側の転がり軸受41Aが一方向に順次回転していくので、特定の部分のみに荷重が働くことはなく、部分的な摩耗や疲労破壊の発生を抑制することができる。又、内径側の転がり軸受41Aが一方向に順次回転していくことにより、内径側の転がり軸受41Aが一方向に全周に渡って周回することとなるので、グリスが撹拌されて、内径側の転がり軸受41Aでのグリス潤滑が維持されることになる。
同様に、軸2を揺動する際、軸2を逆の周方向に回転するときのみ、外径側の転がり軸受41Bが逆方向に順次回転していくので、特定の部分のみに荷重が働くことはなく、部分的な摩耗や疲労破壊の発生を抑制することができる。又、外径側の転がり軸受41Bが逆方向に順次回転していくことにより、外径側の転がり軸受41Bが逆方向に全周に渡って周回することとなるので、グリスが撹拌されて、外径側の転がり軸受41Bでのグリス潤滑が維持されることになる。
第2実施形態
上記実施例1〜2、参考例1〜2においては、内径側の転がり軸受と、外径側の転がり軸受を独立して形成し、それらの回転可能な方向が互いに逆になるように、直径方向に2重に組み合わせたものである。これに対して、以下に示す実施例3等においては、上記実施例1〜2、参考例1〜2における内径側の転がり軸受と外径側の転がり軸受を一体化して、内輪側の回転許容方向と外輪側の回転許容方向が互いに逆になるように構成したものである。
以下、図10を用いて、本実施形態を説明する。
図10は、本実施例の軸受構造を説明する図であり、図10(a)は、転がり軸受の平面図、図10(b)は、図10(a)のZ−Z線断面図である。ここでは、図10(a)〜図10(b)を用いて、転がり軸受51の構造及びその動作を詳細に説明する。
本実施例において、転がり軸受51は、図10(a)に示すように、内周面に軸2を支承し、外周面に内輪外周軌道を有する内輪52と、内周面に中輪内周軌道を有し、外周面に中輪外周軌道を有する中輪53と、フレームに嵌合され、内周面に外輪内周軌道を有する外輪54と、内輪52の外周面の内輪外周軌道と中輪53の内周面の中輪内周軌道との間、及び、中輪53の外周面の中輪外周軌道と外輪54の内周面の外輪内周軌道との間に、転動可能に介挿された複数の玉15を有するものである。
本実施例においては、図10(b)に示すように、内輪52の外周面と中輪53の内周面との間、及び、中輪53の外周面と外輪54の内周面との間には、玉15を転動可能に保有し、特有形状に形成された複数の保有空間を有する保持器18、グリスを封入する平板状のシールド板(図示せず)が挿設されている。各保持器18は、実施例1と同様のものであり、保有する玉15の転動可能方向が、互いに逆方向になるように配置されており、各保持器18により、内輪52の回転許容方向と中輪53の回転許容方向が互いに逆になる構造である。つまり、本実施例における転がり軸受51は、実施例1で説明した内径側の転がり軸受11A、外径側の転がり軸受11B2つを、1つの転がり軸受に一体化したものである。従って、保持器18の詳細な構造及び動作は、実施例1と同等であるので、ここでは、その詳細な説明は省略する。
上記構成の転がり軸受51においては、玉15の転動可能方向が逆方向となる2つの保持器18を用いることで、玉15の転動状態を制御して、軸2が一方向に回転するときは、内輪52又は中輪53の何れか一方のみが回転可能であり、又、軸2が逆方向に回転するときは、内輪52又は中輪53の何れか他方のみが回転可能にすることができる。従って、軸2を揺動する際、軸2を一方向(又は、逆方向)に回転する時のみ、内輪52又は中輪53の何れか一方のみが一方向(又は、逆方向)に順次回転していくので、特定の部分のみに荷重が働くことはなく、部分的な摩耗や疲労破壊の発生を抑制することができる。又、内輪52又は中輪53の何れか一方のみが一方向(又は、逆方向)に順次回転していくことにより、内輪52又は中輪53の何れか一方のみが一方向(又は、逆方向)に周回することとなるので、グリスが撹拌されて、転がり軸受でのグリス潤滑が維持されることになる。
他の実施例
上記実施例3では、実施例1における2つの転がり軸受11A、11Bを一体化した転がり軸受51を示したが、本実施形態では、当然ながら、実施例2、参考例1〜2に示した2つの転がり軸受を一体化した転がり軸受としてもよい。この場合の転がり軸受も、図10(a)に示した転がり軸受51と同様に、内輪52、中輪53、外輪54と、それらの間に転動可能に挿設された複数の玉15を有するものであり、更に、保持する玉15の転動可能方向が、互いに逆方向になるように、実施例2、参考例1〜2に示した保持器22及びシールド板23、又は、保持器32、又は、保持器42を配置すればよい。
上記構成の一体化した転がり軸受においても、玉15の転動可能方向が逆方向となる2つの保持器22及びシールド板23(又は、保持器32、又は、保持器42)を用いることで、玉15の転動状態を制御して、軸2が一方向に回転するときは、内輪52又は中輪53の何れか一方のみが回転可能であり、又、軸2が逆方向に回転するときは、内輪52又は中輪53の何れか他方のみが回転可能にすることができる。従って、軸2を揺動する際、軸2を一方向(又は、逆方向)に回転する時のみ、内輪52又は中輪53の何れか一方のみが一方向(又は、逆方向)に順次回転していくので、特定の部分のみに荷重が働くことはなく、部分的な摩耗や疲労破壊の発生を抑制することができる。又、内輪52又は中輪53の何れか一方のみが一方向(又は、逆方向)に順次回転していくことにより、内輪52又は中輪53の何れか一方のみが一方向(又は、逆方向)に周回することとなるので、グリスが撹拌されて、転がり軸受でのグリス潤滑が維持されることになる。
第3実施形態
図3においては、一例として、実施例1に示した軸受6(転がり軸受11A、転がり軸受11B)を適用することを前提に、揺動モータの構成を図示しているが、これは、前述した他の実施例、参考例に示す軸受構造を適用することで、これらの軸受構造を用いた揺動モータを構成することができる。
以下に、実施例1の場合を含め、これらの軸受構造を用いた揺動モータにおける構造及び動作について説明する。
実施例1で説明したように、図3に示す揺動モータ1は、軸2が上述した軸受構造に支承されたものである。例えば、実施例1〜2、参考例1〜2に示す軸受構造の場合は、図3に示すように、内径側の転がり軸受と外径側の転がり軸受とを、中間リング12を介して、直径方向に2重に組み込み、軸2を支承するようにしたものである。又、実施例3等に示す軸受構造の場合は、1つの転がり軸受を用いて、軸2を支承するようにしたものである。これらの軸受構造は、軸2の直結側(図3中右側)、反直結側(図3中右側)両方に配設することが望ましいが、軸2の直結側又は反直結側の何れか一方に配設した構成としてもよい。
上述した軸受構造を有する揺動モータ1においては、上記実施例、参考例で説明したように、内径側の転がり軸受又は内輪は、一方の周方向のみ軸2の回転を許容し、外径側の転がり軸受又は中輪は、逆の周方向のみ軸2の回転を許容する。従って、軸2を揺動させると、軸2を一方の周方向に回転させた場合には、内径側の転がり軸受又は内輪のみが回転し、軸2を逆の周方向に回転させた場合には、外径側の転がり軸受又は中輪4のみが回転することになる。
そして、軸2を揺動する際、軸2を一方の周方向に回転する時のみ、内径側の転がり軸受又は内輪が一方向に順次回転していくので、特定の部分のみに荷重が働くことはなく、部分的な摩耗や疲労破壊の発生を抑制することができる。又、内径側の転がり軸受又は内輪が一方向に順次回転していくことにより、内径側の転がり軸受又は内輪が一方向に全周に渡って周回することとなるので、強制給油装置等を別途設けなくても、グリスが撹拌されて、内径側の転がり軸受又は内輪でのグリス潤滑が維持されることになる。
同様に、軸2を揺動する際、軸2を逆の周方向反時計方向に回転するときのみ、外径側の転がり軸受又は中輪が逆方向に順次回転していくので、特定の部分のみに荷重が働くことはなく、部分的な摩耗や疲労破壊の発生を抑制することができる。又、外径側の転がり軸受又は中輪が逆方向に順次回転していくことにより、外径側の転がり軸受又は中輪が逆方向に全周に渡って周回することとなるので、同じく、強制給油装置等を別途設けなくても、グリスが撹拌されて、外径側の転がり軸受でのグリス潤滑が維持されることになる。
本発明に係る軸受構造は、揺動モータに好適なものであるが、揺動運動を行う軸等を支承するものであれば、揺動モータに限らず、他の装置等へも適用可能なものである。
揺動回転電機の斜視図である。 揺動回転電機の軸受構造を示す図であり、(a)はすべり軸受、(b)は転がり軸受である。 本発明に係る揺動回転電機の概略構成図である。 本発明に係る軸受構造の一例(実施例1)を示す図である。 図4に示す軸受構造の動作を説明する図である。 本発明に係る軸受構造の他の一例(実施例2)を示す図である。 図6に示す軸受構造の動作を説明する図である。 本発明の参考例となる軸受構造一例(参考例1)を示す図である。 本発明の参考例となる軸受構造の他の一例(参考例2)を示す図である。 本発明に係る軸受構造の他の一例(実施例3)を示す図である。
1 揺動モータ
2 軸
3 回転子
4 固定子
5 フレーム
6 軸受構造
7 ブラケット
11A 転がり軸受
11B 転がり軸受
12 中間リング
13 内輪
14 外輪
15 玉
18 保持器
21A 転がり軸受
22 保持器
23 シールド板
31A 転がり軸受
32 保持器
33 仕切部材
41A 転がり軸受
42 保持器
43 仕切部材
51 転がり軸受
52 内輪
53 中輪
54 外輪

Claims (9)

  1. 外周面に第1内輪外周軌道を有する第1内輪と、内周面に第1外輪内周軌道を有する第1外輪と、前記第1内輪外周軌道と前記第1外輪内周軌道の間に介挿された複数の第1玉と、前記第1内輪の外周面と前記第1外輪の内周面との間に挿設され、前記第1玉を転動可能に保有する複数の第1保有空間を有する第1保持部材とを備えた第1転がり軸受と、
    内周面に前記第1外輪を直接的又は間接的に保持し、外周面に第2内輪外周軌道を有する第2内輪と、内周面に第2外輪内周軌道を有する第2外輪と、前記第2内輪外周軌道と前記第2外輪内周軌道の間に介挿された複数の第2玉と、前記第2内輪の外周面と前記第2外輪の内周面との間に挿設され、前記第2玉を転動可能に保有する複数の第2保有空間を有する第2保持部材とを備えた第2転がり軸受とからなる軸受構造であって、
    前記第1保有空間は、前記第1玉が該軸受の一方の周方向に転動するとき、前記第1内輪外周軌道と前記第1外輪内周軌道の適正な第1位置へ前記第1玉を配置させて、前記第1転がり軸受の回転を許容する第1許容部と、前記第1玉が前記一方の周方向と逆の周方向に転動するとき、前記第1位置から前記第1玉を離間させて、前記第1転がり軸受の回転を制止する第1制止部とからなり、
    前記第2保有空間は、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第2内輪外周軌道と前記第2外輪内周軌道の適正な第2位置へ前記第2玉を配置させて、前記第2転がり軸受の回転を許容する第2許容部と、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2位置から前記第2玉を離間させて、前記第2転がり軸受の回転を制止する第2制止部とからなり、
    更に、
    前記第1許容部は、該軸受の周方向に垂直な第1垂直面と、前記第1垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第1位置における前記第1玉の中心から前記第1玉の半径距離の位置に配置された第1平行面とからなり、前記第1玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1垂直面及び前記第1平行面に接することにより、前記第1位置へ前記第1玉を配置させるものであり、
    前記第1制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第1玉の直径より小さい幅を有し、前記第1垂直面に対向して前記逆の周方向側に配置された第1小垂直面と、前記第1平行面と前記第1小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第1傾斜面とからなり、前記第1玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1小垂直面及び前記第1傾斜面に接することにより、前記第1位置から前記第1玉を離間させるものであり、
    前記第2許容部は、該軸受の周方向に垂直な第2垂直面と、前記第2垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第2位置における前記第2玉の中心から前記第2玉の半径距離の位置に配置された第2平行面とからなり、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2垂直面及び前記第2平行面に接することにより、前記第2位置へ前記第2玉を配置させるものであり、
    前記第2制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第2玉の直径より小さい幅を有し、前記第2垂直面に対向して前記一方の周方向側に配置された第2小垂直面と、前記第2平行面と前記第2小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第2傾斜面とからなり、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2小垂直面及び前記第2傾斜面に接することにより、前記第2位置から前記第2玉を離間させるものであることを特徴とする軸受構造。
  2. 請求項に記載の軸受構造において、
    前記第1保有空間は、隣り合う前記第1保有空間同士における前記第1平行面、前記第1傾斜面及び第1小垂直面が、前記第1内輪の外周面と前記第1外輪の内周面との中心線に対して、互いに逆の位置となるように形成されたものであり、
    前記第2保有空間は、隣り合う前記第2保有空間同士における前記第2平行面、前記第2傾斜面及び第2小垂直面が、前記第2内輪の外周面と前記第2外輪の内周面との中心線に対して、互いに逆の位置となるように形成されたものであることを特徴とする軸受構造。
  3. 外周面に第1内輪外周軌道を有する第1内輪と、内周面に第外輪内周軌道を有する第1外輪と、前記第1内輪外周軌道と前記第1外輪内周軌道の間に介挿された複数の第1玉と、前記第1内輪の外周面と前記第1外輪の内周面との間に挿設され、前記第1玉を転動可能に保有する複数の第1保有空間を有する第1保持部材と、前記第1内輪の外周面と前記第1外輪の内周面との間にグリスを封入する第1封入部材とを備えた第1転がり軸受と、
    内周面に前記第1外輪を直接的又は間接的に保持し、外周面に第2内輪外周軌道を有する第2内輪と、内周面に第2外輪内周軌道を有する第2外輪と、前記第2内輪外周軌道と前記第2外輪内周軌道の間に介挿された複数の第2玉と、前記第2内輪の外周面と前記第2外輪の内周面との間に挿設され、前記第2玉を転動可能に保有する複数の第2保有空間を有する第2保持部材と、前記第2内輪の外周面と前記第2外輪の内周面との間にグリスを封入する第2封入部材とを備えた第2転がり軸受とからなる軸受構造であって、
    前記第1保持部材は、前記第1保有空間の反対側の面に突設され、該軸受の直径方向と平行な第1被係止面を有する第1被係止突起部を有し、
    前記第1封入部材は、該第1封入部材の前記第1被係止突起部側の面に突設され、前記第1被係止面に対向した第1係止面を有する第1係止突起部を有し、
    前記第1保有空間は、前記第1玉が該軸受の一方の周方向に転動するとき、前記第1内輪外周軌道と前記第1外輪内周軌道の適正な第1位置へ前記第1玉を配置させて、前記第1転がり軸受の回転を許容する第1許容部と、前記第1玉が前記一方の周方向と逆の周方向に転動するとき、前記第1位置から前記第1玉を離間させると共に、前記第1玉により前記第1保持部材を前記第1封入部材側へ移動させ、前記第1被係止突起部を第1係止突起部に係止させて、前記第1転がり軸受の回転を制止する第1制止部とからなり、
    前記第2保持部材は、前記第2保有空間の反対側の面に突設され、該軸受の直径方向と平行な第2被係止面を有する第2被係止突起部を有し、
    前記第2封入部材は、該第2封入部材の前記第2被係止突起部側の面に突設され、前記第2被係止面に対向した第2係止面を有する第2係止突起部を有し、
    前記第2保有空間は、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第2内輪外周軌道と前記第2外輪内周軌道の適正な第2位置へ前記第2玉を配置させて、前記第2転がり軸受の回転を許容する第2許容部と、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2位置から前記第2玉を離間させると共に、前記第2玉により前記第2保持部材を前記第2封入部材側へ移動させ、前記第2被係止突起部を第2係止突起部に係止させて、前記第2転がり軸受の回転を制止する第2制止部とからなることを特徴とする軸受構造。
  4. 請求項に記載の軸受構造において、
    前記第1許容部は、該軸受の周方向に垂直な第1垂直面と、前記第1垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第1位置における前記第1玉の中心から前記第1玉の半径距離の位置に配置された第1平行面とからなり、前記第1玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1垂直面及び前記第1平行面に接することにより、前記第1位置へ前記第1玉を配置させるものであり、
    前記第1制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第2玉の直径より小さい幅を有し、前記第1垂直面に対向して前記逆の周方向側に配置された第1小垂直面と、前記第1平行面と前記第1小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第1傾斜面とからなり、前記第1玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1小垂直面及び前記第1傾斜面に接することにより、前記第1位置から前記第1玉を離間させると共に、前記第1玉により前記第1保持部材を押圧し、前記第1保持部材と共に前記第1被係止突起部を前記第1封入部材側へ移動させるものであり、
    前記第2許容部は、該軸受の周方向に垂直な第2垂直面と、前記第2垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第1位置における前記第2玉の中心から前記第2玉の半径距離の位置に配置された第2平行面とからなり、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2垂直面及び前記第2平行面に接することにより、前記第2位置へ前記第2玉を配置させるものであり、
    前記第2制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第2玉の直径より小さい幅を有し、前記第2垂直面に対向して前記一方の周方向側に配置された第2小垂直面と、前記第2平行面と前記第2小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第2傾斜面とからなり、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2小垂直面及び前記第2傾斜面に接することにより、前記第2位置から前記第2玉を離間させると共に、前記第2玉により前記第2保持部材を押圧し、前記第2保持部材と共に前記第2被係止突起部を前記第2封入部材側へ移動させるものであることを特徴とする軸受構造。
  5. 外周面に内輪外周軌道を有する内輪と、内周面に中輪内周軌道を有し、外周面に中輪外周軌道を有する中輪と、内周面に外輪内周軌道を有する外輪と、前記内輪外周軌道と前記中輪内周軌道の間に介挿された複数の第1玉と、前記中輪外周軌道と前記外輪内周軌道の間に介挿された複数の第2玉と、前記内輪の外周面と前記中輪の内周面との間に挿設され、前記第1玉を転動可能に保有する複数の第1保有空間を有する第1保持部材と、前記中輪の外周面と前記外輪の内周面との間に挿設され、前記第2玉を転動可能に保有する複数の第2保有空間を有する第2保持部材とを備えた転がり軸受からなる軸受構造であって、
    前記第1保有空間は、前記第1玉が該軸受の一方の周方向に転動するとき、前記内輪外周軌道と前記中輪内周軌道の適正な第1位置へ前記第1玉を配置させて、前記第1転がり軸受の回転を許容する第1許容部と、前記第1玉が前記一方の周方向と逆の周方向に転動するとき、前記第1位置から前記第1玉を離間させて、前記第1転がり軸受の回転を制止する第1制止部とからなり、
    前記第2保有空間は、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記中輪外周軌道と前記外輪内周軌道の適正な第2位置へ前記第2玉を配置させて、前記第2転がり軸受の回転を許容する第2許容部と、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2位置から前記第2玉を離間させて、前記第2転がり軸受の回転を制止する第2制止部とからなり、
    更に、
    前記第1許容部は、該軸受の周方向に垂直な第1垂直面と、前記第1垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第1位置における前記第1玉の中心から前記第1玉の半径距離の位置に配置された第1平行面とからなり、前記第1玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1垂直面及び前記第1平行面に接することにより、前記第1位置へ前記第1玉を配置させるものであり、
    前記第1制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第1玉の直径より小さい幅を有し、前記第1垂直面に対向して前記逆の周方向側に配置された第1小垂直面と、前記第1平行面と前記第1小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第1傾斜面とからなり、前記第1玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1小垂直面及び前記第1傾斜面に接することにより、前記第1位置から前記第1玉を離間させるものであり、
    前記第2許容部は、該軸受の周方向に垂直な第2垂直面と、前記第2垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第2位置における前記第2玉の中心から前記第2玉の半径距離の位置に配置された第2平行面とからなり、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2垂直面及び前記第2平行面に接することにより、前記第2位置へ前記第2玉を配置させるものであり、
    前記第2制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第2玉の直径より小さい幅を有し、前記第2垂直面に対向して前記一方の周方向側に配置された第2小垂直面と、前記第2平行面と前記第2小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第2傾斜面とからなり、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2小垂直面及び前記第2傾斜面に接することにより、前記第2位置から前記第2玉を離間させるものであることを特徴とする軸受構造。
  6. 請求項に記載の軸受構造において、
    前記第1保有空間は、隣り合う前記第1保有空間同士における前記第1平行面、前記第1傾斜面及び第1小垂直面が、前記内輪の外周面と前記中輪の内周面との中心線に対して、互いに逆の位置となるように形成されたものであり、
    前記第2保有空間は、隣り合う前記第2保有空間同士における前記第2平行面、前記第2傾斜面及び第2小垂直面が、前記中輪の外周面と前記外輪の内周面との中心線に対して、互いに逆の位置となるように形成されたものであることを特徴とする軸受構造。
  7. 外周面に内輪外周軌道を有する内輪と、内周面に中輪内周軌道を有し、外周面に中輪外周軌道を有する中輪と、内周面に外輪内周軌道を有する外輪と、前記内輪外周軌道と前記中輪内周軌道の間に介挿された複数の第1玉と、前記中輪外周軌道と前記外輪内周軌道の間に介挿された複数の第2玉と、前記内輪の外周面と前記中輪の内周面との間に挿設され、前記第1玉を転動可能に保有する複数の第1保有空間を有する第1保持部材と、前記中輪の外周面と前記外輪の内周面との間に挿設され、前記第2玉を転動可能に保有する複数の第2保有空間を有する第2保持部材と、前記内輪の外周面と前記中輪の内周面との間にグリスを封入する第1封入部材と、前記中輪の外周面と前記外輪の内周面との間にグリスを封入する第2封入部材とを備えた転がり軸受からなる軸受構造であって、
    前記第1保持部材は、前記第1保有空間の反対側の面に突設され、該軸受の直径方向と平行な第1被係止面を有する第1被係止突起部を有し、
    前記第1封入部材は、該第1封入部材の前記第1被係止突起部側の面に突設され、前記第1被係止面に対向した第1係止面を有する第1係止突起部を有し、
    前記第1保有空間は、前記第1玉が該軸受の一方の周方向に転動するとき、前記内輪外周軌道と前記中輪内周軌道の適正な第1位置へ前記第1玉を配置させて、前記第1転がり軸受の回転を許容する第1許容部と、前記第1玉が前記一方の周方向と逆の周方向に転動するとき、前記第1位置から前記第1玉を離間させると共に、前記第1玉により前記第1保持部材を前記第1封入部材側へ移動させ、前記第1被係止突起部を第1係止突起部に係止させて、前記第1転がり軸受の回転を制止する第1制止部とからなり、
    前記第2保持部材は、前記第2保有空間の反対側の面に突設され、該軸受の直径方向と平行な第2被係止面を有する第2被係止突起部を有し、
    前記第2封入部材は、該第2封入部材の前記第2被係止突起部側の面に突設され、前記第2被係止面に対向した第2係止面を有する第2係止突起部を有し、
    前記第2保有空間は、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記中輪外周軌道と前記外輪内周軌道の適正な第2位置へ前記第2玉を配置させて、前記第2転がり軸受の回転を許容する第2許容部と、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2位置から前記第2玉を離間させると共に、前記第2玉により前記第2保持部材を前記第2封入部材側へ移動させ、前記第2被係止突起部を第2係止突起部に係止させて、前記第2転がり軸受の回転を制止する第2制止部とからなることを特徴とする軸受構造。
  8. 請求項に記載の軸受構造において、
    前記第1許容部は、該軸受の周方向に垂直な第1垂直面と、前記第1垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第1位置における前記第1玉の中心から前記第1玉の半径距離の位置に配置された第1平行面とからなり、前記第1玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1垂直面及び前記第1平行面に接することにより、前記第1位置へ前記第1玉を配置させるものであり、
    前記第1制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第2玉の直径より小さい幅を有し、前記第1垂直面に対向して前記逆の周方向側に配置された第1小垂直面と、前記第1平行面と前記第1小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第1傾斜面とからなり、前記第1玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第1玉が前記第1小垂直面及び前記第1傾斜面に接することにより、前記第1位置から前記第1玉を離間させると共に、前記第1玉により前記第1保持部材を押圧し、前記第1保持部材と共に前記第1被係止突起部を前記第1封入部材側へ移動させるものであり、
    前記第2許容部は、該軸受の周方向に垂直な第2垂直面と、前記第2垂直面に隣接して形成され、該軸受の周方向に平行であり、前記第2位置における前記第2玉の中心から前記第2玉の半径距離の位置に配置された第2平行面とからなり、前記第2玉が前記逆の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2垂直面及び前記第2平行面に接することにより、前記第2位置へ前記第2玉を配置させるものであり、
    前記第2制止部は、該軸受の周方向に垂直であり、該軸受の軸方向に前記第2玉の直径より小さい幅を有し、前記第2垂直面に対向して前記一方の周方向側に配置された第2小垂直面と、前記第2平行面と前記第2小垂直面との間に隣接して形成され、該軸受の周方向に対して鋭角な傾斜角を有する第2傾斜面とからなり、前記第2玉が前記一方の周方向に転動するとき、前記第2玉が前記第2小垂直面及び前記第2傾斜面に接することにより、前記第2位置から前記第2玉を離間させると共に、前記第2玉により前記第2保持部材を押圧し、前記第2保持部材と共に前記第2被係止突起部を前記第2封入部材側へ移動させるものであることを特徴とする軸受構造。
  9. 回転軸を揺動させる揺動回転電機であって、
    請求項1乃至請求項のいずれかに記載の軸受構造の前記第1内輪又は前記内輪の内周面に、前記回転軸の少なくとも一方側を保持することを特徴とする揺動回転電機。
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