JP2010249165A - 鉄道車両駆動ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】より信頼性の高い鉄道車両駆動ユニットを提供することである。
【解決手段】鉄道車両駆動ユニット12は、鉄道車両の車輪11を回転駆動する駆動ユニットであって、外径面に車輪11との相対回転を防止する回り止め構造40を有し、車輪11の内径面に保持されて車輪11と一体回転する減速機ハウジング13と、駆動源に接続されている入力側回転部材14と、入力側回転部材14の回転を減速して減速機ハウジング13に伝達する減速機構15とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、鉄道車両駆動ユニットに関し、特に、左右の車輪を独立して駆動可能な鉄道車両駆動ユニットに関するものである。
従来の鉄道車両駆動ユニットは、例えば、特開2007−230508号公報(特許文献1)に開示されている。同公報に開示されている鉄道車両駆動ユニットは、モータと、モータの回転を減速して車輪に伝達する減速機とを備える。
この鉄道車両駆動ユニットには、鉄道車両の運行に必要なトルクを発生させると共に、広い客室スペースを得るために、小型で高減速比が得られるサイクロイド減速機が採用されている。具体的には、モータと一体回転する入力軸と、入力軸に設けられた偏心部に回転自在に支持される曲線板と、曲線板の外周に係合して曲線板に自転運動を生じさせる外ピンと、曲線板の自転運動を回転運動に変換して車輪に伝達する内ピンとで構成される。
特開2007−230508号公報
鉄道車両の車輪には、鉄道車両本体の自重によるラジアル荷重と、旋回時の遠心力によるアキシアル荷重とが負荷される。ここで、上記構成の鉄道車両駆動ユニットは、車輪の荷重作用点が減速機から大きく離れているので、車輪から減速機に大きなモーメント荷重が負荷される。これは、減速機のスムーズな回転を阻害すると共に、鉄道車両駆動ユニットの耐久性を低下させる原因となる。
そこで、この発明の目的は、より信頼性の高い鉄道車両駆動ユニットを提供することである。
この発明に係る鉄道車両駆動ユニットは、鉄道車両の車輪を回転駆動する駆動ユニットであって、外径面に車輪との相対回転を防止する回り止め構造を有し、車輪の内径面に保持されて車輪と一体回転する減速機ハウジングと、駆動源に接続されている入力側回転部材と、入力側回転部材の回転を減速して減速機ハウジングに伝達する減速機構とを備える。
このように、鉄道車両駆動ユニットは、車輪を減速機ハウジングの外径面に嵌合固定したので、車輪の荷重作用点を適切な位置に配置することができる。このとき、減速機ハウジングの外径面には、回り止め構造を有するため、車輪との相対回転を適切に防止することができる。その結果、信頼性の高い鉄道車両駆動ユニットを得ることができる。
好ましくは、入力側回転部材は、偏心部を有し、減速機構は、偏心部に相対回転自在に保持されて、入力側回転部材の回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、公転部材の公転運動を許容しつつ、自転運動を阻止する自転規制部材と、減速機ハウジングに固定され、公転部材の外周に係合して減速機ハウジングを入力側回転部材に対して減速回転させる外周係合部材とを含む。このように、サイクロイド減速機を採用することにより、小型で高減速比を得ることができる。
一実施形態として、回り止め構造は、車輪の端面に当接する位置に設けられ、車輪を固定するボルトを螺合するためのボルト穴を有する凸部である。こうすることにより、簡易な方法で、車輪との相対回転を適切に防止することができる。
他の実施形態として、凸部は、減速機ハウジングの外径面に円環状に設けられるフランジ部である。
好ましくは、ボルト穴は、減速機ハウジングの円周上の複数箇所に設けられている。こうすることにより、車輪との相対回転を確実に防止することができる。
さらに好ましくは、複数のボルト穴は、円周方向に等間隔に設けられている。こうすることにより、車輪との相対回転を効率的に防止することができる。
さらに他の実施形態として、回り止め構造は、減速機ハウジングの外径面の回転中心からの距離が相対的に長い第1の部分と、回転中心からの距離が相対的に短い第2の部分とで構成される。こうすることにより、回り止め構造を構成する部品の数を減らすことができ、簡易な方法で、車輪との相対回転を適切に防止することができる。
好ましくは、減速機ハウジングの回転軸線に垂直な断面は、円を円周上の任意の二点で切断した形状であり、第1の部分は、円弧状の部分であって、第2の部分は、直線状の部分である。こうすることにより、簡易な加工方法で、車輪との相対回転を適切に防止することができる。
さらに他の実施形態として、回り止め構造は、車輪の内径面および減速機ハウジングの外径面に互いに対面するように形成された一対のキー溝と、一対のキー溝に収容されるキーとを含む。
この発明によると、鉄道車両駆動ユニットは、車輪を減速機ハウジングの外径面に嵌合固定したので、車輪の荷重作用点を適切な位置に配置することができる。このとき、減速機ハウジングの外径面には、回り止め構造を有するため、車輪との相対回転を適切に防止することができる。その結果、信頼性の高い鉄道車両駆動ユニットを得ることができる。
この発明の一実施形態に係る鉄道車両用車輪駆動装置を示す図である。 図1のII−IIにおける断面図である。 図1の偏心部周辺の拡大図である。 回り止め構造が、減速機ハウジングの外径面から径方向外側に突出し、円環状に設けられるフランジ部である例を示す図である。 回り止め構造が、減速機ハウジングの外径面の回転中心からの距離が相対的に長い第1の部分と、回転中心からの距離が相対的に短い第2の部分とで構成される例を示す図である。 回り止め構造が、一対のキー溝と、一対のキー溝に収容されるキーとを含む例を示す図である。
図1〜図3を参照して、この発明の一実施形態に係る鉄道車両駆動ユニット12および鉄道車両駆動ユニット12を含む鉄道車両用車輪駆動装置10を説明する。なお、図1は鉄道車両用車輪駆動装置10の概略断面図、図2は図1のII−IIにおける断面図、図3は偏心部16a,16b周辺の拡大図である。
まず、図1を参照して、鉄道車両用車輪駆動装置10は、鉄道車両用車輪11(以下「車輪11」という)と、車輪11の内径面に保持されて、駆動源(図示省略)の回転を減速して車輪11に伝達する駆動ユニット12(以下「鉄道車両駆動ユニット12」という)とで構成されており、鉄道車両本体(図示省略)の下部に配置されている。
鉄道車両駆動ユニット12は、減速機ハウジング13と、入力側回転部材14と、減速機構15と、固定部材としてのキャリア23と、第1および第2の車軸軸受24,25とを主に備える。
減速機ハウジング13は、車輪11の内径面に保持されると共に、内部に減速機構15を保持している。なお、減速機構15とは、偏心部材16、公転部材としての曲線板17,18、自転規制部材としての複数の内ピン19、外周係合部材としての複数の外ピン20、およびこれらに付随する部材によって構成されており、入力側回転部材14の回転を減速して減速機ハウジング13に伝達する。
減速機ハウジング13の外径面には、車輪11との相対回転を防止する回り止め構造40が設けられている。回り止め構造40は、減速機ハウジング13の外径面から径方向外側に突出する凸部41である。この実施形態においては、凸部41は、180°の間隔を空けて2箇所に設けられている。また、凸部41は、その軸方向位置が、車輪11の軸方向一方側端面に当接するように設けられている。また、凸部41には、軸方向に貫通し、車輪11を固定するボルト42を螺合するためのボルト穴41aが複数個所に設けられている。この実施形態においては、ボルト穴41aは、凸部41のそれぞれに2箇所設けられている。減速機ハウジング13は、このボルト穴41aにボルト42を螺合されることによって、車輪11の内径面に保持されている。
また、減速機ハウジング13の内径面とキャリア23の外径面との間には第1および第2の車軸軸受24,25が配置されている。そして、減速機ハウジング13は、キャリア23に対して回転自在となっており、車輪11と一体回転する出力側回転部材(車軸)としても機能する。
第1の車軸軸受24は、キャリア23の外径面に固定される内輪24aと、減速機ハウジング13の内径面に固定される外輪24bと、内輪24aおよび外輪24bの間に配置される複数の円すいころ24cと、隣接する円すいころ24cの間隔を保持する保持器24dとを含む円すいころ軸受である。第2の転がり軸受25も同様の構成であるので、説明は省略する。第1および第2の車軸軸受24,25として高負荷容量の円すいころ軸受を採用することにより、車輪11に作用するラジアル荷重およびアキシアル荷重を適切に支持することができる。
また、第1の車軸軸受24は車輪11の嵌合位置(より具体的には「車輪11の嵌合幅中心」であって、図1中一点鎖線で示す位置を指す)の軸方向一方側(図1中の右側)で、第2の車軸軸受25は車輪11の嵌合位置の軸方向他方側(図1中の左側)でそれぞれ減速機ハウジング13をキャリア23に対して回転自在に支持している。この実施形態においては、第1および第2の車軸軸受24,25それぞれの車輪11の嵌合幅中心からの距離(オフセット)は、等しく設定されている。
さらに、第1および第2の車軸軸受24,25は、互いの小径側端部を向かい合わせて配置されている(背面組合せ)。これにより、車輪11に作用するモーメント荷重を適切に支持することができる。
また、減速機ハウジング13の軸方向両端部には、減速機ハウジング13の内部に潤滑油を封入するための密封部材26,27が設けられている。この密封部材26,27は、キャリア23の外径面に摺接するリップ部を有し、減速機ハウジング13の内径面に固定されて、減速機ハウジング13と一体回転する。
入力側回転部材14は、駆動源(例えば、モータ等)に接続されて、駆動源の回転に伴って回転する。また、曲線板17,18の両側で転がり軸受28a,28bによって両持ち支持されており、キャリア23に対して回転自在に保持されている。なお、この実施形態においては、転がり軸受28a,28bとして円筒ころ軸受を採用している。また、転がり軸受28aのさらに外側(図1中の右側)は、減速機ハウジング13の内部に潤滑油を封入する密封部材29が配置されている。
偏心部材16は、第1および第2の偏心部16a,16bを有し、入力側回転部材14に嵌合固定されている。第1および第2の偏心部16a,16bは、偏心運動による遠心力を互いに打ち消しあう位相、つまり180°位相を変えて配置されている。すなわち、第1および第2の偏心部16a,16bは、偏心運動によって生じる不均一な荷重を吸収するバランス調整機構としても機能する。
曲線板17は、転がり軸受30によって第1の偏心部16aに相対回転自在に保持されている。そして、入力側回転部材14の回転軸心を中心とする公転運動を行う。また、図2を参照して、曲線板17は、厚み方向に貫通する第1および第2の貫通孔17a,17bと、外周にエピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成される複数の波形17cを有する。
第1の貫通孔17aは、曲線板17の中央部に形成されており、第1の偏心部16aおよび転がり軸受30を受け入れる。第2の貫通孔17bは、曲線板17の自転軸心を中心とする円周上に等間隔に複数個設けられており、キャリア23に保持される内ピン19を受入れる。波形17cは、減速機ハウジング13に保持される外ピン20に係合して、曲線板17の回転を減速機ハウジング13に伝達する。なお、曲線板18も同様の構成であって、転がり軸受31によって第2の偏心部16bに回転自在に保持されている。
転がり軸受30は、偏心部16aの外径面に嵌合し、その外径面に内側軌道面を有する内輪部材30aと、曲線板17の貫通孔17aの内径面に直接形成された外側軌道面と、内側軌道面および外側軌道面の間に配置される複数の円筒ころ30bと、隣接する円筒ころ30bの間隔を保持する保持器30cとを備える円筒ころ軸受である。転がり軸受31も同様の構成であるので、説明は省略する。
なお、2枚の曲線板17,18の中心点をGとすると、中心点Gは車輪11の中心位置と一致させているが、車輪11から鉄道車両駆動ユニット12に負荷されるモーメント荷重を極小化させるためには、中心点Gと車輪中心位置とをオフセットさせたほうがよい。これにより、構成部品(「曲線板17,18、内ピン19、および外ピン20等」を指す)が傾いて、接触部分に過大な負荷が生じるのを防止することができる。その結果、鉄道車両駆動ユニット12の回転がスムーズになると共に、耐久性が向上する。
また、2つの曲線板17,18の間には、複数の内ピン19に外接する外接リング34が配置されている。これにより、曲線板17,18の軸方向の動き量を規制している。なお、曲線板17,18と外接リング34とは滑り接触するので、互いに接触する壁面に研削加工を施す等するのが望ましい。また、この外接リング34の機能は、複数の内ピン19に内接する内接リング、または複数の外ピン20に内接する内接リングでも代替することができる。
内ピン19は、入力側回転部材14の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に複数個設けられている。複数の内ピン19のうちの一部は、中央に大径部と、両端に大径部より相対的に直径の小さい小径部とを有する略円柱形状である。そして、小径部がキャリア23に保持されると共に、大径部が曲線板17,18の第2の貫通孔17b,18bの内部に位置している。また、大径部の端面は、キャリア23の壁面に当接して内ピン19を位置決めする基準面として機能する。なお、他の内ピン19は、長手方向全域で直径が同一の単純円柱形状である。
さらに、曲線板17,18の第2の貫通孔17b,18bの内壁面に当接する位置(大径部)には、内ピン軸受19aが取り付けられている。これにより、曲線板17,18と内ピン19との摩擦抵抗を低減することができる。なお、この実施形態に係る内ピン軸受19aは、滑り軸受である。
なお、第2の貫通孔17b,18bの直径は、内ピン19の直径(「内ピン軸受19aを含む最大外径」を指す)と比較して所定分だけ大きく設定されている。その結果、内ピン19は、曲線板17,18が入力側回転部材14の回転に伴って回転しようとする際に、曲線板17,18の公転運動を許容しつつ、自転運動を阻止する自転規制部材として機能する。
外ピン20は、入力側回転部材14の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に複数個設けられている。この外ピン20は、その中央部が減速機ハウジング13に保持されると共に、両端部が車軸軸受24,25に当接して固定されている。そして、外ピン20は、曲線板17,18の波形17c,18cに係合して、減速機ハウジング13を入力側回転部材14に対して減速回転させる。
さらに、曲線板17,18の波形17c,18cに当接する位置には、外ピン軸受20aが取り付けられている。これにより、曲線板17,18と外ピン20との摩擦抵抗を低減することができる。なお、この実施形態に係る外ピン軸受20aは、滑り軸受である。
カウンタウェイト21は、重心と異なる位置に入力側回転部材14を受け入れる貫通孔を有し、偏心部16aの偏心運動による不釣合い慣性偶力を打消す位相、つまり偏心部16aと180°位相を変えて入力側回転部材14に嵌合固定されている。つまり、カウンタウェイト21は、偏心部16aの偏心運動によって生じる不均一な荷重を吸収するバランス調整機構として機能する。なお、カウンタウェイト22も同様の構成であって、偏心部16bの偏心運動による不釣合い慣性偶力を打ち消す位相で入力側回転部材14に嵌合固定されている。
図3を参照して、2枚の曲線板17,18の中心点Gの右側について、中心点Gと曲線板17の中心との距離をL、曲線板17、転がり軸受30、および偏心部16aの質量の和をm、曲線板17の重心の回転軸心からの偏心量をεとし、中心点Gとカウンタウェイト21との距離をL、カウンタウェイト21の質量をm、カウンタウェイト21の重心の回転軸心からの偏心量をεとすると、L×m×ε=L×m×εを満たす関係となっている。また、図3の中心点Gの左側の曲線板18とカウンタウェイト22との間にも同様の関係が成立する。
キャリア23は、鉄道車両本体に連結固定されており、曲線板17,18に対面する壁面に内ピン19を保持すると共に、外径面に嵌合固定された第1および第2の車軸軸受24,25によって減速機ハウジング13を、内径面に嵌合固定された転がり軸受28a,28bによって入力側回転部材14をそれぞれ回転自在に支持している。
また、キャリア23には、減速機構15と車軸軸受24,25との間で潤滑油を循環させる潤滑油循環機構を備える。この潤滑油循環機構は、入力側回転部材14の回転に伴って生じる遠心力を利用して潤滑油を循環させる。具体的には、キャリア23の内部を径方向に貫通し、潤滑油を径方向外側から径方向内側に向かって還流する複数の潤滑油路32,33が形成されている。
潤滑油路32の径方向外側の開口部は、第1の車軸軸受24の大径側端部と密封部材26との間に設けられている。同様に、潤滑油路33の径方向外側の開口部は、第2の車軸軸受25の大径側端部と密封部材27との間に設けられている。円すいころ軸受24,25の内部の潤滑油は、遠心力によって大径側端部から排出される。そこで、潤滑油路32,33の径方向外側の開口部は、第1および第2の車軸軸受24,25の大径側端部に隣接する位置に設けるのが望ましい。
一方、潤滑油路32の径方向内側の開口部は、偏心部16aに対面する位置に設けられている。同様に、潤滑油路32の径方向内側の開口部は、偏心部16bに対面する位置に設けられている。入力側回転部材14は高速回転するので、偏心部16a,16bの周辺、より具体的には転がり軸受30,31には多くの潤滑油が必要となる。そこで、潤滑油路32,33の径方向内側の開口部は、偏心部16a,16bに対面する位置に設けるのが望ましい。
このように、鉄道車両駆動ユニット12は、車輪11を減速機ハウジング13の外径面に嵌合固定したので、車輪11の荷重作用点を適切な位置に配置することができる。このとき、減速機ハウジング13の外径面には、回り止め構造40を有するため、車輪11との相対回転を適切に防止することができる。その結果、信頼性の高い鉄道車両駆動ユニット12を得ることができる。
なお、車輪を減速機ハウジングの外径面に嵌合固定する他の方法として、締め代を大きく設けて圧入することも考えられる。しかし、締め代を大きく設けると、減速機ハウジングや、減速機ハウジングの内部に保持される減速機構等に、変形を生じる虞がある。本発明では、減速機ハウジングの外径面に、回り止め構造を有する構成であるため、締め代を大きく設ける必要はない。したがって、減速機ハウジングや、減速機ハウジングの内部に保持される減速機構等の変形を適切に防止することができる。
ここで、上記構成の鉄道車両駆動ユニット12の作動原理を詳しく説明する。
まず、駆動源の回転に伴って入力側回転部材14および偏心部材16が一体回転する。このとき、曲線板17,18も回転しようとするが、第2の貫通孔17b,18bに挿通する内ピン19に自転運動を阻止され、公転運動のみを行うことになる。つまり、曲線板17,18は、入力側回転部材14の回転軸心を中心とする円周軌道上を平行移動する。
曲線板17,18が公転運動すると、波形17c,18cと外ピン20とが係合し、減速機ハウジング13および車輪11が入力側回転部材14と同一方向に一体回転する。このとき、曲線板17,18から減速機ハウジング13に伝達される回転は減速され、高ト
ルクになっている。
具体的には、外ピン20の数をZ、曲線板17,18の波形の数をZとすると、鉄道車両駆動ユニット12の減速比はZ/(Z−Z)で算出され、さらに減速比をnとすると、図1の実施形態における速度比は1/(n+1)で算出される。図2に示す実施形態では、Z=24、Z=22であるので、減速比は11となり、速度比は1/12となる。したがって、低トルク、高回転型の駆動源を採用した場合でも、車輪11に必要なトルクを伝達することが可能となる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速機構15を採用することにより、コンパクトで高減速比の鉄道車両駆動ユニット12を得ることができる。また、内ピン19および外ピン20の曲線板17,18に当接する位置に内ピン軸受19aおよび外ピン軸受20aを設けたことにより、接触部分の摩擦抵抗が低減される。その結果、鉄道車両駆動ユニット12の伝達効率が向上する。
次に、上記構成の鉄道車両駆動ユニット12の潤滑油の流れを詳しく説明する。
まず、減速機ハウジング13の内部には、予め潤滑油が封入されている。この潤滑油は、入力側回転部材14が回転に伴う遠心力によって径方向外側に運ばれる。このとき、転がり軸受28a,28b,30,31、曲線板17,18と転がり軸受30,31との間、曲線板17,18と内ピン19との間、内ピン19と内ピン軸受19aとの間、曲線板17,18と外接リング34との間、曲線板17,18と外ピン20との間、および外ピン20と外ピン軸受20aとの間にそれぞれ供給される。
さらに、潤滑油は、第1および第2の車軸軸受24,25の小径側端部から軸受内部を通って、大径側端部側に排出される。そして、第1および第2の車軸軸受24,25と密封部材26,27とで囲まれた空間に到達した潤滑油は、潤滑油路32,33を通って入力側回転部材14の周辺に還流する。
このように、鉄道車両駆動ユニット12の内部で潤滑油を循環させることにより、潤滑油の封入量を削減することができる。その結果、鉄道車両駆動ユニット12の発熱およびトルク損失を低減することができると共に、高速回転部(「偏心部材16の周辺」を指す)の潤滑を確保することができる。また、入力側回転部材14の回転に伴う遠心力を利用して潤滑油を循環させることにより、外部に循環装置を設ける場合と比較して装置をコンパクト化することができる。
なお、上記の実施形態においては、凸部41は、180°の間隔を空けて2箇所に設けられている例について説明したが、これに限ることなく、1箇所に設けてもよいし、減速機ハウジング13の円周上の複数箇所に設けてもよい。複数箇所に設ける場合には、等間隔に設けてもよい。
また、上記の実施形態においては、ボルト穴41aは、凸部41のそれぞれに2箇所設けられている例について説明したが、これに限ることなく、1箇所に設けてもよいし、複数個所に設けてもよい。複数箇所に設ける場合には、等間隔に設けてもよい。
また、上記の実施形態においては、回り止め構造40は、減速機ハウジング13の外径面から径方向外側に突出する凸部41である例について説明したが、これに限ることなく、減速機ハウジング13の外径面から径方向外側に突出し、円環状に設けられるフランジ部であってもよい。図4は、回り止め構造50が、減速機ハウジング13の外径面から径方向外側に突出し、円環状に設けられるフランジ部51である例を示す図である。なお、図4は、鉄道車両駆動ユニット12を軸方向、すなわち、図1中の矢印Aの方向から見た図である。図4を参照して、フランジ部51は、減速機ハウジング13の外径面から径方向外側に突出し、円環状に設けられている。また、フランジ部51には、軸方向に貫通し、車輪11を固定するボルト52を螺合するためのボルト穴51aが、複数個所に設けられている。こうすることにより、車輪11との相対回転を確実に防止することができる。また、複数のボルト穴51aは、円周方向に等間隔に設けられている。こうすることにより、車輪11との相対回転を効率的に防止することができる。
また、上記の実施形態においては、回り止め構造40は、減速機ハウジング13の外径面から径方向外側に突出する凸部41である例について説明したが、これに限ることなく、減速機ハウジング13の外径面の回転中心からの距離が相対的に長い第1の部分と、回転中心からの距離が相対的に短い第2の部分とで構成されてもよい。図5は、回り止め構造60が、減速機ハウジング13の外径面の回転中心Oからの距離が相対的に長い第1の部分61aと、回転中心Oからの距離が相対的に短い第2の部分61bとで構成される例を示す図である。なお、図5は、鉄道車両駆動ユニット12を図1中の矢印Aの方向から見た図である。図5を参照して、回り止め構造60は、減速機ハウジング13の回転軸線に垂直な断面において、円を円周上の任意の二点で切断した形状である。第1の部分61aは、円弧状の部分であって、第2の部分61bは、直線状の部分である。そして、第1の部分61aと回転中心Oとの距離は、第2の部分61bと回転中心Oとの距離より長くなっている。こうすることにより、回り止め構造60を構成する部材の数を減らすことができ、簡易な方法で、車輪11との相対回転を適切に防止することができる。
また、上記の実施形態においては、回り止め構造40は、減速機ハウジング13の外径面から径方向外側に突出する凸部41である例について説明したが、これに限ることなく、車輪11の内径面および減速機ハウジング13の外径面に互いに対面するように形成された一対のキー溝と、一対のキー溝に収容されるキーとを含むものであってもよい。図6は、回り止め構造70が、一対のキー溝71a,71bと、一対のキー溝71a,71bに収容されるキー72とを含む例を示す図である。なお、図6は、鉄道車両駆動ユニット12を図1中の矢印Aの方向から見た図である。図6を参照して、車輪11には、内径面に径方向外側に凹むキー溝71bが設けられている。また、減速機ハウジング13には、外径面に径方向内側に凹むキー溝71aが設けられている。車輪11のキー溝71bと、減速機ハウジング13のキー溝71aとは、対面するように配置されている。そして、減速機ハウジング13のキー溝71aと、車輪11に設けられているキー溝71bとが対面するように配置されることによって形成された空間に、キー72が収容されている。
また、上記の実施形態においては、減速機構15の曲線板17,18を180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、上記の実施形態において、偏心部16a,16bを有する偏心部材16を入力側回転部材14に嵌合固定した例を示したが、これに限ることなく、入力側回転部材14の外径面に直接偏心部16a,16bを形成してもよい。
また、上記の実施形態における転がり軸受24,25,28a,28b,30,31は、図1の形態に限定されることなく、例えば、すべり軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、3点接触球軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。
また、上記の実施形態における内ピン軸受19aおよび外ピン軸受20aは、滑り軸受である例を示したが、これに限ることなく、転がり軸受を採用してもよい。この場合、厚み方向にコンパクト化する観点から針状ころ軸受を採用するのが望ましい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明は、鉄道車両駆動ユニットに有利に利用される。
10 鉄道車両用車輪駆動装置、11 車輪、12 鉄道車両駆動ユニット、13 減速機ハウジング、14 入力側回転部材、15 減速機構、16 偏心部材、16a,16b 偏心部、17,18 曲線板、17a,17b,18a,18b 貫通孔、17c,18c 波形、19 内ピン、20 外ピン、19a,20a 軸受、21,22 カウンタウェイト、23 キャリア、24,25 車軸軸受、24a,25a 内輪、24b,25b 外輪、24c,25c,30b,31b 円すいころ、24d,25d,30c,31c 保持器、26,27,29 密封部材、28a,28b,30,31 転がり軸受、30a,31a 内輪部材、32,33 潤滑油路、34 外接リング、40,50,60,70 回り止め構造、41 凸部、41a,51a ボルト穴、42,52 ボルト、51 フランジ部、61a 第1の部分、61b 第2の部分、71a,71b キー溝、72 キー。

Claims (9)

  1. 鉄道車両の車輪を回転駆動する駆動ユニットであって、
    外径面に車輪との相対回転を防止する回り止め構造を有し、車輪の内径面に保持されて車輪と一体回転する減速機ハウジングと、
    駆動源に接続されている入力側回転部材と、
    前記入力側回転部材の回転を減速して前記減速機ハウジングに伝達する減速機構とを備える、鉄道車両駆動ユニット。
  2. 前記入力側回転部材は、偏心部を有し、
    前記減速機構は、前記偏心部に相対回転自在に保持されて、前記入力側回転部材の回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、
    前記公転部材の公転運動を許容しつつ、自転運動を阻止する自転規制部材と、
    前記減速機ハウジングに固定され、前記公転部材の外周に係合して前記減速機ハウジングを前記入力側回転部材に対して減速回転させる外周係合部材とを含む、請求項1に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  3. 前記回り止め構造は、車輪の端面に当接する位置に設けられ、車輪を固定するボルトを螺合するためのボルト穴を有する凸部である、請求項1または2に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  4. 前記凸部は、前記減速機ハウジングの外径面に円環状に設けられるフランジ部である、請求項3に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  5. 前記ボルト穴は、前記減速機ハウジングの円周上の複数箇所に設けられている、請求項3または4に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  6. 前記複数のボルト穴は、円周方向に等間隔に設けられている、請求項5に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  7. 前記回り止め構造は、前記減速機ハウジングの外径面の回転中心からの距離が相対的に長い第1の部分と、回転中心からの距離が相対的に短い第2の部分とで構成される、請求項1または2に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  8. 前記減速機ハウジングの回転軸線に垂直な断面は、円を円周上の任意の二点で切断した形状であり、前記第1の部分は、円弧状の部分であって、前記第2の部分は、直線状の部分である、請求項7に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  9. 前記回り止め構造は、車輪の内径面および前記減速機ハウジングの外径面に互いに対面するように形成された一対のキー溝と、前記一対のキー溝に収容されるキーとを含む、請求項1または2に記載の鉄道車両駆動ユニット。
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