JP2010043697A - 鉄道車両駆動ユニット - Google Patents

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【課題】小型で高減速比が得られると共に、組立性に優れた鉄道車両駆動ユニットを提供する。
【解決手段】鉄道車両駆動ユニット12は、減速機ハウジング13と、入力側回転部材14と、公転部材17,18と、複数の自転規制部材19,20と、第1および第2の固定部材24,25と、外周係合部材21とを備える。複数の自転規制部材のうちの少なくとも一部は、軸方向中央部に大径部19aと、軸方向両端部に第1および第2の小径部19b,19cとを含み、第1および第2の固定部材24,25に両持ち支持される両持ち自転規制部材19であって、第1の小径部19bと第1の固定部材24とは直接固定されており、第2の小径部19cと第2の固定部材25とは押圧固定手段によって第2の固定部材25を大径部19aの端面に押し付けて固定されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、鉄道車両駆動ユニット、特に左右の車輪を独立して駆動可能な鉄道車両駆動ユニットに関するものである。
従来の鉄道車両駆動ユニットは、例えば、特開2007−230508号公報(特許文献1)に開示されている。同公報に開示されている鉄道車両駆動ユニットは、モータと、モータの回転を減速して車輪に伝達する減速機とを備える。
この鉄道車両駆動ユニットには、鉄道車両の運行に必要なトルクを発生させると共に、広い客室スペースを得るために、小型で高減速比が得られるサイクロイド減速機が採用されている。具体的には、モータと一体回転する入力軸と、入力軸に設けられた偏心部に回転自在に支持される曲線板と、曲線板の外周に係合して曲線板に自転運動を生じさせる外ピンと、曲線板の自転運動を回転運動に変換して車輪に伝達する内ピンとで構成される。
特開2007−230508号公報
鉄道車両の車輪には、鉄道車両本体の自重によるラジアル荷重と、旋回時の遠心力によるアキシアル荷重とが負荷される。ここで、上記構成の鉄道車両駆動ユニットは、車輪の荷重の作用する位置が減速機から大きく離れているので、車輪から減速機に大きなモーメント荷重が負荷される。これは、減速機のスムーズな回転を阻害すると共に、鉄道車両駆動ユニットの耐久性を低下させる原因となる。
そこで、この発明の目的は、小型で高減速比が得られると共に、組立性に優れた鉄道車両駆動ユニットを提供することである。
この発明に係る鉄道車両駆動ユニットは、鉄道車両の車輪を回転駆動する駆動ユニットである。具体的には、車輪の内径面に保持されて、車輪と一体回転する減速機ハウジングと、偏心部を有し、駆動源に接続されている入力側回転部材と、偏心部に相対回転自在に保持されて、入力側回転部材の回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、公転部材の公転運動を許容しつつ、自転運動を阻止する複数の自転規制部材と、公転部材の厚み方向一方側および他方側に配置され、それぞれが車両本体に連結固定される第1および第2の固定部材と、減速機ハウジングに固定され、公転部材の外周に係合して減速機ハウジングを入力側回転部材に対して減速回転させる外周係合部材とを備える。複数の自転規制部材のうちの少なくとも一部は、軸方向中央部に大径部と、軸方向両端部に大径部より直径が小さい第1および第2の小径部とを含み、第1および第2の固定部材に両持ち支持される両持ち自転規制部材であって、第1の小径部と第1の固定部材とは、直接固定されており、第2の小径部と第2の固定部材とは、押圧固定手段によって第2の固定部材を大径部の端面に押し付けて固定されている。
サイクロイド減速機を採用することにより、小型で高減速比を得ることができる。また、車輪を減速機ハウジングの外径面に嵌合固定したので、重心を車輪の適切な位置、具体的には、幅方向の中心に配置することができる。その結果、信頼性の高い鉄道車両駆動ユニットを得ることができる。
一実施形態として、第2の固定部材は、第2の小径部の直径より大きく、第2の小径部を受け入れる貫通孔を有し、押圧固定手段は、第2の小径部に設けられた雄ねじと、雄ねじに螺合するナットとで構成されている。
また、第1の固定部材は、内壁面に雌ねじが形成された孔を有し、第1の小径部は、雌ねじに螺合する雄ねじを有する。
上記構成とすることにより、内ピンと第1および第2の固定部材とを組み立てる際に、ある程度の製造誤差や取付け誤差を許容することができる。その結果、組立性に優れた鉄道車両駆動ユニットを得ることができる。
好ましくは、大径部と第1の小径部との間、および大径部と第2の小径部との間の少なくともいずれか一方には、第1および第2の固定部材に対して両持ち自転規制部材を位置決めする案内部が設けられている。一実施形態として、案内部は、両持ち自転規制部材の端部に向かって直径が徐々に小さくなる円錐形状である。
好ましくは、複数の自転規制部材のうちの一部は、その軸方向一方側端部のみを第1の固定部材に片持ち支持されている片持ち自転規制部材である。一実施形態として、片持ち自転規制部材は、第1の固定部材に圧入固定されている。
好ましくは、両持ち自転規制部材は、片持ち自転規制部材よりも少ない。組立性の向上および部品点数の削減の観点からは、両持ち自転規制部材を少なくするのが望ましい。
更に好ましくは、両持ち自転規制部材は等間隔に配置されている。公転部材から負荷される荷重を適切に支持するためには、両持ち支持部材を等間隔に配置するのが望ましい。片持ち自転規制部材についても同様である。
この発明によれば、サイクロイド減速機を採用したので、小型で高減速比を得ることができる。また、車輪を減速機ハウジングの外径面に嵌合固定したので、重心を車輪の適切な位置、具体的には、幅方向の中心に配置することができる。また、ある程度の製造誤差や取付け誤差を許容して、組立性に優れた鉄道車両駆動ユニットを得ることができる。
図1〜図5を参照して、この発明の一実施形態に係る鉄道車両駆動ユニット12および鉄道車両駆動ユニット12を含む鉄道車両用車輪駆動装置10を説明する。なお、図1は鉄道車両用車輪駆動装置10の概略断面図、図2は図1のII−IIにおける断面図、図3は偏心部16a,16b周辺の拡大図、図4は内ピン19の拡大図、図5は内ピン20の拡大図である。
まず、図1を参照して、鉄道車両用車輪駆動装置10は、鉄道車両用車輪11(以下「車輪11」という)と、車輪11の内径面に保持されて、駆動源(図示省略)の回転を減速して車輪11に伝達する駆動ユニット12(以下「鉄道車両駆動ユニット12」という)とで構成されており、鉄道車両本体(図示省略)の下部に配置されている。
鉄道車両駆動ユニット12は、減速機ハウジング13と、入力側回転部材14と、減速機構15と、固定部材としての第1および第2のキャリア24,25と、第1および第2の車軸軸受26,27とを主に備える。
減速機ハウジング13は、車輪11の内径面に保持されると共に、内部に減速機構15を保持している。なお、減速機構15とは、偏心部材16、公転部材としての曲線板17,18、自転規制部材としての複数の内ピン19,20、外周係合部材としての複数の外ピン21、およびこれらに付随する部材によって構成されており、入力側回転部材14の回転を減速して減速機ハウジング13に伝達する。
また、減速機ハウジング13の内径面と第1および第2のキャリア24,25の外径面との間には第1および第2の車軸軸受26,27が配置されている。そして、減速機ハウジング13は、第1および第2のキャリア24,25に対して回転自在となっており、車輪11と一体回転する出力側回転部材(車軸)としても機能する。
第1の車軸軸受26は、第1のキャリア24の外径面に固定される内輪26aと、減速機ハウジング13の内径面に固定される外輪26bと、内輪26aおよび外輪26bの間に配置される複数の円錐ころ26cと、隣接する円錐ころ26cの間隔を保持する保持器26dとを含む円錐ころ軸受である。第2の転がり軸受27も同様の構成であるので、説明は省略する。第1および第2の車軸軸受26,27として高負荷容量の円錐ころ軸受を採用することにより、車輪11に作用するラジアル荷重およびアキシアル荷重を適切に支持することができる。
また、第1の車軸軸受26は車輪11の嵌合位置(より具体的には「車輪11の嵌合幅中心」であって、図1中一点鎖線lで示す位置を指す)の軸方向一方側(図1中の右側)で、第2の車軸軸受27は車輪11の嵌合位置の軸方向他方側(図2中の左側)でそれぞれ減速機ハウジング13を第1および第2のキャリア24,25に対して回転自在に支持している。この実施形態においては、第1および第2の車軸軸受26,27それぞれの車輪11の嵌合幅中心からの距離(オフセット)は、等しく設定されている。
さらに、第1および第2の車軸軸受26,27は、互いの小径側端部を向かい合わせて配置されている(背面組合せ)。これにより、車輪11に作用するモーメント荷重を適切に支持することができる。
また、減速機ハウジング13の軸方向両端部には、減速機ハウジング13の内部に潤滑油を封入するための密封部材28,29が設けられている。この密封部材28,29は、第1および第2のキャリア24,25の外径面に摺接するリップ部を有し、減速機ハウジング13の内径面に固定されて、減速機ハウジング13と一体回転する。
入力側回転部材14は、駆動源(例えば、モータ等)に接続されて、駆動源の回転に伴って回転する。また、曲線板17,18の両側で転がり軸受30a,30bによって両持ち支持されており、第1および第2のキャリア24,25に対して回転自在に保持されている。なお、この実施形態においては、転がり軸受30a,30bとして円筒ころ軸受を採用している。また、転がり軸受30aのさらに外側(図1中の右側)は、減速機ハウジング13の内部に潤滑油を封入する密封部材31が配置されている。
偏心部材16は、第1および第2の偏心部16a,16bを有し、入力側回転部材14に嵌合固定されている。第1および第2の偏心部16a,16bは、偏心運動による遠心力を互いに打ち消しあう位相、つまり180°位相を変えて配置されている。すなわち、第1および第2の偏心部16a,16bは、偏心運動によって生じる不均一な荷重を吸収するバランス調整機構としても機能する。
曲線板17は、転がり軸受32によって第1の偏心部16aに相対回転自在に保持されている。そして、入力側回転部材14の回転軸心を中心とする公転運動を行う。また、図2を参照して、曲線板17は、厚み方向に貫通する第1および第2の貫通孔17a,17bと、外周にエピトロコイド等のトロコイド系曲線で構成される複数の波形17cを有する。
第1の貫通孔17aは、曲線板17の中央部に形成されており、第1の偏心部16aおよび転がり軸受32を受け入れる。第2の貫通孔17bは、曲線板17の自転軸心を中心とする円周上に等間隔に複数個設けられており、第1および第2のキャリア24,25に保持される内ピン19,20を受入れる。波形17cは、減速機ハウジング13に保持される外ピン21に係合して、曲線板17の回転を減速機ハウジング13に伝達する。なお、曲線板18も同様の構成であって、転がり軸受33によって第2の偏心部16bに回転自在に保持されている。
転がり軸受32は、偏心部16aの外径面に嵌合し、その外径面に内側軌道面を有する内輪部材32aと、曲線板17の貫通孔17aの内径面に直接形成された外側軌道面と、内側軌道面および外側軌道面の間に配置される複数の円筒ころ32bと、隣接する円筒ころ32bの間隔を保持する保持器32cとを備える円筒ころ軸受である。転がり軸受33も同様の構成であるので、説明は省略する。
なお、2枚の曲線板17,18の中心点をGとすると、中心点Gは車輪11の重心位置と一致させているが、車輪11から鉄道車両駆動ユニット12に負荷されるモーメント荷重を極小化させるためには、中心点Gと車輪重心位置とをオフセットさせたほうがよい。これにより、構成部品(「曲線板17,18、内ピン19,20、および外ピン21等」を指す)が傾いて、接触部分に過大な負荷が生じるのを防止することができる。その結果、鉄道車両駆動ユニット12の回転がスムーズになると共に、耐久性が向上する。
また、2つ曲線板17,18の間には、複数の内ピン19,20に外接する外接リング36が配置されている。これにより、曲線板17,18の軸方向の動き量を規制している。なお、曲線板17,18と外接リング36とは滑り接触するので、互いに接触する壁面に研削加工を施す等するのが望ましい。また、この外接リング36の機能は、複数の内ピン19,20に内接する内接リング、または複数の外ピン21に内接する内接リングでも代替することができる。
内ピン19,20は、入力側回転部材14の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に複数個設けられている。また、曲線板17,18の第2の貫通孔17b,18bの内壁面に当接する位置(両持ち内ピン19では、大径部19aの位置)には、内ピンカラー19e,20eが取り付けられている。これにより、曲線板17,18と内ピン19,20との摩擦抵抗を低減することができる。なお、この実施形態における内ピンカラー19e,20eは、滑り軸受である。
図4を参照して、内ピン19は、軸方向中央部に大径部19aと、軸方向両端部に大径部19aより直径が小さい第1および第2の小径部19b,19cと、大径部19aと第1および第2の小径部19b,19cの間に案内部19dとを含む。第1および第2の小径部19b,19cの外周面には、それぞれ雄ねじが形成されている。案内部19dの外径は、両持ち内ピン19を受け入れる孔24a,25aの内径と一致するように設定されており、第1および第2のキャリア24,25に対して内ピン19の径方向の位置決めをするために用いられる。
この内ピン19は、第1および第2のキャリア24,25に両持ち支持される両持ち内ピンである。より具体的には、第1の小径部19bは、第1のキャリア24に直接固定されており、第2の小径部19cは、押圧固定手段(後述する)によって第2のキャリア25を大径部19aの端面に押し付けて固定されている。
図5を参照して、内ピン20は、長手方向全域で直径が同一の単純円柱形状であって、軸方向一方側端部のみを第1のキャリア24に片持ち支持されている片持ち内ピンである。
なお、第2の貫通孔17b,18bの直径は、内ピン19,20の直径(「内ピンカラー19e,20eを含む最大外径」を指す)と比較して所定分だけ大きく設定されている。その結果、内ピン19は、曲線板17,18が入力側回転部材14の回転に伴って回転しようとする際に、曲線板の公転運動を許容しつつ、自転運動を阻止する自転規制部材として機能する。
外ピン21は、入力側回転部材14の回転軸心を中心とする円周軌道上に等間隔に複数個設けられている。この外ピン21は、その中央部が減速機ハウジングに保持されると共に、両端部が車軸軸受26,27に当接して固定されている。そして、外ピン21は、曲線板17,18の波形17c,18cに係合して、減速機ハウジング13を入力側回転部材14に対して減速回転させる。
さらに、曲線板17,18の波形17c,18cに当接する位置には、外ピンカラー21aが取り付けられている。これにより、曲線板17,18と外ピン21との摩擦抵抗を低減することができる。なお、この実施形態に係る外ピンカラー21aは、滑り軸受である。
カウンタウェイト22は、重心と異なる位置に入力側回転部材14を受け入れる貫通孔を有し、偏心部16aの偏心運動による不釣合い慣性偶力を打消す位相、つまり偏心部16aと180°位相を変えて入力側回転部材14に嵌合固定されている。つまり、カウンタウェイト22は、偏心部16aの偏心運動によって生じる不均一な荷重を吸収するバランス調整機構として機能する。なお、カウンタウェイト23も同様の構成であって、偏心部16bの偏心運動による不釣合い慣性偶力を打ち消す位相で入力側回転部材14に嵌合固定されている。
図3を参照して、2枚の曲線板17,18の中心点Gの右側について、中心点Gと曲線板17の中心との距離をL、曲線板17、転がり軸受32、および偏心部16aの質量の和をm、曲線板17の重心の回転軸心からの偏心量をεとし、中心点Gとカウンタウェイト22との距離をL、カウンタウェイト22の質量をm、カウンタウェイト22の重心の回転軸心からの偏心量をεとすると、L×m×ε=L×m×εを満たす関係となっている。また、図3の中心点Gの左側の曲線板18とカウンタウェイト23との間にも同様の関係が成立する。
第1および第2のキャリア24,25は、鉄道車両の台車部(図示省略)に連結固定されており、曲線板17,18に対面する壁面に内ピン19,20を保持すると共に、外径面に嵌合固定された第1および第2の車軸軸受26,27によって減速機ハウジング13を、内径面に嵌合固定された転がり軸受30a,30bによって入力側回転部材14をそれぞれ回転自在に支持している。
第1のキャリア24は、両持ち内ピン19の第1の小径部19bを受け入れる孔24aと、片持ち内ピン20の軸方向一方側端部を受け入れる孔24bとを有する。なお、孔24aは、内壁面に雌ねじが形成されているねじ穴である。一方、孔24bは、単純孔(ねじが形成されていない孔)である。
第2のキャリア25は、両持ち内ピン19の第2の小径部19cを受け入れる貫通孔25aと、片持ち内ピン20の軸方向他方側端部を受け入れる孔25bとを有する。なお、貫通孔25aの直径は第2の小径部19cより、孔25bの直径は片持ち内ピン20のよりそれぞれ大きく設定されている。
ここで、内ピン19,20を第1および第2のキャリア24,25に取り付ける方法を説明する。まず、内ピン19,20を第1のキャリア24に固定する。具体的には、両持ち内ピン19の第1の小径部19bを孔24aに螺合固定すると共に、片持ち内ピン20の軸方向一方側端部を孔24bに圧入固定する。
なお、内ピン19,20と第1のキャリア24との固定方法は、上記の例に限ることなく、例えば、両持ち内ピン19の一方側端部を孔24aに圧入し、片持ち内ピン20の一方側端部と孔24bとにねじを形成して両者を螺合してもよい。
次に、内ピン19,20それぞれに内ピンカラー19e,20eを嵌め入れる。
そして、両持ち内ピン19の第2の小径部19cが貫通孔25aに、片持ち内ピン20の軸方向他方側端部が孔25bにそれぞれ嵌まり込むように第2のキャリア25を嵌め入れる。このとき、内ピン19,20と貫通孔25a,25bとの間には隙間が設けられているので、ある程度の製造誤差や取付け誤差を許容することができる。
最後に、両持ち内ピン19を押圧固定手段によって固定する。この実施形態における押圧固定手段は、第2の小径部19cに設けられた雄ねじと、これに螺合するナット37とで構成される。つまり、第2の小径部19cにナット37を螺合すると、第2のキャリア25が大径部19aに押し付けられるので、両持ち内ピン19が第1および第2のキャリア24,25に対して強固に固定される。
このとき、案内部19dによって、両持ち内ピン19が径方向に位置決めされる。なお、図4に示す案内部19dは円柱形状であるが、これに限らず、任意の形状を採用することができる。例えば、図6を参照して、案内部を両持ち内ピン19の端部に向かって直径が徐々に小さくなる円錐形状とし、孔24a,25aの両持ち内ピン19対面する側の開口部も案内部の形状に対応する円錐面とすれば、さらに簡単に位置決めを行うことができる。
上記のようにすることで、鉄道車両駆動ユニット12の組立性が向上する。なお、組立性向上および部品点数の削減等の観点からは、両持ち内ピン19を片持ち内ピン20よりも少なくするのが望ましい。ただし、内ピン19,20には曲線板17,18から荷重が負荷されるので、両持ち内ピン19および片持ち内ピン20は、それぞれ等間隔に配置するのが望ましい。
また、第1および第2のキャリア24,25には、減速機構15と車軸軸受26,27との間で潤滑油を循環させる潤滑油循環機構を備える。この潤滑油循環機構は、入力側回転部材14の回転に伴って生じる遠心力を利用して潤滑油を循環させる。具体的には、第1および第2のキャリア24,25の内部を径方向に貫通し、潤滑油を径方向外側から径方向内側に向かって還流する複数の潤滑油路34,35が形成されている。
潤滑油路34の径方向外側の開口部は、第1の車軸軸受26の大径側端部と密封部材28との間に設けられている。同様に、潤滑油路35の径方向外側の開口部は、第2の車軸軸受27の大径側端部と密封部材29との間に設けられている。円錐ころ軸受26,27の内部の潤滑油は、遠心力によって大径側端部から排出される。そこで、潤滑油路34,35の径方向外側の開口部は、第1および第2の車軸軸受26,27の大径側端部に隣接する位置に設けるのが望ましい。
一方、潤滑油路34の径方向内側の開口部は、偏心部16aに対面する位置に設けられている。同様に、潤滑油路35の径方向内側の開口部は、偏心部16bに対面する位置に設けられている。入力側回転部材14は高速回転するので、偏心部16a,16bの周辺、より具体的には転がり軸受32,33には多くの潤滑油が必要となる。そこで、潤滑油路34,35の径方向内側の開口部は、偏心部16a,16bに対面する位置に設けるのが望ましい。
上記構成の鉄道車両駆動ユニット12の作動原理を詳しく説明する。
まず、駆動源の回転に伴って入力側回転部材14および偏心部材16が一体回転する。このとき、曲線板17,18も回転しようとするが、第2の貫通孔17b,18bに挿通する内ピン19,20に自転運動を阻止され、公転運動のみを行うことになる。つまり、曲線板17,18は、入力側回転部材14の回転軸心を中心とする円周軌道上を平行移動する。
曲線板17,18が公転運動すると、波形17c,18cと外ピン21とが係合し、減速機ハウジング13および車輪11が入力側回転部材14と同一方向に一体回転する。このとき、曲線板17,18から減速機ハウジング13に伝達される回転は減速され、高トルクになっている。
具体的には、外ピン21の数をZ、曲線板17,18の波形の数をZとすると、鉄道車両駆動ユニット12の減速比はZ/(Z−Z)で算出され、さらに減速比をnとすると、図1の実施形態における速度比は1/(n+1)で算出される。図2に示す実施形態では、Z=24、Z=22であるので、減速比は11となり、速度比は1/12となる。したがって、低トルク、高回転型の駆動源を採用した場合でも、車輪11に必要なトルクを伝達することが可能となる。
このように、多段構成とすることなく大きな減速比を得ることができる減速機構15を採用することにより、コンパクトで高減速比の鉄道車両駆動ユニット12を得ることができる。また、内ピン19,20および外ピン21の曲線板17,18に当接する位置にカラー19e,20e,21aを設けたことにより、接触部分の摩擦抵抗が低減される。その結果、鉄道車両駆動ユニット12の伝達効率が向上する。
次に、上記構成の鉄道車両駆動ユニット12の潤滑油の流れを詳しく説明する。
まず、減速機ハウジング13の内部には、予め潤滑油が封入されている。この潤滑油は、入力側回転部材14が回転に伴う遠心力によって径方向外側に運ばれる。このとき、転がり軸受30a,30b,32,33、曲線板17,18と転がり軸受32,33との間、曲線板17,18と内ピン19,20との間、内ピン19,20と内ピンカラー19e,20eとの間、曲線板17,18と外接リング36との間、曲線板17,18と外ピン21との間、および外ピン21と外ピンカラー21aとの間にそれぞれ供給される。
さらに、潤滑油は、第1および第2の車軸軸受26,27の小径側端部から軸受内部を通って、大径側端部側に排出される。そして、第1および第2の車軸軸受26,27と密封部材28,29とで囲まれた空間に到達した潤滑油は、潤滑油路34,35を通って入力側回転部材14の周辺に還流する。
このように、鉄道車両駆動ユニット12の内部で潤滑油を循環させることにより、潤滑油の封入量を削減することができる。その結果、鉄道車両駆動ユニット12の発熱およびトルク損失を低減することができると共に、高速回転部(「偏心部材16の周辺」を指す)の潤滑を確保することができる。また、入力側回転部材14の回転に伴う遠心力を利用して潤滑油を循環させることにより、外部に循環装置を設ける場合と比較して装置をコンパクト化することができる。
なお、上記の実施形態においては、減速部Bの曲線板17,18を180°位相を変えて2枚設けたが、この曲線板の枚数は任意に設定することができ、例えば、曲線板を3枚設ける場合は、120°位相を変えて設けるとよい。
また、上記の実施形態において、偏心部16a,16bを有する偏心部材16を入力側回転部材14に嵌合固定した例を示したが、これに限ることなく、入力側回転部材14の外径面に直接偏心部16a,16bを形成してもよい。
また、上記の実施形態における転がり軸受26,27,30a,30b,32,33は、図1の形態に限定されることなく、例えば、すべり軸受、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受、針状ころ軸受、自動調心ころ軸受、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、3点接触球軸受、4点接触玉軸受等、すべり軸受であるか転がり軸受であるかを問わず、転動体がころであるか玉であるかを問わず、さらには複列か単列かを問わず、あらゆる軸受を適用することができる。
また、上記の実施形態におけるカラー19e,20e,21aは、滑り軸受である例を示したが、これに限ることなく、転がり軸受を採用してもよい。この場合、厚み方向にコンパクト化する観点から針状ころ軸受を採用するのが望ましい。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
この発明は、鉄道車両駆動ユニットに有利に利用される。
この発明の一実施形態に係る鉄道車両用車輪駆動装置を示す図である。 図1のII−IIにおける断面図である。 図1の偏心部周辺の拡大図である。 両持ち内ピン周辺の拡大図である。 片持ち内ピン周辺の拡大図である。 図4の変形例を示す図である。
符号の説明
10 鉄道車両用車輪駆動装置、11 車輪、12 鉄道車両駆動ユニット、13 減速機ハウジング、14 入力側回転部材、15 減速機構、16 偏心部材、16a,16b 偏心部、17,18 曲線板、17a,17b,18a,18b,25a 貫通孔、17c,18c 波形、19,20 内ピン、19a 大径部、19b,19c 小径部、19d 案内部、21 外ピン、19e,20e,21a カラー、22,23 カウンタウェイト、24,25 キャリア、24a,24b,25b 孔、26,27 車軸軸受、26a,27a 内輪、26b,27b 外輪、26c,27c,32b,33b 円錐ころ、26d,27d,32c,33c 保持器、28,29,31 密封部材、30a,30b,32,33 転がり軸受、32a,33a 内輪部材、34,35 潤滑油路、36 外接リング、37 ナット。

Claims (9)

  1. 鉄道車両の車輪を回転駆動する駆動ユニットであって、
    車輪の内径面に保持されて、車輪と一体回転する減速機ハウジングと、
    偏心部を有し、駆動源に接続されている入力側回転部材と、
    前記偏心部に相対回転自在に保持されて、前記入力側回転部材の回転軸心を中心とする公転運動を行う公転部材と、
    前記公転部材の公転運動を許容しつつ、自転運動を阻止する複数の自転規制部材と、
    前記公転部材の厚み方向一方側および他方側に配置され、それぞれが車両本体に連結固定される第1および第2の固定部材と、
    減速機ハウジングに固定され、前記公転部材の外周に係合して前記減速機ハウジングを前記入力側回転部材に対して減速回転させる外周係合部材とを備え、
    前記複数の自転規制部材のうちの少なくとも一部は、軸方向中央部に大径部と、軸方向両端部に前記大径部より直径が小さい第1および第2の小径部とを含み、前記第1および第2の固定部材に両持ち支持される両持ち自転規制部材であって、
    前記第1の小径部と前記第1の固定部材とは、直接固定されており、
    前記第2の小径部と前記第2の固定部材とは、押圧固定手段によって前記第2の固定部材を前記大径部の端面に押し付けて固定されている、鉄道車両駆動ユニット。
  2. 前記第2の固定部材は、前記第2の小径部の直径より大きく、前記第2の小径部を受け入れる貫通孔を有し、
    前記押圧固定手段は、前記第2の小径部に設けられた雄ねじと、前記雄ねじに螺合するナットとで構成されている、請求項1に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  3. 前記第1の固定部材は、内壁面に雌ねじが形成された孔を有し、
    前記第1の小径部は、前記雌ねじに螺合する雄ねじを有する、請求項1または2に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  4. 前記大径部と前記第1の小径部との間、および前記大径部と前記第2の小径部との間の少なくともいずれか一方には、前記第1および第2の固定部材に対して前記両持ち自転規制部材を位置決めする案内部が設けられている、請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道車両駆動ユニット。
  5. 前記案内部は、前記両持ち自転規制部材の端部に向かって直径が徐々に小さくなる円錐形状である、請求項4に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  6. 前記複数の自転規制部材のうちの一部は、その軸方向一方側端部のみを前記第1の固定部材に片持ち支持されている片持ち自転規制部材である、請求項1〜3のいずれかに記載の鉄道車両駆動ユニット。
  7. 前記片持ち自転規制部材は、前記第1の固定部材に圧入固定されている、請求項6に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  8. 前記両持ち自転規制部材は、前記片持ち自転規制部材よりも少ない、請求項6または7に記載の鉄道車両駆動ユニット。
  9. 前記両持ち自転規制部材は、等間隔に配置されている、請求項6〜8のいずれかに記載の鉄道車両駆動ユニット。
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