JP4807319B2 - 空燃比制御装置 - Google Patents

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本発明は、非線形性の強い時系列データを高精度で予測するための出力予測装置および該装置を利用した空燃比制御装置に関する。
非線形性の強い時系列データの予測を行うために、2次元2変数のシステムに限定してロトカーボルテラモデルを適用することにより、システムを同定し、入力データを教師用データとして使用して出力を予測する、時系列データの予測方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法は、ロトカーボルテラモデルが2次元2変数の、非常に限られたシステムのモデルしか記述することができず、しかも同定パラメータも少ない。そのため、動的状態が3次元以上である高次元システムに対してこの手法を適用することができない。さらに、内部にスイッチ要素を持つなど、動的挙動が複数の状態で切り替わるシステムに対して、この方法を適用してシステムを同定し出力データの予測を行っても、高精度の結果を得ることができない。
例えば、燃料噴射量および空燃比の過去および現在のデータからエンジンの動特性を同定し、同定したモデルを用いて空燃比の制御を行うシステムでは、その制御の精度および効率は、エンジンを如何に高精度にシステム同定できるかに依存している。空燃比制御を高精度で行うために、特許文献2、3に記載の装置では、エンジンをARXモデルで同定することにより、燃料噴射量から空燃比を予測し、予測された空燃比に対してスライディングモード制御を適用して空燃比のフィードバック制御を行い、最適燃料噴射量を得るようにしている。
ところが、エンジンの動特性は、触媒が未暖機の状態と暖機状態で変化することが知られており、さらに、定常運転時かあるいは過度運転時かでも動特性が変化する。即ち、エンジンを単純な1個の線形モデルで記述することはふさわしくない。従って特許文献2、3に記載の装置のように、エンジンを線形モデルである単一のARXモデルで同定しても、高精度のシステム同定を行うことができず、その結果として、精度の高い空燃比の予測を行うことができない。実際、特許文献2、3に記載の装置では、ARXモデルに基づいて算出された空燃比の予測値に対してさらにスライディングモード制御を行って、システム同定で発生した誤差を取り除くようにしている。
特開平11−296501 特開2003−35183 特開2003−90252
上述したように、従来の時系列データの出力予測装置は、3次元以上の高次元システムの挙動や、内部にスイッチ要素を持つなどの動的挙動が切り替わるシステムに対して、適切に対応することができないと言う欠点を有していた。従って、本発明の課題は、任意の次数のシステムや、スイッチ要素などにより動的挙動が切り替わるシステムなどを、高精度で同定し、高い精度で出力データを予測することが可能な、時系列データの出力予測装置およびこの装置を利用した空燃比制御装置を得ることである。
本発明は、上記課題を解決するために、さらに、燃料噴射量検出手段と、空燃比検出手段と、前記燃料噴射量検出手段および前記空燃比検出手段からの時系列データを、触媒未暖機状態と触媒暖機状態に区分して、エンジンの動特性を区分的ARXモデルで同定するエンジンモデル同定手段と、空燃比予測用の燃料噴射量を入力するための入力手段と、前記入力手段から入力された燃料噴射量を前記同定された区分的ARXモデルに入力して予測空燃比を算出する予測空燃比算出手段と、前記算出された予測空燃比を予め設定した目標空燃比と比較する比較手段と、前記比較手段における比較結果に基づいて、前記入力手段における燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段と、を備える、空燃比制御装置を提供する。
なお、前記装置において、前記燃料噴射量制御手段における制御は、前記予測空燃比と前記目標空燃比が一致するように前記入力手段における燃料噴射量を制御するものであってもよい。
区分的ARXモデルは、高次元のシステムを記述することができるため、複雑なシステムであっても高い精度で同定することができる。従って、区分的ARXモデルで同定されたシステムモデルを用いて、時系列入力データから出力予測を行う場合、高い精度で出力予測が可能となる。また、区分的ARXモデルは、非線形モデルの状態空間を複数の空間で区切り、区分されたそれぞれの空間において線形モデルであるARXモデルを対応させた構造を有している。これらの個別のARXモデルが全体としてマージすることによって、区分的ARXモデルが同定される。従って、内部にスイッチ要素を持つなど、動的挙動が切り替わるシステムを区分的ARXモデルによって同定し、入力データから出力予測を行うことによって、高精度で出力予測が可能となる。
例えば、燃料噴射量から空燃比までのエンジンの特性を、触媒未暖機状態と触媒暖気状態でモデルが切り替わるシステムとみなし、モードを2に設定して区分的ARXモデルでシステムを記述すれば、各モードに適したARXモデルによってそれぞれの状態における予測を行うことができるので、全体として高い精度で空燃比予測が可能となる。エンジンの特性を、定常運転時と過渡運転時でモデルが切り替わるシステムとみなした場合も、同様に、高い精度で空燃比予測を実行することができる。また、このような予測結果を用いる空燃比の制御装置を構成すれば、制御応答性およびロバスト性の高い空燃比制御装置を得ることができる。
以下に、本発明の種々の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の参考事例にかかる時系列データの出力予測装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は、図1の装置の動作手順を示すフローチャートである。図1において、1はシステムを区分的ARXモデルで同定するための装置を示す。本発明では、入力時系列データからの出力挙動の予測を実施するために、区分的ARXモデル(以下、PWARXモデル、Pieceweise・Auto−Regressive・eXogenous・Model)を用いて、システムモデルを同定する。尚、PWARXモデル同定に関しては、H.Nakada,K.Takaba and T.Katayama:“Identification of Piecewise Affine System based on statistical clustering technique,”Automatica,vol.41,pp.905−913(2005)の記載を参照することができる。
PWARXモデルは、非線形モデルの状態空間が複数の空間に区切られており、区分されたそれぞれの空間において線形モデルであるARXモデルが対応する構造を有している。これらの個別のARXモデルを全体としてマージさせることによって、システムを高い精度でシミュレーションすることが可能なモデルが構築される。
従って、PWARXモデル同定手段1は、状態空間の数に対応するモード数設定手段11を有している。モード数設定手段11は、PWARXモデルに含まれるARXモデルの個数を指定する。また、モデルの次元を指定することにより、ARXモデルの記述に用いるパラメータの個数を指定することもできる。図2のフローチャートでは、モード数設定手段11の動作は、ステップS1で示される。空燃比制御では、モード数は、例えば、触媒未暖機状態および触媒暖機状態の2個の状態に対応して、2を指定することができる。この場合、次元は空燃比の1個が指定される。
時系列データ2は、時系列データの入力手段12を介してARXモデル設定手段13に導入される。モード数設定手段11によって設定されたモード数情報、次元情報もARXモデル設定手段13に入力される。ARXモデル設定手段13では、入力された時系列データから回帰ベクトルを形成し、この回帰ベクトルと未知パラメータとを含んだARXモデルを、各モードに対して設定する(図2のステップS2に対応)。
時系列データのモード分割手段14は、時系列データ2を、モード数の設定手段11において設定された個数のモードに分割する。この分割は、時系列データから回帰ベクトルを生成し、生成された回帰ベクトルをデータクラスタリングすることにより行われる。データクラスタリングの手法としては、K−平均法、混合分布モデルに基づくクラスタリング、ファジイクラスタリングなど、種々のものが利用可能である。
データクラスタリングによって、入力された時系列データのそれぞれがどのモードに属するかが決定される。例えば、空燃比制御では、それぞれの時系列データが触媒未暖機状態のモードに属するか、あるいは触媒暖機状態のモードに属するかが決定される。時系列データのモード分割手段14は、図2のフローチャートではステップS3に記載する操作を実行する。
図1の15は、モード間境界に関する情報生成手段を示し、モード分割手段14でクラスタリングされた時系列データを用いて、回帰空間上での各モードの分離超平面を推定し(図2のステップS4)、モード間境界情報を生成する。分離超平面の具体的な計算手法としては、2次計画問題に帰着できる。
図1の16は、各モードのARXモデルを同定する手段を示し、モード分割手段14で各モードに分割された時系列データを用いて、ARXモデル設定手段13で設定された各モードの未知パラメータを算出することにより、各ARXモデルを同定する(図2のステップS5)。PWARXモデル記述では、各モードをARXモデルで記述できると仮定しているので、最尤推定法などを用いて各ARXモデルのパラメータを決定すればよい。
PWARXモデル同定装置1で獲得されたシステムモデルの情報およびモード間境界情報は、出力データ予測装置3に入力され、入力データに基づいた出力の予測に使用される。なお、図1から明らかなように、図2のフローチャートにおいて、分離超平面の推定ステップ(ステップS4)と未知パラメータの算出ステップ(ステップS5)とは、順序が反対であってもよい。
PWARXモデル同定装置1では、以上のようにして同定された各ARXモデルから、システム全体のPWARXモデルが同定される。同時に、各モード間の境界に関する情報が生成される。これらの情報は、出力データ予測装置3に入力され、入力データ4による出力データの予測に使用される。出力データ予測装置3は、データの入力手段31と、入力データのモード決定手段32および出力データの演算手段33とで構成されている。入力データのモード決定手段32は、データ入力手段31を介して入力されたデータが、どのモードに属するデータであるかを、PWARXモデル同定装置1で生成されたモード間境界情報に基づいて決定する(図2のステップS6)。
具体的には、出力予測用の入力データ4から回帰ベクトルを構成し、その予測値をモード間境界情報に基づいてクラス分類することにより、入力データ4がどのモードに属するデータであるかを決定する。図1の出力データ演算手段33は、モード決定手段32で決定されたモードのARXモデルに、入力データ4を適用し、出力データを演算する(図2のステップS7)。
空燃比制御の例では、モード決定手段32において、入力データが触媒未暖機状態に属するデータであると決定されると、出力データ演算手段33では触媒未暖機状態に対応するARXモデルを選択し、このモデルに入力データを導入することにより、出力データの値を予測する。その結果、触媒未暖機状態、触媒暖機状態をまとめて一つのARXモデルでシミュレーションしていた従来の方法に比べて、遥かに高い精度で出力データを予測することが可能となる。なお、PWARXモデル同定装置1では、モデルの同定に必要なデータが収集された時点で、あるいは一定時間毎に繰り返してモデルを同定することにより、常に、新しい時系列データを反映した精度の高いシステムモデルの同定が可能となる。
図3は、本発明の第2の実施形態にかかる空燃比制御装置の概略構成を示す図であり、図4および5は、図3に示す装置の動作手順を示すフローチャートである。以下に、これらの図を参照して、本発明の一実施形態に係る空燃比制御装置の構成およびその動作について説明する。
背景技術の説明の項で述べたように、燃料噴射量および空燃比の過去のデータからエンジンの特性を同定し、そのモデルを最適燃料噴射量の決定に用いるシステムでは、エンジンの動特性が、触媒が未暖機状態かあるいは暖機状態かで変化する。従って、本実施形態では、エンジンのシステムモデルをPWARXモデルで同定するにあたって、触媒未暖機状態および触媒暖機状態の2個のモードを設定する。
図3の空燃比制御装置5において、51はエンジンのPWARXモデル同定手段であり、燃料噴射量検出手段52、空燃比検出手段53によってそれぞれ検出された燃料噴射量、実空燃比の時系列データから、エンジンのPWARXモデルを同定する。このとき、本実施形態では、触媒未暖機状態および触媒暖機状態に対応してPWARXモデルのモード数を2に設定する。次数は、空燃比の1である。54は予測空燃比算出手段であり、燃料噴射量の入力手段55から入力されたデータを、PWARXモデルの同定手段51で同定されたエンジンモデルに適用して空燃比の予測値を算出する。
図3において、56は、予測空燃比算出手段54で算出された空燃比を、予め設定された目標空燃比と比較するための比較手段であり、57は、比較手段56の比較結果に基づいて燃料噴射量の入力手段55で生成される入力データの値を制御するための、燃料噴射量制御手段である。燃料噴射量制御手段57での制御は、予測空燃比算出手段54で出力される空燃比を目標空燃比と一致させるための制御である。比較手段56において、予測空燃比算出手段54で算出された空燃比と目標空燃比との一致が検出されると、燃料噴射量制御手段57は、そのときの燃料噴射量入力を最適燃料噴射量として出力する。
このように、目標空燃比を達成するための燃料噴射量を、燃料噴射量の入力手段55、予測空燃比算出手段54、目標空燃比との比較手段56および燃料噴射量制御手段57からなるフィードバック制御系において制御し、これによってエンジンを駆動するための最適燃料噴射量を求めることにより、エンジンを最適状態で駆動することができるようになる。なお、このとき、PWARXモデル同定手段51では、エンジンの触媒未暖機状態、触媒暖機状態に対応して適切なARXモデルを同定しているので、予測空燃比算出手段54において、実空燃比との間の誤差が少ない空燃比予測出力が得られる。そのため、フィードバック制御系での誤差修正の作業が、従来の装置に比べて簡略化される。
次に、図4および5を参照して、エンジンのPWARXモデル同定手段51および予測空燃比算出手段54の構成およびその動作について説明する。
図4のステップS21では、モード数および次元を設定する。本実施形態では、エンジンの状態として、触媒未暖機状態、触媒暖機状態を想定しているので、モード数を2に設定する。また、出力が空燃比のみであるため、次元を1に設定する。次元の設定により、ARXモデルの記述に用いるパラメータの個数が1として決定される。
次に、ステップS22およびステップS23において、各モードにおけるエンジンの動特性をARXモデルで記述する。具体的には以下の手順を取る。時刻kにおける実燃料噴射量をu(k)、出力である実空燃比をy(k)とする。過去の両者の時系列データu(k−1)、u(k−2)、・・・および、y(k−1)、y(k−2)、・・・から、エンジンの動作特性の同定を行う。エンジンの動作特性が以下の式(1)および式(2)で表されると仮定する。ここで、式(1)はモード1、即ち触媒未暖機状態のエンジンの動特性を記述し、式(2)は、モード2、即ち触媒暖気状態のエンジンの動特性を記述する。
Figure 0004807319
上記の式(1)、(2)において、x(k)は回帰ベクトルを示し、過去の実燃料噴射量u(k−1)、u(k−2)、・・・u(k−n)および、過去の実空燃比y(k−1)、y(k−2)、・・・y(k−n)を用いて、以下の式(3)により与えられる。
Figure 0004807319
尚、上記の式(1)、(2)において、e(k)は式誤差である。また、ベクトルθ、θは、同定する未知パラメータである。触媒未暖気状態と触媒暖気状態は、回帰ベクトル空間上で超平面によって分割され、それぞれ半空間χ1、χ2に対応する。データ数はNであり、離散時刻はk=1、2、・・・Nの値をとる。
次に、図4のステップS24に示すように、観測データのクラスタリングを行って、触媒未暖機状態、触媒暖機状態に対応する離散時刻をクラスタ分類する。まず、観測データベクトルzk=(x(k)、y(k))を定義する。観測データが混合正規分布、
Figure 0004807319
に従うと仮定する。ただし、Φ、α、α、p(z;μ、Σ)、p(z;μ、Σ)は、以下のように定義される。
Figure 0004807319
このとき、混合正規分布のパラメータΦを、最尤推定法を用いて求める。尤度関数L(Φ)は以下の式で示される。
Figure 0004807319
尤度関数L(Φ)を最大化するΦを求める問題は、非凸最適化問題であるが、EMアルゴリズムを用いて反復的に計算できる。
最適なパラメータΦの値が決定されると、この値を用いて観測データのクラスタリングを行うが、各データは、帰属確率のより高い方の部分分布に対応するクラスタに分類する。このようにして、触媒未暖気状態および暖気状態に対応する離散時刻k=1、2、・・・、Nを、クラスタCおよびCに分類する。
ステップS24においてデータのクラスタリングが終了すると、次のステップS25において、クラスタC、C間、即ち各モード間の分離超平面を推定する作業を行う。このために、触媒未暖気状態と暖気状態を分割する回帰空間上の分離超平面を2次計画問題に帰着して計算する。具体的には、分離超平面がax(k)+b=0により与えられるとして、未知パラメータa、bを求めるため、次式の2次最適化問題を解けばよい。
Figure 0004807319
次に、ステップS26において、各ARXモデルにおける未知パラメータの値を算出する。具体的には、クラスタC、Cに含まれるデータから、最小2乗法により、式(1)、(2)における未知パラメータθ、θを算出する。未知パラメータθ、θは、以下の式によって算出される。
Figure 0004807319
なお、上記の式において、N、Nはそれぞれ、クラスタC、Cに含まれる要素の個数を表す。
ステップS26で未知パラメータθ1、θ2が算出されると、その値を式(1)、(2)のARXモデルに導入することによって、触媒未暖気状態、触媒暖機状態に対するエンジンのARXモデルが同定される(ステップS27)。なお、クラスタC1、C2間の分離超平面を求めるステップS25は、エンジンのARXモデルを同定するステップS27の後でもよい。また、ステップS21からステップS27を一定時間毎に繰り返して行うことにより、システムモデルを定期的に更新するようにしてもよい。
図4のフローチャートに従ってシステムのPWARXモデルが同定されると、予測空燃比算出手段54(図3参照)において、燃料噴射量の入力データから予測空燃比を算出する作業を行う。以下に、図5の予測空燃比の算出手順を示すフローチャートに沿って、空燃比の予測手順を説明する。
まず、ステップS31において、同定されたシステムモデルを取得する。次のステップS32において、出力予測用の入力データを取得する。入力データは、燃料噴射量のデータである。次のステップS33で、入力データを用いて回帰ベクトルの予測値を算出する。この算出は、入力データを、回帰ベクトルを算出するための式(3)に導入することによって行われる。
ステップS34で、入力データに基づいた回帰ベクトルの予測値
Figure 0004807319
から、入力データが触媒未暖機状態、触媒暖機状態の何れのクラスタに属するかを判定する。今、図4のステップS25で決定したクラスタ間の分離超平面を規定する関数
x(k)+b=0に、回帰ベクトルの予測値
Figure 0004807319
を代入し、その結果にしたがって以下の通りに判定する。
Figure 0004807319
入力データが触媒未暖機状態のデータであると判定されれば(ステップS35)、ステップS37で、同定された触媒未暖機状態のARX式(1)を用いて予測空燃比を算出する。入力データが触媒暖機状態のデータであると判定されると(ステップS36)、ステップS38において、同定された触媒暖機状態のARX式(2)を用いて予測空燃比を算出する。これによって、精度の高い出力予測を実行することが可能となる。
以上に説明した実施形態では、エンジンを、触媒未暖機状態と触媒暖機状態とでモデルが切り替わるシステムとみなして、PWARXモデルを構築することにより、高精度で空燃比の出力データを予測することができるようにしたものである。一方、エンジンの動特性は、エンジンが過渡運転状態か定常運転状態かでも異なることが知られている。この場合は、エンジンを、過渡運転状態と定常運転状態とでモデルが切り替わるシステムとみなして、上記各実施形態と同様にPWARXモデルを同定することにより、高精度で空燃比の出力データを予測することが可能となる。そのためには、図3に示す空燃比制御装置において、エンジンのPWARXモデル構築手段51を、過渡運転状態に対応したARXモデルと、定常運転状態に対応したARXモデルを同定する構造とすることによって、対処することができる。
なお、特開2000−213395号公報に開示されている「空燃比制御装置」では、燃料輸送系のモデルの蒸発時定数またはそれに依存する物理量をシステム同定理論により演算し、その結果から燃料性状を判定している。過渡運転時から推定した燃料蒸発時定数を用いて定常運転時の燃料噴射量を決定したとき、最悪の場合、空燃比の意味で最適な燃料噴射量からかけ離れた噴射量を算出してしまい、結果として空燃比が所望の値に制御できない可能性がある。しかしながら、PWARXモデルとして、定常運転時と過渡運転時の間の変化を適切な数の段階の中間モデルで切り替わるシステムであるとみなすことにより、それぞれの状態の筒内吸入燃料量の推定精度が向上する。
本発明の一実施形態にかかる、時系列データの出力予測装置の概略構成を示すブロック図。 図1に示す装置の動作手順を示すフローチャート。 本発明の一実施形態にかかる、空燃比制御装置の概略構成を示すブロック図。 図3の空燃比制御装置における、PWARXモデル同定手段の動作手順を示すフローチャート。 図3の空燃比制御装置における、予測空燃比算出手段の動作手順を示すフローチャート。
符号の説明
1 PWARXモデル同定装置
2 時系列データ
3 出力データ予測装置
4 入力データ
11 モード数設定手段
12 時系列データの入力手段
13 ARXモデル設定手段
14 時系列データのモード分割手段
15 モード間境界情報生成手段
16 ARXモデル同定手段
31 データ入力手段
32 入力データのモード決定手段
33 出力データ演算手段

Claims (2)

  1. 燃料噴射量検出手段と、
    空燃比検出手段と、
    前記燃料噴射量検出手段および前記空燃比検出手段からの時系列データを、触媒未暖機状態と触媒暖機状態に区分して、エンジンの動特性を区分的ARXモデルで同定するエンジンモデル同定手段と、
    空燃比予測用の燃料噴射量を入力するための入力手段と、
    前記入力手段から入力された燃料噴射量を前記同定された区分的ARXモデルに入力して予測空燃比を算出する予測空燃比算出手段と、
    前記算出された予測空燃比を予め設定した目標空燃比と比較する比較手段と、
    前記比較手段における比較結果に基づいて、前記入力手段における燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段と、を備える、空燃比制御装置。
  2. 請求項に記載の空燃比制御装置において、前記燃料噴射量制御手段における制御は、前記予測空燃比と前記目標空燃比が一致するように前記入力手段における燃料噴射量を制御するものである、空燃比制御装置。
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