JP5104739B2 - スロットルバルブ異常診断装置 - Google Patents

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Description

この発明は、スロットルバルブ異常診断装置に関し、特に、スロットルバルブの開閉状態に対応した規則等を利用して、スロットルバルブの異常判定を行うスロットルバルブ異常診断装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、算出したスロットルバルブの推定開度と、検出したスロットルバルブの実開度とを比較してスロットルバルブの異常を判断する異常検出装置が開示されている。この装置では、スロットルバルブの推定開度を算出するために数学モデルが用いられている。この数学モデルは、スロットルバルブを駆動するモータの温度や、このモータに電力を供給するバッテリの電圧が内燃機関の運転状態に応じて変化をするため、これらの変化を考慮して構築されている。具体的には、モータ温度が上昇すると、スロットルバルブ開閉制御の際の目標開度に対する実開度の応答性が徐々に低下する。また、バッテリ電圧が低下すると、同様に実開度の応答性が徐々に低下する。このため、目標開度に対して応答性の低下分の補正を行い、推定開度を高精度に算出している。こうすることで、運転状態を考慮してスロットルバルブの推定開度が推定でき、運転状態を考慮しない場合に比べてスロットルバルブ異常検出を高精度に行うことができる。
特開平06−081702号公報
このように、スロットルバルブの開度が高精度に推定できれば、スロットルバルブの異常検出も高精度に行うことができる。ところで、スロットルバルブの開度推定は、スロットルバルブの運転状態をも考慮して行うことができることが好ましい。特に、ある開度を基準にスロットルバルブが短時間で開閉制御される開閉過渡の場合をも考慮して行うことができることが好ましい。しかしながら、特許文献1の装置は開閉過渡の場合を考慮していない。このため、上述した応答性の低下分を考慮したとしても、短時間でスロットルバルブの開度が変化する場合には、高精度に開度推定できるとは限らなかった。したがって、スロットルバルブの異常検出を高精度に行うことができるとは限らなかった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、スロットルバルブが開閉過渡状態であってもスロットルバルブ開度を高精度に推定可能なスロットルバルブ異常診断装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、スロットルバルブ異常診断装置であって、
開閉制御時にスロットルバルブに入力される指示電圧及びスロットル開度センサから出力されるセンサ電圧の過去のデータが従う基準開度若しくはそれよりも開いた開状態に対応した第1確率分布の未知パラメータ及び前記基準開度もしくはそれよりも閉じた閉状態に対応した第2確率分布の未知パラメータを、これらのデータに基づいて最尤推定法により推定し、推定した未知パラメータにより前記第1確率分布及び前記第2確率分布を特定する確率分布特定手段と、
特定後の前記第1確率分布及び前記第2確率分布に基づいて、前記過去のデータの各々が前記開状態のデータであるか、或いは前記閉状態のデータであるかの判定を行い、夫々開状態クラスタ及び閉状態クラスタに分類するデータ分類手段と、
前記開状態と前記閉状態との境界で成立する境界条件を、前記過去のデータに基づいて推定し、推定した未知パラメータにより前記境界条件を特定する境界条件特定手段と、
所定の時刻においてスロットルバルブに入力される指示電圧及びスロットル開度センサから出力されるセンサ電圧のデータと、前記所定の時刻よりも1ステップ先の時刻においてスロットル開度センサから出力されるセンサ電圧のデータとの間に成立する関係の未知パラメータを、前記開状態クラスタのデータに基づいて推定し、推定した未知パラメータにより前記関係をスロットルバルブの開状態に対応した第1規則として特定する第1規則特定手段と、
所定の時刻においてスロットルバルブに入力される指示電圧及びスロットル開度センサから出力されるセンサ電圧のデータと、前記所定の時刻よりも1ステップ先の時刻においてスロットル開度センサから出力されるセンサ電圧のデータとの間に成立する関係の未知パラメータを、前記閉状態クラスタのデータに基づいて推定し、推定した未知パラメータにより前記関係をスロットルバルブの閉状態に対応した第2規則として特定する第2規則特定手段と、
特定した前記境界条件にスロットルバルブに入力された開度指示電圧及びスロットル開度センサから出力された開度センサ電圧のデータの現在値を含むデータを適用して、前記現在値を含むデータが前記開状態に区分されるか、或いは前記閉状態に区分されるかを推定する区分推定手段と、
前記第1規則又は前記第2規則に前記現在値を含むデータを適用してスロットル開度センサから出力される将来のセンサ電圧を推定するセンサ電圧推定手段と、を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記区分推定手段による推定結果及び/又は前記将来のセンサ電圧に基づいてスロットルバルブの異常を判定する異常判定手段を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
特定後の前記第1確率分布及び前記第2確率分布に基づいて、スロットルバルブに入力された指示電圧及びスロットル開度センサから出力されたセンサ電圧のデータの現在までの実測値を含むデータが、前記開状態のデータである確率及び前記閉状態のデータである確率を示す帰属確率を演算する帰属確率演算手段と、
前記帰属確率と予め定めた判定確率とを比較することにより前記異常判定手段による判定結果の妥当性を評価する評価手段と、を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第2又は第3の発明において、
前記開状態と前記閉状態との境界から前記現在値を含むデータがどの程度離れているかを示す距離を演算する距離演算手段と、
前記距離と予め定めた判定値とを比較することにより前記異常判定手段による判定結果の妥当性を評価する評価第2手段と、を備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第2乃至第4いずれか1つの発明において、
特定後の前記第1確率分布及び前記第2確率分布に基づいて、前記現在値を含むデータが前記開状態のデータであるか、或いは前記閉状態のデータであるかの判定を行い、前記異常判定手段による判定結果の妥当性を評価する評価第3手段を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、スロットルバルブの開状態に対応した第1規則、閉状態に対応した第2規則という2つの規則から、将来のセンサ電圧を推定できる。これら2つの規則は、指示電圧及びセンサ電圧の過去のデータが従う2つの確率分布、すなわち、開状態に対応した第1確率分布及び閉状態に対応した第2確率分布にこれらの過去のデータのそれぞれを分類し、分類した後のデータ群である開状態クラスタ及び閉状態クラスタに基づいて特定されたものである。そして、この過去のデータは、スロットルバルブの運転状態に関らず蓄積されたものである。したがって、第1の発明によれば、スロットルバルブが開閉過渡状態であっても、このように特定した2つの規則で将来のセンサ電圧を推定できる。
また、第1の発明によれば、開状態と閉状態との境界で成立する境界条件により、指示電圧及びセンサ電圧のデータの現在値を含むデータが開状態、閉状態のどちらに区分されるかを推定することができる。そして、この境界条件による区分と、上述した2つの規則とを組み合わせることで、上記の現在値を含むデータがどちらの状態にあるかで将来のセンサ電圧を推定する規則を切り替えることが可能となる。したがって、第1の発明によれば、上記の現在値を含むデータがどちらの状態であるかを推定し、そのときの将来のセンサ電圧を高精度に推定することができる。
第2の発明によれば、区分推定手段による推定結果及び/又は推定した将来のセンサ電圧に基づいて、スロットルバルブの異常を判定することができる。上述したように、第1の発明によって、現在値を含むデータがどちらの状態であるかが推定され、そのときのセンサ電圧が推定されている。このため、これら2つの推定結果の一方又は両方を判断指標としてスロットルバルブの異常判定をすることができる。
第3の発明によれば、指示電圧及びセンサ電圧のデータの現在までの実測値を含むデータが、上記開状態のデータである帰属確率及び上記閉状態のデータである帰属確率を演算することができる。そして、この実測値を含むデータの信憑性を、演算した帰属確率を判定指標として用いることにより、評価することができる。こうすることで、スロットルバルブ異常判定の結果の妥当性を評価することができる。
第4の発明によれば、開状態と閉状態との境界から上記の現在値を含むデータがどの程度離れているかを示す距離を演算することができる。そして、上記スロットルバルブの異常判定を行う際に用いた上記の現在値のデータの信憑性を、この距離を判定指標として用いることにより、評価することができる。こうすることで、スロットルバルブ異常判定の結果の妥当性を評価することができる。
第5の発明によれば、特定後の前記第1確率分布及び前記第2確率分布に基づいて、上記の現在値を含むデータが、上記開状態のデータであるか、或いは上記閉状態のデータであるかの判定を行うことができる。そして、上記スロットルバルブの異常判定を行う際に用いた上記の現在値のデータの信憑性を、上記の現在値を含むデータがいずれの状態にあるかを判定指標として用いることにより、評価することができる。したがって、スロットルバルブ異常判定の結果の妥当性を評価することができる。
実施形態1.
実施形態1のスロットルバルブ異常診断装置は、車両等に搭載されるECU(Electronic Control Unit)内部に構成されている。このため、先ず、図1を用いて、本実施形態に係る装置の説明をする。図1は、ECUがスロットルバルブの異常判定を行う診断装置として機能する場合の機能ブロック図である。
図1に示すように、ECUは、システム同定部10、センサ電圧推定部18、開閉状態推定部20及び異常判定部22から構成されている。また、システム同定部10は、データクラスタリング部12、分離超平面推定部14及びシステムパラメータ推定部16から構成されている。
(システム同定部10)
システム同定部10は、電子制御スロットルシステムにおいて、スロットルバルブの要求開度に応じてスロットルモータを駆動するための電圧(以下、「指示電圧」という。)から、スロットルバルブの開度に応じてスロットル開度センサから検出される電圧(以下、「センサ電圧」という。)までの特性を記述する同定式を、スロットルバルブの開度により規定される2つの状態で同定式が切り替わる区分的アフィン自己回帰(Piece-Wise affine Auto-Regressive eXogeneous;PWARX)モデルとして同定を行うように構成されている。ここで、2つの状態とは、所定の基準開度を設定したときに、この基準開度よりも開いた状態(開状態)及び閉じた状態(閉状態)のそれぞれを意味するものとする。所定の基準開度は、スロットルバルブの運転状態に応じて自由に設定することができる。なお、基準開度を全開に設定した場合には、ここで言う開状態は、全開に維持されている状態に対応するものとする。また、全閉に設定した場合には、ここでいう閉状態は、全閉に維持されている状態に対応するものとする。
システム同定部10は、過去の入出力に関する時系列データに基づいて、後述する式(1)及び(2)のパラメータθ1、θ2、a、bを決定し、PWARXモデルの同定を行うことを特徴とする。同定は、過去の入力データである指示電圧及び出力データであるセンサ電圧を、過去の時系列データとして用いることにより行う。時刻kにおける指示電圧をu(k)、センサ電圧をy(k)とする。時刻kを現在時刻とすると、これらの過去の時系列データは、u(k-1),u(k-2),・・・、y(k-1),y(k-2),・・・で表される。これら過去の時系列データは、ECUにバッファリングされているものとする。
過去の時系列データに基づくエンジン特性がPWARXモデルに従うと仮定すると、指示電圧とセンサ電圧との関係は次式(1)及び(2)で表される。
Figure 0005104739
上式(1)が開状態に対応し、上式(2)が閉状態に対応するものとする。上式(1)及び(2)において、e(k)は式誤差である。また、右肩の添え字「T」は転置行列を意味する。また、x(k)は回帰ベクトルであり、過去の指示電圧及びセンサ電圧を用いて、
x(k)=[y(k-1) ・・・ y(k-ny) u(k-1) ・・・ u(k-nu)]T ・・・(3)
により与えられる。上式(3)において、kは、k=1,2,・・・,Nの離散時刻の値であり、Nはデータ数である。また、自然数ny,nuは、それぞれモデルを記述するために必要な過去の時系列データの個数を表す。また、θ1及びθ2は、これらのモデルを規定する未知のパラメータである。
また、上式(1)及び(2)に示すように、開状態と閉状態とは、回帰ベクトル空間上における分離超平面で分割されるものとする。分離超平面は、これら2つの状態の境界であり、次式(4)で表される。
aTx(k)+b=0 ・・・(4)
上式(4)において、a及びbは、分離超平面を規定する未知のパラメータである。
(データクラスタリング部12)
システム同定部10内のデータクラスタリング部12は、過去の時系列データを、開状態に対応する開状態クラスタC1又は閉状態に対応する閉状態クラスタC2に分類するように構成されている。
分類は、まず、観測データベクトルzk=(xT(k) yT(k))Tを定義する。そして、この観測データベクトルzkのN個の観測データz1,・・・,zNが、開状態及び閉状態に対応する正規分布からなる混合正規分布に従うと仮定する。
混合正規分布は、パラメータΦ=(α1,α2,μ1,μ2,Σ1,Σ2)を用いて次式(5)のように表される。
Figure 0005104739
上式(5)において、α1、α2は、混合正規分布の混合割合であり、α1,α2≧0,α12=1の関係を満たす。また上式(5)〜(7)において、μ1,μ2は、開状態、閉状態のそれぞれに対応する正規分布の平均ベクトルを示す。同様に、Σ1、Σ2は、それぞれに対応する正規分布の共分散行列を示す。添え字「nz」は、観測データベクトルzkの次元数を示す。さらにdetΣは、Σの行列式を示し、行列の右肩の添え字「-1」は逆行列を意味する。
続いて、混合正規分布のパラメータΦを最尤推定法により求める。尤度関数
Figure 0005104739
を最大化するパラメータΦは、EMアルゴリズムを用いることにより推定することができる。EMアルゴリズムでは、パラメータΦを反復的に計算することができる。
続いて、求めたパラメータΦを用いて、観測データの分類を行う。ここで、観測データが開状態クラスタC1に帰属する帰属確率をα1p1(zk;Φ)、閉状態クラスタC2に帰属する帰属確率をα2p2(zk;Φ)とする。分類は、得られた帰属確率がより高い部分分布に対応するクラスタに分類する。すなわち、α1p1(zk;Φ)≧α2p2(zk;Φ)のデータを開状態クラスタC1に、α1p1(zk;Φ)<α2p2(zk;Φ)のデータを閉状態クラスタC2に分類する。これにより、観測データに対応する時刻k=1,2,・・・,Nをそれぞれのクラスタに分類することができる。
(分離超平面推定部14)
システム同定部10内の分離超平面推定部14は、開状態と閉状態とを分割する回帰空間上の分離超平面のパラメータを推定するように構成されている。上式(4)により与えられる分離超平面のパラメータa,bは、ソフトマージンサポートベクターマシンを利用することにより推定できる。
サポートベクターマシンは、与えられたデータが2つのクラスのどちらに属するかを判断することのできるアルゴリズムであり、全てのサンプルデータに対して正しいクラスが存在する(線形分離可能)ときに成立する超平面のパラメータa,bを調整する方法である。しかし、このような線形分離を実現する超平面は、1つに決まらない。そこで、超平面から各クラスまでの距離をマージン(1/||a||)とし、このマージンを最大にするように超平面のパラメータa,bを決定する。
ここで、全てのサンプルデータに対して常に正しいクラスが存在するとは限らない(線形分離可能でない)。このような場合には、サポートベクターマシンに分類誤差項を導入したソフトマージンサポートベクターマシンを利用する。すなわち、データが超平面を超えて反対側のクラスに入ってしまった場合に、その超えた距離νの総和を最小限にするように超平面のパラメータa,bを調整する。まとめると、ソフトマージンサポートベクターマシンを利用すれば、パラメータa,bは、次式(8)に示す2次最適化問題を解くことにより推定できる。
Figure 0005104739
このように推定されたパラメータa,bは、ECUに記憶される。
(システムパラメータ推定部16)
システム同定部10内のシステムパラメータ推定部16は、データクラスタリング部12で分類した離散時刻に対応するデータを用いて、パラメータθ1及びθ2を推定するように構成されている。パラメータθ12は、次式(9)及び(10)により推定できる。
Figure 0005104739
上式(9)及び(10)において、N1,N2は、それぞれのクラスタC1,C2に含まれるデータ数を示す。このように推定されたパラメータθ1^,θ2^は、ECUに記憶される。
以上により、システム同定部10では、開状態と閉状態とで同定式が切り替わるPWARXモデルの同定が行われる。まとめると、現在の時刻を時刻kとすると、時刻k+1におけるセンサ電圧の推定値y^(k+1)は、時刻k-1までの指示電圧及びセンサ電圧のデータ履歴に基づいて推定したパラメータθ1^,θ2^、を用い、次式(11)及び(12)のように記述される。尚、ここで使用した添え字「^」は、推定値を表すものとする。
Figure 0005104739
尚、上式(11)が本発明の第1規則に、上式(12)が本発明の第2規則にそれぞれ該当する。また、上式(11)及び(12)において、x(k+1)は回帰ベクトルであり、時刻kまでの指示電圧及びセンサ電圧を用いて、
x(k+1)=[y(k) ・・・ y(k-ny+1) u(k) ・・・ u(k-nu+1)]T ・・・(13)
により与えられることになる。
このように、時刻k+1におけるセンサ電圧の推定値y^(k+1)は、時刻k-1までの指示電圧及びセンサ電圧のデータ履歴、センサ電圧の現在のデータを逐次帰属させることでその都度行うことができる。したがって、モデル同定の自由度が高いという効果を有する。
(センサ電圧推定部18)
センサ電圧推定部18は、パラメータa,b及び上式(13)を用い、現在のスロットルバルブが開状態であるか、或いは閉状態であるかを推定し、その推定結果と、上式(11)又は(12)を用いてセンサ電圧の推定値y^(k+1)を推定するように構成されている。
具体的には、先ず、時刻k-1までのデータ履歴により推定したパラメータa,bと、このデータ履歴に時刻kのセンサ電圧の出力データを加えて生成した回帰ベクトルx(k+1)とから、aTx(k+1)+bを演算する。そして、aTx(k+1)+b≧0であれば、センサ電圧推定部18は、現在のスロットルバルブ開度が開状態であると推定し、開閉状態予測フラグi^(k+1)=1がECUにバッファリングされる。一方、aTx(k+1)+b<0であれば、センサ電圧推定部18は、現在のスロットルバルブ開度が閉状態であると推定し、開閉状態予測フラグi^(k+1)=0がECUにバッファリングされる。この開閉状態予測フラグi^(k+1)と、上式(11)又は(12)を用いて、時刻k+1におけるセンサ電圧の推定値y^(k+1)を推定する。推定したy^(k+1)は、ECUにバッファリングされる。
(開閉状態推定部20)
開閉状態推定部20は、パラメータa,b及び上式(13)を用い、現在のスロットルバルブ開度が開状態であるか、或いは閉状態であるかを推定するように構成されている。この推定は、センサ電圧推定部18で上述したように、aTx(k+1)+bの演算結果を利用することにより行われる。すなわち、aTx(k+1)+b≧0であれば、現在のスロットルバルブ開度は開状態であると推定され、開閉状態予測フラグi^(k+1)=1がECUにバッファリングされる。aTx(k+1)+b<0であれば、閉状態であると推定され、開閉状態予測フラグi^(k+1)=0がECUにバッファリングされる。
(異常判定部22)
異常判定部22は、センサ電圧推定部18で推定したy^(k+1)及び開閉状態推定部20で推定した開閉状態予測フラグi^(k+1)に基づいてスロットルバルブの異常判定を行うように構成されている。
y^(k+1)に基づく異常判定は、y^(k+1)と、時刻k+1における実際のセンサ電圧y(k+1)との偏差を演算することにより行われる。具体的には、これらの値の差Δy=|y^(k+1)-y(k+1)|を演算し、予め定めた設定値(閾値)との比較を行う。この閾値は、スロットルバルブの判定精度の要求度に応じて自由に設定することが可能である。そして、Δyが閾値以上であれば、推定したセンサ電圧と、実際のセンサ電圧との間に乖離が見られることになる。このような場合に、異常判定部22は、異常信号を発する。
i^(k+1)に基づく異常判定は、時刻k+1における実際のスロットルバルブ開度をi(k+1)としたときに、i^(k+1)とi(k+1)との比較により行われる。i(k+1)は、実際のセンサ電圧を利用してもよいが、例えばスロットルバルブの下流に配置した流量センサ等の出力等、ECUが取得可能なパラメータであって、スロットルバルブの開閉状態の代用値として用いることが可能なものであれば特に限定されない。また、このi(k+1)は、開閉状態予測フラグi^(k+1)と対応させて、開状態であればi(k+1)=1、閉状態であればi(k+1)=0とすることができる。そして、i^(k+1)の値がi(k+1)の値と異なる場合には、推定したスロットルバルブの開閉状態と、実際の状態との間に乖離が見られることになる。このような場合に、異常判定部22は、異常信号を発する。
そして、異常判定は、上記の異常信号が、予め定めた判定時間内において、設定回数検出されるか否かで判定される。具体的には、Δy又はi^(k+1)に基づく上記の異常信号が検出された場合、異常判定部22に別途内蔵した異常カウンタのカウンタ値が増加される。そして、予め決めた判定時間内において、このカウンタ値が設定値以上に到達した場合に、スロットルバルブ異常として判定される。本実施形態においては、上記の異常信号が、Δy及びi^(k+1)という2つの診断要素に基づいて検出される可能性がある。したがって、いずれか一方の判定結果が誤っていた場合に、最終判定を誤るという誤判定を防止することができる。
[実施形態1における具体的処理]
次に、図2を参照して本実施形態においてECUが実行するスロットルバルブ異常判定ルーチンを説明する。尚、図2のルーチンは、所定時間毎に繰り返し実行されるものとする。図2に示すルーチンによれば、まず、モデルのパラメータが読み込まれる(ステップ100)。上述の通り、システム同定部10では、時刻k-1まで時系列データに基づいて、PWARXモデルのパラメータθ1^,θ2^が推定され、これらはECUに記憶されている。同様に、分離超平面推定部14では、分離超平面のパラメータa,bが推定され、これらはECUに記憶されている。このため、ECUには、これらのパラメータが読み込まれる。ステップ100に続いて、時刻kまでの指示電圧及びセンサ電圧の時系列データが読み込まれ(ステップ110)、回帰ベクトルx(k+1)が生成される。
ステップ110に続いて、ステップ100で読み込んだパラメータa,bと、ステップ110で生成された回帰ベクトルx(k+1)とから、aTx(k+1)+bが演算される(ステップ120)。そして、aTx(k+1)+b≧0であればi^(k+1)=1が、i^(k+1)<0であればi^(k+1)=0がECUにバッファリングされる(ステップ130)。
ステップ130に続いて、スロットルバルブが開状態か否かが判定される(ステップ140)。開状態か否かは上記ステップ130でバッファリングされたi^(k+1)が用いられる。i^(k+1)=1であれば、ステップ150に進み、開状態に対応したセンサ電圧の推定値y^(k+1)が演算される。このy^(k+1)は、ステップ160でECUにバッファリングされる。一方、本ステップにおいて、i^(k+1)=1でない場合には、ステップ170に進み、閉状態に対応したセンサ電圧の推定値y^(k+1)が演算され、ステップ160同様、ステップ180でECUにバッファリングされる。ステップ160又は180に続いて、スロットルバルブの異常判定が実行される(ステップ190)。
次に、ステップ190で実行されるスロットルバルブの異常判定のサブルーチンを図3のフローチャートを参照して説明する。図3のルーチンによれば、まず、異常判定部22に内蔵した異常カウンタがONか否かが判定される(ステップ200)。ONでないと判定された場合には、異常カウンタがONにされる(ステップ210)。一方、異常カウンタがONと判定された場合には、ステップ220に進む。
ステップ220では、時刻k+1における実際のスロットルバルブ開度i(k+1)が読み込まれ、同様に、ステップ230では、時刻k+1における実際のセンサ電圧y(k+1)が読み込まれる。
ステップ240では、開閉状態予測フラグi^(k+1)と、実際のスロットルバルブ開度i(k+1)とが比較される。上述の通り、開閉状態予測フラグi^(k+1)は、ステップ130の処理を実行することによりECUにバッファリングされている。このため、このi^(k+1)とステップ220で読み込んだi(k+1)とが比較される。そして、i^(k+1)=i(k+1)の場合には、ステップ260に進む。そうでない場合には、ステップ250に進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
ステップ260では、推定したセンサ電圧y^(k+1)と、実際のセンサ電圧y(k+1)とが比較される。上述の通り、センサ電圧y^(k+1)は、ステップ160又は180の処理を実行することによりECUにバッファリングされている。このため、このy^(k+1)とステップ230で読み込んだy(k+1)とが比較される。そして、これらの間の偏差が予め決められた閾値よりも小さい場合には、ステップ270に進み、異常カウンタがリセットされる。そうでない場合には、ステップ250に進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
続いて、ステップ280では、異常カウンタのカウンタ値が予め定めた設定値(閾値)以上か否かが判定される。そして、カウンタ値が閾値以上の場合には、ステップ300に進み、スロットルバルブは異常と判定される。そうでない場合には、ステップ290に進み、スロットルバルブは正常と判定される。
以上説明した通り、図2及び3に示すルーチンによれば、過去の時系列データに基づいて同定したPWARXモデルを用いて、将来のセンサ電圧を逐次推定することができる。また、図2及び3に示すルーチンによれば、PWARXモデルの同定に際して推定した分離超平面のパラメータを用いて、開閉状態を予測できる。そして、これら2つの診断要素を用いることにより、スロットルバルブの異常を高精度に判定することができる。
尚、本実施形態では、異常判定に際して、センサ電圧推定部18で推定したセンサ電圧の推定値y^(k+1)及び開閉状態予測フラグi^(k+1)の値を共に用いたが、これらのうちいずれか一方のみを用いて異常判定を行ってもよい。尚、本変形例は後述する実施形態3、4においても同様に適用可能である。
尚、上述した実施形態においては、データクラスタリング部12において、混合正規分布のパラメータΦを推定し、上式(5)を特定することにより前記第1の発明における「確率分布特定手段」が、データクラスタリング部12において、観測データの分類を行うことにより前記第1の発明における「データ分類手段」が、分離超平面推定部14において、分離超平面のパラメータa,bを推定し、上式(4)を特定することにより前記第1の発明における「境界条件特定手段」が、システムパラメータ推定部16において、パラメータθ1^,θ2^を推定し、上式(11)及び(12)を特定することにより前記第1の発明における「第1規則特定手段」及び「第2規則特定手段」が、それぞれ実現されている。また、ECUが上記ステップ120、130の処理を実行することにより前記第1の発明における「区分推定手段」が、ECUが上記ステップ150又は170の処理を実行することにより前記第1の発明における「センサ電圧推定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施形態においては、ステップ240〜270の一連の処理を実行することにより前記第2の発明における「異常判定手段」が実現されている。
実施形態2.
実施形態2のスロットルバルブ異常診断装置は、センサ電圧推定部18で推定したセンサ電圧の推定値y^(k+1)を用いるのに加えて、現在のセンサ電圧の実測値y(k)を含む観測データが上述した開状態クラスタC1又は閉状態クラスタC2に帰属する帰属確率を用いて異常判定を行うことをその特徴とする。センサ電圧の推定値y^(k+1)を用いて異常判定を行うことについては実施形態1に既述したとおりである。このため、以下では実施形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については省略又は簡略する。
図4は、実施形態2のECUがスロットルバルブの異常判定を行う診断装置として機能する場合の機能ブロック図である。図4に示すように、ECUは、システム同定部10、センサ電圧推定部18、帰属確率演算部24及び異常判定部26から構成されている。
(帰属確率演算部24)
帰属確率演算部24は、パラメータΦ、及び上式(6)又は(7)を用い、時刻kで実測されたセンサ電圧y(k)を含む観測データが、開状態クラスタC1及び閉状態クラスタC2に帰属する帰属確率を演算するように構成されている。開状態クラスタC1及び閉状態クラスタC2は、データクラスタリング部12の説明の際に述べたように、過去の時系列データを分類するときに用いた2つのクラスタが用いられる。
観測データベクトルzkは、そのベクトルを構成するy(k)にセンサ電圧の実測値を適用した観測データベクトルである。すなわち、現在時刻kにおいて取得された実際のセンサ電圧y(k)のデータと、過去の指示電圧及びセンサ電圧のデータとから、観測データベクトルzk=(xT(k) yT(k))Tを定義する。そして、この観測データベクトルzkと、データクラスタリング部12で推定されたパラメータΦとを用いて、α1p1(zk;Φ)又はα2p2(zk;Φ)を演算する。α1p1(zk;Φ)又はα2p2(zk;Φ)は、開閉状態予測フラグの値に対応する帰属確率である。すなわち、センサ電圧推定部18で推定した開閉状態予測フラグi^(k+1)=1であれば、演算される帰属確率はα1p1(zk;Φ)であり、i^(k+1)=0であればα2p2(zk;Φ)である。演算後のα1p1(zk;Φ)又はα2p2(zk;Φ)は、ECUにバッファリングされる。
(異常判定部26)
異常判定部26は、センサ電圧推定部18で推定したy^(k+1)及び帰属確率演算部24で演算した帰属確率に基づいてスロットルバルブの異常判定を行うように構成されている。この異常判定のうち、y^(k+1)、すなわちy^(k+1)と実際のセンサ電圧であるy(k+1)の差Δyに基づくものについては、実施形態1で既述した内容と重複することから説明を省略する。
帰属確率に基づく異常判定は、α1p1(zk;Φ)又はα2p2(zk;Φ)と判定のために設定された判定確率との比較により行われる。この判定確率は、時刻kの実測値を含む観測データがクラスタC1又はクラスタC2に帰属する帰属確率の許容される下限値として設定されるものであり、別途ECUに記憶されている。つまり、帰属確率α1p1(zk;Φ)又はα2p2(zk;Φ)がこの下限値よりも低い場合には、観測データに異常の可能性が認められる。観測データに異常の可能性が認められれば、観測データを構成したデータに異常の可能性が認められることになる。このため、異常判定部26は、該当する帰属確率とこの下限値とを比較し、帰属確率が下限値よりも低い場合には、異常信号を発するように構成されている。
異常判定は、上記の異常信号が、予め定めた判定時間内において、設定回数検出されるか否かで判定される。具体的には、y^(k+1)及び帰属確率に基づく上記の異常信号が検出された場合、異常判定部26に別途内蔵した異常カウンタのカウンタ値が増加される。そして、予め決めた判定時間内において、このカウンタ値が設定値以上に到達した場合に、スロットルバルブの異常として判定される。本実施形態においては、上記の異常信号が、本実施形態においては、上記の異常信号がΔyに基づいて検出されると共に、帰属確率に基づいて検出される可能性があるため、データの信憑性を確認することができる。したがって、Δyに基づく判定結果の信頼性を上げることができる。
[実施形態2における具体的処理]
次に、図5を参照して本実施形態においてECUが実行するスロットルバルブ異常判定ルーチンを説明する。尚、図5中、ステップ100〜ステップ180は、実施形態1と同一の処理が実行されるため説明を省略する。
ステップ160に続いて、観測データベクトルzk=(xT(k) yT(k))TのクラスタC1に帰属する帰属確率α1p1(zk;Φ)が演算され(ステップ310)、ECUにバッファリングされる(ステップ320)。同様に、ステップ180に続いて、観測データベクトルzk=(xT(k) yT(k))TのクラスタC2に帰属する帰属確率α2p2(zk;Φ)が演算され(ステップ330)、ECUにバッファリングされる(ステップ340)。ステップ320又は340に続いて、スロットルバルブの異常判定が実行される(ステップ350)。
次に、ステップ350で実行されるスロットルバルブの異常判定のサブルーチンを図6のフローチャートを参照して説明する。尚、図6中、ステップ200、210は、実施形態1と同一の処理が実行されるため説明を省略する。
ステップ360では、時刻k+1における実際のセンサ電圧y(k+1)が読み込まれる。そして、推定したセンサ電圧y^(k+1)と、実際のセンサ電圧y(k+1)とが比較される(ステップ370)。上述の通り、センサ電圧y^(k+1)は、ステップ160又は180の処理を実行することによりECUにバッファリングされている。このため、このy^(k+1)とステップ360で読み込んだy(k+1)とが比較される。そして、これらの間の偏差が予め決められた閾値よりも小さい場合には、ステップ390に進む。そうでない場合には、ステップ380に進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
ステップ390では、α1p1(zk;Φ)又はα2p2(zk;Φ)と予め決められた閾値との比較がされる。上述の通り、ステップ320又は340による処理の結果、開閉状態予測フラグの値に対応する帰属確率がECUにバッファリングされている。また、予め決められた閾値は、帰属確率の下限値として、別途ECUに記憶されている。このため、ステップ390では、この帰属確率と下限値とが比較される。そして、帰属確率が下限値以上の場合には、ステップ400に進み、異常カウンタがリセットされる。そうでない場合には、ステップ380に進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
続いて、ステップ410では、異常カウンタのカウンタ値が予め定めた設定値(閾値)以上か否かが判定される。そして、カウンタ値が閾値以上の場合には、ステップ430に進み、スロットルバルブは異常と判定される。そうでない場合には、ステップ420に進み、スロットルバルブは正常と判定される。
以上説明した通り、図5及び6に示すルーチンによれば、過去の時系列データに基づいて同定したPWARXモデルを用いて、将来のセンサ電圧を逐次推定することができる。また、図5及び6に示すルーチンによれば、現在のセンサ電圧の実測値を含む観測データの帰属確率を演算することができる。そして、将来のセンサ電圧に基づく異常判定を行うと共に、帰属確率に基づいて観測データの信憑性を確認することにより、異常判定の精度を上げることができる。
尚、本実施形態では、異常判定に際して、センサ電圧推定部18で推定したセンサ電圧の推定値y^(k+1)を用いたが、実施形態1同様、開閉状態予測フラグi^(k+1)を診断要素に加えて異常判定を行ってもよい。また、センサ電圧の推定値y^(k+1)の代わりに、実施形態1で説明した開閉状態予測フラグi^(k+1)を診断要素として用いて異常判定を行ってもよい。
また、上述した実施形態においては、ステップ310又は330の処理を実行することにより、前記第3の発明における「帰属確率演算手段」が、ステップ390、380、400の処理を実行することにより前記第3の発明における「評価手段」が、それぞれ実現されている。
実施形態3.
実施形態3のスロットルバルブ異常診断装置は、実施形態1の異常判定に際して、開状態と閉状態との境界である分離超平面からの距離を用いて異常判定の妥当性を評価することをその特徴とする。このため、上述した実施形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略又は簡略する。
図7は、実施形態3のECUがスロットルバルブの異常判定を行う診断装置として機能する場合の機能ブロック図である。図7に示すように、ECUは、システム同定部10、センサ電圧推定部18、開閉状態推定部20、距離演算部28及び異常判定部30から構成されている。
(距離演算部28)
距離演算部28は、パラメータa,b及び上式(13)を用い、dk=|aTx(k+1)+b|を演算するように構成されている。このdkは、上式(4)で示される分離超平面からの距離に相当する。具体的には、時刻k-1までのデータ履歴により推定したパラメータa,bと、このデータ履歴に時刻kのデータを加えて生成した回帰ベクトルx(k+1)とから、距離dk=|aTx(k+1)+b|を演算する。演算したdkは、ECUにバッファリングされる。
(異常判定部30)
異常判定部30は、センサ電圧推定部18で推定したy^(k+1)及び開閉状態推定部20で推定したi^(k+1)に基づいてスロットルバルブの異常判定を行うと共に、距離演算部28で演算した距離dkに基づいてスロットルバルブの異常判定を行うように構成されている。この異常判定のうち、y^(k+1)及びi^(k+1)に基づくものについては実施形態1で既述した内容と重複することから説明を省略する。
距離dkに基づく異常判定は、この距離dkと、予め決められた設定値(閾値)とを比較することにより行われる。この閾値は、スロットルバルブ異常の判定精度の要求度に応じて自由に設定することが可能である。そして、距離dkが閾値未満であれば、y^(k+1)、i^(k+1)を演算する際に用いたデータの信憑性が低い可能性が認められる。異常判定部30は、距離dkが閾値未満の場合には、異常信号を発するように構成されている。
異常判定は、上記の異常信号が、予め定めた判定時間内において、設定回数検出されるか否かで判定される。具体的には、Δy、i^(k+1)又は距離dkに基づく上記の異常信号が検出された場合、異常判定部30に別途内蔵した異常カウンタのカウンタ値が増加される。そして、予め決めた判定時間内において、このカウンタ値が設定値以上に到達した場合に、スロットルバルブの異常として判定される。本実施形態においては、上記の異常信号がΔy及びi^(k+1)に基づいて検出されると共に、距離dkに基づいて検出される可能性があることから、データの信憑性を確認することができる。したがって、Δy及びi^(k+1)に基づく判定結果の信頼性を上げることができる。
[実施形態3における具体的処理]
次に、図8を参照して本実施形態においてECUが実行するスロットルバルブ異常判定ルーチンを説明する。尚、図8中、ステップ100〜ステップ180は、実施形態1と同一の処理が実行されるため説明を省略する。
ステップ160に続いて、分離超平面からの距離dkが演算される(ステップ440)。上述の通り、距離演算部28で、距離dkが演算される。この距離dkは、ステップ450でECUにバッファリングされる。ステップ450に続いて、スロットルバルブの異常判定が実行される(ステップ460)。
次に、ステップ460で実行されるスロットルバルブの異常判定のサブルーチンを図9のフローチャートを参照して説明する。尚、図9中、ステップ200〜250は、実施形態1と同一の処理が実行されるため説明を省略する。
ステップ260では、推定したセンサ電圧y^(k+1)と、実際のセンサ電圧y(k+1)とが比較される。上述の通り、センサ電圧y^(k+1)は、ステップ160又は180の処理を実行することによりECUにバッファリングされている。このため、このy^(k+1)とステップ230で読み込んだy(k+1)とが比較される。そして、これらの間の偏差が予め決められた閾値よりも小さい場合には、ステップ470に進む。そうでない場合には、ステップ250に進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
ステップ470では、距離dkと予め決められた閾値との比較がされる。上述の通り、ステップ450の処理を実行することにより、距離dkがECUにバッファリングされている。このため、ステップ470では、この距離dkと閾値とが比較される。そして、距離dkが閾値以上の場合には、ステップ480へ進み、異常カウンタがリセットされる。そうでない場合には、ステップ250へ進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
続いて、ステップ490では、異常カウンタのカウンタ値が予め定めた設定値(閾値)以上か否かが判定される。そして、カウンタ値が閾値以上の場合には、ステップ510に進み、スロットルバルブは異常と判定される。そうでない場合には、ステップ500に進み、スロットルバルブは正常と判定される。
以上説明した通り、図8及び9に示すルーチンによれば、過去の時系列データに基づいて同定したPWARXモデルを用いて、将来のセンサ電圧を逐次推定することができる。また、図8及び9に示すルーチンによれば、PWARXモデルの同定に際して推定した分離超平面のパラメータを用いて、開閉状態を予測できる。さらに、図8及び9に示すルーチンによれば、この分離超平面のパラメータを用いて、分離超平面からの距離を演算することができる。そして、将来のセンサ電圧及び開閉状態に基づいてスロットルバルブの異常判定を行うと共に、距離dkに基づいてデータの信憑性を確認することにより、異常判定の精度を上げることができる。
尚、本実施形態は、実施形態2との組み合わせが可能である。すなわち、本実施形態に、実施形態2で説明した現在のセンサ電圧の実測値y(k)を含む観測データの帰属確率を加えて異常判定を行ってもよい。こうすることで、異常判定の精度を更に上げることができる。尚、本変形例は、後述する実施形態4においても同様に適用可能である。
尚、上述した実施形態においては、ステップ440の処理を実行することにより、前記第4の発明における「距離演算手段」が、ステップ470、250、480の処理を実行することにより前記第4の発明における「評価第2手段」が、それぞれ実現されている。
実施形態4.
実施形態4のスロットルバルブ異常診断装置は、実施形態1の異常判定に際して、センサ電圧の推定値y^(k+1)を含む観測データが、上述した開状態クラスタC1及び閉状態クラスタC2に帰属する帰属確率を用いて異常判定の妥当性を評価することをその特徴とする。このため、上述した実施形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略又は簡略する。
図10は、実施形態4のECUがスロットルバルブの異常判定を行う診断装置として機能する場合の機能ブロック図である。図10に示すように、ECUは、システム同定部10、センサ電圧推定部18、開閉状態推定部20、帰属確率演算部32及び異常判定部34から構成されている。
(帰属確率演算部32)
帰属確率演算部32は、パラメータΦ、及び上式(6)又は(7)を用い、時刻k+1におけるセンサ電圧の推定値y^(k+1)を含む観測データベクトルが、開状態クラスタC1及び閉状態クラスタC2に帰属する帰属確率を演算するように構成されている。開状態クラスタC1及び閉状態クラスタC2は、データクラスタリング部12の説明の際に述べたように、過去の時系列データを分類するときに用いた2つのクラスタが用いられる。
帰属確率は、先ず、データクラスタリング部12で定義した観測データベクトルzk同様、観測データベクトルzk+1=(xT(k+1) yT(k+1))Tを定義する。すなわち、本実施形態では、センサ電圧推定部18で推定したy^(k+1)と、時刻kまでの指示電圧及びセンサ電圧のデータとから、観測データベクトルzk+1を定義する。そして、この観測データベクトルzk+1と、データクラスタリング部12で推定されたパラメータΦとを用いて、α1p1(zk+1;Φ)及びα2p2(zk+1;Φ)を演算する。演算後のα1p1(zk+1;Φ)、α2p2(zk+1;Φ)は、ECUにバッファリングされる。
(異常判定部34)
異常判定部34は、センサ電圧推定部18で推定したy^(k+1)及び開閉状態推定部20で推定したi^(k+1)に基づいてスロットルバルブの異常判定を行うと共に、帰属確率演算部32で演算した帰属確率α1p1(zk+1;Φ)、α2p2(zk+1;Φ) に基づいてスロットルバルブの異常判定を行うように構成されている。この異常判定のうち、y^(k+1)及びi^(k+1)に基づくものについては実施形態1で既述した内容と重複することから説明を省略する。
帰属確率に基づく異常判定は、開状態クラスタC1への帰属確率α1p1(zk+1;Φ)と閉状態クラスタC2への帰属確率α2p2(zk+1;Φ)とを比較することにより行われる。この比較は、α1p1(zk+1;Φ)≧α2p2(zk+1;Φ)の場合には、開状態である確率が高いが、α1p1(zk+1;Φ)<α2p2(zk+1;Φ)の場合には、閉状態である確率が高いことを示す。つまり、開閉状態予測フラグがi^(k+1)=1と判定されているにもかかわらず、閉状態である確率が高いとされたときには、y^(k+1)を演算する際に用いたデータの信憑性が低い可能性が認められる。異常判定部34は、開閉状態フラグの結果が帰属確率の比較結果と異なるような場合には、異常信号を発するように構成されている。
異常判定は、上記の異常信号が、予め定めた判定時間内において、設定回数検出されるか否かで判定される。具体的には、Δy、i^(k+1)又は帰属確率に基づく上記の異常信号が検出された場合、異常判定部34に別途内蔵した異常カウンタのカウンタ値が増加される。そして、予め決めた判定時間内において、このカウンタ値が設定値以上に到達した場合に、スロットルバルブの異常として判定される。本実施形態においては、上記の異常信号がΔy及びi^(k+1)に基づいて検出されると共に、帰属確率に基づいて検出される可能性がある。したがって、Δy及びi^(k+1)に基づく判定結果の信頼性を上げることができる。
[実施形態4における具体的処理]
次に、図11を参照して本実施形態においてECUが実行するスロットルバルブ異常判定ルーチンを説明する。尚、図11中、ステップ100〜ステップ180は、実施形態1と同一の処理が実行されるため説明を省略する。
ステップ160に続いて、帰属確率α1p1(zk+1;Φ)及びα2p2(zk+1;Φ)が演算される(ステップ520)。上述の通り、帰属確率演算部32で、これら2つの帰属確率が演算される。このこれら2つの帰属確率は、ステップ530でECUにバッファリングされる。ステップ530に続いて、スロットルバルブの異常判定が実行される(ステップ540)。
次に、ステップ540で実行されるスロットルバルブの異常判定のサブルーチンを図12のフローチャートを参照して説明する。尚、図12中、ステップ200〜250は、実施形態1と同一の処理が実行されるため説明を省略する。
ステップ260では、推定したセンサ電圧y^(k+1)と、実際のセンサ電圧y(k+1)とが比較される。上述の通り、センサ電圧y^(k+1)は、ステップ160又は180の処理を実行することによりECUにバッファリングされている。このため、このy^(k+1)とステップ230で読み込んだy(k+1)とが比較される。そして、これらの間の偏差が予め決められた閾値よりも小さい場合には、ステップ550に進む。そうでない場合には、ステップ250に進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
ステップ550では、開閉状態予測フラグi^(k+1)=1であるか否かが判定される。上述したように、ステップ130の処理を実行することにより開閉状態予測フラグi^(k+1)はECUにバッファリングされている。このため、本ステップでは、この開閉状態予測フラグi^(k+1)=1であるか否かが判定され、i^(k+1)=1の場合にはステップ560に進む。そうでない場合は、ステップ570に進む。
ステップ560では、帰属確率α1p1(zk+1;Φ)≧α2p2(zk+1;Φ)であるか否かが判定される。ステップ560は、ステップ550の処理の結果、スロットルバルブが開状態であると予測されている。そして、本ステップでα1p1(zk+1;Φ)≧α2p2(zk+1;Φ)であると判定された場合には、開状態である確率が高いことから、開閉状態予測フラグの結果と一致する。したがって、α1p1(zk+1;Φ)≧α2p2(zk+1;Φ)の場合には、ステップ580に進み、異常カウンタがリセットされる。一方、本ステップでα1p1(zk+1;Φ)<α2p2(zk+1;Φ)であると判定された場合には、閉状態である確率が高いことから、開閉状態予測フラグの結果と相違する。このため、α1p1(zk+1;Φ)<α2p2(zk+1;Φ)の場合には、ステップ250に進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
ステップ570では、帰属確率α1p1(zk+1;Φ)≦α2p2(zk+1;Φ)であるか否かが判定される。ステップ570は、ステップ550の処理の結果、スロットルバルブが閉状態であると予測されている。そして、本ステップでα1p1(zk+1;Φ)≦α2p2(zk+1;Φ)であると判定された場合には、開状態である確率が高いことから、開閉状態予測フラグの結果と一致する。したがって、α1p1(zk+1;Φ)≦α2p2(zk+1;Φ)の場合には、ステップ580に進み、異常カウンタがリセットされる。一方、本ステップでα1p1(zk+1;Φ)>α2p2(zk+1;Φ)であると判定された場合には、開状態である確率が高いことから、開閉状態予測フラグの結果と相違する。このため、α1p1(zk+1;Φ)>α2p2(zk+1;Φ)の場合には、ステップ250に進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
続いて、ステップ590では、異常カウンタのカウンタ値が予め定めた設定値(閾値)以上か否かが判定される。そして、カウンタ値が閾値以上の場合には、ステップ610に進み、スロットルバルブは異常と判定される。そうでない場合には、ステップ600に進み、スロットルバルブは正常と判定される。
以上説明した通り、図11及び12に示すルーチンによれば、過去の時系列データに基づいて同定したPWARXモデルを用いて、将来のセンサ電圧を逐次推定することができる。また、図11及び12に示すルーチンによれば、PWARXモデルの同定に際して推定した分離超平面のパラメータを用いて、開閉状態を予測できる。さらに、図11及び12に示すルーチンによれば、推定した将来のセンサ電圧を用いて定義した観測データベクトルzk+1を用いて、帰属確率を演算することができる。そして、将来のセンサ電圧及び開閉状態に基づいてスロットルバルブの異常判定を行うと共に、帰属確率に基づいてデータの信憑性を確認することにより、異常判定の精度を上げることができる。
尚、本実施形態は、実施形態3との組み合わせが可能である。すなわち、スロットルバルブの異常判定に際して、推定したセンサ電圧の推定値y^(k+1)、開閉状態予測フラグi^(k+1)、帰属確率α1p1(zk+1;Φ)、α2p2(zk+1;Φ)に加えて、分離超平面からの距離dkを用いてもよい。こうすることで、異常判定の精度を更に上げることができる。
尚、上述した実施形態においては、ステップ550、560、250、570、580の処理を実行することにより前記第5の発明における「評価第3手段」が実現されている。
実施形態1において、ECUがスロットルバルブの異常判定を行う診断装置として機能する場合の機能ブロック図である。 実施形態1において、ECUが実行するスロットルバルブ異常判定ルーチン説明するためのフローチャートである。 実施形態1において、ECUが実行するスロットルバルブ異常判定のサブルーチンを説明するためのフローチャートである。 実施形態2において、ECUがスロットルバルブの異常判定を行う診断装置として機能する場合の機能ブロック図である。 実施形態2において、ECUが実行するスロットルバルブ異常判定ルーチン説明するためのフローチャートである。 実施形態2において、ECUが実行するスロットルバルブ異常判定のサブルーチンを説明するためのフローチャートである。 実施形態3において、ECUがスロットルバルブの異常判定を行う診断装置として機能する場合の機能ブロック図である。 実施形態3において、ECUが実行するスロットルバルブ異常判定ルーチン説明するためのフローチャートである。 実施形態3において、ECUが実行するスロットルバルブ異常判定のサブルーチンを説明するためのフローチャートである。 実施形態4において、ECUがスロットルバルブの異常判定を行う診断装置として機能する場合の機能ブロック図である。 実施形態4において、ECUが実行するスロットルバルブ異常判定ルーチン説明するためのフローチャートである。 実施形態4において、ECUが実行するスロットルバルブ異常判定のサブルーチンを説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 システム同定部
12 データクラスタリング部
14 分離超平面推定部
16 システムパラメータ推定部
18 センサ電圧推定部
20 開閉状態推定部
22、26、30、34 異常判定部
24、32 帰属確率演算部
28 距離演算部

Claims (5)

  1. 開閉制御時にスロットルバルブに入力される指示電圧及びスロットル開度センサから出力されるセンサ電圧の過去のデータが従う基準開度若しくはそれよりも開いた開状態に対応した第1確率分布の未知パラメータ及び前記基準開度もしくはそれよりも閉じた閉状態に対応した第2確率分布の未知パラメータを、これらのデータに基づいて最尤推定法により推定し、推定した未知パラメータにより前記第1確率分布及び前記第2確率分布を特定する確率分布特定手段と、
    特定後の前記第1確率分布及び前記第2確率分布に基づいて、前記過去のデータの各々が前記開状態のデータであるか、或いは前記閉状態のデータであるかの判定を行い、夫々開状態クラスタ及び閉状態クラスタに分類するデータ分類手段と、
    前記開状態と前記閉状態との境界で成立する境界条件を、前記過去のデータに基づいて推定し、推定した未知パラメータにより前記境界条件を特定する境界条件特定手段と、
    所定の時刻においてスロットルバルブに入力される指示電圧及びスロットル開度センサから出力されるセンサ電圧のデータと、前記所定の時刻よりも1ステップ先の時刻においてスロットル開度センサから出力されるセンサ電圧のデータとの間に成立する関係の未知パラメータを、前記開状態クラスタのデータに基づいて推定し、推定した未知パラメータにより前記関係をスロットルバルブの開状態に対応した第1規則として特定する第1規則特定手段と、
    所定の時刻においてスロットルバルブに入力される指示電圧及びスロットル開度センサから出力されるセンサ電圧のデータと、前記所定の時刻よりも1ステップ先の時刻においてスロットル開度センサから出力されるセンサ電圧のデータとの間に成立する関係の未知パラメータを、前記閉状態クラスタのデータに基づいて推定し、推定した未知パラメータにより前記関係をスロットルバルブの閉状態に対応した第2規則として特定する第2規則特定手段と、
    特定した前記境界条件にスロットルバルブに入力された開度指示電圧及びスロットル開度センサから出力された開度センサ電圧のデータの現在値を含むデータを適用して、前記現在値を含むデータが前記開状態に区分されるか、或いは前記閉状態に区分されるかを推定する区分推定手段と、
    前記第1規則又は前記第2規則に前記現在値を含むデータを適用してスロットル開度センサから出力される将来のセンサ電圧を推定するセンサ電圧推定手段と、
    を備えることを特徴とするスロットルバルブ異常診断装置。
  2. 前記区分推定手段による推定結果及び/又は前記将来のセンサ電圧に基づいてスロットルバルブの異常を判定する異常判定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のスロットルバルブ異常診断装置。
  3. 特定後の前記第1確率分布及び前記第2確率分布に基づいて、スロットルバルブに入力された指示電圧及びスロットル開度センサから出力されたセンサ電圧のデータの現在までの実測値を含むデータが、前記開状態のデータである確率及び前記閉状態のデータである確率を示す帰属確率を演算する帰属確率演算手段と、
    前記帰属確率と予め定めた判定確率とを比較することにより前記異常判定手段による判定結果の妥当性を評価する評価手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2に記載のスロットルバルブ異常診断装置。
  4. 前記開状態と前記閉状態との境界から前記現在値を含むデータがどの程度離れているかを示す距離を演算する距離演算手段と、
    前記距離と予め定めた判定値とを比較することにより前記異常判定手段による判定結果の妥当性を評価する評価第2手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2又は3に記載のスロットルバルブ異常診断装置。
  5. 特定後の前記第1確率分布及び前記第2確率分布に基づいて、前記現在値を含むデータが前記開状態のデータであるか、或いは前記閉状態のデータであるかの判定を行い、前記異常判定手段による判定結果の妥当性を評価する評価第3手段を備えることを特徴とする請求項2乃至4いずれか1項に記載のスロットルバルブ異常診断装置。
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