JP2010090736A - 内燃機関の異常診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の異常診断装置に関し、内燃機関の広範な制御領域で、空燃比制御系の異常診断を行うことができる内燃機関の異常診断装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ECU50は、システム同定部52と、定常・過渡推定部60、出力A/F推定部62、帰属確率演算部64、異常判定部66から構成される。システム同定部52は、内燃機関10の運転状態に応じた定常状態用空燃比モデル/過渡状態用空燃比モデルの同定を行う。異常判定は、(i)運転状態予測フラグi^(k)値と実運転状態の判定値i(k)との比較結果、(ii)y^(k+1)と実空燃比y(k+1)との比較結果、又は(iii)帰属確率wz^ (C1)又はwz^ (C2)と所定確率との比較結果を利用することにより行われる。
【選択図】図2

Description

この発明は、内燃機関の異常診断装置に関し、特に、内燃機関の運転状態に対応した空燃比モデルを利用して空燃比制御系の異常判定を行う内燃機関の異常診断装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、定常運転時に計測した空燃比と目標空燃比とのずれから特性モデルを求め、この特性モデルに基づいて算出した目標燃料噴射量と、実際の燃料噴射量とのずれを算出し、このずれから燃料噴射器の異常を診断する方法が開示されている。この方法によれば、特性モデルに基づいて、燃料噴射器の初期誤差や経時劣化を算出し、燃料噴射器の故障診断をすることができる。
特開2000−120480号公報 特開平06−66188号公報 特開平10−333705号公報 特開2006−118428号公報
ところで、燃料噴射器を含む内燃機関の空燃比制御系の異常診断は、内燃機関の広範な制御領域で精度良く行われることが好ましい。特許文献1の方法は、定常状態で得られたデータに基づいて作成した特性モデルによって異常診断を行っている。このため、定常状態においては、空燃比制御系の特性について、精度の高い異常診断ができると考えられる。しかしながら、過渡状態においては、この特性が定常状態とは異なる挙動を示すため、定常状態に基づいて作成された特性モデルでは、過渡状態の挙動を予測するのに十分でない可能性がある。したがって、特許文献1の方法では、定常・過渡といった広範な制御領域に渡り、精度良く異常診断が行えるとはいえなかった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の広範な制御領域で、空燃比制御系の異常診断を行うことができる内燃機関の異常診断装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の異常診断装置であって、
現在までの燃料噴射量及び空燃比に基づいて、内燃機関の運転状態が定常状態であるか、或いは過渡状態であるかを推定するための運転状態推定手段と、
内燃機関の運転状態が定常状態の場合における将来の空燃比を推定するための定常状態用空燃比モデルと、
内燃機関の運転状態が過渡状態の場合における将来の空燃比を推定するための過渡状態用空燃比モデルと、
前記運転状態推定手段で推定した結果を推定運転状態として取得、及び前記定常状態用空燃比モデル又は前記過渡状態用空燃比モデルで推定した結果を推定空燃比として取得、の少なくとも一方を行う推定結果取得手段と、
前記内燃機関の実際の空燃比である実空燃比及び前記内燃機関の実際の運転状態である実運転状態の少なくとも一方を取得する実測結果取得手段と、
前記推定運転状態と前記実運転状態とが異なる場合、又は前記推定空燃比と前記実空燃比との偏差が予め定めた閾値よりも大きい場合に内燃機関の空燃比制御系の異常を判定する異常判定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
過去の燃料噴射量及び空燃比に基づく回帰ベクトルと現在の空燃比とから構成される現在の観測データベクトルを、内燃機関の定常状態に対応する定常状態クラスタ又は内燃機関の過渡状態に対応する過渡状態クラスタにクラスタリングするクラスタリング手段と、
前記クラスタリング後の前記現在の観測データベクトル基づいて、前記空燃比モデルのパラメータを推定するパラメータ推定手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
現在までの燃料噴射量及び空燃比に基づく回帰ベクトルと前記推定空燃比とから構成される将来の観測データベクトルが、前記定常状態クラスタ又は前記過渡状態クラスタに帰属する帰属確率を演算する帰属確率演算手段と、
前記帰属確率を取得する帰属確率取得手段と、
を備え、
前記異常判定手段は、
前記帰属確率が予め定めた判定確率よりも低い場合に内燃機関の空燃比制御系の異常を判定する第2異常判定手段を備えることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3いずれか1項の発明において、
前記運転状態推定手段は、
過去の燃料噴射量及び空燃比から構成される回帰ベクトルを含むベクトル空間を、内燃機関の定常状態に対応するベクトル空間と、過渡状態に対応するベクトル空間とに分割する分離超平面を推定する分離超平面推定手段を備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第4の発明において、
現在までの燃料噴射量及び空燃比から構成される回帰ベクトルと、前記分離超平面を表すパラメータとを用いて、前記分離超平面からの距離を演算する距離演算手段と、
前記距離を取得する距離取得手段と、
を備え、
前記異常判定手段は、
前記距離が予め定めた判定距離よりも遠い場合に内燃機関の空燃比制御系の異常を判定する第3異常判定手段を備えることを特徴とする。
第1の発明によれば、現在までの燃料噴射量及び空燃比に基づいて、運転状態が定常状態であるか、或いは過渡状態であるかを推定できる。また、推定した運転状態にそれぞれ対応した空燃比モデルから、将来の空燃比を推定できる。そして、推定した運転状態と実際の運転状態とが異なる場合、又は推定した空燃比と実際の空燃比との偏差が予め定めた閾値よりも大きい場合に内燃機関の空燃比制御系の異常を判定することができる。したがって、定常・過渡といった広範な制御領域に渡り、内燃機関の異常診断を行うことができる。
第2の発明によれば、現在までの燃料噴射量及び空燃比から構成されるデータをクラスタリングし、クラスタリング後のデータから、将来の空燃比を推定するための空燃比モデルのパラメータを推定することができる。このパラメータの推定は、現在までの燃料噴射量及び空燃比のデータを逐次更新することにより可能となる。したがって、定常・過渡状態のそれぞれに対応した空燃比モデルを逐次同定することができる。
第3の発明によれば、第2の発明でクラスタリングした後のそれぞれのクラスタに、将来の観測データが帰属する帰属確率を演算できる。そして、この帰属確率を内燃機関の異常診断要素として用いることができる。したがって、高精度な異常診断を行うことができる。
第4の発明によれば、現在までの燃料噴射量及び空燃比から構成される回帰ベクトルを用い、それぞれの運転状態に対応するベクトル空間の境界である分離超平面を推定することができる。
第5の発明によれば、第4の発明で推定した分離超平面からの距離を演算し、この距離を内燃機関の異常診断要素として用いることができる。したがって、高精度な異常診断を行うことができる。
実施の形態1.
[実施の形態1におけるシステム構成の説明]
先ず、図1を参照して、本実施の形態1に係る異常診断装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態1に係る異常診断装置の構成を説明するための図である。
実施形態1の異常診断装置は、車両に動力源として搭載される内燃機関10を備えている。内燃機関10は、例えば車両の動力源として用いられるものとする。内燃機関10の気筒数や気筒配置は、特に限定されるものではない。
内燃機関10の気筒には、吸気通路12及び排気通路14が連通している。吸気通路12には、スロットル弁16が配置されている。スロットル弁16の開度は、スロットルモータ18の作動によって調整される。スロットル弁16の近傍には、スロットル弁16の開度を検出するためのスロットルポジションセンサ20が配置されている。
内燃機関10の気筒には、吸気ポート22内に燃料を噴射するための燃料インジェクタ24が配置されている。尚、内燃機関10は、図示のようなポート噴射式のものに限らず、燃料を筒内に直接噴射する筒内直接噴射式のものであっても良く、また、ポート噴射と筒内噴射とを併用するものであっても良い。
排気通路14には、空燃比センサ26が配置されている。空燃比センサ26は、内燃機関10から流出してくる排気ガスが理論空燃比に対してリッチであるか、或いはリーンであるかに応じて急変する出力を発するセンサである。
本実施のシステムは、ECU(Electronic Control Unit)50を更に備えている。ECU50には、上述した各種のセンサ及びアクチュエータが接続されている。ECU50は、各センサの出力等に基づいて、燃料噴射量、空燃比、スロットル開度等を制御する。尚、ECU50は、後述する異常診断装置として機能するほか、空燃比センサ26の出力を燃料インジェクタ24からの燃料噴射量にフィードバックする空燃比制御装置としても機能している。
図2は、ECU50が異常診断装置として機能する場合の機能ブロック図である。図2に示すように、ECU50は、システム同定部52、定常・過渡推定部60、出力A/F推定部62、帰属確率演算部64及び異常判定部66から構成される。また、システム同定部52は、データクラスタリング部54、分離超平面推定部56及びシステムパラメータ推定部58から構成される。
(システム同定部52)
システム同定部52は、燃料噴射量から空燃比までのエンジン特性を記述する同定式を、内燃機関10の定常・過渡状態で同定式が切り替わる区分的ARX(Auto-Regressive eXogeneous)モデルとして同定を行うように構成されている。システム同定部52は、過去の入出力データに基づいて、以下の式(1)及び(2)のパラメータθ、θ、a、bを決定し、区分的ARXモデルの同定を行う。
同定は、過去の実際の燃料噴射量(実燃料噴射量)及び実際の空燃比(実空燃比)を、過去の入出力データとして用いることにより行う。時刻kに燃料インジェクタ24から噴射された実際の燃料噴射量をu(k)、空燃比センサ26の出力である空燃比をy(k)とする。そうすると、過去の入出力データは、u(k−1),u(k−2),…、及びy(k−1),y(k−2),…で表される。これら過去の入出力データは、ECU50にバッファリングされている。
過去の入出力データに基づくエンジン特性が区分的ARXモデルに従うと仮定すると、燃料噴射量と空燃比との関係は次式(1)及び(2)で表される。
Figure 2010090736
上式(1)が過渡状態に対応し、上式(2)が定常状態に対応するものとする。上式(1)及び(2)において、e(k)は式誤差であり、θ及びθは、未知パラメータである。また、右肩の添え字「T」は転置行列を意味する。
また、上式(1)及び(2)において、x(k)は回帰ベクトルであり、過去の実燃料噴射量及び実空燃比を用いて、
x(k)=[y(k−1), … ,y(k−n),u(k−1), … ,u(k−n)] ・・・(3)
により与えられる。上式(3)において、kは、k=1,2,…,Nの離散時刻の値であり、Nはデータ数である。自然数n,nは、それぞれモデルを記述するために必要な過去の入出力データの個数を表す。
また、上式(1)及び(2)に示すように、過渡状態と定常状態は、回帰ベクトル空間上における分離超平面で分割されるものとする。これら2つの状態の境界である分離超平面は、次式(4)で表される。
x(k)+b=0 ・・・(4)
上式(4)において、a及びbは、分離超平面の未知パラメータである。
(データクラスタリング部54)
システム同定部52内のデータクラスタリング部54は、過去の入出力データを、内燃機関の内燃機関の過渡状態に対応する過渡状態クラスタC又は定常状態に対応する定常状態クラスタCに分類するように構成されている。
クラスタリングは、まず、観測データベクトルz=(x(k),y(k))を定義する。そして、この観測データベクトルzのN個の観測データ(z,・・・,z)が、過渡状態及び定常状態に対応する正規分布からなる混合正規分布に従うと仮定する。
混合正規分布は、パラメータΦ=(α,α,μ,μ,Σ,Σ)を用いて次式(5)のように表される。
Figure 2010090736
上式(5)において、α、αは、混合正規分布の混合比であり、α,α≧0,α+α=1の関係を満たす。また上式(5)において、μ,μは、過渡状態、定常状態のそれぞれに対応する正規分布の平均ベクトルを示す。同様に、Σ、Σは、それぞれに対応する正規分布の共分散行列を示す。添え字「n」は、次元数を示す。さらにdetΣは、Σの行列式を示し、行列の右肩の添え字「−1」は逆行列を意味する。
続いて、混合正規分布のパラメータΦを最尤推定法により求める。尤度関数
Figure 2010090736
を最大化するパラメータΦは、EMアルゴリズムを用いることにより推定することができる。EMアルゴリズムでは、パラメータΦを反復的に計算することができる。パラメータΦは、離散時刻ごとに更新され、ECU50に記憶される。
続いて、求めたパラメータΦを用いて、観測データのクラスタリングを行う。ここで、観測データがクラスタCに帰属する帰属確率をw (C1)、クラスタCに帰属する帰属確率をw (C2)とすると、w (C1)+w (C2)=1を満たす。そして、これらw (C1)、w (C2)をEMアルゴリズムによって推定する。クラスタリングは、得られた帰属確率がより高い部分分布に対応するクラスタに分類する。すなわち、w (C1)>0.5のデータをクラスタCに、w (C2)>0.5のデータをクラスタCに分類する。こうすることで、観測データをそれぞれのクラスタにクラスタリングすることができる。
(分離超平面推定部56)
システム同定部52内の分離超平面推定部56は、過渡状態と定常状態とを分割する回帰空間状の分離超平面の未知パラメータを推定するように構成されている。上式(4)により与えられる分離超平面の未知パラメータa、bは次式(8)に示す2次最適化問題を解くことにより推定できる。
Figure 2010090736
上式(8)において、νは、分類誤差項を示す。パラメータa、bは、離散時刻ごとに更新され、ECU50に記憶される。
(システムパラメータ推定部58)
システム同定部52内のシステムパラメータ推定部58は、データクラスタリング部54でクラスタリングした観測データを用いて、未知パラメータθ、θを推定するように構成されている。未知パラメータθ、θは、次式(9)及び(10)により推定できる。
Figure 2010090736
上式(9)及び(10)において、N、Nは、それぞれクラスタC、Cに含まれるデータ数を示す。パラメータθ、θは、離散時刻ごとに更新され、ECU50に記憶される。
以上により、システム同定部52では、内燃機関10の定常・過渡状態で同定式が切り替わる区分的ARX(Auto-Regressive eXogeneous)モデルの同定が行われる。現在の時刻を時刻kとすると、時刻k+1における推定空燃比y^(k+1)は、時刻kまでの燃料噴射量をu(k)と空燃比y(k)とを用い、次式(11)及び(12)のように記述される。なお、本明細書において、添え字「^」は、推定値を表すものとする。
Figure 2010090736
尚、上式(11)が本発明の過渡状態用空燃比モデルに、上式(12)が本発明の定常状態用空燃比モデルにそれぞれ該当する。また、上式(11)及び(12)において、ξ(k)は回帰ベクトルであり、時刻kまでの実燃料噴射量及び実空燃比を用いて、
ξ(k)=[y(k), … ,y(k−n+1),u(k), … ,u(k−n+1)] ・・・(13)
により与えられる。
(定常・過渡推定部60)
定常・過渡推定部60は、パラメータa、b及び上式(13)を用い、内燃機関10の運転状態が定常であるか、或いは過渡であるかを推定するように構成されている。具体的に、推定は、時刻k−1で推定したパラメータa、bと、過去の入出力データに時刻kの入出力データを加えた回帰ベクトルξ(k)とからaξ(k)+bを演算する。そして、aξ(k)+b≧0であれば、定常・過渡推定部60は、内燃機関10が過渡状態であると推定し、運転状態予測フラグi^(k)=1がECU50にバッファリングされる。一方、aξ(k)+b<0であれば、定常・過渡推定部60は、内燃機関10が定常状態と推定し、運転状態予測フラグi^(k)=0がECU50にバッファリングされる。
(出力A/F推定部62)
出力A/F推定部62では、パラメータθ及び上式(11)、又はパラメータ及びθ(12)を用い、時刻k+1における空燃比y^(k+1)を推定する。上述の通り、定常・過渡推定部60により、運転状態予測フラグi^(k)値がECU50にバッファリングされている。この運転状態予測フラグi^(k)値に基づき、出力A/F推定部62は、内燃機関10の推定運転状態に対応した推定空燃比y^(k+1)を演算する。y^(k+1)は、ECU50にバッファリングされる。
(帰属確率演算部64)
帰属確率演算部64は、パラメータΦ、及び上式(5)又は(6)を用い、時刻k+1における観測データベクトルz^が、クラスタC又はCに帰属する帰属確率を演算するように構成されている。上述の通り、データクラスタリング部54では、時刻k−1までの入出力データに基づいて、パラメータΦが推定されている。また、上述の通り、出力A/F推定部62では、内燃機関10の推定運転状態に対応したy^(k+1)が演算されている。
ここで、観測データベクトルz^=(ξ(k),y^(k+1))を定義する。そうすると、帰属確率演算部64は、z^がクラスタCに帰属する帰属確率wz^ (C1)又はクラスタCに帰属する帰属確率wz^ (C2)を演算する。ここで、演算される帰属確率は、内燃機関10の推定運転状態に対応する帰属確率が該当する。すなわち、定常・過渡推定部60で推定された運転状態が過渡状態であれば、演算される帰属確率はwz^ (C1)となり、定常状態であれば、wz^ (C2)となる。wz^ (C1)又はwz^ (C2)は、EMアルゴリズムによって推定できる。推定後のwz^ (C1)又はwz^ (C2)は、ECU50にバッファリングされる。
(異常判定部66)
異常判定部66は、運転状態予測フラグi^(k)、y^(k+1)、wz^ (C1)又はwz^ (C2)に基づいて内燃機関10の空燃比制御系の異常判定を行うように構成されている。異常判定は、(i)運転状態予測フラグi^(k)値と実運転状態の判定値i(k)との比較結果、(ii)y^(k+1)と実空燃比y(k+1)との比較結果、又は(iii)帰属確率wz^ (C1)又はwz^ (C2)と所定確率との比較結果を利用することにより行われる。
上記(i)では、定常・過渡推定部60で推定した運転状態予測フラグi^(k)値と、実運転状態の判定値i(k)とが比較される。ここで、実運転状態の判定は、ECU50内の定常・過渡判定部(図示せず)によって行われ、スロットル弁16の単位時間当たりの開度の変化量が、予め決められた設定値以上であれば過渡、それ以外は定常というように判定される。判定値i(k)は、過渡状態であればi(k)=1がECU50にバッファリングされる。一方、定常状態であれば、i(k)=0がECU50にバッファリングされる。運転状態予測フラグi^(k)値と、判定値i(k)の値とが一致しない場合は、空燃比制御系の異常可能性が認められる。このため、異常判定部66は、運転状態予測フラグi^(k)値と、判定値i(k)とを比較し、これらの値が不一致の場合は異常信号を発するように構成されている。
また、上記(ii)では、出力A/F推定部62で推定した推定空燃比y^(k+1)と実空燃比y(k+1)とが比較される。ここで、実空燃比y(k+1)は、時刻k+1において空燃比センサ26から実際に取得された空燃比であり、ECU50にデータとして記録されている。y^(k+1)とy(k+1)との偏差が一定値以上であれば、空燃比制御系の異常可能性が認められる。このため、これらの間異常判定部66は、y^(k+1)とy(k+1)とを比較し、これらの間の偏差が予め決められた設定値以上であれば異常信号を発するように構成されている。
また、上記(iii)では、帰属確率wz^ (C1)又はwz^ (C2)と予め決められた設定値との比較がされる。比較に用いられる帰属確率は、内燃機関10の推定運転状態に対応する帰属確率である。また、予め決められた設定値は、帰属確率の下限値として、別途ECU50に記憶されている。帰属確率wz^ (C1)又はwz^ (C2)が下限値以下の場合には、空燃比制御系の異常可能性が認められる。このため、異常判定部66は、該当する帰属確率とこの下限値とを比較し、帰属確率が下限値を下回る場合には、異常信号を発するように構成されている。
異常判定は、上記(i)〜(iii)の異常信号が、予め定めた判定時間内において、設定回数検出されるか否かで判定される。具体的には、上記(i)〜(iii)の異常信号が検出された場合、異常判定部66に内蔵した異常カウンタのカウンタ値が増加される。そして、予め決めた判定時間内において、このカウンタ値が設定値以上に到達した場合に、内燃機関10の空燃比制御系の異常と判定される。
[実施の形態1における具体的処理]
次に、図3を参照して本実施の形態においてECU50が実行する異常診断ルーチンを説明する。図3のルーチンは、異常診断を行うための判定時間の期間、例えば燃料インジェクタ24からの燃料噴射タイミング毎に繰り返されるものとする。
まず、ステップ100では、本実施の形態で用いる区分的ARXモデルのパラメータθ、θ、a、bを読み込む。上述の通り、システム同定部52では、過去の入出力データに基づいて区分的ARXモデルの同定を行っている。このため、ECU50は、これらのパラメータを読み込む。
続いて、ステップ120では、時刻kにおける燃料噴射量u(k)を読み込む。上述したように、ECU50は、異常診断装置として機能するほか、空燃比制御装置としても機能している。燃料噴射量u(k)は、ECU50が空燃比制御装置として機能している場合に、ECU50から燃料インジェクタ24に対して指令される実際の燃料噴射量が読み込まれる。同様に、ステップ140では、空燃比センサ26から取得される実際の空燃比が読み込まれる。
続いて、ステップ160では、ステップ100で読み込んだパラメータa、bと、回帰ベクトルξ(k)とから、aξ(k)+bが演算される。上述の通り、定常・過渡推定部60において、時刻k−1で推定したパラメータa、bと、過去の入出力データに時刻kの入出力データを加えた回帰ベクトルξ(k)とからaξ(k)+bが演算される。そして、aξ(k)+b≧0であれば、運転状態予測フラグi^(k)=1がECU50にバッファリングされる。一方、aξ(k)+b<0であれば、運転状態予測フラグi^(k)=0がECU50にバッファリングされる(ステップ180)。
続いて、ステップ200では、過渡状態か否かが判定される。そして、運転状態予測フラグi^(k)が1、すなわち過渡状態であると判定された場合には、ステップ220に進み、推定空燃比y^(k+1)が演算される。上述の通り、過渡状態の場合には、出力A/F推定部62において、式(11)によりy^(k+1)が演算される。このy^(k+1)は、ステップ240でECU50にバッファリングされる。一方、ステップ200において、運転状態予測フラグi^(k)が1でない、すなわち定常状態であると判定された場合には、ステップ260に進む。
ステップ240に続いて、ステップ280では、観測データベクトルz^=(ξ(k),y^(k+1))について、クラスタCに帰属する帰属確率wz^ (C1)が演算される。上述の通り、過渡状態の場合には、帰属確率演算部64において、帰属確率wz^ (C1)が推定される。この帰属確率wz^ (C1)は、ステップ300でECU50にバッファリングされる。
ステップ260では、ステップ220と同様に推定空燃比y^(k+1)が演算される。上述の通り、定常状態の場合には、出力A/F推定部62において、式(12)によりy^(k+1)が演算される。このy^(k+1)は、ステップ320でECU50にバッファリングされる。また、ステップ340では、ステップ280と同様に帰属確率wz^ (C2)が演算される。上述の通り、定常状態の場合には、帰属確率演算部64において、帰属確率wz^ (C2)が推定される。この帰属確率wz^ (C2)は、ステップ360でECU50にバッファリングされる。
ステップ300又はステップ360に続いて、ステップ380では、内燃機関10の空燃比制御系の異常診断が実行される。
次に、ステップ380で実行される異常診断のルーチンを図4のフローチャートを参照して説明する。まず、ステップ400では、異常判定部66に内蔵した異常カウンタがONか否かが判定される。ONでないと判定された場合には、ステップ420で異常カウンタがONとされる。一方、異常カウンタがONと判定された場合には、ステップ440に進む。
ステップ440では、実運転状態の判定値i(k)が読み込まれる。上述の通り、実運転状態の判定値i(k)は、ECU50にバッファリングされている。また、ステップ460では、実空燃比y(k+1)が読み込まれる。実空燃比y(k+1)は、空燃比センサ26によって取得され、ECU50に読み込まれる。
ステップ480では、運転状態予測フラグi^(k)と、実運転状態の判定値i(k)とが比較される。上述の通り、定常・過渡推定部60による処理の結果、i^(k)がECU50にバッファリングされている。このため、ステップ480では、このi^(k)とステップ440で読み込んだi(k)とが比較される。そして、i^(k)=i(k)の場合には、ステップ500へ進む。そうでない場合には、ステップ520へ進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
ステップ500では、推定空燃比y^(k+1)と実空燃比y(k+1)とが比較される。上述の通り、出力A/F推定部62による処理の結果、y^(k+1)がECU50にバッファリングされている。このため、ステップ480では、このy^(k+1)とステップ460で読み込んだy(k+1)とが比較される。そして、これらの間の偏差が予め決められた閾値よりも小さい場合には、ステップ540へ進む。そうでない場合には、ステップ520へ進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
ステップ540では、帰属確率wz^ (C1)又はwz^ (C2)と予め決められた閾値との比較がされる。上述の通り、帰属確率演算部64による処理の結果、内燃機関10の推定運転状態に対応する帰属確率がECU50にバッファリングされている。また、予め決められた閾値は、帰属確率の下限値として、別途ECU50に記憶されている。このため、ステップ540では、この帰属確率と下限値とが比較される。そして、帰属確率が下限値以上の場合には、ステップ560へ進み、異常カウンタがリセットされる。そうでない場合には、ステップ520へ進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
ステップ580では、異常カウンタのカウンタ値が閾値(設定値)以上か否かが判定される。上述の通り、異常判定部66では、予め決めた判定時間内において、異常カウンタが設定値以上に到達した場合に、内燃機関10の空燃比制御系が異常と判定される。このため、ステップ580では、カウンタ値と、設定値とが比較される。そして、カウンタ値が設定値以上の場合には、ステップ600へ進み、異常と診断される。そうでない場合には、ステップ620へ進み、正常と診断される。
以上説明した通り、図3及び4に示すルーチンによれば、時刻kまでの入出力データに基づく回帰ベクトルを演算し、この回帰ベクトルに基づいて、時刻kの運転状態を逐次推定することができる。また、推定した運転状態に応じたモデルに基づいて、時刻k+1の空燃比をも逐次推定することができる。また、回帰ベクトルと推定した空燃比から構成されるデータベクトルの帰属確率を演算することができる。そして、これら3つの診断要素を用いることにより、内燃機関10の空燃比制御系の高精度な異常診断を行うことができる。さらに、これら3つの診断要素を用いることで、異常診断の診断ミスの低減も図られる。
尚、本実施の形態では、回帰ベクトルξ(k)に用いられる時刻kまでの空燃比データは、時刻kまでの実空燃比y(k), … ,y(k−n+1)を用いたが、これらのデータは、時刻kまでの推定空燃比y^(k), … ,y^(k−n+1)を用いてもよい。この場合、上式(13)は、ξ^(k)=[y^(k), … ,y^(k−n+1),u(k), … ,u(k−n+1)]と表されることになる。
尚、上述した実施の形態1においては、定常・過渡推定部60が前記第1の発明における「運転状態推定手段」に相当する。また、ECU50が、上記ステップ180の処理、又は、上記ステップ240若しくは上記ステップ320の処理を実行することにより前記第1の発明における「推定値取得手段」が、上記ステップ440又はステップ460の処理を実行することにより前記第1の発明における「実測値取得手段」が、ステップ480〜560の一連の処理を実行することにより前記第1の発明における「異常判定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、データクラスタリング部54が前記第2の発明における「クラスタリング手段」に、システムパラメータ推定部58が前記第2の発明における「パラメータ推定手段」に、それぞれ相当する。
また、上述した実施の形態1においては、帰属確率演算部64が前記第3の発明における「帰属確率演算手段」に相当する。また、ECU50が、上記ステップ300又はステップ360の処理を実行することにより前記第3の発明における「帰属確率取得手段」が、ステップ540、560、520の処理を実行することにより前記第3の発明における「第2異常判定手段」が、それぞれ実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、分離超平面推定部56が前記第4の発明における「分離超平面推定手段」に相当する。
実施の形態2.
本実施形態のシステムは、図1に示すシステム構成を用い、実施の形態1で用いた帰属確率の代わりに分離超平面からの距離を異常診断要素として用いることを特徴とする。このため、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略又は簡略する。
図5は、本実施の形態において、ECU50が異常診断装置として機能する場合の機能ブロック図である。図5に示すように、ECU50は、システム同定部52、定常・過渡推定部60、出力A/F推定部62、距離演算部68及び異常判定部66から構成される。また、システム同定部52は、データクラスタリング部54、分離超平面推定部56及びシステムパラメータ推定部58から構成される。
(距離演算部68)
距離演算部68は、パラメータa、b及び上式(13)を用い、aξ(k)+bを演算する。具体的には、推定したパラメータa、bと、過去の入出力データに時刻kの入出力データを加えた回帰ベクトルξ(k)とからd=aξ(k)+bを演算する。演算したdは、ECU50にバッファリングされる。
(異常判定部66)
異常判定部66は、運転状態予測フラグi^(k)、y^(k+1)、d等に基づいて内燃機関10の空燃比制御系の異常判定を行うように構成されている。異常判定は、(i)運転状態予測フラグi^(k)値と実運転状態の判定値i(k)との比較結果、(ii)y^(k+1)と実空燃比y(k+1)との比較結果、又は(iii)分離超平面からの距離dと所定距離との比較結果を利用することにより行われる。
上記(i)、(ii)については実施の形態1と同様であるため説明を省略する。上記(iii)では、距離dと、予め定めた判定距離との比較がされる。ここで、距離dは、距離演算部68で演算された距離であり、ECU50にバッファリングされている。また、判定距離は、分離超平面からの距離の上限値として、別途ECU50に記憶されている。距離dが上限値よりも大きい場合には、空燃比制御系の異常可能性が認められる。このため、異常判定部66は、該当する距離dとこの上限値とを比較し、距離dが上限値を上回る場合には、異常信号を発するように構成されている。
異常判定は、実施の形態1と同様、上記(i)〜(iii)の異常信号が、予め定めた判定時間内において、設定回数検出されるか否かで判定される。具体的には、上記(i)〜(iii)の異常信号が検出された場合、異常判定部66に内蔵した異常カウンタのカウンタ値が増加される。そして、予め決めた判定時間内において、このカウンタ値が設定値以上に到達した場合に、内燃機関10の空燃比制御系の異常と判定される。
[実施の形態2における具体的処理]
次に、図6を参照して本実施の形態においてECU50が実行する異常診断ルーチンを説明する。尚、図6中、ステップ100〜ステップ200は、実施の形態1と同一の処理が実行されるため説明を省略する。
ステップ240又はステップ260で推定空燃比y^(k+1)が演算されると、この推定空燃比y^(k+1)は、ステップ240又はステップ320でECU50にバッファリングされる。
続いて、ステップ640では、分離超平面からの距離dが演算される。上述の通り、距離演算部68で、距離dが演算される。この距離dは、ステップ660でECU50にバッファリングされる。ステップ660に続いて、ステップ680では、内燃機関10の空燃比制御系の異常診断が実行される。
図7は、ステップ680で実行される異常診断のルーチンである。尚、図7中、ステップ400〜ステップ500は、実施の形態1と同一の処理が実行されるため説明を省略する。
ステップ700では、距離dと予め決められた閾値との比較がされる。上述の通り、距離演算部68による処理の結果、距離dがECU50にバッファリングされている。また、予め決められた閾値は、分離超平面からの距離の上限値として、別途ECU50に記憶されている。このため、ステップ700では、この距離dと上限値とが比較される。そして、帰属確率が上限値よりも小さい場合には、ステップ560へ進み、異常カウンタがリセットされる。そうでない場合には、ステップ520へ進み、異常カウンタのカウンタ値が1増加される。
ステップ580では、異常カウンタのカウンタ値が閾値(設定値)以上か否かが判定される。上述の通り、異常判定部66では、予め決めた判定時間内において、異常カウンタが設定値以上に到達した場合に、内燃機関10の空燃比制御系が異常と判定される。このため、ステップ580では、カウンタ値と、設定値とが比較される。そして、カウンタ値が設定値以上の場合には、ステップ600へ進み、異常と診断される。そうでない場合には、ステップ620へ進み、正常と診断される。
以上説明した通り、図6及び7に示すルーチンによれば、実施の形態1で用いた帰属確率の代わりに分離超平面からの距離dを演算することができる。また、この距離dを診断要素として用いることにより、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
尚、本実施の形態では、実施の形態1で用いた帰属確率の代わりに、分離超平面からの距離dを用いて異常診断を行ったが、この帰属確率と、分離超平面からの距離dとを同時に用いて異常診断を行ってもよい。こうすることで、より高精度な異常診断を行うことができる。さらに、これら4つの診断要素を用いることで、異常診断の診断ミスがより低減される。
尚、上述した実施の形態2においては、距離演算部68が前記第5の発明における「距離演算手段」に相当する。また、ECU50が、上記ステップ660の処理を実行することにより前記第5の発明における「距離取得手段」が、上記ステップ700、520、560の処理を実行することにより前記第5の発明における「第3異常判定手段」が、それぞれ実現されている。
本発明のシステム構成を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において、ECU50が異常診断装置として機能する場合の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態1において、ECU50が実行する異常診断ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1において、ECU50が実行する異常診断サブルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、ECU50が異常診断装置として機能する場合の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態2において、ECU50が実行する異常診断ルーチンを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、ECU50が実行する異常診断サブルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
20 スロットルポジションセンサ
26 空燃比センサ
50 ECU
52 システム同定部
54 データクラスタリング部
56 分離超平面推定部
58 システムパラメータ推定部
60 定常・過渡推定部
62 出力A/F推定部
64 帰属確率演算部
66 異常判定部
68 距離演算部

Claims (5)

  1. 現在までの燃料噴射量及び空燃比に基づいて、内燃機関の運転状態が定常状態であるか、或いは過渡状態であるかを推定するための運転状態推定手段と、
    内燃機関の運転状態が定常状態の場合における将来の空燃比を推定するための定常状態用空燃比モデルと、
    内燃機関の運転状態が過渡状態の場合における将来の空燃比を推定するための過渡状態用空燃比モデルと、
    前記運転状態推定手段で推定した結果を推定運転状態として取得、及び前記定常状態用空燃比モデル又は前記過渡状態用空燃比モデルで推定した結果を推定空燃比として取得、の少なくとも一方を行う推定結果取得手段と、
    前記内燃機関の実際の空燃比である実空燃比及び前記内燃機関の実際の運転状態である実運転状態の少なくとも一方を取得する実測結果取得手段と、
    前記推定運転状態と前記実運転状態とが異なる場合、又は前記推定空燃比と前記実空燃比との偏差が予め定めた閾値よりも大きい場合に内燃機関の空燃比制御系の異常を判定する異常判定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の異常診断装置。
  2. 過去の燃料噴射量及び空燃比に基づく回帰ベクトルと現在の空燃比とから構成される現在の観測データベクトルを、内燃機関の定常状態に対応する定常状態クラスタ又は内燃機関の過渡状態に対応する過渡状態クラスタにクラスタリングするクラスタリング手段と、
    前記クラスタリング後の前記現在の観測データベクトル基づいて、前記空燃比モデルのパラメータを推定するパラメータ推定手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の異常診断装置。
  3. 現在までの燃料噴射量及び空燃比に基づく回帰ベクトルと前記推定空燃比とから構成される将来の観測データベクトルが、前記定常状態クラスタ又は前記過渡状態クラスタに帰属する帰属確率を演算する帰属確率演算手段と、
    前記帰属確率を取得する帰属確率取得手段と、
    を備え、
    前記異常判定手段は、
    前記帰属確率が予め定めた判定確率よりも低い場合に内燃機関の空燃比制御系の異常を判定する第2異常判定手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の異常診断装置。
  4. 前記運転状態推定手段は、
    過去の燃料噴射量及び空燃比から構成される回帰ベクトルを含むベクトル空間を、内燃機関の定常状態に対応するベクトル空間と、過渡状態に対応するベクトル空間とに分割する分離超平面を推定する分離超平面推定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の内燃機関の異常診断装置。
  5. 現在までの燃料噴射量及び空燃比から構成される回帰ベクトルと、前記分離超平面を表すパラメータとを用いて、前記分離超平面からの距離を演算する距離演算手段と、
    前記距離を取得する距離取得手段と、
    を備え、
    前記異常判定手段は、
    前記距離が予め定めた判定距離よりも遠い場合に内燃機関の空燃比制御系の異常を判定する第3異常判定手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の異常診断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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