JP2010096021A - 内燃機関の燃焼状態診断装置 - Google Patents

内燃機関の燃焼状態診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ARXモデルを用いて表した「A/F及びEGR率からクランク角速度の挙動を推定する回転挙動モデル」を利用して、燃焼状態の診断を精度良く行うこと。
【解決手段】A/F、EGR率、及びクランク角速度についての過去の時系列データに基づいて、燃焼安定状態及び燃焼不安定状態のそれぞれについて「A/F及びEGR率に対する回転挙動モデル」が個別に構築される。このモデルを利用して、燃焼安定・不安定の予測判定と、予測クランク角速度の変動量(予測変動量)の推定がなされる。一方、実クランク角速度に基づいて実クランク角速度の変動量(実変動量)が取得される。予測判定にて「燃焼安定状態」と判定され且つ予測変動量と実変動量との差が閾値以下のときに「燃焼安定状態」と判定され、予測判定にて「燃焼不安定状態」と判定されたとき又は予測変動量と実変動量との差が閾値を超えたときに「燃焼不安定状態」と判定される。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の燃焼状態診断装置に関する。以下、内燃機関を「機関」と称呼することもある。
従来より、内燃機関の吸気通路と排気通路とを連通する排気還流通路に排気還流弁を介装し、その排気還流弁の開度を制御して排気通路から吸気通路へと還流される排ガスの還流割合(以下、「EGR率」とも称呼する。)を制御する技術が広く知られている。
EGR率は運転状態に応じて変更される。一般に、EGR率が大きい運転状態では、燃焼速度が遅くなって燃焼が不安定になる場合(失火を含む)がある。このため、燃焼状態を診断する必要が生じる。内燃機関が燃焼安定状態にあるか燃焼不安定状態にあるかを判定する機能を有する燃焼状態診断装置として種々のものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平9−100741号公報
一般に、燃焼状態が不安定になると、排ガスの空燃比(空燃比センサの検出結果)が不安定になるとともに、クランク軸の回転速度も不安定になる傾向がある。即ち、空燃比及びEGR率と、クランク軸回転速度の挙動(以下、「回転挙動」とも称呼する。)とは相関がある。
本発明の目的は、燃焼状態診断装置の一つとして、システム同定分野で広く知られているARX(Auto-Regressive with eXogenous input)モデル(外部入力付き自己回帰モデル)を用いて表した「空燃比及びEGR率からクランク軸回転速度の挙動を推定する回転挙動モデル」を利用して、燃焼状態の診断を精度良く行えるもの、を提供することにある。
本発明に係る燃焼状態診断装置は、記憶手段と、分類手段と、平面推定手段と、モデル構築手段と、予測判定手段と、回転速度予測手段と、予測変動量予測手段と、実変動量算出手段と、最終判定手段と、を備えている。以下、これらについて順に説明する。
記憶手段では、複数の異なる時刻のそれぞれについて、クランク軸の回転速度を検出する回転速度センサによる検出回転速度の(各時刻を基準とする)過去の(複数の)時系列データと、空燃比センサによる検出空燃比の(各時刻を基準とする)過去の(複数の)時系列データと、EGR率(目標値、或いは、他の物理量の検出値に基づく計算値)の(各時刻を基準とする)過去の(複数の)時系列データとが、取得され且つ記憶される。
分類手段では、各時刻についての検出回転速度の時系列データと検出空燃比の時系列データとEGR率の時系列データとを含んだ各時刻についての観測データが得られる。ここで、各時刻についての観測データの回帰ベクトル空間での確率分布が、燃焼安定状態に対応する分布傾向と燃焼不安定状態に対応する分布傾向との2つの分布傾向を有する分布に従うと仮定される。「2つの分布傾向を有する分布」としては、例えば、混合正規分布が採用され得る。この仮定のもと、各時刻についての観測データに基づいて、「2つの分布傾向を有する分布」が最尤推定法等を用いて求められる。そして、求められた分布に基づいて、各時刻についての観測データが、「燃焼安定状態に対応するグループ」と「燃焼不安定状態に対応するグループ」とに分類される。
この分類に際し、各時刻についての観測データについて、求められた分布が有する「燃焼安定状態に対応する分布傾向」と「燃焼不安定状態に対応する分布傾向」との2つの分布傾向のうちで観測データが帰属する確率が大きい方の分布傾向が選択されて、各時刻についての観測データが選択された分布傾向に対応する燃焼状態に対応するグループに分類されるように構成され得る。
平面推定手段では、分類された各時刻についての前記観測データに基づいて(分類結果に基づいて)、回帰ベクトル空間にて「燃焼安定状態に対応するグループ内のデータの分布領域」と「燃焼不安定状態に対応するグループ内のデータの分布領域」とを分割する超平面(分離超平面を表すパラメータ)が推定される。この(同定されるべき)パラメータの推定は、例えば、2次計画問題(2次最小化問題、2次最適化問題)を解くことで達成され得る。
モデル構築手段では、クランク軸回転速度の(現在までの)時系列データと空燃比の(現在までの)時系列データとEGR率の(現在までの)時系列データとから(将来の)クランク軸回転速度を予測する回転挙動モデルとして、「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」と「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」とがそれぞれ、別の局所ARXモデルを用いて個別に表される。「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」内の(同定されるべき)パラメータは「燃焼安定状態に対応するグループ」に分類された観測データに基づいて、「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」内の(同定されるべき)パラメータは「燃焼不安定状態に対応するグループ」に分類された観測データに基づいて、個別に同定される。これにより、「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」と「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」とが個別に構築される。
予測判定手段では、推定された分離超平面と、クランク軸回転速度(検出回転速度)の(過去から現在までの)時系列データに基づいて、燃焼安定状態か燃焼不安定状態かが判定される(予測判定)。この予測判定は、例えば、推定された分離超平面を表す式における回帰ベクトルの各成分としてクランク軸回転速度(検出回転速度)の(過去から現在までの)時系列データを代入した場合において、その式の値が正となるか負となるかを判定することで達成され得る。
回転速度予測手段では、構築された回転挙動モデルのうち前記予測判定の結果に対応する回転挙動モデルと、クランク軸回転速度(検出回転速度)の(過去から現在までの)時系列データ、空燃比(検出空燃比、又は将来目標値)の(過去から現在までの)時系列データ、及びEGR率(目標値、計算値、又は将来目標値)の(過去から現在までの)時系列データとに基づいて、(将来の)クランク軸回転速度が予測される。
予測変動量予測手段では、予測されたクランク軸回転速度に基づいてクランク軸回転速度の変動量(予測変動量)が予測される。予測変動量は、例えば、予測されたクランク軸回転速度の前回値と今回値との差等である。
実変動量算出手段では、検出回転速度に基づいてクランク軸回転速度の実際の変動量(実変動量)が算出される。実変動量は、例えば、検出回転速度の前回値と今回値との差等である。
最終判定手段では、予測判定の結果、並びに、予測変動量と実変動量との比較に基づいて、燃焼安定状態か燃焼不安定状態かが最終的に判定される(最終判定)。好ましくは、予測判定にて燃焼安定状態と判定され且つ予測変動量と実変動量との差が閾値以下のときに「燃焼安定状態」と判定され、予測判定にて燃焼不安定状態と判定されたとき又は予測変動量と実変動量との差が閾値を超えたときに「燃焼不安定状態」と判定される。
以下、上記構成による作用・効果について説明する。一般に、燃焼安定状態及び燃焼不安定状態の何れか一方のデータに基づいて構築された回転挙動モデルを使用すると、燃焼安定状態及び燃焼不安定状態の何れか他方の状態における回転挙動の推定精度が低くなる。これに対し、上記構成によれば、回転挙動モデルとして、「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」と「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」とが個別に構築され、燃焼安定状態と予測判定されている間は「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」を使用してクランク軸回転速度が推定され、燃焼不安定状態と予測判定されている間は「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」を使用してクランク軸回転速度が推定される。従って、燃焼安定状態か燃焼不安定状態かにかかわらず回転挙動を安定して精度良く推定することができる。
また、一般に、燃焼安定・不安定の予測判定の精度は、空燃比制御系の経年変化、機関の個体誤差等により大きく影響を受ける。これに対し、上記構成によれば、実際の観測データに基づいて推定された回帰ベクトル空間での分離超平面を利用して燃焼安定・不安定の予測判定が行われる。従って、空燃比制御系の経年変化、機関の個体誤差等に影響されることなく燃焼安定・不安定の予測判定を精度良く行うことができる。
また、燃焼状態の診断が、予測変動量と実変動量との比較のみに基づいて行われる場合、燃焼状態の診断の精度が必ずしも高いとは言えない。これに対し、上記構成によれば、燃焼状態の診断が、予測変動量と実変動量との比較のみならず、燃焼安定・不安定についての予測判定の結果にも基づいて行われる。従って、より多くの情報に基づいて燃焼状態の診断が行われるから、燃焼状態の診断の精度が高い。
例えば、予測変動量と実変動量との差が非常に小さいであって且つ燃焼安定・不安定についての予測判定にて「燃焼不安定状態」と判定されている場合、燃焼状態の診断が予測変動量と実変動量との比較のみに基づいて行われる場合には「燃焼安定状態」と判定されてしまう。これに対し、上記構成では、「燃焼不安定状態」と判定することができる。
以下、本発明による内燃機関の燃焼状態診断装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(構成)
図1は、本発明の実施形態に係る燃焼状態診断装置を火花点火式多気筒(4気筒)内燃機関10(燃料はガソリン)に適用したシステムの概略構成を示している。この内燃機関10は、シリンダブロック、及びオイルパン等を含むシリンダブロック部20と、シリンダブロック部20の上に固定されるシリンダヘッド部30と、シリンダブロック部20にガソリン混合気を供給するための吸気系統40と、シリンダブロック部20からの排気ガスを外部に放出するための排気系統50とを含んでいる。
シリンダブロック部20は、シリンダ21、ピストン22、コンロッド23、及びクランク軸24を含んでいる。シリンダ21とピストン22のヘッドは、シリンダヘッド部30とともに燃焼室25を形成している。
シリンダヘッド部30は、燃焼室25に連通した吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、吸気弁32を駆動するインテークカムシャフトを含むとともに吸気弁32の開閉タイミングを連続的に変更する可変吸気タイミング装置33、可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、燃焼室25に連通した排気ポート34、排気ポート34を開閉する排気弁35、排気弁35を駆動するエキゾーストカムシャフト36、点火プラグ37、点火プラグ37に与える高電圧を発生するイグニッションコイルを含むイグナイタ38、及び燃料を吸気ポート31内にて噴射する燃料噴射弁39を備えている。
吸気系統40は、吸気ポート31に連通し同吸気ポート31とともに吸気通路を形成するインテークマニホールドを含む吸気管41、吸気管41の端部に設けられたエアフィルタ42、吸気管41内にあって吸気通路の開口断面積を可変とするスロットル弁43、スロットル弁43を駆動するスロットル弁アクチュエータ43a、吸気通路から燃焼室25に流入する吸気の流速を可変とするスワールコントロール弁(SC弁)44、及び、SC弁44を駆動するSC弁アクチュエータ44aを備えている。
排気系統50は、排気ポート34に連通したエキゾーストマニホールド51、エキゾーストマニホールド51(実際には、各排気ポート34に連通したそれぞれのエキゾーストマニホールド51が集合した集合部)に接続されたエキゾーストパイプ(排気管)52、エキゾーストパイプ52に配設(介装)された三元触媒53、EGRガス通路54を備えている。排気ポート34、エキゾーストマニホールド51、及びエキゾーストパイプ52は、排気通路を構成している。
EGRガス通路54は、三元触媒53よりも上流の排気通路と、スロットル弁43よりも下流の吸気通路とを連通するように構成されている。EGRガス通路54には、EGRガスクーラ55、EGR弁56、EGR弁56のアクチュエータ56aが介装されている。EGR弁56のアクチュエータ56aにより、EGR弁56の開口面積が調整可能となっている。
一方、このシステムは、エアフローメータ61、スロットル弁開度センサ62、カムポジションセンサ63、回転速度センサ64、水温センサ65、三元触媒53の上流の排気通路(本例では、上記各々のエキゾーストマニホールド51が集合した集合部)に配設されたA/Fセンサ66、EGR弁開度センサ67、アクセル開度センサ68を備えている。
エアフローメータ61は、吸気通路を流れる新気の流量(質量流量)を検出し、新気流量Gaを表す信号を出力するようになっている。スロットル弁開度センサ62は、スロットル弁43の開度を検出し、スロットル弁開度TAを表す信号を出力するようになっている。カムポジションセンサ63は、吸気弁32の開閉タイミングを検出し、開閉タイミングVVTを表す信号を出力するようになっている。回転速度センサ64は、クランク軸24の回転速度を検出し、エンジン回転速度NEを表す信号を出力するようになっている。水温センサ65は、内燃機関10の冷却水の温度を検出し、冷却水温THWを表す信号を出力するようになっている。A/Fセンサ66は、排ガスの空燃比を検出し、空燃比を表す信号を出力するようになっている。EGR弁開度センサ67は、EGR弁56の開度を検出し、EGR弁開度Aegrを表す信号を出力するようになっている。アクセル開度センサ68は、運転者によって操作されるアクセルペダル81の操作量を検出し、アクセルペダル81の操作量Accpを表す信号を出力するようになっている。
電気制御装置70は、互いにバスで接続されたCPU71、CPU71が実行するルーチン(プログラム)、テーブル(マップ)、及び定数等を予め記憶したROM72、RAM73、バックアップRAM74、並びにADコンバータを含むインターフェース75等からなるマイクロコンピュータである。
インターフェース75は、前記センサ61〜68に接続され、CPU71にセンサ61〜68からの信号を供給するとともに、同CPU71の指示に応じて可変吸気タイミング装置33のアクチュエータ33a、イグナイタ38、燃料噴射弁39、スロットル弁アクチュエータ43a、SC弁アクチュエータ44a、及びEGR弁56のアクチュエータ56aへ駆動信号を送出するようになっている。
(空燃比制御)
本例では、A/Fセンサ66の出力(実A/F)、及び、エアフローメータ61の出力(新気流量Ga)に基づいて、周知の手法の1つを利用して、機関に供給される混合気の空燃比が理論空燃比に一致するように、インジェクタ39に噴射指示される(指令)燃料噴射量(従って、実際に噴射される燃料の量)がフィードバック制御されるようになっている。
加えて、機関の運転状態(NE,Accp等)に基づいてEGR率の目標値が設定され、EGR率の実際値が目標値に一致するように、EGR弁56の開度がアクチュエータ56aにより制御される。ここで、EGR率とは、例えば、「(吸気通路に吸入される新気の流量と吸気通路に還流される排ガスの流量との和)に対する(吸気通路に還流される排ガスの流量)の割合」と定義される。EGR率の実際値は、例えば、エアフローメータ61の出力(Ga)と、EGR弁開度センサ67の出力Aegr)とに基づいて算出され得る。
EGR率が大きい運転状態では、燃焼速度が遅くなって燃焼が不安定になる場合(失火を含む)がある。このため、燃焼状態を診断する必要が生じる。ここで、燃焼状態が不安定になると、排ガスの空燃比が不安定になるとともに、クランク軸の回転速度(以下、「クランク角速度」とも称呼する。)も不安定になる傾向がある。即ち、空燃比及びEGR率と、クランク角速度の挙動(以下、「回転挙動」とも称呼する。)とは相関がある。
本例では、燃焼状態の診断を行うにあたり、「空燃比及びEGR率からクランク角速度の挙動を推定する回転挙動モデル」(以下、「回転挙動モデル」と称呼する。)が使用される。以下、先ず、この回転挙動モデルについて説明する。
(回転挙動モデル)
一般に、燃焼安定状態と燃焼不安定状態とでは回転挙動が異なる。従って、本例では、「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」と、「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」とが個別に準備される。
時刻kにおける実A/Fをλ(k)、時刻kを基準として過去の実A/Fの時系列データをλ(k-1),λ(k-2),…とする。時刻kにおける実EGR率をe(k)、時刻kを基準として過去の実EGR率の時系列データをe(k-1),e(k-2),…とする。時刻kにおける実クランク角速度をω(k)、時刻kを基準として過去の実クランク角速度の時系列データをω(k-1),ω(k-2),…とする。実クランク角速度は、回転速度センサ64から得られるエンジン回転速度NEから算出される。
ここで、(k-j)(j:1,2,…)は、時刻kを基準としてj回前のサンプルタイミングの時刻を表す。サンプルタイミングの時間間隔は、例えば、或る燃料噴射時刻と次の燃料噴射時刻との時間間隔に対応する。本例のように4気筒内燃機関の場合、クランク軸24が180°だけ回転する時間(180°CA)に対応する。
本例で使用される「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」、及び「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」はそれぞれ、局所ARXモデルを用いて、下記(1)式、(2)式で表される。
Figure 2010096021
Figure 2010096021
上記(1)式、(2)式において、a**,b**,c**,d*は、後述するように同定される回転挙動モデル内の同定パラメータである。f*,gは、後述するように同定される分離超平面を表すパラメータである。ε(k)は、誤差である。自然数n,m,lはそれぞれ、回転挙動モデルを記述するために必要なクランク角速度、A/F、及びEGR率の過去の時系列データの個数を表す。(1)式、(2)式はそれぞれ、下記(3)式、(4)式をもって表すことができる。
Figure 2010096021
Figure 2010096021
上記(3)式、(4)式において、x(k)は、回帰ベクトルであり、過去のA/F、EGR率、及びクランク角速度の時系列データを用いて、下記(5)式に従って表される。θ*は、回転挙動モデル内の同定パラメータを用いたベクトルであり、下記(6)式、(7)式に従って表される。後述するように、回帰ベクトル空間にて、燃焼安定状態に対応する観測データ(後述)の分布領域と燃焼不安定状態に対応する観測データ(後述)の分布領域とは、下記(8)式で表わされる超平面(分離超平面)で分割される。a,bはそれぞれ、後述のように同定されるベクトル及びスカラーであり、下記(9)式、(10)式にて表される。文字の右肩に付された「T」は、転置行列を意味する。
Figure 2010096021
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以下、図2を参照しながら、「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」、及び「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」を構築するために必要となる、上述した分離超平面の推定(分離超平面を表すパラメータの同定)、並びに、回転挙動モデル内の同定パラメータの同定について説明する。
<クラスタリング>(図2のステップ205)
時刻kについての観測データベクトルzkを下記(11)式をもって定義する。本例では、N個の異なる時刻k(k=1,2,…,N)について、それぞれ、各時刻kを基準とする過去の実A/Fの時系列データλ(k-1),λ(k-2),…と、各時刻kを基準とする過去の実EGR率の時系列データe(k-1),e(k-2),…と、各時刻kを基準とする過去の実クランク角速度の時系列データω(k-1),ω(k-2),…と、各時刻kにおける実クランク角速度ω(k)とが、計測され且つ所定のデータベース(RAM73)に記憶される。観測データベクトルzkは、前記データベースからデータを読み出すことで、N個の異なる時刻k(k=1,2,…,N)についてそれぞれ取得される。このN個の観測データzkが、以下に説明するように、燃焼安定状態に対応するグループ(クラスタC1)と燃焼不安定状態に対応するグループ(クラスタC2)とに分類される。
Figure 2010096021
このN個の観測データベクトルzkの回帰ベクトル空間での確率分布が、燃焼安定状態に対応する分布傾向と燃焼不安定状態に対応する分布傾向との2つの分布傾向を有する分布に従うと仮定する。この2つの分布傾向を有する分布としては、本例では、混合正規分布が採用される。即ち、N個の観測データベクトルzkの回帰ベクトル空間での確率分布が、下記(12)式で表されると仮定する。
Figure 2010096021
(12)式において、Φは、混合正規分布を表すパラメータ(後述するように同定される)を用いたベクトルであり、下記(13)式で表わされる。(12)式において、P1,P2はそれぞれ、燃焼安定状態及び燃焼不安定状態に対応する正規分布であって、下記(14)式、(15)式にて表される。μ1,μ2はそれぞれP1,P2の平均であり、Σ1,Σ2はそれぞれP1,P2の分散である。α1,α2はそれぞれP1,P2の重み係数であり、下記(16)式に示す関係を有する。
Figure 2010096021
Figure 2010096021
Figure 2010096021
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混合正規分布を表すパラメータΦは、本例では、最尤推定法を用いて同定される。即ち、下記(17)式で表される尤度関数L(Φ)が最大化するようにパラメータφが同定される。これにより、上記混合正規分布が求められる。図3は、このようにして求められた混合正規分布(p=α1・p1+α2・p2)の一例を2次元に簡素化して表した図である。この手順では、非凸最適化問題を解くことになるが、周知のEMアルゴリズムを用いて反復的に計算することで非凸最適化問題を解くことができる。
Figure 2010096021
同定されたパラメータΦ(従って、求められた混合正規分布p=α1・p1+α2・p2)を用いて、N個の観測データzkが、燃焼安定状態に対応するグループ(クラスタC1)と燃焼不安定状態に対応するグループ(クラスタC2)とに分類される。この分類に際し、例えば、N個の観測データzkは、燃焼安定状態に対応する正規分布(α1・p1)と燃焼不安定状態に対応する正規分布(α2・p2)との2つの正規分布のうちで観測データが帰属する確率が大きい方の正規分布に対応する運転状態に対応するグループに分類される(図3を参照)。
例えば、図3に示す観測データzpの場合、燃焼安定状態に対応する正規分布(α1・p1)に帰属する確率の方が燃焼不安定状態に対応する正規分布(α2・p2)に帰属する確率よりも大きい。従って、観測データzpは、燃焼安定状態に対応するグループ(クラスタC1)に分類される。以下、N個の観測データzk(k=1,2,…,N)のうちで、N1個の観測データzk(k=k11,k12,…k1N1)が燃焼安定状態に対応するグループ(クラスタC1)に分類され、N2個の観測データzk(k=k21,k22,…k2N2)が燃焼不安定状態に対応するグループ(クラスタC2)に分類されたものとする。ここで、N=N1+N2が成立する。
<分離超平面の推定>(図2のステップ210)
次に、回帰ベクトル空間において、燃焼安定状態に対応するグループ内の観測データの分布領域と燃焼不安定状態に対応するグループ内の観測データの分布領域とを分割する超平面(分離超平面)の推定について説明する。
上述のように、この分離超平面は、上記(8)式に従って表される。従って、この分離超平面の推定は、具体的には、(9)式、(10)式に示すパラメータa,bを同定することで達成される。このパラメータa,bは、本例では、上述のように2つのグループ(クラスタC,クラスタC)に分類されたN個の観測データzkに基づいて、下記(18)式に示す2次計画問題(2次最小化問題、2次最適化問題)を解くことで同定される。
Figure 2010096021
<回転挙動モデル内の同定パラメータの同定>(図2のステップ215)
次に、(6)式、(7)式に示す回転挙動モデル内の同定パラメータθ1,θ2の同定について説明する。本例では、燃焼安定状態に対応する同定パラメータθ1が、燃焼安定状態に対応するグループ(クラスタC1)に分類されたN1個の観測データzk(k=k11,k12,…k1N1)に基づいて、最小2乗法を用いて下記(19)式に示すように同定され、燃焼不安定状態に対応する同定パラメータθ2が、燃焼不安定状態に対応するグループ(クラスタC2)に分類されたN2個の観測データzk(k=k21,k22,…k2N2)に基づいて、最小2乗法を用いて下記(20)式に示すように同定される。
Figure 2010096021
Figure 2010096021
以上の手順(図2のステップ205,210,215)により、(9)式、(10)式に示すパラメータa,b、並びに、(6)式、(7)式に示す同定パラメータθ1,θ2が同定される。これらの同定されたパラメータを用いて、(3)式、(4)式にそれぞれ対応する局所ARXモデルである「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」及び「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」が、(21)式、(22)式に示すように個別に構築される。ξ(k)は、回帰ベクトルであり、A/F、EGR率、及びクランク角速度の時系列データ(過去から現在までの実値、特に、A/F及びEGR率については、場合によっては将来目標値)を用いて、下記(23)式に従って表される。ここで、(k)は現在を表し、(k-j)(j:1,2,…)は、現在を基準としてj回前のサンプルタイミングの時刻を表す。(k+1)は、現在を基準として次回のサンプルタイミングの時刻(即ち、将来)を表す。サンプルタイミングの時間間隔は、上述と同様、或る燃料噴射時刻と次の燃料噴射時刻との時間間隔に対応する。本例のように4気筒内燃機関の場合、クランク軸24が180°だけ回転する時間(180°CA)に対応する。
Figure 2010096021
Figure 2010096021
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即ち、燃焼安定状態(後述する予測判定で燃焼安定状態と判定された場合)では、(21)式に示す「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」を用いて、A/F、EGR率、及びクランク角速度の時系列データ(過去から現在までの実値、特に、A/F及びEGR率については、場合によっては将来目標値)に基づき、将来のクランク角速度(予測クランク角速度)が推定される。また、燃焼不安定状態(後述する予測判定で燃焼不安定状態と判定された場合)では、(22)式に示す「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」を用いて、A/F、EGR率、及びクランク角速度の時系列データ(過去から現在までの実値、特に、A/F及びEGR率については、場合によっては将来目標値)に基づき、将来のクランク角速度(予測クランク角速度)が推定される。
(燃焼状態の診断)
次に、上述した(21)式、(22)式にて表される回転挙動モデルを用いた「燃焼状態の診断」について、図2を参照しながら説明する。
図2のステップ220では、上述のように推定された分離超平面と、クランク角速度の時系列データ(過去から現在までの実値)とに基づいて、内燃機関10が燃焼安定状態にあるか燃焼不安定状態にあるかが判定される(燃焼安定・不安定の予測判定)。具体的には、この予測判定では、下記(24)式が成立している場合に「燃焼安定状態」と判定され、下記(25)式が成立している場合に「燃焼不安定状態」と判定される。
Figure 2010096021
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図2のステップ225では、上述の(21)式、(22)式にて表される回転挙動モデルのうちで上述の予測判定で判定された燃焼状態に対応する回転挙動モデルと、A/F、EGR率、及びクランク角速度の時系列データ(過去から現在までの実値、特に、A/F及びEGR率については、場合によっては将来目標値)に基づいて、予測クランク角速度(上述)が推定される。
図2のステップ230では、予測クランク角速度に基づいて、クランク角速度の変動量(予測変動量)が予測される。予測変動量は、例えば、予測クランク角速度の前回値と今回値との差等である。
図2のステップ235では、実クランク角速度(エンジン回転速度NEから算出される)に基づいて、クランク角速度の実際の変動量(実変動量)が算出される。実変動量は、例えば、実クランク角速度の前回値と今回値との差等である。
図2のステップ240では、上述の予測判定の結果、並びに、予測変動量と実変動量との比較に基づいて、燃焼状態の診断が行われる。具体的には、予測判定にて「燃焼安定状態」と判定され且つ予測変動量と実変動量との差が閾値以下のときに「燃焼安定状態」と判定され、予測判定にて「燃焼不安定状態」と判定されたとき又は予測変動量と実変動量との差が閾値を超えたときに「燃焼不安定状態」と判定される。なお、「燃焼不安定状態」と判定された場合、点火プラグ37による点火時期を進角するなどの対応制御を行って、その後の燃焼が安定化される。
以上、上記実施形態に係る内燃機関の燃焼状態診断装置によれば、それぞれがA/F、EGR率、及び及びクランク角速度についての時系列データを含むN個の観測データzkが、燃焼安定状態に対応するグループと燃焼不安定状態に対応するグループとに分類される。回帰ベクトル空間において、燃焼安定状態に対応するグループ内の観測データの分布領域と燃焼不安定状態に対応するグループ内の観測データの分布領域とを分割する超平面(分離超平面)が推定される。加えて、燃焼安定状態に対応するグループ内の観測データに基づいて「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」内のパラメータが同定されて、局所ARXモデルである「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」が構築される。同様に、燃焼不安定状態に対応するグループ内の観測データに基づいて「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」内のパラメータが同定されて、局所ARXモデルである「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」が構築される。このようにA/F及びEGR率に対する2つの回転挙動モデルが個別に構築された状態において、上述のように推定された分離超平面と、過去から現在までの実クランク角速度の時系列データに基づいて、燃焼安定・不安定の予測判定が行われ、予測判定で判定された燃焼状態に対応する回転挙動モデルと、A/F、EGR率、及びクランク角速度の時系列データ(過去から現在までの実値、特に、A/F及びEGR率については、場合によっては将来目標値)に基づいて、予測クランク角速度が推定される。この予測クランク角速度からクランク角速度の変動量(予測変動量)が算出される。同様に、エンジン回速度NEから得られる実クランク角速度に基づいて、クランク角速度の実際の変動量(実変動量)が算出される。燃焼状態の診断では、予測判定にて「燃焼安定状態」と判定され且つ予測変動量と実変動量との差が閾値以下のときに「燃焼安定状態」と判定され、予測判定にて「燃焼不安定状態」と判定されたとき又は予測変動量と実変動量との差が閾値を超えたときに「燃焼不安定状態」と判定される。
以下、上記構成による作用・効果について説明する。通常、燃焼安定状態でのデータに基づいて構築された回転挙動モデルを使用すると、燃焼不安定状態での回転挙動の推定精度が低くなる(逆も同様)。これに対し、上記実施形態によれば、「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」と「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」とが個別に構築され、燃焼安定状態と予測判定されている間は「燃焼安定状態についての回転挙動モデル」を使用して予測クランク角速度が推定され、燃焼不安定状態と予測判定されている間は「燃焼不安定状態についての回転挙動モデル」を使用して予測クランク角速度が推定される。従って、燃焼安定状態か燃焼不安定状態かにかかわらず安定して予測クランク角速度を精度良く推定できる。
また、通常、燃焼安定・不安定の予測判定の精度は、空燃比制御系の経年変化、機関の個体誤差等により大きく影響を受ける。これに対し、上記実施形態によれば、実際のN個の観測データzkに基づいて回帰ベクトル空間での分離超平面が推定され、この分離超平面を利用して燃焼安定・不安定の予測判定が行われる。従って、空燃比制御系の経年変化、機関の個体誤差等に影響されることなく燃焼安定・不安定の予測判定を精度良く行うことができる。
更には、燃焼状態の診断が、予測クランク角速度の変動量(予測変動量)と実クランク角速度の変動量(実変動量)との比較のみに基づいて行われる場合、燃焼状態の診断の精度が必ずしも高いとは言えない。これに対し、上記実施形態によれば、燃焼状態の診断が、予測変動量と実変動量との比較のみならず、燃焼安定・不安定についての予測判定の結果にも基づいて行われる。従って、より多くの比較情報に基づいて燃焼状態の診断が行われるから、燃焼状態の診断の精度が高い。
例えば、燃焼状態の診断が予測変動量と実変動量との比較のみに基づいて行われる場合、予測変動量と実変動量との差が非常に小さいにおいて、常に「燃焼安定状態」と判定されてしまう。これに対し、上記実施形態では、予測変動量と実変動量との差が非常に小さくても燃焼安定・不安定についての予測判定にて「燃焼不安定状態」と判定されている場合、「燃焼不安定状態」と判定することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記実施形態では、イグニッションON後、観測データzkがN個分得られた段階で、図2のステップ205,210,215の手順により回転挙動モデルを1回のみ構築し、その後は、イグニッションOFFまで構築した回転挙動モデルを使い続けてもよいし、イグニッションONの間に亘って、所定の周期をもって回転挙動モデルを繰り返し更新してもよい。
加えて、上記実施形態では、(1)式、(21)式等が燃焼安定状態に対応し、(2)式、(22)式等が燃焼不安定状態に対応しているが、(1)式、(21)式等が燃焼不安定状態に対応し、(2)式、(22)式等が燃焼安定状態に対応していてもよい。
本発明の実施形態に係る燃焼状態診断装置を火花点火式多気筒内燃機関に適用したシステムの概略構成図である。 図1に示した燃焼状態診断装置により実行される、回転挙動モデルの構築、及び、燃焼状態の診断の手順を示したフローチャートである。 観測データの分類に使用される混合正規分布の一例を2次元に簡素化して表した図である。
符号の説明
10…火花点火式多気筒内燃機関、39…燃料噴射弁、61…エアフローメータ、62…スロットル弁開度センサ、64…回転速度センサ、66…A/Fセンサ、67…EGR弁開度センサ、68…アクセル開度センサ、70…電気制御装置、71…CPU、73…RAM

Claims (3)

  1. 内燃機関の吸気通路と排気通路とを連通する排気還流通路に介装された排気還流弁の開度を制御して前記排気還流通路を介して前記排気通路から前記吸気通路へと還流される排ガスの還流割合を制御する排気還流手段と、
    前記排気通路内の排ガスの空燃比を検出する空燃比センサの検出結果に基づいて空燃比を制御する空燃比制御手段と、
    前記内燃機関のクランク軸の回転速度を検出する回転速度センサと、
    を備えた内燃機関に適用される燃焼状態診断装置であって、
    複数の異なる時刻のそれぞれについて、前記検出回転速度の過去の時系列データと前記検出空燃比の過去の時系列データと前記排ガス還流割合の過去の時系列データとを記憶する記憶手段と、
    前記各時刻についての前記検出回転速度の時系列データと前記検出空燃比の時系列データと前記排ガス還流割合の時系列データとを含んでなる前記各時刻についての観測データの回帰ベクトル空間での確率分布が、燃焼安定状態に対応する分布傾向と燃焼不安定状態に対応する分布傾向との2つの分布傾向を有する分布に従うとの仮定のもと、前記各時刻についての観測データに基づいて前記2つの分布傾向を有する分布を求め、前記求めた分布に基づいて前記各時刻についての観測データを前記燃焼安定状態に対応するグループと前記燃焼不安定状態に対応するグループとに分類する分類手段と、
    前記分類された前記各時刻についての前記観測データに基づいて、前記回帰ベクトル空間にて前記燃焼安定状態に対応するグループ内のデータの分布領域と前記燃焼不安定状態に対応するグループ内のデータの分布領域とを分割する超平面である分離超平面を推定する平面推定手段と、
    前記クランク軸回転速度の時系列データと空燃比の時系列データと前記排ガス還流割合の時系列データとからクランク軸回転速度を予測する前記燃焼安定状態についての回転挙動モデルと前記燃焼不安定状態についての回転挙動モデルとをそれぞれ別の局所ARXモデルを用いて個別に表した場合において、前記燃焼安定状態についての回転挙動モデル内のパラメータと前記燃焼不安定状態についての回転挙動モデル内のパラメータとを、前記燃焼安定状態に対応するグループに分類された観測データと前記燃焼不安定状態に対応するグループに分類された観測データとにそれぞれ基づいて個別に同定することで、前記燃焼安定状態についての回転挙動モデルと前記燃焼不安定状態についての回転挙動モデルとを個別に構築するモデル構築手段と、
    前記推定された分離超平面と、前記クランク軸回転速度の時系列データとに基づいて、前記内燃機関が前記燃焼安定状態にあるか前記燃焼不安定状態にあるかを判定する予測判定手段と、
    前記構築された回転挙動モデルのうち前記予測判定手段により判定された燃焼状態に対応する回転挙動モデルと、前記クランク軸回転速度の時系列データ、空燃比の時系列データ、及び前記排ガス還流割合の時系列データと、に基づいて、前記クランク軸回転速度を予測する回転速度予測手段と、
    前記予測されたクランク軸回転速度に基づいてクランク軸回転速度の変動量を予測する予測変動量予測手段と、
    前記検出回転速度に基づいてクランク軸回転速度の実際の変動量を算出する実変動量算出手段と、
    前記予測判定手段による判定結果、並びに、前記予測変動量と前記実変動量との比較に基づいて、前記内燃機関が前記燃焼安定状態にあるか前記燃焼不安定状態にあるかを最終的に判定する最終判定手段と、
    を備えた内燃機関の燃焼状態診断装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の燃焼状態診断装置において、
    前記最終判定手段は、
    前記予測判定手段により前記内燃機関が前記燃焼安定状態にあると判定され且つ前記予測変動量と前記実変動量との差が閾値以下のときに前記内燃機関が前記燃焼安定状態にあると判定し、前記予測判定手段により前記内燃機関が前記燃焼不安定状態にあると判定されたとき又は前記予測変動量と前記実変動量との差が前記閾値を超えたときに前記内燃機関が前記燃焼不安定状態にあると判定するように構成された内燃機関の燃焼状態診断装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の燃焼状態診断装置において、
    前記分類手段は、
    前記各時刻についての観測データをそれぞれ、前記求められた分布が有する前記燃焼安定状態に対応する分布傾向と前記燃焼不安定状態に対応する分布傾向との2つの分布傾向のうちで前記観測データが帰属する確率が大きい方の分布傾向に対応する燃焼状態に対応するグループに分類するように構成された内燃機関の燃焼状態診断装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010127263A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2010127264A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Toyota Motor Corp 内燃機関の制御装置
JP2014227835A (ja) * 2013-05-17 2014-12-08 株式会社デンソー エンジン制御装置

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