JP4807232B2 - 内燃機関の吸気ポート構造 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の吸気ポート構造、特にシリンダヘッドにスリーブ状のライナ部材を装着して断熱層を有するポート構造とした内燃機関の吸気ポート構造に関する。
内燃機関、特に自動車等の車両用のエンジンにおいては、シリンダヘッドにその側壁の開口から各気筒の吸気口や排気口に続く複数のポート部が形成されているが、近時、熱効率向上や出力増、耐ノック性の向上等を企図して、シリンダヘッドのポート部内にスリーブ状のライナ部材を挿入した断熱ポート構造を採用し、シリンダヘッドの過熱による排気系からの熱エネルギの放散を抑えたり、シリンダヘッドから吸入空気への伝熱量を抑えて吸入効率を高めたりすることが提案されている。
この種の内燃機関のポート構造としては、例えば特許文献1に記載のように、鋳込みにより作製したシリンダヘッドのポートにセラミック製ポートライナを挿入して、鋳込みによる熱の影響を避けた作製方法で、そのセラミック製ポートライナとシリンダブロックの間に、ポートライナを取り巻く空気層を形成したものがある。
また、特許文献2に記載のように、鋳込みにより作製したシリンダヘッドのポートに蛇腹状の可撓性ライナ部材を挿入するとともに、その内方に筒状のポートライナを挿入して、鋳込みによる熱の影響を避けつつ屈曲ポート形状にも対応可能な作製方法で、そのポートライナとシリンダブロックの間に、ポートライナを取り巻く空気層を形成したものがある。
さらに、特許文献3に記載のように、シリンダヘッドのポートにポートライナとそれを取り囲む複数のガイドリングとを挿入して、そのポートライナとシリンダブロックの間に、ポートライナを取り巻く空気層を形成しながらポートライナの支持部分を線接触として熱抵抗を大きくしたものがある。
特開平11−229956号公報 特開平11−229957号公報 特開2005−256678号公報
しかしながら、上述のような従来の内燃機関のポート構造を吸気ポートに採用すると、シリンダヘッドの吸入ポート部に挿入したライナ部材とシリンダヘッドとの間で空気層を形成する隙間、あるいはライナ部材と吸気マニホルドとの継ぎ目の隙間部分や段差部分に燃料が溜まり易く、その燃料が気筒内に一気に入ってしまうことによりエンジンの空燃比が急激に変化してしまうという問題がある。
すなわち、運転状態に応じた出力性能の確保や燃費等の面から、更に排気ガスの浄化のために用いる触媒装置の性能確保の面からも、エンジンの主要な制御パラメータである空燃比は、エンジンの各運転状態に応じ適正な値に制御される必要があるので、空燃比が急激に変化してしまうと、エンジンの運転状態が急激に悪化してしまい、問題となる。
そこで、本発明は、ライナ部材付近での燃料の霧化を促進させ、ライナ部材付近に溜まった燃料が一気に燃焼室内に入ることにより空燃比が急激に変動するという問題を確実に防止することのできる内燃機関の吸気ポート構造を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的達成のため、(1)内燃機関のシリンダヘッドの吸気ポート部にスリーブ状のライナ部材を挿入し、該ライナ部材と前記シリンダヘッドとの間に前記ライナ部材の周囲を取り巻く筒状の断熱層を形成した内燃機関の吸気ポート構造において、前記スリーブ状のライナ部材が、前記シリンダヘッドに近接する外周側に、前記スリーブ状のライナ部材の軸方向両端側および軸方向中央側に位置し軸方向に離間する複数の環状の突出部を有し、前記シリンダヘッドとの間に前記断熱層を構成する一対の筒状の空間を形成するとともに、前記一対の筒状の空間のうち前記軸方向中央側の環状の突出部より吸気方向上流側の空間内に配置されて前記ライナ部材の温度を検知する温度センサと、少なくとも前記軸方向中央側の環状の突出部より吸気方向下流側で前記ライナ部材に近接して配置され前記温度センサの検知温度に応じて前記断熱層の内外一方側で前記ライナ部材または該ライナ部材の近傍の吸気ポート部分を加熱する加熱手段とを有し、前記ライナ部材の温度を可変制御する温度制御手段が設けられていることを特徴とする。
この構成により、エンジンの運転状態や運転環境に応じ変化するライナ部材の温度を、吸気ポート内の燃料の霧化を促進するよう変化させることが可能になる。
また、ライナ部材の周囲温度が低下すると、温度センサの検知温度に応じて加熱手段によりライナ部材が加熱され、吸気ポート内の燃料の霧化が促進される。しかも、吸気ポート部に断熱層を容易に構成できる。なお、複数の突出部をライナ部材の軸方向両端部において拡径した環状部とすることにより、前記空間をシールすることもできる。
上記(1)の構成を備えた内燃機関の吸気ポート構造においては、(2)前記加熱手段が、前記環状の突出部の間で前記ライナ部材に装着され通電により発熱する電熱部材を含んで構成されているのがよい。この構成では、燃料の霧化が必要なときに確実に加熱手段が作動し得る。
また、この場合、(3)前記電熱部材が、前記ライナ部材の外周部に一体的に装着されているのがより好ましい。組み立て作業性や形状安定性がよいからである。
さらに、(4)前記電熱部材が、前記ライナ部材の外周部に対し螺旋状の巻付け状態で装着された電熱線で構成されていてもよい。
本発明の内燃機関の吸気ポート構造においては、(5)前記内燃機関が排気ポート側からの排気ガスの一部を吸気ポート側に還流させる排気ガス再循環装置を備え、前記加熱手段が、前記排気ガス再循環装置の排気ガス再循環通路から分岐して前記ライナ部材に近接するよう延在するポート加熱用排気導入通路部を含んで構成されているのがよい。この構成により、再循環される排気ガスからの熱を利用して吸気ポート内の霧化を促進させることが可能となる。
また、この場合、(6)前記加熱手段が、前記温度センサの検知温度に応じて前記加熱用排気導入通路を開閉操作する加熱制御弁をさらに備えたものであるのがよい。この構成により、ライナ部材の温度が低下しても温度センサの検知温度に応じて加熱制御弁が開き、加熱用排気導入通路に排気が導入されてライナ部材の近傍が加熱され、吸気ポート内の燃料の霧化が促進される。なお、加熱用排気導入通路は、排気ガス再循環装置の排気ガス再循環通路の一部をバイパスして吸気ポートの下側を通る迂回路として形成することができるが、排気ガス再循環通路から分岐した分岐点より下流側で必ずしも吸気通路側に連通させる必要はなく、排気通路側に再度戻すこともできる。
また、本発明の内燃機関の吸気ポート構造においては、(7)前記ライナ部材が成型された樹脂によって構成されているのがよい。ここにいう樹脂は、ライナ部材を収納するシリンダヘッドの温度変化に十分に耐え得る耐熱性を有するとともに熱伝導率及び線膨張係数が小さいものである。また、吸気マニホルドが樹脂で成型されている場合にはそれと同一の樹脂であってもよい。
本発明によれば、エンジンの運転状態や運転環境に応じ変化するライナ部材の温度を吸気ポート内の燃料の霧化を促進するよう変化させることができ、ライナ部材付近に溜まった燃料が一気に燃焼室内に入ることにより空燃比が急激に変動するという問題を確実に防止することのできる内燃機関の吸気ポート構造を提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第1の実施の形態]
図1から図3は本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の吸気ポート構造を示す図である。
まず、その構成について説明する。
図1において、シリンダヘッド11は、吸気マニホルド15を通してエンジンの各気筒への吸気を行うための吸気ポート部12と、図示しない排気マニホルドを通してエンジンの各気筒からの排気を行うための排気ポート部13とを有している。このシリンダヘッド11は、図示していないエンジンのシリンダブロックの上部に締結固定されている。なお、詳細は図示していないが、本実施形態におけるエンジンは、自動車に搭載される多気筒内燃機関で、公知のものと同様に、その各気筒にはピストンで仕切られた燃焼室が形成され、吸気弁と排気弁が所定のタイミングで開弁するよう装備されるとともに、燃焼室内に露出するよう点火プラグが配置されている。また、吸気マニホルド15により形成される吸気通路15aの上流側にはスロットルバルブが設けられ、この吸気通路から各気筒の燃焼室までの間に燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射装置)が設けられている。なお、燃料は例えばガソリンであるが、エタノールやガス燃料であってもよい。
シリンダヘッド11の吸気ポート部12は吸気マニホルド15が連結されるシリンダヘッド11の連結端面11a上に開口するとともに燃焼室側の吸気口11iに連通する通路となっており、シリンダヘッド11の連結端面11aから一定の距離Lの範囲内となる吸気ポート部12の上流側及び中間の部分は、次のような断熱ポート構造となっている。
シリンダヘッド11には、連結端面11aから一定深さ(距離L)の範囲内に、吸気マニホルド15の内部の吸気通路15aの内径より大径のスリーブ挿入孔11bが形成されており、スリーブ挿入孔11bの内底面はシリンダヘッド11の段付部11cによって規定されている。これにより、スリーブ挿入孔11bは吸気ポート部12の下流端部12cに対し段付部11cを挟んで径違いとなっている。
シリンダヘッド11のスリーブ挿入孔11bには、距離Lと同一の長さを有する略円筒スリーブ状のライナ部材21が挿入されており、そのライナ部材21は、シリンダヘッド11に近接する外周側に軸方向に離間する複数の環状の突出部21a、21b、21cを有している。これら突出部21a〜21cはスリーブ挿入孔11bの内径と略同一の直径に形成されており、ライナ部材21がシリンダヘッド11のスリーブ挿入孔11b内にゼロ嵌合状態、例えば所定の圧入嵌合状態で挿入されている。これにより、ライナ部材21の内周面21dが、吸気マニホルド15の吸気通路15aから吸気ポート部12の下流端部12cまで連続した吸気通路の内壁面となっている。
また、ライナ部材21とシリンダヘッド11との間には、ライナ部材21の周囲を取り巻く一対の筒状の空間22a、22bが形成され、これらの空間22a、22bは吸気ポート部12の周囲に突出部21a〜21cの高さに対応する厚さで形成された断熱層22を構成している。
複数の突出部21a、21b、21cは少なくともライナ部材21の軸方向両端部において拡径した環状部となっており、ライナ部材21の両端部がシリンダヘッド11と嵌合することで空間22a、22bをシールする機能を有している。図1では、各突出部21a〜21cの断面形状は方形としているが、それぞれ挿入方向先端側が小径となるテーパ状であってもよいし、軸方向に延びる挿入ガイドリブを有していてもよく、各突出部21a〜21cの断面形状は円弧状あるいは略三角形等としった任意の断面形状とすることができる。突出部21a〜21cは、前記シール性を考慮の上で、極力その突条幅が狭く、シリンダヘッド11と線接触に近い状態でシリンダヘッド11に接触するのがよい。突出部21a〜21cは、また、燃料溜りが生じ得る鉛直方向の下方側では連続する突条となり、上側では離間する複数の突起となっていてもよい。ライナ部材21の軸方向中央の突出部21bは環状でなく、周方向等間隔に離間する複数の突起で構成されてもよい。
断熱層22は、運転中高温となるシリンダヘッド11からライナ部材21への伝熱量を抑えて、吸入効率を高めるのに寄与し、更に、エンジンのノックを抑えるのにも寄与し得る。
一方、吸気ポート部12には、ライナ部材21の温度を可変制御する温度制御手段30が設けられている。
温度制御手段30は、ライナ部材21の外周部の温度を検知する温度センサ31と、温度センサ31の検知温度に応じてライナ部材21を加熱する加熱手段32とを有している。温度センサ31はライナ部材21とシリンダヘッド11との間の空間22a、22bのうちいずれか一方に配置されており、温度センサ31の検知温度情報はエンジンコントロールコンピュータの一部であるコントローラ40に取り込まれる。また、加熱手段32は通電により発熱する電熱部材としての電熱線33と、電熱線33に選択的に通電する通電部35とを含んで構成されており、この電熱線33はライナ部材21の外周部に一体的に装着されている。なお、温度センサ31をライナ部材21の外周部に一体的に装着することもできる。
より具体的には、電熱線33は、例えば突出部21a、21bの間と、突出部21b、21cの間とのうち少なくとも一方側で、図2に示すように、それぞれライナ部材21の外周部に螺旋状に巻き付けられており、その巻付け状態で一体成形され又は巻き付け後に絶縁層をコーティングされてライナ部材21に固着されている。勿論、本発明にいう電熱部材は、線状のものでなく、ライナ部材21の外周面部に固着された板状(面状)のものでもよく、その形状や設置範囲は任意である。ただし、吸気ポート部12の鉛直方向下方側に及んでいるのが望ましい。また、電熱部材は、ライナ部材21の複数個所を部分的に加熱する複数の電熱部材であってもよく、これらの電熱部材の一部又は全部を選択的に通電するようにしてもよい。
通電部35は、変圧器及びスイッチの機能を有し、バッテリ38を電源としてコントローラ40により制御されることで、電熱線33への通電の有無を切り替え、更には通電量を可変制御することができる。なお、通電による駆動方式自体は、通常の電動アクチュエータや電気負荷と同様であり、ここでは詳述しない。
コントローラ40は、CPU、ROM、RAM及び入出力インターフェース回路を含んで構成されており、エンジンの電子制御と共に後述する所定の処理を実行するためのプログラムや閾値設定データ等を装備している。
一方、ライナ部材21は成型された樹脂からなる。ここにいう樹脂は、射出成形等により所定の形状精度を確保することができる成型性と、吸気ポート部12への装着後の温度変化や振動に耐える耐熱性及び強度とを有し、かつ、熱伝導率及び線膨張係数が十分に小さいものであり、例えば主としてポリアミド樹脂を含む材料であるのが好ましく、繊維強化等がされた強化樹脂とすることもできる。また、吸気マニホルド15が樹脂で成型される場合に、ライナ部材21と吸気マニホルド15とを同一の樹脂により一体に成型することもできる。
なお、図1において、シリンダヘッド11は、それぞれ前記吸気弁及び排気弁のステム部がそれぞれ摺動可能に挿通される孔11f、11gを有しており、前記吸気弁及び排気弁は図外の動弁機構により弁開閉方向に駆動される。また、シリンダヘッド11の吸気ポート部12の下流端部12c付近には、ウォータージャケット11wが形成されている。また、ライナ部材21の外端部の内径d1は吸気マニホルド15の吸気通路15aの開口径d0に等しくなり、ライナ部材21の内端部の内径d2は吸気ポート部12の下流端部12cの内径d3に等しくなるように、それぞれの内径d1、d2が設定されている。内径d1、d2はほぼ同一径であってもよいが、異なる径であってもよい。ライナ部材21の外径がライナ部材21の外端部側よりも内端部側で小さくなり、スリーブ挿入孔11bがテーパ状の孔形状となっていてもよい。
次に、作用について説明する。
上述のように構成された本実施形態では、コントローラ40により、図3に示すような制御ロジックで、エンジンの運転状態や運転環境に応じて変化するライナ部材21の温度を、吸気ポート部12内の燃料の霧化を促進するように変化させる処理が実行される。
すなわち、同図において、まず、温度センサ31の出力がコントローラ40に取り込まれて(ステップS11)、その検知温度が吸気ポート部12内の付着燃料の霧化に必要な最低温度である所定の閾値温度以上であるか否かが判別され(ステップS12)、温度センサ31の検知温度がその閾値に達していない場合には(ステップS12でNOの場合)、コントローラ40によって通電部35に通電が指示され、電気抵抗の大きい電熱線33が通電により発熱する(ステップS13)。温度センサ31の検知温度がその閾値以上である場合(ステップS12でYESの場合)、コントローラ40には通電部35に通電を停止させる(ステップS14)。なお、コントローラ40から通電部35に指示電流値が出力され、その指示電流に応じて電熱線33の通電電流値を制御することができるのはいうまでもない。また、複数のうち通電すべき一部の電熱線33を指定する出力がなされ、ライナ部材21の加熱範囲が通電される電熱線33の数によって加減されるようになっていてもよい。
上述のような制御下においては、例えば寒冷時で、ライナ部材21と吸気ポート部12の下流端部12cとの継ぎ目部(ライナ部材21とシリンダヘッド11の段付部11cとが対向する継ぎ目部分)近傍に燃料が付着し易い状態にあったとしても、ライナ部材21の温度が低下すると、コントローラ40によって通電部35に通電が指示されて電熱線33が発熱し、吸気ポート部12内及び段付部11c付近の燃料の霧化が促進される。したがって、ライナ部材21付近に燃料が溜まり、それが一気に燃焼室内に入ることでエンジンの空燃比が急激に変動する、という問題が確実に解消される。
このように、本実施形態では、ライナ部材21の周囲温度が低下すると、温度センサ31の検知温度に応じて加熱手段32によりライナ部材21が加熱され、燃料の霧化が必要なときに確実に加熱手段32が作動して、吸気ポート部12内の燃料の霧化が促進される。
また、本実施形態では、ライナ部材21に電熱線33が一体的に装着されているので、電熱線付ライナ部材21の組み立て作業性やその電熱線33の形状安定性が良好である。
また、ライナ部材21が複数の環状の突出部21a、21b、21cを軸方向所定間隔に有し、これらをシリンダヘッド11のスリーブ挿入孔11b内にゼロ嵌合状態で嵌合させながら、シリンダヘッド11に装着されているので、環状の突出部21a、21b、21cの部分では熱伝導率が低いのみならずほぼ線接触に近くなり、かつ、ライナ部材21の周囲を取り巻く一対の筒状の空間22a、22bが形成されるので、吸気ポート部12内に燃料が溜まり難く、ライナ部材21付近の吸気ポート部12の温度制御も可能な断熱層22を構成することができる。
[第2の実施の形態]
図4から図6は本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の吸気ポート構造を示す図である。なお、上述した第1の実施形態と同一又はそれに相当する構成については、図1及び図2中のそれらと同一の符号を用いて説明する。
図4及び図5に示すように、本実施形態においては、エンジン1が排気ポート部13に接続する排気マニホルド16側からの排気ガスの一部を吸気マニホルド15内の吸気通路15a側に還流させる公知の排気ガス再循環装置50(詳細は図示していない)を備えている。この排気ガス再循環装置50の基本構成自体は公知のものと同様であり、詳述しないが、その排気ガス再循環通路51上に排気ガス再循環量を制御するEGR制御弁52を有している。なお、図5において、エンジン1は4つの気筒1aを有しており、各気筒1aからの排気を集合させる排気マニホルド16の下流側には排気ガスを浄化するための公知の触媒装置17が設けられている。また、排気ガス再循環通路51はこの触媒装置17より上流側の排気通路から吸気マニホルド15内にまで延在している。
吸気ポート部12内のライナ部材21の温度を可変制御する温度制御手段30は、本実施形態では、温度センサ31と、排気ガス再循環装置50の排気ガス再循環通路51から分岐してライナ部材21に近接するよう延在するポート加熱用排気導入通路部53と、温度センサ31の検知温度に応じてポート加熱用排気導入通路部53を開閉操作する加熱制御弁55とを含んで構成されている。
ポート加熱用排気導入通路部53のうち排気ガス再循環通路51から分岐する分岐点より下流側の部分は、吸気通路側(例えばサージタンク)に連通していてもよいが、EGR制御の容易化のため排気通路側に再度戻す経路とすることもできる。排気ガス再循環通路51の一部をバイパスして吸気ポート部12の鉛直方向下側を通る迂回路として加熱用排気導入通路部53を形成する場合、加熱用排気導入通路部53も排気ガス再循環装置50の排気ガス再循環通路の一部となるが、ライナ部材21付近の吸気ポート部分12の温度が上昇したときにポート加熱用排気導入通路部53を加熱制御弁55により閉じることができるようにしておくのが望ましい。
加熱制御弁55は、ポート加熱用排気導入通路部53の入口を開閉操作する機能を有し、バッテリ38を電源としてコントローラ40により制御されることで、ポート加熱用排気導入通路部53内への排気導入の有無を切り替え、更にはその流量を可変制御するよう弁開度調節可能である。なお、制御弁による排気再循環量の制御自体は、通常のEGR制御の場合と同様であり、ここでは詳述しない。
コントローラ40は、上述のようにCPU、ROM、RAM及び入出力インターフェース回路を含んで構成されており、エンジン1の電子制御と共に後述する所定の加熱用排気導入処理を実行するためのプログラムや閾値又はテーブル化されたマップデータ等を装備している。
このコントローラ40は、所定のEGR制御と共に、ポート加熱用排気導入通路部53を通る排気ガスによる吸気ポート部12の加熱量を加熱制御弁55によって制御する。
具体的には、コントローラ40は、例えば図6に示すよう制御ロジックで、エンジンの運転状態や運転環境に応じて変化するライナ部材21の温度を、吸気ポート部12内の燃料の霧化を促進するように変化させる加熱用排気導入処理を実行する。
すなわち、同図において、まず、温度センサ31の出力がコントローラ40に取り込まれて(ステップS21)、その検知温度に対して加熱制御弁55の開度が吸気ポート部12内の付着燃料の霧化に最適な開度になっているか否か、すなわち検知温度と弁開度の関係がマップに適合するか否かが図7に示すようなマップデータに基づいて判別される(ステップS22)。図7に示す加熱制御用のマップでは、温度センサ31の検知温度が所定温度に達すると、その以上の温度では加熱用排気導入量を減じるよう弁開度を小さくするようになっている。
ここで、検知温度と弁開度の関係がマップに適合しない場合(ステップS22でNOの場合)、図7に示すマップに対応するコントローラ40内のテーブルデータに基づいて、温度センサ31の検知温度に応じた最適な加熱用排気導入量となるように、加熱制御弁55の弁開度が加減操作され、排気によるライナ部材21付近への加熱量が制御される(ステップS23)。
一方、検知温度と弁開度の関係がマップに適合する場合(ステップS22でYESの場合)加熱制御弁55の弁開度が維持され、排気によるライナ部材21付近への加熱量が維持される(ステップS24)。
このような制御下においては、例えば寒冷時で、ライナ部材21と吸気ポート部12の下流端部12cとの継ぎ目部近傍に燃料が付着し易い状態にあったとしても、ライナ部材21の温度が低下すると、コントローラ40によって加熱制御弁55の開度が増加され、吸気ポート部12の下側を通る高温の排気ガスの流量が増加され、ライナ部材21付近への加熱量が増加することで、吸気ポート部12内の燃料の霧化がより促進される。したがって、ライナ部材21付近に溜まった燃料が一気に燃焼室内に入ってエンジンの空燃比が急激に変動するという問題が確実に解消される。
このように、本実施形態では、温度センサ31の検知温度に応じ、ポート加熱用排気導入通路部53及び加熱制御弁55からなる加熱手段32によってライナ部材21が加熱され、燃料の霧化が必要なときに確実に加熱手段32が作動して、再循環される排気ガスからの熱を利用して吸気ポート部12内の燃料の霧化が促進される。
また、本実施形態では、ライナ部材21の周囲温度が低下すると、温度センサ31の検知温度に応じて加熱制御弁55が開き、再循環される排気ガスからの熱によってライナ部材21が加熱されるので、電熱線を用いる場合に比べてバッテリからの電力消費が低減可能となる。
以上説明したように、本発明は、エンジンの運転状態や運転環境に応じ変化するライナ部材の温度を吸気ポート内の燃料の霧化を促進するよう変化させることができ、ライナ部材付近に溜まった燃料が一気に燃焼室内に入ることにより空燃比が急激に変動するという問題を確実に防止することのできる内燃機関の吸気ポート構造を提供することができるものであり、シリンダヘッドにスリーブ状のライナ部材を装着して断熱層構造とした内燃機関の吸気ポート構造全般に有用である。
本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の吸気ポート構造を示すその要部断面図を含むブロック構成図である。 本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の吸気ポート構造における電熱部材のライナ部材への装着状態を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る内燃機関の吸気ポート構造における電熱部材の通電制御手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の吸気ポート構造を示すその要部断面図を含むブロック構成図である。 本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の吸気ポート構造を示すその要部概略平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の吸気ポート構造における加熱手段の加熱制御手順を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る内燃機関の吸気ポート構造における加熱手段の加熱制御に用いるマップの説明図である。
符号の説明
11 シリンダヘッド
11a 連結端面
11b スリーブ挿入孔
11c 段付部
12 吸気ポート部
12c 下流端部
13 排気ポート部
15 吸気マニホルド
15a 吸気通路
21 ライナ部材
21a、21b、21c 突出部
22 断熱層
22a、22b 空間
30 温度制御手段
31 温度センサ
32 加熱手段
33 電熱線(電熱部材)
35 通電部
38 バッテリ
40 コントローラ
50 排気ガス再循環装置
51 排気ガス再循環通路
52 EGR制御弁
53 ポート加熱用排気導入通路部
55 加熱制御弁

Claims (7)

  1. 内燃機関のシリンダヘッドの吸気ポート部にスリーブ状のライナ部材を挿入し、該ライナ部材と前記シリンダヘッドとの間に前記ライナ部材の周囲を取り巻く筒状の断熱層を形成した内燃機関の吸気ポート構造において、
    前記スリーブ状のライナ部材が、前記シリンダヘッドに近接する外周側に、前記スリーブ状のライナ部材の軸方向両端側および軸方向中央側に位置し軸方向に離間する複数の環状の突出部を有し、前記シリンダヘッドとの間に前記断熱層を構成する一対の筒状の空間を形成するとともに、
    前記一対の筒状の空間のうち前記軸方向中央側の環状の突出部より吸気方向上流側の空間内に配置されて前記ライナ部材の温度を検知する温度センサと、少なくとも前記軸方向中央側の環状の突出部より吸気方向下流側で前記ライナ部材に近接して配置され前記温度センサの検知温度に応じて前記断熱層の内外一方側で前記ライナ部材または該ライナ部材の近傍の吸気ポート部分を加熱する加熱手段とを有し、前記ライナ部材の温度を可変制御する温度制御手段が設けられていることを特徴とする内燃機関の吸気ポート構造。
  2. 前記加熱手段が、前記環状の突出部の間で前記ライナ部材に装着され通電により発熱する電熱部材を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気ポート構造。
  3. 前記電熱部材が、前記ライナ部材の外周部に一体的に装着されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の吸気ポート構造。
  4. 前記電熱部材が、前記ライナ部材の外周部に対し螺旋状の巻付け状態で装着された電熱線で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気ポート構造。
  5. 前記内燃機関が排気ポート側からの排気ガスの一部を吸気ポート側に還流させる排気ガス再循環装置を備え、
    前記加熱手段が、前記排気ガス再循環装置の排気ガス再循環通路から分岐して前記ライナ部材に近接するよう延在するポート加熱用排気導入通路部を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気ポート構造。
  6. 前記加熱手段が、前記温度センサの検知温度に応じて前記加熱用排気導入通路を開閉操作する加熱制御弁をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の吸気ポート構造。
  7. 前記ライナ部材が成型された樹脂によって構成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のうちいずれか1の請求項に記載の内燃機関の吸気ポート構造。
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