JP2008082199A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えばEHC等の触媒においてPM等がヒータに付着することによる触媒の機能低下を防止する。
【解決手段】エンジン200は、排気管221にヒータ330を含むEHC300を備える。ヒータ330における排気の流れと直交する方向の断面は渦状をなし、外周側から内周側にかけて径方向の幅が徐々に大きくなっている。これに伴いヒータ330において径方向に対向する部位相互間に介在する間隙370の径方向の幅は、外周側程大きくなっている。このため、排気の速度が相対的に遅くなりがちな外周側における、係る排気速度に起因するPMの付着が防止され、ヒータ330の電気的な短絡が防止される。また、ヒータ330の当該幅が外周側程小さいため、ヒータ330の発熱量は外周側程大きく、ケーシング310を介した熱放射により不均一となりがちな、係る断面方向のDPF320の温度分布が均一化される。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばEHC(Electric Heated Catalyst:電気加熱式触媒装置)等、内燃機関の排気浄化装置の技術分野に関する。
この種の装置として、例えばPM(Particulate Matter:粒子状物質)の再生中における触媒の温度分布を均一化するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されたディーゼルエンジン用パティキュレートトラップ(以下、「従来の技術」と称する)によれば、多層円筒状に形成されたDPF(Diesel Particulate Filter)において、円筒状のフィルタ各々に接触しないようにヒータを設け、例えば、抵抗値が減らされる等してフィルタの中心側円筒に近いヒータ程供給電力が減らされる。このため、DPFのケーシング内部の温度分布を適切な範囲に収斂させることが可能となり、再生効率の良好なDPFを提供することが可能であるとされている。
尚、EHCの発熱点の分布を中心部に対して外側で密にする技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、EHCがショートした時に通電量を抑制する技術も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
更に、外周部の温度を下げないようにヒータ線の取り回しを工夫したEHCも提案されている(例えば、特許文献4参照)。
特許第2953409号公報 特開平9−276711号公報 特開平6−17697号公報 特開平8−193509号公報
PM等を相対的に多量に含む浄化前の排気は、例えば排気経路の形状や空間的配置に応じて、或いは排気管内部の相対的な温度分布に応じて、排気経路内の部位によりその流速が相違する。この際、流速の低い、即ち排気の流れが相対的に緩やかな部位では、ヒータにPMが付着し易い。一方で、PMの中には導電性を有するものがあり、ヒータにPMが付着した際、ヒータの通電経路の一部或いは全体が電気的に短絡されることがある。この場合、ヒータによる適切な発熱が得られない、或いはヒータの故障が生じる等といった不具合が生じかねず、結果的に触媒の暖機が妨げられかねない。即ち、従来の技術には、ヒータへのPMの付着が考慮されていないことに起因して、触媒の機能低下を招きかねないという技術的な問題点がある。尚、係る問題点はNOx等、PMとは異なる浄化対象物質に適用される触媒においても同様に生じ得る。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたものであり、PMやNOx等、浄化対象物質がヒータに付着することによる触媒の機能低下を防止し得る内燃機関の排気浄化装置を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、内燃機関の排気を導く排気経路に設けられた触媒と、前記排気経路において前記触媒に熱伝達可能に設置され、通電により発熱し、前記排気の流れと交わる方向の断面が、径方向に前記排気の速度に対応付けられた幅を有する間隙が介在するように巻回された渦状をなすヒータと、前記ヒータに対し前記通電が可能な通電手段とを具備することを特徴とする。
本発明に係る「内燃機関」とは、例えば複数の気筒を有し、当該複数の気筒の各々における燃焼室において、例えばガソリン、アルコール又は軽油等の各種燃料が燃焼した際に発生する爆発力を、例えばピストン及びコネクティングロッド等の機械的な伝達経路を経て、例えばクランク軸等の入出力軸を介して動力として取り出すことが可能な機関を包括する概念であり、例えば2サイクル或いは4サイクルレシプロエンジン等を指す。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、その動作時には、例えば、排気ポート及び排気マニホールド等を順次介して例えば排気管(即ち、いずれも「排気経路」の一部である)に導かれた、例えば、CO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)、或いは、煤等を含むものとしてのPM等を含んでなる排気が、例えば、三元触媒、酸化触媒、NOx吸蔵還元触媒(以下、適宜「NSR(Nox Strage Reduction)触媒」と称する)、DPF又はDPNR(Diesel Particulate-Nox active Reduction system)等の諸形態を採り得る触媒における、例えば酸化反応や還元反応等の触媒反応により浄化される。
一方、触媒温度が相対的に低い場合、例えば触媒温度が触媒毎に定められ得る所定の活性温度未満となる場合等には、十分に触媒反応が進行しないため、触媒における排気の浄化効率が低下し、浄化が不十分となり易い。例えば、このような傾向は、熱効率が高く、それに伴って排気温度も相対的に低くなりがちなディーゼルエンジン等の圧縮自着火式の内燃機関において顕著に生じ易い。
そこで、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、排気経路において、例えば触媒の上流(前段)又は下流(後段)或いは触媒内部等、触媒に熱伝達可能な位置に設置され、例えば電源装置やスイッチング装置等を含み得る通電手段により通電せしめられることにより発熱し、もって触媒を暖機せしめ得るヒータを備え、触媒の温度上昇が促進される構成となっている。
この際、ヒータを構成する材料は、通電により発熱を伴い得る限りにおいて、例えば電気抵抗値或いは導電率といった導電性を規定する物性値によって限定されるものではなく、例えば相対的に高い導電特性(即ち、相対的に低い電気抵抗値により規定される導電特性)を有する例えば金属材料や、相対的に低い導電特性(即ち、相対的に高い電気抵抗値により規定される導電特性)を有する、一般的には抵抗体と称されるような材料を包含する。
ここで、本発明に係るヒータは、排気経路における排気の流れと交わる方向の断面が、径方向に例えばエアギャップ等の間隙が介在するように巻回された渦状をなしている。即ち、この間隙が電気的に絶縁された絶縁層として機能することにより、通電手段により通電が行われた際に、渦状をなすヒータ全体に電流が流れ、当該断面の広い範囲に発熱による熱伝達を生じさせることが可能となる。
ここで特に、当該間隙は、上述した如くヒータにおいて径方向に順次配列する部位相互間を電気的に絶縁するために必須な要素であり、係る相互間の絶縁性が担保されているか否かは、ヒータの発熱特性に大きな影響を与える。例えば、ヒータの一部が電気的に短絡した場合、短絡箇所では発熱が生じ難いため、ヒータ全体を見た場合の発熱部位に偏りが生じ、当該断面においてこの短絡箇所に対応する領域に熱が効率的に伝達され難い。或いは、ヒータが電気的に短絡することによって、ヒータや通電手段、更には他の電気的な制御系統に、物理的、機械的又は電気的な故障又は損傷等、各種不具合が発生しかねず、結果的に触媒の暖機が不十分となって触媒の機能低下を招きかねない。
一方、排気の速度は、排気経路上で一様ではなく、例えば、排気の流れと交わる方向の断面における径方向の外周側程遅くなる。このような現象は、排気の速度と排気経路を流れる排気の温度とが相関することが一因となる。即ち、排気の温度が低い場合には排気の速度も低下し易い傾向があり、排気経路の壁体部を介した熱放射により排気温度が低下し易い排気経路の外周側でより排気の速度が低下し易いのである。この場合、排気経路上に設けられた、渦状をなすヒータにおける前述した間隙は、当該径方向における外周側の部分程、排気中の浄化対象物質(例えば、PM等)が付着し易い状態となる。
他方、浄化対象物質中には、例えば煤等、導電性をもつものがあり、当該間隙に付着した場合に、当該間隙を挟むヒータの部位相互間を電気的に短絡しかねない。即ち、ヒータの通電経路に変化が生じ、上述した如く最終的に触媒の機能が相対的に低下しかねない。
そこで、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置では、当該間隙における当該径方向の幅が、浄化対象物質の付着し易さを規定し得る排気の速度に対応付けられている。例えば、上述したように、径方向の外周側程排気の速度が低い場合、ヒータは、当該間隙の幅が外周側に向かうに連れて連続的、離散的又は段階的に大きくなるように形成される。このため、排気の流れと交わる方向の断面において、浄化対象物質が理想的には一様にヒータを通過する。即ち、ヒータにおける浄化対象物質の付着が防止される。
尚、排気の速度は必ずしも排気経路における径方向の外周側程遅くなるとは限らず、例えば、排気経路及び触媒の形状、材質或いはこれら相互間の物理的な又は空間的な位置関係等により変化することもある。このような排気経路上の排気の速度は予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等により事前にある程度把握することも可能であり、間隙の上述した幅は、このような事前の適合により、実際の排気の速度に対応付けられて、例えば排気の速度に対し連続的、離散的又は段階的な値を採るように決定される。
また、このような排気の速度に対する間隙の幅は、予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、ヒータの発熱効率、発熱面積、又は触媒の暖機効率等を実践上不具合が顕在化する程度に低下させることなく、且つ浄化対象物質がヒータを問題なく通過し得るように、或いはヒータ又は通電手段に物理的、機械的又は電気的な故障等の不具合が発生しないように決定されていてもよい。
以上説明したように、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、排気の流れと交わる方向の断面が、径方向に排気の速度に対応付けられた幅を有する間隙が介在するように巻回された渦状をなすヒータを備えることにより、導電性を有する浄化対象物質が付着することによるヒータの通電経路の電気的な短絡が防止され、ヒータを効率的且つ効果的に発熱せしめることが可能となる。或いはヒータにおける故障等不具合の発生を防止することが可能となる。従って、結果的に触媒の機能低下を防止することが可能となるのである。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の一の態様では、前記通電手段は、前記ヒータにおける前記径方向の外周側における発熱量が内周側における発熱量よりも大きくなるように前記通電を行う。
排気経路を流れる排気の密度は排気経路内で必ずしも均一ではなく、総じて排気経路の壁体部(筐体部)に近い外周側の方が低くなり易い。また、当該外周側程、排気経路の壁体部を介して熱の放射が起こり易い。従って、排気の流れと交わる方向の断面で見た場合、触媒温度及び排気の温度は通常、径方向の外周側で低くなり易い。また、既に述べたように、排気の温度は排気の速度と相関があり、総体的にみて排気の温度が低い程排気の速度は低下し易い。従って、排気経路の外周側では、浄化対象物質が付着し易く且つ触媒温度が低下し易いといった事態が生じ得る。
この態様によれば、通電手段は、渦状をなすヒータにおける、径方向の外周側における発熱量が、内周側における発熱量よりも大きくなるように通電を行う。この際、通電手段の動作は、例えばECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の制御手段により、例えばその印加電圧やスイッチング状態或いは通電時間や通電量等を制御量として制御されてもよい。或いは通電手段自体が、このような制御系を含んでいてもよい。尚、単にヒータに通電を行うことにより、このような発熱量の差異が生じるようにヒータが構成されている場合には、この態様における通電手段の動作とは、相対的にみて複雑な動作を伴うことなく単に通電を行うのみであってもよい。
従って、この態様によれば、排気の流れと交わる方向の断面において径方向に生じ得る触媒温度のばらつきが補償され、例えば、触媒温度が均一化される。即ち、この態様によれば、触媒温度の分布を補償すると同時に浄化対象物質の付着を防止するといった実践上極めて高い効果を得ることが可能となる。
尚、外周側の発熱量が内周側の発熱量よりも大きければ、何らこの種の制御がなされない場合と比較して幾らかなりともヒータの外周側に対応する触媒外周側の温度上昇が促進されるため、ヒータにおいて外周側の発熱量を内周側よりも大きくし得る限りにおいて、通電手段に係る通電の態様並びに外周側及び内周側における厳密な発熱量は何ら限定されない。
例えば、通電手段は、予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、触媒温度が、排気の流れと交わる方向の断面或いは排気の流れに沿った方向の断面において均一化されるように、且つ十分な触媒温度が得られるように、例えば、内燃機関の運転状態を規定する各種指標値に応じて通電を行ってもよい。
尚、この態様では、前記通電手段は、前記触媒における少なくとも前記径方向の温度分布が均一となるように前記通電を行ってもよい。
上述した如く、触媒の温度は排気の流れと交わる方向の断面における径方向において顕著に偏り易い。従って、少なくとも係る径方向の温度分布が均一となるように通電が行われることにより、効果的に触媒を機能させることが可能となる。尚、「均一となるように」とは、何らこの種の制御がなされない場合と比較して幾らかなりとも温度分布が解消されることを表す概念であり、必ずしも厳密に係る温度分布が均一となる必要はない。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の他の態様では、前記ヒータは、前記間隙の幅が、前記径方向の外周側において内周側よりも大きくなるように形成される。
この態様によれば、径方向の外周側における間隙の幅が、内周側と比較して大きくなるようにヒータが形成されるため、外周側における浄化対象物質の付着が防止される。上述したように、排気の速度は通常、径方向の外周側において遅くなり易く、このように外周側の間隙の幅が相対的に大きくなるようにヒータが形成された場合には実践上有益である。
尚、ヒータが渦状をなすことに鑑みれば、間隙の幅を外周側で大きく形成することは比較的簡単であり、この態様によれば、製造工程が簡素化されることによる精度の向上が望め、浄化対象物質の付着がより効果的に防止され得る。
尚、この態様では、前記ヒータは、前記ヒータにおける前記径方向の幅が外周側から内周側へ向かうに連れて大きくなるように、且つ前記間隙の幅が、前記ヒータの幅が大きくなるに連れて小さくなるように形成されていてもよい。
この場合、ヒータにおける径方向の幅の増加又は減少に応じて、間隙における径方向の幅が夫々減少又は増加する。ヒータは渦状をなすから、通電時にヒータに流れる電流の値は主として印加電圧とヒータの電気抵抗により規定される。このように、巨視的にみればヒータは一の抵抗体であるが、ヒータの当該幅が異なれば、ヒータの単位長さ当りの抵抗値はヒータの各部位で異なり、当該幅が小さい程大きくなる。発熱量は抵抗値の大小によって規定されるから、結局、このようにヒータの幅が外周側程小さく設定される場合には、外周側程ヒータの発熱量が大きくなる。
即ち、このようにヒータの幅と間隙の幅とが相互に連動して変化するようにヒータが形成される場合、触媒における、排気の流れと交わる方向の断面における径方向の温度分布を、ヒータの幅に応じた発熱量の大小により効果的に一定範囲に収束させつつ、好適には均一化しつつ、外周側における排気の速度が相対的に低いことに起因するヒータ外周側での浄化対象物質の付着を効果的に防止するといった、実践上極めて好ましい効果を得ることが可能となる。尚、ヒータの幅及び間隙の幅各々の値は、夫々要求されるヒータの発熱量及び実際の排気の速度(付着のし易さ)等に基づいて最適化されていてもよい。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の態様では、前記通電が行われた場合の前記ヒータの導電特性を特定する特定手段を更に具備し、前記通電手段は、前記特定された導電特性に基づいて前記通電を行う。
この態様によれば、例えばECU等の各種処理ユニット、各種コントローラ或いはマイコン装置等各種コンピュータシステム等の形態を採り得る特定手段により、例えば、ヒータにおける電気抵抗値等の導電特性が特定される。
尚、本発明における「特定」とは、例えば、何らかの検出手段を介して直接的に又は間接的に物理的数値又は物理的数値に対応する電気信号等として検出すること、何らかの検出手段を介して直接的に又は間接的に例えば電気信号等の形で検出された、特定対象と対応関係を有する物理的数値に基づいて予め然るべき記憶手段等に記憶されたマップ等から該当する数値を選択すること、このような物理的数値又は選択された数値等から、予め設定されたアルゴリズムや計算式に従って導出すること、或いはこのように検出、選択又は導出された数値等を、例えば電気信号等の形で単に取得すること等を包括する広い概念である。
ヒータの導電特性は、ヒータにおける浄化対象物質(顕著には、導電性を有する煤等のPM)の付着状態を表す指標となる。より具体的には、導電特性が、より良好な導電性を示す方向へ変化している、即ち、電気抵抗が相対的に低下している場合、ヒータのいずれかの部位が電気的に短絡している可能性が高い。
一方で、ヒータのいずれかの部位が電気的に短絡している場合、通電を継続することによって、ヒータ又は通電手段に物理的、機械的又は電気的な故障又は損傷が発生する等、各種不具合が発生する確率は高くなる。従って、このようにヒータの導電特性に基づいて通電手段が通電を行うことにより、ヒータ又は通電手段の物理的、機械的又は電気的な故障又は損傷等各種不具合を防止することが可能となり、ヒータを確実に保護しつつ効果的に機能せしめることが可能となる。即ち結果的に触媒の機能低下が防止される。
尚、導電特性に基づいた通電手段の通電態様は、予め実験的に、経験的に、或いはシミュレーション等に基づいて、上述した不具合を発生させることなく、またヒータによる触媒暖機の機会損失を生じさせることのないように決定されていてもよい。この際、例えば導電特性を規定する電気抵抗値等の物性値が所定値以下であるか否か等の判断基準に従って、通電態様が二値的或いは段階的に変化せしめられてもよいし、当該物性値に応じて離散的又は連続的に通電態様が変化せしめられてもよい。
尚、この態様では、前記通電手段は、前記特定された導電特性が所定の短絡状態に該当する場合に前記通電を禁止してもよい。
この場合、電気抵抗値が所定値以下となる等、導電特性が所定の短絡状態に該当する場合に、通電手段が通電を禁止するため、ヒータにおける不具合の発生を確実に防止することが可能となる。
尚、この場合、更に、導電特性が短絡状態に該当しなくなった場合(例えば、付着していた煤等が再生或いは除去された場合等)に速やかに、或いは緩やかに通電手段が通電を再開してもよい。或いは、触媒の形態によっては、このような通電の再開を図るため、リッチスパイク等の燃料添加を実施して、付着した浄化対象物質の再生又は除去を促進せしめてもよい。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態から明らかにされる。
<発明の実施形態>
以下、適宜図面を参照して、本発明の好適な各種実施形態について説明する。
<第1実施形態>
<実施形態の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの構成について説明する。ここに、図1は、エンジンシステム10の構成を概念的に表してなる模式図である。
図1において、エンジンシステム10は、ECU100及びエンジン200を備える。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備え、エンジンシステム10の動作全体を制御することが可能に構成された電子制御ユニットであり、本発明に係る「通電手段」の一例をなしている。
エンジン200は、本発明に係る「内燃機関」の一例たるディーゼルエンジンである。
エンジン200は、気筒201内において燃料と吸入空気との混合気を圧縮自着火させ燃焼せしめると共に、係る燃焼による爆発力に応じて生じるピストン202の往復運動を、コネクティングロッド203を介してクランクシャフト204の回転運動に変換することが可能に構成されている。この際、クランクシャフト204の回転状態は、クランクシャフト204近傍に設置された、クランクポジションセンサ205により、クランク角として検出される。このクランクポジションセンサ205は、ECU100と電気的に接続されており、ECU100は、クランクポジションセンサ205によって検出されたクランク角に基づいてピストン202の位置を把握することが可能に構成されている。また、ECU100は、クランクポジションセンサ205によって検出されたクランク角を時間処理することによって、エンジン200の機関回転数Neを算出することが可能に構成されている。以下に、エンジン200の要部構成を、その動作の一部と共に説明する。
外部から吸入された空気は、吸気管206を通過する過程で、クリーナ207により浄化され、またエアフローメータ208によりその流量が吸入空気量として検出される。エアフローメータ208により検出された吸入空気量は、エアフローメータ208と電気的に接続されたECU100により把握される構成となっている。
吸気管206には、気筒201内部へ吸入される空気量を調節するためのスロットルバルブ209が配設されている。スロットルバルブ209の開度は、スロットルポジションセンサ210によって検出され、スロットルポジションセンサ210と電気的に接続されたECU100によって把握される構成となっている。また、スロットルバルブ209の開度は、ECU100と電気的に接続されたスロットルバルブモータ211によって可変に制御される構成となっている。
気筒201内部と吸気管206における吸気ポート(符号省略)との連通状態は、吸気バルブ212の開閉状態に応じて制御される。即ち、吸気バルブ212が開弁している期間において、スロットルバルブ209を介して空気が気筒201内部に吸入される。
一方、気筒201内部において、吸入された空気はインジェクタ213から噴射される燃料(即ち、軽油)と混合され、前述の混合気となる。この燃料は、燃料タンク214に貯留されており、図示せぬ低圧ポンプの作用によりデリバリパイプ215に導かれ、更にデリバリパイプ215に設置された高圧ポンプ216の作用により昇圧された状態で、デリバリレール217に圧送される構成となっている。
デリバリレール217は、燃料を高圧状態で一時的に保持することが可能に構成されており、紙面と垂直な方向、即ち気筒201が配列する方向に延在している。デリバリレール217には、各気筒201に対応するサブデリバリ218が設けられており、サブデリバリ218の一端部にインジェクタ213が接続されている。即ち、インジェクタ213は、デリバリレール217から各サブデリバリ218を介して供給される高圧の燃料を、気筒201内部に直接噴射することが可能に構成されている。
気筒201内部では、噴射された燃料と吸入空気とが混合され、圧縮工程或いは爆発工程において自発的に着火する。この結果混合気が燃焼せしめられ、吸気バルブ212と連動して開閉する排気バルブ220の開弁期間において排気管221に排出される。尚、気筒201を収容するシリンダブロック(符号省略)内のウォータジャケットには、エンジン200の冷却水温を検出可能に構成された水温センサ219が配設されている。検出された冷却水温は、水温センサ219と電気的に接続されたECU100により把握される構成となっている。
排気管221には、本発明に係る「内燃機関の排気浄化装置」の一例たるEHC300が設置されている。
ここで、図2を参照し、EHC300の詳細な構成について説明する。ここに、図2は、排気管221に沿った断面でみたEHC300の構成を概念的に表す模式断面図である。尚、同図において、図1と重複する個所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図2において、EHC300は、ケーシング310、DPF320、ヒータ330、電源340、スイッチ350及び電流計360を備える。
ケーシング310は、DPF320及びヒータ330を収容する、EHC300の筐体である。ケーシング310は、排気の流れと直交する方向(即ち、紙面と垂直な方向であり、本発明に係る「排気の流れと交わる方向」の一例である)の断面が円環状をなす金属性の円筒状部材であり、電位的に接地されている。
DPF320は、エンジン200から排出される排気中のPMをトラップし、且つ酸化燃焼せしめることが可能に構成されたフィルタであり、本発明に係る「触媒」の一例である。
ヒータ330は、上述した排気の流れと直交する方向の断面が渦状をなす抵抗体であり、本発明に係る「ヒータ」の一例である。ヒータ330は、少なくとも電気的な絶縁特性は有しておらず、後述するように通電されることにより一定の電流を流し得る、好適には金属性の材料で構成されている。ヒータ330の一端部は、ケーシング310に接続されており、電位的に接地されている。
電源340は、車載用バッテリ(不図示)等から供給される1次電圧を、例えば数百ボルトの高電圧に昇圧させてなる2次電圧供給装置である。電源340は、電気配線系(符号省略)によりヒータ330と電気的に接続された状態にあり、出力電圧がヒータ330の動作電圧として供される構成となっている。より具体的には、電気配線系は、電源340の正極側からヒータ330の前述した接地側の端部と異なる他端部へ接続される構成となっている。尚、電源340は、ECU100と電気的に接続されていてもよく、その場合、例えばECU100によって、出力電圧が制御される構成を有していてもよい。また、電源340は、ヒータ330の構成に応じて、1次電圧の供給源(即ち、この場合車載用のバッテリ)であってもよい。
スイッチ350は、電源340とヒータ330とを電気的に接続する前述した電気配線系において、電源340の正極側とヒータ330の前述した他端部との間に設置された切り替え手段であり、切り替え状態(即ち、開閉状態)に応じて、電源340とヒータ330とを電気的に切断又は接続することが可能に構成されている。スイッチ350は、ECU100と電気的に接続されており、その切り替え状態がECU100によって制御される構成となっている。スイッチ350は、電源340及び上述した電気配線系等と共に、本発明に係る「通電手段」の一例をなす。
電流計360は、ヒータ330を流れる電流の値を検出することが可能に構成された電流検出手段であり、検出された電流値は、電流計360と電気的に接続されたECU100により把握される構成となっている。特に、ECU100は、電流計360から入力される電流値と、電源340の出力電圧とに基づいて、ヒータ330の電気抵抗値を算出することが可能に構成されている。
ここで、図3を参照して、ヒータ330の詳細な構成について説明する。ここに、図3は、図2におけるA−A’線視断面図(即ち、排気の流れと直交する方向の断面図)である。尚、同図において、図2と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図3において、ケーシング310内において、ヒータ330は渦状をなしている。ここで特に、ヒータ330は、図示径方向の幅(尚、図示する径方向は無論一例に過ぎず、径方向とは当該断面において中心部から平面視放射状に伸びる方向である)が外周側へ向かう程小さくなるように形成されており、それに伴って、径方向において対向する部位相互間に介在する間隙370の径方向の幅は、外周側程大きくなっている。即ち、より具体的には、間隙370の幅は、例えば外周側から内周側にかけてW1、W3(W3<W1)及びW5(W5<W3)であり、当該ヒータの幅は、外周側から内周側にかけてW2、W4(W4>W2)及びW6(W6>W4)である。
<実施形態の動作>
次に、本実施形態の動作として、EHC300の動作について説明する。
EHC300では、主として始動時等、触媒であるDPF320の温度が所定の触媒活性温度に満たない場合に、DPF320におけるPMの再生(酸化)が十分に或いは全く行われない。従って、EHC300では、基本的にDPF320が触媒活性温度に到達するまでヒータ330に対する通電が行われる。この際、ECU100が電源340とヒータ330とが電気的に接続されるようにスイッチ350を制御し(即ち、スイッチ350を閉じ)、電源340から出力される高電圧をヒータ330に供給する。この結果、ヒータ330に通電がなされ、ヒータ330が発熱する。この発熱に係る熱の一部がDPF320の暖機に供されることにより、DPF320の早期昇温が促進される。
ここで、ヒータ330に流れる電流は、ヒータ330全体の電気抵抗値と、電源340から印加される電圧により一義的に決定される。但し、図3に示すように、ヒータ330は径方向の幅が外周側程小さくなるように形成されているため、単位長さ当りでみた場合の電気抵抗は、径方向における外周側程高くなる。従って、一定の電流が流れる際のヒータ330の発熱量は、排気と直交する断面における外周側程大きくなる。
一方で、ケーシング310内を流れる排気の温度は、ケーシング310に近い部分を流れる排気程、ケーシング310からの熱放射により低下するため、総体的にみて排気の流れと直交する断面における内周側程高くなる。従って、ヒータ330を使用しない場合のDPF320における温度の上昇速度は、当該断面において内周側程高くなる。従って、然るべき時間が経過した後のDPF320の温度分布は、特に排気の流れと直交する断面において不均一と(即ち、外周側程低く)なり易い。
然るに、上述した如く、ヒータ330の発熱量は当該断面における外周側程高いから、DPF320における当該温度分布は、EHC300が稼動、即ちヒータ330に通電が行われることによって補償される。本実施形態では特に、ヒータ330の上述した幅が、予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、ヒータ330に通電が行われた際にDPF320の温度分布が均一となるような発熱量が得られるように決定されており、DPF320の温度分布は、少なくとも排気の流れと直交する断面において略均一化される。
ところで、排気中のPMには、導電性を有する煤等が含まれており、ヒータ330における上述した間隙370に付着することによってヒータ330の一部が或いは全体が電気的に短絡する可能性がある。一方で、排気管221を流れる排気の速度は、排気の流れと直交する断面でみた場合、例えば上述したように排気の温度が外周側でより低くなり易いこと等に起因して、内周側程相対的に高く外周側程相対的に低くなり易い。従って、相対的にみて、外周側程PMが付着し易いことになる。
ここで特に、間隙370の、当該断面における径方向の幅は、上述したように外周側程大きくなっており、PMがより通過し易い構造となっている。従って、例えば何らこの種の配慮がなされぬ場合と比較して、PMの付着によるヒータ330或いはヒータ330を含むEHC300全体の物理的、機械的又は電気的な損傷又は故障等の不具合の発生が防止され、相対的にDPF320の機能低下が防止される。
ここで、図4及び図5を参照し、このような本実施形態に係る顕著な効果について説明する。ここに、図4は、排気の流れと直交する断面で見たEHC300の模式断面図であり、図5は、同じく排気の流れと直交する断面で見た、本発明の比較例たるEHC500の模式断面図である。尚、これら各図において、図3と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を適宜省略することとする。
図4において、ヒータ330における外周側の一部をPMの一種である煤400が通過する場合、当該一部における間隙370の径方向の幅が外周側程大きくなっているために、煤400は間隙370に付着することがない。即ち、ヒータ330における通電経路は何ら電気的に短絡されることなく、ヒータ330は、当該断面におけるDPF320の温度分布を均一化し得るように発熱する。
一方、図5において、EHC500は、ヒータ330の代わりにヒータ510を備える点でEHC300と相違している。ヒータ510は、径方向の幅が一律に形成されており、それに伴い、ヒータ510の各部位相互間に介在する間隙520も、当該断面における径方向に一律の幅を有している。
従って、当該断面において、間隙520には外周側程煤400付着し易く、煤400が付着した場合、ヒータ510の通電経路の一部が電気的に短絡される。即ち、ヒータ510の外周側がケーシング310と電気的に接続された状態となり通電経路は図示着色部分のみとなる。即ち、ヒータ510は実質的に外周側で発熱を生じなくなる。従って、DPF320も係る外周側に対応する部分の温度上昇が阻害され、上述した熱放射の影響もあって、当該断面方向の温度分布が一層偏り易くなる。即ち、DPF320の機能が相対的に低下する。
このように、本実施形態に係るEHC300によれば、排気の流れと直交する断面におけるヒータ330の径方向の幅が、外周側でより小さくなっており、通電された際に係る外周側でより大きい発熱量が得られると同時に、ヒータ330の相互に対向する部位に介在する間隙370の径方向の幅が外周側でより大きくなるため、導電性を有する煤等のPMが、排気速度の遅い外周側で付着する事態が防止される。このため、ヒータ330の通電経路が電気的に短絡することがなくなり、当該断面におけるDPF320の温度分布を均一化することが可能となる。即ち、PM等浄化対象物質がヒータに付着することによる触媒の機能低下を防止することが可能となるのである。
<第2実施形態>
次に、図6を参照し、本発明の第2実施形態として、EHC300を保護しつつ効果的に動作させるための処理について説明する。ここに、図6は、ECU100が実行するEHC制御処理のフローチャートである。尚、EHC制御処理は、エンジン200の動作期間において絶えず実行される処理であり、ECU100が、ROMに格納された制御プログラムに従って実行する処理である。
図6において、ECU100は、EHC300への通電条件が満たされるか否かを判別する(ステップA10)。ここで、通電条件とは、例えば上述したようにDPF320の温度が触媒活性温度未満である場合や、係る触媒活性温度以上であっても、DPF320におけるPMの再生を促進すべき条件が満たされた場合(例えば、PMトラップ量が多い場合)等を指す。通電条件が満たされない場合(ステップA10:NO)、ECU100は、EHC300を非通電状態に制御する(ステップA13)。尚、この際、従前の状態が既に非通電状態であれば、実質的には処理は行われない。ステップA13に係る処理が実行されると、処理は再びステップA10に戻され、一連の処理が繰り返される。
一方、通電条件が満たされる場合(ステップA10:YES)、ECU100は、ヒータ330の電気抵抗値Rhが、予め設定された下限値Rth以下であるか否かを判別する(ステップA11)。ここで、第1実施形態で述べたように、PMの付着によってヒータ330の通電経路が電気的に短絡された場合、ヒータ330の電気抵抗値Rhは低下する。従って、ヒータ330の電気抵抗値Rhは、ヒータ330に電気的な短絡が生じているか否かを規定する指標となる。本実施形態における下限値Rthは、予め実験的に、経験的に、理論的に或いはシミュレーション等に基づいて、ヒータ330への通電を継続することにより近未来的に何らかの不具合が生じかねないと判断され得る値に設定されている。
尚、ヒータ330へ通電がなされない状況では、電流計360はヒータ330に流れる電流を検出できない。従って、ヒータ330の電気抵抗値Rhを把握する必要が生じた際、ECU100は、所定の検出期間についてのみ電源340とヒータ330とが電気的に接続されるようにスイッチ350を制御するか、或いは電源340から電気抵抗値Rh検出用の弱電圧が出力されるように電源340を制御した後にスイッチ350をそのように制御した上で、速やかに電流計360を介して電流値を取得し、ヒータ330の電気抵抗値Rhを算出する。尚、このような事情に鑑みれば、EHC300には、電流計360に代えて、電気抵抗値Rhを検出可能なセンサが備わっていてもよい。
ヒータ330の電気抵抗値Rhが下限値Rthよりも大きい場合(ステップA11:YES)、ECU100は、EHC300のヒータ330に通電が行われるようにスイッチ350を制御する(ステップA12)。この結果、上述した如くヒータ330が発熱し、DPF320が暖機せしめられる。ヒータ330への通電がなされると、処理はステップA10に移行し一連の処理が繰り返される。
一方、ヒータ330の電気抵抗値Rhが下限値Rth以下である場合(ステップA11:NO)、ECU100は、処理をステップA13に移行し、ヒータ330への通電を停止する。尚、この段階での「停止」とは、即ち「禁止」の意味合いを包含する趣旨である。
このように、EHC制御処理によれば、ヒータ330の電気抵抗値Rhが下限値Rth以下である状況、即ち、ヒータ330に実践上無視し得ない電気的な短絡が生じている場合に、ヒータ330への通電が禁止される。また、係る短絡の原因となる煤等の目詰まりが何らか理由で解消され、電気抵抗値Rhが実践上問題ない程度の値まで上昇した際には、通電条件が満たされた状況であれば速やかに通電が開始される。従って、電気的に短絡された状態のヒータ330に通電を行うことによる、ヒータ330或いはヒータ330を含むEHC300全体における物理的、機械的又は電気的な故障又は損傷等の各種不具合の発生を確実に防止しEHC300を保護しつつ、EHC300によるDPF320の暖機機会の損失を小さくすることが可能となる。
尚、上述した各実施形態において、触媒としてDPF320が採用されているが、EHCを構成する触媒はDPFに限らず、例えば、エンジンの種類等に応じてDPNR、NSR触媒又は三元触媒等、他の触媒を広く使用可能である。とりわけ、NSR触媒等、空燃比リッチ雰囲気中で浄化対象物質の再生を実行する触媒等においては、例えば上述したステップA11に係る処理と同等の処理において、ヒータ330の電気抵抗値Rhが下限値Rth以下である場合と同等な場合に燃料添加を実施し、触媒中の浄化対象物質(例えば、NOx等)を積極的に浄化せしめることによってヒータの電気抵抗値の上昇を促してもよい。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う内燃機関の排気浄化装置もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係るエンジンシステムの構成を概念的に表してなる模式図である。 図1のエンジンシステムにおいて排気管に沿った断面でみたEHCの構成を概念的に表す模式断面図である。 図2におけるA−A’線視断面図である。 第1実施形態の効果に係り、排気の流れと直交する断面で見たEHCの模式断面図である。 第1実施形態の効果に係り、排気の流れと直交する断面で見た、本発明の比較例たるEHCの模式断面図である。 本発明の第2実施形態に係り、ECUが実行するEHC制御処理のフローチャートである。
符号の説明
10…エンジンシステム、100…ECU、200…エンジン、221…排気管、300…EHC、310…ケーシング、320…DPF、330…ヒータ、340…電源、350…スイッチ、360…電流計、370…間隙。

Claims (7)

  1. 内燃機関の排気を導く排気経路に設けられた触媒と、
    前記排気経路において前記触媒に熱伝達可能に設置され、通電により発熱し、前記排気の流れと交わる方向の断面が、径方向に前記排気の速度に対応付けられた幅を有する間隙が介在するように巻回された渦状をなすヒータと、
    前記ヒータに対し前記通電が可能な通電手段と
    を具備することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記通電手段は、前記ヒータにおける前記径方向の外周側における発熱量が内周側における発熱量よりも大きくなるように前記通電を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記通電手段は、前記触媒における少なくとも前記径方向の温度分布が均一となるように前記通電を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記ヒータは、前記間隙の幅が前記径方向の外周側において内周側よりも大きくなるように形成される
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 前記ヒータは、前記ヒータにおける前記径方向の幅が外周側から内周側へ向かうに連れて大きくなるように、且つ前記間隙の幅が、前記ヒータの幅が大きくなるに連れて小さくなるように形成されている
    ことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記通電が行われた場合の前記ヒータの導電特性を特定する特定手段を更に具備し、
    前記通電手段は、前記特定された導電特性に基づいて前記通電を行う
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 前記通電手段は、前記特定された導電特性が所定の短絡状態に該当する場合に前記通電を禁止する
    ことを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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