JP4806905B2 - 燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法に係り、特に、燃料電池に供給されるメタノール等の燃料物質の残量を簡易に検知する方法に関する。
固体高分子電解質型燃料電池は、パーフルオロスルホン酸膜等の固体電解質膜を電解質とし、この膜の両面に燃料極及び酸化剤極を接合して構成され、アノードに水素やメタノール、カソードに酸素を供給して電気化学反応により発電する装置である。各電極で生じる電気化学反応は、アノードでは、メタノールを用いた場合、
CHOH+HO→6H+CO+6e …[1]
であり、また、カソードでは、
3/2O+6H+6e→3HO …[2]
である。この反応を起こすために、両電極は触媒物質が担持された炭素微粒子と固体高分子電解質との混合体より構成されている。
このような固体高分子電解質型燃料電池において、燃料としてメタノールを用いた場合、アノードに供給されたメタノールは、電極中の細孔を通過して触媒に達し、触媒によりメタノールが分解されて、上記反応式[1]の反応で電子と水素イオンを生成する。水素イオンはアノード中の電解質及び両電極間の固体電解質膜を通ってカソードに達し、カソードに供給された酸素及び外部回路より流れ込む電子と反応して、上記反応式[2]のように水を生じる。一方、メタノールより放出された電子はアノード中の触媒担体を通って外部回路へ導き出され、外部回路よりカソードに流れ込む。この結果、外部回路ではアノードからカソードへ向かって電子が流れ電力が取り出される。
このメタノールを燃料とするダイレクトメタノール型燃料電池は、携帯用小型燃料電池として適用できる可能性が高く、近年、携帯用コンピューターや携帯電話等の次世代二次電池として開発が活発化してきている。
そして、このようなダイレクトメタノール型燃料電池にあっては、その電池特性の改善のために様々な提案がなされており、例えば、メタノールを燃料とした場合に起き、出力電圧低下の原因となるメタノールクロスオーバー(アノードで発生した水素イオンが、電解質膜中を水分子とともにカソードに向かって移動する際、燃料であるメタノールもアノードからカソードへと移動する現象。)を防止するために、アノードとカソードとの間の電解質膜やその構造を改良する方法(特開平11−26005号公報、特開2002−83612号公報等)などが提案されている。
特開平11−26005号公報 特開2002−83612号公報
しかしながら、従来においては、燃料電池用燃料の残量を簡単に検知する方法がなく、このために、燃料電池用燃料が全量消費される前に必要量の燃料を準備したり、適宜補給するなど、燃料を的確に供給することが困難であった。
従って、本発明は、燃料電池用燃料の残量を簡単に検知することができる方法を提供することを目的とする。
本発明の燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法は、燃料電池用燃料物質と相手方化合物との分子化合物を含有する燃料電池用燃料組成物中の該燃料物質の存在量を検知する方法であって、該燃料物質の存在量の変化に伴う該分子化合物及び/又は相手方化合物の目視により検出可能な特性の変化に基づいて、該燃料物質の存在量を検知することを特徴とする
求項の燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法は、請求項1において、該相手方化合物が発色性の官能基を有することを特徴とする。
請求項の燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法は、請求項1又は2において、該燃料電池が、固体高分子電解質型燃料電池であることを特徴とする。
請求項の燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法は、請求項において、該燃料電池が、ダイレクトメタノール型燃料電池であることを特徴とする。
請求項の燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法は、請求項1ないしのいずれか1項において、該燃料電池が、携帯用小型燃料電池であることを特徴とする。
請求項の燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法は、請求項1ないしのいずれか1項において、該燃料物質が、水素、アルコール類、エーテル類、炭化水素類、及びアセタール類よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
請求項の燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法は、請求項1ないしのいずれか1項において、該分子化合物が、該燃料物質とホスト化合物とから形成された包接化合物であることを特徴とする。
請求項の燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法は、請求項において、該ホスト化合物が多孔質物質に担持されていることを特徴とする。
請求項の燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法は、請求項又はにおいて、該ホスト化合物が有機化合物、無機化合物及び有機・無機複合化合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
請求項10の燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法は、請求項ないしのいずれか1項において、該ホスト化合物が単分子系、多分子系及び高分子系ホスト化合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
なお、本発明でいう分子化合物とは、単独で安定に存在することができる化合物の2種類以上の化合物が水素結合やファンデルワールス力などに代表される、共有結合以外の比較的弱い相互作用によって結合した化合物であり、水化物、溶媒化物、付加化合物、包接化合物などが含まれる。このような分子化合物は、分子化合物を形成する相手方化合物と燃料物質との接触反応により形成することができ、例えば、液体の燃料物質を固体状の化合物に変化させ、比較的軽量にかつ安定に燃料物質を貯蔵することができるなど、利点が多い。そして、この分子化合物からは加熱、又は水との接触等により容易に燃料物質を放出させて燃料電池の燃料極に供給することができる。
本発明によれば、燃料電池用燃料物質と相手方化合物との分子化合物を含有する燃料電池用燃料組成物中の該燃料物質の存在量を、該燃料物質の存在量の変化に伴う該分子化合物及び/又は相手方化合物の目視により検出可能な特性の変化に基づいて、容易に検知することができる。
特に、この指標特性として色を用いることにより、目視により、燃料物質の残量を容易に確認することも可能となる。この場合、相手方化合物として、発色性の官能基を有するものを用いることにより、分子化合物の色と相手方化合物の色とに、明確な差異をつけ、より一層容易に残量の確認を行うことができるようになる。
以下に本発明の燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法の実施の形態を詳細に説明する。
なお、本発明に係る燃料電池の形態としては、特に限定はされないが、好ましくは固体高分子電解質型燃料電池であり、その中にはダイレクトメタノール型燃料電池なども含まれる。
まず、本発明に係る燃料電池用燃料組成物に含まれる燃料電池用燃料物質と相手方化合物との分子化合物について説明する。
本発明に係る燃料物質としては、燃料電池の燃料として用いることができるものであれば良く、例えば、水素、アルコール類、エーテル類、炭化水素類、アセタール類などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。燃料物質としては、より具体的には、水素、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコール類、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、プロパン、ブタン等の炭化水素類、ジメトキシメタン、トリメトキシメタン等のアセタール類などが挙げられ、これらは1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。
燃料組成物に含まれる分子化合物のうち、燃料物質を包接した包接化合物を形成するホスト化合物としては、有機化合物、無機化合物及び有機・無機複合化合物よりなるものが知られており、また、有機化合物においては、単分子系、多分子系、高分子系ホストなどが知られている。
単分子系ホスト化合物としては、シクロデキストリン類、クラウンエーテル類、クリプタンド類、シクロファン類、アザシクロファン類、カリックスアレン類、シクロトリベラトリレン類、スフェランド類、環状オリゴペプチド類などが挙げられる。また多分子系ホスト化合物としては、尿素類、チオ尿素類、デオキシコール酸類、ペルヒドロトリフェニレン類、トリ−o−チモチド類、ビアンスリル類、スピロビフルオレン類、シクロフォスファゼン類、モノアルコール類、ジオール類、アセチレンアルコール類、ヒドロキシベンゾフェノン類、フェノール類、ビスフェノール類、トリスフェノール類、テトラキスフェノール類、ポリフェノール類、ナフトール類、ビスナフトール類、ジフェニルメタノール類、カルボン酸アミド類、チオアミド類、ビキサンテン類、カルボン酸類、イミダゾール類、ヒドロキノン類などが挙げられる。また、高分子系ホスト化合物としては、セルロース類、デンプン類、キチン類、キトサン類、ポリビニルアルコール類、1,1,2,2−テトラキスフェニルエタンをコアとするポリエチレングリコールアーム型ポリマー類、α,α,α’,α’−テトラキスフェニルキシレンをコアとするポリエチレングリコールアーム型ポリマー類などが挙げられる。
また、その他に有機リン化合物、有機ケイ素化合物なども挙げられる。
無機系ホスト化合物としては、酸化チタン、グラファイト、アルミナ、遷移金属ジカルゴゲナイト、フッ化ランタン、粘土鉱物(モンモリロナイトなど)、銀塩、ケイ酸塩、リン酸塩、ゼオライト、シリカ、多孔質ガラスなどが挙げられる。
更に、有機金属化合物にもホスト化合物としての性質を示すものがあり、例えば有機アルミニウム化合物、有機チタン化合物、有機ホウ素化合物、有機亜鉛化合物、有機インジウム化合物、有機ガリウム化合物、有機テルル化合物、有機スズ化合物、有機ジルコニウム化合物、有機マグネシウム化合物などが挙げられる。また、有機カルボン酸の金属塩や有機金属錯体などを用いることも可能であるが、有機金属化合物であれば、特にこれらに限定されるものではない。
本発明に係る燃料組成物によれば、燃料物質と相手方化合物との分子化合物から放出させた燃料物質を燃料電池に供給して発電が行われるが、分子化合物から燃料物質を放出させた後の相手方化合物と分子化合物とでは、色、結晶形態等において、異なる特性を有することから、本発明では、この指標特性の変化を利用して燃料組成物中の燃料物質の存在量を検知する。即ち、燃料物質と相手方化合物との分子化合物の指標特性を「S100」とし、相手方化合物の指標特性を「S」とした場合、燃料組成物の指標特性が「S100」を示せば、この燃料組成物中には、燃料物質が飽和状態で含まれている。逆に、燃料組成物の指標特性が「S」であれば、燃料組成物中に燃料物質は存在せず、燃料物質を放出した後の相手方化合物のみである。また、燃料組成物の指標特性が「S100」と「S」との間の値を示すものであれば、その指標特性に応じた量の燃料物質が燃料組成物中に存在することとなる。
このような指標特性は、電気信号に変換するなどして、容易に定量化することができる。この指標特性の種類については特に制限はないが、指標特性として「色」を採用した場合には、目視による燃料組成物の外観観察で燃料物質の残留の把握も容易に行うことができ、有利である。
指標特性として「色」を採用するためには、相手方化合物として、単独の場合(分子化合物から燃料物質を放出した後、或いは、燃料物質と分子化合物を形成していない状態)と、燃料物質との分子化合物を形成した場合とで色が変化するものを用いるのが好ましい。
このように色が変化するホスト化合物としては、上述のホスト化合物に発色性の官能基を有するものが適する。その具体例として、下記一般式(1)で表される、イミダゾール類に発色性の官能基が導入されたホスト化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 0004806905
[(1)式中、R,Rは異なっていても同一でも良く、各々、水素原子、メトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ニトロ基又はハロゲン原子を示す。Rはニトロ基、シアノ基、エトキシカルボニル基、アセチル基又はホルミル基を示す。R,Rはそれぞれ水素原子を示すか、又は互いに結合して縮合環を形成するものを示す。Rは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基、或いはメトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基、ニトロ基又はハロゲン原子よりなる群から選ばれる1種又は2種以上で置換されたフェニル基を示す。]
上記一般式(1)で表されるイミダゾール系ホスト化合物としては、例えば、4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(2−ニトロフェニル)イミダゾール、4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(3−ニトロフェニル)イミダゾール、4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−ニトロフェニル)イミダゾール、4,5−ビス(4−アミノフェニル)−2−(2−ニトロフェニル)イミダゾール、4,5−ビス(4−アミノフェニル)−2−(3−ニトロフェニル)イミダゾール、4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−ニトロフェニル)イミダゾール、4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(2−ニトロフェニル)−1−メチルイミダゾール、4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(3−ニトロフェニル)−1−メチルイミダゾール、4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(4−ニトロフェニル)−1−メチルイミダゾール、2−(2−ニトロフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾール、2−(3−ニトロフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾール、2−(4−ニトロフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾール、1−メチル−2−(2−ニトロフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾール、1−メチル−2−(3−ニトロフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾール、1−メチル−2−(4−ニトロフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾール、1−フェニル−2−(2−ニトロフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾール、1−フェニル−2−(4−ニトロフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾール、1−(4−ニトロフェニル)−2−(4−ニトロフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾール、1−(4−メトキシフェニル)−2−(4−ニトロフェニル)フェナントロ[9,10−d]イミダゾールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらのホスト化合物は1種を単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
これらのホスト化合物は、燃料物質と包接化合物を形成するものであれば、どのような形状の化合物でもかまわない。
また、上述のホスト化合物のうち、有機系ホスト化合物は、無機系多孔質物質に担持させた有機・無機複合素材として使用することもできる。この場合、有機系ホスト化合物を担持する多孔質物質としては、シリカ類、ゼオライト類、活性炭類の他に、粘土鉱物類、モンモリロナイト類などの層間化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。このような有機・無機複合素材は、前述の有機系ホスト化合物を、これを溶解することのできる溶媒に溶解させ、その溶液を多孔質物質中に含浸させ、溶媒を乾燥、減圧乾燥するなどの方法で製造することができる。多孔質物質に対する有機系ホスト化合物の担持量としては特に制限はないが、通常の場合、多孔質物質に対して10〜80重量%程度である。
前述の4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(3−ニトロフェニル)イミダゾールなどのホスト化合物を用いて燃料物質の包接化合物を合成する方法としては、燃料物質とホスト化合物を直接接触、混合する方法が挙げられ、これにより、燃料物質を包接した包接化合物を容易に合成することができる。また、ホスト化合物を燃料物質に加熱等を行って溶解させた後、再結晶することによっても包接化合物を合成することができる。
包接化合物の合成に際して、燃料物質とホスト化合物とを接触させる温度は、特に制限はないが、常温〜100℃程度が好ましい。このときの圧力条件についても特に制限はないが、常圧環境で行うことが好ましい。また、燃料物質とホスト化合物とを接触させる時間についても特に制限はないが、作業効率等の面から0.01〜24時間程度とするのが好ましい。
なお、ホスト化合物と接触させる燃料物質は、高純度の燃料が好ましいが、燃料物質の選択的包接能を有したホスト化合物を用いる場合には、燃料物質と他の成分との混合液体であっても良い。
このようにして得られる包接化合物は、用いたホスト化合物の種類、燃料物質との接触条件等によっても異なるが、通常ホスト化合物1モルに対して燃料物質分子0.1〜10モルを包接した包接化合物である。
このようにして得られた包接化合物は、常温・常圧環境において、長期に亘り燃料物質を安定に貯蔵することができる。しかも、この包接化合物は、軽量で取り扱い性にも優れ、一般的には固体状であるため、ガラス、金属、プラスチック等の容器に入れて容易に貯蔵することができ、液漏れの問題も解消される。また、通常ガス状又は液体状の燃料物質が包接化により固体状になることで、劇物や危険物としての性質を回避できるようにもなる。更には、燃料物質が有する化学的反応性を低減できるようになり、例えば金属に対する腐食性なども緩和できるようになる。
本発明において、包接化合物等の分子化合物とされた状態から燃料物質を取り出す方法としては、特に制限はないが、これを加熱することで容易に取り出すことができる。具体的には、分子化合物が包接化合物の場合、用いたホスト化合物の種類もよるが、常温〜200℃程度に加熱すれば良く、これにより容易に包接化合物中から燃料物質を放出させて各種用途に用いることができる。この場合、加熱方法については特に制限はないが、熱電素子(ペルチェ素子など)やインクジェットプリンターヘッド(サーマル方式など)などがあり、また、表面弾性波素子などを組み合わせて用いても良い。
また、この包接化合物等の分子化合物を水に接触させることにより、燃料物質をこの水中に溶出させることで燃料物質を取り出すこともできる。この場合、水は燃料物質の水溶液であっても良く、包接化合物等の分子化合物からの燃料物質の溶出で適宜使用目的に応じた濃度の燃料物質水溶液を調製して燃料電池に供給すれば良い。
なお、このようにして包接化合物から燃料物質を放出した後のホスト化合物は、その燃料物質に対する選択的包接能を有し、燃料物質の包接化に有効に再利用可能である。
本発明においては、例えば、このように、分子化合物から燃料物質を放出した後の相手方化合物と、燃料物質と相手方化合物との分子化合物とについてそれぞれ予め色等の指標特性を把握しておき、燃料組成物の指標特性をこれらの指標特性と対比することにより、容易に燃料組成物中の燃料物質量を検知することができる。なお、指標特性として色を用いる場合、色度計等を用いて色を定量化し、これにより燃料物質量を正確に求めることも可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、何ら以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下において、燃料物質を包接するホスト化合物としては、4,5−ビス(4−メトキシフェニル)−2−(3−ニトロフェニル)−1H−イミダゾール(以下「BMNI」と略記する。)を用い、燃料物質としてはメタノールを用いた。BMNIの結晶の色は黄色である。
実施例1
BMNIをメタノールに加熱溶解して再結晶を行うことにより、BMNI:メタノール=1:1(モル比)の固体状のメタノール包接化合物を得た。得られたメタノール包接化合物の色は濃赤色であった。
このメタノール包接化合物を容器に入れて100℃に加熱したところ、メタノールが放出され、メタノールの放出に伴って結晶中のメタノールが徐々に減少することにより、容器内の結晶の色が濃赤色からBMNIの黄色に変化した。
従って、色の変化によりメタノールの残量を確認することができた。
実施例2
実施例1と同様にして得られたメタノール包接化合物をカラムにつめ、このカラムに水を通水したところ、メタノールが水側に溶出し、メタノールの溶出に伴って結晶中のメタノールが徐々に減少することにより、カラム内の結晶の色が濃赤色からBMNIの黄色に変化した。
従って、色の変化によりメタノールの残量を確認することができた。
実施例3
電解質膜・電極接合体(MEA)を以下のようにして作製した。電解質膜としてはパーフルオロスルホン酸系のイオン交換膜であるNafionを用いた。また、担持触媒にはPt粒子を用い、電子伝導性を持たせるためアセチレンブラックに担持させた。Pt担持量はアセチレンブラックに対し50重量%とした。このPt担持触媒と5重量%Nafion溶液を混合しスプレーブラシを用いて電解質膜に吹きつけ電極層を付着させた。電極層を付着させた膜は、乾燥機中にて90℃で1時間乾燥させた後、テフロン板で挟み、ホットプレス機により、130℃、20MPaで30分間プレスし、電解膜と電極を接合させた。
作製した電解質膜・電極接合体を用いて、図1に示す如く、メタノール包接化合物と水を供給するダイレクトメタノール型燃料電池システムを組み立てた。図1において、1は電解質膜、2は電極(アノード)、3は電極(カソード)、4は酸化剤流路、5は燃料吸収体である。この燃料吸収体5に接して、包接化合物槽6と水槽7を設けた。これらの槽6,7にはそれぞれ、加熱体6A,7Aが設けられており、各々槽内の収容物を加熱することができるように構成されている。
包接化合物槽6には実施例1で製造したメタノール包接化合物を入れ、加熱体6Aにより100℃に加熱してメタノールを包接化合物から放出させて燃料吸収体5に供給すると共に、水槽7内の水を加熱体7Aにより100℃に加熱して燃料吸収体5に供給した。燃料吸収体5への供給量はメタノール:水=20:80(重量比)でこの割合は20重量%のメタノール水溶液を供給することと同等である。
その結果、電流密度100mA/cmの時、0.48Vの起電力を達成することができ、また、包接化合物槽6内のメタノール包接化合物の色変化に基いてメタノールの残量を十分に把握することができる。
実施例4
実施例3と同様にして作製した電解質膜・電極接合体(MEA)を用いて、図2に示す如く、メタノール水溶液を供給するダイレクトメタノール型燃料電池システムを組み立てた。図2において、1は電解質膜、2は電極(アノード)、3は電極(カソード)である。なお酸化剤流路及び燃料吸収体は図示を省略した。6は包接化合物槽であり、加熱体6Aを備える。11は濃度調整槽、12はCO除去手段である。
包接化合物槽6には実施例1で製造したメタノール包接化合物を入れ、加熱体6Aにより100℃に加熱してメタノールを包接化合物から放出させて濃度調整槽11に供給し、20重量%のメタノール水溶液を調製して、電解質膜・電極接合体の燃料吸収体に送給した。
なお、濃度調整槽11には、アノード2で使用されメタノール濃度が低くなった回収水がCO除去手段12で処理した後循環される。また、カソード3で発生した水も濃度調整槽11に回収されてメタノール水溶液の調整に用いられる。
その結果、問題なく発電することができ、また包接化合物の色が徐々に濃赤色から黄色に変化することにより、メタノール残量の変化を確認することができた。
実施例5
実施例3と同様にして作製した電解質膜・電極接合体(MEA)を用いて、図3に示す如く、メタノール水溶液を供給するダイレクトメタノール型燃料電池システムを組み立てた。図3において、1は電解質膜、2は電極(アノード)、3は電極(カソード)である。なお酸化剤流路及び燃料吸収体は図示を省略した。6は包接化合物槽であり、7は水槽である。
包接化合物槽6には実施例1で製造したメタノール包接化合物を入れ、この包接化合物槽6に水槽7からの水を供給してメタノール包接化合物を水と接触させることにより、水中にメタノールを放出させ、20重量%のメタノール水溶液を調製して、電解質膜・電極接合体の燃料吸収体に送給した。
その結果、問題なく発電することができ、また包接化合物の色が徐々に濃赤色から黄色に変化することにより、メタノール残量の変化を確認することができた。
本発明は、固体高分子電解質型燃料電池、特に携帯用小型燃料電池として有望視されているダイレクトメタノール型燃料電池の燃料電池用燃料の残量の検知方法として有用であるが、何らこれに限定されず、様々な燃料電池に適用可能である。
実施例3で作製した燃料電池システムを示す概略的な断面図である。 実施例4で作製した燃料電池システムを示す概略的な構成図である。 実施例5で作製した燃料電池システムを示す概略的な構成図である。
1 電解質膜
2 電極(アノード)
3 電極(カソード)
4 酸化剤流路
5 燃料吸収体
6 包接化合物槽
6A,7A 加熱体
7 水槽
10 電解質膜・電極接合体
11 濃度調整槽
12 CO除去手段

Claims (10)

  1. 燃料電池用燃料物質と相手方化合物との分子化合物を含有する燃料電池用燃料組成物中の該燃料物質の存在量を検知する方法であって、
    該燃料物質の存在量の変化に伴う該分子化合物及び/又は相手方化合物の目視により検出可能な特性の変化に基づいて、該燃料物質の存在量を検知することを特徴とする燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法。
  2. 請求項1において、該相手方化合物が発色性の官能基を有することを特徴とする燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法。
  3. 請求項1又は2において、該燃料電池が、固体高分子電解質型燃料電池であることを特徴とする燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法。
  4. 請求項において、該燃料電池が、ダイレクトメタノール型燃料電池であることを特徴とする燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法。
  5. 請求項1ないしのいずれか1項において、該燃料電池が、携帯用小型燃料電池であることを特徴とする燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項において、該燃料物質が、水素、アルコール類、エーテル類、炭化水素類、及びアセタール類よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法。
  7. 請求項1ないしのいずれか1項において、該分子化合物が、該燃料物質とホスト化合物とから形成された包接化合物であることを特徴とする燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法。
  8. 請求項において、該ホスト化合物が多孔質物質に担持されていることを特徴とする燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法。
  9. 請求項又はにおいて、該ホスト化合物が有機化合物、無機化合物及び有機・無機複合化合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法。
  10. 請求項ないしのいずれか1項において、該ホスト化合物が単分子系、多分子系及び高分子系ホスト化合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする燃料電池用燃料組成物中の燃料物質の存在量検知方法。
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