JP4806740B2 - かつら及びその製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、人体の頭部に被着するキャップ状の内側ネットキャップの外側に毛髪取付キャップを一体に固定すると共に、その内側ネットキャップと毛髪取付キャップとの間に空洞部を形成し、毛髪取付キャップの外側に毛髪を取り付ける2枚のネットからなるかつらが開示されていて、空洞部により通気性が改善されることが記載されている。
本発明の別のかつらは、頭部に接する内側に配置した第1のベース部材及びその外側に配置した第2のベース部材で構成したかつらベースと、第2のベース部材に植設した毛髪とで構成され、第1のベース部材が、親水性物質及び抗菌剤を表面に付着させた合成繊維と合成繊維を被覆する樹脂薄膜とからなることを特徴とする。
上記構成において、好ましくは樹脂薄膜はμmオーダー厚みのウレタン樹脂でなる。かつらベースには、さらに、芳香剤を内包したメラミン樹脂からなるマイクロカプセルが付着され得る。好ましくは、親水性物質はセリシンでなり、抗菌剤が脱アセチル化キチンでなる。第1のベース部材と第2のベース部材との周縁部同士は、接着、縫着、樹脂塗布等にて接続されていることが好ましい。
また、好ましくは、第1のベース部材はオーガンジー生地でなり、生地の繊維の直径が27〜500μmで、メッシュ数が10〜420本/インチである。オーガンジー生地の少なくとも一面側に図柄をプリントしてもよい。上記オーガンジー生地にはセリシンと脱アセチル化キチンとが1:0.1〜10の割合で付着していることが好ましい。
また、好ましくは、オーガンジー生地には、芳香剤を内包した直径0.1〜20μmの球状のマイクロカプセルが、オーガンジー生地の単位面積(1平方インチ)当り10万から500億個付着している。このオーガンジー生地はポリエステル繊維からなっていてよい。
また、第1のベース部材には芳香剤を内包したマイクロカプセルを付着しているので、かつらの使用により徐々にマイクロカプセルが潰れることで芳香が持続するので、女性が香水を付けるのと同様の感覚でかつらの内側から長期間にわたって芳香が溢れ出し、高級感を呈する。
また、本発明のさらに別の態様では、頭部に接する第1のベース部材とその外側に配置した第2のベース部材とで構成したかつらベースと、かつらベースに植設した毛髪とでなるかつらの製造方法において、親水性物質及び抗菌剤を付着させた合成繊維生地を頭部形状の雄型に固定し、生地に熱硬化性樹脂溶液を塗布して乾燥することにより、頭部形状の第1のベース部材を成形する工程と、人工皮膚材にて又は雄型にネット材を固定して熱硬化性樹脂溶液を塗布して乾燥することにより、頭部形状の第2のベース部材を成形する工程と、上記第1のベース部材上に上記第2のベース部材を重合し、重合した周縁部を接着、縫着、樹脂塗布等にて接続することでかつらベースを作製する工程と、第2のベース部材に毛髪を植設する工程と、を含むことを特徴とする。
第1のベース部材の成形工程において、さらに、芳香剤を内包したマイクロカプセルを合成繊維生地に付着させることが好ましい。
上記構成において、好ましくは、第1のベース部材の成形工程において、親水性物質としてセリシンと、抗菌剤として脱アセチル化キチンと、無機酸又は有機酸と、水とを含む処理溶液に合成繊維生地を浸漬後、乾燥及び加熱処理して、セリシン及び脱アセチル化キチンを生地に付着させる工程と、さらに、芳香剤を内包したマイクロカプセルとバインダーと水とを含む処理液に浸漬後、乾燥及び加熱処理して、芳香剤を内包したマイクロカプセルを上記生地に付着させる工程と、を含む。
しかも、熱硬化性樹脂溶液が乾燥した後の樹脂薄膜を、親水性物質及び抗菌剤及びマイクロカプセルの保護膜とすることができる。そして、この樹脂薄膜の厚さを頭皮側からの水分が浸透するように、μmオーダーとすることにより、第1のベース部材に付着させた親水性物質による吸湿効果と、抗菌剤による抗菌防臭効果とを十分に発揮できる。
また、第1のベース部材には芳香剤を内包したマイクロカプセルを付着して場合には、かつらの使用により徐々にマイクロカプセルが潰れることで芳香が持続するので、女性が香水を付けるのと同様の感覚でかつらの内側から芳香が溢れ出し、高級感を呈する。
よって、本発明によれば、爽快感や清涼感などの快適な装着感を呈し得るかつらを提供することが可能になる。
最初に、本発明のかつらについて、図1〜図4を参照して説明する。図1は本発明のかつら10の構成を模式的に示す部分拡大断面図であり、図2はかつらベース13の毛髪側から見た模式的な平面図である。
先ず、かつらベース13は、本実施例では、図に示すように、頭部に接する側に取り付けられる第1のベース部材11と、この第1のベース部材11の表側(図の上側)、すなわち、外側に取り付けられる第2のベース部材12と、第2のベース部材12の表面側に延びるように取り付けられた毛髪14と、で構成されている。
なお、図4に示す第1のベース部材11に用いる合成繊維の断面形状は、円形の場合を示しているが、円形に限らず、任意の形状でよい。
第1のベース部材11となるオーガンジー生地15には、繊維の直径が27〜500μm、より好ましくは40〜120μmであり、メッシュ数が10〜420本/インチ(ここで、1インチ=2.54cm)、より好ましくは、80〜200本/インチのオーガンジー生地を使用することができる。
この繊維の直径が500μm以上で、メッシュ数が10本/インチ未満であると、透明感が高いばかりか、生地の厚みが厚くなってしまうのでかつら10全体の厚みが厚くなってしまい好ましくない。逆に、繊維の直径が27μm以下で、メッシュ数が、420本/インチを越えると、透明感がなくなってかつら10と自毛との境目が目立ってしまい、かつら装着時の自然さが減少するので好ましくない。
上記のオーガンジー生地15は極薄で、且つハリがあるので、形態安定性が高く、単に毛髪が植設された通常のかつらを装着する時と差がなくフィット感・安定感が得られる。また、オーガンジー生地15は、擬麻加工が施されており、しゃり感があり、ドライな触感であるために長時間の装着でもベタつくことがなく、快適な装着感が得られる。
ここで、第1のベース部材11には、セリシン及び脱アセチル化キチン16とを、1:0.1〜10の割合で付着させることが望ましい。脱アセチル化キチンが0.1以下になれば抗菌作用が低下するので、好ましくない。逆に、10以上では、抗菌作用の効果が十分にあるのでこれ以上の添加は不要である。
この芳香剤を内包したマイクロカプセル17の直径は0.1〜20μmとすればよい。直径が0.1μm以下では、マイクロカプセルに内包する芳香剤の量が少なすぎて芳香が十分に得られず、逆に、直径20μm以上では、第1のベース部材11に付着させたときにマイクロカプセルによるザラツキ感が生じるので好ましくない。
また、マイクロカプセル17の第1のベース部材11への付着量は、単位面積(1平方インチ)当り10万から500億個付着していることが好ましい。単位面積当り10万以下では、長期間の使用するには数が少なすぎるので好ましくない。逆に500億個以上では、芳香効果が強すぎて好ましくない。
このため、かつら10の使用により徐々にマイクロカプセル17が潰れることで芳香が持続するので、女性が香水を付けるのと同様の感覚でかつらの内側から芳香が溢れ出し、高級感を呈する。したがって、従来のかつらのように、汗、皮脂、頭部自毛に付けた整髪料などにより発生する臭気に対して、消臭スプレーなどを噴霧する必要がなくなる。
さらに、親水性物質及び抗菌剤16を天然由来の材料とすれば、第1のベース部材11を合成繊維とした場合には、それによるアレルギーの防止効果が最大限に発揮される。また、親水性物質を天然由来のタンパク質であるセリシンとすれば、頭部にも優しく、安全性が高い。
網目をもったネット部材の材料としては、ナイロンあるいはポリエステルのモノフィラメントにて、所定間隔をあけて織成又は編成したものが使用できる。このネット部材12のメッシュ、すなわち網目は、例えば30〜60メッシュ本/インチとし、ネット部材12を構成するフィラメントの太さ(直径)は、例えば80〜120μm(0.08〜0.12mm)とすることができる。
また、第2のベース部材12がネット状の場合、装着時または繰り返しの使用で、かつら10に植設した毛髪14がネット目に入り込んでかつら裏面に毛髪14が出てくる現象、所謂毛戻りが発生し易いが、二重構造にすることで毛戻りを防止することができる。
また、第1のベース部材11には芳香剤を内包したマイクロカプセル17を付着している場合には、かつら10の使用により徐々にマイクロカプセル17が潰れることで芳香が持続するので、女性が香水を付けるのと同様の感覚でかつら10の内側から芳香が長期間にわたって溢れ出し、高級感を呈する。
本発明のかつら10は、以下のようにして製造することができる。
最初に、頭部に接する第1のベース部材11を、親水性物質及び抗菌剤16を付着させた合成繊維15に熱硬化性樹脂溶液を塗布し頭部形状に保持して乾燥することにより成形する。
次に、第1のベース部材11と同様の頭部形状に保持して人工皮膚材又はネット材の第2のベース部材12を成形する。
次に、第1のベース部材11に第2のベース部材12を重合して、第2のベース部材12に毛髪14を植設することで製造することができる。
なお、第1の工程と第2の工程とは順序を置換してよいことは明らかであり、また、予め第2のベース部材に毛髪を植設しているものを第3の工程に従って作業するようにしてもよいことは勿論である。
最初に、必要に応じてオーガンジー生地の少なくとも一面側に所定の図柄をプリントする。この図柄は、かつら10のファッション性を考慮して、草花などの適宜なデザインとすればよい。
次に、オーガンジー生地15を、親水性物質及び抗菌剤16と、無機酸又は有機酸及び水を含む処理溶液に浸漬した後に乾燥及び加熱処理して、オーガンジー生地15に親水性物質及び抗菌剤16を付着させる。この浸漬工程は、パッドドライや噴霧による方法でもよい。
次に、芳香成分を包み込んだマイクロカプセル17と、バインダー及び水と、を含んだ処理液に浸漬し、乾燥及び加熱処理して、親水性物質及び抗菌剤16を付着したオーガンジー生地15にマイクロカプセル17をその繊維表面に付着させる。この工程により、芳香成分を内包するマイクロカプセル17を、オーガンジー生地15の両面に付着させることができる。ここで、親水性物質及び抗菌剤16としては、それぞれ、セリシン、脱アセチル化キチンを好適に使用することができる。
上記工程により、オーガンジー生地15に親水性物質及び抗菌剤16と、芳香成分を内包したマイクロカプセル17を付着させることができる。
最初に、ポリエステル100%からなる織物(織組織:オーガンジー、繊維の直径:50μm、生地密度:100メッシュ本/インチ、目付:25g/m2 )に、セリシン及び脱アセチル化キチン16を付着した。
最初に、セリシンとして、生糸からなる絹織物を50倍量の0.2重量%炭酸ナトリウム水溶液中、95℃で2時間処理し、加水分解セリシンを抽出した。得られた抽出液(加水分解セリシン濃度約1重量%)を、分画分子量10万のポリスルホン系限外濾過膜を用いて脱塩、濃縮精製し、分子量10万以上の加水分解セリシンを除去した。
次いで、分画分子量2万のポリスルホン系限外濾過膜を用いて漉縮精製し、加水分解セリシンの濃度5重量%の水溶液を得た。加水分解セリシンの平均分子量は4万(分子量分布5千〜5万)、セリシン含有量は33モル%であった。
セリシン及び脱アセチル化キチン16を付与するに当たっては、通常のバディング法を採用した。すなわち、加水分解セリシン水溶液(濃度5重量%)を10重量%、脱アセチル化キチン(固形分100重量%)を0.5重量%、乳酸(濃度90重量%)を0.5重量%、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(固形分100重量%)を0.01重量%、水88.99重量%からなる処理液(表1参照)に浸漬し、マングルにより絞り率96%に調整した後、150℃で1分30秒乾燥した。
具体的には、付与したい芳香がバラの場合、芳香剤(固形分23重量%、三木理研工業(株)製リケンレジンRMC−RM)を1重量%、バインダー(固形分30重量%、三木理研工業(株)製リケンゾールA−605)を0.5重量%、水98.5重量%からなる処理液に浸漬し、それぞれマングルにより絞り率96%に調整した後、150℃で1分30秒乾燥し、本発明で使用するポリエステル織物を得た(表2参照)。
次に、有機溶剤であるメチルエチルケトンで希釈した濃度が約6%の熱硬化性ウレタン溶液を、オーガンジー生地を固定した頭部雄型の上に塗布した。
そして、熱硬化性ウレタン溶液を塗布した頭部雄型を120℃の乾燥機に入れて8時間熱処理を行った。
最後に、熱処理の終了した頭部雄型を乾燥機から取り出し、オーガンジー生地15を頭部雄型から外し、第1のベース部材11を作製した。この熱硬化性ウレタン溶液の乾燥後に形成されるオーガンジー生地15を被覆するウレタン樹脂薄膜18の膜厚さは、平均で1.2μmであった。
これにより、セリシン及び脱アセチル化キチン16が付着し、さらに、マイクロカプセル17が付着したオーガンジー生地15を、ウレタン樹脂薄膜18により被覆することができた。
(比較例1)
7.5cm×7.5cm角サイズの未加工のオーガンジー生地5枚を比較例1とした。
セリシン及び脱アセチル化キチン16と、芳香剤を内包したマイクロカプセル17を付着した加工済みのオーガンジー生地15を、比較例1と同じ寸法、同じ枚数作製し、比較例2とした。
図5は、実施例のかつらの第1のベース部材11の電子顕微鏡像を示す図である。電子の加速電圧は15kVで、倍率は120倍である。
このかつら10の第1のベース部材11は、製作後に洗濯を25回行なったものである。後述するが、洗濯25回後でも、オーガンジー生地15に付着したセリシン及び脱アセチル化キチン16と、マイクロカプセル17とが脱落したりせずに樹脂薄膜18で被覆されていることが分かった。
図から明らかなように、オーガンジー生地15にはセリシン及び脱アセチル化キチン16が付着し、さらに、マイクロカプセル17が付着し、樹脂薄膜18で被覆されている。樹脂薄膜18の膜厚さは平均で1.2μmであった。
吸湿性は、試験片を105℃の乾燥機に2時間入れた後、湿度0%のデシケー夕ーに移し、試験片の重量を測定し、平衡になった重量を絶乾重量(W)とした。
次に、試験片を温度22℃、湿度60%の恒温恒湿槽に入れて、試験片の重量を測定し、平衡になった重量を湿度60%での重量(W1)とした。この絶乾重量及び湿度60%での重量からオーガンジー生地15の吸湿率を、下式(1)で求めた。
吸湿率=(Wl−W/W)×100 (1)
同様にして、温度22℃、湿度80%の吸湿率を算出した。
温度22℃、湿度60%における実施例、比較例1及び2の吸湿率は、それぞれ、0.06%,0.30%,0.23%であった。
実施例においては、0.23%の吸湿性が付与されていることが分かった。実施例及び比較例1は、何れもオーガンジー生地15の材質はポリエステルである。比較例1の吸水率はほぼゼロであり吸湿効果はないことが分かった。
一方、実施例においては、大幅な吸湿率の増加が見られた。また、樹脂薄膜18を被覆していない比較例2と比較すると、吸湿率は約80%を維持している。これは、樹脂薄膜18を被覆してもその厚さが1μm程度と薄いので、セリシンの吸湿性が阻害されないためである。さらに、湿度80%での吸湿率が、湿度60%と差が殆ど見られないのは、ある一定量の吸湿量以上になると、吸湿した水分を放湿していることが推察できる。
図9は、実施例及び比較例2の抗菌測定後のオーガンジー生地15表面の光学写真像を示す図であり、(A)は実施例、(B)が比較例2である。図における模様は、オーガンジー生地15にプリントされた図柄であり、カビの発生によるものではない。
図から明らかなように、実施例においては、第1のベース部材11とするためにオーガンジー生地15に樹脂加工を施しても抗菌性が失われないことが判明した。
実施例のかつら10の場合は、第1のベース部材11には、親水性物質及び抗菌剤16を付着させているので、親水性物質による吸湿効果と、抗菌剤による抗菌効果とが得られた。吸湿効果及びそれに伴う放湿効果により、かつら装着時にかいた汗は、第1のベース部材11で吸収、放湿され、かつら10及び頭部がベトつくことなくドライ感が得られた。さらに、かつら装着者の汗や皮脂の付着による第1のベース部材11の変退色も見られなかった。
また、抗菌剤による抗菌防臭の効果により、かつら10の装着時あるいはかつら10自体に不快臭が漂うことがなく、かつら10使用後の簡単なシャンプーで十分に清潔な状態を保つことができた。また、かつら10の使用により徐々にマイクロカプセル17が潰れることで芳香が持続するので、装着者の満足度が高いことが判明した。
例えば、かつらベースは、上記実施態様では第1のベース部材と第2のベース部材との二重に組み合わせたもので説明したが、例えばオーガンジー生地のような合成繊維一枚で構成してもよいことは明らかである。
11:第1のベース部材
12:第2のベース部材
13:かつらベース
14:毛髪
15:合成繊維(オーガンジー生地)
16:親水性物質及び抗菌剤
17:マイクロカプセル
18:樹脂薄膜
Claims (16)
- かつらベースと該かつらベースに植設した毛髪とでなるかつらであって、
上記かつらベースの少なくとも頭部に接する側に、親水性物質及び抗菌剤が付着され、該かつらベースの少なくとも頭部に接する側に該親水性物質及び抗菌剤を被覆する樹脂薄膜が形成されてなることを特徴とする、かつら。 - 頭部に接する内側に配置した第1のベース部材及びその外側に配置した第2のベース部材で構成したかつらベースと、該第2のベース部材に植設した毛髪とでなるかつらであって、
上記第1のベース部材が、親水性物質及び抗菌剤を表面に付着させた合成繊維と該合成繊維を被覆する樹脂薄膜とからなることを特徴とする、かつら。 - 前記樹脂薄膜の厚さがμmオーダーのウレタン樹脂でなることを特徴とする、請求項1又は2に記載のかつら。
- 前記かつらベースには、さらに、芳香剤を内包したマイクロカプセルが付着されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のかつら。
- 前記マイクロカプセルはメラミン樹脂からなることを特徴とする、請求項4に記載のかつら。
- 前記親水性物質がセリシンでなり、抗菌剤が脱アセチル化キチンでなることを特徴とする、請求項1又は2に記載のかつら。
- 前記第1のベース部材と前記第2のベース部材との周縁部同士が、接着、縫着、樹脂塗布等にて接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のかつら。
- 請求項1記載のかつらベース又は請求項2記載の第1のベース部材が、オーガンジー生地でなり、該生地の繊維の直径が27〜500μmで、メッシュ数が10〜420本/インチであることを特徴とする、かつら。
- 前記オーガンジー生地の少なくとも一面側に、図柄がプリントされていることを特徴とする、請求項8に記載のかつら。
- 前記オーガンジー生地に、セリシンと脱アセチル化キチンとが1:0.1〜10の割合で付着していることを特徴とする、請求項8に記載のかつら。
- 前記オーガンジー生地には、芳香剤を内包した直径0.1〜20μmの球状のマイクロカプセルが、該オーガンジー生地の単位面積(1平方インチ)当り10万から500億個付着していることを特徴とする、請求項8に記載のかつら。
- 前記オーガンジー生地はポリエステル繊維からなることを特徴とする、請求項8に記載のかつら。
- 頭部に接する第1のベース部材とその外側に配置した第2のベース部材とで構成したかつらベースと、該かつらベースに植設した毛髪とでなるかつらの製造方法において、
親水性物質及び抗菌剤を付着させた合成繊維に熱硬化性樹脂溶液を塗布し頭部形状に保持して乾燥することにより、第1のベース部材を成形し、
上記第1のベース部材と同様の頭部形状に保持して人工皮膚材又はネット材の第2のベース部材を成形し、
上記第1のベース部材に上記第2のベース部材を重合して、上記第2のベース部材に毛髪を植設することを特徴とする、かつらの製造方法。 - 頭部に接する第1のベース部材とその外側に配置した第2のベース部材とで構成したかつらベースと、該かつらベースに植設した毛髪とでなるかつらの製造方法において、
親水性物質及び抗菌剤を付着させた合成繊維生地を頭部形状の雄型に固定し、該生地に熱硬化性樹脂溶液を塗布して乾燥することにより、頭部形状の上記第1のベース部材を成形する工程と、
人工皮膚材にて又は上記雄型にネット材を固定して熱硬化性樹脂溶液を塗布した後に乾燥することにより、頭部形状の第2のベース部材を成形する工程と、
上記第1のベース部材上に上記第2のベース部材を重合し、該重合した周縁部を接着、縫着、樹脂塗布等にて接続することでかつらベースを作製する工程と、
上記第2のベース部材に毛髪を植設する工程と、を含むことを特徴とするかつらの製造方法。 - 前記第1のベース部材の成形工程において、さらに、芳香剤を内包したマイクロカプセルを前記合成繊維生地に付着させることを特徴とする、請求項14に記載のかつらの製造方法。
- 前記第1のベース部材の成形工程において、前記親水性物質としてセリシンと、抗菌剤として脱アセチル化キチンと、無機酸又は有機酸と、水とを含む処理溶液に合成繊維生地を浸漬後、乾燥及び加熱処理して、上記セリシン及び脱アセチル化キチンを上記生地に付着させる工程と、さらに、芳香剤を内包したマイクロカプセルとバインダーと水とを含む処理液に浸漬後、乾燥及び加熱処理して、上記芳香剤を内包したマイクロカプセルを上記生地に付着させる工程と、を含むことを特徴とする、請求項14又は15に記載のかつらの製造方法。
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