JP4806358B2 - 免疫反応測定用担体、並びに免疫反応測定用装置及び免疫反応測定方法 - Google Patents

免疫反応測定用担体、並びに免疫反応測定用装置及び免疫反応測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、抗体量の測定に用いられる免疫反応測定用担体、並びに該免疫反応測定用担体を備えた免疫反応測定用装置、及び前記免疫反応測定用担体を用いた免疫反応測定方法に関する。
PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、安定性や絶縁性の高さから、変圧器及びコンデンサー等の電気絶縁材、並びに熱媒体などとして広く使用されてきたが、人体や環境への有害性が確認されたことから製造や使用が禁止された。PCBは、難分解性で環境中に残留し、食物連鎖を通じて生物に蓄積され、人の健康や生態系に影響を及ぼす性質を有する残留性有機汚染物質の代表的な化学物質として規制されており、PCBを含む廃棄物は、適正に処理されるまで、生活環境の保全上支障のないように保管することが義務づけられている。
しかし、適正処理が行われずに保管されていたPCB廃棄物は、保管の長期化により、紛失や漏洩の発生が問題視され、平成13年に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(PCB特措法)が施行された。このPCB特措法により、15年以内に全てのPCB廃棄物の適正処理が義務付けられた。
例えば、絶縁油の場合、保管されている絶縁油以外にも、過去においてPCBを絶縁油として使用していた変圧器において置換された代替絶縁油も、前記変圧器内に微量に残留したPCBに汚染されていることが知られており、このような変圧器中代替絶縁油も含め、無数の電気機器に使用されている絶縁油を検査し、迅速に処理の必要性の有無を明確にする必要がある。また、処理を行ったPCB廃棄物に対し、処理後のPCB残留濃度、環境中のPCB濃度を検査することも極めて重要である。
従来、PCB等の環境汚染物質の分析方法としては、例えば、公定法として、高分解能ガスクロマトグラフ−高分解能質量分析(HRGC−HRMS)や、電子捕獲型検出器付きガスクロマトグラフ法(GC−ECD法)が用いられている(非特許文献1参照)。これらの方法は分解能が高く、また定量下限も低いが、分析に要する時間が長く、分析の妨害となる夾雑成分を除去する試料の操作が煩雑であり、コスト負担が大きいという問題がある。このため、簡便かつ迅速な分析方法で、測定現場で簡易に測定可能な方法が求められていた。
これに対し、簡便かつ迅速な分析方法として、抗原抗体反応を利用した免疫学的測定法(イムノアッセイ)が提案されている。イムノアッセイのうち、最も一般的な測定方法は、酵素免疫測定法(ELISA)である。前記ELISA法としては、ラジオイムノアッセイ(RIA)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、エンザイムイムノアッセイ(EIA、ELISA)等が知られている。
しかしながら、前記ELISA法では、被検物質の検出に特殊な機器を必要としたり、試料の前処理や測定に長時間を要したりする等の問題点がある。このため、操作が簡単なイムノクロマト法が提案されている。
しかし、前記ELISA法、及びイムノクロマト法においては、検出に根本的な問題がある。両法において、最も高感度な検出感度を得るには、被検物質を担体上で2分子の抗体で挟み込む、いわゆる一般に知られるサンドイッチ法を用いるが、被検物質が、前記PCB類のように低分子化合物である場合は、サンドイッチ法が成立しない。これは、被検物質である抗原が低分子であるため、生体高分子である抗体が被検物質に結合すると、抗体の結合部位に被検物質が埋もれてしまい、他の抗体が結合することができなくなるためである。
このため、通常ELISA法、及びイムノクロマト法を代表とするイムノアッセイの殆どの場合が、サンドイッチ法ではなく、競合法を採用している。
競合法は、前記被検物質を検出する際に、被検物質である前記低分子化合物と、前記低分子化合物又は前記低分子化合物に対する類似化合物とを、抗体に対する結合において競合させる方法である。しかし、この競合法は、抗体に対して試料中の被検物質と被検物質の類似化合物が競合的に結合する結果、本来の抗体の有する結合能力までの検出感度が得られにくいという原理的な短所がある。
前記ELISA法以外の方法としては、フロースルー免疫測定法が知られている。
前記フロースルー免疫測定法としては、例えば、被検物質を含む試料中に、前記被検物質に対する抗体を反応させ、前記試料中において前記被検物質を結合していないフリーの前記抗体を検出することにより、前記試料中の被検物質の検出を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、被測定物を捕捉するための捕捉試薬(例えば、被測定物が抗体の場合、該抗体が特異的に認識する抗原又は擬似抗原であり、被測定物が抗原の場合、該抗原を特異的に認識する抗体)を固定化した担体上に、前記被測定物を含む試料を供給し、前記試料が前記担体を通過する際に、前記捕捉試薬に捕捉された前記被測定物を任意の方法で検出する方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
しかしながら、前記フロースルー免疫測定法においても、前記ELISA法と同様に、試料液中の被測定物あるいは捕捉試薬の間に競合的な結合が起きるため、本来の抗体の有する結合能力までの検出感度は得られていない。
前記フロースルー免疫測定法では、前記担体と前記試料の接触時間を極めて短くすることにより、前記担体上に固定した被測定物あるいは捕捉試薬(例えば、被測定物が抗体の場合、該抗体が特異的に認識する抗原又は擬似抗原であり、被測定物が抗原の場合、該抗原を特異的に認識する抗体)と、前記試料液中の被測定物あるいは捕捉試薬の間に競合的な結合が起きにくくなり、その結果良好な検出感度が得られると考えられる。
上記の方法においては、担体と試料とは瞬時にしか接触しないため、検出の感度や定量性を確保するためには、限られた時間に多くの被測定物あるいは捕捉試薬を捕捉可能な担体が必要となる。このため、高密度に前記被測定物あるいは捕捉試薬を固定化した前記担体が求められる。均一かつ高密度に効率よく前記被測定物あるいは捕捉試薬が固定化され、被測定物を高感度に検出可能であり、低コストで効率よく調製可能な免疫反応測定用担体が必要となるが、このような担体はその重要性が認識されていないことから、未だ開発されておらず、現存していないのが実情である。
一方、担体に対し、被測定物又は捕捉試薬の固定方法の改良が提案されているが、根本的には固定方法の改良には限界があり、固定という操作が行われる限り固定する被測定物あるいは捕捉試薬の費用や固定そのものの費用や時間がかかるという問題がある。これは、イムノアッセイ共通の問題である。
特開2004−138550号公報 特開2005−214670号公報 「絶縁油中のポリ塩素化ビフェニル(PCB)の分析方法規定」(電気技術基準調査委員会編集、社団法人日本電気協会発行、平成3年9月30日発行)
本発明は従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、均一かつ高密度に抗体を捕捉し、被測定物を高感度に検出可能であり、低コストで効率よく調製可能な免疫反応測定用担体、並びに該免疫反応測定用担体を備えた免疫反応測定用装置、及び前記免疫反応測定用担体を用いた免疫反応測定方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、低分子量物質に対する抗体であって、該低分子量物質と、リンカーと、免疫原性を有する高分子量物質とからなる抗体調製用化合物を用いて作製された抗体は、担体に擬似抗原を固定する処理を行わない場合でも、前記リンカーの一部の構造、及びそのアナログのいずれかを分子中に有する担体には捕捉されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 被検物質Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるX−Y−Zで表される複合体を用いて作製された前記被検物質Xに対する抗体X´を捕捉するために用いられ、
前記リンカーYが有する少なくとも一部の構造、及びそのアナログのいずれかを分子中に有することを特徴とする免疫反応測定用担体である。
<2> 被検物質Xに対する抗体X´が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、及びこれらの混合物のいずれかである前記<1>に記載の免疫反応測定用担体である。
<3> リンカーYが、下記構造式(I)及び(II)のいずれかで表される構造を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の免疫反応測定用担体である。
ただし、前記構造式(I)及び(II)中、nは、1〜20の整数を表す。
<4> セルロース、フミン酸、ニトロセルロース、リグニンスルホン酸、アルキルベンゼン、及びアルキルフェノール、並びにこれらの誘導体の少なくともいずれかからなる前記<3>に記載の免疫反応測定用担体である。
<5> 繊維体からなる前記<1>から<4>のいずれかに記載の免疫反応測定用担体である。
<6> n種(ただし、nは2以上の自然数)の被検物質X〜Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるn種の複合体を用いて作製された前記被検物質X〜Xに対するn種の抗体を捕捉する前記<1>から<5>のいずれかに記載の免疫反応測定用担体である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載の免疫反応測定用担体を備えることを特徴とする免疫反応測定用装置である。
<8> 免疫反応測定用担体を収容し、光が通過可能な貫通孔が形成されてなる測定用セルと、
前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体に光を照射する発光部と、
前記発光部から前記免疫反応測定用担体に照射された光のうち、前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体を透過する透過光を受光し、受光した前記透過光の光量を測定する受光部と、
を備えた透過光量測定装置を備える前記<7>に記載の免疫反応測定用装置である。
<9> 透過光量測定手段が、発光部と受光部との間に設けられて照射光の照射方向に貫通するとともに、内面が免疫反応測定用担体によって反射された光を反射するように構成されている反射筒を備える前記<8>に記載の免疫反応測定用装置である。
<10> 受光部で測定された透過光の光量について、基準となる光量から相対吸光度を計算する相対吸光度計算部を備える前記<8>から<9>のいずれかに記載の免疫反応測定用装置である。
<11> 被検物質Xに対する抗体X´を添加した被検試料を、前記<1>から<6>のいずれかに記載の免疫反応測定用担体に供給し、
前記被検試料中において前記被検物質Xと結合していない前記抗体X´を、前記免疫反応測定用担体上に捕捉し、
前記抗体X´の捕捉量を測定し、該捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求めることを特徴とする免疫反応測定方法である。
<12> 被検物質Xを含む被検試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量と、被検物質Xを含まない基準試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量とから相対抗体捕捉量を計算し、該相対抗体捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求める前記<11>に記載の免疫反応測定方法である。
<13> 被検物質Xに対する抗体X´が標識物質を有し、該標識物質に由来する発色を測定する前記<11>から<12>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。ここで、「発色を測定する」とは、前記標識物質が発する色を検出することを含み、前記標識物質の変色や呈色等の色彩の変化を検出する態様も含むものとする。
<14> 免疫反応測定用担体上に捕捉された抗体X´を、標識物質を有する二次抗体と反応させる前記<11>から<13>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
<15>免疫反応測定用担体における抗体の捕捉量が、光学的に検知可能である前記<11>から<14>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
<16> 標識物質が、酵素、放射性同位元素、蛍光物質、及び着色微粒子のいずれかである前記<11>から<15>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
<17> 標識物質が、金コロイドである前記<12>から<16>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
<18> 被検物質が、PCB、ダイオキシン、ホルモン、ビタミン類、農薬、及び重金属のいずれかである前記<11>から<17>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
<19> 前記<7>から<10>のいずれかに記載の免疫反応測定用装置を用いる前記<11>から<18>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
<20> 測定用セルに収容された免疫反応測定用担体に光を照射し、照射された光のうち、前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体を透過した透過光を受光し、受光光量を測定する前記<19>に記載の免疫反応測定方法である。
<21> 免疫反応測定用担体に単色光を照射し、被検物質Xを含む被検試料を供給した前記免疫反応測定用担体の透過光と、被検物質Xを含まない基準試料を供給した前記免疫反応測定用担体の透過光とから相対吸光度を計算する前記<19>から<20>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
本発明によると、均一かつ高密度に抗体を捕捉し、被測定物を高感度に検出可能であり、低コストで効率よく調製可能な免疫反応測定用担体、並びに該免疫反応測定用担体を備えた免疫反応測定用装置、及び前記免疫反応測定用担体を用いた免疫反応測定方法を提供することができる。
(免疫反応測定用担体)
本発明の免疫反応測定用担体は、被検物質Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるX−Y−Zで表される複合体(以下、「抗体調製用化合物」ということがある)を用いて作製された前記被検物質Xに対する抗体X´を捕捉するために用いられ、前記リンカーYが有する少なくとも一部の構造、及びそのアナログのいずれかを分子中に有する。
<抗体調製用化合物>
前記抗体調製用化合物は、前記被検物質Xに対する抗体X´を作製するために使用される複合体であり、該抗体調製用化合物により作製される抗体X´は、前記被検物質Xに対するモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、及びこれらの混合物のいずれかであることが好ましい。
前記被検物質Xとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、環境汚染物質等の低分子量の有害物質であってもよく、ビタミン様物質等の低分子量の有用物質であってもよく、具体的には、PCB類、ダイオキシン、天然あるいは環境ホルモン、農薬、重金属(キレート複合体)等が挙げられる。
前記高分子物質Zとしては、免疫応答を誘導可能な限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、多糖類、タンパク質、核酸、生物あるいは環境由来の微粒子等が好ましく、これらの中でもタンパク質がより好ましい。
前記タンパク質としては、例えば、スカシガイ由来ヘモシアニン(KLH)、卵白アルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン、ウシガンマグロブリン等が挙げられる。
前記リンカーYとしては、前記被検物質Xと前記高分子物質Zとを連結可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記高分子物質Zと共有結合を形成しうる反応性の官能基を少なくとも1種含有し、かつ、1〜20個の炭素分子鎖を有する化合物が好ましく、例えば、下記構造式(I)〜(III)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
これらの中でも下記構造式(I)及び(II)で表される構造を有する化合物が好ましく、前記免疫反応測定用担体もその構造中に下記構造式(I)及び(II)で表される構造の少なくとも一部、及びそのアナログのいずれかを有することが好ましい。
ただし、前記構造式(I)中、nは、1〜20の整数を表す。
ただし、前記構造式(II)中、nは、1〜20の整数を表す。
なお、前記構造式(I)及び(II)で表される構造のアナログとしては、例えば、
・O(CHONH(ただし、Lは、1以上の整数を表す。)
・OCO(CHONH(ただし、Lは、1以上の整数を表す。)
・CH(CHCH(CHCH(ただし、n及びmは、それぞれn+m≧2を満たす整数を表す。)
等が挙げられる。
前記抗体調製用化合物の調製方法としては、特に制限はなく、公知の合成方法により調製することができ、例えば、前記リンカーYと前記被検物質Xとからなる化合物(以下、「ハプテン化合物」という)を合成し、これを、前記高分子物質Zを含む溶液中に添加し、前記リンカーYの反応性の官能基反応基を前記高分子物質Zに結合させることにより調製する方法が挙げられる。
得られた前記抗体調製用化合物は、必要に応じて反応液を免疫源として使用するのに好適な中性溶液に置換し、ろ過や透析等の公知の方法により精製することが好ましい。
また、前記抗体調製用化合物が、n種(ただし、nは2以上の自然数)の被検物質X〜Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合する前記リンカーYと、からなるn種の複合体である場合、該n種の抗体調製用化合物を用いて作製された前記被検物質X〜Xに対するn種の抗体X´〜X´は、前記リンカーYが同じ化合物である限り、前記リンカーYが有する構造の少なくとも一部をその構造中に有する前記免疫反応測定用担体に捕捉されうる。
前記n種の被検物質X〜Xとしては、例えば、n種のPCB類の異性体等が挙げられ、該n種の抗体調製用化合物としては、下記構造式で表される複合体が挙げられる。
<免疫反応測定用担体>
本発明の免疫反応測定用担体は、抗原物質(擬似抗原)として前記被検物質X及びその類似体のいずれも添加されておらず、前記被検物質X及びその類似体のいずれも固定する処理が行われていない。
前記免疫反応測定用担体としては、前記リンカーYが有する少なくとも一部の構造、及びそのアナログのいずれかを分子中に有する限り、特に制限はなく、例えば、前記構造式(I)及び(II)で表される構造の少なくとも一部の構造及びそのアナログのいずれかを有する化合物としては、例えば、下記構造式(A)及び(B)で表される多糖類(例えば、セルロース、ニトロセルロース)、下記構造式(C)〜(E)で表されるベンゼン骨格を有する化合物(例えば、アルキルベンゼン、アルキルフェノール等)、リグニン、リグニンスルホン酸、及びフミン酸、並びにこれらの誘導体が挙げられる。
ただし、前記構造式(A)中、Mは、O(CHONHを表し、Lは、1以上の整数を表す。
ただし、前記構造式(B)中、Nは、OCO(CHONHを表し、Lは、1以上の整数を表す。
ただし、前記構造式(C)中、Mは、O(CHONHを表し、Lは、1以上の整数を表し、Qは、OH及びSONaのいずれかを表す。
ただし、前記構造式(D)中、Nは、OCO(CHONHを表し、Lは、1以上の整数を表し、Qは、OH及びSONaのいずれかを表す。
ただし、前記構造式(E)中、Rは、CH(CHCH(CHCHを表し、n及びmは、それぞれn+m≧2を満たす整数を表し、Qは、OH及びSONaのいずれかを表す。
また、前記構造式(III)で表される構造の少なくとも一部の構造及びそのアナログのいずれかを有する化合物としては、例えば、ポリベンゼン、ポリベンゼンビニル、アミノベンゼンスルホン酸塩リグニン、ポリフェノール等が挙げられる。
前記リンカーYが有する少なくとも一部の構造及びそのアナログのいずれかが存在しない分子に、該リンカーYが有する少なくとも一部の構造及びそのアナログのいずれかを適宜付加してもよく、該付加は、該リンカーYが有する少なくとも一部の構造、及びそのアナログのいずれかである化合物、蛋白質、核酸、ポリマー、及びこれらの複合体のいずれかを、物理的(原子間力、疎水)、電気的、化学的(水素結合、配位結合、共有結合)による公知の方法により行うことができる。
前記免疫反応測定用担体としては、試料との均一な接触が可能であれば、形状や材質に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、繊維体からなるものが好ましく、多数の繊維を高密度に有するものがより好ましい。このような繊維体としては、例えば、ろ紙、吸湿紙、織物、編物、不織布等が挙げられる。
前記免疫反応測定用担体は、前記繊維を所望の形状に成形して調製してもよく、シート状の繊維体を所望のサイズ及び形状に公知の方法で裁断や打抜することにより調製してもよい。
また、前記免疫反応測定用担体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、薄膜状、ディスク状、微粒子状、針状、平板状などの形状が好ましい。
さらに、前記免疫反応測定用担体の通気性としては、ポンプや遠心等の物理的な手段、及び電気泳動等の電気化学的な手段などにより、通液される試料が均一な流速で通過する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、1〜100cm/cm/分が好ましい。
前記免疫反応測定用担体は、一定の流速で通液されることにより、捕捉される前記抗体X´の量が累積的に増加する。捕捉される前記抗体X´の量としては、平衡状態において、添加した抗体の総量の0.01〜10%であることが好ましい。
(免疫反応測定用装置)
本発明の免疫反応測定用装置は、本発明の免疫反応測定用担体を備える限り、特に制限はなく、例えば、フロースルー式検出装置、イムノクロマトグラフィー式装置、分光光度計、マイクロプレートリーダー装置、蛍光光度計、電気化学計測装置、磁気・磁性測定装置、屈折測定装置等が挙げられるが、これらの中でもフロースルー式検出装置であることが好ましい。
本発明の免疫反応測定用装置は、例えば、後述する本発明の免疫反応測定方法に好適に利用することができる。
前記免疫反応測定用装置としては、例えば、
免疫反応測定用担体を収容し、光が通過可能な貫通孔が形成されてなる測定用セルと、
前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体に光を照射させる発光部と、
前記発光部から前記免疫反応測定用担体に照射された光のうち、前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体を透過する透過光を受光し、受光した前記透過光の光量を測定する受光部と、からなる透過光量測定装置を備える装置が好適に用いられる。
該装置を用いた免疫反応測定方法としては、例えば、前記免疫反応測定用担体を収納した前記測定用セル内に、前記被検物質Xに対する前記抗体X´を添加した被検試料を送液することにより、前記被検試料中において被検物質Xと結合していない前記抗体X´を前記免疫反応測定用担体上に捕捉し、その捕捉量から間接的に前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求める方法が挙げられ、被検物質Xと被検物質Xに対する抗体X´とを含む被検試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量と、抗体X´のみを含む基準試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量とから相対捕捉量を計算し、該相対捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求める方法が挙げられる。
前記測定用セルの素材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、透光性素材であってもよいし、非透光性素材であってもよい。前記測定用セルには光が通過可能な貫通孔が形成されているため、前記測定用セルを透光性素材で構成する必要はなく、そのため、前記測定用セルに傷が付いたり汚れたりしても、光の通過路に影響を与えることがなく、測定の誤差が生じることがない点で、有利である。中でも、前記測定用セルの素材としては、非透光性素材であることが、遮光性を有するため、蓋などによって遮光する必要がない点で、好ましい。前記非透光性素材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、ナイロン、PA(ポリアミド)、PC(ポリカーボネート)、POM(ポリアセタール)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、LCP(液晶ポリマー)、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、エラストマー、PF(フェノール樹脂)、MF(メラミン樹脂)、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)などが挙げられる。
前記測定用セルにおいて、前記貫通孔としては、光が通過可能な孔であれば、そのサイズ等に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記測定用セルにおいて、前記免疫反応測定用担体は、前記測定用セル内に収容されていれば特に制限はなく、前記貫通孔を通過する光が少なくとも前記免疫反応測定用担体の一部に照射されるように、目的に応じて適宜配置される。中でも、前記免疫反応測定用担体は、前記貫通孔から脱落しないように、前記貫通孔内に固定されていることが好ましい。前記固定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記貫通孔の内壁を付勢する前記免疫反応測定用担体自体の付勢力によって、前記貫通孔に固定されていてもよく、また、前記貫通孔の内壁に溝を形成し、その溝に前記免疫反応測定用担体の外周を当接することによって固定されていてもよい。
前記測定用セルは、前記免疫反応測定用担体とともに一体型のディスポーザブルセルの態様としてもよく、前記免疫反応測定用担体のみを交換可能な構造として、繰り返し使用可能な態様としてもよい。
前記測定用セルは、前記したように貫通孔を有するため、前記貫通孔に前記被検試料を送液するだけで、容易に前記免疫反応測定用担体に被検試料を通液させることができるが、更に、前記測定用セルに着脱可能に接続された通液手段によって、被検試料が前記免疫反応測定用担体に通液されるように構成されていてもよい。前記通液手段としては、例えば、前記免疫反応測定用担体に対して前記被検試料が均一に流通するように、前記被検試料を加圧して、前記免疫反応測定用担体へ送液する手段などが挙げられる。具体的には、例えば、前記測定用セルに、シリンジ、ポンプ、遠心分離装置等を接続し、前記被検試料を加圧して送液する手段などが挙げられる。なお、前記通液手段は、更に流量を制御する制御部を備え、加圧の動作が制御できるものであってもよい。
前記発光部としては、少なくとも光源を備え、前記測定用セル中の前記免疫反応測定用担体に光を照射可能であるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記光源としては、例えば、レーザ、発光ダイオード、ハロゲンランプ、タングステンランプなどが挙げられる。また、前記発光部は、二以上の前記光源を有していてもよい。
前記発光部から発光される光としては、一の単色光であってもよいし、複色光であってもよいし、また、二以上の単色光であってもよいが、前記免疫反応測定用担体に照射される光としては、一の単色光であることが好ましく、そのため、前記発光部から発光される光が複色光又は二以上の単色光である場合には、前記発光部は、前記複色光又は二以上の単色光のうち、一の単色光のみを選択でき、かつ、その選択する単色光を変更することが可能な、単色光選択部を備えることが好ましい。
前記単色光選択部によれば、前記発光部から発光された複色光又は二以上の単色光を、一の単色光として前記免疫反応測定用担体に照射することができ、更にその単色光を他の単色光に変更することにより、例えば、前記免疫反応測定用担体に付着した二以上の発色物質の透過光量を測定することができる。
前記受光部としては、前記発光部から前記免疫反応測定用担体に照射された光のうち、前記免疫反応測定用担体(前記被検試料が通液された部分)を透過した透過光を受光し、受光した光量を測定可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記免疫反応測定用担体からの透過光が、複色光又は二以上の単色光である場合には、前記受光部は、一の単色光のみを選択でき、かつ、その選択する単色光を変更することが可能な、単色光選択部を備えることが好ましい。
前記単色光選択部によれば、前記免疫反応測定用担体を透過した複色光又は二以上の単色光を、一の単色光として受光することができ、更にその単色光を他の単色光に変更することにより、例えば、前記免疫反応測定用担体に付着した二以上の発色物質の透過光量を測定することができる。
前記免疫反応用測定用装置は、前記受光部により受光した光量を、電気信号の信号強度として計測可能な測定手段を備えることが好ましい。前記測定手段は、例えば、前記受光部と接続されることにより、前記受光部により受光した光量を、電気信号の信号強度として変換し、出力することができる。
また、前記免疫反応測定用装置は、前記発光部と前記受光部との間に、反射筒を備えることが好ましい。前記反射筒は、前記免疫反応測定用担体を内包するように、前記発光部から照射される光の照射方向に貫通し、その内面が前記免疫反応測定用担体からの反射光を反射するように構成される。前記反射筒を備えることにより、前記免疫反応測定用担体により反射された光を収束することができるため、測定感度を向上させることができる。
また、前記免疫反応測定用装置は、前記受光部で測定された透過光の光量について、基準となる光量から相対吸光度を計算する相対吸光度計算部を備えることが好ましい。具体的には、前記免疫反応測定用担体に光を照射し、前記被検物質Xを含む被検試料を供給した前記免疫反応測定用担体の透過光と、前記被検物質Xを含まない基準試料を供給した前記免疫反応測定用担体の透過光とから相対吸光度を計算する相対吸光度計算部を備えることがより好ましい。
前記免疫反応測定用装置においては、フロー式とすることにより、被検試料(液相)と前記免疫反応測定用担体(固相)との接触時間が短く、被検試料中の前記抗体をフローにより連続的に捕捉するため、液相中の結合平衡状態を乱すことなく測定することができ、これにより、感度の低下、並びに測定を複雑にする液相と固相との競合反応を回避することができる。
また、前記抗体の連続捕捉が可能であるため、液相中の抗原と抗体との結合が、抗体の親和性支配になるまで、具体的には前記抗体自体の平衡解離定数以下まで前記抗体の濃度を低くすることができ、さらに検出に必要な感度が得られるまで、信号値を増幅することができる。
(免疫反応測定方法)
本発明の免疫反応測定方法は、前記被検物質Xに対する前記抗体X´を添加した被検試料を、本発明の免疫反応測定用担体に供給し、前記被検試料中において前記被検物質Xと結合していない前記抗体X´を、前記免疫反応測定用担体上に捕捉し、該抗体の量を測定する方法である。
本発明の免疫測定方法は、本発明の免疫反応測定用担体を用いる方法であり、本発明の免疫反応測定用装置を用いて好適に実施することができる。
前記免疫反応測定用担体に捕捉された抗体量の測定方法としては、前記被検物質Xに対する抗体X´が標識物質を有する抗体である場合、該抗体Xの標識物質から発せられるシグナルを測定する方法、前記抗体X´に対する標識物質を有する二次抗体を用いる場合には、該二次抗体の標識物質から発せられるシグナルを測定する方法が挙げられる。
前記シグナルを測定する方法としては、特に制限はなく、前記標識物質の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、前記標識物質が酵素の場合、該酵素と基質とを反応させた後、反応生成物の反射吸光度、蛍光吸光度、発光強度等を測定する方法が挙げられ、前記標識物質が放射性同位体の場合は、シグナルとして放射線量を測定する方法、前記標識物質が蛍光物質の場合、シグナルとして蛍光強度を測定する方法、前記標識物質が発光物質の場合、シグナルとして発光強度を測定する方法、前記標識物質が着色微粒子の場合、シグナルとして着色により変化する透過光量を測定する方法、前記標識物質が電気化学的な反応を示す物質の場合、シグナルとして電流や電圧及び電位変化を測定する方法、前記標識物質が電子スピンを示す物質の場合、シグナルとしてエレクトロ・スピン・レゾナンスのスペクトル変化を測定する方法などが挙げられる。
これらの測定されたシグナルは、例えば、1秒毎に測定し、コンピュータなどに記録し、最終的に得られた残存シグナル値と、ベースライン値との差を測定値としてボルト単位で表す方法が好ましい。
前記標識物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ペルオキシターゼ、アルカリフォスファターゼ、チロシナーゼ、ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、グルコースオキシダーゼ等の酵素、I125、I131、H等の放射性同位体、テトラメチルローダミン、ユーロピウムキレート、フルオレセインなどのイソシアネ―ト誘導物質等の蛍光物質、アクリジニウムエステル、アクリジニウムスルホン酸、ルシフェリン、NADオキシドレダクターゼ、ルシゲニン、ロフィン、金コロイド、セレンコロイド、着色ラテックス、磁性微粒子等の着色微粒子、ピペリジン−N−オキシド誘導体、ピロリヂン−N−オキシド誘導体、オキサゾリジン−N−オキシド誘導体のようなフリーラジカルを示す物質などが挙げられる。
これらの中でも、前記標識物質が着色微粒子である態様が好ましく、前記免疫反応測定方法としては、着色により変化する透過光量をシグナルとして測定する方法が好ましい。
ここで、前記n種の被検物質X〜Xに対するn種の抗体X´〜X´は、同じ試料中に添加し、前記免疫反応測定用担体上に同時に抗体X´〜X´を捕捉し、その捕捉量から前記被検物質X〜Xの量を総量として定量してもよい。これにより、同族体や異性体を多数含む被検物質を総量として定量する際、単一の抗体では困難であった正確な定量が、1回の測定で可能となる。
上述のとおり、本発明の免疫反応測定方法は、液相と固相の競合反応を回避し、蓄積効果により、測定時の抗体濃度を該抗体自体が有する平衡解離定数以下に設定できるため、同一溶液中の複数の抗原抗体反応が、それぞれの平衡解離定数に依存して、同時にかつ非依存的に起きる。よって、被検物質がn種あっても、n種の抗体の抗原抗体反応の総和として捕らえることができる。
また、n種の抗体が有するそれぞれの抗原に対する結合親和性を変えることにより、n種の抗原の同族体や異性体の構成比(含有量比)を明らかにすることができる。
この場合、例えば、前記試料中の被検物質がXとX2である場合、Xに結合する抗体X´、X2に結合する抗体X´、及びX及びX2のいずれにも結合する抗体を混合する。前記被検物質XとX2とが同一の濃度である場合、測定条件の設計によりXに結合する抗体に由来する信号と、X2に結合する抗体に由来する信号を等しくすることができる。また、その総和が前記被検物質XとX2に結合する抗体に由来する信号となるが、XとX2の濃度がそれぞれ異なるとき、Xに結合する抗体に由来する信号と、X2に結合する抗体に由来する信号は異なる。Xに結合する抗体に由来する信号と、X2に結合する抗体に由来する信号とが異なっていても、濃度の総和はXとX2に結合する抗体に由来する信号から求められるため、このように、添加する抗体の結合特異性を選択することでn種の被検物質X〜Xの構成比(含有量比)を推定することができる。
さらに、抗体X´〜X´を単独で添加したn種の試料を用意し、各試料における抗体の捕捉量を定量し、該捕捉量から前記被検物質の量を定量してもよい。これにより、同族体や異性体を多数含む被検物質の組成を評価する際、同じ免疫反応測定用担体を用いて抗体の捕捉量や被検物質の量を定量することができる。この場合、測定は並列的に同時に測定も可能であり、並列測定の結果から、上記のように被検物質X〜Xの構成比(含有量比)を推定することもできる。
本発明の免疫反応測定用担体は、ELISA法、イムノクロマト法などの従来のイムノアッセイ向けの担体としての適用も可能と考えられ、極めて広い応用範囲を持つ。
本発明の免疫反応測定方法は、免疫反応測定用担体上に捕捉された抗体量から、被検試料中の被検物質の量を求める方法であることが好ましく、以下にその例を示す。
前記標識物質から発生したシグナルの測定においては、ある濃度の前記抗体X´を前記免疫反応測定用担体に結合させた場合のシグナル強度(ブランク、例えば「F0」とする)を測定しておく。次に、被検試料に、前記ブランク測定時と同じ濃度の前記抗体X´を添加した混合液を、前記免疫反応測定用担体に供給し、未結合の前記抗体X´を結合させた場合のシグナル強度(例えば、「F1」とする)を測定する。
ここで、前記被検試料中に被検物質Xが存在するとき、前記抗体X´は前記被検試料中の被検物質Xと結合するため、前記免疫反応測定用担体と結合する未結合の前記抗体X´の量は少なくなる。したがって、シグナル強度がF1<F0となるとき、前記被検試料中に被検物質Xが存在すると判断することができる。
F1の低下割合が、前記被検試料中に含まれる前記被検物質Xの量と相関関係を有するため、既知の濃度の被検物質Xを用い、予め検量線を作成しておくことにより、F1の低下割合に応じて前記被検物質Xの定量を行うことができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例)
(1)抗体の作製
被検物質PCBに対する抗PCBモノクローナル抗体を調製するため、3塩素化物PCB(三塩化ビフェニル)を、リンカーを介してキャリアータンパク質(スカシガイ由来のヘモシアニン(以下、「KLH」と表す))に結合した複合体を合成した。
前記複合体を抗原として、マウス(Bulb/c、メス、5週齢)に免疫した。
初回免疫は、前記抗体調製用化合物(タンパク質量として約0.3mg)を完全アジュバントに混合後、皮下注射した。該初回免疫の2週間後と4週間後に、同量の前記抗体調製用化合物を、不完全アジュバントに混合後、皮下注射した。その後、1週間以上経過した後、同量の前記抗体調製用化合物を、腹腔又は尾部静脈に注射し、その4〜5日後に脾臓を摘出した。
摘出した前記脾臓から調製した脾臓細胞を、ミエローマ細胞とともにポリエチレングリコール溶液中で2分間混合し、細胞融合を行った。
融合反応後の融合細胞を培養し、細胞融合から2週間以上経過したハイブリドーマの培養上清を用い、所望の抗PCBモノクローナル抗体の有無をスクリーニングし、抗PCBモノクローナル抗体を産生する安定なハイブリドーマを得た。該ハイブリドーマを培養し、培養上清を精製し、抗PCBモノクローナル抗体を得た。
(2)免疫反応測定用担体
前記抗PCBモノクローナル抗体の作製に用いた複合体において、前記リンカーは、下記構造式(IV)で表される構造を有していた。
そこで、前記構造式(IV)と類似の構造を分子中に有する繊維体として、コットン(綿)、及びセルロースを選択し、これらの繊維体からなるフィルターを直径約5mmの円状に切り出し、担体(本発明の免疫反応測定用担体)を調製した。
また、比較対象として、前記構造式(IV)と類似の構造を分子中に持たない繊維体として、ポリオレフィン、及びポリエステルを選択し、これらの繊維体からなるフィルターを同様にして切り出し、担体を調製した。
−抗体捕捉性の評価−
前記抗PCBモノクローナル抗体を常法により金コロイドで標識し、牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水に溶解し、1nM程度の抗体溶液を得た。
次に、前記担体を、前記抗体溶液を通液可能なホルダー(測定用セル)に設置した。前記ホルダー(測定用セル)には直径3mmの穴部が設けられており、接続された注射器から、前記担体を通して前記抗体溶液を通液できる。
前記担体の抗体捕捉性の評価は、前記抗体溶液2mLを注射器にとり、接続されたポンプによって0.85mL/minの一定流速で通液させることにより行った。前記抗体溶液を通液させた後、同じ流速で前記抗体を含まない牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水に1mLを通液した後、前記ホルダー(測定用セル)の透過光量を測定した。
なお、抗体溶液を通液する前に、同じ容量で牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水に1mLを通液し、測定器で透過光量を測定し、抗体液通過前後の透過光量の変化を、抗体の捕捉性の指標とした。透過光量の測定は、前記ホルダー(測定用セル)を挟む位置に光源とフォトダイオードを有し、前記担体を通過する光の透過を電気信号として計測できる装置を用いて行った。従って、捕捉される抗体量が多いほど、標識金コロイドに由来する膜上の赤色が濃くなり、信号値としては小さくなる。
結果を図1A〜F、及び図2A〜Dに示す。
(3)被検物質(PCB)の定量
PCB含有絶縁油を下記の方法により処理し、被検試料を調製した。なお、前記PCB含有絶縁油は、PCBを含まない絶縁油に、カネクロール−300(GLサイエンス社製)を種々の濃度で添加し、既知の濃度のPCBを含む絶縁油として調製した。
珪藻土カラム(Extrelut NT3、Merk社製)とシリカゲルカラム(SepPak Silica Plus、Waters社製)とを連結し、1mLの25%発煙硫酸及び2mLの濃硫酸を前記珪藻土カラムに順次添加し、15分間放置した。
次いで、1.5gの無水硫酸ナトリウムを珪藻土カラムに重層した後、0.5gの前記被検試料(PCB含有絶縁油)を添加し、カラム内に浸透させるため1mLのn−ヘキサンを追加で添加した。5分間放置し、前記被検試料中の絶縁油成分の分解を促した後、展開を行った。
5mLのn−ヘキサンを添加し、液面が無水硫酸ナトリウム層まで下がったのを確認した後、10mLのn−ヘキサンをさらに加え、溶出液の全量をナス型フラスコに回収した。前記溶出液に0.5mLのジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」とする)を加え、30℃の湯浴中で、ロータリーエバポレータでn−ヘキサンを除去した。残液をマイクロチューブに移して遠心分離(2000rpm、5分間)し、DMSO層を分取して被検試料(前処理液)とした。
抗体溶液は、前記抗PCBモノクローナル抗体を常法により金コロイドで標識し、牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水に溶解し、1nM程度の抗体溶液を調製した。
前記被検試料(前処理液)を100倍希釈となるように前記抗体溶液に添加し、測定用溶液を調製した。
セルロースの繊維体からなるフィルターを直径約5mmの円状に切り出して調製した前記免疫反応測定用担体を、前記抗体溶液を通液可能なホルダー(測定用セル)に設置した。測定装置は、前記抗体捕捉性の評価で用いたものと同様の装置を用いた。
前記測定用溶液2mLを注射器にとり、接続されたポンプによって0.85mL/minの一定流速で通液させることにより行った。前記抗体溶液を通液させた後、同じ流速で前記抗体を含まない牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水に1mLを通液した後、前記ホルダー(測定用セル)の透過光量をシグナルとして測定した。
対照として、PCBを含まず、牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水を通液したときの透過光量を測定しておき、該透過光量を100%とした透過光量のシグナル比率(%)を、前記被検試料中のPCB濃度の指標とした。結果を図3に示す。
図3の結果から、抗PCBモノクローナル抗体を捕捉するための擬似抗原を担体に固定化する処理を行わずに、前記免疫反応測定用担体により抗PCBモノクローナル抗体を捕捉することができ、該抗体量から、正確に被検物質の濃度を定量することができることがわかった。
また、従来の擬似抗原を担体に固定化する処理を行った場合に比べ、担体の調製のコスト及び時間を削減することができるとともに、高密度に抗体を捕捉できることがわかった。
本発明の免疫反応測定用担体は、均一かつ高密度に抗体を捕捉し、被測定物を高感度に検出可能であり、低コストで効率よく調製可能であるため、各種イムノアッセイ用担体として好適に使用することができ、特に、低分子量物質に対する抗体であって、該低分子量物質と、リンカーと、免疫原性を有する高分子量物質とからなる抗体調製用化合物を用いて作製された抗体の捕捉に有用であるため、例えば、環境汚染物質等の低分子量の有害物質や、ビタミン様物質等の低分子量の測定に好適である。
また、本発明の免疫反応測定装置は、本発明の免疫反応測定用担体を備えるため、各種イムノアッセイに好適であり、例えば、環境汚染物質等の低分子量の有害物質や、ビタミン様物質等の低分子量の測定に好適である。
さらに、本発明の免疫反応測定方法は、本発明の免疫反応測定用担体及び本発明の免疫反応測定装置を用いるため、各種イムノアッセイに好適であり、例えば、環境汚染物質等の低分子量の有害物質や、ビタミン様物質等の低分子量の測定に好適である。
図1Aは、実施例1において、コットン(綿)からなる免疫反応測定用担体を評価した結果を示す写真である。 図1Bは、実施例1において、セルロースからなる免疫反応測定用担体を評価した結果を示す写真である。 図1Cは、実施例1において、セルロースからなる免疫反応測定用担体を評価した結果を示す写真である。 図1Dは、実施例1において、セルロースからなる免疫反応測定用担体を評価した結果を示す写真である。 図1Eは、実施例1において、セルロースからなる免疫反応測定用担体を評価した結果を示す写真である。 図1Fは、実施例1において、セルロースからなる免疫反応測定用担体を評価した結果を示す写真である。 図2Aは、実施例1において、ポリオレフィンからなる免疫反応測定用担体を評価した結果を示す写真である。 図2Bは、実施例1において、ポリオレフィンからなる免疫反応測定用担体を評価した結果を示す写真である。 図2Cは、実施例1において、ポリエステルからなる免疫反応測定用担体を評価した結果を示す写真である。 図2Dは、実施例1において、ポリエステルからなる免疫反応測定用担体を評価した結果を示す写真である。 図3は、実施例において作成したPCB(カネクロール300)の検量線と、各濃度における免疫反応測定用担体の写真とを示すグラフである。

Claims (14)

  1. 被検物質Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるX−Y−Zで表される複合体を用いて作製された前記被検物質Xに対する抗体X´を捕捉するために用いられる免疫反応測定用担体であって、
    前記リンカーYが、下記構造式(I)及び(II)のいずれかで表される構造、及びそのアナログのいずれかを分子中に有し、
    前記免疫反応測定用担体が、セルロース、フミン酸、ニトロセルロース、リグニンスルホン酸、アルキルベンゼン、及びアルキルフェノール、並びにこれらの誘導体の少なくともいずれかのみからなることを特徴とする免疫反応測定用担体。
    ただし、前記構造式(I)及び(II)中、nは、1〜20の整数を表す。
  2. 被検物質Xに対する抗体X´が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、及びこれらの混合物のいずれかである請求項1に記載の免疫反応測定用担体。
  3. 下記構造式(A)及び(B)で表される多糖類である請求項1から2のいずれかに記載の免疫反応測定用担体。
    ただし、前記構造式(A)中、Mは、O(CH ONH を表し、Lは、1以上の整数を表す。
    ただし、前記構造式(B)中、Nは、OCO(CH ONH を表し、Lは、1以上の整数を表す。
  4. 下記構造式(C)〜(E)で表されるベンゼン骨格を有する化合物である請求項1から2のいずれかに記載の免疫反応測定用担体。
    ただし、前記構造式(C)中、Mは、O(CH ONH を表し、Lは、1以上の整数を表し、Qは、OH及びSO Naのいずれかを表す。
    ただし、前記構造式(D)中、Nは、OCO(CH ONH を表し、Lは、1以上の整数を表し、Qは、OH及びSO Naのいずれかを表す。
    ただし、前記構造式(E)中、Rは、CH (CH CH(CH CH を表し、n及びmは、それぞれn+m≧2を満たす整数を表し、Qは、OH及びSO Naのいずれかを表す。
  5. 繊維体からなる請求項1から4のいずれかに記載の免疫反応測定用担体。
  6. n種(ただし、nは2以上の自然数)の被検物質X〜Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるn種の複合体を用いて作製された前記被検物質X〜Xに対するn種の抗体X´〜X´を捕捉する請求項1から5のいずれかに記載の免疫反応測定用担体。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の免疫反応測定用担体を備えることを特徴とする免疫反応測定用装置。
  8. 免疫反応測定用担体を収容し、光が通過可能な貫通孔が形成されてなる測定用セルと、
    前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体に光を照射する発光部と、
    前記発光部から前記免疫反応測定用担体に照射された光のうち、前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体を透過する透過光を受光し、受光した前記透過光の光量を測定する受光部と、
    を備えた透過光量測定装置を備える請求項7に記載の免疫反応測定用装置。
  9. 被検物質Xに対する抗体X´を添加した被検試料を、請求項1から6のいずれかに記載の免疫反応測定用担体に供給し、
    前記被検試料中において前記被検物質Xと結合していない前記抗体X´を、前記免疫反応測定用担体上に捕捉し、
    前記抗体X´の捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求めることを特徴とする免疫反応測定方法。
  10. 被検物質Xを含む被検試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量と、被検物質Xを含まない基準試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量とから相対抗体捕捉量を計算し、該相対抗体捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求める請求項9に記載の免疫反応測定方法。
  11. 被検物質Xに対する抗体X´が標識物質を有し、該標識物質に由来する発色を測定する請求項9から10のいずれかに記載の免疫反応測定方法。
  12. 免疫反応測定用担体上に捕捉された抗体を、標識物質を有する二次抗体と反応させる請求項9から11のいずれかに記載の免疫反応測定方法。
  13. 標識物質が、酵素、放射性同位元素、蛍光物質、及び着色微粒子のいずれかである請求項9から12のいずれかに記載の免疫反応測定方法。
  14. 被検物質が、PCB、ダイオキシン、ホルモン、ビタミン類、農薬、及び重金属のいずれかである請求項9から13のいずれかに記載の免疫反応測定方法。
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