JP4806358B2 - 免疫反応測定用担体、並びに免疫反応測定用装置及び免疫反応測定方法 - Google Patents
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Description
しかし、適正処理が行われずに保管されていたPCB廃棄物は、保管の長期化により、紛失や漏洩の発生が問題視され、平成13年に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(PCB特措法)が施行された。このPCB特措法により、15年以内に全てのPCB廃棄物の適正処理が義務付けられた。
しかしながら、前記ELISA法では、被検物質の検出に特殊な機器を必要としたり、試料の前処理や測定に長時間を要したりする等の問題点がある。このため、操作が簡単なイムノクロマト法が提案されている。
このため、通常ELISA法、及びイムノクロマト法を代表とするイムノアッセイの殆どの場合が、サンドイッチ法ではなく、競合法を採用している。
前記フロースルー免疫測定法としては、例えば、被検物質を含む試料中に、前記被検物質に対する抗体を反応させ、前記試料中において前記被検物質を結合していないフリーの前記抗体を検出することにより、前記試料中の被検物質の検出を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、被測定物を捕捉するための捕捉試薬(例えば、被測定物が抗体の場合、該抗体が特異的に認識する抗原又は擬似抗原であり、被測定物が抗原の場合、該抗原を特異的に認識する抗体)を固定化した担体上に、前記被測定物を含む試料を供給し、前記試料が前記担体を通過する際に、前記捕捉試薬に捕捉された前記被測定物を任意の方法で検出する方法が提案されている(例えば特許文献2参照)。
前記フロースルー免疫測定法では、前記担体と前記試料の接触時間を極めて短くすることにより、前記担体上に固定した被測定物あるいは捕捉試薬(例えば、被測定物が抗体の場合、該抗体が特異的に認識する抗原又は擬似抗原であり、被測定物が抗原の場合、該抗原を特異的に認識する抗体)と、前記試料液中の被測定物あるいは捕捉試薬の間に競合的な結合が起きにくくなり、その結果良好な検出感度が得られると考えられる。
<1> 被検物質Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるX−Y−Zで表される複合体を用いて作製された前記被検物質Xに対する抗体X´を捕捉するために用いられ、
前記リンカーYが有する少なくとも一部の構造、及びそのアナログのいずれかを分子中に有することを特徴とする免疫反応測定用担体である。
<2> 被検物質Xに対する抗体X´が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、及びこれらの混合物のいずれかである前記<1>に記載の免疫反応測定用担体である。
<3> リンカーYが、下記構造式(I)及び(II)のいずれかで表される構造を有する前記<1>から<2>のいずれかに記載の免疫反応測定用担体である。
<4> セルロース、フミン酸、ニトロセルロース、リグニンスルホン酸、アルキルベンゼン、及びアルキルフェノール、並びにこれらの誘導体の少なくともいずれかからなる前記<3>に記載の免疫反応測定用担体である。
<5> 繊維体からなる前記<1>から<4>のいずれかに記載の免疫反応測定用担体である。
<6> n種(ただし、nは2以上の自然数)の被検物質X1〜Xnと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるn種の複合体を用いて作製された前記被検物質X1〜Xnに対するn種の抗体を捕捉する前記<1>から<5>のいずれかに記載の免疫反応測定用担体である。
<8> 免疫反応測定用担体を収容し、光が通過可能な貫通孔が形成されてなる測定用セルと、
前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体に光を照射する発光部と、
前記発光部から前記免疫反応測定用担体に照射された光のうち、前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体を透過する透過光を受光し、受光した前記透過光の光量を測定する受光部と、
を備えた透過光量測定装置を備える前記<7>に記載の免疫反応測定用装置である。
<9> 透過光量測定手段が、発光部と受光部との間に設けられて照射光の照射方向に貫通するとともに、内面が免疫反応測定用担体によって反射された光を反射するように構成されている反射筒を備える前記<8>に記載の免疫反応測定用装置である。
<10> 受光部で測定された透過光の光量について、基準となる光量から相対吸光度を計算する相対吸光度計算部を備える前記<8>から<9>のいずれかに記載の免疫反応測定用装置である。
前記被検試料中において前記被検物質Xと結合していない前記抗体X´を、前記免疫反応測定用担体上に捕捉し、
前記抗体X´の捕捉量を測定し、該捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求めることを特徴とする免疫反応測定方法である。
<12> 被検物質Xを含む被検試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量と、被検物質Xを含まない基準試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量とから相対抗体捕捉量を計算し、該相対抗体捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求める前記<11>に記載の免疫反応測定方法である。
<13> 被検物質Xに対する抗体X´が標識物質を有し、該標識物質に由来する発色を測定する前記<11>から<12>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。ここで、「発色を測定する」とは、前記標識物質が発する色を検出することを含み、前記標識物質の変色や呈色等の色彩の変化を検出する態様も含むものとする。
<14> 免疫反応測定用担体上に捕捉された抗体X´を、標識物質を有する二次抗体と反応させる前記<11>から<13>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
<15>免疫反応測定用担体における抗体の捕捉量が、光学的に検知可能である前記<11>から<14>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
<16> 標識物質が、酵素、放射性同位元素、蛍光物質、及び着色微粒子のいずれかである前記<11>から<15>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
<17> 標識物質が、金コロイドである前記<12>から<16>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
<18> 被検物質が、PCB、ダイオキシン、ホルモン、ビタミン類、農薬、及び重金属のいずれかである前記<11>から<17>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
<19> 前記<7>から<10>のいずれかに記載の免疫反応測定用装置を用いる前記<11>から<18>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
<20> 測定用セルに収容された免疫反応測定用担体に光を照射し、照射された光のうち、前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体を透過した透過光を受光し、受光光量を測定する前記<19>に記載の免疫反応測定方法である。
<21> 免疫反応測定用担体に単色光を照射し、被検物質Xを含む被検試料を供給した前記免疫反応測定用担体の透過光と、被検物質Xを含まない基準試料を供給した前記免疫反応測定用担体の透過光とから相対吸光度を計算する前記<19>から<20>のいずれかに記載の免疫反応測定方法である。
本発明の免疫反応測定用担体は、被検物質Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるX−Y−Zで表される複合体(以下、「抗体調製用化合物」ということがある)を用いて作製された前記被検物質Xに対する抗体X´を捕捉するために用いられ、前記リンカーYが有する少なくとも一部の構造、及びそのアナログのいずれかを分子中に有する。
前記抗体調製用化合物は、前記被検物質Xに対する抗体X´を作製するために使用される複合体であり、該抗体調製用化合物により作製される抗体X´は、前記被検物質Xに対するモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、及びこれらの混合物のいずれかであることが好ましい。
前記タンパク質としては、例えば、スカシガイ由来ヘモシアニン(KLH)、卵白アルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン、ウシガンマグロブリン等が挙げられる。
これらの中でも下記構造式(I)及び(II)で表される構造を有する化合物が好ましく、前記免疫反応測定用担体もその構造中に下記構造式(I)及び(II)で表される構造の少なくとも一部、及びそのアナログのいずれかを有することが好ましい。
・O(CH2)LONH2(ただし、Lは、1以上の整数を表す。)
・OCO(CH2)LONH2(ただし、Lは、1以上の整数を表す。)
・CH3(CH2)nCH(CH2)mCH3(ただし、n及びmは、それぞれn+m≧2を満たす整数を表す。)
等が挙げられる。
本発明の免疫反応測定用担体は、抗原物質(擬似抗原)として前記被検物質X及びその類似体のいずれも添加されておらず、前記被検物質X及びその類似体のいずれも固定する処理が行われていない。
前記免疫反応測定用担体は、前記繊維を所望の形状に成形して調製してもよく、シート状の繊維体を所望のサイズ及び形状に公知の方法で裁断や打抜することにより調製してもよい。
本発明の免疫反応測定用装置は、本発明の免疫反応測定用担体を備える限り、特に制限はなく、例えば、フロースルー式検出装置、イムノクロマトグラフィー式装置、分光光度計、マイクロプレートリーダー装置、蛍光光度計、電気化学計測装置、磁気・磁性測定装置、屈折測定装置等が挙げられるが、これらの中でもフロースルー式検出装置であることが好ましい。
本発明の免疫反応測定用装置は、例えば、後述する本発明の免疫反応測定方法に好適に利用することができる。
免疫反応測定用担体を収容し、光が通過可能な貫通孔が形成されてなる測定用セルと、
前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体に光を照射させる発光部と、
前記発光部から前記免疫反応測定用担体に照射された光のうち、前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体を透過する透過光を受光し、受光した前記透過光の光量を測定する受光部と、からなる透過光量測定装置を備える装置が好適に用いられる。
該装置を用いた免疫反応測定方法としては、例えば、前記免疫反応測定用担体を収納した前記測定用セル内に、前記被検物質Xに対する前記抗体X´を添加した被検試料を送液することにより、前記被検試料中において被検物質Xと結合していない前記抗体X´を前記免疫反応測定用担体上に捕捉し、その捕捉量から間接的に前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求める方法が挙げられ、被検物質Xと被検物質Xに対する抗体X´とを含む被検試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量と、抗体X´のみを含む基準試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量とから相対捕捉量を計算し、該相対捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求める方法が挙げられる。
前記単色光選択部によれば、前記発光部から発光された複色光又は二以上の単色光を、一の単色光として前記免疫反応測定用担体に照射することができ、更にその単色光を他の単色光に変更することにより、例えば、前記免疫反応測定用担体に付着した二以上の発色物質の透過光量を測定することができる。
前記単色光選択部によれば、前記免疫反応測定用担体を透過した複色光又は二以上の単色光を、一の単色光として受光することができ、更にその単色光を他の単色光に変更することにより、例えば、前記免疫反応測定用担体に付着した二以上の発色物質の透過光量を測定することができる。
また、前記抗体の連続捕捉が可能であるため、液相中の抗原と抗体との結合が、抗体の親和性支配になるまで、具体的には前記抗体自体の平衡解離定数以下まで前記抗体の濃度を低くすることができ、さらに検出に必要な感度が得られるまで、信号値を増幅することができる。
本発明の免疫反応測定方法は、前記被検物質Xに対する前記抗体X´を添加した被検試料を、本発明の免疫反応測定用担体に供給し、前記被検試料中において前記被検物質Xと結合していない前記抗体X´を、前記免疫反応測定用担体上に捕捉し、該抗体の量を測定する方法である。
本発明の免疫測定方法は、本発明の免疫反応測定用担体を用いる方法であり、本発明の免疫反応測定用装置を用いて好適に実施することができる。
この場合、例えば、前記試料中の被検物質がX1とX2である場合、X1に結合する抗体X´1、X2に結合する抗体X´2、及びX1及びX2のいずれにも結合する抗体を混合する。前記被検物質X1とX2とが同一の濃度である場合、測定条件の設計によりX1に結合する抗体に由来する信号と、X2に結合する抗体に由来する信号を等しくすることができる。また、その総和が前記被検物質X1とX2に結合する抗体に由来する信号となるが、X1とX2の濃度がそれぞれ異なるとき、X1に結合する抗体に由来する信号と、X2に結合する抗体に由来する信号は異なる。X1に結合する抗体に由来する信号と、X2に結合する抗体に由来する信号とが異なっていても、濃度の総和はX1とX2に結合する抗体に由来する信号から求められるため、このように、添加する抗体の結合特異性を選択することでn種の被検物質X1〜Xnの構成比(含有量比)を推定することができる。
前記標識物質から発生したシグナルの測定においては、ある濃度の前記抗体X´を前記免疫反応測定用担体に結合させた場合のシグナル強度(ブランク、例えば「F0」とする)を測定しておく。次に、被検試料に、前記ブランク測定時と同じ濃度の前記抗体X´を添加した混合液を、前記免疫反応測定用担体に供給し、未結合の前記抗体X´を結合させた場合のシグナル強度(例えば、「F1」とする)を測定する。
ここで、前記被検試料中に被検物質Xが存在するとき、前記抗体X´は前記被検試料中の被検物質Xと結合するため、前記免疫反応測定用担体と結合する未結合の前記抗体X´の量は少なくなる。したがって、シグナル強度がF1<F0となるとき、前記被検試料中に被検物質Xが存在すると判断することができる。
(1)抗体の作製
被検物質PCBに対する抗PCBモノクローナル抗体を調製するため、3塩素化物PCB(三塩化ビフェニル)を、リンカーを介してキャリアータンパク質(スカシガイ由来のヘモシアニン(以下、「KLH」と表す))に結合した複合体を合成した。
初回免疫は、前記抗体調製用化合物(タンパク質量として約0.3mg)を完全アジュバントに混合後、皮下注射した。該初回免疫の2週間後と4週間後に、同量の前記抗体調製用化合物を、不完全アジュバントに混合後、皮下注射した。その後、1週間以上経過した後、同量の前記抗体調製用化合物を、腹腔又は尾部静脈に注射し、その4〜5日後に脾臓を摘出した。
融合反応後の融合細胞を培養し、細胞融合から2週間以上経過したハイブリドーマの培養上清を用い、所望の抗PCBモノクローナル抗体の有無をスクリーニングし、抗PCBモノクローナル抗体を産生する安定なハイブリドーマを得た。該ハイブリドーマを培養し、培養上清を精製し、抗PCBモノクローナル抗体を得た。
前記抗PCBモノクローナル抗体の作製に用いた複合体において、前記リンカーは、下記構造式(IV)で表される構造を有していた。
また、比較対象として、前記構造式(IV)と類似の構造を分子中に持たない繊維体として、ポリオレフィン、及びポリエステルを選択し、これらの繊維体からなるフィルターを同様にして切り出し、担体を調製した。
前記抗PCBモノクローナル抗体を常法により金コロイドで標識し、牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水に溶解し、1nM程度の抗体溶液を得た。
次に、前記担体を、前記抗体溶液を通液可能なホルダー(測定用セル)に設置した。前記ホルダー(測定用セル)には直径3mmの穴部が設けられており、接続された注射器から、前記担体を通して前記抗体溶液を通液できる。
前記担体の抗体捕捉性の評価は、前記抗体溶液2mLを注射器にとり、接続されたポンプによって0.85mL/minの一定流速で通液させることにより行った。前記抗体溶液を通液させた後、同じ流速で前記抗体を含まない牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水に1mLを通液した後、前記ホルダー(測定用セル)の透過光量を測定した。
なお、抗体溶液を通液する前に、同じ容量で牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水に1mLを通液し、測定器で透過光量を測定し、抗体液通過前後の透過光量の変化を、抗体の捕捉性の指標とした。透過光量の測定は、前記ホルダー(測定用セル)を挟む位置に光源とフォトダイオードを有し、前記担体を通過する光の透過を電気信号として計測できる装置を用いて行った。従って、捕捉される抗体量が多いほど、標識金コロイドに由来する膜上の赤色が濃くなり、信号値としては小さくなる。
結果を図1A〜F、及び図2A〜Dに示す。
PCB含有絶縁油を下記の方法により処理し、被検試料を調製した。なお、前記PCB含有絶縁油は、PCBを含まない絶縁油に、カネクロール−300(GLサイエンス社製)を種々の濃度で添加し、既知の濃度のPCBを含む絶縁油として調製した。
次いで、1.5gの無水硫酸ナトリウムを珪藻土カラムに重層した後、0.5gの前記被検試料(PCB含有絶縁油)を添加し、カラム内に浸透させるため1mLのn−ヘキサンを追加で添加した。5分間放置し、前記被検試料中の絶縁油成分の分解を促した後、展開を行った。
5mLのn−ヘキサンを添加し、液面が無水硫酸ナトリウム層まで下がったのを確認した後、10mLのn−ヘキサンをさらに加え、溶出液の全量をナス型フラスコに回収した。前記溶出液に0.5mLのジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」とする)を加え、30℃の湯浴中で、ロータリーエバポレータでn−ヘキサンを除去した。残液をマイクロチューブに移して遠心分離(2000rpm、5分間)し、DMSO層を分取して被検試料(前処理液)とした。
前記被検試料(前処理液)を100倍希釈となるように前記抗体溶液に添加し、測定用溶液を調製した。
前記測定用溶液2mLを注射器にとり、接続されたポンプによって0.85mL/minの一定流速で通液させることにより行った。前記抗体溶液を通液させた後、同じ流速で前記抗体を含まない牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水に1mLを通液した後、前記ホルダー(測定用セル)の透過光量をシグナルとして測定した。
対照として、PCBを含まず、牛血清アルブミンを1g/L含む生理食塩水を通液したときの透過光量を測定しておき、該透過光量を100%とした透過光量のシグナル比率(%)を、前記被検試料中のPCB濃度の指標とした。結果を図3に示す。
また、本発明の免疫反応測定装置は、本発明の免疫反応測定用担体を備えるため、各種イムノアッセイに好適であり、例えば、環境汚染物質等の低分子量の有害物質や、ビタミン様物質等の低分子量の測定に好適である。
さらに、本発明の免疫反応測定方法は、本発明の免疫反応測定用担体及び本発明の免疫反応測定装置を用いるため、各種イムノアッセイに好適であり、例えば、環境汚染物質等の低分子量の有害物質や、ビタミン様物質等の低分子量の測定に好適である。
Claims (14)
- 被検物質Xと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるX−Y−Zで表される複合体を用いて作製された前記被検物質Xに対する抗体X´を捕捉するために用いられる免疫反応測定用担体であって、
前記リンカーYが、下記構造式(I)及び(II)のいずれかで表される構造、及びそのアナログのいずれかを分子中に有し、
前記免疫反応測定用担体が、セルロース、フミン酸、ニトロセルロース、リグニンスルホン酸、アルキルベンゼン、及びアルキルフェノール、並びにこれらの誘導体の少なくともいずれかのみからなることを特徴とする免疫反応測定用担体。
- 被検物質Xに対する抗体X´が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、及びこれらの混合物のいずれかである請求項1に記載の免疫反応測定用担体。
- 下記構造式(A)及び(B)で表される多糖類である請求項1から2のいずれかに記載の免疫反応測定用担体。
- 下記構造式(C)〜(E)で表されるベンゼン骨格を有する化合物である請求項1から2のいずれかに記載の免疫反応測定用担体。
- 繊維体からなる請求項1から4のいずれかに記載の免疫反応測定用担体。
- n種(ただし、nは2以上の自然数)の被検物質X1〜Xnと、免疫原性を有する高分子物質Zと、前記被検物質X及び前記高分子物質Zを結合するリンカーYと、からなるn種の複合体を用いて作製された前記被検物質X1〜Xnに対するn種の抗体X´1〜X´nを捕捉する請求項1から5のいずれかに記載の免疫反応測定用担体。
- 請求項1から6のいずれかに記載の免疫反応測定用担体を備えることを特徴とする免疫反応測定用装置。
- 免疫反応測定用担体を収容し、光が通過可能な貫通孔が形成されてなる測定用セルと、
前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体に光を照射する発光部と、
前記発光部から前記免疫反応測定用担体に照射された光のうち、前記測定用セルに収容された前記免疫反応測定用担体を透過する透過光を受光し、受光した前記透過光の光量を測定する受光部と、
を備えた透過光量測定装置を備える請求項7に記載の免疫反応測定用装置。 - 被検物質Xに対する抗体X´を添加した被検試料を、請求項1から6のいずれかに記載の免疫反応測定用担体に供給し、
前記被検試料中において前記被検物質Xと結合していない前記抗体X´を、前記免疫反応測定用担体上に捕捉し、
前記抗体X´の捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求めることを特徴とする免疫反応測定方法。 - 被検物質Xを含む被検試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量と、被検物質Xを含まない基準試料を供給した前記免疫反応測定用担体の抗体捕捉量とから相対抗体捕捉量を計算し、該相対抗体捕捉量から前記被検試料中の前記被検物質Xの濃度を求める請求項9に記載の免疫反応測定方法。
- 被検物質Xに対する抗体X´が標識物質を有し、該標識物質に由来する発色を測定する請求項9から10のいずれかに記載の免疫反応測定方法。
- 免疫反応測定用担体上に捕捉された抗体を、標識物質を有する二次抗体と反応させる請求項9から11のいずれかに記載の免疫反応測定方法。
- 標識物質が、酵素、放射性同位元素、蛍光物質、及び着色微粒子のいずれかである請求項9から12のいずれかに記載の免疫反応測定方法。
- 被検物質が、PCB、ダイオキシン、ホルモン、ビタミン類、農薬、及び重金属のいずれかである請求項9から13のいずれかに記載の免疫反応測定方法。
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