JP5080069B2 - 抗pcbモノクローナル抗体及びその製造方法、並びにpcb測定方法 - Google Patents

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本発明は、環境中、工業製品中、及び生物試料中などに含まれるPCBs(ポリ塩化ビフェニル類)の測定に用いられる抗PCBモノクローナル抗体及びその製造方法、前記抗体を産生するハイブリドーマ、並びに前記抗PCBモノクローナル抗体を用いたPCB測定方法に関し、特に、塩素数の異なる二種以上のPCB同族体に対して交差反応性を有し、1〜10塩素化PCB全同族体のうち、3〜7塩素化PCB同族体に高い親和性を有する抗PCBモノクローナル抗体及びその製造方法、前記抗体を産生するハイブリドーマ、並びに前記抗PCBモノクローナル抗体を用いたPCB測定方法に関する。
化学物質による環境汚染問題は、健康問題や社会生活に大きな不安を与えると共に産業活動等にも影響を与えるため、早急に解決すべき重大な課題である。特に、人体や環境への有害性が確認されたPCBs(ポリ塩化ビフェニル類、以下、単に「PCB」と表すことがある)は過去、コンデンサやトランスの絶縁油、熱媒体、機械油等に多用されるなど地球規模で環境汚染が拡大しており、難分解性であることからその残留性や生物濃縮が問題となっている。
PCBsについては、1974年に「化学物質の審査及び製造に関する法律」により製造、輸入、及び新たな使用について原則的に禁止措置が取られ、更に、2001年に「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)」が施行され、2016年までに全てのPCB廃棄物の適性処理が法的に義務づけられた。これにより、PCBs廃棄物の処理過程でのモニタリングや、処理後のPCB濃度の測定が重要な課題となっている。
また、PCBsを含まないとされていたトランス中の代替絶縁油においても、残留していた微量PCBsの混入が明らかになった事より、大量の代替絶縁油やトランス本体のPCBs濃度の迅速な分析も急務となっている。
従来のPCBの測定としては、例えば、公定法として、高分解能ガスクロマトグラフィー/マススペクトロメトリー(HRGC/HRMS)や、電子捕獲検出器付きガスクロマトグラフ法(GC−ECD)が用いられて来た。しかしながら、これらの方法は設備投資や分析消耗品等にコストが嵩み、また、煩雑なクリーンアップ操作や分析者の技術習熟等の必要性から、データ取得や解析に多大な時間を要する等の問題があり、分析業務が特定の分析機関に限定される等、大量の試料を処理する方法としては限界があった。
これに対し、特異的抗体を利用する免疫学測定法は、迅速かつ簡便な測定方法として知られ、近年、環境分析の分野にも応用されつつある。
PCB類似物質であるダイオキシン類の迅速分析法としても、レセプターバインディングアッセイや免疫測定法が注目されており、特に、免疫測定法では抗体が単一の測定対象物に対し特異的に結合するという性質を利用し、ダイオキシン類の毒性等量と相関を有する特定の同族体量を測定する事により、多数の同族体が存在するダイオキシン類の毒性等量総和(ダイオキシン量)を迅速、簡便に求める方法が開発されている。
さらに、PCBは水に難溶性であり、分析するための試料を調製するにあたり、両親媒性溶媒存在下にPCBを溶解させる必要があるため、前記免疫学的測定法に用いられる抗PCB抗体としては、試料中に存在する両親媒性溶媒に対する耐性が求められる。これに対し、前記免疫学的測定法に用いられる抗PCB抗体としては、例えば、50(v/v)%有機溶媒水溶液中でも抗原認識特性が実質的に低下しない抗モノクローナル抗体(特許文献1参照)等が提案されている。
このように、抗体を用いる免疫学的測定法では、交差反応性が低く、測定対象物に対し高特異性という抗体本来の性質を利用し、特定の物質を測定する事に重点が置かれて来た。
このような考えに基づき、多数の異性体が存在するPCBにおいては、交差反応性が制御された特異性の高い抗PCB抗体が求められており、例えば、コプラナーPCBの一つである3,3’,5,5’-四塩化ビフェニル(PCB80)に対して特異性を持つ抗体(特許文献2参照)等が提案されている。
一方、PCB分析では、ダイオキシン類分析における「毒性等量」という考え方が無いため、免疫測定法においても、多数のPCB同族体について可能な限り広く検出し、測定できる事が重要である。しかしながら、特異性の高い単一の抗体を利用した測定系においては、同族体を網羅することが難しく、公定法による分析値との乖離、フォールスネガティブ(偽陰性の判定や見落とし)の危険性、さらに再現性の低さ等が懸念される。
そこで、2種類の特異性の異なる抗体、あるいは測定系を混合し、その結果得られる抗体の特異性を利用して絶縁油中のPCB濃度を分析する方法が提案されている(非特許文献1参照)。また、ダイオキシン類、PCB類を検出する低分子物質検出用器具において、毒性を推定する場合と総量を推定する場合に応じて標的物質の異性体を選択し、該標的物質の抗体を用いることが開示されている(特許文献3参照)。
他方、異性体間において交差反応性が認められる複数種類の抗体を用いて、ダイオキシン類を異性体レベルで検出する方法が提案されている(特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献3及び4に記載された抗PCB抗体を用いた免疫学的測定方法における測定対象は、コプラナーPCBであり、そこで用いられる抗体は、異なる塩素数群の同族体混合物(例えば、鐘淵化学工業製のカネクロール、及び三菱モンサント(現三菱化学)製のアロクロールなどに由来するPCB)を、高感度に定量するための抗体としては満足なものではない。
特開2000−191699号公報 特開2005−247822号公報 特開2004−138550号公報 特開2002−228660号公報 25th International Symposium on Halogenated Environmental Organic Pollutant and POPs,2005,ID2387
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、3塩化ビフェニル、4塩化ビフェニル、5塩化ビフェニル、6塩化ビフェニル、及び7塩化ビフェニル等の塩素数の異なる複数のPCB同族体の混合物、具体的には、油性試料中に含まれるカネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、KC−600:鐘淵化学工業社製)、及びアロクロール(Aroclor.1242、Aroclor.1248、Aroclor.1254、Aroclor.1260、Aroclor.1016、Aroclor.1262、Aroclor.1232:三菱モンサント(現三菱化学)製)中に存在比の高い複数のPCB同族体に交差反応性を有し、1〜10塩素化PCB全同族体のうち、3〜7塩素化PCB同族体混合物に高い親和性を有する抗PCBモノクローナル抗体及びその製造方法、前記抗体を産生するハイブリドーマ、並びに前記抗PCBモノクローナル抗体を用いたPCB測定方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(I)で表されるビフェニル誘導体の異性体混合物をハプテンとし、該ハプテンをキャリアータンパク質に結合した化合物を免疫原として免疫に用いることにより、塩素数の異なる二種以上のPCB同族体に交差反応性を有し、かつ親和性の高い抗PCBモノクローナル抗体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
ただし、前記一般式(I)中、nは1〜10の整数を表し、X及びYはそれぞれ0〜3の整数を表し、XとYとの和は1〜5の整数を表す。
本発明は、本発明者による前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 下記一般式(I)で表されるビフェニル誘導体の異性体混合物を、ハプテンとして用いることを特徴とする抗PCBモノクローナル抗体の製造方法である。
ただし、前記一般式(I)中、nは1〜10の整数を表し、X及びYはそれぞれ0〜3の整数を表し、XとYとの和は1〜5の整数を表す。
<2> 前記一般式(I)で表されるビフェニル誘導体から得られた下記一般式(II)で表される化合物を免疫原として動物を免疫し、免疫した前記動物の抗体産生細胞を回収し、該抗体産生細胞とミエローマ細胞とを融合して得たハイブリドーマを培養することを含む前記<1>に記載の抗PCBモノクローナル抗体の製造方法である。
ただし、前記一般式(II)中、nは1〜10の整数を表し、X及びYはそれぞれ0〜3の整数を表し、XとYとの和は1〜5であり、Zはタンパク質を表す。
<3> 前記一般式(II)中、Zが、酵素、蛍光色素、放射性同位元素、磁性体、色素封入ポリマー、希土類、補酵素、金コロイド、及び金原子クラスターのいずれかの標識物質により標識されている前記<2>に記載の抗PCBモノクローナル抗体の製造方法である。
<4> 前記一般式(I)及び前記一般式(II)のいずれかで表される化合物を用いて、ハイブリドーマ細胞株をスクリーニングすることを含む前記<1>から<3>のいずれかに記載の抗PCBモノクローナル抗体の製造方法である。
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載の抗PCBモノクローナル抗体の製造方法により製造され、塩素数の異なる二種以上のPCB同族体に交差反応性を有することを特徴とする抗PCBモノクローナル抗体である。
<6> 1〜10塩素化PCB全同族体のうち、1〜2塩素化PCB同族体及び8〜10塩素化同族体に対する親和性よりも、3〜7塩素化PCB同族体混合物に対する親和性が高い前記<5>に記載の抗PCBモノクローナル抗体である。
<7> 前記<5>から<6>のいずれかに記載の抗PCBモノクローナル抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマである。
<8> 受託番号がFERM P−21073である前記<7>に記載のハイブリドーマである。
<9> 被測定試料に、前記<5>から<6>のいずれかに記載の抗PCBモノクローナル抗体を添加し、
(1)前記抗PCBモノクローナル抗体と結合した前記被測定試料中のPCB、及び
(2)前記被測定試料中のPCBと結合していない前記抗PCBモノクローナル抗体
のいずれかを検出することを含むことを特徴とするPCB測定方法である。
<10> 被測定試料に、前記<5>から<6>のいずれかに記載の抗PCBモノクローナル抗体、並びに、前記一般式(I)及び前記一般式(II)のいずれかで表される化合物をPCB競合物質として添加し、前記抗PCBモノクローナル抗体と結合した前記競合物質を検出することを含むことを特徴とするPCB測定方法である。
<11> 被測定試料に、前記<5>から<6>のいずれかに記載の抗PCBモノクローナル抗体を添加し、前記一般式(II)で表される化合物をPCB競合物質として固定化した担体を用い、前記PCB競合物質と前記被測定試料中のPCBとを競争させ、前記被測定試料中のPCBと結合していない前記抗PCBモノクローナル抗体を検出することを含むことを特徴とするPCB測定方法である。
本発明によると、塩素数の異なる複数のPCB同族体の混合物、具体的には、油性試料中に含まれるカネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、KC−600:鐘淵化学工業社製)、及びアロクロール(Aroclor.1242、Aroclor.1248、Aroclor.1254、Aroclor.1260、Aroclor.1016、Aroclor.1262、Aroclor.1232:三菱モンサント(現三菱化学)製)中に存在比の高い複数のPCB同族体に交差反応性を有し、1〜10塩素化PCB全同族体のうち、3〜7塩素化PCB同族体に高い親和性を有する抗PCBモノクローナル抗体及びその製造方法、前記抗体を産生するハイブリドーマ、並びに前記抗PCBモノクローナル抗体を用いたPCB測定方法を提供することができる。
(抗PCBモノクローナル抗体)
<抗PCBモノクローナル抗体の製造方法>
本発明の抗PCBモノクローナル抗体は、下記一般式(I)で表されるビフェニル誘導体の異性体混合物(下記一般式(I)で表される化合物)からなるハプテンを用い、本発明の抗PCBモノクローナル抗体の製造方法により製造される。
ただし、前記一般式(I)中、nは1〜10の整数を表し、X及びYはそれぞれ0〜3の整数を表し、XとYとの和は1〜5の整数を表す。
なお、前記一般式(I)で表されるビフェニル誘導体の異性体混合物における異性体としては、例えば、4塩化ビフェニル及び5塩化ビフェニルのいずれかであることが好ましく、例えば、下記一般式(III)及び(IV)のいずれかで表される化合物などが挙げられる。
前記ビフェニル誘導体の異性体混合物におけるこれらの異性体の混合割合としては、特に制限はないが、例えば、前記ビフェニル誘導体の異性体混合物を後述のようにして製造する場合、4−フェニルフェノールに対する塩素化剤の添加量及び塩素原子の配向性から、前記一般式(III)の化合物が主要異性体となると考えられる。
前記一般式(I)で表されるビフェニル誘導体は、例えば、以下の反応式に従い製造することができる。
ただし、前記反応式中、Rは、直鎖状、分岐鎖状で炭素原子数1〜4の低級アルキル基を表し、nは1〜10の整数を表し、X及びYはそれぞれ0〜3の整数を表し、XとYとの和は1〜5の整数を表す。
前記一般式(I)で表される化合物は、単独では抗原性を持たないため、抗PCBモノクローナル抗体を作製するために、下記一般式(II)で表される化合物(下記一般式(II)で表されるビフェニル誘導体の異性体混合物)(以下、「コンジュゲート」ということがある)を調製し、これを免疫原(抗原)として用い、前記抗PCBモノクローナル抗体を作製することが好ましい。
ただし、前記一般式(II)中、nは1〜10の整数を表し、X及びYはそれぞれ0〜3の整数を表し、XとYとの和は1〜5であり、Zはタンパク質を表す。
前記一般式(II)中、Zで表されるタンパク質(「キャリアータンパク質」ということがある)としては、免疫原性を有し、かつ前記一般式(I)で表される化合物とスペーサー部(−O−(CH−CONH−)を介して連結可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スカシガイ由来ヘモシアニン(KLH)、卵白アルブミン(OVA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、ヒト血清アルブミン、ウサギ血清アルブミン、ヤギ血清アルブミン、ウシガンマグロブリン、ミオグロビン、Multiple antigen peptide(MAP)等が挙げられる。
前記一般式(II)で表される化合物(コンジュゲート)の調製方法としては、特に制限はなく、公知の合成方法により調製することができ、例えば、下記反応式に示すように、前記一般式(I)で表されるビフェニル誘導体のカルボキシル基を、N−ヒドロキシスクシンイミドなどの縮合反応により活性エステル誘導体に変換し、次いで、該活性エステル誘導体とキャリアータンパク質のアミノ基とを常法に従って結合させる方法などが挙げられる。
得られた前記一般式(II)で表される化合物(コンジュゲート)は、ゲルクロマトグラフィー等の公知の方法により反応液を生理的リン酸緩衝液などの中性溶液に置換すると共に精製することが好ましい。
前記一般式(II)中、Zで表されるタンパク質は、標識物質により標識されていてもよい。前記標識物質としては、例えば、酵素、蛍光色素、放射性同位元素、磁性体、色素封入ポリマー、希土類、補酵素、金コロイド、及び金原子クラスター等の公知の標識物質から適宜選択することができる。
前記抗PCBモノクローナル抗体は、例えば、前記一般式(II)で表される化合物を免疫原とし、該免疫原とアジュバントとを乳化させて得た乳化液を用いて動物を免疫し、免疫した前記動物の脾臓細胞を回収し、該脾臓細胞とミエローマ細胞とを融合して得たハイブリドーマを培養することにより製造される。
モノクローナル抗体の製造方法としては、例えば、ケーラーとミルシュタインの方法(Kohler G, Milstein C, Nature, 256,495-7(1975))等に準じて行うことが出来る。
免疫する前記動物としては、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ等の哺乳動物が好ましい。
前記動物の免疫方法としては、特に制限はなく、公知の方法から適宜選択することができ、例えば、前記免疫原とアジュバントとを乳化させて得た乳化液を、皮下、静脈内、腹腔内に、注射等により投与する方法などが挙げられる。
前記免疫原は、例えば、マウスの場合、0.01〜0.5g/匹を、2〜3週間程度の間隔で3〜15回投与することが好ましい。
前記アジュバントとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フロイントの完全アジュバント、不完全アジュバント、BCG、トレハロースダイマイコレート(TDM)、リポ多糖(LPS)、ミョウバンアジュバント、シリカアジュバント等が挙げられ、抗体の誘導能、動物への負荷等の関係から、最適なものを選択して使用することが好ましい。
前記免疫原の最後の投与から数日後に、免疫した前記動物から抗体産生細胞を回収する。前記抗体産生細胞としては、例えば、脾臓、リンパ節由来B細胞等が挙げられる。
前記抗体産生細胞をミエローマ細胞と融合し、その後所望の抗体を産生する融合細胞をスクリーニングすることにより、前記ハイブリドーマが得られる。
前記ミエローマ細胞は、特に限定されず、公知のものを使用できる。例えば、マウス、ラット、ヒト由来の細胞株等から選択することができ、マウス由来細胞であれば、P3−X63/Ag8、X63−Ag8.653、NS1/1.Ag 4 1、Sp210−Ag14、FO、NSO/U、MPC−11、MPC11−X45−GTG 1.7、S194/5XXO・Bul等、ラット由来細胞であれば、R210.RCY3、Y3−Ag・1.2.3、IR983F、4B210等が挙げられる。
前記抗体産生細胞とミエローマ細胞との融合方法としては、センダイウイルス法、ポリエチレングリコール法、プロトプラスト法等、当業者に公知の方法で行えばよく、特に限定されないが、ポリエチレングリコール法で融合させる方法が、細胞毒性も比較的少なく、融合操作も簡単であるという理由から好ましい。
前記所望の抗体を産生する融合細胞をスクリーニングする方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)、エンザイムイムノアッセイ(EIA、ELISA)、フルオロイムノアッセイ(FIA)などが挙げられる。
例えば、前記一般式(II)で表されるコンジュゲートを固相化し、前記融合細胞(ハイブリドーマ)の培養上清を反応させる事により、該培養上清の抗体価を測定し、抗体価が高いウエルを抗PCB抗体産生ウエルとして選択することができる。さらに、抗体価測定時にPCB代替化合物(例えば、前記一般式(I)で表されるビフェニル誘導体)やPCBs等を共存させる事より、これら共存物質に対し反応性の高いウエルを選択し、限界希釈法にて目的の抗PCB抗体産生ハイブリドーマのモノクローン化を行うことができる。
また、前記一般式(II)で表されるコンジュゲート中、Zで表されるタンパク質を標識物質により標識し、これを抗PCB抗体産生ウエルの抗体価の測定時に共存させ、直接競合反応を行う方法によって抗PCB抗体産生ハイブリドーマをスクリーニングすることもできる。
前記抗PCB抗体の測定対象であるPCBは水に難溶であるため、両親媒性溶媒に溶解させて測定に供せられる。このため、前記抗PCB抗体は、試料中に存在する前記両親媒性溶媒に対する耐性を有することが好ましい。よって、前記抗PCB抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングも前記両親媒性溶媒存在下で行うことが好ましい。
前記両親媒性溶液としては、DMSO、メタノール、エタノール等が挙げられる。
前記スクリーニングに用いられる前記両親媒性溶液の濃度としては、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。
前記抗PCB抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングに用いられるセンサとしては、SPR(表面プラズモン)センサ、QCM(水晶振動子)センサ、光学的センサ、電気化学的センサ等のトランスデューサーのセンサ官能部へ、前記一般式(I)で表されるビフェニル誘導体、又は前記一般式(II)で表されるビフェニル誘導体とキャリアータンパク質とのコンジュゲートを固定化したものなどが挙げられる。
また、予め前記融合細胞の培養上清にPCB等を添加して反応させたものを、前記センサ官能部に接触させてスクリーニングを行うこともできる。この場合、前記官能部に結合した抗体量を評価することにより、種々のトランスデューサーでのPCB測定への適用が可能な、高親和性を有する抗PCB抗体産生ハイブリドーマを選抜することができる。
前記抗PCB抗体産生ハイブリドーマとしては、PCBを認識する本発明の抗PCBモノクローナル抗体を産生する限り、特に限定されないが、上記の方法により作製され、樹立されたものが好ましく、具体的には、後述する実施例に示すような、WR3F6株、VT5E4株、Qs4A1株、Kr5A5株などが挙げられる。
これらの内、前記WR3F6株は、下記一般式(II)に示す化合物を用いて作製されたハイブリドーマであり、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに平成18年10月26日付で、受託番号FERM P−21073として寄託されている。
前記抗PCBモノクローナル抗体は、例えば、前記抗PCB抗体産生ハイブリドーマ細胞株を、予めプリスタン(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン)を投与したマウスの腹腔内に移植して培養し、10〜14日後に抗PCBモノクローナル抗体を含む腹水を回収し、得られた腹水から得ることができる。
また、前記ハイブリドーマを、培地(例えば、10%ウシ胎児血清を含むDMEM等)を用いて培養し、得られた培養液の上清を、抗PCBモノクローナル抗体溶液とすることができる。
前記腹水、又はウシ胎児血清含培地より得た前記抗PCB抗体産生ハイブリドーマ細胞株培養液上清から、前記抗PCBモノクローナル抗体を精製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法から適宜選択することができ、例えば、限外ろ過、塩析、イオン交換クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等により精製することができる。
<抗PCBモノクローナル抗体の評価>
本発明の抗PCBモノクローナル抗体は、前記本発明の抗PCBモノクローナル抗体の製造方法により製造され、塩素数の異なる二種以上のPCB同族体に交差反応性を有する。また、前記抗PCBモノクローナル抗体は、1〜10塩素化PCB全同族体のうち、3〜7塩素化PCB同族体に対する親和性が高いことが好ましい。
前記抗PCBモノクローナル抗体の親和性は、例えば、前記抗PCBモノクローナル抗体のPCBとの結合を50%阻害する抗原濃度(IC50値)により評価することができるため、前記交差反応性は、例えば、塩素数の異なる二種以上のPCB同族体について、それぞれのIC50値を求め、それらの比を求めることにより評価することができる。
前記IC50値の算出方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、蛍光光度計による測定データを、下記数式(1)で表される近似式に当てはめて求めることにより解析することができる。
前記数式(1)中、yは、抗原を加えなかったときの蛍光強度の値を100%とした時の相対的な蛍光強度を表し、xは、抗原濃度を表し、P1とP2は、近似のパラメータを表す。
測定データは、抗原を加えなかったときの蛍光強度の値を100%として相対値に変換した後、グラフ作成ソフトウェア(例えば、Origin version 6.0(OriginLab製)等)を用いて最適なP1及びP2を決定する。
このようにして得られた近似式を、前記抗体と前記抗原との結合曲線とし、y=50%となるときのxの値(=P1)をIC50値とする。
なお、IC50値に対して抗体濃度が十分に小さい時(例えば、10分の1以下の時)、IC50値と平衡解離定数(Kd)がほぼ一致することが知られている。
前記抗PCBモノクローナル抗体の塩素数の異なるPCBに対する特異性は、例えば、カネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、KC−600)やアロクロール(Ar−1242、Ar−1248、Ar−1254、Ar−1260、Ar−1016、Ar−1262、Ar−1232、Ar−1221)等を被測定試料として用い、評価することができる。
前記カネクロール、前記アロクロールは、それぞれ下記表1及び図6に示す比率で異なる塩素数のPCBを含有しているが、例えば、本発明の抗PCBモノクローナル抗体は、塩素数の異なる二種以上のPCB同族体に交差反応性を有し、1〜10塩素化PCB全同族体のうち、3〜7塩素化PCB同族体に高い親和性を有するため、中でも、Ar−1221を除く、その他のカネクロール及びアロクロール(KC−300、KC−400、KC−500、KC−600、Ar−1242、Ar−1248、Ar−1254、Ar−1260、Ar−1016、Ar−1262及びAr−1232)に対して高い特異性を示す。
(出典:高菅卓三ら、「各種クリーンアップ法とHRGC/HRMSを用いたポリ塩化ビフェニル(PCBs)の全異性体詳細分析方法」,環境化学,Vol.5,No.3,pp.647−675,1995)
(PCB測定方法)
本発明のPCB測定方法は、本発明の抗PCBモノクローナル抗体を用いる方法であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記抗PCBモノクローナル抗体を用い、試料中のPCBを免疫学的に検出、定量する方法、具体的には、ラジオイムノアッセイ(RIA)、エンザイムイムノアッセイ(EIA、ELISA)、フルオロイムノアッセイ(FIA)、免疫クロマトグラフィー、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、免疫比濁法(TIA)、ラテックス免疫比濁法(LTIA)、結合平衡除外法等が挙げられる。
前記PCB測定方法としては、非競合法、競合法(間接競合法あるいは直接競合法)、結合平衡除外法等が挙げられ、具体的には、下記(I)〜(III)の方法等が挙げられる。
(I)前記被測定試料に、本発明の抗PCBモノクローナル抗体を添加し、
(1)前記抗PCBモノクローナル抗体と結合した前記被測定試料中のPCB、及び
(2)前記被測定試料中のPCBと結合していない前記抗PCBモノクローナル抗体
のいずれかを検出する方法を含むPCB測定方法。
(II)前記被測定試料に、本発明の抗PCBモノクローナル抗体、並びに、前記一般式(I)及び前記一般式(II)のいずれかで表される化合物をPCB競合物質として添加し、前記抗PCBモノクローナル抗体と結合した前記競合物質を検出することを含むPCB測定方法。
(III)前記被測定試料に、本発明の抗PCBモノクローナル抗体を添加し、前記一般式(II)で表される化合物をPCB競合物質として固定化した担体を用い、前記PCB競合物質と前記被測定試料中のPCBとを競争させ、前記被測定試料中のPCBと結合していない前記抗PCBモノクローナル抗体を検出することを含むPCB測定方法。
以下、前記間接競合法及び前記結合平衡除外法の一例をより具体的に説明する。
前記間接競合法及び前記結合平衡除外法において、担体に固定化する抗原(以下、「固定化抗原」という)としては、例えば、前記一般式(I)で表されるビフェニル誘導体を含む化合物、及び前記一般式(II)で表される化合物等が挙げられる。
前記間接競合法及び前記結合平衡除外法は、前記固定化抗原を前記担体上に固定化し、前記担体の前記固定化抗原が結合していない部分をブロッキング剤でブロッキングする。次いで、該担体に被測定試料と前記抗PCBモノクローナル抗体とを加え、前記固定化抗原と前記被測定試料中のPCBとを前記抗PCBモノクローナル抗体に対して前記間接競合法においては競合反応させ、前記結合平衡除外法においては結合平衡除外化反応させる。
前記固定化担体と結合しなかった前記抗PCBモノクローナル抗体を洗浄除去した後、二次抗体として標識した抗体を加え、前記固定化抗原と結合した抗PCBモノクローナル抗体と結合させ、洗浄を行った後、前記標識の発色又は発光を測定する。また、二次抗体を使用せず、前記抗PCBモノクローナル抗体を直接標識して用いても良い。得られた吸光度や光強度について、試料を添加しない場合の値に対する減少率を求め、これを阻害率とし、既知の濃度のPCBを添加したときの阻害率からあらかじめ求めておいた検量線を用い、前記試料中のPCB濃度を算出することができる。
前記標識としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酵素としてペルオキシダーゼを用い、基質に過酸化水素、発色剤にo−フェニレンジアミンやテトラメチルベンジジンを使用する場合、及び、酵素としてアルカリフォスファターゼを用い、基質にp−ニトロフェニルリン酸を使用する場合には、発色を吸光度で測定することができる。一方、基質の反応生成物が蛍光である場合や、蛍光物質を用いて標識されている場合には、蛍光光度計等を用いて蛍光を測定することができる。また、化学発光物質を用いる場合には、発光を化学発光測定器等により測定することができ、金コロイドを用いる場合には、透過光度等を透過光量測定器等により測定することができる。
前記被測定試料としては、例えば、被験物質中のPCBを、ジメチルスルホキシド(DMSO)やアルコール系溶媒等の極性溶媒で液−液抽出してなる試料、及び前記被験物質中のPCBを極性溶媒で液−液抽出し、抽出された前記PCBを含む前記極性溶媒を吸着剤で固相抽出し、前記吸着剤に吸着した成分を所望の溶媒に転溶させてなる試料、並びに前記被験物質にノルマルヘキサン、シクロヘキサン、トルエン等の低極性溶媒を加え、前記被験物質中のPCBを親水性溶媒で抽出してなる試料などが挙げられる。
前記液−液抽出において、前記被験物質と前記極性溶媒との混合比(質量比)としては、例えば、(前記被験物質):(前記極性溶媒)=1:1〜:1:10が好ましい。
前記被験物質としては、少なくともPCBを含む可能性がある物質(PCB汚染物)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、絶縁油、絶縁油以外の油(例えば、植物油、動物油、合成油、鉱物油等)、工場排水、土壌、排ガス、動物の血液や体液、絶縁油の処理作業等において使用した部材等の廃棄物などが挙げられる。これらの中でも、絶縁油が好適に挙げられる。
前記絶縁油としては、脱塩素化処理等のPCB分解処理を行った後の絶縁油も好適に挙げられる。
前記被測定試料中の極性溶媒の濃度としては、前記抗PCBモノクローナル抗体のPCBに対する前記親和性が著しく劣化しない限り、特に制限はなく、例えば、1〜20質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。
なお、本発明の抗PCBモノクローナル抗体は、20質量%の極性溶媒を含む被測定試料溶液中において、PCBsに対し70〜90%の親和性を有する。
本発明の抗PCBモノクローナル抗体は、カネクロールやアロクロールに含まれる複数の塩素が置換されたPCBに対し親和性を有するため、環境試料中、工業製品中、生物試料中に含まれるPCBの迅速かつ再現性の良い分析が可能となり、前記抗PCBモノクローナル抗体を用いたPCB測定方法は、PCBsの迅速なモニタリングや分析技術として好適である。
また、SPR(表面プラズモン)センサ、QCM(水晶振動子)センサ、光学的センサ、電気化学的センサ等のトランスデューサーを使用した系において、センサ官能部へ、本発明の抗PCBモノクローナル抗体、又は前記ビフェニル誘導体等を固定化して、免疫センサとして使用することができる。
さらに、本発明の抗PCBモノクローナル抗体を固定化した担体は、PCBの効率的濃縮や除去に適用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではなく、本技術分野において行われるこれらに対する通常の改変及び修飾を含むものとする。
(実施例1:抗PCBモノクローナル抗体の製造)
(1)ビフェニル誘導体の異性体混合物、及びコンジュゲートの調製
下記反応式に従い、4−フェニルフェノールに、スペーサー分子を導入したハプテンとしてのビフェニル誘導体(下記反応式中、化合物3)を調製し、さらにキャリアータンパク質と結合させてなるコンジュゲート(下記反応式中、化合物5)を合成した。
4−フェニルフェノール511mg(3.0mmol)に、トリフルオロ酢酸4mLを加え、氷冷下、用事調製したN−クロロモルホリン1.20g(9.90mmol)を滴下した。同温にて30分間撹拌した後、室温まで昇温し、さらに1時間撹拌した。その後、蒸留水を加え、水酸化ナトリウム水溶液で反応液を中和した。有機層をジクロロメタンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(ジクロロメタン:ヘキサン=1:10で溶出)し、塩素化異性体混合物として前記反応式中の化合物1を619mg得た。
前記化合物1 515mgを無水N,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、炭酸カリウム390mg(2.82mmol)、次いで6−ブロモへキサン酸エチルエステル630mg(2.82mmol)を加え、60℃に加温し、17時間撹拌した。反応後、室温まで放冷した後、蒸留水を加え、有機層をジクロロメタンで抽出し、飽和食塩水で洗浄後、溶媒を減圧下に留去し、塩素化異性体混合物として前記反応式中の化合物2を得た。前記化合物2は、これ以上精製せずに次の反応に用いた。
前記化合物2を、ジオキサン10mL、メタノール12.5mLに溶解させ、10N水酸化ナトリウム水溶液2.5mLを加え、室温にて2時間撹拌した。反応後、6N塩酸で反応液を弱酸性にし、有機層をジクロロメタンで抽出した。飽和食塩水で洗浄した後、溶媒を減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(ジクロロメタンで溶出)し、塩素化異性体混合物として前記反応式中の化合物3を484mg得た。
次に、前記化合物3 384mg、及びN-ヒドロキシスクシンイミド137mg(1.19mmol)を、無水N,N−ジメチルホルムアミド2mLに溶解した。この反応液にトリエチルアミン207μL(1.49mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩285mg(1.49mmol)を加え、室温で14時間撹拌した。反応後、蒸留水を加え、有機層をジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、溶媒を減圧下に留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(ジクロロメタンで溶出)し、塩素化異性体混合物として、前記反応式中の化合物4を361mg得た。
前記化合物4を、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、50mMリン酸緩衝液(pH8.0)に溶解したBSA溶液、又はKLH溶液に氷冷撹拌下に滴下し、室温にて一晩撹拌した。反応液をPBS(−)で平衡化したセファデックスカラムに添加し、同緩衝液で展開して、キャリアータンパク質を分離し、コンジュゲート(前記反応式中の化合物5)を精製した。
(2)マウスの免疫
得られたコンジュゲートを免疫原として、マウスを免疫した。
前記化合物5と、アジュバントRAS R−700(RIBI社)とを1:1容量に混合して十分に乳化させ、得られた乳化液をBALB/cマウス(6〜8週齢、雌)の腹腔内に200μL投与する事によりマウスを免疫感作した。
追加免疫は、約2〜3週間間隔で行い、追加免疫から1週間経過後に尾静脈より採血し、ELISA法により血中抗体価を測定して抗体価の推移を観察した。
(3)ハイブリドーマの作製
血中に免疫原に対する高い抗体産生が認められたマウス尾静脈内に、さらに免疫原を投与して最終免疫を行った。最終免疫から3日後に、免疫した前記マウスより脾臓を摘出し、脾臓細胞を調製し、対数増殖期にあるミエローマ細胞(P3−X63−Ag8.653あるいはSp2/O)と脾臓細胞を1:5になるように混合し、ポリエチレングリコール(PEG)法にて細胞融合を行った。融合後の細胞を、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジン)添加の10%FCS含有RPMI1640培地中に懸濁させ、脾臓細胞数で1〜2×105細胞/ウエルになるように96ウエル培養プレートに播種し、37℃、5%CO下で培養した。
(4)抗体産生ハイブリドーマのスクリーニング及びクローニング
細胞融合より7〜10日後に、クローンの増殖が見られたウエルの培養上清を用いてELISA法にて抗体価を測定した。
(5)抗体産生ハイブリドーマのスクリーニング(抗体価の測定)
マイクロタイタープレート(CORNING社製)の各ウエルに、0.25〜1μg/mLの各免疫原のPBS(−)希釈溶液(50μL)を加え、室温で1時間静置して固相化した。また、前記コンジュゲート中のキャリアータンパク質に対する抗体産生クローンを除外する為に、BSA又はKLHを固定化したウエルを対照として用いた。
0.05%Tween 20を含むPBS(−)(洗浄液)300μLで各ウエルを3回洗浄した後、ブロックエース粉末(雪印社製、UK−B80)4gを100mLの精製水にて溶解させたのち精製水で4倍希釈して調製した溶液(300μL)をウエルに添加し、室温で2時間静置してブロッキングを行った。ウエルを洗浄液(300μL)で3回洗浄後、25μLの20%DMSO、0.01%Titon−X100、及び1次抗体を含む培養上清(25μL)を各ウエルに添加して混和した後、室温条件下で10〜30分間静置して抗原抗体反応を行わせた。
次いで、洗浄液(300μL)で各ウエルを3回洗浄した後、固相化した各免疫原に結合した1次抗体を検出するために、精製水で10倍希釈したブロックエース溶液にて3,000倍希釈に調製した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG(γ鎖認識)(KPL社製)を2次抗体溶液として加えて(50μL)、室温で1時間反応させた。ウエルを洗浄液300μLで同様に3回洗浄した後、3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン(TMB)溶液(KPL社製)を各ウエルに加え、室温条件下にて発色反応を行った。
5〜15分間後に1Mリン酸50μLを加えて反応停止し、マイクロプレートリーダー(マルチスキャンMS、Labsystems社製)にて直ちに540nmの吸光度を測定した。
各免疫原を固定化したウエルと対照ウエルとの吸光度差を、前記免疫原に対する抗体の結合活性とした。
(6)間接競合法による特異抗体産生クローンの選抜
前記(5)に従い、マイクロタイタープレートの各ウエルに各免疫原を固相化し、洗浄ののち精製水で4倍希釈したブロックエース溶液300μLをウエルに添加し、室温で2時間静置してブロッキングを行った。ウエルを洗浄液300μLで3回洗浄した。
次いで、いずれも溶媒終濃度が0.01%Titon−X100含有20%DMSOとなるように調製した(i)各免疫原、(ii)個々のPCB同族体、(iii)4種類のカネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、KC−600)、(iv)4種類のカネクロールの等量混合物(KC−Mix)、及び(v)対照(20%DMSO及び0.01%Titon−X100)を用意し、各々25μLを、免疫原固相化プレートの各ウエルに加えた。
次に、ハイブリドーマ培養上清(25μL)ウエル内に添加して混和した後、室温条件下で10〜30分間静置して抗原抗体反応を行わせた。
洗浄液300μLで各ウエルを3回洗浄した後、固相化免疫原に結合した1次抗体を検出するために精製水で10倍希釈したブロックエースにて3,000倍希釈に調製した西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG(γ鎖認識)を2次抗体溶液として50μL加え、室温条件下で1時間反応させた。
ウエルを洗浄液300μLで同様に3回洗浄したのち、TMB溶液を各ウエルに加えて室温で発色反応を行った。5〜15分間後に1Mリン酸50μLを加えて反応停止し、マイクロプレートリーダー(マルチスキャンMS、Labsystems社製)にて直ちに450nmの吸光度を測定した。対照ウエルの吸光度値(コントロールOD;B0)に対するPCB、カネクロール等共存下のウエル吸光度値(B)の割合(B/B0)を算出し、共存物質に対する抗体の反応性を判断した。PCBに対する結合活性が高く、かつ継続的に高い抗体産生が確認されたウエルのハイブリドーマを選抜し、限界希釈法によるクローニングに供した。
(7)トランスデューサーへの適応性可能性を有するクローンの選抜
前記(6)にて選抜した前記ハイブリドーマのうち、1回以上クローニングを実施したハイブリドーマを、更に蛍光分析に基づくイムノセンサ(KinExA 3000,Sapidyne製)を用いて選抜を行った。
拡大培養したクローン培養上清を、予め5%DMSO、0.1w/v%BSA含有PBS(−)の溶媒中でCy5標識抗マウスIgG(Jackson社製)と室温条件下で2時間以上反応させたのち、4〜800倍の範囲に希釈し、トランスデューサーに供した。
センサ官能部に固定化した前記化合物5に対し、Cy5で標識された抗体を含むハイブリドーマ培養上清を0.75mL/分の流速で約0.5mL通過させた。
非特異的に結合した抗体や夾雑物質を5%DMSO、0.1w/v%BSA含有PBS(−)溶液にて洗浄後、得られたCy5由来の蛍光強度をセンサ官能部に結合した抗体量として検出した。
さらに、PCB共存下にクローン培養上清をCy5標識抗マウスIgGと反応させた後、同様に前記センサ官能部へ送液した場合に検出される蛍光強度を基に、PCBへの高親和性を示す抗体産生クローンを取得した。
以上の方法により、PCBに高い反応性を示す抗PCBモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ(WR3F6、VT5E4、Qs4A1、Kr5A5)を樹立した。この内、ハイブリドーマWR3F6は、平成18年10月26日に、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託され、受託番号としてFERM P−21073を取得している。
(8)モノクローナル抗体の大量調製と精製
8週齢を超えるBALB/cマウスの腹腔内へ、プリスタン[2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン(和光純薬)](0.5mL)を投与し、2〜3週間飼育した。予め、対数増殖期に維持しておいた抗PCBモノクローナル抗体産生ハイブリドーマWR3F6の培養液を回収し、遠心分離にて培養上清を除いたのち、FCS不含のRPMI1640にて沈査を1×10細胞/0.5mLになるよう細胞液を調製した。
この細胞液をプリスタン前投与のBALB/cマウス腹腔中に移植し、10〜14日後に腹腔内に漏出した腹水を腹部より25Gのシリンジを装着した注射器で回収した。
採取した腹水を、ポアサイズ0.22μm径のフィルターを用いてろ過後、得られたろ液をプロテインG−セファロースカラム(Amersham Bionsiens社製)を用いたアフィニティクロマトグラフィーによって精製し、前記抗PCBモノクローナル抗体を得た。
(9)アイソタイプ分析
固相化抗原として下記構造式(II)で表される化合物を用い、マウスタイパーキット(BIO−RAD社製)を用いて前記抗PCBモノクローナル抗体のアイソタイプ分析を行った。
この結果、前記抗PCBモノクローナル抗体産生ハイブリドーマWR3F6によって生産された前記抗PCBモノクローナル抗体のH鎖はIgG1、L鎖はκであった。
(実施例2:蛍光分析に基づくイムノセンサ(KinExA 3000)による標準曲線の作成1)
前記抗PCBモノクローナル抗体WR3F6を用い、カネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、KC−600)に対する親和性、交差反応性を評価した。
N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル基が導入されたアガロースビーズ(Amersham Bioscience社製)に、前記化合物5(ビフェニル誘導体とキャリアータンパク質とのコンジュゲート)を共有結合にて結合させ、BSA溶液でブロッキングを行い、抗体結合用担体とした。
終濃度0.5nMの実施例1で得られた抗PCBモノクローナル抗体WR3F6を、終濃度0.05〜20ng/mLになるように調製したカネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、KC−600)(GLサイエンス社製)の溶液とそれぞれ反応させたのち、抗体結合担体へ流速0.25mL/分で作用させた。その後、蛍光物質Cy5(登録商標)で標識された2次抗体(ヤギ抗マウスIgG抗体、ImmunoResarch Laboratories社)を抗体結合担体へ流速0.25mL/分で作用させた。
次いで、5%DMSO,0.1w/v%BSA含有PBS(−)を流速0.25mL/分で通過させ、担体への非特異的結合を排除したのち蛍光強度を測定した。カネクロールを添加しない抗体溶液の示す蛍光量をコントロール(B0)値とし、B0値に対するカネクロール添加により低下した蛍光量(B)の割合(B/B0)を、カネクロール濃度に対しプロットしたところ、いずれのカネクロールに対しても、検出下限値(IC85)は約14〜22pptを示し、極めて高感度な抗体である事が確認された。
また、KC−400に対する反応性が高い傾向が観察されたものの、KC−300、KC400、KC−500、及びKC−600の標準曲線はほぼ一致したことから、前記抗PCBモノクローナル抗体を用いることにより、4種類のカネクロールに対し、同程度の反応性を有するPCB測定系を構築できることがわかった。結果を図1に示す。
該抗体WR3F6は評価に使用した4種類のカネクロールのうち、KC−400に最も強い反応性を示し、次いで、KC−500、KC−300、KC−600の順で反応性を示した。反応性に差異はあったものの、いずれのカネクロールに対してもppbレベルの感度を有し、本発明の抗PCBモノクローナル抗体WR3F6は、塩素数の異なる二種以上のPCB同族体に交差反応性を示すとともに、1〜10塩素化PCB全同族体のうち、存在比の高い3〜7塩素化PCB同族体に高い親和性を有し、高い検出感度を示すことがわかった。結果を表2に示す。
(実施例3:蛍光分析に基づくイムノセンサ(KinExA 3000)による標準曲線の作成2)
前記抗PCBモノクローナル抗体WR3F6を用い、アロクロール(Ar−1242、Ar−1248、Ar−1254、Ar−1260、Ar−1016、Ar−1262、Ar−1232、Ar−1221)に対する親和性、交差反応性を評価した。
N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル基が導入されたアガロースビーズ(Amersham Bioscience社製)に、前記化合物5(ビフェニル誘導体とキャリアータンパク質とのコンジュゲート)を共有結合にて結合させ、BSA溶液でブロッキングを行い、抗体結合用担体とした。
終濃度0.5nMの実施例1で得られた抗PCBモノクローナル抗体WR3F6を、終濃度0.05〜20ng/mLになるように調製したアロクロール(Ar−1242、Ar−1248、Ar−1254、Ar−1260、Ar−1016、Ar−1262、Ar−1232、Ar−1221)(和光純薬より購入)の溶液とそれぞれ反応させたのち、抗体結合担体へ流速0.25mL/分で作用させた。その後、蛍光物質Cy5(登録商標)で標識された2次抗体(ヤギ抗マウスIgG抗体、ImmunoResarch Laboratories社)を抗体結合担体へ流速0.25mL/分で作用させた。
次いで、5%DMSO,0.1w/v%BSA含有PBS(−)を流速0.25mL/分で通過させ、担体への非特異的結合を排除したのち蛍光強度を測定した。アロクロールを添加しない抗体溶液の示す蛍光量をコントロール(B0)値とし、B0値に対するアロクロール添加により低下した蛍光量(B)の割合(B/B0)を、アロクロール濃度に対しプロットしたところ、調べたアロクロールのうち、1塩素又は2塩素化PCB同族体を中心として構成されるAr−1221を除く、Ar−1242、Ar−1248、Ar−1254、Ar−1260、Ar−1016、Ar−1262、Ar−1232に対して、検出下限値(IC85)は約14〜30pptを示し、極めて高感度な抗体である事が確認された。
また、3〜7塩素化PCB同族体から構成されるAr−1254、Ar−1248、Ar−1260、Ar−1016及びAr−1262の標準曲線が、ほぼ一致したことから、前記抗PCBモノクローナル抗体を用いることにより、これら5種類のアロクロールに対し、同程度の反応性を有するPCB測定系を構築できることがわかった。また、Ar−1242とAr−1232に対しては、Ar−1254、Ar−1248、Ar−1260、Ar−1016及びAr−1262に比して若干弱い親和性を示した。1塩素又は2塩素のビフェニルを中心として構成されるAr−1221に対しては、他のアロクロールに比して明らかに弱い親和性を示した。標準曲線結果を図2に示す。
また、前記イムノセンサにより評価した抗PCBモノクローナル抗体WR3F6のアロクロール(Ar−1242、Ar−1248、Ar−1254、Ar−1260、Ar−1016、Ar−1262、Ar−1232、Ar−1221)の交差反応性を表3に示す。本発明の抗PCBモノクローナル抗体WR3F6は、評価に使用したアロクロールのうち、Ar−1221以外、いずれのアロクロールに対しても高い感度を有し、塩素数の異なる二種以上のPCB同族体に交差反応性を示すとともに、1〜10塩素化PCB全同族体のうち、存在比の高い3〜7塩素化PCB同族体に高い親和性を有し、高い検出感度を示すことがわかった。
(実施例4:蛍光分析に基づくイムノセンサ(KinExA 3000)による標準曲線の作成3)
前記抗PCBモノクローナル抗体(VT5E4、Qs4A1、Kr5A5)を用い、カネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、KC−600)に対する親和性、交差反応性を評価した。
N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル基が導入されたアガロースビーズ(Amersham Bioscience社製)に、前記化合物5(ビフェニル誘導体とキャリアータンパク質とのコンジュゲート)を共有結合にて結合させ、BSA溶液でブロッキングを行い、抗体結合用担体とした。
終濃度0.5nMの実施例1で得られた抗PCBモノクローナル抗体(VT5E4、Qs4A1、Kr5A5のうちのいずれか)を、終濃度0.05〜20ng/mLになるように調製したカネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、KC−600)(GLサイエンス社製)の溶液とそれぞれ反応させたのち、抗体結合担体へ流速0.25mL/分で作用させた。その後、蛍光物質Cy5(登録商標)で標識された2次抗体(ヤギ抗マウスIgG抗体、ImmunoResarch Laboratories社)を抗体結合担体へ流速0.25mL/分で作用させた。
次いで、5%DMSO、0.1w/v%BSA含有PBS(−)を流速0.25mL/分で通過させ、担体への非特異的結合を排除したのち蛍光強度を測定した。カネクロールを添加しない抗体溶液の示す蛍光量をコントロール(B0)値とし、B0値に対するカネクロール添加により低下した蛍光量(B)の割合(B/B0)を、カネクロール濃度に対しプロットした結果を図3〜5に示す。なお、図3はVT5E4の結果を、図4はQs4A1の結果を、図5はKr5A5の結果を、それぞれ示す。
前記抗体(VT5E4、Qs4A1、Kr5A5)は評価に使用した4種類のカネクロールのそれぞれに反応性を示した。VT5E4は、KC300に最も強い反応性(検出下限値(IC85)は約5.7)を示し、次いで、KC−400、KC−500、KC−600の順で反応性を示した。Qs4A1は、KC600に最も強い反応性(検出下限値(IC85)は約30)を示し、次いで、KC−500、KC−400、KC−300の順で反応性を示した。Kr5A5は、KC400に最も強い反応性(検出下限値(IC85)は約14)を示し、次いで、KC−300、KC−500、KC−600の順で反応性を示した。それぞれ、反応性に差異はあったものの、いずれのカネクロールに対してもppbレベルの感度を有し、本発明の抗PCBモノクローナル抗体(VT5E4、Qs4A1、Kr5A5)は、塩素数の異なる二種以上のPCB同族体に交差反応性を示すとともに、1〜10塩素化PCB全同族体のうち、存在比の高い3〜7塩素化PCB同族体に高い親和性を有し、高い検出感度を示すことがわかった。結果を表4から6に示す。なお、表4はVT5E4の結果を、表5はQs4A1の結果を、表6はKr5A5の結果を、それぞれ示す。
本発明の抗PCBモノクローナル抗体WR3F6、VT5E4、Qs4A1、Kr5A5は、極性溶媒存在下においてPCBとの結合性が低下することなく、塩素数の異なる複数のPCB同族体の混合物、具体的には、油性試料中に含まれるカネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、KC−600:鐘淵化学工業社製)、及びアロクロール(Aroclor.1242、Aroclor.1248、Aroclor.1254、Aroclor.1260、Aroclor.1016、Aroclor.1262、Aroclor.1232:三菱モンサント(現三菱化学)製)中に存在比の高い複数のPCB同族体に交差反応性を有し、1〜10塩素化PCB全同族体のうち、存在比の高い3〜7塩素化PCB同族体に高い親和性を有するため、組成が未知の絶縁油等、PCBを含有する可能性のある検査対象を、最小限の誤差で高感度に検出、定量することができる。
本発明の抗PCBモノクローナル抗体を用いたPCB測定方法は、廃棄物処理後のPCB残留濃度、環境中のPCB濃度等の検査に好適に使用することができる。
図1は、実施例1においてイムノセンサにより評価した、抗PCBモノクローナル抗体WR3F6によるカネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、及びKC−600)の阻害曲線(n=3)である。図1中、「●」はKC−300、「▲」はKC−400、「■」はKC−500、及び「◆」はKC−600の結果をそれぞれ示す。 図2は、実施例2においてイムノセンサにより評価した、抗PCBモノクローナル抗体WR3F6によるアロクロール(Ar−1242、Ar−1248、Ar−1254、Ar−1260、Ar−1016、Ar−1262、Ar−1232、Ar−1221)の阻害曲線(n=3)である。図2中、「●」はAr−1242、「▲」はAr−1248、「■」はAr−1254、及び「◆」はAr−1260、「○」はAr−1016、「△」はAr−1262、「□」はAr−1232、及び「◇」はAr−1221の結果をそれぞれ示す。 図3は、実施例1においてイムノセンサにより評価した、抗PCBモノクローナル抗体VT5E4によるカネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、及びKC−600)の阻害曲線(n=3)である。図3中、「●」はKC−300、「▲」はKC−400、「■」はKC−500、及び「◆」はKC−600の結果をそれぞれ示す。 図4は、実施例1においてイムノセンサにより評価した、抗PCBモノクローナル抗体Qs4A1によるカネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、及びKC−600)の阻害曲線(n=3)である。図4中、「●」はKC−300、「▲」はKC−400、「■」はKC−500、及び「◆」はKC−600の結果をそれぞれ示す。 図5は、実施例1においてイムノセンサにより評価した、抗PCBモノクローナル抗体Kr5A5によるカネクロール(KC−300、KC−400、KC−500、及びKC−600)の阻害曲線(n=3)である。図5中、「●」はKC−300、「▲」はKC−400、「■」はKC−500、及び「◆」はKC−600の結果をそれぞれ示す。 図6は、各アロクロールのPCB同族体組成を示す図である(出典:廃棄物処理法新処理基準に基づくPCB処理技術ガイドブック、編集:財団法人産業廃棄物処理事業振興財団、発行:株式会社ぎょうせい、平成17年8月1日刊)。

Claims (3)

  1. 受託番号がFERM P−21073であるハイブリドーマを培養することを特徴とする抗PCBモノクローナル抗体の製造方法。
  2. 受託番号がFERM P−21073であるハイブリドーマを培養して得られたことを特徴とする抗PCBモノクローナル抗体。
  3. 被測定試料に、請求項2に記載の抗PCBモノクローナル抗体を添加し、
    (1)前記抗PCBモノクローナル抗体と結合した前記被測定試料中のPCB、及び
    (2)前記被測定試料中のPCBと結合していない前記抗PCBモノクローナル抗体
    のいずれかを検出する方法を含むことを特徴とするPCB測定方法。
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