JP5639513B2 - Pcb抽出装置、並びにこれを用いた、pcb検出装置及びpcb検出方法 - Google Patents

Pcb抽出装置、並びにこれを用いた、pcb検出装置及びpcb検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、キャピラリーカラムを利用したPCB抽出装置、並びにこれを用いた、PCB検出装置及びPCB検出方法に関する。
ポリ塩化ビフェニル(polychlorinated biphenyl,PCB)は、かつて電気絶縁材などとして使用されていた。生体に対する毒性が高いことから、1973年にその製造及び使用が禁止されたが、現在使用している重電機器の絶縁油に微量のPCBが混入している可能性が報告されたことにより(例えば、非特許文献1参照)、その汚染判定に有用な判定法の開発が急務となっている。
このようなPCBの汚染判定に有用な測定法としては、ガスクロマトグラフィーに続く質量分析や電子捕獲検出などが用いられている(例えば、非特許文献2及び3参照)。しかしながら、測定に長時間を要し、費用も高価であることから、より迅速かつ安価な測定法が要求されている。また、現行法ではバッチ式を用いており、PCB抽出操作における前処理においてPCBを濃縮して抽出することができないという問題がある。
したがって、PCB抽出操作における前処理から測定までのプロセスをフロー式とすることにより、PCB抽出に必要な試薬量の大幅な低減による低コスト化、PCB抽出処理の簡便化、迅速化、高効率化等を実現することができるPCB抽出装置、並びにこれを用いた、PCB検出装置及びPCB検出方法の開発が強く求められているのが現状である。
低濃度PCB汚染物対策検討委員会 原因究明ワーキンググループ、低濃度PCB汚染物に関する原因究明調査報告書 概要(2005) 絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル(第2版) 平成12年12月28日厚生省告示第633号で改正された平成4年7月3日厚生省告示第192号の別表第二「特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物に係る基準の検定方法」
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、PCB抽出に必要な試薬量の大幅な低減による低コスト化、PCB抽出処理の簡便化、迅速化、高効率化等を実現することができるPCB抽出装置、並びにこれを用いた、PCB検出装置及びPCB検出方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、絶縁油中に含まれるPCBを抽出するに際し、前記絶縁油を分解する第1のキャピラリーカラムと、前記第1のキャピラリーカラムにより分解された前記絶縁油からPCBを抽出する第2のキャピラリーカラムとを用いることにより、前記PCB抽出に必要な試薬量の大幅な低減による低コスト化、PCB抽出処理の簡便化、迅速化、高効率化等を実現することができることを知見し、本発明の完成に至った。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 絶縁油中に含まれるポリ塩化ビフェニル(PCB)を抽出するPCB抽出装置であって、前記絶縁油を分解する第1のキャピラリーカラムと、前記第1のキャピラリーカラムにより分解された前記絶縁油からPCBを抽出する第2のキャピラリーカラムとを有してなり、前記第2のキャピラリーカラムが、内部に前記絶縁油を流通させる流路と、前記絶縁油に含まれるPCBを抽出するPCB抽出層とを有することを特徴とするPCB抽出装置である。
<2> PCB抽出層が、第2のキャピラリーカラムの内壁上に円筒状に形成されたジメチルスルホキシドを含む層である前記<1>に記載のPCB抽出装置である。
<3> PCB抽出層の厚みが、0.5μm〜30μmである前記<1>から<2>のいずれかに記載のPCB抽出装置である。
<4> 第1のキャピラリーカラムの内径が、0.5mm〜5.0mmである前記<1>から<3>のいずれかに記載のPCB抽出装置である。
<5> 第2のキャピラリーカラムの内径が、10μm〜1,000μmである前記<1>から<4>のいずれかに記載のPCB抽出装置である。
<6> 第2のキャピラリーカラムの長さが、20cm〜300cmである前記<1>から<5>のいずれかに記載のPCB抽出装置である。
<7> 前記<1>から<6>のいずれかに記載のPCB抽出装置と、該PCB抽出装置により抽出されたPCBを検出するPCB検出手段とを有することを特徴とするPCB検出装置である。
<8> 前記<7>に記載のPCB検出装置を用いるPCB検出方法であって、PCB抽出装置における第2のキャピラリーカラムの流路にPCBを含有する絶縁油を流通させ、PCB抽出層において、前記絶縁油中に含まれる前記PCBを抽出するPCB抽出工程と、抽出した前記PCBを検出するPCB検出工程と、を含むことを特徴とするPCB検出方法である。
<9> PCB抽出層が、ジメチルスルホキシドを含む層である前記<8>に記載のPCB検出方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、PCB抽出に必要な試薬量の大幅な低減による低コスト化、PCB抽出処理の簡便化、迅速化、高効率化等を実現することができるPCB抽出装置、並びにこれを用いた、PCB検出装置及びPCB検出方法を提供することができる。
図1は、現行法及び本発明のPCB抽出装置における第1のキャピラリーカラムの一例を模式的に示す図である。 図2は、本発明のPCB抽出装置における第2のキャピラリーカラムの一例を模式的に示す図である。 図3は、本発明のPCB抽出装置における第2のキャピラリーカラムの一例を示す写真である。 図4は、現行法と本発明のPCB抽出装置とのDMSO分配における濃度依存の比較の一例を表す図である。 図5は、現行法と本発明のPCB抽出装置とのDMSO分配における抽出効率の比較の一例を表す図である。
(PCB検出装置及びPCB検出方法)
本発明のPCB検出装置は、PCB抽出装置と、PCB検出手段とを有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。
本発明のPCB検出方法は、PCB抽出工程と、PCB検出工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記PCB検出方法は、前記PCB検出装置により、好適に実施することができる。
<PCB抽出装置及びPCB抽出工程>
前記PCB抽出装置は、前記絶縁油中に含まれるPCBを抽出する装置であり、絶縁油を分解する第1のキャピラリーカラムと、前記第1のキャピラリーカラムにより分解された前記絶縁油からPCBを抽出する第2のキャピラリーカラムとを有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
前記PCB抽出工程は、前記絶縁油中に含まれるPCBを抽出する工程であり、前記PCB抽出装置における第2のキャピラリーカラムの流路にPCBを含有する絶縁油を流通させ、前記PCB抽出層において、前記絶縁油中に含まれる前記PCBを抽出する工程である。
前記PCB抽出工程は、前記PCB抽出装置により、好適に実施することができる。また、前記第1のキャピラリーカラムにより前記絶縁油中に含まれる妨害成分を分解及び/又は吸着することができ、前記第2のキャピラリーカラムにより前記絶縁油中に含まれるPCBを選択的に抽出することができる。
<<第1のキャピラリーカラム>>
前記第1のキャピラリーカラムは、前記絶縁油中に含まれるPCBを検出する際の妨害成分を分解及び/又は吸着することができるカラムであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記第1のキャピラリーカラムを用いて前記絶縁油を通過させることにより、前記妨害成分が分解及び/又は吸着され、前記絶縁油中に含まれるPCBや前記絶縁油を送液する際に使用する溶媒等が溶出される。
ここで、前記絶縁油は、JIS規格の1種であればよく、主成分として鉱油を含んでいるものなどが挙げられる。また、前記妨害成分は、後述の前記PCBを検出する際に用いる抗体と結合しうる成分又は前記抗体を変性させる成分である。前記妨害成分は、前記絶縁油中に含まれている成分であり、前記絶縁油の種類によって含まれる成分が異なるが、前記鉱油を含む場合には、例えば、鎖式飽和炭化水素、芳香族炭化水素などが挙げられる。
前記第1のキャピラリーカラムの形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、円形の筒状、多角形の筒状、不定形の筒状などが挙げられるが、加工便宜上の観点から、円筒状が好ましい。
前記第1のキャピラリーカラムの構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1種単独の部材で形成されてもよいし、2種以上の部材で形成されてもよく、直線状、曲線状などの構造であってもよい。
前記第1のキャピラリーカラムの大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加工便宜上の観点から、長さが5cm〜50cmが好ましく、内径が0.5mm〜5.0mmが好ましい。
前記第1のキャピラリーカラムの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体などが挙げられるが、PCBの吸着を避ける目的で、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとエチレンとの共重合体が好ましい。
前記第1のキャピラリーカラムの内部には、前記絶縁油中に含まれる前記妨害成分を分解及び/又は吸着できる充填剤が充填されている。前記充填剤としては、前記絶縁油中に含まれる妨害成分を分解及び/又は吸着することができる充填剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ガラス繊維、アミノプロピルシリカゲル、無水硫酸ナトリウム、発煙硫酸含浸シリカゲル、無水硫酸ナトリウムの順に充填された充填剤が好ましい。また、前記第1のキャピラリーカラムは、前記絶縁油が前記充填剤と高接触率で接触されているため、前記充填剤の量や前記絶縁油の通液に必要な試薬の量を低減することができる。
前記第1のキャピラリーカラムに含まれる充填剤である前記発煙硫酸含浸シリカゲルのSOガスと、前記絶縁油とを接触させることにより、前記妨害成分が分解される。なお、前記SOガスと、前記絶縁油との接触による分解で除去されなかった妨害成分は、前記充填剤であるアミノプロピルシリカゲルにより吸着される。
前記第1のキャピラリーカラムを通過する前記絶縁油と、前記SOガスとの接触時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5分間〜4分間が好ましい。
前記絶縁油と前記SOガスとの接触時間が、0.5分間未満であると、前記妨害成分が前記第1のキャピラリーカラムにより分解及び/又は吸着されないことがあり、4分間を超えると、前記妨害成分だけでなく、前記絶縁油中に含まれるPCBも前記第1のキャピラリーカラムにより分解されることがある。一方、前記絶縁油と前記SOガスとの接触時間が、前記好ましい範囲であると、前記妨害成分を確実に除去することができ、前記絶縁中に含まれるPCBを高効率で回収することができる点で有利である。
前記第1のキャピラリーカラムを通過する前記絶縁油の送液方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第1のキャピラリーカラムの先端に前記絶縁油を添着した後に、マイクロシリンジポンプを用いて任意に設定した量の溶媒を送液することにより前記絶縁油を滴下させて送液する方法などが挙げられる。
前記第1のキャピラリーカラムを通過する前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ヘキサン、アセトンなどが挙げられるが、PCBが低極性分子であるため、前記充填剤であるシリカゲルに吸着したPCBを溶出させる点で、無極性溶媒であるヘキサンが好ましい。
前記第1のキャピラリーカラムを通過する前記溶媒の流量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μL/min〜300μL/minが好ましい。前記第1のキャピラリーカラムを通過する前記溶媒の流速が、100μL/min未満であると、前記妨害成分が溶出することがあり、300μL/minを超えると、前記妨害成分が溶出することがある。一方、前記第1のキャピラリーカラムを通過する前記溶媒の流速が、前記好ましい範囲であると、前記妨害成分が溶出しない点で有利である。
前記第1のキャピラリーカラムを通過する前記溶媒量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記第1のキャピラリーカラムにおける、内径が1.0mm〜2.0mmの範囲、及び長さが20cm〜40cmの範囲にある場合、1.2mL〜1.4mLが好ましい。前記第1のキャピラリーカラムを通過する前記溶媒の流量が、1.2mL未満であると、前記絶縁油中に含まれるPCBが前記第1のキャピラリーカラムに残存することがあり、1.4mLを超えると、前記絶縁油中に含まれる妨害成分が溶出されることがある。一方、前記第1のキャピラリーカラムを通過する前記溶媒の流量が、前記好ましい範囲であると、前記絶縁油中に含まれるPCBが高回収率で溶出される点で有利である。
前記第1のキャピラリーカラムとしては、公知の方法により作製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。前記第1のキャピラリーカラムを作製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、中空の細い管(チューブ)の内側に、他のチューブを挿入して積層構造としたカラムの内側に、前記充填剤を充填することにより作製する方法などが挙げられる。
ここで、前記第1のキャピラリーカラムの具体例を、図面を用いて説明すると、図1に示すように、前記第1のキャピラリーカラム10は、チューブ内にガラス繊維6、アミノプロピルシリカゲル5、無水硫酸ナトリウム4、発煙硫酸含浸シリカゲル3、無水硫酸ナトリウム2の順に充填されている。前記第1のキャピラリーカラムに、前記PCBを含有する絶縁油1を送液することにより、前記絶縁油中に含まれる前記妨害成分を分解及び/又は吸着することができる。また、前記第1のキャピラリーカラムの構成とすることにより、前記第1のキャピラリーカラム内に充填される充填剤等の試薬量は、現行法(絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル(第2版)平成22年6月、環境省廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課)のカラム処理に必要な試薬量の12分の1とすることができる。
<<第2のキャピラリーカラム>>
前記第2のキャピラリーカラムは、前記第1のキャピラリーカラムにより分解された前記絶縁油からPCBを抽出するカラムである。
前記第2のキャピラリーカラムとしては、内部に前記絶縁油を流通させる流路と、前記絶縁油に含まれるPCBを抽出するPCB抽出層とを有するカラムであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記第2のキャピラリーカラムにおける流路は、前記第1のキャピラリーカラムにより前記妨害成分が分解された絶縁油を流通させる流路である。前記絶縁油は、濡れ性を有さないため、前記第2のキャピラリーカラムの内壁上に直接接触することなく、前記流路を流通する。
前記第2のキャピラリーカラムにおける流路の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、略楕円柱状、略円柱状などが挙げられるが、空気の混入を避けることができる点で、図2に示すような略円柱状が好ましい。
前記第2のキャピラリーカラムにおける流路の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1種単独の部材で形成されてもよいし、2種以上の部材で形成されてもよく、直線状、曲線状などの構造であってもよいが、基板上への集積化がしやすくなる点で、図2に示すような流路を有する構造が好ましい。
前記第2のキャピラリーカラムにおける流路の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、油成分よりも抽出溶媒への濡れ性が高く、PCBの表面吸着性が低い点で、シリカが好ましい。
前記第2のキャピラリーカラムにおけるPCB抽出層としては、前記絶縁油中に含まれる前記PCBを抽出することができる層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記第2のキャピラリーカラムの内壁上に円筒状に形成され、ジメチルスルホキシド等の濡れ性を有する溶媒を含む層であることが好ましい。前記PCB抽出層がジメチルスルホキシドからなる液膜の場合、前記絶縁油中に含まれるPCBが効率よく抽出される点で有利である。
前記第2のキャピラリーカラムにおけるPCB抽出層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、PCB抽出が高効率となる点で、0.5μm〜30μmが好ましく、0.5μm〜15μmがより好ましい。
前記第2のキャピラリーカラムにおけるPCB抽出層の形成方法としては、チューブ内の内壁表面に液膜(PCB抽出層)を形成する方法であれば、特に制限はなく、液膜(PCB抽出層)を形成する公知の方法を目的に応じて適宜選択することができ、例えば、PCB抽出層を形成する溶媒を、市販品であるシリカキャピラリー(内径200μm×外径360μm、アジレント・テクノロジー(株)製)などのチューブ内に送液することにより形成する方法などが挙げられる。
前記第2のキャピラリーカラムにおけるPCB抽出層を形成する溶媒としては、前記絶縁油中に含まれるPCBを抽出することができ、濡れ性を有する溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)などが挙げられるが、PCB抽出が高効率となる点で、ジメチルスルホキシド(DMSO)が好ましい。前記PCB抽出層により、前記PCBを含有する絶縁油中に含まれる前記PCBを抽出することができる。
前記第2のキャピラリーカラムの内径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、抽出に要する時間が適切となるため、10μm〜1,000μmが好ましく、10μm〜500μmがより好ましく、10μm〜250μmが特に好ましい。
前記第2のキャピラリーカラムの外径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、150μm〜500μmが好ましい。
前記第2のキャピラリーカラムの長さとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、デバイスとしての頑健性が良好となる点で、20cm〜300cmが好ましく、20cm〜150cmがより好ましく、50cm〜100cmが特に好ましい。前記第2のキャピラリーカラムにおけるPCB抽出層の形成する溶媒量を増やすには前記第2のキャピラリーカラムの長さを長くすればよいが、300cm以上長くするとデバイスとしての頑健性に欠けることがある。
前記第2のキャピラリーカラムの作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販品であるシリカキャピラリー(内径200μm×外径360μm、アジレント・テクノロジー(株)製)などのチューブ内にPCB抽出層を構成する溶媒を流通させて液膜(PCB抽出層)を形成することにより作製する方法などが挙げられる。
前記第2のキャピラリーカラムを通過する前記絶縁油の送液方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マイクロシリンジポンプを用いて送液する方法などが挙げられる。前記絶縁油を流路に流通させることにより、前記PCB抽出層において前記絶縁油に含まれるPCBのみを抽出することができる。
前記第2のキャピラリーカラムにおけるPCB抽出層において、前記PCBを抽出した後に、前記流路に残存する絶縁油を除去した後に前記PCB抽出層に抽出されたPCBを回収する。
前記第2のキャピラリーカラムにおける流路に残存する絶縁油を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記流路に空気を導入することにより除去する方法などが挙げられる。
前記第2のキャピラリーカラムにおけるPCB抽出層に抽出されたPCBを回収する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記絶縁油を除去した後に、ウシ血清アルブミン(BSA)を含むリン酸緩衝液(PBS)(以下、PBS−BSA溶液と略称する)を導入して前記PCB抽出層に含まれるPCBを溶出させて回収する方法などが挙げられる。
ここで、前記第2のキャピラリーカラムの具体例を、図面を用いて説明すると、図2に示すように、前記第2のキャピラリーカラム20は、チューブ24の内部に、前記絶縁油を流通させる流路22と、前記絶縁油に含まれるPCBを抽出するPCB抽出層21とを有する。前記チューブ24内に、前記PCB抽出層を形成する濡れ性を有する溶媒を流すと、前記チューブ24の内壁上にPCB抽出層21(前記濡れ性を有する溶媒からなる液膜)が形成される。前記PCB抽出層21が形成された後に、前記PCBを含有する絶縁油を送液すると、PCBを含有する絶縁油が濡れ性を有さないため、前記第2のキャピラリーカラムの内壁上に接触することなく前記絶縁油が流路22を流通する。そして、図2で示すように、前記絶縁油中に含まれるPCB23のみが前記PCB抽出層21に分配される。前記PCB抽出層に分配させた後、気液(空気)を流して前記絶縁油を除去してPBS−BSA溶液を送液することにより、前記分配されたPCBを含むPCB抽出層ごと溶出させて前記分配されたPCBを回収することができる。
前記第2のキャピラリーカラムの構成とすることにより、本発明におけるPCB抽出効率は、現行法(絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル(第2版)平成22年6月、環境省廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課)におけるPCB抽出効率と比較して6.5倍となり、高効率で前記絶縁油からPCBを抽出することができる。
なお、図3に本発明のPCB抽出装置における第2のキャピラリーカラムの一例の写真を示すが、図3では液体を送液していないため、写真中に液膜は表示されていない。
<<その他の部材>>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記分解された絶縁油を回収する部材、前記分解された絶縁油を前記第2のキャピラリーカラムに送液する部材などが挙げられる。
前記分解された絶縁油を回収する部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マイクロチューブなどが挙げられる。
前記分解された絶縁油を前記第2のキャピラリーカラムに送液する部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記絶縁油を送液するためのマイクロシリンジポンプ、該マイクロシリンジポンプに接続させるシリンジ用アダプタ、該シリンジ用アダプタと前記第2のキャピラリーカラムとを接続するためのピークチューブなどが挙げられる。
<PCB検出手段及びPCB検出工程>
前記PCB検出手段は、前記PCB抽出装置により前記絶縁油中から抽出されたPCBを検出する手段である。
前記PCB検出工程は、前記PCB抽出工程により前記絶縁油中から抽出されたPCBを検出する工程である。
前記PCB検出工程は、前記PCB検出手段により、好適に実施することができる。
前記PCB検出手段としては、前記PCB抽出装置により前記絶縁油中から抽出されたPCBを検出することができる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の抗原抗体反応を利用したイムノアッセイによりPCBを検出できる装置などが挙げられ、具体的には、結合平衡除外測定装置(KinExA 3000,Sapidyne Instrument Inc.,USA)、バイオセンサー装置(イムニー、電力中央研究所製)を用いて測定することができる。
<その他の手段及びその他の工程>
前記その他の工程及びその他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
(製造例1:第1のキャピラリーカラムの製造)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製のチューブ(内径1.59mm、外径3.17mm、アズワン株式会社製、商品名「四弗化パイプ」)に、テフゼルチューブ(内径0.25mm、外径1.57mm、ジーエルサイエンス株式会社製、商品名「テフゼルチューブ」)を差し込み、アラルダイトにて接着した。チューブ内にガラス繊維、130mgアミノプロピルシリカゲル(株式会社住化分析センター製)、64mg無水硫酸ナトリウム(株式会社住化分析センター製)、170mg発煙硫酸含浸シリカゲル(遊離SO:20%以下、株式会社住化分析センター製)、64mg無水硫酸ナトリウム(株式会社住化分析センター製)の順に充填し、製造例1の第1のキャピラリーカラムを製造した(図1参照)。
(比較製造例1:現行法によるカラムの製造)
現行法(絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル(第2版)平成22年6月、環境省廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課)に記載の[高濃度硫酸シリカゲルカラム]を比較製造例1のカラム(符号15)を製造した(図1参照)。
(実験例1:第1のキャピラリーカラムの性能試験)
前記製造例1で製造した第1のキャピラリーカラムを用いてPCB含有絶縁油中に含まれるPCBを溶出させるのに必要な試薬量、及び溶出にかかった時間を計測することにより、その性能を試験した。
まず、PCB含有絶縁油25μLを製造例1で製造した第1のキャピラリーカラムの先端に添着した。次に、前記第1のキャピラリーカラムの先端から流量を1.2mL、流速を300μL/minとしてヘキサンを送液することにより、前記絶縁油中に含まれる妨害成分を前記第1のキャピラリーカラムにより分解及び吸着させて、前記PCBを含むヘキサンを溶出させた。
なお、送液にはマイクロシリンジ(1001TLL,Hamilton)とマイクロシリンジポンプ(KDS210,KD Scientific)を用いた。カラムとシリンジを接続するため、上流側に高速液体クロマトグラフィー用のコネクター(P302,P300,P−628,Upchurch Scientific)を装着した。
(比較実験例1:現行法によるカラムの性能試験)
前記比較製造例1で製造したカラムを用いてPCB含有絶縁油中に含まれるPCBを溶出させるのに必要な試薬量、及び溶出にかかった時間を計測することにより、その性能を試験した。
まず、PCB含有絶縁油295μLを比較製造例1のカラムの先端に添着し、3分間放置した。次に、カラム壁面を洗浄するようにヘキサン75μLを2回添加し、無水硫酸ナトリウム層やカラムの壁面に残存している絶縁油を高濃度硫酸シリカゲル層に移動させ、1分間放置した。1分間放置後、ヘキサン10mL(5mL×2回)をカラムにゆっくり添加し、自然滴下により、前記絶縁油中に含まれる妨害成分を前記カラムにより分解及び吸着させて前記PCBを含むヘキサンを溶出させた。
(評価)
製造例1で製造した第1のキャピラリーカラムは、マイクロシリンジポンプを用いて溶出するため、送液速度や流量を適宜設定することができるのに対し、比較製造例1(現行法)で製造したカラムは、自然滴下により前記PCB絶縁油中に含まれるPCBを溶出させるため、送液速度や流量を設定することができない。また、製造例1で製造した第1のキャピラリーカラムでは、溶液が全ての充填剤と接触するため、現行法に用いられる試薬量を12分の1とすることができた。
よって、製造例1で製造した第1のキャピラリーカラムを用いることにより、前記絶縁油からのPCB抽出に必要な試薬量の大幅な低減による低コスト化を図ることができた。
(製造例2:第2のキャピラリーカラムの製造)
長さ100cmのシリカキャピラリー(内径200μm×外径360μm、アジレント・テクノロジー(株)製)に、流量を100μL/minに設定し、接触時間が75秒間程度となるようにしてDMSOを送液してDMSOからなる液膜(PCB抽出層)を形成させることにより、第2のキャピラリーカラムを製造した。なお、送液には、シリカキャピラリーの先端に高速液体クロマトグラフィー用のコネクター(F242,F300,P−629,Upchurch Scientific)を装着し、溶液を入れたシリンジをコネクターと接続し、マイクロシリンジポンプにセッティングして送液した。
また、本実験条件における液膜(PCB抽出層)の厚みδは、Taylor’s lawを利用して求めた。Taylor’s lawは、下記の式で表わされる(P.Aussillous,D.Quere:Physics of Fluids,12(10),2367−2371(2000)参照)。
前記式(1)中、Rは、キャピラリーの内径、Caは、キャピラリー数を表す。また、Caは、下記式(2)で表される。
前記式(2)中、μは、粘度、uは、平均流速、γは、界面張力を表す。
DMSOの粘度は、CRC Handbook of Chemistry and Physics 80th,ed.D.R.Lide,CRC Press,Boca Raton,FL(2003)により、1.99mPa・sであることがわかっている。また、界面張力は、界面張力計(DM−500、協和界面科学株式会社製)を用いて9.2mN/mであることがわかっている。
そのため、上記数式より、内径200μmのキャピラリーカラムに100μL/minの流速で送液した場合の液膜(PCB抽出層)の厚みが11.7μmと算出された。また、長さ100cmのキャピラリーカラムの場合、液膜(PCB抽出層)を形成したDMSOの体積が3.7μLと算出された。
(実験例2:第2のキャピラリーカラムによるPCB抽出の性能試験)
前記製造例2で製造した第2のキャピラリーカラムを用いてPCBを抽出し、抽出されたPCBを公知の検出方法を用いてPCBを検出することにより、その性能を試験した。
−PCBを含有する絶縁油の調製−
PCBを含有する絶縁油として、純粋なヘキサンに、KC−300とKC−400、KC−500、KC−600をそれぞれ等量で混合したカネクロール(ジーエルサイエンス株式会社製)を添加して、5.8×10−2ppm、1.5×10−1ppm、2.9×10−1ppm、1.5ppm、2.9ppm、15.0ppm、29.0ppmのPCB含有ヘキサン溶液を調製した。
−PCB抽出工程−
まず、製造例2で作製した第2のキャピラリーカラムに、各濃度に調製した前記PCB含有ヘキサン溶液50μLを、流量100μL/min、接触時間75秒間となるように設定して送液することにより、前記第2のキャピラリーカラムにおける液膜(PCB抽出層)に前記PCBを分配させた。次に、空気を送気して前記液膜(PCB抽出層)に前記PCBのみが分配されるようにして前記PCBを抽出した。
−PCB検出工程−
前記PCBの検出は、抗原抗体反応を利用したイムノアッセイにより検出した。
前記液膜(PCB抽出層)に分配されたPCBを、1mL PBS−BSA溶液を100μL/minで送液して希釈溶出した。前記溶出した溶液を1.7倍希釈し、抗体濃度が250pmol/Lとなるように調製した。
前記抗体溶液としては、1次抗体及び2次抗体(1次抗体:マウス抗PCBモノクローナル抗体(K2A、京都電子工業株式会社製)、2次抗体:Cy−5標識ヤギ抗マウス抗体(Jackaon ImmunoResearch Laboratories,Inc.))を共に0.1質量%PBS−BSA溶液で希釈したものを用いた。
前記イムノアッセイで用いる固相担体としては、アガロースビーズ(NHS−activated SepharoseTM 4fast flow,Amercham Biosciences製)を用いた。前記ビーズ担体の活性化は以下の手順に従って行った。ビーズ容量1mLとなるように懸濁液を採取し、1mLの1mM HCLで10回洗浄した。更に、1mLの生理食塩水(PBS、pH7.5)にて10回洗浄した後、0.9mLのPBSに懸濁した。次に合成したジクロロフェノール誘導体とBSAの複合体を1mg/mLの濃度で含むPBS溶液を懸濁液に0.1mL添加した。室温にて2時間振とうした後、100mg/mLの濃度でBSAを含むPBS溶液を0.1mL添加し、更に2時間振とうした。振とう後、ビーズを30mLのPBSに懸濁して検出セルに充填した。
前記イムノアッセイは、結合平衡除外測定装置(KinExA 3000、Sapidyne Instrument Inc.,USA)における中空上の検出セル内に、上記手順で調製した固相担体を充填し、前記試料を送液することにより行った。
前記試料にPCBが含まれる場合、1次抗体の一部は液相のPCBと結合し、複合体を形成しているため、固相上の疑似抗原に結合することなく検出セルを素通りする。一方、前処理液にPCBが含まれない場合、全ての1次抗体は未結合抗体であるため、固相上の疑似抗原との結合により検出セル内に捕捉されやすい。よって、前記捕捉された抗体量の比較からPCBの有無を判別した。前記検出セル内に捕捉された抗体量は、2次抗体に標識したCy−5の蛍光強度として光学的に計測した。
なお、前記検出セルへ送液する溶液の種類、量、及び速度を装置に接続したコンピュータ上で任意に設定した。また、蛍光信号値(励起波長620nm、測定波長670nm)を同じコンピュータ上に毎秒記録した。また、相対信号値は、PCBを含有していない対照測定液に対する百分率として求めた。
以上により、製造例2で製造した第2のキャピラリーカラムを用いたPCB抽出の性能試験を行った。結果を図4及び図5に示す。
(比較実験例2:現行法によるPCB抽出の性能試験)
現行法によりPCBを抽出し、抽出されたPCBを公知の検出方法を用いてPCBを検出することにより、その性能を試験した。
具体的には、[実験例2]の[PCB抽出工程]において、現行法(絶縁油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル(第2版)平成22年6月、環境省廃棄物・リサイクル対策部産業廃棄物課)に記載の高濃度硫酸シリカゲルカラム処理における[濃縮・分配]の欄に記載された方法により、PCB抽出を行ったこと以外は、[実験例2]と同様にして、現行法によるPCB抽出の性能試験を行った。結果を図4及び図5に示す。
(評価)
本発明のPCB抽出装置における第2のキャピラリーカラムを利用したDMSO分配に対する濃度依存と現行法で前処理及び調製した溶液を供した場合の濃度依存を図4に示す。抗体の半分が反応するPCB濃度をIC50濃度とし、それぞれの校正曲線よりIC50濃度を算出した。
図4より、前記第2のキャピラリーカラムを利用した場合のIC50濃度は、校正曲線より0.70ppmと算出され、現行法では0.69ppmであり、IC50濃度の差はみられなかった。また、前記第2のキャピラリーカラムを用いた場合、相対信号値が10%〜90%を測定可能範囲であるとすると、測定可能範囲は0.098ppm〜4.66ppmであることがわかった。
前記第2のキャピラリーカラムの液膜(PCB抽出層)の厚みが11.7μmであり、液膜(PCB抽出層)を形成したDMSOの体積が3.7μLであることから、前記第2のキャピラリーカラムを用いたPCB抽出においては、DMSOを460倍希釈して測定液を調製したことになる。そのため、IC50濃度の差は見られなかったが、感度比と希釈率比を考慮すると、図5に示すように前記第2のキャピラリーカラムによる抽出効率は、現行法による抽出効率の6.5倍となることがわかった。また、前記フロー式としたことで、PCB抽出操作の簡便化及び迅速化を図ることもできた。
本発明のPCB抽出装置は、前記第1のキャピラリーカラムを用いることにより、絶縁油からのPCB抽出に必要な試薬量の大幅な低減による低コスト化を実現することができ、前記第2のキャピラリーカラムを用いることにより、PCB抽出処理の簡便化、迅速化、高効率化等を実現することができるため、絶縁油に微量に含有されているPCBの検出に好適に使用することができる。
1 PCBを含有する絶縁油
2 無水硫酸ナトリウム
3 発煙硫酸含浸シリカゲル
4 無水硫酸ナトリウム
5 アミノプロピルシリカゲル
6 ガラス繊維
10 第1のキャピラリーカラム
15 カラム
20 第2のキャピラリーカラム
21 PCB抽出層
22 流路
23 PCB
24 チューブ

Claims (9)

  1. 絶縁油中に含まれるポリ塩化ビフェニル(PCB)を抽出するPCB抽出装置であって、
    前記絶縁油を分解する第1のキャピラリーカラムと、
    前記第1のキャピラリーカラムにより分解された前記絶縁油からPCBを抽出する第2のキャピラリーカラムとを有してなり、
    前記第2のキャピラリーカラムが、内部に前記絶縁油を流通させる流路と、前記絶縁油に含まれるPCBを抽出するPCB抽出層とを有することを特徴とするPCB抽出装置。
  2. PCB抽出層が、第2のキャピラリーカラムの内壁上に円筒状に形成されたジメチルスルホキシドを含む層である請求項1に記載のPCB抽出装置。
  3. PCB抽出層の厚みが、0.5μm〜30μmである請求項1から2のいずれかに記載のPCB抽出装置。
  4. 第1のキャピラリーカラムの内径が、0.5mm〜5.0mmである請求項1から3のいずれかに記載のPCB抽出装置。
  5. 第2のキャピラリーカラムの内径が、10μm〜1,000μmである請求項1から4のいずれかに記載のPCB抽出装置。
  6. 第2のキャピラリーカラムの長さが、20cm〜300cmである請求項1から5のいずれかに記載のPCB抽出装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載のPCB抽出装置と、該PCB抽出装置により抽出されたPCBを検出するPCB検出手段とを有することを特徴とするPCB検出装置。
  8. 請求項7に記載のPCB検出装置を用いるPCB検出方法であって、
    PCB抽出装置における第2のキャピラリーカラムの流路にPCBを含有する絶縁油を流通させ、PCB抽出層において、前記絶縁油中に含まれる前記PCBを抽出するPCB抽出工程と、
    抽出した前記PCBを検出するPCB検出工程と、を含むことを特徴とするPCB検出方法。
  9. PCB抽出層が、ジメチルスルホキシドを含む層である請求項8に記載のPCB検出方法。
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