JP4806174B2 - 有機導電性組成物、透明導電膜、透明導電体、入力装置及びその製造方法 - Google Patents

有機導電性組成物、透明導電膜、透明導電体、入力装置及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、タッチパネル型入力装置に好適に使用可能な有機導電性組成物、該有機導電性組成物を用いて形成した透明導電膜、該透明導電膜を用いた透明導電体、該透明導電体を用いた入力装置及びその製造方法に関する。
タッチパネルは、液晶表示器、ブラウン管、EL(エレクトロルミネッセンス)表示器等の表示装置の前面に配置され、その表面(タッチ面)における任意の座標が指又はペンの先端などで押圧されると、その座標位置を電気信号としてコンピュータ応用機器に出力可能に設計された二次元情報入力装置である。近年、該タッチパネルは、携帯型情報端末などの普及・進展に伴い、そのデータ入力における優れたマン−マシンインターフェイス性能が評価されて、電子手帳やPDA等をはじめ、携帯電話、PHS、電卓、時計、GPS、銀行ATMシステム、自動販売機、POSシステム、など多方面への応用が広がっている。該タッチパネルの中でも、特に抵抗式アナログタッチパネルは、一般に、導電性を有する透明フィルムと、導電性を有する透明基板とを絶縁性スペーサーを介して対向配置させてなり、該透明フィルムにおける任意の座標が指又はペンの先端などで押圧されると該透明フィルムが撓んで前記透明基板に部分的に接触し、電気が導通し、信号等を出力可能であり、各種の入力装置等として応用可能である。
従来、前記透明フィルムとしては、ITO(インジウム錫酸化物)導電層を有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが多用されてきた。しかしながら、前記ITO(インジウム錫酸化物)の場合、それ自体は、セラミックスの一種であることから、前記ITO導電層は、前記PETフィルムが変形する度に応力を受け、長期間に亘る繰り返しの使用により、脆性破壊、抵抗劣化が生じてしまうという問題がある。また、前記ITO導電層の場合、スパッタリングなどにより前記PETフィルム上の全面に形成されるのが通常であり、そのパターニングにはフォトリソグラフィー等の煩雑な手法が必要である上に、配線パターンが形成される部分を、フォトレジスト、ソルダーレジスト、絶縁ペースト、絶縁フィルム等により絶縁させなければならないという問題がある。
このため、前記ITO導電層上に、導電性ポリマーと非導電性ポリマーとの混合物で形成された被覆層を更に設け、長期間に亘る繰り返しの使用により、前記ITO導電層が脆性破壊しても、該被覆層により前記ITO導電層に抵抗劣化が生じないようにすることが提案されている(特許文献1参照)。しかし、この場合、前記被覆層の形成に多大なコストを要してしまうという問題がある。
また、前記ITO導電層の代わりにITO等を主成分とする導電性微粒子を含む高分子層を形成することにより、低い表面抵抗率を達成可能な透明導電膜が提案されている(特許文献2〜3参照)。しかし、この場合、前記透明導電膜を用いてタッチパネルを形成すると、該タッチパネルの表面で光の乱反射が起こる結果、タッチパネルが見難くなるという問題がある。
このため、前記ITO導電層に代わる導電層として導電性高分子膜による透明導電膜の研究が行われているが、前記導電性高分子膜による透明導電膜は、その表面抵抗率が高いという問題がある。
そこで、前記導電性高分子膜の表面抵抗率が高い場合であっても、良好な性能を発揮し得る透明タッチパネルが提案されている(特許文献4参照)。しかし、ここでは、表面抵抗率の低く、信頼性が高く、長寿命である導電性高分子膜は何ら開示されていない。
一方、ポリチオフェン誘導体と水溶性化合物と自己乳化型ポリエステル樹脂とからなる帯電防止用の導電性コーティング剤が提案されているが(特許文献5参照)、該導電性コーティング剤を用いて形成した膜の場合、高温高湿の条件下で長時間保持すると、前記表面抵抗率が増加してしまい、高温高湿度などの環境変化に対して高い信頼性が要求されるタッチパネル用途には不向きである、という問題がある。
他方、導電材料を基材に練り込むことにより、耐水性を有する帯電防止材料を得る方法が知られているが、この方法の場合、製品完成前に耐水性の機能を付与させる必要があり、製品完成後には耐水性の機能を付与させることができず、更に、製品が前記導電材料の色に着色してしまうという問題がある。
したがって、透明性、導電性、耐水性等に優れ、更にはガラスやプラスチックス等の基材に対する密着性にも優れ、しかも低コストで容易に所望の形状の透明導電膜を形成可能な有機導電性組成物、及び、それを用いて形成され、諸特性に優れた透明導電膜、透明導電体、入力装置等は、未だ提供されていないのが現状である。
特表平11−506849号公報 特開平7−219697号公報 特開2000−123658号公報 特開平3−167590号公報 特開2002−60736号公報
本発明は、従来における問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明は、透明性、導電性、耐水性等に優れ、更にはガラスやプラスチックス等の基材に対する密着性にも優れ、しかも低コストで容易に所望の形状の透明導電膜を形成可能な有機導電性組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、低コストで所望の形状に量産可能であり、透明性、導電性、耐水性等に優れ、更には可撓性にも優れ、高温高湿の条件下で長時間保持した場合であっても表面抵抗率(値)の増加を効果的に抑制することができ、タッチパネル型入力装置に特に好適な透明導電膜、及び該透明導電膜を有し、その優れた特性を有する高品質な透明導電体を提供することを目的とする。
また、本発明は、タッチパネル型入力装置等として低コストで量産可能であり、環境変化に対する高い信頼性を有すると共に、長期間繰り返し使用しても抵抗が劣化せず、長寿命な入力装置、及びその効率的な製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段は、後述の付記に列挙した通りである。
本発明の有機導電性組成物は、下記一般式(1)で表されるポリマーと、水溶性有機化合物と、ドーパントと、水溶性エポキシモノマーとを少なくとも含むことを特徴とする。
前記一般式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は置換基を表し、また、互いに連結して窒素原子、硫黄原子及び酸素原子のいずれかを含んでいてもよい環を形成してもよい。nは、重合度を表し、整数である。
本発明の透明導電膜は、本発明の前記有機導電性組成物を用いて形成され、かつ表面抵抗率が5,000Ω/□以下であることを特徴とする。
本発明の透明導電体は、本発明の前記透明導電膜を透明基体上に有してなることを特徴とする。
本発明の入力装置は、第一導電体と、該第一導電体に対し絶縁性スペーサーを介して対向配置された第二導電体とを有してなり、
前記第一導電体が、本発明の前記透明導電体であり、かつ押圧により変形して前記第二導電体に部分的に接触可能であることを特徴とする。
該入力装置においては、前記第一導電体及び前記第二導電体が電源に接続されると、該第一導電体及び該第二導電体のそれぞれに電気が導通する。このとき、前記第一導電体における任意の箇所を指やペン等を用いて押圧すると、該第一導電体は、押圧により変形可能に設計されているため、その押圧に係る部分が変形し、前記第二導電体側に凹み、該第二導電体の表面に接触する。その結果、前記第一導電体と前記第二導電体との接触部において、電気が導通し、信号が生ずる。この信号を利用することにより、該入力装置は、タッチパネル型入力装置等として機能する。
本発明の入力装置の製造方法は、透明基体上に、本発明の前記有機導電性組成物を用いて透明導電膜を形成し、該透明導電膜における対向する端部に、一対の第一電極を該透明導電膜に電気を導通可能に対向配置させて第一導電体を製造する第一導電体製造工程と、
基体上に導電膜を形成し、該導電膜における対向する端部に、一対の第二電極を該導電膜に電気を導通可能に対向配置させて第二導電体を製造する第二導電体製造工程と、
前記第一導電体と前記第二導電体とを、前記第一電極と前記第二電極とが互いに直交するようにして貼り合わせる貼合工程と、
を含むことを特徴とする。
前記入力装置の製造方法では、前記第一導電体製造工程において、前記透明基体上に、本発明の前記有機導電性組成物を用いて透明導電膜が形成される。また、該透明導電膜における対向する端部に、前記一対の第一電極が、該透明導電膜に電気を導通可能に対向配置される。その結果、前記第一導電体が製造される。前記第二導電体製造工程において、基体上に導電膜が形成される。また、該導電膜における対向する端部に、前記一対の第二電極が該導電膜に電気を導通可能に対向配置される。その結果、前記第二導電体が製造される。前記貼合工程において、前記第一導電体における前記第一電極と、前記第二導電体における前記第二電極とが互いに直交するようにして配置されて貼り合わされる。その結果、本発明の前記入力装置が製造される。
本発明によると、従来における前記問題を解決し、前記課題を解決することができる。即ち、
本発明によると、透明性、導電性、耐水性等に優れ、更にはガラスやプラスチックス等の基材に対する密着性にも優れ、しかも低コストで容易に所望の形状の透明導電膜を形成可能な有機導電性組成物を提供することができる。
また、本発明によると、低コストで所望の形状に量産可能であり、透明性、導電性、耐水性等に優れ、更には可撓性にも優れ、高温高湿の条件下で長時間保持した場合であっても表面抵抗率の増加を効果的に抑制することができ、タッチパネル型入力装置に特に好適な透明導電膜、及び該透明導電膜を有し、その優れた特性を有する高品質な透明導電体を提供することができる。
また、本発明によると、タッチパネル型入力装置等として低コストで量産可能であり、環境変化に対する高い信頼性を有すると共に、長期間繰り返し使用しても抵抗が劣化せず、長寿命な入力装置、及びその効率的な製造方法を提供することができる。
(入力装置)
本発明の入力装置は、第一導電体と第二導電体とを有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
−第一導電体−
前記第一導電体としては、その性質、形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記性質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、光学的には透明であるのが好ましい。なお、前記透明には、無色透明のほか、有色透明、半透明、有色半透明などが含まれる。また、可撓性であるのが好ましい。この場合、該第一導電体は、押圧により変形可能であり、押圧されて前記第二導電体に部分的に接触可能とすることができ、タッチパネル型入力装置が得られる。また、導電性であることが必要であるが、その程度、即ち抵抗率(値)等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知のタッチパネル型入力装置における透明導電層の抵抗率(値)と同様の範囲に選択することができる。
なお、前記形状としては、例えば、層状(シート状乃至フィルム状)、板状、などが好適に挙げられる。前記構造としては、例えば、単独の部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよく、この場合、積層構造などであるのが好ましい。前記大きさとしては、例えば、前記入力装置がタッチパネル型入力装置である場合には、そのタッチパネル面と同等の大きさなどであるのが好ましい。
前記第一導電体の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、本発明の前記透明導電体が特に好適に挙げられる。
本発明の前記透明導電体は、後述する透明基体上に、後述する透明導電膜を有してなる。
本発明の前記透明導電体は、低コストで所望の形状に量産可能であり、透明性、導電性、耐水性等に優れ、更には可撓性にも優れ、高温高湿の条件下で長時間保持した場合であっても表面抵抗率(値)の増加を効果的に抑制することができることから、各種分野に好適に使用することができが、例えば、タッチパネル型入力装置、コンデンサー、二次電池、接続用部材、高分子半導体素子、帯電防止フィルム、ディスプレイ、エネルギー変換素子、レジスト、などの分野に特に好適に使用することができる。
−−透明基体−−
前記透明基体としては、特に制限はなく、その材料、形状、構造、大きさ、厚み等については目的に応じて適宜選択することができる。
前記材料としては、例えば、樹脂などが好適に挙げられる。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリオレフィンポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、酢酸セルロース、硝酸セルロース、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、透明性及び可撓性に優れる点で、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)が好ましい。
前記形状としては、例えば、層状(シート状乃至フィルム状)、板状、などが好適に挙げられる。前記構造としては、例えば、単独の部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよく、この場合、積層構造などであるのが好ましい。前記大きさとしては、例えば、前記入力装置がタッチパネル型入力装置等である場合には、そのタッチパネル面と同等の大きさなどであるのが好ましい。前記厚みとしては、例えば、前記入力装置がタッチパネル型入力装置等である場合には、機械的強度が十分でかつ適度な可撓性を示す程度であるのが好ましい。
−−透明導電膜−−
前記透明導電膜としては、透明で導電性を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、本発明の透明導電膜が特に好適に挙げられる。本発明の前記透明導電膜は、本発明の有機導電性組成物を用いて形成される。
本発明の前記透明導電膜の表面抵抗率(値)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、5,000Ω/□以下であることが必要であり、3,000Ω/□以下であるのが好ましく、1、500Ω/□以下であるのがより好ましい。
前記透明導電膜の表面抵抗率(値)が、5,000Ω/□を超えると、前記入力装置における入力時の応答性が低下することがある。
なお、前記表面抵抗率(値)は、例えば、JIS K6911、ASTM D257、などに準拠して測定することができ、また、市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することもできる。
また、本発明の前記透明導電膜においては、50℃、相対湿度80%の条件下で500時間保持する加熱加湿処理前における前記透明導電膜の前記表面抵抗率を「X」とし、該加熱加湿処理後における前記透明導電膜の前記透明導電率を「Y」としたとき、該Xと該Yとが、次式、(Y−X)/X×100≦60、を満たすことが好ましく、次式、(Y−X)/X×100<50、を満たすことがより好ましく、次式、(Y−X)/X×100<30、を満たすことが特に好ましい。
なお、本発明においては、前記式、(Y−X)/X×100、により計算される値を、「表面抵抗増加率」と呼ぶことがある。
前記表面抵抗増加率が、60%を超えると、環境変化により前記透明導電膜の表面抵抗率(値))が増加してしまい、その結果として入力時の応答性が低下することがある。
本発明の前記透明導電膜における厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.01〜10μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。
前記厚みが、0.01μm未満であると、前記透明導電膜の抵抗が不安定化することがあり、10μmを超えると、前記透明基体との密着性が低下することがある。
本発明の前記透明導電膜の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、本発明の前記有機導電性組成物を用い、これを公知のコーティング方法に従って前記透明基体上にコーティングする方法、などが好適に挙げられる。
前記コーティング方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、塗布法、印刷法、などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塗布法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、スピンコート法、ローラコート法、バーコート法、ディップコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、ニーダーコート法、などが挙げられる。
前記印刷法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、スクリーン印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、平版印刷法、などが挙げられる。
本発明の前記透明導電膜は、前記透明基体上の全面に形成されていてもよいし、一部(部分的)に形成されていてもよい。後者の場合、前記入力装置がタッチパネル型入力装置等である場合において、電極や配線パターンなどを形成するスペースを確保することができる等の点で有利である。即ち、タッチパネル型入力装置等においては、一般に前記透明基体上の全面に形成したITO導電層をエッチングによる除去又は絶縁フィルムによる被覆等の複雑で高コストな処理が必要とならない点で有利である。
本発明の前記透明導電膜は、低コストで所望の形状に量産可能であり、透明性、導電性、耐水性等に優れ、更には可撓性にも優れ、高温高湿の条件下で長時間保持した場合であっても表面抵抗率の増加を効果的に抑制することができることから、タッチパネル型入力装置等の入力装置などに特に好適である。
なお、ここで、本発明の前記透明導電膜を形成する本発明の前記有機導電性組成物について説明する。
本発明の前記有機導電性組成物は、下記一般式(1)で表されるポリマーと、水溶性有機化合物と、ドーパントと、水溶性エポキシモノマーとを少なくとも含んでなり、更に必要に応じて、アルコキシ基含有化合物、溶媒、及びその他の成分を含む。
<一般式(1)で表されるポリマー>
前記一般式(1)で表されるポリマーとしては、市販品であってもよいし、適宜合成した合成品であってもよい。前記合成品の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記一般式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は置換基を表し、また、互いに連結して窒素原子、硫黄原子及び酸素原子のいずれかを含んでいてもよい環を形成していてもよい。
前記置換基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲン原子、水酸基、オキシ基(−O−)、アルキル基、アルコキシ基(−OR)、スルホ基(−SOH)、−SO−、−RSO−、−RSOH、アミノ基(−NH)、−N(R、アミド基、−NHCOR−、ニトロ基、メルカプト基(−SH)、−SR、−OCOR−、カルボキシル基、−RCOOH−、−COOR−、カルボニル基、−COR−、ホルミル基(−CHO)、シアノ基(−CN)、などが挙げられる。Rとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、炭素数1〜24のアルキル基、アルキレン基、アリール基、アリーレン基、アラルキル基、アラルキレン基、などが好適に挙げられる。これらの置換基は、更に公知の置換基、例えば上述した置換基により置換されていてもよい。
nは、重合度を表し、整数である。
前記一般式(1)で表されるポリマーは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(1)で表されるポリマーの中でも、高い導電性を有し、膜形成が容易であり、安定した透明導電膜を形成する観点からは、下記一般式(2)で表されるポリマーが好ましい。該一般式(2)中、nは、前記一般式(1)におけるnと同義である。
なお、該一般式(2)で表されるポリマーは、前記一般式(1)において、R及びRが、互いに連結した、−O−CH−CH−O−、であり、酸素原子2個を含む環を形成している場合に該当する。
前記一般式(2)で表されるポリマーを合成する方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、以下のスキームに示す方法などが好適に挙げられる。即ち、まず、チオジグリコール酸を出発物質とした5段階の合成により、3,4−エチレンジオキシチオフェン(モノマー)を合成する。前記3,4−エチレンジオキシチオフェン(モノマー)は、市販品を使用してもよく、該市販品としては、例えば、バイエル社製の「BAYTRON M(登録商標)」などが好適に挙げられる。次に、該3,4−エチレンジオキシチオフェン(モノマー)と、酸化剤としてのp−トルエンスルホン酸第二鉄と、溶媒としてのブタノールとを、混合攪拌し、20〜180℃で30分間以上重合反応させることにより、前記一般式(2)で表されるポリマー(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))を合成することができる。
なお、前記p−トルエンスルホン酸第二鉄の前記ブタノール中の濃度としては、例えば、30〜60質量%が好ましく、また、前記3,4−エチレンジオキシチオフェンと前記p−トルエンスルホン酸との質量混合比(3,4−エチレンジオキシチオフェン:p−トルエンスルホン酸)としては、例えば、1:0.2〜1:5が好ましい。
前記一般式(1)で表されるポリマーの前記有機導電性組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜10質量%が好ましい。
前記一般式(1)で表されるポリマーの含有量が、0.1〜10質量%の範囲外であると、該有機導電性組成物の電気抵抗率(値)が十分に低下せず、良好な導電性が得られないことがある。
<水溶性有機化合物>
前記水溶性有機化合物における水溶性の程度としては、例えば、25℃の水に対し、1質量%以上溶解するのが好ましく、5質量%以上溶解するのがより好ましい。
前記水溶性有機化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物、などが好適に挙げられる。
前記酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物、などが好適に挙げられる。
前記水酸基含有化合物としては、水酸基を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基を2個以上有する化合物が好ましい。この水酸基を2個以上有する化合物を前記有機導電性組成物が含有すると、該有機導電性組成物の導電性をより向上させることができ、該有機導電性組成物を用いて形成した前記透明導電膜の表面抵抗率(値)を低くすることができる点で有利である。
前記水酸基を2個以上有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、カテコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、などが挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。
前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、などが挙げられる。
前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。
前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、導電性と膜形成性とを高次元で達成する観点から、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールなどが好ましい。
前記水溶性有機化合物の沸点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、150℃以上であるのが好ましい。
前記水溶性有機化合物の沸点が、150℃未満であると、乾燥の際に水と共沸を起こすためにレベリングが困難となり、均一な膜形成が容易でなく、電気抵抗率(値)の均一性が低下することがある。
前記水溶性有機化合物の前記有機導電性組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記一般式(1)で表されるポリマー100質量部に対して、10〜5,000質量部であることが好ましく、50〜500がより好ましい。
前記水溶性有機化合物の含有量が、10質量部未満であると、十分な添加効果が得られないことがあり、5,000質量部を超えると、乾燥温度が高温となってしまい、乾燥時間も長時間となり、前記有機導電性組成物の導電性が低下してしまうことがある。
<ドーパント>
前記ドーパントとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、電気抵抗値を低下させることができる化合物が挙げられ、具体的には、電子吸引性物質(エレクトロン・アクセプタ)などが好適に挙げられる。
前記電子吸引性物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ルイス酸、などが挙げられる。
前記ルイス酸としては、電子を収容可能である限り特に制限はなく、例えば、スルホン酸化合物、ホウ酸化合物、リン酸化合物、塩素酸化合物、などが挙げられる。
前記スルホン酸化合物としては、例えば、ポリスチレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ショウ脳スルホン酸、ポリビニルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、などが挙げられる。
前記ホウ酸化合物としては、例えば、テトラフルオロホウ酸、などが挙げられる。
前記リン酸化合物としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸、などが挙げられる。
前記塩素酸化合物としては、例えば、過塩素酸、塩素酸、亜塩素酸、次亜塩素酸、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高い導電性を有し、膜形成が容易で、かつ安定した透明導電膜を形成可能な点で、ポリスチレンスルホン酸、アルキルナフタレンスルホン酸などが好ましい。
前記ドーパントの前記有機導電性組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記一般式(1)で表されるポリマー100質量部に対して、5〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部がより好ましい。
前記ドーパントの含有量が、5〜50質量部の範囲外であると、前記有機導電性組成物の電気抵抗率(値)が十分に低下せず、良好な導電性が得られないことがある。
なお、前記ドーパントの含有量を適宜制御することにより、前記有機導電性組成物を用いて形成した本発明の前記透明導電膜における電気抵抗率(値)を所望の範囲に制御することができる。
<水溶性エポキシモノマー>
前記水溶性エポキシモノマーにおける水溶性の程度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、25℃の水に対し、1質量%以上溶解するのが好ましく、5質量%以上溶解するのがより好ましい。
前記水溶性エポキシモノマーとしては、エポキシ基を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エーテル基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、などが好適に挙げられる。
前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ソルビトルポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、フェノール(EO)グリシジルエーテル、ラウリルアルコール(EO)グリシジルエーテル、アジピン酸グリシジルエーテル、などが挙げられる。
前記イソシアネート基含有化合物としては、例えば、トリグリシジルトリス(2−ハイドロキシエチル)イソシアネートなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが特に好ましい。
前記水溶性エポキシモノマーの前記有機導電性組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記一般式(1)で表されるポリマー100質量部に対して、10〜1,000質量部であるのが好ましく、10〜50質量部であるのがより好ましい。
前記水溶性有機化合物の含有量が、10質量部未満であると、耐水性が十分でないことがあり、1,000質量部を超えると、前記有機導電性組成物における導電性が低下乃至消失してしまうことがある。
本発明の前記有機導電性組成物は、前記水溶性エポキシモノマーを含有することにより、更に高い導電性が発現し、前記透明導電膜の表面抵抗率を効果的に低下させることができ、耐水性、密着性等も良化する点で有利である。
<アルコキシ基含有化合物>
前記アルコキシ基含有化合物としては、アルコキシ基を含有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、水溶性金属アルコキシ化合物、などが好適に挙げられる。
前記水溶性金属アルコキシ化合物としては、例えば、シリコンアルコキシ化合物、チタンアルコキシ化合物、などが挙げられる。
前記シリコンアルコキシ化合物としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、などが挙げられる。
前記チタンアルコキシ化合物としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロフォスファイト)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが好ましい。
前記アルコキシ基含有化合物の前記有機導電性組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記密着性を更に向上させ、前記表面抵抗増加率を更に低下させる観点からは、前記一般式(1)で表されるポリマー100質量部に対して、10〜250質量部であるのが好ましく、20〜100質量部であるのがより好ましい。
<無機微粒子>
前記無機微粒子としては、無機材料で形成されているものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、非導電性無機微粒子、導電性無機微粒子、などが挙げられる。
前記非導電性無機微粒子として、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、雲母、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、硫酸カルシウム、カオリン、などが挙げられる。
前記導電性無機微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ITO粒子、金属粒子、合金粒子、などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ITO粒子、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、雲母、タルク、炭酸カルシウム、などが好ましく、ITO粒子、シリカなどがより好ましい。
前記無機微粒子の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、球状、板状、フィラー状、不定形状、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、平均粒径で(前記形状がフィラー状の場合にはその平均長さで)、通常、1〜400nm程度であり、10〜100nmが好ましい。
前記無機微粒子の平均粒径が、1nm未満であると(1nm未満では存在し難いが)、接触のために大量の無機微粒子を添加しなければならず、添加効果が得られ難いことがあり、400nmを超えると、膜厚よりも無機微粒子の粒径が大きくなり、透明性が低下することがある。
前記無機微粒子の前記有機導電性組成物における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記一般式(1)で表されるポリマー100質量部に対し、10〜100質量部であるのが好ましく、20〜50質量部であるのがより好ましい。
前記無機微粒子の含有量が、10質量部未満であると、導電性や透明性の効果が十分でないことがあり、100質量部を超えると、十分な膜強度が確保することができず、しかも導電性が低下してしまうことがある。
<溶媒>
前記溶媒としては、前記一般式(1)で表されるポリマー、前記水溶性有機化合物、前記ドーパント等の成分を溶解乃至分散可能である限り特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、極性溶媒、非極性溶媒、などが挙げられるが、これらの中でも、前記極性溶媒が好ましい。
前記極性溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のエステル類、アセトニトリル、N−メチル2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、環境への悪影響が少ない点で、水が好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、公知の添加剤等の中から適宜選択することができ、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、重合禁止剤、表面改質剤、脱泡剤、可塑剤、抗菌剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の前記有機導電性組成物の用途としては、タッチパネル型入力装置等の各種の入力装置、各種導電膜、コンデンサー、二次電池、接続用部材、高分子半導体素子、帯電防止フィルム等の帯電防止材料、ディスプレイ、エネルギー変換素子、レジスト、などが好適に挙げられ、これらの中でも、タッチパネル型入力装置、帯電防止材料などが特に好適に挙げられる。前記有機導電性組成物を前記帯電防止材料として使用した場合、完成後の製品に対しても容易にかつ製品の外観に影響を与えずに帯電防止機能を付与することができる点で有利である。
本発明の前記有機導電性組成物は、本発明の前記透明導電膜、本発明の前記透明導電体、本発明の前記入力装置等に特に好適に使用することができる。
−第二導電体−
前記第二導電体は、前記第一導電体に対し絶縁性スペーサーを介して対向配置される。
前記第二導電体としては、導電性を有する限り特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、基体上に導電膜を有するもの、などが挙げられる。
−−基体−−
前記基体としては、特に制限はなく、その材料、色、形状、構造、大きさ等については適宜選択することができる。
前記材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硬度に優れ、表面への前記導電層の形成性等の点で、ガラス、樹脂、などが好適に挙げられる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硬質樹脂、などが挙げられる。
前記硬質樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリマレイミド樹脂、などが挙げられる。
前記色としては、有色であってもよいし、無色であってもよく、用途等に応じて適宜選択することができるが、前記無色の場合、有色透明、無色透明、半透明などが挙げられる。
前記形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、液晶表示器などに配置される観点から板状のものが好適に挙げられる。
前記構造としては、例えば、単独の部材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成されていてもよく、後者の場合としては、積層構造などが挙げられる。
前記大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記第一導電体の大きさと略同等の大きさ、などが挙げられる。
−−導電膜−−
前記導電膜としては、特に制限はなく、公知の導電膜の中から適宜選択することができ、例えば、ITO導電膜、本発明の前記透明導電膜、などが挙げられる。
前記ITO導電膜は、蒸着法やスパッタリング法、などの公知の薄膜形成方法により形成することができる。
なお、前記第二導電体として、上述した本発明の前記透明導電体を使用してもよい。この場合、前記第一導電体及び該第二導電体の双方が可撓性を有する結果、該入力装置を曲面状に設計、配置等することができ、設置場所、デザインの選択の自由度を向上させることができ、また、ガラス等の硬質材料を使用しないため、小型軽量化が可能であり、携帯性に優れた入力装置が得られる点で有利である。
−絶縁性スペーサー−
前記絶縁性スペーサーとしては、その形状、構造、材質、大きさ等については特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、前記材料としては、例えば、アクリル系樹脂、などが挙げられる。
前記絶縁性スペーサーの形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、フォトリソグラフィー、などが挙げられる。
−その他の部材−
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、電極、ランドパターン、配線パターン、ドットスペーサー、などが挙げられる。
前記電極、前記ランドパターン、前記配線パターンなどの材料、形状、構造、大きさ等については、電気を導通可能である限り特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、前記材料としては、例えば、ポリエステル系銀ペースト、などが挙げられる。
前記電極、前記ランドパターン、前記配線パターンなどの形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、塗布方法、印刷方法、などの方法が挙げられる。
前記ドットスペーサーとしては、その材料、形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、前記材料としては、例えば、アクリル系樹脂、などが挙げられ、前記形状としては、例えば、ドット状、などが挙げられる。
前記ドットスペーサーの形成方法としては、特に制限はなく、公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、フォトリソグラフィー、などが挙げられる。
以下に、本発明の前記入力装置の一例について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の入力装置の一例を示す断面概略説明図である。
該入力装置は、タッチパネル型入力装置であり、該入力装置においては、指先等による入力が行われるタッチ面となる前記第一導電体としての本発明の前記透明導電体と、前記第二導電体とが、絶縁性スペーサー50を介して対向配置されている。本発明の前記透明導電体は、透明基体1上に、本発明の前記透明導電膜である透明導電膜2を有してなる。前記第二導電体は、基体11上に導電膜10を有してなる。導電膜10上にはドットスペーサー40が形成されている。
該入力装置においては、前記第一導電体が、本発明の前記透明導電体であり、可撓性を有するため、該透明導電体(におけるタッチ面)が外部から押圧されると、該透明導電体が変形し、その押圧された部分の透明導電膜2が導電膜10に部分的に接触する。その結果、電気が導通し、信号(電位)が出力可能となり、前記入力装置が作動乃至駆動する。
図1に示す本発明の入力装置について、図2を参照しながら更に説明する。図2は、図1に示す入力装置の概略平面図である。
図2に示す通り、前記第一導電体には、透明導電膜2が部分的に形成され、一対の第一電極5が透明導電膜2と接した状態で対向配置されている。第一電極5における一端部には、透明導電膜2と接していない絶縁部において、ランドパターン7が対向形成され、また、配線パターン20が形成されている。
一方、前記第二導電体には、導電膜10が部分的に形成され、一対の第二電極15が導電膜10と接した状態で対向配置されている。導電膜10と接していない絶縁部において配線パターン20が形成されている。
このため、該入力装置においては、前記第一導電体と前記第二導電体とが接触していない場合には、電流が生じないが、両者が一部接触すると、その箇所において電流が生じ、信号が生じ、入力が行われる。
本発明の入力装置は、長期間に亘って繰返し使用しても、前記第一導電体が本発明の前記透明導電体であるので、抵抗が劣化せず、また、高温高湿度の条件下で長時間保持した場合であっても、前記透明導電膜の表面抵抗率(値)の増加が抑制される。このため、該入力装置は、環境変化に対する信頼性に優れ、長寿命であり、各種の機器に好適に使用することができ、耐久性が要求されるタッチパネル型入力装置等に特に好適に使用することができる。
本発明の入力装置の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下の本発明の入力装置の製造方法が好適に挙げられる。
(入力装置の製造方法)
本発明の入力装置の製造方法は、第一導電体製造工程と、第二導電体製造工程と、貼合工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程とを含む。
−第一導電体製造工程−
前記第一導電体製造工程は、前記透明基体上に前記本発明の有機導電性組成物を用いて前記透明導電膜を形成し、該透明導電膜における対向する端部に、一対の第一電極を該透明導電膜に電気を導通可能に対向配置させて前記第一導電体を製造する工程である。
前記透明基体、前記有機導電性組成物、前記透明導電膜、前記透明導電膜等の詳細、これらの形成方法等については、上述した通りである。
前記第一電極としては、特に制限はなく、公知の電極の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル系銀ペーストを用いて形成した電極、などが挙げられる。
前記第一電極の形成方法としては、特に制限はなく公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、上述の塗布法、上述の印刷法、などの方法が挙げられる。
前記第一電極は、例えば、前記透明導電膜の両端部に対向して、かつ該透明導電膜に対し電気を導通可能にその一部が接触した状態で配置される。
前記第一電極の一端には、ランドパターンが対向して設けられていることが好ましい。該ランドパターンは、例えば、導電性樹脂を介して配線パターンと接続されて、前記第一電極へ電気を導通可能とする部分であり、前記透明導電膜と接触しない絶縁部に形成されることが好ましい。
−第二導電体製造工程−
前記第二導電体製造工程は、前記基体上に前記導電膜を形成し、該導電膜における対向する端部に、一対の前記第二電極を該導電膜に電気を導通可能に対向配置させて第二導電体を製造する工程である。
前記基体、前記導電体等の詳細、これらの形成方法等については、上述した通りである。
前記第二電極としては、特に制限はなく、公知の電極の中から適宜選択した電極が挙げられ、例えば、ポリエステル系銀ペーストを用いて形成した電極、などが挙げられる。
前記第二電極の形成方法としては、特に制限はなく公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、上述の塗布法、上述の印刷法、などの方法が挙げられる。
前記第二電極は、例えば、前記導電膜の両端部に、かつ該導電膜に対し電気を導通可能にその一部が接触した状態で配置される。
前記第二電極の一端には、配線パターンが対向して設けられていることが好ましい。該配線パターンは、前記第一電極及び前記第二電極へ電気を導通可能とする部分であり、前記導電膜と接触しない絶縁部に形成されることが好ましい。
−貼合工程−
前記貼合工程は、前記第一導電体と前記第二導電体とを、前記第一電極及び前記第二電極とが互いに直交するようにして貼り合わせる工程である。
前記貼合工程における貼合せの方法としては、前記第一導電体と前記第二導電体とを貼り合わせることができる限り特に制限はなく、公知の貼合方法等の中から適宜選択することができ、例えば、両面テープを用いる方法、接着剤を用いる方法、加熱する方法、加圧する方法、などが挙げられる。
これらは、単独で使用してもよいし、2以上を併用してもよい。これらの中でも、以下の前記両面テープを用いる方法、具体的には、前記第二導電体の外周部に両面テープを額縁状に貼付し、該両面テープ1辺の両端部に孔を設け、該孔に導電性樹脂を滴下した後、該第二導電体に前記第一導電体を貼合せる方法、が好ましい。この方法の場合、貼合後においても、前記第一導電体と前記第二導電体とを簡便に電気を導通可能にすることができる点で有利である。
前記導電性樹脂としては、導電性を有する限り特に制限はなく、公知の導電性樹脂の中から適宜選択することができ、例えば、エポキシ系導電性樹脂、などが挙げられる。
ここで、本発明の入力装置の製造方法の一例について、図面を参照しながら説明する。
まず、図3中段に示すように、前記透明基体としての透明導電膜形成用フィルム上に、本発明の前記有機導電性組成物を部分的に印刷することにより前記透明導電膜(本発明の前記透明導電膜)(図示せず)を形成する。その後、該透明導電膜に一対の第一電極を対向配置させ、該透明導電膜と接しない絶縁部(前記透明導電膜形成用フィルム)上に、所定のパターンマスクを介して銀ペーストにより印刷してランドパターン7を形成し、前記第一導電体を製造する。以上が前記第一導電体製造工程である。
一方、図3上段に示すように、前記基体としての透明導電膜形成用基板上に、例えばITO導電膜である前記導電膜(図示せず)を全面に形成する。その後、該導電膜の周辺部を、常法によりレジストを塗布し、エッチングすることにより除去して、前記絶縁部を形成する。なお、前記導電膜の周辺部に、常法により絶縁ペーストを印刷することにより前記絶縁部を形成してもよい。そして、一対の第二電極15及び配線パターン20を前記絶縁部上に形成する。なお、配線パターン20は、所定のパターンマスクを介して銀ペーストを印刷することにより形成することができる。こうして前記第二導電体を製造する。以上が、前記第二導電体製造工程である。
次に、図3上段に示すように、前記第二導電体上に、両面テープを額縁状に貼り付け、該額縁状の両面テープにおける一辺の両端に、一対の孔が設けられており、該孔には導電性樹脂が充填される。その後、前記第一電極と前記第二電極とを互いに直交するようにして前記第一導電体と前記第二導電体とを貼り合わせる。なお、このとき、ランドパターン7と前記導電性樹脂とが接触するようにしておくと、貼合後においても、前記第一電極に電気を導通可能にすることができる。以上が、前記貼合工程である。
本発明の入力装置の製造方法によると、本発明の前記入力装置を簡便にかつ効率的に製造することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。以下の実施例は、本発明の前記有機導電性組成物により形成した本発明の前記透明導電膜を用いた本発明の前記透明導電体を備えた本発明の前記入力装置を、本発明の前記入力装置の製造方法により製造する内容である。
(実施例1)
−有機導電性組成物の調製−
下記一般式(2)で表されるポリマーとしてのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)に前記ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸を30質量%ドープした物質を、前記分散溶媒としての水に、2質量%含有させた溶液(長瀬産業社製、DENATRON #5002T)に、表1に示すように、前記水溶性有機化合物としてエチレングリコール(沸点=197.2℃、和光純薬社製)を5質量%と、前記水溶性エポキシモノマーとしてのエチレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムテックス社製、EX−810)を0.5質量%と、前記アルコキシ基含有化合物として3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業社製)を0.5質量%とを、それぞれ添加して、各成分が均一になるまで1時間攪拌混合し、実施例1の有機導電性組成物を調製した。なお、下記一般式(2)で表されるポリマーは、前記一般式(1)中、R及びRが、互いに連結した、−O−CH−CH−O−、であり酸素原子2個を含む環を形成しているポリマーである。nは、重合度を表し、整数を表す。
なお、前記実施例1の有機導電性組成物における前記ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸の含有量は、前記PEDOT100質量部に対して、30質量部であり、前記水溶性有機化合物としてエチレングリコールの前記含有量は、前記PEDOT100質量部に対して、250質量部であり、前記水溶性エポキシモノマーとしてのエチレングリコールジグリシジルエーテルの前記含有量は、前記PEDOT100質量部に対して、25質量部であり、前記アルコキシ基含有化合物として3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランの前記含有量は、前記PEDOT100質量部に対して、25質量部である。
(実施例2)
−有機導電性組成物の調製−
実施例1において、表1に示すように、前記水溶性エポキシモノマーとしてのエチレングリコールジグリシジルエーテルを、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(ナガセケムケック社製、EX512)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2の有機導電性組成物を調製した。
(実施例3)
−有機導電性組成物の調製−
実施例1において、表1に示すように、前記水溶性エポキシモノマーとしてのエチレングリコールジグリシジルエーテルを、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル(ナガセケムケック社製、EX920)に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例3の有機導電性組成物を調製した。
(実施例4)
−有機導電性組成物の調製−
実施例1において、表1に示すように、前記アルコキシ基含有化合物としての3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランを、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランに替えた以外は実施例1と同様にして、実施例4の有機導電性組成物を調製した。
(実施例5)
−有機導電性組成物の調製−
実施例1において、表1に示すように、前記アルコキシ基含有化合物としての3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、実施例5の有機導電性組成物を調製した。
(比較例1)
−有機導電性組成物の調製−
実施例1において、表1に示すように、前記水溶性エポキシモノマーとしてのエチレングリコールジグリシジルエーテルを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例1の有機導電性組成物を調製した。
(比較例2)
−有機導電性組成物の調製−
実施例4において、表1に示すように、前記水溶性エポキシモノマーとしてのエチレングリコールジグリシジルエーテルを添加しなかった以外は、実施例4と同様にして、比較例2の有機導電性組成物を調製した。
(比較例3)
−有機導電性組成物の調製−
実施例1において、表1に示すように、前記水溶性エポキシモノマーとしてのエチレングリコールジグリシジルエーテルと、前記アルコキシ基含有化合物としての3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランとを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例3の有機導電性組成物を調製した。
(比較例4)
−有機導電性組成物の調製−
実施例1において、表1に示すように、前記水溶性有機化合物としてのエチレングリコールを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、比較例4の有機導電性組成物を調製した。
(実施例6)
−有機導電性組成物の調製−
実施例1において、更に、前記非導電性無機微粒子としてのシリカ(日本触媒製、エポスターL15、球状、平均粒径=20nm)を、前記一般式(2)で表されるポリマーであるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(「PEDOT」と称することがある)100質量部に対して、25質量部添加し、攪拌混合時間を1時間から3時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の有機導電性組成物を調製した。
(実施例7)
−有機導電性組成物の調製−
実施例1において、更に、前記導電性無機微粒子としてのITO粒子(住友金属鉱山製、SUFP、不定形状)を、前記一般式(2)で表されるポリマーであるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(「PEDOT」と称することがある)100質量部に対して、25質量部添加し、攪拌混合時間を1時間から3時間に変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の有機導電性組成物を調製した。
(実施例8)
−第一導電膜(透明導電膜)及び第一導電体の作製−
前記透明基体としてのポリエチレンテレフタレート樹脂(厚み:188μm、297mm×210mm、東レ社製)による透明基板上に、実施例1で調製した有機導電性組成物をバーコーター(No.9、ウエット膜圧20μm)を用いてバーコート法により塗布した。なお、該塗布は、該透明基板の外周部を除く部分について行った。その結果、該透明基板の外周部には絶縁部が形成された。その後、100℃の環境下で5分間加熱乾燥することにより、本発明の前記透明導電膜である前記第一導電膜(厚み:約0.4μm)を前記透明基体上に形成して、以下の表面抵抗率(値)、全光線透過率、耐水性及び密着性の評価を行った。結果を表2〜3に示した。
次に、図3中段に示すように、該第一導電膜の両端に対向配置させる一対の第一電極と、前記絶縁部に位置させるランドパターン7とを、それぞれ所定のパターンマスクを介してポリエステル系銀ペースト(東洋紡社製、DW−250−H5)により印刷して形成し、本発明の前記透明導電体としての前記第一導電体を作製した。
<表面抵抗率(値)の評価>
形成した前記第一導電膜の表面抵抗率(値)Xを、JIS K6911に準拠して、表面抵抗率計(NPS社製、Σ−5)で測定したところ、該表面抵抗率Xは、1,600Ω/□であった。また、前記第一導電膜を前記加熱加湿処理として温度50℃、相対湿度80%の条件下で500時間保持した後に、前記表面抵抗率Xと同様にして表面抵抗率(値)Yを測定したところ、該表面抵抗率Yは、1,840Ω/□であった。前記表面抵抗率X及びYから表面抵抗増加率(Z:Z=(Y−X)/X×100)を求めたところ、該表面抵抗増加率は、Z=15%であった。
<全光線透過率の評価>
形成した前記第一導電膜の全光線透過率をJIS K7361に準拠して、全光線透過率測定機(村上色彩技術研究所社製、HR−100)で測定したところ、前記全光線透過率は、86%であった。
<耐水性の評価>
形成した前記第一導電膜の表面を、クレシアハンドタオル(ソフトタイプ)に水を染み込ませ、前記第一導電膜を手拭きで10往復拭いた後、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
導電膜は全く剥がれ落ちなかった・・・・・・・・・・・A
極僅かに導電膜が剥がれ落ちたが、全く問題ない・・・・B
僅かに導電膜が剥がれ落ちたが、実用上問題ない・・・・C
導電膜の剥がれ落ちが目立ち、実用上問題がある・・・・D
導電膜がほとんど全て剥がれ落ちてしまった・・・・・・E
<密着性の評価>
形成した前記第一導電膜の表面を、前記透明基体としてのポリエチレンテレフタレート樹脂まで貫通するようにして、カッターナイフで格子状の切り込みを入れた。該切り込みを入れた第一導電膜にはセロハンテープを接着して、剥離し、以下の評価基準に基づいて評価を行った。
導電膜は全く剥離しなかった・・・・・・・・・・・・A
極僅かに導電膜が剥離したが、実用上問題ない・・・・B
僅かに導電膜が剥がれ落ちたが、実用上問題ない・・・C
導電膜の剥離が目立ち、実用上問題がある・・・・・・D
導電膜がほとんど全て剥離してしまった・・・・・・・E
(実施例9〜12)
−第一導電膜(透明導電膜)及び第一導電体の作製−
実施例8において、実施例1で調製した有機導電性組成物を、それぞれ順に実施例2〜5で調製した有機導電性組成物に代えた以外は、実施例8と同様にして、それぞれ実施例9〜12の第一導電膜(透明導電膜)(厚み:約0.4μm)及び第一導電体を作製し、該第一導電膜の表面抵抗率、全光線透過率、耐水性及び密着性の評価を行った。結果を表2〜3に示した。
(比較例5)
−第一導電膜(透明導電膜)及び第一導電体の作製−
前記透明基体としてのポリエチレンテレフタレート樹脂(厚み:188μm、297mm×210mm、東レ社製)による透明基板上の全面に、真空蒸着法により第一導電膜(透明導電膜)としてのITO導電膜(厚み:約0.02μm)を形成した。その後、常法により該ITO導電膜にレジストを塗布し、該ITO導電膜の外周部をエッチングすることにより、ITO導電膜を除去した絶縁部を形成した。なお、実施例8と同様にして前記第一導電膜(ITO導電膜)の表面抵抗率、全光線透過率、耐水性及び密着性の評価を行った。結果を表2〜3に示した。
次に、図3中段に示すように、該第一導電膜(透明導電膜)上に、対向配置させる一対の第一電極と、前記絶縁部に配置させるランドパターン7とを、所定のパターンマスクを介してポリエステル系銀ペースト(東洋紡社製、DW−250−H5)により印刷して、比較例5の第一導電体を作製した。
(比較例6〜9)
−第一導電膜(透明導電膜)及び第一導電体の作製−
実施例8において、実施例1で調製した有機導電性組成物をそれぞれ比較例1〜4で調製した有機導電性組成物に替えた以外は、実施例8と同様にして比較例6〜9の第一導電膜(透明導電膜)(厚み:約0.4μm)及び第一導電体を作製し、表面抵抗率、全光線透過率、耐水性及び密着性の評価を行った。結果を表2〜3に示した。
表2の結果から、実施例8〜12の第一導電膜は、比較例6〜8の導電膜と比較して表面抵抗率は同等であった。比較例9は、表面抵抗率が突出して高いが、これは前記水溶性有機化合物を含んでいないためであると考えられる。また、表面抵抗増加率は、実施例8〜12では、いずれも60%以下であり環境変化に対して優れていることが判った。また、全光線透過率についても優れていることが分かった。
表3の結果から、実施例8〜12の第一導電膜は、実施例1〜5の有機導電性組成物を用いることにより、比較例6〜9の導電膜と比較して、耐水性、密着性のいずれについても同等以上であることが判った。
(実施例13〜15)
−透明導電膜の作製−
前記透明基体としてのポリエチレンテレフタレート樹脂(厚み:188μm、297mm×210mm、東レ社製)による透明基板上に、実施例1、6、7でそれぞれ調製した有機導電性組成物をバーコーター(No.9、ウエット膜圧20μm)を用いてバーコート法により塗布した後、120℃の環境下で5分間加熱乾燥することにより、本発明の前記透明導電膜(厚み:約0.4μm)を前記透明基体上に形成した。この透明導電膜につき、以下の表面抵抗率(値)及び全光線透過率の評価を行った。結果を表4に示した。
表4の結果から明らかなように、本発明の透明導電膜に対し、前記非導電性無機微粒子を添加した場合(実施例14)には、その導電性を維持しつつ、これを添加しなかった場合(実施例13)に比し、透明性を向上させることができ、前記導電性無機微粒子を添加した場合(実施例15)には、その透明性を維持しつつ、これを添加しなかった場合(実施例13)に比し、導電性を向上させることができることが判った。
(実施例16)
−タッチパネル型入力装置の製造−
タッチパネル型入力装置を図3に示すような工程により製造した。
まず、図3上段に示すように、前記基体としてのガラス板(厚み:1.1mm、400mm×300mm)上の全面に、真空蒸着法により前記導電膜としてのITO導電膜を形成し、常法により該ITO導電膜上にレジストを塗布しエッチングすることにより、配線パターン20が形成される部分の前記ITO導電膜を除去して絶縁部を形成した。次に、該ITO導電膜上に、アクリル系樹脂を用いてフォトリソグラフィーにより、厚み5μmのドットスペーサーの形成を行った。次に、前記ITO導電膜の両端に配置させる一対の第二電極15と、前記ITO導電膜を除去した絶縁部に配置させる配線パターン20とを、所定のパターンマスクを介してポリエステル系銀ペースト(東洋紡社製、DW−250−H5)により印刷して第二導電体を作製した。次に、図3の上段に示すように、作製した第二導電体上に額縁上の両面テープを貼り付け、該額縁上の両面テープに予め設けられた一対の孔にエポキシ系導電性樹脂(藤倉化成社製、XA−910)を滴下し充填した。
次に、前記第一導電体として、実施例8の第一導電体を用い、該第一導電体における前記第一電極と、前記第二導電体における前記第二電極とが互いに直交するように、かつ、ランドパターン7と前記導電性樹脂とが互いに接触するようにして、前記第一導電体と前記第二導電体とを貼り合わせた。その後、配線引き出し用のタブ電極を前記配線パターンと接触するように圧着させてタッチパネル型入力装置を製造した。
製造したタッチパネル型入力装置について、以下のリニアリティー変化の測定を行った。結果を表5に示した。
<リニアリティー変化の測定>
製造したタッチパネル型入力装置におけるタッチ面に文字入力を行い、文字入力後の前記第一電極及び前記第二電極における電圧を測定し、リニアリティーからのずれである抵抗率変化(ΔE)を求めた。そして、同じ文字について該抵抗率変化(ΔE)の最大値が1.5%を超えるまで文字入力を繰り返し行い、該抵抗率変化(ΔE)の最大値が1.5%を超えたときの文字入力数を測定した。
(実施例17)
−タッチパネル型入力装置の製造−
タッチパネル型入力装置の製造について図3を参照しながら説明する。
図3上段に示すように、実施例2で調製した有機導電性組成物を用いて、前記基体としてのガラス板(厚み:1.1mm、400mm×300mm)上にバーコーター(No.9、ウエット膜圧20μm)を用いて塗布を行った。該塗布は、該ガラス板の外周部を除く部分についてのみ行った。該外周部には絶縁部を形成した。その後、120℃の環境下で10分間加熱乾燥することにより前記導電膜(厚み:約0.4μm)を形成した。次に、該導電膜上に、アクリル系樹脂を用いてフォトリソグラフィーにより、厚み5μmのドットスペーサーの形成を行った。なお、前記導電膜は、実施例9で作製した第一導電膜と同じである。
次に、前記導電膜の両端に配置させる一対の第二電極15と、前記絶縁部に配置させる配線パターン20とを、所定のパターンマスクを介してポリエステル系銀ペースト(東洋紡社製、DW−250−H5)により印刷して、第二導電体を作製した。
次に、図3の上段に示すように、前記第二導電体上に額縁上の両面テープを貼り付け、該額縁上の両面テープに予め設けられた一対の孔にエポキシ系導電性樹脂(藤倉化成社製、XA−910)を滴下し充填させた。
次に、前記第一導電体として、実施例9の第一導電体を用い、前記第一電極と前記第二電極とが互いに直交するように、かつ、ランドパターン7と前記導電性樹脂とが互いに接触するようにして、前記第一導電体と前記第二導電体とを貼り合わせた。その後、配線引き出し用のタブ電極を前記配線パターンと接触するように圧着してタッチパネル型入力装置を製造し、実施例16と同様にしてリニアリティー変化を測定した。結果を表5に示した。
(実施例18)
−タッチパネル型入力装置の製造−
実施例17において、前記第一導電体として、実施例9の第一導電体を実施例10の第一導電体に変更し、及び、前記第二導電体の作製において、実施例2の有機導電性組成物を実施例3の有機導電性組成物に変更した以外は、実施例17と同様にしてタッチパネル型入力装置を製造し、リニアリティー変化を測定した。結果を表5に示した。なお、前記第二導電体における透明導電膜は、実施例10で作製した第一導電膜と同じものである。
(比較例10)
−タッチパネル用入力装置の製造−
実施例16において、前記第一導電体として、実施例6の第一導電体を比較例5の第一導電体に変更した以外は、実施例16と同様にしてタッチパネル型入力装置を製造し、リニアリティー変化を測定した。結果を表5に示した。
(比較例11)
−タッチパネル用入力装置の製造−
実施例16において、前記第一導電体として、実施例8の第一導電体を比較例6の第一導電体に変更した以外は、実施例16と同様にしてタッチパネル型入力装置を製造し、リニアリティー変化を測定した。結果を表5に示した。
表5の結果から、実施例16〜18のタッチパネル型入力装置は、比較例10〜11のタッチパネル型入力装置と比較して、3倍以上の入力を繰り返した場合であっても抵抗劣化が抑制され、リニアリティー変化が許容範囲(ΔEが1.5%以下)であり、飛躍的に信頼性及び寿命が向上していることが判った。
ここで、本発明の好ましい態様を付記すると、以下の通りである。
(付記1) 下記一般式(1)で表されるポリマーと、水溶性有機化合物と、ドーパントと、水溶性エポキシモノマーとを少なくとも含むことを特徴とする有機導電性組成物。
前記一般式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は置換基を表し、また、互いに連結して窒素原子、硫黄原子及び酸素原子のいずれかを含んでいてもよい環を形成していてもよく、nは、重合度を表し、整数である。
(付記2) 下記一般式(1)で表されるポリマーが、下記一般式(2)で表されるポリマーである付記1に記載の有機導電性組成物。
前記一般式(2)中、nは、重合度を表し、整数である。
(付記3) 水溶性有機化合物の沸点が150℃以上である付記1から2のいずれかに記載の有機導電性組成物。
(付記4) 水溶性有機化合物が酸素含有化合物から選択される付記1から3のいずれかに記載の有機導電性組成物。
(付記5) 酸素含有化合物が、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物及びスルホキシド基含有化合物から選択される少なくとも1種である付記4に記載の有機導電性組成物。
(付記6) 水溶性有機化合物が、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、及びジエチレングリコールから選択される少なくとも1種である付記1から5のいずれかに記載の有機導電性組成物。
(付記7) ドーパントがルイス酸から選択される付記1から6のいずれかに記載の有機導電性組成物。
(付記8) ルイス酸が、スルホン酸化合物、ホウ酸化合物、リン酸化合物、及び塩素酸化合物から選択される少なくとも1種である付記7に記載の有機導電性組成物。
(付記9) ドーパントが、ポリスチレンスルホン酸及びアルキルナフタレンスルホン酸の少なくともいずれかである付記1から8のいずれかに記載の有機導電性組成物。
(付記10) 水溶性エポキシモノマーが、エーテル基含有化合物及びイソシアネート基含有化合物から選択される少なくとも1種である付記1から9のいずれかに記載の有機導電性組成物。
(付記11) 水溶性エポキシモノマーがポリエチレングリコールジグリシジルエーテルである付記1から10のいずれかに記載の有機導電性組成物。
(付記12) アルコキシ基含有化合物を更に含有する付記1から11のいずれかに記載の有機導電性組成物。
(付記13) アルコキシ基含有化合物が、シリコンアルコキシ化合物及びチタンアルコキシ化合物から選択される少なくとも1種である付記12に記載の有機導電性組成物。
(付記14) 無機微粒子を更に含有する付記1から13のいずれかに記載の有機導電性組成物。
(付記15) 無機微粒子の含有量が、一般式(1)で表されるポリマー100質量部に対し、10〜100質量部である付記14に記載の有機導電性組成物。
(付記16) 無機微粒子が、非導電性無機微粒子及び導電性無機微粒子の少なくともいずれかから選択される少なくとも1種である付記14から15のいずれかに記載の有機導電性組成物。
(付記17) タッチパネル型入力装置及び帯電防止フィルムの少なくともいずれかに用いられる付記1から16のいずれかに記載の有機導電性組成物。
(付記18) 付記1から17のいずれかに記載の有機導電性組成物を用いて形成され、かつ表面抵抗率が5,000Ω/□以下であることを特徴とする透明導電膜。
(付記19) 50℃、相対湿度80%の条件下で500時間保持する加熱加湿処理前における透明導電膜の表面抵抗率Xと、該加熱加湿処理後における前記透明導電膜の表面抵抗率Yとが、次式、(Y−X)/X×100≦60、を満たす付記18に記載の透明導電膜。
(付記20) 透明導電膜の全光線透過率が85%以上である付記18から19のいずれかに記載の透明導電膜。
(付記21) 付記18から20のいずれかに記載の透明導電膜を透明基体上に有してなることを特徴とする透明導電体。
(付記22) 透明導電膜が透明基体上に部分的に形成された付記21に記載の透明導電体。
(付記23) 第一導電体と、該第一導電体に対し絶縁性スペーサーを介して対向配置された第二導電体とを有してなり、
前記第一導電体が、付記21から22のいずれかに記載の透明導電体であり、かつ押圧により変形して前記第二導電体に部分的に接触可能であることを特徴とする入力装置。
(付記24) 第二導電体が基体上に導電膜を有してなり、該導電膜が、ITO(インジウム錫酸化物)膜、及び付記18から20のいずれかに記載の透明導電膜の少なくともいずれかである付記23に記載の入力装置。
(付記25) 第二導電体が付記21から22のいずれかに記載の透明導電体である付記23から24のいずれかに記載の入力装置。
(付記26) タッチパネル型入力装置である付記23から25のいずれかに記載の入力装置。
(付記27) 透明基体上に、付記1から17のいずれかに記載の有機導電性組成物を用いて透明導電膜を形成し、該透明導電膜における対向する端部に、一対の第一電極を該透明導電膜に電気を導通可能に対向配置させて第一導電体を製造する第一導電体製造工程と、
基体上に導電膜を形成し、該導電膜における対向する端部に、一対の第二電極を該導電膜に電気を導通可能に対向配置させて第二導電体を製造する第二導電体製造工程と、
前記第一導電体と前記第二導電体とを、前記第一電極と前記第二電極とが互いに直交するようにして貼り合わせる貼合工程と、
を含むことを特徴とする入力装置の製造方法。
(付記28) 透明導電膜が透明基体上に部分的に形成された付記27に記載の入力装置の製造方法。
本発明の有機導電性組成物は、透明導電膜の形成に好適に用いることができ、具体的には、タッチパネル型入力装置等の各種の入力装置、各種導電膜、コンデンサー、二次電池、接続用部材、高分子半導体素子、帯電防止フィルム等の帯電防止材料、ディスプレイ、エネルギー変換素子、レジスト、などに好適に使用することができる。
本発明の透明導電膜及び透明導電体は、タッチパネル型入力装置等の各種の入力装置、各種導電膜、コンデンサー、二次電池、接続用部材、高分子半導体素子、帯電防止フィルム等の帯電防止材料、ディスプレイ、エネルギー変換素子、レジスト、などに好適に使用することができる。
本発明の入力装置は、タッチパネル型入力装置等として好適に使用することができる。
本発明の入力装置の製造方法は、本発明の前記入力装置の製造方法に好適に使用することができる。
図1は、本発明の入力装置の一例を示す断面概略説明図である。 図2は、本発明の入力装置の一例を示す概略平面図である。 図3は、本発明の入力装置の製造方法における工程の一例を示す概略説明図である。
符号の説明
1 透明基体
2 透明導電膜
5 第一電極
7 ランドパターン
10 導電膜
11 基体
15 第二電極
20 配線パターン
40 ドットスペーサー
50 絶縁性スペーサー

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されるポリマーと、水溶性有機化合物と、ドーパントと、水溶性エポキシモノマーとを少なくとも含むことを特徴とする有機導電性組成物。
    一般式(1)中、R及びRは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよく、水素原子又は置換基を表し、また、互いに連結して窒素原子、硫黄原子及び酸素原子のいずれかを含んでいてもよい環を形成していてもよく、nは、重合度を表し、整数である。
  2. 請求項1に記載の有機導電性組成物を用いて形成されたことを特徴とする透明導電膜。
  3. 請求項2に記載の透明導電膜を透明基体上に有してなることを特徴とする透明導電体。
  4. 第一導電体と、該第一導電体に対し絶縁性スペーサーを介して対向配置された第二導電体とを有してなり、
    前記第一導電体が、請求項3に記載の透明導電体であり、かつ押圧により変形して前記第二導電体に部分的に接触可能であることを特徴とする入力装置。
  5. 透明基体上に、請求項1に記載の有機導電性組成物を用いて透明導電膜を形成し、該透明導電膜における対向する端部に、一対の第一電極を該透明導電膜に電気を導通可能に対向配置させて第一導電体を製造する第一導電体製造工程と、
    基体上に導電膜を形成し、該導電膜における対向する端部に、一対の第二電極を該導電膜に電気を導通可能に対向配置させて第二導電体を製造する第二導電体製造工程と、
    前記第一導電体と前記第二導電体とを、前記第一電極と前記第二電極とが互いに直交するようにして貼り合わせる貼合工程と、
    を含むことを特徴とする入力装置の製造方法。
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