JP4805768B2 - 熱硬化性樹脂の保管方法 - Google Patents

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本発明は、接着剤や塗料などに用いられる熱硬化性樹脂の保管方法に関するものである。
半導体などの電子部品実装やプリント配線板製造などでは、エポキシ樹脂を代表とする熱硬化性樹脂が多く用いられている。例えば、フリップチップ実装では、配線基板とこれに実装される半導体チップとの間に、アンダーフィルと呼ばれる熱硬化性樹脂が用いられている。熱硬化性樹脂は、加熱により硬化するプラスチックであり、鎖のように細長い高分子から枝状に出ている側鎖が,別の高分子の側鎖と結合する架橋反応が加熱によって進行し、高分子同士が3次元的に結合して硬化する樹脂である。エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂は、3次元の架橋構造を持つことから,熱可塑性樹脂に比べると耐熱性や耐薬品性などの物性に優れている(非特許文献1,2参照)。
森 寛爾,「粘弾性測定による塗膜硬化解析」,豊田中央研究所R&Dレビュー,Vol.29,No.2,pp56−62,1994 エポキシ樹脂技術協会編、「総説エポキシ樹脂」、応用編II、pp.6−9、2003
ところで、熱硬化性樹脂は、熱により硬化する樹脂であるため、一般には10℃以下と低温の状態で保管している。しかしながら、低温の状態を維持するためにはコストがかかるため、例えば、長期に保管する場合はより低温で保管し、短期に保管する場合はある程度高温で保管するなど、使用の形態に合わせて保管温度を最適化することができれば、保管のためのコストを抑制することが可能である。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、使用の状態に合わせて熱硬化性樹脂の保管温度を設定するなど、より最適な状態に熱硬化性樹脂が保管できるようにすることを目的とする。
本発明に係る熱硬化性樹脂の保管方法は、所望とする熱硬化性樹脂を所定の保管温度で所定の期間保管したときの保管期間t後の硬化率Pを、熱硬化性樹脂に応じて定まる硬化速度常数Kおよびワイブルモデルの形状因子の逆数で定義される熱硬化性樹脂に応じて定まる常数Nを各々アレニウウス型温度依存性を持つものとして用いた式であるP=1−exp{−(K・t)1/N}よりなる第1の式と、上記熱硬化性樹脂が硬化するための活性化エネルギーを示す第1常数QK上記熱硬化性樹脂の硬化のために有効なこの熱硬化性樹脂の分子同士の衝突の確率を示す頻度因子である第2常数α0,保管温度の絶対温度T,及びボルツマン常数kを用いて第1の式のKを規定するK=α0exp{−QK/(kT)}よりなる第2の式と、活性化エネルギーに相当する常数である第3常数QN頻度因子に相当する常数である第4常数β0,保管温度の絶対温度T,及びボルツマン常数kを用いて第1の式のNを規定するN=β0exp{−QN/(kT)}よりなる第3の式とにより予測することで、保管温度及び保管期間からなる保管条件を設定するようにしたものである。
また、本発明に係る他の熱硬化性樹脂の保管方法は、所望とする熱硬化性樹脂を所定の保管温度で所定の期間保管したときの硬化率を予測することで、保管温度及び保管期間からなる保管条件を設定する熱硬化性樹脂の保管方法において、第1温度とした保管開始より第1保管期間t後の第1硬化率Pを、熱硬化性樹脂に応じて定まる硬化速度常数Kおよびワイブルモデルの形状因子の逆数で定義される熱硬化性樹脂に応じて定まる常数Nを各々アレニウウス型温度依存性を持つものとして用いた式であるP=1−exp{−(K・t)1/N}よりなる第1の式と、上記熱硬化性樹脂が硬化するための活性化エネルギーを示す第1常数QK上記熱硬化性樹脂の硬化のために有効なこの熱硬化性樹脂の分子同士の衝突の確率を示す頻度因子である第2常数α0,保管温度の絶対温度T,及びボルツマン常数kを用いて第1の式のKを規定するK=α0exp{−QK/(kT)}よりなる第2の式と、活性化エネルギーに相当する常数である第3常数QN頻度因子に相当する常数である第4常数β0,保管温度の絶対温度T,及びボルツマン常数kを用いて第1の式のNを規定するN=β0exp{−QN/(kT)}よりなる第3の式とにより予測する第1ステップと、第2温度とした保管温度により第1硬化率Pとなる保管期間t’を、第1の式,第2の式,及び第3の式より求め、第2温度とした保管による保管期間t’から所定の単位期間Δtの間の硬化率の変化分ΔPを、第2の式,第3の式、及び、ΔP=1/N・K1/N・t1/N-1・exp[−(Kt)1/N]・Δtよりなる第4の式より求める第2ステップと、第1硬化率Pに硬化率の変化分ΔPを加えた第2硬化率P+ΔPを求める第3ステップとを少なくとも備え、第2硬化率により、第1温度で第1保管期間保管してから第2温度として単位保管期間保管した後の硬化率を予測するようにしたものである。
上記熱硬化性樹脂の保管方法において、第2温度の条件において、期間t’+Δtの時点からのΔtの間の硬化率の変化分ΔP’を第4の式より求める第4ステップと、第2硬化率P+ΔPに硬化率の変化分ΔP’を加えた第3硬化率P+ΔP+ΔP’を求める第5ステップとを新たに備え、第3硬化率により、第1温度で第1期間保管して、第2温度として単位期間Δt保管し、加えて第2温度として単位期間Δt保管した後の硬化率を予測するようにしてもよい。
また、上記熱硬化性樹脂の保管方法において、第3温度とした加熱により第2硬化率P+ΔPとなる期間t”を第1の式,第2の式,及び第3の式より求め、第3温度とした加熱による期間t”から所定の単位期間Δtの間の硬化率の変化分ΔP’を、第2の式,第3の式、及び第4の式より求める第4ステップと、第2硬化率P+ΔPに硬化率の変化分ΔP’を加えた第3硬化率P+ΔP+ΔP”を求める第5ステップとを新たに備え、第3硬化率により、第1温度で第1期間保管し、第2温度として単位期間Δt保管し、加えて第3温度として単位期間Δt保管した後の硬化率を予測するようにしてもよい。
以上説明したように、本発明によれば、P=1−exp{−(K・t)1/N}よりなる第1の式のNを、第3常数QN,第4常数β0,絶対温度T,及びボルツマン常数kを用いてN=β0exp{−QN/(kT)}より規定するようにしたので、適切な保管温度と保管期間の組み合わせによる熱硬化性樹脂の保管条件が設定可能となり、より最適な状態に熱硬化性樹脂が保管できるようになるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について説明する。本実施の形態1では、熱硬化性樹脂を所定の保管温度で保管したときの所定の保管期間における硬化率Pの変化を、硬化速度常数K(K>0)と保管期間tを用いて以下の式(1),式(2),及び式(3)により求め、求めた硬化率Pの変化をもとに、上記保管温度で保管した場合の保管期限を設定するようにしたものである。
P=1−exp{−(K・t)1/N}・・・(1)
K=α0exp{−QK/(kT)}・・・(2)
N=β0exp{−QN/(kT)}・・・(3)
ここで、常数N(N>0)はワイブル(Weibull)モデルにおける形状因子m(又はKJMAモデルにおけるアブラミ常数m)の逆数であり、近似的には反応次数に相当する値(概ね0.5≦N≦1.2の場合)を示す。また、式(1)における硬化速度常数K及び常数Nは,アレニウス(Arrhenius)型の温度依存性を持つと仮定して、式(2)及び式(3)で示すものとした。ここで、QKは、熱硬化性樹脂が硬化するための活性化エネルギーを示す常数であり(第1常数)、QNは式(3)における活性化エネルギーに相当する常数(第3常数)、Tは加えた熱の絶対温度、kはボルツマン常数である。また、α0は、熱硬化性樹脂の硬化のために有効な熱硬化性樹脂の分子同士の衝突の確率を示す頻度因子(第2常数)であり、β0は、式(3)における頻度因子に相当する常数(第4常数)である。なお、硬化速度常数K及び頻度因子α0は[時間-1]の次元を持ち、常数N及び常数β0は無次元である。また、一般にQK>0であるが、常数QNは主にゼロに近い正又は負の値を示す。
例えば、150℃で30分間加熱することで99%硬化し、この硬化温度(150℃)における常数Nが0.80,活性化エネルギーQKが0.80eV,常数QNが0.30eVである熱硬化性樹脂について、加熱の時間と硬化率との関係を式(1)により求めると、図1に示すような硬化率曲線(硬化率Pの変化)が得られる。このように表すことで、化学的反応率と機械的硬化率の違いは、常数Nの違いで総括的に表現できる。本実施の形態における保管の場合、加熱温度を保管温度とし、加熱の時間を保管の期間とすればよい。またn乗モデルとの比較より常数Nが小さいほど分子内の架橋点(反応基)数が多いなどの反応次数に関する情報や、KJMAモデルとの比較より常数Nが小さいほど硬化物は3次元的成長を行うなど、硬化過程の固相成長に関する幾何学的情報が得られる。なお、化学的反応率,n乗モデル,及びKJMAモデルについては、以降に詳述する。
ここで、各常数の決定について説明する。上記式(1)の両辺の対数を2回とって整理すると、以下の式(4)で示されるようになる。
Figure 0004805768
式(4)は、縦軸にln[−ln(1−P)]、横軸にlntをとってグラフ化すると、傾き1/Nの直線になることを示している。従って、実験を行った種々の反応温度毎に各々の反応温度における経過時間t毎の硬化率Pの実験値Pを用い、式(4)から得られる値を上述した定義の縦軸と横軸を用いたグラフにプロットし、最小2乗法で近似直線を求め、求めた近似直線の傾きから、各反応温度における常数Nの値(実験値)を求めることができる。
例えば、対象の熱硬化性樹脂を所定の温度で加熱して完全硬化状態とし、この状態における剪断強度を剪断強度試験器で測定し、測定された剪断強度S0を硬化率99%とする。次に、この熱硬化性樹脂に、例えば、反応温度100℃を時間t1加えたときの剪断強度S1を剪断強度S0で除することで、反応温度100℃を時間t1加えたときの実験値P1を求めることができる。同様にして、反応温度100℃を時間t2加えたときの実験値P2、反応温度100℃を時間t3加えたときの実験値P3・・・を求め、得られた実験値P1,P2,P3,・・・を用いて式(4)の左辺を時間tの対数に対してプロットして近似直線を求め、この傾きから反応温度100℃における指数Nの実験値を求めることができる。これらを、反応温度110℃、反応温度120℃、反応温度130℃・・・と、各反応温度毎に行う。
なお、上述では、剪断強度により硬化率の実測値を求めるようにしたが、引張り強度試験器により得られる引張り強度、粘弾性測定装置により得られる粘弾性、示差熱走査型熱量計により得られる熱量、フーリエ変換赤外分光光度計により測定される反応基のピークの状態(減小)により、硬化率の実測値を求めるようにしても良い。
次に、式(3)の両辺の対数をとり整理すると以下の式(5)で示されるようになる。
Figure 0004805768
式(5)は、縦軸に各温度毎に求めた常数Nの対数lnN,横軸に各反応温度の絶対温度の逆数1/Tをとってグラフ化すると、切片がlnβ0で傾き−QN/kの直線になることを示している。従って、各反応温度における常数Nの実験値を用い、式(5)から得られる値を上述した定義の縦軸と横軸を用いたグラフにプロットし、最小2乗法で近似直線を求め、求めた近似直線の傾きと切片より、常数QN及び常数β0を求めることができる。さらに、ここで求めた常数QN及び常数β0を用い、上記式(5)より各反応温度毎の常数Nの近似値を求めておく。
次に、再度式(1)を用い、この両辺の対数をとって整理すると、以下の式(6)で示されるようになる。
Figure 0004805768
式(6)は、縦軸に−ln(1−P)、横軸にt1/Nをとってグラフ化すると、傾きK1/Nの直線になることを示している。従って、実験を行った各反応温度毎に、各々の反応温度における経過時間t毎に硬化率Pの実験値を用い、式(6)から得られる値を上述した定義の縦軸と横軸を用いたグラフにプロットし、最小2乗法で近似直線を求め、求めた近似直線の傾きより硬化速度常数Kを求めることができる。なお、これらのことにより求めた硬化速度常数Kは、実験値Pと常数Nの近似値より求めた第1次的な近似値となる。なお、上記式(5)から常数Nを求めた段階で、同様に切片からも硬化速度常数Kを求めることができるが、この段階の常数Nは、近似値を求める前の値であるため、硬化速度常数Kの値に影響してバラツキの多い数値となる。このため、先ず、他の反応温度のデータを含めて温度依存性を考慮した常数Nの近似値を求め、この値を用いて硬化速度常数Kを算出する方が、より確からしい値を得ることができる。
次に、式(2)の両辺の対数をとり整理すると以下の式(7)のようになる。
Figure 0004805768
式(7)は、縦軸に各温度毎に求めた硬化速度常数Kの対数lnK、横軸に絶対温度の逆数1/Tをとってグラフ化すると、切片がlnα0で傾き−QK/kの直線になることを示している。従って、上記式(6)より求めた各反応温度における硬化速度常数Kを用いて上述した定義の縦軸と横軸を用いたグラフにプロットし、最小2乗法で近似直線を求め、求めた近似直線の傾きと切片より、活性化エネルギーQKと頻度因子α0とを求めることができる。なお、ここで求めた活性化エネルギーQKと頻度因子α0を用いて式(7)より求めた硬化速度常数Kが、各温度における最終的な近似値となる。
上述した式(4)〜式(7)を用いた手順により各常数(QK,QN,α0,β0)の統計的な近似値を求め、これらにより任意の保管温度(反応温度)における硬化速度常数Kと常数N及び硬化率P(硬化率Pの変化)を求める(予測する)ことができる。また、求めた硬化率Pの変化により、任意の保管温度における保管期限を設定すればよい。例えば、所望とする保管温度において、予測された硬化率Pが5%を超えない範囲を保管期限とすればよい。また、得られた硬化率Pの変化の中で、所望とする保管期間に硬化率Pが5%を越えない温度を保管温度としてもよい。このように、この実施の形態1によれば、使用の状態に合わせて熱硬化性樹脂の保管温度や保管期間などを含む保管条件を設定できるので、より最適な状態に熱硬化性樹脂が保管できるようになる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。この実施の形態2では、
保管温度が変化する場合の所定の保管期間における熱硬化性樹脂の硬化率Pの変化を、上述した式(1),式(2),式(3),及び以下に示す式(9)により求め、求めた硬化率Pの変化をもとに、保管期限を設定するようにしたものである。
Figure 0004805768
式(9)は、式(1)を時間で微分して得られた式(8)をもとにしたものであり、式(9)により、式(1)で定義される硬化率PのΔt時間内の変化分を求めることができる。
以下、本実施の形態2に係る熱硬化性樹脂の保管方法について図2を用いて説明する。以下では、初期に保管温度を第1保管温度T1として第1保管期間t1の間保管し、次いで、第2保管温度T2としてこの第2保管期間t2の期間保管した後の硬化率を予測する場合について説明する。先ず、図2の(S1)に示すように、保管開始初期段階の第1保管温度T1における初期段階の第1保管期間t1後の時点の硬化率P0を、式(1),式(2),及び式(3)により求める。
次に、図2の(S2)に示すように、初期より第2保管温度T2とした条件で硬化率P0となる仮想保管期間t’を、式(1),(2),及び(3)より求める。
次に、図2の(S3)に示すように、仮想保管期間t’保管してからの単位期間Δtの間の設定された第2保管温度T2で保管された後の硬化率の変化分ΔP1を、式(2),式(3),及び式(9)により求める。なお、仮想保管期間t’を式(9)におけるtとして計算する。
次に、図2の(S4)に示すように、求めた変化分ΔP1を、第1保管温度T1による第1保管期間t1の硬化率P0に加算し、この加算して得られた硬化率P0+1を、第1保管期間t1+単位期間Δt時間後の硬化率とする。
この後、仮想保管期間t’+ΔtからのΔtの間の設定された第2保管温度T2で保管される場合の硬化率の変化分ΔP2を式(9)より求め、求めた変化分ΔP2を、既に加算して得られている硬化率P0+1に加算し、この加算して得られた硬化率P0+1+2を、第1保管期間t1+Δt時間+Δt時間後の硬化率とする。これを繰り返すことで、硬化率の変化を求めることができる。
また、単位期間毎に保管の温度を変更し、変更した温度における硬化率の変化分の総和をとることで、温度を変化させた場合の累積的な硬化率の変化を求めることができる。なお、この場合、単位期間Δtを非常に短い期間とすることで、擬似的に連続的に保管温度を変化させる場合の硬化率の変化を求めることができる。
例えば、第1保管期間t1+Δtの時点からは第3保管温度とした場合、先ず、初期より第3保管温度とした条件で硬化率P0+1となる仮想保管期間t”を、式(1),(2),及び(3)より求める(追加ステップ1)。
次に、第3保管温度の条件において、仮想保管期間t”経過した時点からの単位期間Δtの間の硬化率の変化分ΔP2’を、(2),(3),及び式(9)により求める(追加ステップ2)。
次に、求めた変化分ΔP2’を、硬化率P0+1に加算し、この加算して得られた硬化率P0+1+2’を、第1保管期間t1+単位期間Δt+単位期間Δtの期間が経過した後の硬化率とする(追加ステップ3)。
保管温度が変更される毎に、追加ステップ1,追加ステップ2,及び追加ステップ3を繰り返すことで、単位期間Δt毎に保管温度が変化する場合に適用させることができる。
上記式(9)では、熱硬化性樹脂の保管の過程で硬化することにより変化する機械的物性値を、完全硬化状態としたある一定の物性値との比率(硬化率)Pとし、単位期間Δt当たりの比率Pの増加分ΔPを、硬化速度常数Kと常数Nとを用いて表している。また、式(9)における硬化速度常数K及び常数Nを、式(2)及び式(3)で表される温度依存性を持つ硬化モデルで表している。これらの式(9),式(2),及び式(3)より求められた変化分の累積値により、保管温度が変化された場合の熱硬化性樹脂の保管による硬化率の変化を予測することで、保管期限を設定すればよい。例えば、設定された保管温度条件において、予測された硬化率Pが5%を超えない範囲を保管期限とすればよい。また、所望とする保管期間をもとに、保管温度の変化の範囲(許容範囲)を設定しても良い。このように、この実施の形態2によれば、使用の状態に合わせて熱硬化性樹脂の保管温度や保管期間などを含む保管条件を設定できるので、より最適な状態に熱硬化性樹脂が保管できるようになる。
なお、上述した本実施の形態に係る熱硬化性樹脂の保管方法における保管による硬化率の予測は、例えば、保管温度が変化する場合への対応では、図2を用いて説明した各ステップの手順をプログラムとしてコンピュータにより処理させることで実施できる。例えば、図3に示すように、演算処理部301と、主記憶部302と、外部記憶部303と、入力部304と、表示部305と、プリンター306とを備えたコンピュータを用いればよい。
このコンピュータにおいて、例えば、磁気記録装置である外部記憶部303に、第1保管温度T1とした保管開始より第1保管期間t1後の第1硬化率P0を、式(1),式(2),及び式(3)から予測する第1ステップと、第2保管温度T2とした保管により第1硬化率P0となる仮想保管期間t’を、式(1),式(2),及び式(3)より求める第2ステップと、第2保管温度T2とした保管による仮想保管期間t’から所定の単位期間Δtの間の硬化率の変化分ΔP1を、式(2),式(3)、及び、仮想保管期間をtとした式(9)より求める第3ステップと、第1硬化率P0に硬化率の変化分ΔP1を加えた第2硬化率P0+1を求める第4ステップとを少なくとも備えたプログラムなどが記憶されている。
このように外部記憶部303に記憶されているプログラムが、演算処理部301により、主記憶部302に展開して実行され、この実行の結果が表示部305にリアルタイムに表示され、また、プリンター306により印刷出力される。また、処理結果は、外部記憶部303に記憶される。また、演算処理に必要な常数などの情報(データ)は、操作者の操作により入力部304より入力され、主記憶部302に一時記憶され、また、外部記憶部303に記憶される。これらの記憶された常数などのデータを用い、主記憶部302に展開されたプログラムを実行することで、演算処理部301は、硬化率P0,P0+1,P0+1+2,P0+1+2+3,・・・・を算出する。また、上記第1ステップのみを行うことで、保管温度を一定とした場合の硬化率Pの変化を求めることができる。
なお、上述した実施の形態では、熱量分析などで得られる化学的な反応率や剪断強度測定などから得られる機械的な硬化率を指標として硬化率を予測することで熱硬化性樹脂の保管温度及び保管期間を含む保管条件を設定するようにしたが、これに限るものではない。対象となる保管材料が熱硬化性樹脂以外の、例えば、食品や薬品などの時間の経過とともに鮮度や効力が低下し、さらに温度変化によって鮮度や効力の低下の速度が変わるものに対しても、鮮度や効力の劣化状態が、式(1),式(2),式(3)によって表現できる場合には、硬化率を、劣化を指標とする劣化率に置き換えて予測することができる。
ところで、式(1),式(2),及び式(3)による硬化率の予測は、熱硬化性樹脂の硬化挙動を接着強度などの機械的硬化率を指標として把握するために、硬化率を温度と時間の関数として表現できる反応速度論的硬化モデルを検討の結果、得られたものである。この検討において、発明者は、ワイブル(Weibull)型累積分布関数と同様なKJMAモデルを基本とし、この形状因子と尺度因子の温度依存性を加味した新たなモデルによって熱硬化性樹脂の硬化率を近似的に予測できることを見出した。
以下、より詳細に説明する。先ず、熱硬化性樹脂の反応機構について説明すると、エポキシ系樹脂などの熱硬化性樹脂は、エポキシ基を持つ分子の分子鎖生長だけが行われる反応率30%以下の第1段階(A Stage)、生長した直鎖状高分子のエーテル側鎖による架橋反応が起こり始める反応率50〜60%の第2段階(B Stage)を経て、3次元架橋反応が盛んに起こり網目状の強固な結合により硬化する第3段階(C Stage)にいたるとされている(非特許文献2参照)。
この場合、接着強度や弾性率は、第1段階ではほとんど上昇せず、第2段階以降で徐々に発現し、第3段階で所定の硬化物物性が得られる。従って、図4に示すように、示差熱走査型熱量計(Differential Scanning Caloriemeter、以降「DSC」と記す)などで測定した化学的な反応率と、ダイシェア試験などで得られる機械的な強度を指標とする硬化率とは、異なる上昇曲線を描くことになる。この曲線は、横軸に時間の対数、縦軸に反応率又は硬化率をとるとシグモイド(Sigmoid)曲線と呼ばれるS字曲線状となり、この曲線を数式化(関数の特定)することで、任意の温度と時間における反応率又は硬化率を求めることができるようになる。さらに、曲線を数式化した関数の係数(因子)を抽出することで、樹脂の硬化特性を数種類の数値データに置き換えて極めてシンプルに記述できることになる。
以下、化学反応速度論と確率密度関数等の信頼性工学との類似性、幾何学的核成長を考慮した等温結晶化理論など踏まえ、上述した曲線の数式化について述べる。
[1.0] 化学反応速度論からのアプローチ
[1.1] 1次反応モデルと指数分布
複雑な熱硬化性樹脂の反応モデルを論じる前に、先ず、単純な化学反応における反応速度の基本的な考え方について解説する。例えば、図5に示すように、ある瞬間において10個の未反応(丸)、3個の反応済み(四角)の状態から単位時間内に新たに2個が反応(六角)して、8個の未反応、5個の反応済み状態になる現象において、これまでもこの先も「新たに反応をする数(六角)」が「未反応数(丸)によって決まる」というルールに従ってっていると仮定する。
次に、このルールが「未反応数の一定割合が反応する。(比例常数Kとの掛け算)」となることを仮定すると今回の反応は2個(=10個×K)なのでK=0.2となる。Kは常に一定なので、同様に次の単位時間では(10−2)個×K(=0.2)=1.6個、この次の単位時間では(10−2−1.6)個×0.2=1.28個・・となり単位時間に反応する数は減ってくる。しかし、反応済みの量は、勢いは衰えるものの3+2+1.6+1.28個・・・と増えていく。
以上のことをより一般的に表現すると次の通りとなる。
「物質Aから何らかの反応で物質Bが生成される場合、物質Aの初期濃度をa、t時間後までの累積反応量(Bの生成量)をxとすれば、単位時間当たりの反応量dx/dtは、このdtにおける未反応量CAに比例し、この比例常数(反応速度常数)をKとする。」
このモデルは、未反応量の1次関数で表されるので1次反応モデルと呼ばれ、数式で表現すると以下の式(10)に示す通りとなる。なお、反応速度常数Kは[時間-1]の次元を持つ。
dx/dt=K・CA・・・(10)
さらに、未反応量CAは初期濃度aからt時間後までの累積反応量xを差し引いたものであるから「dx/dt=K・CA=K(a−x)」のようになる。よって、累積反応量xを時間tの関数として表現するためには、変数分離して微分方程式を解けばよい。
dx/dt=K(a−x) ・・・(11)
dx/(a−x)=Kdt
∫dx/(a−x)=∫Kdt
−ln(a−x)=K・t+const.
ここで、t=0でx=0であるから、const.=−lnaとなる。また、時間tの関数として表す反応率P(t)は累積反応量xと初期濃度aとの比(=x/a)であるから、t時間後の反応率P(t)は反応速度常数(硬化速度常数)Kを用いて次のように表される。
−ln(a−x)=K・t−lna
−ln{(a−x)/a}=K・t
−ln{1−P(t)}=K・t・・・(12)
P(t)=1−exp(−K・t)・・・(13)
つまり、単位時間当たりの反応量が未反応量に比例する(1次関数として表される)と仮定すると式(13)が得られる。
この反応率曲線は、t=1000でP(t)=0.99に達する場合を例にすると、式(13),式(12)及び式(12)の両辺の対数をとった以下の式(14)より図6に示すようになる。
ln{−ln(1−P(t))}=lnt+lnK・・・(14)
一方、AからBへの反応を「Aが故障してBとなる」と信頼性工学上の言葉で言い換えれば、単位時間当たりの反応量は単位時間当たりの故障数となり反応率は累積故障分布関数と等価の意味となる。これら反応速度論と信頼性工学の相関を説明すると、よく知られているように次の通りとなる。
母数aとしてt時間までの累積故障数xとして、単位時間当たりの故障数dx/dtは未故障数(=a−x)と比例常数λとの積と仮定すると以下のように示すことができる。
dx/dt=λ(a−x) ・・・(15)
dx/(a−x)=λdt
∫dx/(a−x)=∫λdt
−ln(a−x)=λ・t+const.
ここで、t=0でx=0であるから、const.=−lnaとなり、累積故障分布関数(
cumulative distribution function)F(t)は、累積故障数xと母数aとの比(=x/a)であるから、次のような指数分布関数(exponential distribution function)が得られる。
−ln(a−x)=λ・t−lna
−ln{(a−x)/a}=λ・t
−ln{1−F(t)}=λ・t・・・(16)
F(t)=1−exp(−λ・t)・・・(17)
なお、式(17)を微分して故障確率密度関数(Probability density function)f(t)として表すと次の通りとなる。
dF(t)/dt=f(t)=λexp(−λ・t)・・・(18)
故障率関数(failure rate function又は、hazard rate function)λ(t)は、t時間後の残存数n(t)のうち、次の単位時間当たりに故障する個数の比率である。
λ(t)={−dn(t)/dt}/n(t)・・・(19)
式(19)右辺の分母と分子を母数aで割ったもので言い換えると故障率λ(t)とはt時間後に母数aに対する残存量の割合n(t)/a(=信頼度R(t))の中で、次の単位時間に故障する確率−(dn(t)/a)/dt(=故障確率密度関数f(t))の割合を示すので、次の式で与えられる。
λ(t)=f(t)/R(t)={dF(t)/dt}/R(t)={−dR(t)/dt}/R(t)・・・(20)
これを積分してt=0のときにR(t)=1とすると、次の通りとなる。
λ(t)dt=−dR(t)/R(t)・・・(21)
Figure 0004805768
また、故障率関数λ(t)の積分量である累積ハザードH(t)を用いると以下で表される。
Figure 0004805768
従って、累積故障分布関数」F(t)の基本形態は指数型であり、細部はλ(t)の形により関数の形が変わる。
Figure 0004805768
すなわち、指数分布における式(18)の仮定とはλ(t)=λであることを示しており、式(24)の指数部内を以下の式に示すようにt=0からtまで積分することで式(20)が得られる。
Figure 0004805768
また、式(11)と式(19)とは本質的な意味は等しく、式(11)において両辺をaで割り、これを式(20)と比較すると次のような相互関係となり、この比が反応速度常数Kであり、また故障率関数λ(t)となる。
左辺:(dx/a)/dt 単位時間当たりの反応率変化→確率密度関数f(t)と等価
右辺:(a−x)/a 未反応量(残存量)の割合→信頼度関数R(t)と等価
従って、ある関数がその微分型の関数との比で関係付けられいることが指数型となる所以となる。つまり、「単位時間当たりに変化する数量」が、「変化せず残存している数量」との比で表される場合は、この比の累積変化が指数型の増加関数となり、特に上記比が「時間に依らず常に一定の常数」で表される、いわゆる「構成要素一つ一つには何ら依存性が認められないランダムに生じる現象」は、指数分布を示すことになる。
以上に示した通り、化学反応における最も基本的な1次反応は、本質的に指数分布と全く同じ仮定に基づくモデルであり、1次反応率曲線は指数分布の累積分布関数で表される。
[1.2] n次反応におけるn乗モデルとワイブル分布
上述した図5を用いて説明した1次反応は、物質A単独の反応であり、この場合、未反応量CAのみを考え、反応速度常数Kとの積が瞬間の反応量となるものとしたが、これは図7のように「グランドに多くの人が目隠しをして自由に動き回っており、ある瞬間毎に出現しまた消滅する『水溜』に靴が入ったらグランドを出なければならない。」というゲームを行っていることに例えると、ある瞬間に「水溜」に靴が入りグランドから出ることが単位時間当たりに反応する量に相当すると考えれば良い。
グランド内に残された人は徐々に減っていくが、ある瞬間の時点で、グランドに残っている人が多ければ多いほど「水溜」に入る人は多く、グランドに残っている人が減れば「水溜」に入る人も減る。また、「水溜」ができること自体の数(確率)が多ければ、「水溜」に入る人も多い。このグランドにいる人が、反応系に存在する分子の量つまり濃度であり、「水溜」ができる確率が、反応速度常数を示す。これらのことを信頼性工学上の言葉でいえば、濃度は残存率(=信頼度)であり、反応速度常数は故障率にあたる。
次に、A,Bの2物質が反応して物質Cが生成される場合には、同様の考えを当てはめれば、「グランドにいる人は男女からなり、男と女が同時に『水溜』に入ると2人揃ってグランドから出る。」というゲームのルールになっているものと考えると良い。2人が水溜に入る確率は各々の確率の積であり、2つの物質が反応する場合は、未反応Aの濃度CAと未反応Bの濃度CBの積になる。なお、この例えでは、厳密には反応速度常数Kが2乗となるが、1個の常数として扱えば、各々の未反応成分濃度の積と反応速度常数の積として表される。
上述のことを数式で表現すれば、未反応Aの初期濃度をa,未反応Bの初期濃度をbとして次のように表される。
dx/dt=K・CA・CB=K(a−x)(b−x)
dx/{(a−x)(b−x)}=Kdt
∫dx/{(a−x)(b−x)}=∫Kdt・・・(25)
これをより一般化し、物質A,B,C,D.・・・という複数物質の反応において、単位時間当たりの反応量(生成量)が、各々の物質のべき乗の積に比例するとき、このべき乗の和を反応次数と呼ぶ。これを数式として表すと「dx/dt=K(CA a・CB b・CC c・CD d・・・) n次反応とは、n=a+b+c+d+・・・」となる。
自然界における反応は、複数物質が複雑に反応するものであるが、反応速度として見ると律速(速度の遅い)となる反応のみを考えれば良く、エポキシ系樹脂の場合でも、よく知られているように、以下に示す、式(26)、式(27)、式(28)(カマールの式,αは反応率)など高々数種類の積で近似できる場合が多い。
dx/dt=K(1−x)(1/r−x)(b+x)・・・(26)
dx/dt=K(a0−x)2(b0+x)・・・(27)
dα/dt=(K1+K2αm)(1−α)n・・・(28)
これらの中で最も単純な近似として単位時間当たりの反応量が物質A濃度のn乗に比例する(n乗モデル)とすると、aを初期濃度として下式のようになる。なお、自明ながらa>0,x>0,t>0,n>0である。
Figure 0004805768
これを[1.1]項の説明と同様に積分すると次のようになる。
Figure 0004805768
この反応率曲線は、t=1000でP(t)=0.99に達する場合を例にすると、式(14)及び図6と同様に、以下の式(31)及び式(32)より図8に示すようになる。なお、図8は、n次反応率曲線の形(n=0.8)である。
Figure 0004805768
ここまでは、図7に示したように、複数物質の反応によるn次反応を考えたが、熱硬化性有機分子のように1分子内に複数(i個)の官能基を持つ場合は、1分子内の官能基全てが反応してやっと1分子の反応が終わることになる。
この場合、官能基1個が反応する確率をpとし、i個の官能基で同時に起きる確率はpのi乗となる。よって分子1個の確率pとしてみると濃度が1/i乗になったということに等しい。つまり、反応速度式は下式の通りとなる。
dx/dt=K(a−x)1/i ・・・(33)
なお、反応次数の定義は濃度の指数部の和であるから、このような場合には反応次数nは式(29)で表した場合に1以下となる。
一方、[1.1]項において1次反応における反応率が指数分布における累積分布関数に一致することを述べたが、指数分布に形状因子(shape parameter)m(m>0)を導入して拡張したワイブル分布(weibull distribution)がn次反応における反応率に対応していることが予想される。
Pw(t)=1−exp{−(Kt)m}・・・(34)
t=1000でP(t)=0.99に達するなどの反応終止点が判っている反応について反応率曲線を推定することを想定した場合、式(34)のワイブル型累積分布関数(以下、ワイブルモデル」と呼ぶ)と式(30)のn乗モデルの反応率曲線を比較すると、反応次数nと形状因子mの逆数は、お互いに大小関係が同じであり、特に反応次数nが0.5〜1.2及び反応率Pが40%以上の範囲において、n≒1/mの関係にある。
熱硬化性樹脂の反応率を求める場合には、反応量を未反応分子の濃度として測定するのではなく、DSC(示差熱走査型熱量計)では全体の化学反応における発熱量の割合、フーリエ変換赤外分光光度計(Fourier Transform Infarred Spectroscopy,以降「FT−IR」と記す)では、特定官能基に基づく吸収波長強度の割合を求めることになるので、反応に係わる分子数や官能基数を正確に反映した反応速度式となるわけではない。さらに、分子が近接してから架橋反応による3次元網目構造が発展して硬化するモデルを考えると、官能基が自由に動き回って反応すべき相手と出会うというよりも官能基同士が対となった状態を考え、この1対としての存在量(濃度)として反応速度を考えた方が良い。従って、架橋反応による熱硬化性樹脂の化学的な反応率は、官能基の種類によらず、指数分布である1次反応速度式に近い反応次数を示すことが多いと考えられる。
つまり、これらを考え合わせると、式(34)と式(30)は数式としては全く異なるが、反応次数nが1前後と予想される実際の硬化反応を実験的に調べる範囲においては、ワイブルモデルに基づいて実験データの解析が適用でき、その形状因子の逆数からおおよその反応次数を予測できることになる。
また、式(28)で示したカマール(Kamal)モデルを用いた解析結果を、1次反応モデル(m=1.0)とワイブルモデル(m=1.2)の双方で比較すると、特に着目すべき高硬化率の領域においては、ワイブルモデルがよく一致した曲線になることが判る。
なお、信頼性工学におけるワイブルモデルは、尺度因子(scale parameter)ηを用いて式(35a)及び式(35b)のように表される。よって、式(34)におけるKは、ηの逆数に相当する。ちなみに、式(35a)においてt=ηとするとPw(η)=1−exp(−(1)m)=0.632となり、形状因子mの値に依らず累積故障率63.2%に達する時間がηに相当する。このため、ηは特性寿命(characteristic life)と呼ばれることもある。
Figure 0004805768
また、式(24)より累積ハザードH(t)は、以下の式(36)となるので、この微分である故障率λ(t)は式(37)となる。
Figure 0004805768
1次反応である指数分布(m=1)の場合には、λ(t)が時間に依らず一定のλであり、時間軸上でランダムな反応を意味していたが、ワイブルモデルに従う反応は時間とともに反応する割合が変化し、ある反応率に同じ時間で到達する場合で比較すると、m>1(反応次数nが1よりも小さい)の場合には、反応が時間とともに増加して反応率が急激に立ち上がる曲線となる。つまり、1分子内に官能基数の多い分子が反応する反応次数が1以下の場合には、ワイブルモデルで表した場合の形状因子mが1以上の値をとることが予想される。
[1.3] 反応速度常数の温度依存性
1次反応を含めたn次反応及びワイブル型累積故障率関数で表したモデルにおける反応速度常数K(すなわち、尺度因子ηの逆数)が、アレニウス型の温度依存性を持つと仮定すれば下式の通り表すことができる。ここでQは、活性化エネルギー、Tは絶対温度、kはボルツマン常数、α0は頻度因子である。
Figure 0004805768
さらに、式(38)の両辺の対数をとり整理すると以下の式(39)に示す通り、1/Tと1nKは線形関係となることが判る。よって、直線の傾きが−Q/k、切片がlnα0となることより、活性化エネルギーQと頻度因子α0を求めることができる。
Figure 0004805768
なお、このことに関連し、はんだ材料の疲労寿命試験では、以下の式(40)に示す「Coffin−Mansonの修正式」と呼ばれる寿命予測式に基づく解析が行われる。これは、疲労寿命をある累積不良率に達する応力繰り返しサイクル数Nfとして定義し、これがアレニウス型の温度依存性を持つと仮定して活性化エネルギーや歪み量・温度などの環境条件の依存性から、実際の使用状態におけるNfを予測するものである。
Figure 0004805768
累積不良率Pが応力繰り返し数Ncを変数としたワイブルモデルに従う場合には、式(35a)の時間tをNcに置き換えると式(41)となり、Ncで整理すると式(42)となる。
Figure 0004805768
よって、累積不良率Pの基準を設定すると、これに対応するNcが求められる。例えば、前述のとおりP=0.632とすれば,Nc=ηとなる。そこで、寿命として定義する不良率Pfと,そのときのNcをNfとすれば、式(38)より以下の式(43)が得られ、式(40)と同様な式となる。
Figure 0004805768
すなわち、式(38)と式(40)の「Coffin−Mansonの修正式」は温度依存性を示す部分において全く等価な意味を成すものであることが判る。従って、他の常数部分に温度依存性がなく、温度サイクル試験などの寿命試験結果がワイブルモデルに従ってっていると仮定すれば、式(43)のみを用いて寿命予測が可能である。また、疲労寿命以外の場合でもワイブルモデルで表される現象に温度依存性が認められる場合には、尺度因子ηの逆数(=K)を式(38)に当てはめることで活性化エネルギーを求めることができ、さらに未知の温度帯における現象を予測することができる。
[2.0] 幾何学的等温結晶化理論からのアプローチ
[1.0]項では個々の分子を中心に化学反応を考えたが、実際の熱硬化性樹脂の場合には、液相から固相に変化する結晶化又は相転移の現象に似ている。従って、幾何学的核成長を考慮した等温結晶化理論として知られ、またDSCなどの熱解析でよく用いられるKJMAモデルを適用すると次の通りとなる。
このモデルは、先ず、図9(a)に示すように初期の核発生の後に、図9(b)に示すように発生した核(ドメイン)同士が接触及び重なり合わずに素直に成長することを仮定した場合、固相体積(結晶化度又は相変化度)の単位時間当たりの微小変化の割合は、液相体積の中で単位時間当たりに固相に微小変化する割合に等しいとするものである。
ここで全体積Vtotalに対する固相体積Vの割合fと、割合fの変化率df、液相の中で固相に変化する変化率dfexとすれば、よく知られているように、以下のように表される。
Figure 0004805768
これは[1.0]項に説明した式(20)と比較して信頼性工学用語に書き直すと、fは累積分布関数F(t)、(1−f)は信頼度R(t)、dfは累積分布関数の微分である確率密度関数f(t)、dfexは故障率λ(t)、fexは累積ハザードH(t)に対応する。
これより、式(44)は、以下に示す式(45)のように置き換えることができ、式(21)〜(23)と同様に下記のようになる。
Figure 0004805768
よって、式(44)を解くと以下に示す式(46)が得られる。
f=1−exp(−fex)・・・(46)
次に、核が発生した固相が3次元的に半径rの球として等方成長する場合、成長した球状の微粒子の体積vは、半径rの3乗に比例し、半径rが時間tに比例して成長すると仮定すれば、比例常数Dとして次のように表すことができる。
Figure 0004805768
また、fexは、液相中における累積固相増加量Vの割合であり、これは個々の核成長している粒子数N個分の総和となる。
Figure 0004805768
よって式(48)を式(46)に代入すると以下の式(49)が得られる。
Figure 0004805768
また、式(49)の指数部の常数をまとめてZとおけば最終的に以下の式(50)が得られる。
Figure 0004805768
つまり、式(47)で体積が時間の3乗に比例して成長すると仮定することで式(50)においても指数部は時間の3乗に比例する。同様に、核成長が1次元的な樹枝状成長であれば、体積は時間の1乗に比例し、2次元的な薄片状成長であれば体積は時間の2乗に比例する。またさらに、液相から固相に変化する際、界面反応律速ならば核成長半径は時間の1乗に比例し、拡散による物質移動律速ならば1/2乗に比例することが予想される。
実際の現象においてはこれらが複雑に合わさったものである可能性があるため、KJMAモデルの一般式は、以下の式(51)のように表される。
f=1−exp(−Ztm)・・・(51)
式(51)の指数m(m>0)は、特にアブラミ(Avrami)常数と呼ばれており、上記のような幾何学的成長に関連付けて、以下の表6に示すような値をとるとされている。これによると、アブラミ常数mが小さいほど1次元的で拡散律速の固相成長であり、逆にアブラミ常数mが大きいほど3次元的で界面反応律速の固相成長となるなどの情報が得られる。
Figure 0004805768
なお、このように表した常数Zは[時間-1/m]の次元を持つことになる。本来KJMAモデルは等温結晶化で良く用いられるものであり、指数(アブラミ常数)mが変化することを考慮していない。指数mが常に一定と仮定すればデータ解析上で特に支障が生じることはないが、温度によって変化し、これを含めて硬化率を記述しようとすると常数の次元が変化することは好ましくない。
よって、さらに式(51)を書き直し、K=Z1/mとなる常数Kを用いて以下の式(52)のように表現する場合もある。なお、この式(52)は式(34)及び式(35a),(35b)で示したワイブルモデルに一致する。
f=1−exp{−(Kt)m}・・・(52)
つまり、KJMAモデルから類推すれば、信頼性工学上でワイブルモデルに従う故障とは、式(36)に示す通り累積ハザードが時間のm乗となるが、これは時間の関数で表される素反応が引き金となり、この素反応のべき乗で現象が広がり、最終的な故障にいたるメカニズムに相当することが予想される。また、反応次数との相関を考えると、m>1となる反応とは、官能基数が多く、べき乗的に反応が進むn<1の低次反応に相当することを意味しており、化学反応的なイメージと一致する。
また、式(38)で示した反応速度常数の温度依存性と同様に、KJMAモデルにおいて常数Kがアレニウス型の温度依存性を持つと仮定すれば、以下の式(53)の通りに表すことができる。ここで、Qkは活性化エネルギーに相当する常数、Tは絶対温度、kはボルツマン常数、α0は頻度因子である。
Figure 0004805768
なお、式(51)で表したZと式(52)で表したKとの間には、K=Z1/mの関係にあるので、式(39)と同様に両辺の対数をとり整理すると、下記の式(54)に示す関係にあるため、式(51)で表した場合の活性化エネルギーQzをアブラミ常数(形状因子)mで割ったものが活性化エネルギーQKに相当する関係にある。
Figure 0004805768
[3.0] 熱硬化性樹脂の硬化モデル構築(本発明による新たなモデルの導入)
図4に示した熱硬化性樹脂の硬化反応模式図において、化学反応としては[1.1]項に説明した式(11)に示す1次反応又は[1.2]項の式(26)〜(28)に示した反応種の濃度から求めた反応速度式が最も正しいものと考えられるが、これらの式を適用できるのは、反応系が予測できる場合に限られ、未知の樹脂材料に対しても幅広く応用できる保証がない。まして機械的な強度に基づいた硬化率を表現することができない。
そこで機械的強度の発現が、架橋反応による重合や液相から固相に変化した相変化の結果で生じるとみなし、[1.2]項で示したn乗モデルとワイブルモデルの相関及び結果的にはワイブルモデルと全く同様な関数として得られる[2.0]項で示したKJMAモデルを用い、前述した式(1),(2),及び(3)に示すように熱硬化性樹脂の硬化率を表すことにした。
本発明の実施の形態における式(1),式(2),及び式(3)を用いて求めた硬化率曲線の例を示す説明図である。 本発明の実施の形態に係る熱硬化性樹脂の保管方法を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態に係る熱硬化性樹脂の保管方法における保管による硬化率の予測を実施するコンピュータの構成例を示す構成図である。 示差熱走査型熱量計などで測定した化学的な反応率を示す上昇曲線と、ダイシェア試験などで得られる機械的な強度を指標とする硬化率を示す上昇曲線との比較を示す説明図である。 単純な化学反応における反応速度の基本的な考え方について解説する説明図である。 単位時間当たりの反応量が未反応量に比例する(1次関数として表される)と仮定したときの反応率曲線を説明する説明図である。 1次反応は、物質A単独の反応であるとし、未反応量CAのみを考え、反応速度常数Kとの積が瞬間の反応量となるものとした場合の反応を説明するための説明図である。 単位時間当たりの反応量が物質A濃度のn乗に比例する(n乗モデル)としたときの反応率曲線の一例を示す説明図である。 KJMAモデルにおける反応を説明するための説明図である。
符号の説明
301…演算処理部、302…主記憶部、303…外部記憶部、304…入力部、305…表示部、306…プリンター。

Claims (4)

  1. 所望とする熱硬化性樹脂を所定の保管温度で所定の期間保管したときの硬化率を予測することで、保管温度及び保管期間からなる保管条件を設定する熱硬化性樹脂の保管方法において、
    絶対温度Tを保管温度とした保管期間t後の硬化率Pは、
    前記熱硬化性樹脂に応じて定まる硬化速度常数Kおよびワイブルモデルの形状因子の逆数で定義される熱硬化性樹脂に応じて定まる常数Nを各々アレニウウス型温度依存性を持つものとして用いた式であるP=1−exp{−(K・t)1/N}よりなる第1の式と、
    前記熱硬化性樹脂が硬化するための活性化エネルギーを示す第1常数QK前記熱硬化性樹脂の硬化のために有効な前記熱硬化性樹脂の分子同士の衝突の確率を示す頻度因子である第2常数α0,保管温度の絶対温度T,及びボルツマン常数kを用いて前記第1の式のKを規定するK=α0exp{−QK/(kT)}よりなる第2の式と、
    活性化エネルギーに相当する常数である第3常数QN頻度因子に相当する常数である第4常数β0,保管温度の絶対温度T,及びボルツマン常数kを用いて前記第1の式のNを規定するN=β0exp{−QN/(kT)}よりなる第3の式と
    により予測する
    ことを特徴とする熱硬化性樹脂の保管方法。
  2. 所望とする熱硬化性樹脂を所定の保管温度で所定の期間保管したときの硬化率を予測することで、保管温度及び保管期間からなる保管条件を設定する熱硬化性樹脂の保管方法において、
    前記保管温度を第1温度とした保管開始より第1保管期間t後の第1硬化率Pを、
    前記熱硬化性樹脂に応じて定まる硬化速度常数Kおよびワイブルモデルの形状因子の逆数で定義される熱硬化性樹脂に応じて定まる常数Nを各々アレニウウス型温度依存性を持つものとして用いた式であるP=1−exp{−(K・t)1/N}よりなる第1の式と、
    前記熱硬化性樹脂が硬化するための活性化エネルギーを示す第1常数QK前記熱硬化性樹脂の硬化のために有効な前記熱硬化性樹脂の分子同士の衝突の確率を示す頻度因子である第2常数α0,保管温度の絶対温度T,及びボルツマン常数kを用いて前記第1の式のKを規定するK=α0exp{−QK/(kT)}よりなる第2の式と、
    活性化エネルギーに相当する常数である第3常数QN頻度因子に相当する常数である第4常数β0,保管温度の絶対温度T,及びボルツマン常数kを用いて前記第1の式のNを規定するN=β0exp{−QN/(kT)}よりなる第3の式と
    により予測する第1ステップと、
    第2温度とした保管温度により前記第1硬化率Pとなる保管期間t’を、前記第1の式,前記第2の式,及び前記第3の式より求め、前記第2温度とした保管による前記保管期間t’から所定の単位期間Δtの間の硬化率の変化分ΔPを、前記第2の式,前記第3の式、及び、ΔP=1/N・K1/N・t1/N-1・exp[−(Kt)1/N]・Δtよりなる第4の式より求める第2ステップと、
    前記第1硬化率Pに前記硬化率の変化分ΔPを加えた第2硬化率P+ΔPを求める第3ステップと
    を少なくとも備え、
    前記第2硬化率により、前記第1温度で前記第1保管期間保管してから前記第2温度として前記単位保管期間保管した後の硬化率を予測する
    ことを特徴とする熱硬化性樹脂の保管方法。
  3. 請求項2記載の熱硬化性樹脂の保管方法において、
    第2温度の条件において、期間t’+Δtの時点からのΔtの間の硬化率の変化分ΔP’を前記第4の式より求める第4ステップと、
    前記第2硬化率P+ΔPに前記硬化率の変化分ΔP’を加えた第3硬化率P+ΔP+ΔP’を求める第5ステップと
    を新たに備え、
    前記第3硬化率により、前記第1温度で前記第1期間保管して、前記第2温度として前記単位期間Δt保管し、加えて前記第2温度として前記単位期間Δt保管した後の硬化率を予測する
    ことを特徴とする熱硬化性樹脂の保管方法。
  4. 請求項2記載の熱硬化性樹脂の保管方法において、
    第3温度とした加熱により前記第2硬化率P+ΔPとなる期間t”を前記第1の式,前記第2の式,及び前記第3の式より求め、前記第3温度とした加熱による前記期間t”から所定の単位期間Δtの間の硬化率の変化分ΔP’を、前記第2の式,前記第3の式、及び前記第4の式より求める第4ステップと、
    前記第2硬化率P+ΔPに前記硬化率の変化分ΔP’を加えた第3硬化率P+ΔP+ΔP”を求める第5ステップと
    を新たに備え、
    前記第3硬化率により、前記第1温度で前記第1期間保管し、前記第2温度として前記単位期間Δt保管し、加えて前記第3温度として前記単位期間Δt保管した後の硬化率を予測する
    ことを特徴とする熱硬化性樹脂の保管方法。
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