JP4805750B2 - クリック機構付シングルレバー水栓 - Google Patents
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Description
このシングルレバー水栓はレバー操作を軽やかに行うことができ、操作フィーリングが良好であるとともに、操作レバーを全閉状態から全開状態まで速やかに且つ一気に操作し得る特徴を有する。
例えば比較的少量の水量でこと足りる場合であるにも拘らず、操作レバーの微妙な操作がしづらいことから、これを全閉状態からいきなり全開状態としてしまうといったことも往々にして行なわれ勝ちである。
この場合貴重な水が無駄に多く流されてしまうこととなる。
その多くはレバー軸と周辺部材との間にクリック機構を設けるものである。
図10はその一例として下記特許文献1に開示されたもので、同図に示しているようにこのものは、レバー軸200と水栓本体のハウジング202の上部との間にクリック機構204を設けている。
この例では、操作レバーの上下回動操作に基づいてレバー軸200が軸216周りに回動し、そして所定位置に到ると係合部材208の係合突部が、レバー軸200に設けた係合凹部206に弾性的に係合してそこでクリック感を発生させる。
特にレバー軸200周りは従来から多くの部品が組付けられており、そのようなレバー軸200周りに取付スペースを確保してそこにクリック機構を設けることが難しい場合が多い。
図11はその具体例を示している。
また温度調節の際には紙面と直角方向に回転運動して、可動弁体220を固定弁体218に対し同方向に回転運動させる。
尚係合部材232は全体として矩形枠状をなしていて、その枠の上辺に係合突起230が構成されており、その矩形枠形状に基づいて図中上下方向に弾性変形能が付与されている。
単にクリック感を発生させるだけでレバー操作に対する抵抗が少なければ、操作レバーがそのまま全開位置まで容易に回動操作されてしまい、節水の目的を達することができなくなるからである。
特に図11に示すクリック機構付シングルレバー水栓の場合、シングルレバーの機構そのものが倍力機構をなしているため、操作レバーに対して大きな抵抗を発生させるためには、クリック機構226において非常に大きなクリック時の抵抗を発生させる必要がある。
即ち図11に示すクリック機構付シングルレバー水栓において、クリック機構228の耐久性が不十分であるといった問題があった。
即ち本発明によれば、長期の使用の間にクリック機構の突出部分同士が次第に摩耗して、クリック感発生位置でのレバー操作に対する抵抗力が低下し、操作レバーをクリック位置で停止させる力が次第に弱くなってしまう問題を良好に解決することができる。
従ってかかる金属線材に対して部分的に大きな荷重が偏って作用し、その偏荷重に基づいて金属線材或いはこれを支持する受面の摩耗が促進されてしまうのを防止し得て、かかる摩耗に基づくレバー操作時の抵抗力の低下、即ち操作レバーを所定位置に一旦停止させるための力が低下するのを更に良好に防止することができる。
このようにしておけば、一対の金属線材が当り且つ一方が他方を乗り越えて移動する際の、金属線材と金属線材との接触による摩耗、或いは金属線材と受面との間に発生する摩擦による受面側の摩耗を効果的に抑制することができる。
即ち潤滑剤による潤滑作用によって金属線材の長期に亘る円滑な回転運動を確保することができ、回転が不十分となることによる摩耗を抑制して、クリック機構の耐久性を更に一層高めることが可能となる。
図1において10はシングルレバー水栓で、カウンター12に対し、互いに離隔した位置において水栓本体14と吐水部16とが取り付けられている。
この例のシングルレバー水栓10の場合、操作レバー28を上下回動操作することで水量調節(吐止水を含む)が行われ、また左右回動操作することで吐水の温度調節が行われる。
同図において30はハウジング(ここでは樹脂製)で、下部が円筒部32とされており、その円筒部32がカウンター12を貫通して下向きに突き出し、カウンター12の裏側において締付ナット34及び三角パッキン36によりカウンター12に固定されている。
上記サプライ管24及び流出管26は、この円筒部32の内部に挿入されて、ハウジング30内の底部38に接続されている。
弁カートリッジ40は、カートリッジハウジングが底部44と上部のキャップ52とに分かれていて、それらが上下に結合されている。
尚56は化粧カバーである。
尚、図4に示しているようにレバー軸64の下端部にはフォーク部62が設けられており、そのフォーク部62が、駆動部48に形成された係合凹所68に入り込んで係合し、それらフォーク部62と係合凹所68の係合に基づいて、駆動部48がレバー軸64の図2中軸72周りの回動運動及び紙面と直角方向の回転運動と一体に運動する。
尚軸72の端部は回転ガイド50に結合されており、レバー軸64は、回転ガイド50に対し軸72周りに相対回動する一方、紙面と直角方向に回転ガイド50と一体に回転運動する。
また操作レバー28を図2中紙面と直角方向に左右回動操作すると、その回動運動が回転ガイド50及び駆動部48を介して可動弁体46に伝えられ、これにより可動弁体46が固定弁体42上を紙面と直角方向に回転運動して吐水の温度調節を行う。
図5及び図6にそのクリック機構の具体的構成が示してある。
これら案内凸部76と案内凹所78とは、駆動部48が図3中左右方向に直線運動する際のスライド案内する働きをなす。
そしてこの当接作用部84が図7に示しているように案内凸部76の下面から下向きに突き出す状態で、一対の組付脚82が組付穴79に備えられた一対の圧入孔86に圧入されることで、かかる金属線材80が回転ガイド50に組み付けられている。
ここで支持部材92は、回転ガイド50及び駆動部48とは別体の部材(ここでは樹脂製)からなっている。
尚、図7(B)に示しているように嵌込穴88の底面にもまた仕切り102が起立状態で設けられている。
保持凹所104の底面は、図6の部分拡大図に示しているようにその形状が、金属線材90の外周面の断面形状に対応した円弧形状、詳しくはここでは略半円形状をなしており、その底面が金属線材90の外周面の略下半分に嵌合する嵌合面をなしていて、その嵌合面全体が金属線材90を回転可能に支持する受面(支持面)106を成している。
図5に示しているように、駆動部48の上記案内凹所78の底面にはまた、嵌込穴88に隣接した位置に潤滑剤としてのグリースを保持し、駆動部48の直線運動に伴ってその保持したグリースを補給する一対の補給用凹所108が設けられている。これら補給用凹所108もまた、上面が開口形状をなしている。
補給用凹所108に保持されたグリースは、主としてこのときに金属線材80に対して潤滑用として補給される。
図8(I)は、操作レバー28を全閉操作した状態を表しており、このとき駆動部48は図6に示す状態、即ち図中最も右方向に後退した位置にあり、そして駆動部48に設けた下側の金属線材90は、図9(I)に示しているように回転ガイド50に設けた上側の金属線材80に対して図中右側に位置した状態にある。
このとき金属線材90は、これを支持する支持部材92をコイルスプリング94を撓ませながら下向きに沈み込ませることによって金属線材80を通過する。
またこのとき、金属線材90は支持部材92の保持凹所104内で半円形状の受面106にて嵌合状態に支持された状態で図中矢印で示す方向に回転運動し、その回転運動を伴って金属線材80を図中左向きに乗り越えて通過する。
そしてこの金属線材90の回転運動によって、金属線材90と金属線材80との間にはほとんど擦れ運動は生じず、金属線材90は転がり運動しながら円滑に金属線材80を乗り越えて移動する。
従ってその際に金属線材90に対し部分的に強い荷重が偏って作用し、これに基づいて金属線材同士の摩耗或いは支持部材92の側の摩耗が部分的に促進されるといった不具合を生じない。
即ち開操作中の操作レバー28が、そのまま全開位置まで操作されてしまうのを効果的に防止することができる。
即ちこの時点で回転ガイド50側に設けた金属線材80が、駆動部48側の補給用凹所108からグリースの補給を受ける。
尚、金属線材90と80とはその硬さが同一となしてある。
例えば上記実施形態では駆動部48側の金属線材90が直線状且つ回転可能となしてあって、その金属線材90が支持部材92によって回転可能に支持され、更にまた圧縮コイルスプリング94によって付勢され、回転ガイド50側の金属線材80が固定状態となしてあるが、駆動部48側で金属線材を固定状態として回転ガイド50側で金属線材を回転可能に保持する構造となすことも可能である。また本発明は上記例示した水栓以外の他の様々なシングルレバー水栓に適用することが可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
14 水栓本体
28 操作レバー
42 固定弁体
46 可動弁体
48 駆動部材
50 回転ガイド
64 レバー軸
74 クリック機構
80,90 金属線材
92 支持部材
94 圧縮コイルスプリング
104 保持凹所
106 受面
108 補給用凹所
Claims (5)
- (イ)上下回動操作に基づいて吐水の水量調節を行い、左右回動操作に基づいて吐水の温度調節を行う操作レバーと、(ロ)該操作レバーから水栓本体側に突出して該操作レバーと一体運動するレバー軸と、(ハ)前記水量調節方向に固定且つ温度調節方向に前記レバー軸と一体回転する、該レバー軸の回転ガイドと、(ニ)該回転ガイドに対して前記水量調節方向に直線運動する可動弁体の駆動部と、を備え、前記操作レバーの上下回動操作及び左右回動操作を前記レバー軸を介して該可動弁体に伝達し、該可動弁体を固定弁体に対し摺動運動させて水量調節及び温度調節を行うシングルレバー式水栓において、
前記操作レバーの上下回動操作の際に所定位置でクリック感を発生するクリック機構を、前記回転ガイドと前記可動弁体の駆動部とにまたがって設け、
且つ該クリック機構は、(a)前記回転ガイドの下面に突出状態に設けられた上側の金属線材と、(b)前記駆動部の上面に突出状態に設けられ、該駆動部の前記直線運動の途中で該上側の金属線材に対して長手方向の面で当接し、更に該上側の金属線材を乗り越えて移動する下側の金属線材と、(c)該下側の金属線材と上側の金属線材との少なくとも何れかを突出側に付勢する付勢手段と、(d)それら下側の金属線材と上側の金属線材との少なくともいずれかを回転可能に受けて支持する受面と、
を備えて構成したことを特徴とするクリック機構付シングルレバー水栓。 - 請求項1において、前記受面にて回転可能に支持される側の金属線材が断面円形且つ長手方向に直線状をなしているとともに、該受面は、該金属線材を全長に亘って嵌め入れ保持する保持凹所の底面にて構成されており、且つ該受面は、該金属線材の外周面の断面形状に対応した形状の断面円弧形状の嵌合面を成していて、該嵌合面で該金属線材を全長に亘り回転可能に受けて支持するものとなしてあることを特徴とするクリック機構付シングルレバー水栓。
- 請求項2において、前記受面を備えた支持部材が前記駆動部材及び回転ガイドと別体の部材からなっており、該支持部材が前記付勢手段にて付勢されていることを特徴とするクリック機構付シングルレバー水栓。
- 請求項2,3の何れかにおいて、前記保持凹所が前記駆動部材の上面に設けられており、且つ該保持凹所が潤滑剤溜りを成していることを特徴とするクリック機構付シングルレバー水栓。
- 請求項2,3の何れかにおいて、前記駆動部材の上面には潤滑剤を保持して供給する、上面が開口形状の潤滑剤の補給用凹所が設けられており、且つ該補給用凹所は、前記駆動部材の前記直線運動の際に前記回転ガイドの側に設けた前記金属線材が到達する位置に設けてあることを特徴とするクリック機構付シングルレバー水栓。
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