JP4804154B2 - 超音波駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動子に励起した振動により駆動対象を駆動する超音波駆動装置に関する。
従来、圧電素子により振動子に振動を励起し、振動子に加圧接触される移動体を所定方向に駆動する超音波駆動装置としての超音波モータに関する提案が数多くなされている。例えば、振動子に励起する移動体の駆動方向の振動が、2次の曲げ振動である超音波モータが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、振動子に励起する移動体の駆動方向の振動が、1次の伸縮振動である超音波モータが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−304887号公報(第16頁、図1、図2) 特開平7−337045号公報(第8頁、図2、図4)
しかしながら、上記従来の超音波モータには以下の課題がある。振動子と移動体を加圧接触させ、振動子に、移動体との接触部の法線方向に変位する振動と、移動体との接触部の接線方向に変位する振動を励起する。これにより、振動子における移動体との接触部に楕円運動を励起し、移動体を駆動する。この場合、振動子と移動体には有限の接触領域があるが、その接触領域での振動子の楕円運動は、移動体の駆動方向において振動速度に分布を持つ(振動速度に差がある)。
このため、振動子における移動体との接触領域では、振動子の振動速度が移動体の移動速度と異なる速度の部分において、移動子と移動体の滑りが発生する。この滑りの発生に伴い、摺動損失と振動子及び移動体の摩耗が起こる。摺動損失が大きいと超音波モータの効率が下がり、振動子及び移動体の摩耗が大きいと超音波モータの寿命が短くなってしまうという問題が生じる。
例えば、振動子における移動体との接触領域での振動速度の分布(振動速度の差)を減少させる方法として、振動子と移動体の接触領域を減少させることが考えられる。しかし、この方法では、振動子と移動体の接触が不安定になり、超音波モータにおいて異音の発生や駆動が不安定になってしまう等の原因となる問題が生じる。尚、従来の超音波モータの駆動方法及び課題の詳細については、本実施の形態の超音波モータとの比較を行うため、本実施の形態の記載欄で後述する。
本発明の目的は、振動子と移動体の接触領域を減らすことなく、振動子における移動体との接触領域での駆動方向の振動速度の分布を減少させ、振動子と移動体の滑りを減少させ、高効率化及び長寿命化を可能とした超音波駆動装置を提供することにある。
上述の目的を達成するために、本発明の超音波駆動装置は、電気−機械エネルギ変換素子により振動が励起される振動子と、前記振動子に加圧状態に接触され前記振動により駆動される移動体とを備え、前記振動子には、前記移動体との接触箇所の法線方向に変位する振動と、前記移動体の駆動方向に変位する振動が励起され、前記振動子に励起される前記移動体の駆動方向に変位する振動が、少なくともn次の振動と3n次の振動を合成した振動である(但しnは自然数)ことを特徴とする。
本発明によれば、振動子に励起する移動体の駆動方向に変位する振動を、少なくともn次の振動と3n次の振動を合成した振動とする。これに伴い、振動子の駆動方向の振動速度を矩形波状に変化させることが可能となり、振動子と移動体の接触領域を減らすことなく、振動子の移動体との接触領域での駆動方向の振動速度の分布(振動速度の差)を減少させることが可能となる。これにより、振動子と移動体との滑りを減少させ、超音波駆動装置の高効率化及び長寿命化を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る超音波駆動装置としての超音波モータの外観を示す斜視図である。図2は、超音波モータの振動子の外観を示す斜視図である。
図1及び図2において、超音波モータは、振動子1と移動体2を備えている。振動子1は、直方体(角柱)形状に形成されており、1対の圧電素子1−1a、1−1a、圧電素子1−1b、振動体1−2、接触部1−3から構成されている。移動体2は、細長い直方体(角柱)形状に形成されており、ステンレス鋼から構成されている。振動子1と移動体2とは、不図示のコイルバネ等の加圧手段により加圧状態に接触されている。移動体2は、振動子1に励起する振動により、該移動体2の駆動方向であるx方向の正方向及び逆方向に駆動される。
振動体1−2は、移動体2の駆動方向であるx方向に略同一(または同一)の断面形状を有するステンレス鋼製の角柱形状部材として構成されている。つまり、振動体1−2のx方向と直交する平面における断面形状が、振動体1−2のいずれの部位であっても略同一(同一)になるということである。振動体1−2における移動体2との接触面である上面には、2つの接触部1−3が長手方向に所定間隔を置いて一体に形成されている。また、振動体1−2の両側面には、x方向に変位する伸縮振動を振動体1−2に励起するための圧電素子1−1aが接着により固定されている。また、振動体1−2の底面には、該振動体1−2の移動体2との接触箇所の法線方向であるz方向に変位する曲げ振動を、振動体1−2に励起するための圧電素子1−1bが接着により固定されている。
圧電素子1−1a、1−1a、圧電素子1−1bは、電気エネルギ(電圧)を機械エネルギ(振動)に変換する電気−機械エネルギ変換素子である。圧電素子1−1a、1−1a、圧電素子1−1bには、不図示の電源により電気エネルギが供給される。
次に、上記構成を有する本実施の形態の超音波モータの駆動方法及び作用効果について、従来の超音波モータとの比較を行いながら図1乃至図7に基づき詳細に説明する。
図3は、伸縮振動を励起する圧電素子1−1aの模式図である。図4は、曲げ振動を励起する圧電素子1−1bの模式図である。図5は、2次の曲げ振動の変形を示す模式図である。図6は、1次の伸縮振動の変形を示す模式図である。図7は、合成された伸縮振動の速度を示す模式図である。
先ず、本実施の形態の超音波モータとの比較を行うため、従来の超音波モータの駆動方法とその課題を説明する。尚、従来の超音波モータの以下の説明では、便宜上、本実施の形態の超音波モータに関する図面及び符号を流用するものとする。
従来の超音波モータの駆動方法では、例えば、振動子1のz方向に変位する2次の曲げ振動(図5参照)の固有振動数と、振動子1のx方向に変位する1次の伸縮振動(図6参照)の固有振動数とを略一致(または一致)させる。圧電素子1−1b及び圧電素子1−1aに、振動子1の前記固有振動数と略一致(または一致)する位相差を持った交番電圧を印加し、振動子1の接触部1−3に楕円軌跡を描く楕円運動を励起する。接触部1−3に加圧接触された移動体2は、x方向の正方向及び逆方向に駆動することができる。
しかしながら、この場合、振動子1の接触部1−3と移動体2には、有限の接触領域(図7の「接触領域」(水平方向の線から上方に矢印で示す領域))がある。且つ、接触部1−3の楕円運動において、図7の「1次(従来の駆動方法)」に示すようにx方向の振動子1の振動速度に正弦波(sin)状の分布を持つ。このため、振動子1の接触部1−3と移動体2の接触領域では、移動体2の移動速度(図7の「移動体の移動速度」(2点鎖線))と異なる速度の場所で、振動子1の接触部1−3と移動子2の滑りが発生する。
上記課題欄で説明したように、滑り発生に伴い摺動損失と接触部1−3及び移動体2の摩耗が起こり、摺動損失が大きいとモータ効率が下がり、摩耗が大きいとモータ寿命が短くなる。また、接触部1−3と移動体2の接触領域での接触部1−3の、移動体2の駆動方向であるx方向の振動速度の分布を減少させるために、接触部1−3と移動体2の接触領域を減少させると、両者の接触が不安定になり、異音の発生または駆動不安定の原因となる。
本実施の形態の超音波モータは、以下で詳述するような駆動方法を用いることにより、従来技術における前記のような問題を解決するものである。
次に、本実施の形態の超音波モータの駆動方法及び作用効果を説明する。本実施の形態の超音波モータ駆動方法が、従来の超音波モータ駆動方法と異なる点は、振動子1に対して移動体2の駆動方向であるx方向の1次の伸縮振動に加え、3次の伸縮振動を同時に励起する点である。
本実施の形態では、振動子1に対して移動体2の駆動方向であるx方向に1次の伸縮振動と3次の伸縮振動を励起するために、上述したように振動体1−2の両側面に圧電素子1−1a(図3参照)を接着している。圧電素子1−1aは、図3に示すように、一方の面(A面)は4つの電極(電極A1、電極A3、電極A3、電極AS)に分割されており、不図示の他方の面(B面)は全面に渡って1つの電極が形成されている。圧電素子1−1aの振動体1−2との接着はB面で行われており、A面は表面に露出している。
圧電素子1−1aのB面の電極と不図示の電源との電気的な接続は、導電性を有する(ステンレス鋼製)振動体1−2を介して、不図示のフレキシブル基板により行われている。圧電素子1−1aのA面の電極と上記電源との電気的な接続も、同一の上記フレキシブル基板により行われている。A面の4つの電極の内、電極A1を1次の伸縮振動を励起するために用い、2つの電極A3を3次の伸縮振動を励起するために用い、電極ASは振動体1−2の振動速度を検出するセンサ部として用いている。B面の電極は共通のグラウンド電極として使用している。上記各電極は、図3に+で図示しているように、全て圧電素子の厚さ方向に同じ分極方向となっている。
尚、超音波モータは、演算処理及びモータ駆動制御を司る制御部(不図示)を備えている。制御部は、圧電素子1−1aの電極AS(センサ部)により検出された振動子1の振動体1−2の振動速度に基づき、振動子1における各次数の伸縮振動の速度の振幅を演算する。また、制御部は、振動子1におけるn次の伸縮振動の速度の振幅と3n次の伸縮振動の速度の振幅との比を、1:1/3に略一致(または一致)させる制御を行う。これらの伸縮振動については後述する。
また、本実施の形態では、振動子1における移動体2との接触箇所の法線方向であるz方向に変位する振動として、図5に示すような2次の曲げ振動を用いている。振動子1に対して2次の曲げ振動を励起するために、上述したように振動体1−2の底面に圧電素子1−1b(図4参照)を接着している。圧電素子1−1bは、図4に示すように、一方の面(C面)は2つの電極に分割されており、不図示の他方の面(D面)は全面に渡って1つの電極が形成されている。圧電素子1−1bの振動体1−2との接着はD面で行われている。
圧電素子1−1bのC面の電極及びD面の電極と不図示の電源との電気的な接続は、圧電素子1−1aの場合と同様である。C面の2つの電極の分極方向は、図4に+−で図示しているように、圧電素子1−1bの厚さ方向に逆向きで、D面の電極を共通のグラウンド電極としている。C面の2つの電極に同じ交番電圧を印加し、上述したようにz方向に変位する2次の曲げ振動を励起している。
振動子1における移動体2との接触部分である接触部1−3は、図5に示すように、z方向に変位する2次の曲げ振動において、移動体2の駆動方向であるx方向の変位及び速度が極めて小さい2箇所の腹の位置(図中黒丸)となるように振動体1−2に設けている。これにより、移動体2の駆動方向であるx方向の振動速度に及ぼす2次の曲げ振動の影響を極めて少なくでき、振動子1の伸縮振動によるx方向の振動速度の合成が容易になると共に、振動子1の固有振動数を低くすることが可能となる。
尚、本実施の形態では、振動子1における移動体2の駆動方向であるx方向の振動速度を有する振動として、x方向の振動速度が大きく且つ振動の合成が最も容易であるという点で伸縮振動を用いているが、伸縮振動に限定されるものではない。伸縮振動以外としては例えば曲げ振動が考えられる。
次に、振動子1における移動体2の駆動方向であるx方向の振動の合成について説明する。例えば、1次の伸縮振動の速度の振幅と、固有振動数が1次の伸縮振動の略3倍(または3倍)の3次の伸縮振動の速度の振幅との比を、1:1/3としたとき、図7の「1次+3次」に示すような伸縮振動の速度が得られる。その結果、振動子1の接触部1−3と移動体2の接触領域では、振動子1の振動速度と移動体2の移動速度との差を減少させることが可能となる。これにより、振動子1の接触部1−3と移動体2の滑りを減少させ、超音波モータの高効率化及び長寿命化を実現することが可能となる。
また、図7の「1次+3次+5次+・・・」に示すような伸縮振動の速度とすることにより、振動子1における移動体2の駆動方向であるx方向の振動速度を矩形波に近づけることが可能となる。その結果、振動子1の振動速度と移動体2の移動速度との差をより減少させることが可能となる。これにより、振動子1の接触部1−3と移動体2の滑りをより減少させることが可能となる。
本実施の形態では、振動子1における移動体2の駆動方向であるx方向の振動の合成を行う際、上記のように1次の伸縮振動と3次の伸縮振動のみを合成しているが、その理由は、簡便な振動子構成と簡便な回路構成でより大きな効果が得られるからである。
また、本実施の形態では、振動子1における伸縮振動の最低次の次数を1次とした場合を例に挙げているが、1次に限定されるものではない。伸縮振動の最低次の次数をn次とすれば、n次+3n次+5n次+・・・+(2m+1)n次の合成された振動であれば(m、nは自然数)、接触部1−3と移動体2の滑りを減少させる効果が得られる。このとき、移動体2の駆動方向であるx方向の振動速度を良好な矩形波とするには、n次の伸縮振動に対する(2m+1)n次の伸縮振動の速度の振幅比を1:1/(2m+1)に略一致(または一致)させることが最も効果的である。
次に、振動子1における移動体2の駆動方向に変位する伸縮振動において、最低次のn次の伸縮振動の固有振動数と3n次の伸縮振動の固有振動数とを、略整数倍(または整数倍)の関係となるように設定している点についての効果を説明する。既に、移動体2の駆動方向であるx方向の振動速度を矩形波に近づけることが好ましいと述べたが、超音波モータのある程度の駆動の間、上記速度を矩形波に近づけておくためには、合成する伸縮振動の同期を取ることが必要となってくる。
合成する伸縮振動の同期を取る方法としては、合成する伸縮振動の周期を略整数倍(または整数倍)することが望ましい。また、一定時間ごとに、別途、合成する伸縮振動の同期をとる手段を設けてもよい。また、接触部1−3と移動体2の接触の同期もとることが望ましい。これには、合成される移動体2の駆動方向であるx方向の振動速度の伸縮振動のうち、最低次の伸縮振動の固有振動数と、振動子1と移動体2の接触箇所の法線方向であるz方向の曲げ振動の固有振動数とを、略一致(または一致)させることが簡易な方法である。
次に、振動子1を構成する振動体1−2の断面形状を、移動体2の駆動方向であるx方向に略同一(または同一)の断面形状としている点についての効果を説明する。振動子1における、移動体2の駆動方向であるx方向に振動する振動モードをx方向に伸縮する伸縮振動モードとし、x方向の断面形状を略同一形状(または同一形状)とする。これにより、1次の伸縮振動の固有振動数とn次の伸縮振動の固有振動数とが、略n倍(略整数倍)(または整数倍)の関係になり、合成する伸縮振動の同期を容易に取ることが可能となる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、振動子1に励起する移動体2の駆動方向(x方向)に変位する振動を、少なくともn次の振動と3n次の振動を合成した振動とする。これに伴い、振動子1における移動体2の駆動方向の振動速度を矩形波状に変化させることが可能となり、振動子1と移動体2の接触領域を減らすことなく、振動子1の移動体2との接触領域での駆動方向の振動速度の分布(振動速度の差)を減少させることが可能となる。これにより、振動子1と移動体2との滑りを減少させ、超音波モータの高効率化及び長寿命化を実現することが可能となる。
また、振動子1に励起する移動体2の駆動方向に変位するn次の振動の固有振動数と3n次の振動の固有振動数とを、略整数倍の関係となるように設定している。これにより、振動子1における移動体2の駆動方向の振動速度を矩形波状にすることが容易となり、上記効果を容易に得ることが可能となる。
また、振動子1における伸縮振動の最低次の次数を1次とした場合は、合成する複数の次数の振動の各々の固有振動数を最も小さくすることが可能となり、上記効果を簡便な振動子及び回路構成で得ることが可能となる。
また、超音波モータの制御部により、振動子1におけるn次の伸縮振動の速度の振幅と3n次の伸縮振動の速度の振幅との比を1:1/3に略一致(または一致)させる制御を行う。これにより、振動子1における移動体2の駆動方向の振動速度を良好な矩形波状に制御することが可能となり、上記効果をより顕著に得ることが可能となる。
また、振動子1に励起する移動体2の駆動方向に変位する振動を、移動体2の駆動方向の伸縮振動とすることで、大きな駆動方向の振動成分を得ることができ且つ振動の合成が容易となり、上記効果を容易な構成で得ることが可能となる。
また、振動子1の断面形状を、移動体2の駆動方向に略同一の断面形状とすることで、振動子1に励起する移動体2の駆動方向の伸縮振動の合成する各々の固有振動数が略整数倍となる。これにより、容易な構成で、振動子1における移動体2の駆動方向の振動速度を矩形波状とすることが可能となり、上記効果を容易に得ることが可能となる。
また、振動子1に励起する移動体2との接触箇所の法線方向(z方向)に変位する振動の固有振動数を、振動子1に励起する移動体2の駆動方向に変位する振動の最低次の振動の固有振動数と略一致するように設定している。これに伴い、振動子1に励起する移動体2との接触箇所の法線方向に変位する振動の周期と、振動子1における移動体2の駆動方向の矩形波状の振動速度の周期とを略一致させることが可能となる。これにより、振動子1と移動体2が接触しているときに、振動子1に励起する移動体2の駆動方向に変位する振動の速度を略一定にすることが容易となり、上記効果を容易に得ることが可能となる。
また、振動子1に励起する移動体2との接触箇所の法線方向に変位する振動を、曲げ振動とすることで、前記法線方向に変位する振動の固有振動数を低くでき、振動子1の振幅が大きく、振動子1と移動体2の安定した接触を得ることが可能となる。これと共に、簡易な構成で、振動子1に励起する移動体2との接触箇所の法線方向に変位する振動の周期と、振動子1における移動体2の駆動方向の矩形波状の振動速度の周期とを略一致させることが可能となる。
[第2の実施の形態]
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る超音波駆動装置としての超音波モータの振動子の振動体の外観を示す斜視図であり、(a)は、円形の断面形状を有する振動体を示す図、(b)は、楕円形の断面形状を有する振動体を示す図、(c)は、三角形の断面形状を有する振動体を示す図である。
図8において、本実施の形態の振動子の第1例は、図8(a)に示すように振動子11の振動体11−2が、移動体(不図示)の駆動方向に略同一(または同一)の円形の断面形状を有する。振動体11−2の接触部11−3と移動体とは、板バネ等の加圧手段(不図示)により移動体との接触箇所の法線方向であるz方向に加圧接触されている。
また、本実施の形態の振動子の第2例は、図8(b)に示すように振動子21の振動体21−2が、移動体(不図示)の駆動方向に略同一(または同一)の楕円形の断面形状を有する。振動体21−2の接触部21−3と移動体とは、板バネ等の加圧手段(不図示)によりz方向に加圧接触されている。
また、本実施の形態の振動子の第3例は、図8(c)に示すように振動子31の振動体31−2が、移動体(不図示)の駆動方向に略同一(または同一)の三角形の断面形状を有する。振動体31−2の接触部31−3と移動体とは、板バネ等の加圧手段(不図示)によりz方向に加圧接触されている。
本実施の形態においても、移動体の駆動方向であるx方向の1次の伸縮振動と3次の伸縮振動を合成することで、x方向の振動の速度を矩形波状にすることができる。これにより、上記第1の実施の形態と同様に、振動子と移動体の滑りを減少させることができる効果が得られる。
尚、本実施の形態では、振動体における移動体の駆動方向の断面形状を円形、楕円形、三角形とした場合を例に挙げているが、特定の断面形状に限定されるものではなく、その他のどのような断面形状でも上記効果は得られる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、振動子と移動体の接触領域を減らすことなく、振動子と移動体との滑りを減少させ、超音波モータの高効率化及び長寿命化を実現することが可能となるなどの効果を奏する。
[第3の実施の形態]
図9は、本発明の第3の実施の形態に係る超音波駆動装置としての超音波モータの振動子の外観を示す斜視図である。
図9において、振動子41は、円環形状に形成されており、圧電素子41−1、振動体41−2、接触部41−3から構成されている。振動体41−2の底面には、圧電素子41−1が接着により固定されている。振動体41−2の上面には、多数の突起形状の接触部41−3が周方向に所定間隔で振動体41−2と一体に形成されている。接触部41−3と円環形状の移動体(不図示)とは、ウェーブワッシャ(不図示)により、接触部41−3と移動体との接触箇所の法線方向であるz方向に加圧接触されている。振動子41の圧電素子41−1と電源(不図示)とは、フレキシブル基板43により電気的に接続されている。
振動子41に励起する、移動体との接触箇所の法線方向であるz方向に変位する振動は、円環の面外の曲げ振動である。また、振動子41に励起する、移動体の駆動方向であるθ方向(周方向)に変位する振動は、θ方向の伸縮振動であり、1次の伸縮振動と3次の伸縮振動と5次の伸縮振動が合成される。θ方向の伸縮振動における、1次の伸縮振動と3次の伸縮振動と5次の伸縮振動の固有振動数の比は、略整数倍(または整数倍)の1:3:5となり、各々の伸縮振動の同期が容易となっている。
本実施の形態においては、振動子41に加圧接触される移動体の駆動方向を、上記第1の実施の形態では直交座標系のx方向であったのに対し、円筒座標系のθ方向(周方向)としている。本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様に、振動子41と移動体の滑りを減少させることができる効果が得られる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、上記第1の実施の形態と同様に、振動子と移動体の接触領域を減らすことなく、振動子と移動体との滑りを減少させ、超音波モータの高効率化及び長寿命化を実現することが可能となるなどの効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る超音波駆動装置としての超音波モータの外観を示す斜視図である。 図1の超音波モータの振動子の外観を示す斜視図である。 伸縮振動を励起する圧電素子の模式図である。 曲げ振動を励起する圧電素子の模式図である。 2次の曲げ振動の変形を示す模式図である。 1次の伸縮振動の変形を示す模式図である。 合成された伸縮振動の速度を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態に係る超音波駆動装置としての超音波モータの振動子の振動体の外観を示す斜視図であり、(a)は、円形の断面形状を有する振動体を示す図、(b)は、楕円形の断面形状を有する振動体を示す図、(c)は、三角形の断面形状を有する振動体を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る超音波駆動装置としての超音波モータの振動子の外観を示す斜視図である。
符号の説明
1、11、21、31 振動子
1−1a 伸縮振動を励起する圧電素子(電気−機械エネルギ変換素子)
1−1b 曲げ振動を励起する圧電素子(電気−機械エネルギ変換素子)
1−2、11−2、21−2、31−2 振動体
1−3、11−3、21−3、31−3 接触部
2 移動体
A1 1次の伸縮振動を励起する電極
A3 3次の伸縮振動を励起する電極
AS 電極(検出手段)
41 振動子
41−1 圧電素子(電気−機械エネルギ変換素子)
41−2 振動体
41−3 接触部

Claims (9)

  1. 電気−機械エネルギ変換素子により振動が励起される振動子と、
    前記振動子に加圧状態に接触され前記振動により駆動される移動体とを備え、
    前記振動子には、前記移動体との接触箇所の法線方向に変位する振動と、前記移動体の駆動方向に変位する振動が励起され、
    前記振動子に励起される前記移動体の駆動方向に変位する振動が、少なくともn次の振動と3n次の振動を合成した振動である(但しnは自然数)ことを特徴とする超音波駆動装置。
  2. 前記振動子に励起される前記移動体の駆動方向に変位する前記n次の振動の固有振動数と前記3n次の振動の固有振動数とが、略整数倍の関係となるように設定されることを特徴とする請求項1記載の超音波駆動装置。
  3. 前記自然数nが1であることを特徴とする請求項1又は2記載の超音波駆動装置。
  4. 前記振動子の振動速度を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出した振動速度に基づき各次数の振動の振幅を演算し、前記n次の振動の振動速度の振幅と前記3n次の振動の振動速度の振幅との比を1:1/3に一致させる制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波駆動装置。
  5. 前記振動子に励起される前記移動体の駆動方向に変位する振動が、前記移動体の駆動方向の伸縮振動であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の超音波駆動装置。
  6. 前記振動子が、前記移動体の駆動方向に略同一の断面形状を有することを特徴とする請求項5記載の超音波駆動装置。
  7. 前記振動子に励起される前記移動体との接触箇所の法線方向に変位する振動の固有振動数が、前記振動子に励起される前記移動体の駆動方向に変位する振動の最低次の振動の固有振動数と一致するように設定されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載超音波駆動装置。
  8. 前記振動子に励起される前記移動体との接触箇所の法線方向に変位する振動が、曲げ振動であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超音波駆動装置。
  9. 前記移動体の駆動方向は、直交座標系の軸方向、円筒座標系の周方向を含む群から選択されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の超音波駆動装置。
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