JP4803587B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、ぱちんこ遊技機等の弾球遊技機に関し、特に賞球として払い出される遊技球の賞球エラー、いわゆる「球切れ」を検出する技術に関する。
弾球遊技機として様々な機種のぱちんこ遊技機が親しまれている。従来のぱちんこ遊技機の中には、遊技盤上に形成された始動入賞口へ遊技球が落入すると、その結果としてランダムに抽選値が取得されるものがある。取得された抽選値は保留球として、たとえば最大4個まで一時記憶される。保留球は順次、1つずつ読み出されて当否判定され、その判定結果に応じて特別図柄とよばれる図柄が変動表示される。このとき、特別図柄の変動表示と連動して、装飾図柄や演出図柄などとよばれる演出目的の図柄が変動表示される場合もある。そして、読み出された抽選値による抽選結果に基づいて、特別図柄の停止表示態様が決定される。
特別図柄が変動表示後、当たり態様にて停止表示されると、いわゆる「大当たり」として特別遊技に遊技状態が移行する。特別遊技は、複数回の単位遊技で構成される。遊技盤上に形成される大入賞口は単位遊技の開始時に開放される。単位遊技はその開始から、所定期間、たとえば30秒間経過するか、あるいは単位遊技中において遊技球が大入賞口へたとえば9球以上入賞したときに終了する。このとき大入賞口も一旦閉鎖される。単位遊技中において、大入賞口内に設けられたVゾーンとよばれる特定領域を遊技球が通過していれば、単位遊技は次の単位遊技へと継続される。このとき再び大入賞口は開放される。単位遊技は所定回数、たとえば、15回を限度として継続され得る。なお、大入賞口内にVゾーンを設けない場合もある。この場合、大入賞口への遊技球の入球の有無に拘わらず所定回数の単位遊技を実行することになる。そして、遊技球が大入賞口に落入すると、通常よりも多くの遊技球が賞球として払い出される(たとえば、特許文献1参照)。
上述したように、遊技球が入賞口に入球すると、その入賞口の種類に応じた数の遊技球が賞球として払い出される。特に、特別遊技において、大入賞口が開放された場合、当該大入賞口に入球した遊技球の数に応じてたとえば数百個から二千個前後の遊技球が賞球として払い出される。賞球として払い出される遊技球は、ぱちんこ遊技機の背面に配置された賞球タンクから供給される。賞球タンクには遊技球案内路が接続され遊技球の払出が行えるようになっている。また、遊技球案内路の端部には払出ユニットが配置され、遊技球案内路を通って供給される遊技球を一時的に滞留させるとともに、賞球に応じた数の遊技球を1球ずつ賞球払出口に送り出している。払出ユニットは、たとえば、複数の凹部を有するギア形状の回転体を含み、遊技球案内路を通ってきた遊技球を1球ずつ凹部で拾い上げている。したがって、回転体は賞球数に対応した角度だけ回転制御される。
特開2003−230714号公報
しかし、払出ユニットの回転体の回転動作のみでは、払い出す遊技球数の管理を十分に行えないことがある。たとえば、払出ユニットに至るまでの遊技球案内路内で、遊技球が詰まったり、賞球タンクに遊技球が欠乏した場合などは払出ユニットまで遊技球が到達しない、いわゆる「球切れ」状態となる。この場合、回転体が回転しても所望の遊技球を払い出すことができないという問題がある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、払い出される遊技球数の管理を行つつ、遊技球案内路の球切れ監視ができる弾球遊技機を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の弾球遊技機は、遊技盤上を流下する遊技球が入球する入賞口の種類に応じて所定数の賞球を付与する弾球遊技機であって、遊技盤上に形成された複数の入賞口と、賞球の払出に備えて遊技球が貯留される賞球タンクと、賞球タンクから流出される遊技球を案内する複数条の遊技球案内路と、遊技球が複数の入賞口のうちいずれに入賞したかに応じて、その入賞に対する賞球として払い出される遊技球の払い出し制御を行う払出制御手段と、複数条の遊技球案内路を1条の払出案内路に統合するとともに、払出制御手段の制御に基づき、遊技球が入賞した入賞口に応じた数の遊技球を複数条の遊技球案内路から1条につき1個ずつ払出案内路に導く払出ユニットと、払出案内路を通過する遊技球を検出する通過検出手段と、払出制御手段の払出制御実行開始後所定時間内に通過検出手段の遊技球検出数が、払出制御手段の払出制御数より少ないことが連続した場合、複数条の遊技球案内路の少なくともいずれか1条に球切れが発生していると判定する球切れ監視手段と、を含む。
ここで、複数条の遊技球案内路における球切れは、遊技球案内路において発生した球詰まりの結果生じる場合や、遊技球案内路に遊技球を供給する賞球タンクにおける遊技球の欠乏や球詰まりなどの結果生じる場合を含んでもよい。また、入賞口は、たとえば通常遊技より遊技者に有利な特別遊技のときに開閉する大入賞口や特別遊技獲得のための抽選権利を得るために遊技球を入球させる始動入賞口などを含んでもよい。また、抽選の権利などは付加されないが、ある程度の数の賞球が得られる一般入賞口を含んでもよい。各入賞口は、それぞれ1球の入球に対する賞球数をぱちんこ遊技機のスペックとして決めることができる。たとえば、大入賞口の場合、1球の入球に対して15球の賞球、始動入賞口の場合、1球の入球に対して3球の賞球、一般入賞口の場合、1球の入球に対して10球の賞球を払い出すように取り決めてもよい。通過検出手段は、たとえば、光電センサや磁気センサ、リミットスイッチなど遊技球の通過を個別に検出できるものであれば、任意のセンサを利用することができる。
この態様によれば、払出ユニットが、複数条の遊技球案内路を1条の払出案内路に統合することにより払出案内路に配置した通過検出手段は、払出ユニットを通過して実際に払い出された遊技球数の管理ができる。また、球切れ監視手段は払出制御手段の払出制御実行開始後所定時間内に通過検出手段の遊技球検出数が、払出制御手段の払出制御数より少ないことが連続した場合、複数条の遊技球案内路の少なくともいずれか1条に球切れが発生していると判定する。払出制御数より少ないことが連続した場合のみ、球切れ判定を行うことにより、遊技球の補給などで一時的に遊技球案内路に遊技球が無くなる場合ような場合に、球切れ判定を誤って実施することが回避できる。その結果、球切れ監視手段は払出案内手段に配置した通過検出手段により、払い出される遊技球数の管理を行いつつ、遊技球案内路における球切れを迅速に検出することができる。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、払い出される遊技球数の管理を行いつつ、遊技球案内路の球切れの監視が実施できる。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。
ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示に対し入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。更に遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口の普通電動役物を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備える。
遊技領域52の略中央に設けられた特別図柄表示装置61および演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192の変動と、特別図柄192に連動する装飾図柄190の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選(以下、「当否抽選」とよぶ)の結果に対応した図柄である。その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、たとえば7セグメントLEDで構成される表示手段である。演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動するかたちで装飾図柄190を変動表示する液晶ディスプレイである。装飾図柄190は、特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。演出表示装置60は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施形態では液晶ディスプレイで構成されるが、機械式のドラムやLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、特別図柄192は必ずしも演出的な役割を持つことを要しないため、本実施形態では演出表示装置60の左下方の特別図柄表示装置61にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割を持たせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62を拡開させるための抽選の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および装飾図柄190が変動表示される。特別図柄192および装飾図柄190の変動表示は、表示に先立って決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および装飾図柄190が当たりを示す図柄である場合、通常遊技から特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。このとき、スロットマシンのゲームを模した装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示形態となる。
大入賞口66は、たとえば約30秒間開放された後、またはたとえば9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。大入賞口66が開放中に遊技球が特定領域へ少なくとも1球落入した場合、大入賞口66は再度開放される。このように、大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上特定領域へ落入することを条件に大入賞口66の開閉が所定回数、たとえば15回を限度として繰り返される。なお、大入賞口66の特定領域の設置は任意であり、特定領域を設置しない場合は、遊技球の落入に拘わらず、大入賞口66の所定回数の開閉動作を実施するようにしてもよい。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技が開始される。確率変動遊技においては、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄とよばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右方に設けられる。普通図柄表示装置59は、2つのランプを備える。それぞれのランプが交互に点滅する動作が「普通図柄の変動表示」に相当する動作である。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。このとき、普通図柄表示装置59の2つのランプの所定の一方が点灯表示されることになる。変動短縮遊技の実行中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、始動口62が開放状態となる時間が相対的に長く設定されている。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64は、その上部に抽選保留ランプ20が設けられ、左側部に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した当否抽選の結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。また遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。
電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、たとえば始動口62へ入賞したときの当否抽選や、遊技球が入賞した始動口62、大入賞口66、一般入賞口72などの入賞口に応じた賞球処理の指示を出すなど遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路である遊技球案内路110、賞球を払い出す払出ユニット43、払出ユニット43から払い出された遊技球を上球皿15に導く払出案内路112等を含む。払出ユニット43は、遊技球案内路110により案内された遊技球を一時的に堰き止めるとともに、各入賞口に定められた賞球数を払い出すために、遊技球を1球ずつ遊技球案内路110から拾い上げ、払出案内路112へ送り出す。なお、払出ユニット43の詳細は後述する。払出制御基板45は、遊技球が各入賞口に入賞したときにメイン基板102から提供される払出コマンドにしたがって払出ユニット43を制御し払出動作を実行させる。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、遊技球案内路110、払出案内路112および、当該遊技球案内路110と払出案内路112との間に配置される払出ユニット43の構造を説明する断面図である。図3では、遊技球案内路110の一部しか図示されていないが、当該遊技球案内路110は図2に示すように賞球タンク44から緩やかな下りスロープおよび蛇行した降下経路(不図示)により遊技球114を払出ユニット43に案内している。遊技球案内路110を下りスロープおよび蛇行した降下経路で構成することにより、ぱちんこ遊技機10の裏面に大量の遊技球を滞留させることが可能になり、大当たり時など大量の賞球を払い出す必要がある場合でもスムーズに遊技球の払出動作を実施できる。払出ユニット43は、遊技球案内路110が接続される入口経路43aと払出案内路112が接続される出口経路43bの間に、複数の凹部116を有するギア形状の回転体118を含む。図3の例では、回転体118には、遊技球114の形状に対応したお椀型の凹部116が3個形成されている。回転体118は自身が回転することにより遊技球114を1個ずつ遊技球案内路110から拾い上げ、払出案内路112へ移動させる。この回転体118は払出制御基板45から送られてくる払出コマンドにしたがって回転制御されるモータ120によって回転する。つまり、本実施形態に示す回転体118が1つの場合、360°回転することより、遊技球114を3個だけ遊技球案内路110から払出案内路112に移動させることができる。したがって、1個だけ払い出す場合には、120°回転させればよい。なお、回転体118が回転を休止している場合には、当該回転体118が遊技球114を遊技球案内路110の出口で堰き止める機能を有するので、遊技球114の払い出しの有無動作を回転体118の回転動作のみで実施することができる。なお、入賞口に遊技球114が入賞した場合の賞球は、通常複数個であるが、遊技球114を一時的に貯留する上球皿15や下球皿16が許容量に達した場合、上球皿15や下球皿16から遊技球が抜き取られるまでの間、賞球の仮払出数を1個とする場合がある。仮払出された場合、残りの賞球は、上球皿15や下球皿16から遊技球114が抜き取られ、遊技球114数が許容量を下回った場合に行われる。
払出案内路112の下流側には、通過検出センサ122が配置され、実際に払出ユニット43から払い出される遊技球114の数を検出している。通過検出センサ122は、光電センサや磁気センサ、リミットスイッチなど遊技球114の通過を個別に検出できるものであれば、任意のセンサを利用することができる。回転体118の回転制御および通過検出センサ122の通過検出により、遊技球114の払出個数を正確に管理することができる。
前述したように、ぱちんこ遊技機10は、大当たり時に、たとえば数百から二千前後の遊技球114の払い出しを連続的に短時間で実施する。したがって、回転体118を用いた場合に連続的に遊技球114を遊技球案内路110から拾い上げる構成とすることが望ましい。そこで、本実施形態では、図4に示すように、2個の回転体118を120°位相をずらして並列に配置している。回転体118が1個の場合、凹部116は間欠的に出現することになり、遊技球114の払い出しも間欠的になるが、図4のように2個の回転体118を位相をずらして配置することにより、連続的に遊技球114を払い出すことができる。図4の構成の場合、2個の回転体118が1つのモータ120の回転軸に接続され同時に回転するようになっている。つまり、モータ120が360°回転することにより、6個の遊技球114の払出処理ができる。なお、本実施形態では、回転体118を2個並列に接続しているが、この数は任意である。また、遊技球案内路110の数は、回転体118の数に対応させることが望ましい。
図5は、図3において、矢印A方向から見た場合のイメージ断面図である。図4に示すように、本実施形態の回転体118は2個並列に配置されている。したがって、遊技球案内路110も2条が並列に配置されている。遊技球案内路110は、払出ユニット43の入口経路43aに至るまでに2条に分かれればよいが、効率的かつスムーズに遊技球114を払出ユニット43に供給するためには、賞球タンク44の接続位置から2条で構成されることが好ましい。遊技球114はそれぞれ1列で遊技球案内路110内部を移動し、回転体118に導かれる。一方、払出ユニット43の出口経路43bは、2条の経路を1条に統合し、1条の払出案内路112に接続されている。遊技球114は、2個の回転体118により交互に出口経路43bに送られるので、払出案内路112では、停滞することなくスムーズに1個ずつ上球皿15に向けて払い出される。なお、本実施形態では、2個の回転体118を1つのモータ120で回転する構造を示しているが、各回転体118を個別のモータ120で制御してもよい。
図6は、賞球処理を管理する払出制御基板45の機能を説明する機能ブロック図である。払出制御基板45は、払出制御部124と球切れ監視部126を含む。払出制御部124は、メイン基板102から送られてくる払出コマンドにしたがって、払出ユニット43のモータ120を回転制御する。また、球切れ監視部126は、払出案内路112に配置された通過検出センサ122と、払出制御部124の払出制御結果、すなわちモータ120の駆動結果に基づき、複数条の遊技球案内路110における遊技球114の球切れの有無を監視する。
図7は、本実施形態のぱちんこ遊技機10における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
同図に示す処理はループ処理として繰り返し実行される処理である。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の入賞処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、特別図柄抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出処理を実行する(S18)。
図8は、図7におけるS18の賞球払出処理を詳細に示すフローチャートである。図7のS14の通常遊技制御処理または、S16の特別遊技制御処理が実行されると、メイン基板102から遊技球114の入球した入賞口の種類に応じた賞球の払出コマンドが払出制御基板45に送られる。払出制御基板45の払出制御部124は、払出コマンドを受け取ると内部の払出フラグをONする。また、払出制御部124は払出コマンドに応じて、指示通りの賞球が払い出された場合、払出フラグをOFFする。払出制御部124は、払出フラグがOFFされている場合(S100のN)、払出処理は正常に終了したと判断して、このフローを終了する。一方、払出フラグがONの場合で(S100のY)、メイン基板102が送ってきた払出コマンドの示す内容が払出数=1の場合(S102のY)、払出制御部124は、モータ120を遊技球114を1個払い出すだけ回転させる。図4に示すように、3個の凹部116を有する回転体118が2個位相を変えて並列に配置されている場合、回転体118が60°回転することにより、一方の回転体118が1個の遊技球114を拾上げ払い出す。払出制御部124は、モータ120の回転制御開始から所定時間、たとえば、500msec経過していない場合(S104のN)、このフローを終了する。この場合の所定時間は、回転体118が遊技球114を遊技球案内路110から拾い上げ、払出案内路112に移動させ、通過検出センサ122を通過させるまでの時間を考慮したものである。所定時間経過しても(S104のY)、球切れ監視部126が通過検出センサ122から遊技球114の検出信号を受信できない場合、つまり、未検出の場合(S106のY)、球切れ監視部126は、内部の連続未検出フラグを+1する(S108)。なお、この連続未検出フラグは初期状態ではリセットされ「0」となる。
球切れ監視部126は、連続未検出フラグが遊技球案内路110の条数と同じでない場合(S110のN)、このフローを終了する。本実施形態の場合、遊技球案内路110の条数は「2」である。したがって、連続未検出フラグ=1の場合、S110のNとなる。また、この場合、払出数は「0」であり、メイン基板102から送られた払出コマンドは未実行であり、その払出コマンドに対する払出フラグがONのままである。そのため、払出制御部124は、再度払い出しを実施するためにモータ120を回転制御する。つまり、1個の遊技球114を払い出すために、回転体118が再度60°回転する。再度モータ120が60°回転すると他方の回転体118により遊技球114の拾上げおよび払出動作が行われる。つまり、S100〜S104の処理が再度行われる。そして、S104において、所定時間経過し(S104のY)、さらに、通過検出センサ122が遊技球114を未検出の場合(S106のY)、連続未検出フラグが再度+1される。すなわち、連続未検出フラグ=2となる。その結果、S110において、連続未検出フラグが遊技球案内路110の条数と同じとなる(S110のY)。この場合、球切れ監視部126はいずれの遊技球案内路110からも遊技球114が払出ユニット43に供給できない状態であると判断する。この時点で、球切れ監視部126は、連続未検出フラグをリセットし(S112)、全ての遊技球案内路110が球切れ状態であることを示す球切れエラー処理を実施し(S114)、このフローを終了する。全ての遊技球案内路110から遊技球114が供給でない場合としては、賞球タンク44からの遊技球114の供給が停止している場合、たとえば、賞球タンク44の内部で球詰まりを起こしていたり、賞球タンク44自体への遊技球114の供給が止まっている場合などがある。また、遊技球案内路110内部での球詰まりの場合もある。いずれの場合も、遊技者は、遊技球114を入賞口に入賞させているにも拘わらず賞球の払い出しが停止するので違和感を感じる。特に、大当たり遊技時で持ち玉が少ないときに、賞球の払い出しが停止すると、遊技球114が無くなり、大当たり遊技が継続できなくなるかもしれないという不安を感じてしまう場合がある。したがって、球切れが生じた場合には、球切れ監視部126は早急にブザーやランプでエラー表示を行い、遊技場係員や遊技場の管理システムに通知することが好ましい。また、球切れ監視部126は、大当たり遊技中の場合、メイン基板102側にエラー信号を送り、特別遊技の処理を一時的に休止させるようにすることが好ましい。なお、2回の連続未検出でエラー処理を実施するので、球切れ時の不必要なモータ120の回転制御も抑制することができる。
S106において、所定時間経過するまでに、通過検出センサ122が遊技球114を検出した場合(S106のN)、球切れ監視部126は、連続未検出フラグがセットされている場合にはフラグをリセットする(S116)。また、払出制御部124は、通過検出センサ122が遊技球114を検出したことにより、払出コマンドが正常に実行されたと判断し、払出フラグをOFFして(S118)、このフローを終了する。なお、前述のように、払出数が1個の場合は、上球皿15や下球皿16が遊技球114で一杯の場合など特殊な場合であり、仮払出処理が実施された場合である。したがって、ここで、払出フラグがOFFされた場合でも、別途の処理により、仮払出後の残りの賞球は払い出される。
S102において、メイン基板102の送ってきた払出コマンドの示す内容が払出数=1ではない場合(S102のN)、すなわち、払出コマンドの指示する払出数が2個以上の場合、払出制御部124は、モータ120を遊技球114を所定数払い出すだけ回転させる。各賞球口に賞球の数は、ぱちんこ遊技機10のスペックによって適宜決めることができる。たとえば、大入賞口66の場合、1球の入球に対して15球の賞球、始動口62の場合、1球の入球に対して3球の賞球、一般入賞口72の場合、1球の入球に対して10球の賞球を払い出すように決めることができる。図4の構成の場合、2個の回転体118は1回転で6個の遊技球114を払い出せる。たとえば、15個の払出を実施する場合、払出制御部124はモータ120を900°回転制御する。払出制御部124は、モータ120の回転制御開始から所定時間、たとえば、500msec経過していない場合(S120のN)、このフローを終了する。この場合の所定時間は、回転体118が複数個の遊技球114を遊技球案内路110から拾い上げ、払出案内路112に移動させ、通過検出センサ122を通過させるまでの時間を考慮したものである。所定時間経過しても(S120のY)、球切れ監視部126が通過検出センサ122から払い出された遊技球114の検出信号を受信できない場合、つまり、未検出の場合(S122のY)、球切れ監視部126は、全ての遊技球案内路110が球切れ状態であると判断し、球切れエラー処理を実施し(S114)、このフローを終了する。この場合、各遊技球案内路110に対して遊技球114を払い出す機会があるにも拘わらず1個も払い出しが行われないので、球切れ監視部126は直ちに全ての遊技球案内路110が球切れ状態であると判断することができる。
このように、球切れ監視部126が払出制御部124の遊技球114の払出制御値が1個である場合と、複数個である場合とで、球切れ監視の動作態様を切り替えることにより、払出案内路112に1つ通過検出センサ122を配置するのみで、迅速に遊技球案内路110内の遊技球114の球切れを検出し、エラー処理を実施できる。また、このような球切れが生じた場合に、必要以上にモータ120を回転させることが防止される。すなわち、モータ120の空回りを防止することができる。
S122において、通過検出センサ122が遊技球114を検出できたものの(S122のN)、その検出値が払出コマンドの示す数に満たない場合(S124のN)、球切れ監視部126は、いずれかの遊技球案内路110に球切れが発生している可能性があるとと判断する。前述したように、回転体118は全ての遊技球案内路110から正しく遊技球114が供給されることを前提に、払い出し時の回転角度が制御される。したがって、いずれかの遊技球案内路110に球切れが発生していた場合、2つの回転体118の回転で払い出される総数が少なくなる。球切れ監視部126は通過検出センサ122が払出コマンドの示す払出数を確認できない場合、内部の球不足(球切れ)フラグを+1する(S126)。なお、この球不足フラグは初期状態ではリセットされている。
球切れ監視部126は、球不足フラグがたとえば、「2」でない場合(S128にN)、このフローを終了する。すなわち、球不足(球切れ)の判定を保留する。球不足の場合、少なくとも一方の遊技球案内路110は遊技球114を有し、賞球速度が通常の半分になるものの賞球が全く行われていないわけではない。したがって、遊技者に大きな違和感や不安感を与えるものではないからである。また、一度の処理で球不足であると判定してしまうと、賞球タンク44から遊技球114が補給されている場合や、されようとしている場合にも球不足(球切れ)判定が行われ、頻繁に球不足(球切れ)処理が実施されてしまう。このような自体を回避するために、本実施形態では、球不足判定を一度保留するようにしている。
本実施形態の場合、S128でNの場合、メイン基板102から送られた払出コマンドは未完了であり、その払出コマンドに対する払出フラグがONのままになっている。したがって、払出制御部124は、再度払い出しを実施するためにモータ120を回転制御する。たとえば、払出コマンドが示す当初予定の払出数が15個の場合、その15個に対して、不足の遊技球114が7個の場合、回転体118が420°回転する。再度払出処理が行われても、S124において、払出コマンドの示す払出数に達していない場合(S124のN)、球切れ監視部126は、内部の球不足フラグをさらに+1する(S126)。この場合、球切れ監視部126において球不足フラグは、「2」となる(S128にY)。つまり、球切れ監視部126はいずれかの遊技球案内路110に球切れが生じ遊技球114が供給できない状態であると判断する。この時点で、球切れ監視部126は、球不足フラグをリセットし(S130)、一部の遊技球案内路110が球切れ状態で、通常のモータ120の回転制御では遊技球114の賞球処理をスムーズにできないと判断し、一部球切れエラー処理を実施し(S132)、このフローを終了する。いずれかの遊技球案内路110に球切れが生じている場合、賞球スピードが低下し、その状態が長時間続くと、遊技者も徐々に違和感を感じるようになる。したがって、球不足の判定が2回行われた場合、球切れ監視部126は適宜ブザーやランプでエラー表示を行い、遊技場係員や遊技場の管理システムに通知することが好ましい。なお、2回の球不足(球切れ)検出でエラー処理を実施するので、球不足時の不必要なモータ120の回転制御も抑制することができる。
なお、S124において、払出コマンドの示す払出数が、通過検出センサ122によって全数検出できた場合(S124のY)、球切れ監視部126は、球不足フラグがセットされている場合にはフラグをリセットする(S134)。また、払出制御部124は、通過検出センサ122が遊技球114を全数検出したことにより、払出コマンドが正常に実行されたと判断し、払出フラグをOFFして(S118)、このフローを終了する。なお、本実施形態では、球不足の判定が2回行われた場合、球切れ監視部126は球不足(球切れ)エラー処理を行う例を示したが、球不足(球切れ)エラー処理を行う実施するまでの球不足の判定回数は、適宜決定することが好ましくい。
以上、本発明を実施形態をもとに説明した。この実施形態はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す図である。 ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す図である。 本実施形態におけるぱちんこ遊技機の遊技球案内路、払出案内路および払出ユニットの構造を説明する断面図である。 本実施形態におけるぱちんこ遊技機の回転体の形状を説明する斜視図である。 図3において、矢印A方向から見た場合のイメージ断面図である。 本実施形態におけるぱちんこ遊技機の賞球処理を管理する払出制御基板の機能を説明する機能ブロック図である。 ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。 図7におけるS18の賞球払出処理を詳細に示すフローチャートである。
符号の説明
10 ぱちんこ遊技機、 11 外枠、 12 前枠、 13 透明板、 14 扉、 15 上球皿、 16 下球皿、 17 発射ハンドル、 18 スピーカ、 20 抽選保留ランプ、 22 作動保留ランプ、 39 セット基盤、 40 電源スイッチ、 42 液晶ユニット、 43 払出ユニット、 44 賞球タンク、 45 払出制御基板、 46 発射装置、 47 発射制御基板、 48 電源ユニット、 50 遊技盤、 52 遊技領域、 54 外レール、 56 内レール、 58 アウト口、 59 普通図柄表示装置、 60 演出表示装置、 61 特別図柄表示装置、 62 始動口、 64 センター飾り、 66 大入賞口、 68 作動口、 69 通過検出装置、 72 一般入賞口、 73 一般入賞検出装置、 74 始動入賞検出装置、 76 普通電動役物ソレノイド、 78 入賞検出装置、 80 大入賞口ソレノイド、 82 操作ボタン、 90 遊技効果ランプ、 100 遊技制御装置、 102 メイン基板、 104 サブ基板、 110 遊技球案内路、 112 払出案内路、 114 遊技球、 116 凹部、 118 回転体、 120 モータ、 122 通過検出センサ、 124 払出制御部、 126 球切れ監視部。

Claims (1)

  1. 遊技盤上を流下する遊技球が入球する入賞口の種類に応じて所定数の賞球を付与する弾球遊技機であって、
    前記遊技盤上に形成された複数の入賞口と、
    賞球の払出に備えて遊技球が貯留される賞球タンクと、
    前記賞球タンクから流出される遊技球を案内する2条の遊技球案内路と、
    遊技球が前記複数の入賞口のうちいずれに入賞したかに応じて、その入賞に対する賞球として払い出される遊技球の払い出し制御を行う払出制御手段と、
    前記2条の遊技球案内路を1条の払出案内路に統合するとともに、前記払出制御手段の制御に基づき、遊技球が入賞した入賞口に応じた数の遊技球を前記2条の遊技球案内路から1条につき1個ずつ交互に前記払出案内路に導く払出ユニットと、
    前記払出案内路を通過する遊技球を検出する通過検出手段と、
    前記払出制御手段の払出制御数が1個の場合であって払出制御の開始後所定時間が経過たときに前記通過検出手段が遊技球未検出のままである払出制御が、前記遊技球案内路の条数と同じ2回連続した場合、または前記払出制御手段の払出制御数が複数個の場合であって払出制御の開始後所定時間が経過したときに前記通過検出手段が遊技球未検出のままの場合は、前記2条の遊技球案内路の全てで球切れが発生していると判定し、前記払出制御手段の払出制御数が複数個の場合であって払出制御の開始後所定時間が経過したときに前記通過検出手段が遊技球を検出しているものの総検出数が払出制御数未満である払出制御が、所定複数回連続した場合は、前記2条の遊技球案内路の少なくともいずれか1条に球切れが発生していると判定する球切れ監視手段と、
    を含むことを特徴とする弾球遊技機。
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