JP4801437B2 - 研磨装置 - Google Patents

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Description

この発明は、被研磨物を上下定盤の間に挟んで研磨する際に、上下の定盤間に研磨液を供給する装置、およびこの供給装置を用いた研磨装置に関する。
高度な仕上がり表面精度が要求される研磨加工、例えば磁気ディスク基板の研磨加工においては、研磨布と微細研磨砥粒を懸濁させた研磨液とが用いられ、基板の両面を研磨する遊星歯車方式の研磨装置が知られている(例えば、特許文献1〜5)。
図4に例示するこの種の研磨装置(2)は、主として研磨部(10)とこの研磨部(10)に研磨液を供給する研磨液供給部(70)とにより構成されている。
前記研磨部(10)は、太陽歯車(20)と、その外方に同心円状に配置される内歯歯車(22)と、太陽歯車(20)および内歯歯車(22)に噛み合い、太陽歯車(20)および/または内歯歯車(22)の回転に応じて公転および自転するキャリア(30)と、このキャリア(30)に保持された被研磨物(S)を上下から挟持可能な上定盤及(15)び下定盤(11)とを備えている。前記上定盤(15)および下定盤(11)の挟持面にはそれぞれ研磨布(12b)(12a)が貼り付けられている。また、上定盤(15)には研磨液供給孔(18)および剥離用流体供給孔(19)が多数穿設されている。
研磨液供給部(70)は、全体形状がリング形で縦断面が略U字形に形成された樋状本体(71)を備え、この樋状本体(71)の底部には多数の研磨液送出孔(72)が開口し、チューブ(51)によって前記上定盤(15)の研磨液供給孔(18)に連通接続されている。また、前記樋状本体(71)の上部は開口し、研磨液を図外の研磨液タンクから導入するノズル(42)および図外のリンス液タンクからリンス液を導入するノズル(43)が配置されている。研磨液およびリンス液は随時樋状本体(71)に供給され、チューブ(51)を介して上定盤の研磨液供給孔(18)から上下定盤(15)(11)の研磨布(12b)(12a)の間に供給される。
研磨加工時には、キャリア(30)に保持された被研磨物(S)を上定盤(15)および下定盤(11)で挟持するとともに、上下定盤(15)(11)の研磨布(12b)(12a)と被研磨物(S)との間に研磨液を供給しながら、太陽歯車(20)および/または内歯歯車(22)の回転に応じて、キャリア(30)を公転および自転させる。このとき、上定盤(15)や下定盤(11)も必要に応じて回転駆動させる。
このような研磨装置(2)では、太陽歯車(20)と内歯歯車(22)との間で、かつ上定盤と下定盤とに挟まれるドーナツ状の領域が実際の研磨領域となる。研磨液は、上定盤(15)に形成された研磨液供給孔(18)を通じて、このドーナツ状の研磨領域に供給される。
そして、研磨が終われば研磨液の供給を止め、上定盤(15)を上昇させて被研磨物(S)を取り出す。このとき、被研磨物(S)が研磨液によって上定盤(15)の研磨布(12b)に貼り付いて持ち上げられるのを防止するために、チューブ(53)から空気と水を交互に供給して空気および水の供給孔(19)から噴出させ、被研磨物(S)を上定盤(15)から剥がしておく。
特開2004−243503号公報 特開2004−249444号公報 特開2004−255530号公報 特開2004−255532号公報 特開2002−217138号公報
前記上定盤(15)の剥離用流体供給孔(19)から噴出させた空気および水は、研磨布(12b)と被研磨物(S)との隙間を通って上下定盤(15)(11)の外に排出されるが、一部は研磨液供給孔(18)からチューブ(51)内に入り込み樋状本体(71)内にも逃げる。このとき、チューブ(51)内に研磨液が残っていると、逃げようとする空気または水によって研磨液が逆流し、樋状本体(71)の送出孔(72)から勢いよく溢れる。逆流した研磨液の勢いが強い場合は、樋状本体(71)外に飛散して上定盤(15)あるいは上定盤(15)を支持する支持部材(16)、あるいは駆動部(17)に付着することがある。付着した研磨液の飛沫が乾燥すると、研磨砥粒の塊となって周囲に飛び散って研磨布(12a)(12b)に付着したり研磨液タンク内に混入し、被研磨物(S)を疵付けることがある。このように飛散した研磨液は研磨痕発生の一因となっている。
本発明は、上述した背景技術に鑑み、逆流した研磨液の樋状本体外への飛散を防止しうる研磨液の供給装置、およびこの研磨液の供給装置を組み込んだ研磨装置の提供を目的とする。
即ち、本発明の研磨液の供給装置は、下記[1]〜[7]に記載の各構成を有する。
[1] 縦断面が略U字形に形成され、底部に研磨液の送出孔を有する樋状本体において、前記送出孔はいずれか一方の側面壁に対向する角度で開口し、前記送出孔に対向する第1側面壁が、傾斜する前記送出孔の延長線との交点よりも高く、かつ他方の第2側面壁よりも高く形成されていることを特徴とする研磨液の供給装置。
[2] 前記第1側面壁の上部に第2側面壁側に突出する庇が設けられている前項1に記載の研磨液の供給装置
[3] 前記樋状本体はリング形である前項1または2に記載の研磨液の供給装置。
[4] 前記第1側面壁の高さが第2側面壁の1.2〜1.5倍である前項1〜3のうちのいずれか1項に記載の研磨液の供給装置。
[5] 前記第1側面壁の高さが50〜100mmである前項1〜4のうちのいずれか1項に記載の研磨液の供給装置。
[6] 前記庇の突出幅が樋状本体の開口幅の0.2〜0.5倍である前項2〜5のうちのいずれか1項に記載の研磨液の供給装置。
[7] 前記樋状本体の開口幅が40〜60mmであり、前記庇の突出幅が10〜30mmである前項2〜6のうちのいずれか1項に記載の研磨液の供給装置。
また、本発明の研磨装置は、下記[8][9]に記載の構成を有する。
[8] 下面に研磨液供給孔および剥離用流体供給孔が開口する上定盤と、
前記上定盤に対向する下定盤と、
前記上定盤の研磨液供給孔から、前記上定盤と下定盤との間に研磨液を供給する前項1〜7のうちのいずれか1項に記載の研磨液の供給装置と、
被研磨物を保持するキャリアと、
前記キャリアに保持された被研磨物を前記上定盤と下定盤との間に挟持し、該被研磨物と前記上定盤および下定盤の少なくとも一方とを相対的に摺動させる摺動手段とを備え、 前記被研磨物の少なくとも片面が研磨されるものとなされていることを特徴とする研磨装置。
[9] 前記被研磨物がNi−Pめっきアルミニウム基板であり、研磨液として水にコロイダルシリカを分散させたものを用いる前項8に記載の研磨装置。
また、本発明のNi−Pめっきアルミニウム基板の研磨方法、Ni−Pめっきアルミニウム基板の製造方法、Ni−Pめっきアルミニウム基板は、下記[10][11][12]に記載の構成を有する。
[10] 前項8に記載した研磨装置を使ったアルミニウム基板の研磨方法であって、Ni−Pめっきアルミニウム基板を水にコロイダルシリカを分散させた研磨液によって研磨することを特徴とするNi−Pめっきアルミニウム基板の研磨方法。
[11] 前項10に記載した研磨方法によってNi−Pめっきアルミニウム基板を研磨するNi−Pめっきアルミニウム基板の製造方法。
[12] 前項10に記載のNi−Pめっきアルミニウム基板の研磨方法により研磨され、研磨後のNi−Pめっき皮膜厚さが7〜12μmであり、研磨後のNi−Pめっきアルミニウム基板の表面粗さ(Ra)が0.2nm以下であることを特徴とするNi−Pめっきアルミニウム基板。
[1]の発明にかかる研磨液の供給装置によれば、送出孔から逆流する研磨液の飛沫を第1側面壁で跳ね返して樋状本体内に落下させ、飛沫の樋状本体外への飛散が防止される。このため、飛び散って凝固した研磨液が被研磨物を疵つけることがない。
[2]の発明にかかる研磨液の供給装置によれば、研磨液の樋状本体外への飛散防止をさらに確実なものとすることができる。
[3]の発明にかかる研磨液の供給装置は、円盤形の研磨部への研磨液供給装置として適している。
[4][5][6][7]の各発明にかかる研磨液の供給装置によれば、研磨液の樋状本体外への飛散防止をさらに確実なものとすることができる。
[8]の発明にかかる研磨装置によれば、逆流した研磨液の飛散が防止されるため、飛び散って凝固した研磨液が被研磨物を疵つけることがなく、研磨痕のない高品質の研磨品を提供できる。
[9]の発明にかかる研磨装置を用いることにより、研磨痕のない高品質のNi−Pめっきアルミニウム基板を提供できる。
[10]の発明にかかるNi−Pめっきアルミニウム基板の研磨方法によれば、研磨痕のない高品質のNi−Pめっきアルミニウム基板を提供できる。
[11]の発明にかかるNi−Pめっきアルミニウム基板の製造方法によれば、研磨痕のない高品質のNi−Pめっきアルミニウム基板を提供できる。
[12]の発明にかかるNi−Pめっきアルミニウム基板は、研磨痕がなく表面平滑性に優れた高品質の研磨基板である。従って、磁気ディスク基板として好適に用いることができる。
図1〜3に示す研磨装置(1)は、主として研磨部(10)とこの研磨部(10)に研磨液を供給する研磨液供給部(40)とにより構成されている。前記研磨液供給部(40)は本発明の研磨液の供給装置に対応する。
前記研磨部(10)は、下定盤(11)、上定盤(15)、太陽歯車(20)、内歯歯車(22)、キャリア(30)等で構成された遊星歯車方式の研磨部である。
前記下定盤(11)は、円環状の水平な上面を有する円盤部材であり、その上面には研磨布(12a)が貼り付けられている。下定盤(11)の下面は、垂直軸(Q)を中心として回転可能な下部支持部材(13)に固定され、さらに該下部支持部材(13)が下定盤回転駆動部(14)と連係され、下定盤(11)および下部支持部材(13)が回転するものとなされている。
前記上定盤(15)もまた、円環状の水平な下面を有する円盤部材であり、前記下定盤(11)と対向する下面に研磨布(12b)が貼り付けられている。上定盤(15)の上面は、垂直軸(Q)を中心として回転可能な上部支持部材(16)に固定され、さらに該上部支持部材(16)が上定盤回転駆動部(17)に連係され、上定盤(15)および上部支持部材(16)が回転するものとなされている。また、前記上定盤(15)および上部支持部材(16)は、垂直軸(Q)に沿って昇降自在に支持されるとともに、図示しない上定盤昇降駆動部の駆動によって昇降するものとなされている。また、前記上定盤(15)には研磨布(12b)を貫通する研磨液供給孔(18)および剥離用流体供給孔(19)が多数穿設されている。
前記太陽歯車(20)は、研磨部(10)の中央位置に回転可能に設けられており、太陽歯車回転駆動部(21)の駆動により垂直軸(Q)を中心として回転するものとなされている。ただし、内歯歯車(22)を回転動作させる場合は、太陽歯車(20)を回転不能に固定してもよい。前記太陽歯車(20)としては、側面部に歯列が一体形成された平歯車やピン歯車等が用いられる。
前記内歯歯車(22)は、内周側に歯列を有するリング状の歯車であり、前記太陽歯車(20)の外方に同心円状に配置されている。本実施形態の内歯歯車(22)は、回転不能に固定されているが、内歯歯車回転駆動部を追加設置して垂直軸(Q)を中心に回転可能としても良い。また、内歯歯車(22)においても、平歯車のほか、ピン歯車等を用いてもよい。
前記キャリア(30)は、外周部に歯列を有する薄板状の円盤部材であり、被研磨物(S)を保持するための保持孔(31)が複数個形成されている。研磨部(10)には、複数個のキャリア(30)が配置され、これらのキャリア(30)は、太陽歯車(20)および内歯歯車(22)に噛み合い、太陽歯車(20)および/または内歯歯車(22)の回転に応じて、太陽歯車(20)の周囲を公転しつつ自転する。
前記研磨部(10)において、キャリア(30)に保持された被研磨物(S)を上定盤(15)および下定盤(11)で挟持し、この状態でキャリア(30)を公転および自転させることにより、被研磨物(S)の上下両面が研磨加工される。この研磨部(10)では、太陽歯車(20)と内歯歯車(22)との間で、かつ上定盤(15)下定盤(11)とに挟まれるドーナツ状の領域が実際の研磨領域となる。
研磨液供給部(40)は、樋状本体(41)、この樋状本体(41)に研磨液およびリンス液を導入するノズル(42)(43)、研磨液およびリンス液を貯蔵するタンク(図示省略)、これらのタンクと前記ノズル(42)(43)とを連通接続するチューブ(図示省略)、前記樋状本体(41)に連通接続され研磨部(10)に研磨液を供給するチューブ(51)等を備える。
前記樋状本体(41)は、前記上下定盤(15)(11)と同心円状に配置されたリング形部材であり、支柱部材(48)により上定盤(15)の上方に設置されている。この樋状本体(41)は、2つの垂直な側面壁(45)(46)と底部(47)とによって縦断面がU字形を含む略U字形に形成され、底部(47)は広角V字形に形成され、傾斜する底板(47a)の最も低い位置に研磨液の送出孔(49)が穿設されている。前記送出孔(49)は一方の第1側面壁(45)に対向するように開口している。また、前記送出孔(49)には中空プラグ(50)が樋状本体(41)の外側に突出した状態で嵌合され、中空プラグ(50)に外嵌めされたチューブ(51)が前記上定盤(15)の研磨液供給孔(18)に接続されている。
本発明の研磨液の供給装置は、樋状本体(41)の底部(47)において研磨液の送出孔(49)が一方の側面壁(45)に対向する角度で設けられている。即ち、図3に示すように研磨液の送出孔(49)は第1側面壁(45)に対して傾斜して設けられ、スラリー状の研磨液の滞留を防止して研磨液の送出が円滑になされるものとなされている。前記送出孔(49)の角度(θ)は限定されないが、第1側面壁(45)に対して30〜60°に設定されていることが好ましい。
前記第1側面壁(45)の高さ(H1)は、傾斜する前記送出孔(49)の延長線との交点(P)よりも高く、かつ他方の第2側面壁(46)の高さ(H2)よりも高く形成されている。また、第1側面壁(45)の上端には第2側面壁(46)側に突出する庇(52)が設けられている。
前記研磨液供給部(40)において、研磨液が図外の研磨液タンクからチューブおよびノズル(42)を介して樋状本体(41)内に供給される。研磨液は送出孔(49)、チューブ(51)、研磨液供給孔(18)を通って研磨領域に供給される。なお、使用済みの研磨液は図外の経路で回収され、適切な処理を施した後で廃棄される。
そして、所定の研磨が終わり、要すれば研磨液をリンス液に切り換えて研磨領域に供給すして被研磨物(S)を洗浄する。その後、研磨液またはリンス液の供給およびキャリア(30)の回転を止め、チューブ(53)を介して空気および水を供給し、剥離用流体供給孔(19)から研磨領域に空気と水を交互に噴出させて被研磨物(S)を上定盤(15)の研磨布(12b)から剥がし、上定盤(15)を上昇させる。
本実施形態の研磨液供給部(40)は、樋状本体(41)の第1側面壁(45)が、前記送出孔(49)の延長線との交点(P)よりも高く、かつ第2側面壁(46)よりも高く形成されている。このため、被研磨物(S)を剥離するために剥離用流体供給孔(19)から研磨領域に空気および水を噴出させた際に、研磨液供給孔(18)から空気および水が入り込み研磨液供給用のチューブ(51)を通って樋状本体(41)の送出孔(49)から研磨液が逆流し、研磨液が飛散したとしても第1側面壁(45)で跳ね返って樋状本体(41)内に落下する。また、第1側面壁(45)で上方に跳ね返った飛沫は庇(52)の下面に当たって樋状本体(41)内に落下する(図3の矢印参照)。このように、研磨液の逆流によって飛散した飛沫はことごとく樋状本体(41)内に落下するため、上定盤(15)あるいは上定盤(12)の支持部材(16)や駆動部(17)に付着し、乾燥して研磨砥粒の塊となって被研磨物(S)を疵付ける、という事態を避けることができる。従って、磁気ディスク基板のように高度な仕上がり表面精度が要求される研磨加工に適している。
以下に図3を参照しつつ、第1側面壁(45)の高さ(H1)および庇(52)の突出幅(W1)の好適範囲について説明する。
第1側面壁(45)の高さ(H1)は、前記送出孔(49)の延長線との交点(P)よりも高く、かつ第2側面壁(46)よりも少しでも高くすれば研磨液の飛沫を樋状本体(41)内に落下させる効果が向上し、その上限値に制限はない。しかし、過度に高くしても無意味であり、送出孔(49)の角度および噴出空気の勢いを勘案すると、第1側面壁(45)の高さ(H1)を第2側面壁の高さ(H2)の1.2〜1.5倍に設定することが好ましい。特に好ましい第1側面壁(45)の高さ(H1)は第2側面壁の高さ(H2)の1.3〜1.4倍である。また、具体的には前記第1側面壁(45)の高さを50〜100mmとすることが好ましく、特に60〜85mmとすることが好ましい。また、前記送出孔(49)の延長線との交点(P)よりも30mm以上高くすることが好ましい。
また、前記第1側面壁(45)の上部に第2側面壁(46)側に突出する庇(52)を設けることにより、第1側面壁(45)で上方に跳ね返った飛沫を庇(52)の下面で跳ね返し、樋状本体(41)内に落下させることができる。このように、第1側壁(45)に庇(52)を設けることにより、飛沫の飛散防止効果を向上させることができる。前記庇(52)を設ければ研磨液の飛散を防止する効果が得られ、その突出幅(W1)は限定されない。しかし、過度に広くしても無意味であり、庇(52)の突出幅(W1)は樋状本体(41)の開口幅(W2)の0.2〜0.5倍が好ましく、特に0.2〜0.4倍が好ましい。具体的には、前記樋状本体(41)の開口幅(W2)を40〜60mmとし、前記庇(52)の突出幅(W1)を8〜24mmとすることが好ましい。特に好ましい前記樋状本体(41)の開口幅(W2)は40〜50mmであり、特に好ましい前記庇(52)の突出幅(W1)は10〜24mmである。
また、前記庇(52)は、図示例のように第1側面壁(45)に対して直角に取り付けることに限定されるものではない。例えば第1側面壁(45)に対して90°未満に傾斜させることにより庇に当たった飛沫を確実に樋状本体内に落下させることができる。また、庇の形状は図示例の平板状のものに限定されず、内側に湾曲する庇であっても良い。さらに、本発明において庇の設置は任意であり、第1側面壁に庇が設けられていない供給装置も本発明に含まれる。
本発明の研磨液の供給装置は、上述した要件、即ち樋状本体の底部の送出孔が傾斜して設けられていること、側面壁の高さ、側面壁に設けられた庇以外の構成は何ら限定されない。例えば、樋状本体の全体形状はリング形に限定されない。図示例のリング形の樋状本体は円盤形の研磨部に適しているが、研磨部は円盤形に限定されるものではく、樋状本体は研磨部の形状や構成に合わせて任意形状とすることができる。また、樋状本体への研磨液の導入手段も限定されない。
本発明の研磨装置は、研磨部と本発明の研磨液の供給装置とを備えるものである。前記研磨部は、下面に研磨液供給孔および剥離用流体供給孔が開口する上定盤と、前記上定盤に対向する下定盤と、被研磨物を保持するキャリアと、前記キャリアに保持された被研磨物を前記上定盤と下定盤との間に挟持し、該被研磨物と前記上定盤および下定盤の少なくとも一方とを相対的に摺動させる摺動手段とを備える。そして、前記研磨液の供給装置を用い、前記上定盤の研磨液供給孔から前記上定盤の研磨面と下定盤の研磨面との間に研磨液を供給し、前記キャリアに保持された被研磨物と前記上定盤および下定盤の少なくとも一方とを相対的に摺動させることにより、該被研磨物が研磨されるものとなされている。本発明において、研磨部は、上記実施形態のように遊星歯車方式でキャリアが公転および自転するものや両面を同時に研磨するものに限定されない。キャリアが公転または自転のどちらか一方のみの回転をして研磨するもの、キャリアが固定され定盤が回転して研磨するもの、被研磨物の片面のみを研磨するものも本発明に含まれる。さらに、研磨のための摺動は回転動作によるものに限定されず、直線的な往復動作によって研磨するものとしても良く、摺動手段は限定されない。また、被研磨物(S)の形状や材質、研磨液の組成も限定されない。研磨液の組成は被研磨物(S)に応じて種々のものを用いることができる。例えば、被研磨物(S)がNi−Pめっきアルミニウム基板の場合は、水にコロイダルシリカを分散させた研磨液を用いることが好ましい。
また、本発明のNi−Pめっきアルミニウム基板の研磨方法は、上述した研磨装置において、Ni−Pめっきアルミニウム基板を水にコロイダルシリカを分散させた研磨液によって研磨することを特徴とする。また、本発明Ni−Pめっきアルミニウム基板の製造方法は、上述した研磨方法で研磨することを特徴とする。これらの方法で研磨あるいは製造することにより、研磨痕のない高品質のNi−Pめっきアルミニウム基板を提供できる。また、上述した方法で研磨され、あるいは製造されたNi−Pめっきアルミニウム基板において、Ni−Pめっき皮膜の厚さを7〜12μmとし、表面粗さがJISB0601−2001で規定された算術平均高さ(Ra)で0.2nm以下となされた表面平滑性の優れたものは、磁気ディスク基板として好適な基板となる。磁気ディスク基板として特に好ましいNi−Pめっき皮膜の厚さは8〜11μmであり、特に好ましい表面粗さ(Ra)は0.15nm以下である。
図1〜3の本発明の研磨液の供給装置(40)を組み込んだ研磨装置(1)、および比較例として従来の研磨液の供給装置(70)を組み込んだ研磨装置(2)を用いて研磨試験を行い、研磨痕発生状況を比較した。研磨部はいずれの研磨装置においても同一の遊星歯車方式の研磨部(10)を用い、被研磨物の両面を面を同時に研磨するものとした。また、試験用の被研磨物(S)として、両面にNi−Pめっき皮膜を有する直径95mmのアルミニウム板を用いた。このアルミニウムめっき板は磁気ディスク基板として用いられるものである。
本発明の研磨装置(1)において、研磨液の供給装置(40)の樋状本体(41)の寸法は以下のとおりである。
第1側面壁(45)の高さ(H1):80mm(交点Pとの差が50mm)
第2側面壁(46)の高さ(H2):55mm
庇(52)の突出幅(W1):20mm
開口幅(W2):50mm
送出孔(49)の角度(θ):45°
また、比較例の研磨装置(2)において、研磨液の供給装置(70)の樋状本体(71)の第1側面壁および第2側面壁の高さを、上記樋状本体(41)の第2側面壁(46)と同一高さの55mmとし、樋状本体の開口幅および送出孔の角度は上記樋状本体(41)と同一とした。
そして、研磨液として、コロイダルシリカ研磨液を用い、それぞれ50枚のアルミニウムめっき板の両面を研磨した。研磨後のアルミニウムめっき板をハロゲン光照射下で研磨痕を目視検査をしたところ、本発明の研磨液の供給装置(40)を用いた場合は研磨痕発生率が0〜0.005%であり、比較例の研磨液の供給装置(70)を用いた場合は研磨痕発生率が0〜0.02%であった。
本発明の研磨液の供給装置は研磨液の飛散を防止できるから、磁気ディスク基板のように高度な仕上がり表面精度が要求される研磨加工において、研磨疵のない研磨品を提供できる。
本発明の研磨装置の断面図である。 図1および図4の研磨装置の研磨部において、一部を省略した内部斜視図である。 図1の研磨装置に組み込まれた、本発明の研磨液の供給装置の断面図である。 従来の研磨装置の断面図である。
符号の説明
1、2…研磨装置
10…研磨部
11…下定盤
12a、12b…研磨布
15…上定盤
18…研磨液供給孔
19…剥離用流体供給孔
30…キャリア
40…研磨液供給部(研磨液の供給装置)
41…樋状本体
45…第1側面壁
46…第2側面壁
47…底部
49…研磨液の送出孔
52…庇
S…被研磨物
θ…送出孔の角度
H1…第1側面壁の高さ
H2…第2側面壁の高さ
W1…庇の突出幅
W2…樋状本体の開口幅
P…送出孔の延長線と第1側面壁との交点

Claims (9)

  1. 下面に研磨液供給孔および剥離用流体供給孔が開口し回転する上定盤と、
    前記上定盤に対向する下定盤と、
    前記上定盤に取り付けられて上定盤とともに回転し、前記上定盤の研磨液供給孔から、前記上定盤と下定盤との間に研磨液を供給する研磨液の供給装置と、
    被研磨物を保持するキャリアと、
    前記キャリアに保持された被研磨物を前記上定盤と下定盤との間に挟持し、該被研磨物と前記上定盤および下定盤の少なくとも一方とを相対的に摺動させる摺動手段とを備え、前記被研磨物の少なくとも片面が研磨されるものとなされている研磨装置であって、
    前記研磨液の供給装置は、上部が開口して上部からの研磨液が供給可能となるように縦断面が略U字形でリング形に形成され、底部に研磨液の送出孔を有する樋状本体において、前記送出孔はいずれか一方の側面壁に対向する角度で開口し、前記送出孔に対向する第1側面壁が、傾斜する前記送出孔の延長線との交点よりも高く、かつ他方の第2側面壁よりも高く形成され、かつ前記第1側面壁の上部に第2側面壁側に突出する庇が設けられていることを特徴とする研磨装置。
  2. 前記第1側面壁の高さが第2側面壁の1.2〜1.5倍である請求項1に記載の研磨装置
  3. 前記第1側面壁の高さが50〜100mmである請求項1または2に記載の研磨装置。
  4. 前記庇の突出幅が樋状本体の開口幅の0.2〜0.5倍である請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の研磨装置。
  5. 前記樋状本体の開口幅が40〜60mmであり、前記庇の突出幅が10〜30mmである請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の研磨装置。
  6. 前記被研磨物がNi−Pめっきアルミニウム基板であり、研磨液として水にコロイダルシリカを分散させたものを用いる請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載の研磨装置。
  7. 請求項に記載した研磨装置を使ったアルミニウム基板の研磨方法であって、Ni−Pめっきアルミニウム基板を水にコロイダルシリカを分散させた研磨液によって研磨することを特徴とするNi−Pめっきアルミニウム基板の研磨方法。
  8. 請求項に記載した研磨方法によってNi−Pめっきアルミニウム基板を研磨するNi−Pめっきアルミニウム基板の製造方法。
  9. 請求項に記載のNi−Pめっきアルミニウム基板の研磨方法により研磨され、研磨後のNi−Pめっき皮膜厚さが7〜12μmであり、研磨後のNi−Pめっきアルミニウム基板の表面粗さ(Ra)が0.2nm以下であることを特徴とするNi−Pめっきアルミニウム基板。
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