JP4801284B2 - ガス供給ラインの圧力制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、圧力制御弁の下流側圧力が、所定圧となるように圧力制御弁の開度調整を行うようにしたガス供給ラインの圧力制御方法に関し、特に、圧力制御弁の下流側でのガス使用量の変化に伴って、圧力制御弁の下流側圧力が急変することを防止することの可能なガス供給ラインの圧力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガス供給ラインに介挿されている圧力制御弁の下流側に接続された下流側設備にガスを供給する場合には、圧力制御弁の下流側圧力を、下流側設備の停止等を引き起こすことのない補償圧以上に維持することが重要である。
このため、従来、圧力制御弁の上流側に圧力計を設け、この圧力計で検出される圧力制御弁の上流側圧力が、前記補償圧に応じた上流側補償圧以上となるように圧力制御弁の開度制御を行う定値制御を行ったり、或いは、圧力制御弁の下流側設備におけるガス使用状況を検出し、このガス使用状況に応じて圧力制御弁の開度をフィードフォワード制御する方法等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、圧力計で検出された圧力制御弁の上流側圧力が設定圧となるように圧力制御弁の開度制御を行う定値制御では、下流側設備におけるガスの使用量が急激に増加した場合、定値制御はフィードバック制御であるため、圧力制御弁の開度がガスの使用量に応じた必要開度となるまでに時間がかかり、下流側圧力が一時的に低下する場合がある。このように、下流側圧力が低下しこれが補償圧を下回ると下流側設備に安定したガス供給を行うことができない状態が発生する。このため、これを回避するために、この一時的な圧力の低下を見込んで、上流側圧力の設定値として、上流側補償圧よりも高い値を設定する必要がある。
【0004】
また、下流側設備のガス使用状況を検出してフィードフォワード制御を行う方法においては、下流側設備のガス使用状況を把握することは煩雑であり、またガス使用状況を全て把握することは困難である。また、下流側設備のガス使用状況から圧力制御弁の必要な開度を予測して圧力制御弁の開度を制御することになるが、ガス使用状況に応じてフィードフォワード制御に移行し、これに応じて圧力制御弁の開度調整が行われるまでに時間がかかるため、場合によっては、下流側圧力を必要な補償圧に維持することができず、安定したガス供給を行うことができないという問題がある。
【0005】
そこで、この発明は、上記従来の未解決の課題に着目してなされたものであり、ガス使用量の変化に係わらず圧力制御弁の下流側圧力を補償圧以上の圧力に、確実に維持することの可能なガス供給ラインの圧力制御方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係るガス供給ラインの圧力制御方法は、ガス供給ラインに介挿された圧力制御弁の下流側圧力が所定圧となるように、前記圧力制御弁の開度を制御するようにしたガス供給ラインの圧力制御方法において、前記圧力制御弁の下流側圧力を圧力検出手段で検出し、当該圧力検出手段の検出値が前記所定圧となるように前記圧力制御弁の開度を定値制御すると共に、前記圧力検出手段の検出値に基づいて前記下流側圧力の変化傾向として前記下流側圧力の低下度合を検出し、当該下流側圧力の低下度合が予め設定した低下度合のしきい値を超えて変化するとき、前記定値制御に替えて、前記圧力制御弁の開度を前記検出した低下度合に応じて読み出された規定開度とする制御を所定時間行い且つ前記下流側圧力がバックアップ用のしきい値を下回るときには前記規定開度に替えて、開度がより大きいバックアップ用の規定開度を用いるようになっており、前記規定開度は、前記下流側圧力を前記所定圧に回復させるための前記圧力制御弁の開度であって前記低下度合が大きいときほど大きくなり、且つ前記バックアップ用のしきい値は、前記下流側圧力の最下限圧である補償圧を維持するための前記圧力制御弁の開度であって、前記所定時間は、前記圧力制御弁の開度を前記規定開度または前記バックアップ用の規定開度に制御した状態で前記下流側圧力を前記所定圧に回復させるために必要な前記規定開度または前記バックアップ用の規定開度に対応した時間であって、前記規定開度、前記バックアップ用の規定開度及び前記所定時間は、前記ガス供給ラインに接続された下流側設備の接続状況に応じて実験により予め設定されることを特徴としている。
【0007】
この請求項1に係る発明では、ガス供給ラインに介挿された圧力制御弁の下流側圧力が、所定圧となるように圧力制御弁の開度が定値制御される。つまり、例えば、圧力制御弁の下流側に接続された下流側設備の停止等を引き起こすことのない補償圧以上の圧力となるように定値制御される。
このとき、これと共に、圧力検出手段で検出される圧力制御弁の下流側圧力に基づいて下流側圧力の変化傾向として下流側圧力の低下度合が検出され、この低下度合が予め設定した低下度合のしきい値を超えて変化するときに、圧力制御弁の開度が定値制御に替えて所定時間規定開度に制御され、さらに前記下流側圧力がバックアップ用のしきい値を下回るときには、開度がより大きいバックアップ用の規定開度に制御される。
前記規定開度は、前記下流側圧力を前記所定圧に回復させるための前記圧力制御弁の開度であって前記低下度合が大きいときほど大きくなり、且つ前記バックアップ用の規定開度は前記下流側圧力の最下限圧である補償圧を維持するための前記圧力制御弁の開度であって、前記所定時間は、前記圧力制御弁の開度を前記規定開度または前記バックアップ用の規定開度に制御した状態で前記下流側圧力を前記所定圧に回復させるために必要な前記規定開度または前記バックアップ用の規定開度に対応した時間である。そして、前記規定開度、前記バックアップ用の規定開度及び前記所定時間は、前記ガス供給ラインに接続された下流側設備の接続状況に応じて予め設定される。
【0008】
したがって、例えば圧力制御弁の下流側圧力の低下傾向から、下流側圧力が急変する傾向にあると予測されるときには、圧力制御弁の開度を、定値制御に替えて、予測される下流側圧力の急変を抑制することの可能な規定開度に制御することによって、下流側圧力の急変を抑制することが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明におけるガス供給ラインの圧力制御方法を適用した制御装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すようにガス供給ラインLには、このガス供給ラインLの下流に接続された下流側設備へのガスの供給圧を調整するための圧力調節弁(圧力制御弁)1が介挿され、この圧力調節弁1の下流側に、圧力調節弁1の下流側圧力を検出するための圧力検出手段としての圧力計2が設けられている。
【0012】
この圧力計2で検出された圧力検出値PVは制御装置10に入力され、制御装置10では、この圧力検出値PVに基づいて予め設定された所定周期で圧力調節弁1を調整するようになっている。
前記制御装置10は、図1に示すように、圧力調節弁1の下流側圧力が、予め設定された圧力設定値PS となるように、圧力検出値PVに基づいて圧力調節弁1の開度調整を行うPID定値圧力制御部12と、所定周期で入力される圧力検出値PVを、データ蓄積ファイルFに順次格納し、予め設定した所定数のデータをFIFO方式で蓄積する圧力データ蓄積処理部14と、圧力データ蓄積処理部14で蓄積した圧力検出値PVをもとに、圧力検出値PVの変化傾向を検出する変化傾向検出部16と、当該変化傾向検出部16で検出した変化傾向に基づいて規定開度制御を行う必要があるかどうかを検出し変化傾向に応じた規定開度値を選択すると共に、圧力検出値PVが予め設定したバックアップ用のしきい値を下回るかどうかを判定し、バックアップ用のしきい値を下回るときには、バックアップ用の規定開度を最適規定開度として選択する規定開度処理部18と、規定開度処理部18で選択された規定開度に応じた開度設定値をPID定値圧力制御部12に通知する最適規定開度値選択処理部20と、を備えている。
【0013】
そして、PID定値圧力制御部12では、予め設定した所定周期で圧力計2から圧力検出値PVを入力し、この圧力検出値PVが、前記下流側設備のガス使用状況等に応じて設定される前記圧力設定値PS となるように、圧力調節弁1の開度を定値制御する。前記圧力設定値PS は、例えば、下流側設備の停止等を引き起こすことのない補償圧以上の値に設定される。また、規定開度処理部18から規定開度指令が通知されたときには、最適規定開度値選択処理部20から通知された規定開度値となるように圧力調節弁1の開度調整を行う。
【0014】
このとき、通知された規定開度値がバックアップ用の規定開度でないときには予め設定した規定開度時間の間、前記圧力調節弁1の開度を規定開度に調整する。また、バックアップ用の規定開度が通知されたときには、予め設定したバックアップ用の規定開度時間の間、前記圧力調節弁1の開度をバックアップ用の規定開度に調整する。そして、圧力調節弁1の開度を、規定開度時間又はバックアップ用の規定開度時間の間、規定開度に調整した後、前記定値制御を再開する。なお、前記規定開度時間及びバックアップ用の規定開度時間は、予め実験等によって求められ、下流側圧力が前記定値制御における圧力設定値PS に回復するのに要する時間以上であり、且つ、下流側圧力のオーバーシュートを低減することの可能な時間に設定される。
【0015】
前記変化傾向検出部16では、データ蓄積ファイルFに格納した圧力検出値PVをもとに、圧力検出値PVの変化傾向を検出する。例えば、圧力検出値PVが継続して低下している間の、予め設定した任意の単位時間毎の変化量を検出する。前記単位時間は、例えば1秒毎、6秒毎等複数設定され、例えば、1秒間における変化量がしきい値THよりも大きい場合には、圧力検出値PVが急激に低下していると判定することができ、また、6秒間における変化量が前記しきい値THよりも小さい場合には、圧力検出値PVは緩やかに低下していると判定することができる。したがって、単位時間は、圧力検出値PVの低下度合を何段階にわけて検出するかに応じて設定するようにすればよく、圧力検出値PVを多数段階にわけて検出したい場合には、単位時間をその段階数に応じて多数設定すればよい。
【0016】
そして、このようにして検出した単位時間毎の圧力検出値PVの変化量を変化傾向情報として規定開度処理部18に通知する。
この規定開度処理部18では、変化傾向検出部16から通知される圧力検出値PVの変化傾向情報に基づき、規定開度タイミングの検出を行う。つまり、変化傾向検出部16から通知される、単位時間毎の圧力検出値PVの変化量のうち、しきい値THを越え、且つその単位時間が最も短いものに基づいてその低下度合を推定する。つまり、しきい値THに達するまでの所要時間が短いほど圧力検出値PVは急激に低下する傾向にあると判定する。そして、低下度合の推定に用いた単位時間に応じて、予め設定したテーブルに基づいて、推定した低下度合に応じた規定開度値を特定する。この規定開度値は、ガス供給ラインLに接続された下流側設備の接続状況等に応じて、実験等によって設定される開度であり、下流側圧力の低下を抑制し且つ速やかに圧力設定値PS に復帰させることの可能な開度に設定され、例えば、下流側圧力が速やかに圧力設定値PS に復帰するように、圧力検出値PVの低下度合が大きいほど、規定開度値が大きな値となるように設定される。
【0017】
そして、規定開度処理部18では、このようにして設定した規定開度値を特定するための選択指令を最適規定開度値選択処理部20に通知すると共に、PID定値圧力制御部12に規定開度指令を通知する。なお、単位時間毎の圧力検出値PVの変化量がいずれもしきい値をこえない場合には、選択指令の通知は行わず、また規定開度指令の通知も行わない。
【0018】
また、規定開度処理部18では、圧力計2の圧力検出値PVが、下流側圧力の最下限圧である補償圧を維持するための予め設定したバックアップ用のしきい値を下回っていないかどうかを監視しており、圧力検出値PVがバックアップ用のしきい値を下回るときには、圧力検出値PVの低下度合に応じて設定される規定開度値に替えて、この規定開度値よりも開度の大きい、バックアップ用の規定開度値を指定する選択指令を最適規定開度値選択処理部20に通知すると共に、規定開度指令を通知する。
【0019】
なお、前記バックアップ用の規定開度値は、圧力検出値PVがバックアップ用のしきい値を下回ったときに、圧力検出値PVを速やかに圧力設定値PS に復帰させることの可能な値に設定される。
前記最適規定開度値選択処理部20は、規定開度処理部18から通知される選択指令に基づいて、通知された選択指令で特定される最適規定開度値を特定し、この最適規定開度値をPID定値圧力制御部12に通知する。
【0020】
次に、上記実施の形態の動作を図2を伴って説明する。
なお、図2(a)及び(b)において、実線aは圧力調節弁1の下流側へのガス供給量の実績値である下流側流量実績を表したものであり、Y軸方向に進むほど流量が多いことを表す。また、破線bは圧力調節弁1の開度を表したものであり、Y軸方向に進むほど開度が大きいことを表す。さらに、破線cは圧力調節弁1の下流側圧力の実績値である下流側圧力実績を示したものであり、Y軸方向に進むほど圧力が大きいことを表す。
【0021】
制御装置10では、圧力計2の圧力検出値PVを定期的に読み込み、PID定値圧力制御部12では、この圧力検出値PVが予め設定した圧力設定値PS となるように圧力調節弁1の開度調整を行う。また、圧力データ蓄積処理部14では、読み込まれた圧力検出値PVを順次データ蓄積ファイルFに格納し、所定時間数分の圧力検出値PVを保存する。
【0022】
例えば、図2(a)に示すように、時点t1 で、下流側設備の制御が開始され、下流側設備でのガス使用量が増加すると、これに伴って、圧力調節弁1の下流側圧力が一時的に低下する。この下流側圧力の低下に伴って圧力検出値PVが低下し、その低下度合に応じて単位時間あたりの圧力検出値PVの変化量が増加する。図2(a)の場合、下流側設備のガス使用量の急激な増加に伴って、下流側圧力は急激に低下している。そして、予め設定した単位時間毎の圧力検出値PVの変化量がしきい値THを越えると、規定開度処理部18で規定開度に切り替える必要があると判定され、規定開度指令がPID定値圧力制御部12に通知される。また、単位時間あたりの変化量に応じた選択指令が最適規定開度値選択処理部20に通知されて、圧力検出値PVの低下度合に応じた規定開度値がPID定値圧力制御部12に通知される。
【0023】
つまり、圧力検出値PVの単位時間あたりの変化量がしきい値THを越えたもののうち単位時間が最も短いもの、すなわち、変化量がしきい値THを越えるまでの所要時間が最も短いものが選択され、この圧力検出値PVの低下度合に応じた規定開度値が特定され、最適規定開度値選択処理部20において、低下度合に応じた規定開度設定値が選択されてPID定値圧力制御部12に通知される。
【0024】
このPID定値圧力制御部12では、規定開度指令が通知されたことから、定値制御に替えて、通知された規定開度値となるように圧力調節弁1の開度を調整する。これによって、圧力調節弁1の開度が規定開度となるように調整される。ここで、この規定開度は、下流側圧力の低下を抑制し且つ速やかに圧力設定値PS に復帰させることの可能な開度に設定されているから、圧力調節弁1の開度が規定開度に制御されることにより下流側圧力は増加することになって、下流側圧力の低下が抑制される。そして、予め設定した規定開度時間が経過した時点t2 で圧力調節弁1の開度は、再度PID定値圧力制御部12における定値制御による開度に切り替えられる。
【0025】
そして、以後、PID定値圧力制御によって制御され、下流側へのガスの供給量の変動に伴って下流側圧力が変動すると、これに応じてPID定値圧力制御部12において圧力調節弁1の開度が調整され、図2(a)に示すように、下流側圧力は圧力設定値PS に維持されてその圧力変動が抑制される。
また、何らかの原因によって、圧力検出値PVがバックアップ用のしきい値を下回った場合には、規定開度処理部18において最適規定開度値としてバックアップ用の規定開度が選択され、最適規定開度値選択処理部20において、このバックアップ用の規定開度がPID定値圧力制御部12に通知されて、圧力調節弁1の開度調整が行われる。このバックアップ用の規定開度は、下流側圧力を圧力設定値PS に速やかに復帰させることの可能な値に設定されているから、下流側圧力は速やかに圧力設定値PS に復帰することになる。
【0026】
このように、下流側圧力の低下度合が大きいときには、定値制御に替えて、下流側圧力の低下度合に応じたこの圧力低下を抑制し且つ速やかに圧力設定値PS に回復し得る規定開度に切り替えるようにしている。つまり、下流側圧力の低下傾向を検出した時点で規定開度に切り替え、圧力調節弁1の開度調整を開始しているから、下流側圧力の大幅な圧力低下を抑制し、速やかに回復させて圧力設定値PS を維持することができる。
【0027】
また、このとき、下流側圧力の低下度合に応じた規定開度を設定するようにしているから、圧力調節弁1を、下流側圧力の低下度合に応じた的確な開度に制御することができ、下流側圧力を速やかに回復させることができる。
図2(b)は、従来のPID定値圧力制御を行った場合の、下流側流量実績(実線a)及び下流側圧力の実績値(破線c)を表したものである。図2(b)に示すように、PID定値圧力制御にあっては、時点t1 で下流側設備の制御が開始されたとき、下流側流量実績の増加に伴って下流側圧力が大きく低下した時点で、その下流側圧力が圧力設定値PS となるように圧力調節弁1の開度がフィードバック制御される。
【0028】
ここで、図2(a)に示すように、例えば下流側設備の制御開始時点での下流側圧力の実績値の最小値をPL とし、図2(b)に示すように、従来の下流側設備の制御開始時点における下流側圧力の実績値の最小値をPL ′として、これらを比較したところ、図2(b)に示すように、上述の本発明を用いることによって、下流側設備の制御開始時点での下流側圧力の低下を大幅に抑制することが確認できた。
【0029】
また、このように、本発明を用いることによって、下流側圧力の変動を抑制することができるから、下流側圧力の変動分を見込んで圧力設定値PS を設定する必要はなく、この圧力設定値PS を低めに設定することができるから、その分消費エネルギの削減を図ることができる。
また、下流側圧力に基づいて下流側設備におけるガス使用量の変動を推測し、これに基づいて開度調節を行うようにしているから、下流側設備におけるガス使用量を把握する必要はなく、容易的確に圧力制御を行うことができる。また、下流側設備におけるガス使用量を把握する必要がないから、例えば下流側設備の機器構成の追加等の変更、或いは下流側設備におけるガス使用量の仕様変更等が生じた場合であっても、大幅な仕様変更等を伴うことはなく容易に対応することができる。
【0030】
また、圧力検出値PVがバックアップ用のしきい値を下回るときには、規定開度値をバックアップ用の規定開度値に切り替えるようにしているから、下流側圧力がバックアップ用のしきい値を下回った場合には、従来に比較して下流側圧力を圧力設定値PS に速やかに復帰させることができ、下流側圧力の低下に伴って下流側設備の停止等を引き起こすことをより確実に防止することができる。
【0031】
なお、上記実施の形態においては、圧力検出値の低下量があるしきい値THを越えるまでに要する時間に基づいて圧力検出値PVの低下度合を設定するようにした場合について説明しているが、前記しきい値は、任意に設定することができる。つまり、単位時間としきい値とによって、圧力検出値PVの低下度合が設定されるから、所望の低下度合に応じてしきい値及び単位時間を設定するようにすればよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係るガス供給ラインの圧力制御方法によれば、圧力制御弁の下流側圧力の変化傾向としての下流側圧力の低下度合に応じて、圧力制御弁の開度を所定時間規定開度に制御するようにしたから、下流側圧力を速やかに所定圧に回復させることができる。
【0033】
また、下流側圧力の低下度合が予め設定した低下度合のしきい値を超えて変化するとき、圧力制御弁の開度を規定開度に制御するようにしたから、低下度合に応じた適切なタイミングで規定開度に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したガス供給ラインの圧力制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の動作説明に供するトレンドグラフである。
【符号の説明】
1 圧力調節弁
2 圧力計
10 制御装置
12 PID定値圧力制御部
14 圧力データ蓄積処理部
16 変化傾向検出部
18 規定開度処理部
20 最適規定開度値選択処理部
Claims (1)
- ガス供給ラインに介挿された圧力制御弁の下流側圧力が所定圧となるように、前記圧力制御弁の開度を制御するようにしたガス供給ラインの圧力制御方法において、
前記圧力制御弁の下流側圧力を圧力検出手段で検出し、当該圧力検出手段の検出値が前記所定圧となるように前記圧力制御弁の開度を定値制御すると共に、前記圧力検出手段の検出値に基づいて前記下流側圧力の変化傾向として前記下流側圧力の低下度合を検出し、
当該下流側圧力の低下度合が予め設定した低下度合のしきい値を超えて変化するとき、前記定値制御に替えて、前記圧力制御弁の開度を前記検出した低下度合に応じて読み出された規定開度とする制御を所定時間行い且つ前記下流側圧力がバックアップ用のしきい値を下回るときには前記規定開度に替えて、開度がより大きいバックアップ用の規定開度を用いるようになっており、
前記規定開度は、前記下流側圧力を前記所定圧に回復させるための前記圧力制御弁の開度であって前記低下度合が大きいときほど大きくなり、且つ前記バックアップ用のしきい値は、前記下流側圧力の最下限圧である補償圧を維持するための前記圧力制御弁の開度であって、前記所定時間は、前記圧力制御弁の開度を前記規定開度または前記バックアップ用の規定開度に制御した状態で前記下流側圧力を前記所定圧に回復させるために必要な前記規定開度または前記バックアップ用の規定開度に対応した時間であって、
前記規定開度、前記バックアップ用の規定開度及び前記所定時間は、前記ガス供給ラインに接続された下流側設備の接続状況に応じて実験により予め設定されることを特徴とするガス供給ラインの圧力制御方法。
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