JP4800737B2 - 切削工具 - Google Patents

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Description

本発明はパイプ端部における端面の平面加工及び面取り加工を行うための切削工具に関する。
従来のパイプ端部の端面及び面取り加工用の切削工具を図8〜図10に例示する。この切削工具は、図8〜図10に示すように少なくとも1つの切刃チップ103、104がパイプ端部20の端面部20aを加工する第1の切刃175と、端面部に隣接する内側面取り部20cを加工する第2の切刃177と、端面部に隣接する外側面取り部20bを加工する第3の切刃179とを有する。そして、前記切刃チップ103、104のうち第1切刃チップ103の第1切刃175がパイプ端部20の端面部20aを切削し、第2切刃チップ177が内側面取り部20cの加工を行い、第2切刃チップ104の第3切刃179が外側面取り部20bの加工を行う。工具本体1には第1及び第2切刃チップ103、104を径方向に進退させる調整機構が備えられ、異なる外径及び肉厚を有するパイプ端部20の加工に適合させることができるというものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−200310号公報
中実の丸棒や角材にくらべて中空で薄肉のパイプはきわめて剛性が低くなるため、パイプ端部20は、その端面部20a及び面取り部20b、20cが加工中に受ける切削抵抗によってビビリ振動を生じて、加工面の面粗さが悪化したり、切刃がチッピングや欠損を生じて短寿命になったりするおそれがあった。さらに、切削抵抗が高くなることによって切れ味が悪化することにより、パイプ端部の端面部20a及び面取り部20b、20cにバリが生じ、このバリを除去する工程が必要になるため加工コストが高騰するおそれがあった。さらに、パイプの中空部に侵入した切屑が当該中空部の内周面に擦過し面粗さを劣化させてしまうおそれがあった。パイプ端部の端面及び面取り加工に用いられる切削工具において、以上の問題を解決するものはこれまでなかった。
本発明は、上述した問題に鑑みなされたものであり、その目的は、パイプ端部の端面における平面加工及び端面の周縁部の面取り加工において、ビビリ振動及びバリの抑制を図るとともに、パイプ中空部の内周面の面粗さを改善する切削工具を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明は、軸心まわりに回転される円筒状をなす工具本体の先端部に少なくとも2つのスローアウェイチップが周方向に間隔をあけて装着され、これらスローアウェイチップによりパイプ端部における端面の平面加工及び周縁部の面取り加工を行う切削工具において、少なくとも2つの前記スローアウェイチップは、前記軸心まわりの回転軌跡で当該軸心に直交する方向に延びる端面加工用切刃を備えた端面加工用チップと、前記軸心まわりの回転軌跡で前記端面加工用切刃に所定の角度でもって交差する面取り切刃を備えた面取り加工用チップとからなり、前記端面加工用切刃は、その軸方向すくい角AR1が0°よりも大きく且つ20°以下の範囲にあるとともに、その径方向すくい角RR1が10°〜20°の範囲にあり、さらに、前記面取り切刃は、その軸方向すくい角AR2が0°よりも大きく且つ20°以下の範囲にあるとともに、その径方向すくい角RR2が−5°〜+15°の範囲にあることを特徴とする切削工具である。
以上の構成を有した本発明の切削工具によれば、端面加工用切刃及び面取り切刃の切削抵抗が低減し切れ味が向上するので、パイプ端部の端面の平面加工及び周縁部の面取り加工におけるビビリ振動やバリが抑制され、加工面の面粗さが向上するとともに、端面加工用切刃及び面取り切刃のチッピングや欠損が抑制されて寿命が長くなる。さらに、端面加工用切刃及び面取り切刃から生成する切屑は、それぞれの切刃の軸方向すくい角AR1、AR2の作用により、軸方向後端側に向かって流出する傾向を強め、パイプの中空部に侵入しにくくなる。よって、前記中空部の内周面の面粗さやパイプ内の切屑残留が改善される。
端面加工用切刃において、既述のすくい角の範囲に限定した理由は、軸方向すくい角AR1が0°以下となるか又は径方向すくい角RR1が10°未満になると、ビビリ振動やバリを抑制する効果が得られないおそれがあり、軸方向すくい角AR1が20°を越えるか又は径方向すくい角RR1が20°を超えると、端面加工用切刃50aは、その刃先が鋭くなり強度が低下するためチッピングや欠損等の損傷が生じやすくなるからである。また、面取り切刃において、既述のすくい角の範囲に限定した理由は、軸方向すくい角AR2が0°以下となるか又は前記径方向すくい角RR2が−5°未満になると、ビビリ振動やバリを抑制する効果が得られないおそれがあり、軸方向すくい角AR2が20°を越えるか又は径方向すくい角RR2が15°を越えると、面取り切刃60aは、その刃先が鋭くなり強度が低下するためチッピングや欠損等の損傷が生じやすくなるからである。
本発明の切削工具において、前記工具本体の先端中央部には、当該工具本体の軸心を中心とした略円板状をなす切屑遮蔽部が形成され、当該切屑遮蔽部の先端面が前記端面加工用切刃又は前記面取り切刃のいずれか軸方向先端側に位置する切刃に対して軸方向等位もしくは先端側に位置し、且つ当該切屑遮蔽部の外径がパイプ端部の中空部の内径よりも径小であることが好ましい。そうすれば、切屑遮蔽部は、切削加工中、パイプ端部の中空部に挿入され、当該中空部へ切屑が侵入することを防止することによって、当該中空部の内周面が切屑で傷付けられて面粗さが悪化することを防止するとともに、切削加工後、切屑がパイプ内に残留することを防止する。さらに、パイプの中空部への切屑侵入を確実に防止するため、切屑遮蔽部の外径とパイプ端部の中空部の内径との差が0.4mm〜5.0mmの範囲にあるのが望ましい。これは、0.4mm未満では、切削工具の軸心と中空部の軸心の芯ずれによって切屑遮蔽部が中空部の内周面に接触し傷付けるおそれがあり、5.0mmを超えるとパイプ端部の中空部と切屑遮蔽部との隙間から切屑が侵入するおそれがあるからである。
本発明の切削工具において、工具本体は、端面加工用チップが装着された本体部材と、面取り加工用チップが装着され且つ前記本体部材に対して径方向に移動可能とされるカートリッジとを連結してなり、さらに、前記本体部材と前記カートリッジを相対的に径方向に調整する調整手段を備えていることが好ましい。そうすれば、パイプ端部の周縁部における面取り量の調整が可能となる。前記調整手段は、具体的には本体部材に螺合するネジ部材からなり、このネジ部材が前記カートリッジを径方向に押圧し移動させることによって相対的に径方向に調整可能とするものである。
次に、本発明の切削工具を適用した一実施形態について、図1〜図7を参照しながら説明する。図1〜図7は本実施形態の切削工具であるスローアウェイ式カッタを示す図である。図1及び図2はこのカッタの分解斜視図である。図3はこのカッタを軸心に直交する方向からみた正面図であり、図4は図3に示すカッタを軸心方向先端側からみた側面図であり、図5及び図6はそれぞれ図3に示すカッタの底面図及び平面図である。図7は図1に示すカッタの端面加工用チップ及び面取り加工用チップの軸線CL回りの回転軌跡ならびにパイプ端部の断面形状を示す図である。
図1及び図2において、本発明を適用したカッタ10の工具本体20は、本体部材30と、この本体部材30と一体的に連結されるカートリッジ40とからなる。本体部材30は、軸方向後端側に設けられていて、図示しない工作機械の主軸に直接又はミーリングチャックホルダ等の保持具を介して取付けられるシャンク部30Bと、このシャンク部30Bよりも径大とされ軸方向先端側に連続して設けられる頭部30Aとから構成されている。
図2において、頭部30Aの先端部は、その先端面30aから軸方向後端側の途中まで軸直角断面で略半円形状に切欠かれていて、この切欠かれた底面31aの先端外周部には、工具回転方向Kに底面を向けるようにして切欠き段部からなるチップ座32が形成されている。このチップ座32には、端面加工用チップ50が装着される。また、チップ座32の周方向反対側に位置する先端部の外周面に凹設されたチップポケット36は、後述する、カートリッジ40に装着された面取り加工用チップ60から生成される切屑を排出する。
略正方形板状をなす端面加工用チップ50は、すくい面50bとなる上面を工具回転方向Kに向け、下面を着座面50cとしてチップ座の底面32aに当接し、径方向内側及び軸方向後端側を向く側面を、チップ座の底面32aから起立してほぼ90°の角度でV字状に交差する拘束壁面32bにそれぞれ当接して、チップ座32に載置され、前記すくい面50bの中央部を厚さ方向に貫通する取付け穴50eに挿通されたクランプネジ90を前記チップ座の底面32aに設けた雌ネジ穴34にねじ込むことによって着脱自在に固定されている。
端面加工用チップ50のすくい面50bである正方形面の4辺には、パイプ端部の端面を平面加工するための端面加工用切刃50aが形成されている。これら端面加工用切刃50aから着座面50cに延びるそれぞれの側面50dは逃げ面7dとされ、前記着座面50cに鈍角に交差している。そして、4つの端面加工用切刃50aは、択一的に本体部材30の先端面30aから軸方向先端側にわずかに突出するように配置されて、パイプ端部の端面を平面加工する切刃とされる。
さらに、図2において、チップ座32の軸方向後端側には、底面31aと、この底面31aから直立する3つの側壁31b、31c、31dとからなる凹部31が形成されている。3つの側壁31b、31c、31dは、前記底面31aに直交する方向からみてコ字形になっていて、これら側壁のうち軸心CLを挟んで対向する一対の側壁31b、31cは、頭部30Aの外周面30bに沿って形成され、他の1つの側壁31dは、前記一対の側壁31b、31cと直角に交差し軸直角方向に延びている。
前記凹部31の底面31aには、本体部材30と一体的に連結されるカートリッジ40を固定するための固定ネジ70に螺合する固定用雌ネジ穴33が、本体部材30の軸心CLに直交する方向で離間した2ヶ所に形成されている。また、対向する一対の側壁31b、31cには、一直線上に軸心をもつ一対の調整用雌ネジ穴34が貫設され、これらの調整用雌ネジ穴34に、カートリッジ40を径方向に支持又は移動させるための調整ネジ80が螺合している。
図1及び図2において、カートリッジ40は、円柱を2分割した半円柱状をなし、その半円柱の軸方向後端部には、本体部材30の凹部31に挿入される挿入部41が形成されている。この挿入部41は、外周面40bと、前記凹部31の底面31aに当接する取付け面41aと、前記凹部31の側壁31b、31cの内面にそれぞれ面した一対の側面と、軸方向後端側を向く後端面41dとから構成されている。前記一対の側面は、カートリッジ40を本体部材30に対して径方向に移動するとき、本体部材30の凹部31側に設けた調整ネジ80によって支持、押圧される被支持面41b、41cとされる。
対向する被支持面41b、41c間の幅は、凹部の側壁31b、31c間の間隙よりも小さくなっていて、カートリッジ4は、本体部材3に対して前記幅と前記間隙の差だけ相対的に径方向に移動可能とされている。
さらに、カートリッジ40の挿入部41には、本体部材30の凹部31に設けた2つの連結用雌ネジ穴33を臨む位置に、固定ネジ70を挿通するためのザグリ穴43がそれぞれ形成される。これらザグリ穴43の断面形状は、カートリッジ40が本体部材30に対して径方向に移動できるように、径方向に長い長穴状となっている。
カートリッジ40は、その挿入部41を本体部材30の凹部31に挿入され、ザグリ穴43に挿通した固定ネジ70を前記凹部31の底面31aに設けた連結用雌ネジ穴33にねじ込むことによって、本体部材30に連結されている。
カートリッジ40の先端部には、パイプ端部に干渉しないように、軸心CLに向かうにつれ陥没するように円錐面状の凹所47が設けられている。また、カートリッジ40の取付け面41aの先端外周部には、工具回転方向Kに底面42aを向けるようにして切欠き段部からなるチップ座42が形成されている。このチップ座42には、面取り加工用チップ60が装着される。また、チップ座42の周方向反対側に位置する先端部の外周面には、本体部材3に装着された端面加工用チップ7から生成される切屑を排出するための、チップポケット46が凹設されている。
略菱形板状をなす面取り加工用チップ60は、すくい面60bとなる上面を工具回転方向Kに向け、下面を着座面60cとしてチップ座の底面42aに当接し、径方向内側及び軸方向後端側を向く側面を、チップ座の底面42aから起立し当該チップ60の鋭角隅部の挟角にほぼ等しい角度でV字状に交差する拘束壁面42bにそれぞれ当接してチップ座42に載置され、前記すくい面60bの中央部を厚さ方向に貫通する取付け穴60eに挿通されたクランプネジ90を前記チップ座の底面42aに設けた雌ネジ穴44にねじ込むことによって着脱自在に固定されている。
面取り加工用チップ60のすくい面60bである菱形面の対向する一対の辺には、面取り切刃60aが形成されている。これら面取り切刃60aから着座面60cに延びるそれぞれの側面は逃げ面60dとされ、前記着座面60cに鈍角に交差している。そして、前記一対の面取り切刃60aは、本体部材30の先端部に形成した円錐面状の凹所47からわずかに突出するように配置されて、パイプ端部100の外周縁部を面取り加工するための切刃とされる。
図7において、端面加工用切刃50aは、その軸心CLまわりの回転軌跡が前記軸心CLに直交し、面取り切刃60aは、その回転軌跡が前記端面加工用切刃50aに対して面取り角度αで交差するように、それぞれ配置される。
図4及び図5において、端面加工用切刃50aは、その軸方向すくい角AR1が0°よりも大きく且つ20°以下の範囲とされるとともに、その径方向すくい角RR1が10°〜20°の範囲に設定されている。
一方、図4及び図6において、面取り切刃60aは、その軸方向すくい角AR2が0°よりも大きく且つ20°以下の範囲とされるとともに、その径方向すくい角RR2が−5°〜15°の範囲とされている。
前述した端面加工用切刃50aの径方向すくい角RR1とは、当該切刃50aの最も径方向外側の位置における径方向すくい角であり、本実施形態では、工具本体20の先端外周側に位置するコーナ部における径方向すくい角となる。また、前述した面取り切刃60aの径方向すくい角RR2とは、当該切刃60aの最も軸方向先端側の位置における径方向すくい角であり、本実施形態では、工具本体20の軸方向先端側に位置するすくい面60bのコーナ部における径方向すくい角となる。
端面加工用チップ50及び面取り加工用チップ60の形状は、本実施形態で説明した正方形板状及び菱形板状に限定されず、直線状の切刃を形成することが可能なものであれば、他の多角形板状をなすもので代替することができる。また、面取り加工用チップ60は、パイプ端部100の外周縁部、内周縁部のいずれか一方に面取り加工するものに限らず、双方の周縁部を面取り加工するものであってもよい。
図2から理解されるように、カートリッジ40の先端部の凹所47には、チップ座42よりも内周側に、工具本体20の軸心CLとほぼ同心の略円板状をなす切屑遮蔽部45が当該カートリッジ40に一体形成されている。図3及び図4において、この切屑遮蔽部45は、その先端面が端面加工用切刃50a又は面取り切刃60aのいずれか軸方向先端側に位置する切刃、すなわち、端面加工用チップ50又は面取り加工用チップ60のいずれか軸方向先端側に突出したチップに対して軸方向等位もしくは先端側に位置するように形成されている。本実施形態において、切屑遮蔽部45の先端面は、端面加工用チップ50よりも軸方向先端側に突出した面取り加工用チップ60よりも軸方向先端側に位置するように形成されている。さらに、切屑遮蔽部45は、パイプ端部の中空部100cに挿脱可能に、その外径が当該中空部100cの内径よりも小さくなるように形成されている。具体的には、切屑遮蔽部45の外径と、前記中空部100cの内径との差は、0.4mm〜5.0mmの範囲に設定されている。
さらに、図2の軸方向先端視において、切屑遮蔽部45は、その周面の一部が端面加工用チップ50のすくい面50bに平行な方向に切欠かれていて、この切欠き面と前記すくい面50bとの間に0.1mm〜1.0mm程度の間隙が確保されている。
切屑遮蔽部45は、カートリッジ40に一体形成される態様に限定されず、本体部材30に一体形成される態様としてもよい。あるいは、工具本体20とは別個に形成され、皿ビス、六角穴付きボルト等の固定手段によって本体部材30もしくはカートリッジ40に着脱自在に装着される態様としてもよい。
次に、カートリッジ40を本体部材30に対して径方向に調整する方法について、以下に説明する。まず、カートリッジ40を固定している固定ネジ70を、当該カートリッジ40が本体部材30の凹部31内で径方向に動かせる程度に緩める。次に、前記凹部31側に設けた一対の調整ネジ80のうち、カートリッジ40を移動させたい方向にある一方の調整ネジ80を、当該カートリッジ40の移動を妨げない程度に後退させた後、前記移動させたい方向の反対側にある他方の調整ネジ80を前進させることによって、カートリッジ40の被支持面41b、41cの一方を押圧し、当該カートリッジ40を所望の位置まで移動させる。次に、固定ネジ70を締め込み、カートリッジ40を本体部材30にしっかりと固定し、後退させた前記一方の調整ネジ80を締め込んで前記被支持面41b、41cを両側から挟持する。
既述したカッタ10は、そのシャンク部30Bが工作機械の主軸に直接又はミーリングチャックホルダ等の保持具を介して取付けられて、その軸心CLがパイプ端部の中空部100cの軸心CL'と一直線上にくるように位置決めされる。そして、前記軸心CLまわりを工具回転方向Kに回転させられて、当該軸心CL方向にパイプ端部100に向かって切削送りを与えられることによって、まず、切屑遮蔽部45がパイプ端部の中空部100cに挿入され、その後、端面加工用切刃50a及び面取り切刃60aがそれぞれ端面の平面加工及び周縁部の面取り加工を行う。これら平面加工及び面取り加工の後先は特に限定されない。そして、これらの加工が完了したら、カッタ10は、早送りでパイプ端部100から軸心CL方向に退避させられる。
以上に説明したカッタ10の作用効果について説明する。端面加工用切刃50aは、その軸方向すくい角AR1が0°よりも大きく且つ20°以下の範囲に設定されるとともに、その径方向すくい角RR1が10°〜20°の範囲に設定されているので、切削抵抗が低減することにより切れ味が向上する。よって、パイプ端部の端面100aの平面加工におけるビビリ振動やバリの発生が抑制されるとともに、端面加工用切刃50aのチッピングや欠損が抑制されて寿命が長くなる。しかも、端面加工用切刃50aから生成される切屑は、軸方向すくい角AR1を正に設定したことによって、軸方向後端側に向かって流出する上向きカールの傾向を強くすることから、パイプ端部の中空部100cに侵入しにくくなる。よって、前記中空部100cの内周面の面粗さが切屑の擦過によって悪化することを抑制されるとともに、パイプの中空部に残留する切屑の量が減少する。
端面加工用切刃50aのすくい角を前述した範囲に限定したのは、前記軸方向すくい角AR1が0°以下となるか又は前記径方向すくい角RR1が10°未満になると、ビビリ振動やバリを抑制する効果が得られないおそれがあり、前記軸方向すくい角AR1が20°を越えるか又は前記径方向すくい角RR1が20°をこえると、端面加工用切刃50aは、その刃先が鋭くなり強度が低下するためチッピングや欠損等の損傷が生じやすくなる。
面取り切刃60aは、その軸方向すくい角AR2が0°よりも大きく且つ20°以下の範囲に設定されるとともに、その径方向すくい角RR2が−5°〜15°の範囲に設定されているので、切削抵抗が低減することにより切れ味が向上する。よって、パイプ端部100の周縁部の面取り加工におけるビビリ振動やバリの発生が抑制されるとともに、面取り切刃60aのチッピングや欠損が抑制されて寿命が長くなる。しかも、面取り切刃60aから生成される切屑は、軸方向すくい角AR2を正に設定したことによって、軸方向後端側に向かって流出する上向きカールの傾向を強くすることから、パイプ端部の中空部100cに侵入しにくくなる。よって、前記中空部100cの内周面の面粗さが切屑の擦過によって悪化することを抑制されるとともに、パイプの中空部に残留する切屑の量が減少する。
面取り切刃60aのすくい角を前述した範囲に限定したのは、軸方向すくい角AR2が0°以下となるか又は径方向すくい角RR2が−5°未満になると、ビビリ振動やバリを抑制する効果が得られないおそれがあり、軸方向すくい角AR2が20°を越えるか又は径方向すくい角RR2が15°を越えると、面取り切刃60aは、その刃先が鋭くなり強度が低下するためチッピングや欠損等の損傷が生じやすくなるからである。
図7の(a)において2点鎖線で示すように、工具本体20の先端中央部に設けられた切屑遮蔽部45は、その先端面が面取り切刃60aに対して軸方向等位もしくは先端側に位置するように形成されていることから、パイプ端部30の端面加工及び面取り加工の開始からこれらの加工が完了するまでにわたって、すなわち切屑が生成している間にわたって、パイプ端部の中空部100cに挿入され、当該中空部100cへ切屑が侵入することを防止する。よって、中空部100cの内周面が切屑で傷付けられて面粗さが悪化することを防止するとともに、切削加工後、切屑がパイプ内に残留することを防止する。
図7の(b)において、例えばパイプ端部100の内周縁部に予め面取りが施されている場合には、この面取りとの隙間を狭くして切屑が侵入することを防止するため、切屑遮蔽部45は、2点鎖線で示すように、前記面取りに倣った形状に形成されるのが望ましい。あるいは、パイプ端部30の端面加工及び面取り加工の直前において、切屑遮蔽部45の先端面が前記面取りに対して軸方向等位もしくは先端側の位置にあることが望ましい。
切屑遮蔽部45の外径とパイプ端部の中空部100cの内径との差を0.4mm〜5.0mmの範囲としたのは、0.4mm未満では、カッタ10と中空部100cとの間の芯ずれによって、切屑遮蔽部45が中空部100cの内周面に接触するおそれがあり、5.0mmを超えるとパイプ端部の中空部100cと切屑遮蔽部45との隙間から切屑が侵入するおそれがあるからである。
さらに、工具本体20において、本体部材30とカートリッジ40が径方向に相対的に移動することによって、面取り加工用チップ60が端面加工用チップ50に対して径方向に移動し、当該面取り加工用チップ60における面取り量の調整が可能となる。
本実施形態の切削工具であるスローアウェイ式カッタの分解斜視図である。 図1に示すカッタの他の分解斜視図である。 図1に示すカッタの軸心に直交する方向からみた正面図である。 図3に示すカッタの軸方向先端側からみた側面図である。 図3に示すカッタの要部底面図である。 図3に示すカッタの要部上面図である。 図3に示すカッタの端面加工用チップ及び面取り加工用チップの軸心まわりの回転軌跡ならびにパイプ端部の断面形状を示す図である。 従来の切削工具の正面図である。 図8に示す切削工具の軸方向先端側からみた側面図である。 図8に示す切削工具に使用されるスローアウェイチップの斜視図である。
符号の説明
10 切削工具(カッタ)
20 工具本体
30 本体部材
30A 頭部
30B シャンク部
31 凹部
32 チップ座
40 カートリッジ
41 挿入部
42 チップ座
45 切屑遮蔽部
50 端面加工用チップ
50a 端面加工用切刃
60 面取り加工用チップ
60a 面取り切刃
70 固定ネジ
80 調整ネジ
100 パイプ端部
100a パイプ端部の端面
100c パイプ端部の中空部
α 面取り角度

Claims (5)

  1. 軸心まわりに回転される円筒状をなす工具本体の先端部に少なくとも2つのスローアウェイチップが周方向に間隔をあけて装着され、これらスローアウェイチップによりパイプ端部における端面の平面加工及び周縁部の面取り加工を行う切削工具において、
    少なくとも2つの前記スローアウェイチップは、前記軸心まわりの回転軌跡で当該軸心に直交する方向に延びる端面加工用切刃を備えた端面加工用チップと、前記軸心まわりの回転軌跡で前記端面加工用切刃に所定の角度でもって交差する面取り切刃を備えた面取り加工用チップとからなり、
    前記端面加工用切刃は、その軸方向すくい角AR1が0°よりも大きく且つ20°以下の範囲にあるとともに、その径方向すくい角RR1が10°以上、且つ20°以下の範囲にあり、
    さらに、前記面取り切刃は、その軸方向すくい角AR2が0°よりも大きく且つ20°以下の範囲にあるとともに、その径方向すくい角RR2が−5°以上、且つ+15°以下の範囲にあり、
    前記工具本体の先端中央部には、切屑遮蔽部が形成され、該切屑遮蔽部の先端面が前記端面加工用切刃又は前記面取り切刃のいずれか軸方向先端側に位置する切刃に対して軸方向等位もしくは先端側に位置し、
    軸方向先端視において、該切屑遮蔽部は、前記端面加工用チップのすくい面と平行に、その周面の一部が切欠かれることを特徴とする切削工具。
  2. 前記切屑遮蔽部の切欠かれる部分は、この切欠き面と前記端面加工用チップの前記すくい面とのすきまが、0.1mm以上、且つ1.0mm以下の範囲とされることを特徴とする請求項1に記載の切削工具。
  3. 前記切欠かれる部分を除いた、前記切屑遮蔽部の基本形状は、該工具本体の軸心を中心とした略円板状をなし、該切屑遮蔽部の外径がパイプ端部の中空部の内径よりも径小であり、該切屑遮蔽部の外径と前記パイプ端部の中空部の内径との差が0.4mm以上、且つ5.0mm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1または2記載の切削工具。
  4. 前記工具本体は、前記端面加工用チップが装着され本体部材と、前記面取り加工用チップが装着され且つ前記本体部材に対して径方向に移動可能とされるカートリッジとを連結してなり、さらに、前記本体部材と前記カートリッジを相対的に径方向に調整する調整手段を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の切削工具。
  5. 前記調整手段は、前記本体部材に螺合するネジ部材からなり、このネジ部材が前記カートリッジを径方向に押圧して、移動させることによって相対的に径方向に調整可能とすることを特徴とする請求項4記載の切削工具。
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