JP4800027B2 - アッセイ中の動きの追加 - Google Patents
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Description
本発明は、臨床アナライザ、特にランダム・アクセス・アナライザでのアッセイ中に動きを追加することに関する。詳細には、本発明は、一貫してインキュベータを動かして臨床アナライザでの凝集アッセイの精度を改善することに関する。
本発明の発明者達は、幅広い研究の結果、ある種のアッセイ、特に凝集アッセイに見られる精度の低下が、少なくとも部分的に、サンプルの処理中にインキュベータを介してサンプルに加えられる一貫していない動きによるものであることを見出した。上記したように、連結されたインキュベータ・システムで処理されるサンプルの配置およびサンプル数によって、各サンプルが、後続の処理ステップまたは操作によって回数が異なるインキュベータの動きを受けるであろう。本発明以前は、最新技術では、アッセイ、特に凝集アッセイがインキュベータの動きの変化に敏感に反応することが確認されていなかった。
本発明は、臨床アナライザに用いられるアッセイ、特に凝集アッセイにおける前記要求すなわち精度の向上を実現したシステムおよび方法に関する。上記したように、本発明の発明者達は、ある種のアッセイ、特に凝集アッセイで確認される精度の低下が、サンプルの処理中、特に反応段階中にサンプルに加えられる一貫していない動きが原因であることを見出した。これは、連結型インキュベータ・システムで特に顕著である。具体的には、例えば、分注や吸引などの作業のためにインキュベータを動かしてサンプルを調整すると、インキュベータ内の他のサンプルも同様に動いてしまう。連結型インキュベータ・システムで処理されるサンプルの数および配置によって、各サンプルの後続の処理ステップにより異なるインキュベータの様々な動きが各サンプルに加えられる。
1.アナライザを通過するサンプルのスループットの低下
2.セルのベントによる蒸発の増大
3.キュベット内への過剰なエネルギー導入による液体の跳ね、飛び散り、気泡化
4.凝集アッセイでの凝集構造の崩壊
(1)臨床アナライザのインキュベータ内での反応段階中にサンプルに動きを加える方法であって、
サンプルおよび随意選択の1または複数の試薬を受容するための1または複数のセルを有するインキュベータを含むアナライザを用意するステップと、
サンプルおよび随意選択の1または複数の試薬を前記1または複数のセルのそれぞれに分注することを含む操作を実施するべく、前記1または複数のセルを配置するために前記インキュベータを移動させるステップと、
アッセイの反応段階中に1または複数のセルが動く回数が、同じアッセイにおいて、前記インキュベータ内でのサンプルの順序または前記インキュベータ内で分析されるサンプルの数によって実質的に変化しないように、前記インキュベータを追加的に動かすステップと、を含む、方法。
(2)実施態様(1)に記載の方法であって、
少なくとも1種類の試薬を添加するステップをさらに含み、前記反応段階が、前記少なくとも1種類の試薬が添加された時からサンプルの測定が終了するまでの時間である、方法。
(3)実施態様(1)に記載の方法であって、
前記反応段階中の前記1または複数のセルの動く回数が、前記インキュベータ内で分析されるサンプルの数によって変化しない、方法。
(4)実施態様(1)に記載の方法であって、
全ての流体が前記セルに加えられて初めて前記全てのセルが同じ回数動かされることになるように、前記追加的に動かす前記ステップが全てのセルに対して実施される、方法。
(5)実施態様(1)に記載の方法であって、
前記反応段階が、操作を実行できる選択された時間の期間である、複数の時間サイクルを含む、方法。
前記サイクルの少なくとも1つが、操作が実行されないフリーサイクルであり、前記サイクルの少なくとも1つが、操作が実行されるアクティブサイクルである、方法。
(7)実施態様(6)に記載の方法であって、
少なくとも1つの前記フリーサイクル中に前記インキュベータを追加的に動かすステップをさらに含む、方法。
(8)実施態様(6)に記載の方法であって、
前記インキュベータを追加的に動かす前記ステップが、全ての前記フリーサイクルの際に行われる、方法。
(9)実施態様(8)に記載の方法であって、
追加的に動かす前記ステップが、前記フリーサイクルおよび前記アクティブサイクルの両方に対して行われ、それにより全てのサイクルで動く回数が同じとなる、方法。
(10)実施態様(6)に記載の方法であって、
追加的に動かす前記ステップが、少なくとも1つの前記フリーサイクル中に少なくとも2回動きを加えることを含む、方法。
追加的に動かす前記ステップが、少なくとも1つの前記フリーサイクルの最中または最後に少なくとも3回動きを加えること含む、方法。
(12)実施態様(6)に記載の方法であって、
追加的に動かす前記ステップが、少なくとも1つの前記フリーサイクルの最中または最後に少なくとも4回動きを加えること含む、方法。
(13)実施態様(1)に記載の方法であって、
追加的な動きを受けるセルと追加的な動きを受けないセルとの間の変動係数率(%)が20%以下である、方法。
(14)実施態様(5)に記載の方法であって、
前記操作が、吸引、分注、および前記インキュベータからの前記セルの取り出しを含む、方法。
(15)実施態様(1)に記載の方法であって、
前記セルが、少なくとも2つの並置されたウェルを有するマルチ・ウェル・キュベットであり、前記インキュベータが、前方から後方への配置で少なくとも2つのキュベットを保持するためのスロットを有する、方法。
前記キュベットが、少なくとも6つの横並びのウェルを有しており、前記インキュベータが、少なくとも6つのキュベットを保持するためにスロットを有する、方法。
(17)実施態様(15)に記載の方法であって、
前記動きが前後の動きである、方法。
(18)実施態様(1)に記載の方法であって、
前記セルが、カップ型マイクロウェルであり、前記インキュベータが、前記カップ型マイクロウェルを保持できる回転リングである、方法。
(19)実施態様(18)に記載の方法であって、
前記マイクロウェルにストレプトアビジンがコーティングされている、方法。
(20)実施態様(1)に記載の方法であって、
前記アッセイが、凝集アッセイまたは沈降アッセイであり、前記分析方法が、濁度分析法または比濁分析法である、方法。
前記アッセイがタンパク質アッセイである、方法。
(22)実施態様(21)に記載の方法であって、
前記アッセイが、免疫グロブリンG(IgG)、プレアルブミン(PALB)、トランスフェリン(TRFRN)、およびミクロアルブミン(MALB)についてのアッセイである、方法。
(23)臨床アナライザ内での複数のアッセイの精度を向上させるための方法であって、
アッセイするサンプルおよび随意選択の1または複数の試薬を受容するための2つ以上のセルを有するインキュベータを含むアナライザを用意するステップと、
サンプルおよび随意選択の1または複数の試薬を前記2つ以上のセルのそれぞれに分注することを含む操作を実施するべく、前記2つ以上のセルを配置するために前記インキュベータを移動させるステップと、
前記サンプルの測定を実施する前に前記サンプルを追加的に動かすステップであって、このステップを受けるサンプルの方が、このステップを受けないサンプルよりも精度が高い、前記ステップと、を含む、方法。
(24)実施態様(23)に記載の方法であって、
追加的に動かす前記ステップが前記測定の直前である、方法。
(25)実施態様(23)に記載の方法であって、
前記アッセイが、凝集アッセイまたは沈降アッセイであり、前記分析方法が、濁度分析法または比濁分析法である、方法。
前記アッセイがタンパク質アッセイである、方法。
(27)実施態様(26)に記載の方法であって、
前記アッセイが、免疫グロブリンG(IgG)、プレアルブミン(PALB)、およびミクロアルブミン(MALB)についてのアッセイである、方法。
(28)サンプル中の分析物の存在または濃度を測定するための方法であって、
サンプルを用意し、実施態様(1)に記載のインキュベータを動かすステップと、
前記サンプルの光度測定を行うために放射光を検出するための少なくとも1つの検出器を有する光学測定ステーションを用意するステップと、
前記セルを前記光学測定ステーションに移送するステップと、
前記セルからの放射光を前記検出器で測定することを含む少なくとも1つの測定を行うステップと、を含む、方法。
(29)実施態様(28)に記載の方法であって、
前記分析方法が吸光分光光度法であり、前記セルがキュベットであり、前記光学測定ステーションが、前記サンプルを通過するように光ビームを配向する光源、および前記サンプルからの放射光を検出するための光度計を含む、方法。
(30)実施態様(29)に記載の方法であって、
2つ以上の前記セルが、少なくとも2つの並置されたウェルを有するマルチ・ウェル・キュベットであり、前記インキュベータが、前方から後方への配置で少なくとも2つのキュベットを保持するためにスロットを有する、方法。
前記キュベットが、少なくとも6つの横並びのウェルを有しており、前記インキュベータが、少なくとも6つのキュベットを保持するためにスロットを有する、方法。
(32)実施態様(31)に記載の方法であって、
前記動きが前後の動きである、方法。
(33)実施態様(28)に記載の方法であって、
前記分析方法が強化化学発光法であり、前記セルが、カップ型ウェルであり、前記光学測定ステーションが、前記サンプルからの放射光を検出するための照度計を含む、方法。
(34)実施態様(33)に記載の方法であって、
前記インキュベータが、前記カップ型ウェルを保持できる回転リングである、方法。
(35)実施態様(34)に記載の方法であって、
前記動きが前後の動きである、方法。
フリーサイクルでの動く回数が、全てのアクティブサイクルにおける動く回数の最大と同じである、方法。
(37)実施態様(6)に記載の方法であって、
フリーサイクルでの動く回数が、全てのサイクルにおける動く回数の平均と同じである、方法。
Claims (27)
- 臨床アナライザのインキュベータ内での反応段階中にサンプルに動きを加える方法であって、
サンプルおよび随意選択の1または複数の試薬を受容するための1または複数のセルを有するインキュベータを含む臨床アナライザを用意するステップと、
サンプルおよび随意選択の1または複数の試薬を前記1または複数のセルのそれぞれに分注することを含む操作を実施するべく、前記1または複数のセルを配置するために前記インキュベータを移動させるステップと、
アッセイの反応段階中に前記1または複数のセルが動く平均回数と前記1または複数のセルのそれぞれが動く回数との間の変動係数率が20%に等しいまたは20%より小さいように、前記インキュベータを追加的に動かすステップと、を含み、
前記反応段階が、前記操作を実行できる選択された時間の期間である、複数の時間サイクルを含み、
少なくとも1つのサイクルが、操作が実行されないフリーサイクルであり、少なくとも1つのサイクルが、操作が実行されるアクティブサイクルであり、
前記インキュベータを追加的に動かす前記ステップが、前記少なくとも1つのフリーサイクル中に起こる、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
少なくとも1種類の試薬を添加するステップをさらに含み、前記反応段階が、前記少なくとも1種類の試薬が添加された時から前記サンプルの測定が行われるまでの時間である、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
前記反応段階中の前記1または複数のセルの動く回数が、前記インキュベータ内で分析されるサンプルの数によって変化しない、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
全ての流体が前記セルに加えられて初めて全てのセルが同じ回数動かされることになるように、追加的に動かす前記ステップが全てのセルに対して実施される、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
前記インキュベータを追加的に動かす前記ステップが、全てのフリーサイクル中に行われる、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
追加的に動かす前記ステップが、前記少なくとも1つのフリーサイクル中に少なくとも2回動きを加えることを含む、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
追加的に動かす前記ステップが、前記少なくとも1つのフリーサイクルの最中または最後に少なくとも3回動きを加えること含む、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
追加的に動かす前記ステップが、前記少なくとも1つのフリーサイクルの最中または最後に少なくとも4回動きを加えること含む、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
前記操作が、吸引、分注、および前記インキュベータからの前記セルの取り出しを含む、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
前記セルが、少なくとも2つの並置されたウェルを有するマルチ・ウェル・キュベットであり、前記インキュベータが、前方から後方への配置で少なくとも2つのキュベットを保持するためのスロットを有する、方法。 - 請求項10に記載の方法であって、
前記キュベットが、少なくとも6つの横並びのウェルを有しており、前記インキュベータが、少なくとも6つのキュベットを保持するためにスロットを有する、方法。 - 請求項10に記載の方法であって、
前記動きが前後の動きである、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
前記セルが、カップ型マイクロウェルであり、前記インキュベータが、前記カップ型マイクロウェルを保持できる回転リングである、方法。 - 請求項13に記載の方法であって、
前記マイクロウェルにストレプトアビジン(streptavidin)がコーティングされている、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
前記アッセイが、凝集アッセイまたは沈降アッセイであり、前記分析方法が、濁度分析法または比濁分析法である、方法。 - 請求項15に記載の方法であって、
前記アッセイがタンパク質アッセイである、方法。 - 請求項16に記載の方法であって、
前記アッセイが、免疫グロブリンG(immunoglobulin)(IgG)、プレアルブミン(prealbumin)(PALB)、トランスフェリン(transferring)(TRFRN)、およびミクロアルブミン(microalbumin)(MALB)についてのアッセイである、方法。 - サンプル中の分析物の存在または濃度を測定するための方法であって、
サンプルを用意するステップと、
サンプルおよび随意選択の1または複数の試薬を受容するための1または複数のセルを有するインキュベータを含む臨床アナライザを用意するステップと、
サンプルおよび随意選択の1または複数の試薬を前記1または複数のセルのそれぞれに分注することを含む操作を実施するべく、前記1または複数のセルを配置するために前記インキュベータを移動させるステップと、
アッセイの反応段階中に前記1または複数のセルが動く平均回数と前記1または複数のセルのそれぞれが動く回数との間の変動係数率が20%に等しいまたは20%より小さいように、前記インキュベータを追加的に動かすステップと、
前記サンプルの光度測定を行うために放射光を検出するための少なくとも1つの検出器を有する光学測定ステーションを用意するステップと、
前記セルを前記光学測定ステーションに移送するステップと、
前記セルからの放射光を前記検出器で測定することを含む少なくとも1つの測定を行うステップと、を含み、
前記反応段階が、前記操作を実行できる選択された時間の期間である、複数の時間サイクルを含み、
少なくとも1つのサイクルが、操作が実行されないフリーサイクルであり、少なくとも1つのサイクルが、操作が実行されるアクティブサイクルであり、
前記インキュベータを追加的に動かす前記ステップが、前記少なくとも1つのフリーサイクル中に起こる、方法。 - 請求項18に記載の方法であって、
前記分析方法が吸光分光光度法であり、前記セルがキュベットであり、前記光学測定ステーションが、前記サンプルを通過するように光ビームを配向する光源、および前記サンプルからの放射光を検出するための光度計を含む、方法。 - 請求項19に記載の方法であって、
2つ以上の前記セルが、少なくとも2つの並置されたウェルを有するマルチ・ウェル・キュベットであり、前記インキュベータが、前方から後方への配置で少なくとも2つのキュベットを保持するためにスロットを有する、方法。 - 請求項20に記載の方法であって、
前記キュベットが、少なくとも6つの横並びのウェルを有しており、前記インキュベータが、少なくとも6つのキュベットを保持するためにスロットを有する、方法。 - 請求項21に記載の方法であって、
前記動きが前後の動きである、方法。 - 請求項18に記載の方法であって、
前記分析方法が強化化学発光法であり、前記セルが、カップ型ウェルであり、前記光学測定ステーションが、前記サンプルからの放射光を検出するための照度計を含む、方法。 - 請求項23に記載の方法であって、
前記インキュベータが、前記カップ型ウェルを保持できる回転リングである、方法。 - 請求項24に記載の方法であって、
前記動きが前後の動きである、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
フリーサイクルでの動く回数が、アクティブサイクルにおける動く回数の最大と同じである、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、
フリーサイクルでの動く回数が、サイクルにおける動く回数の平均と同じである、方法。
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