JP4799487B2 - ワークの位置決め方法、及び位置決め装置 - Google Patents
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Description
ワークに自動で機械加工を施す場合には、工作機械の原点に対して被加工体となるワークの基準点が正確に把握されていないと、ワークに対して精度良い機械加工を行うことができない。また、機械の組み付けを自動に行う場合には、被組付体となるワークに基準面等を設け、組み付け機がこの位置を検出し、組み付け位置を調節する位置調節機構を設けることは技術的に可能だが、コストや検出時間が必要なためにリードタイムが長くなるなどの問題がある。
特許文献1には、ノックピンの位置を自動的に変更する技術が開示されている。
加工ラインには複数種類のワークを流して、加工する場合がある。ワークの種類毎に加工ラインを設けることは理想的だが、ロットの数が少ない場合にはコストに見合わないため、1ラインに複数種類のワークを流して加工する場合がある。このような場合、ワークの種類によって位置決めを変える必要がある。
特許文献1では種類の異なる2つのワークにそれぞれ位置決めに使用するノック穴を設けている。そして、位置決め装置に設けられた一方のノックピンを主ノックピン、他方のノックピンを副ノックピンとすると、基準となる主ノックピンに対して、副ノックピンの位置をワークによってスライド可能としている。副ノックピンが2位置に移動すれば、それぞれのワークのノック穴に対応させることが可能となる。
治具プレートに複数のノックピン穴と縦横の溝を備え、溝をスライド可能なノックピン穴を有するコマを備えている。そして、ワークに形成された一方のノック穴に一方のノックピンを治具プレートのノックピン穴に挿し、他方のノック穴に他方のノックピンをコマのノックピン穴に挿し、ワークの位置を決めることができる技術が開示されている。
ワークの種類が異なり一方のノック穴と他方のノック穴の穴間ピッチが変化しても、ノックピンをスライドさせて治具プレートの溝の中を移動させ、一方のノックピンと他方のノックピンのピッチを変化させて、ワークの穴間ピッチに対応可能としている。
これにより、ピッチの異なるワークの位置決めが可能になるとしている。
クランプの方式は、主クランプと副クランプが連結ロッドで連結されて、時間差でワークをクランプできる構成となっている。主クランプと副クランプが連結ロッドで連結され、一つの駆動源が連結ロッドの中心から外れた位置に固定されているので、主クランプで固定した後、副クランプで固定ができ、主クランプによってワークの位置を決定できるので、ワークのズレが発生しにくいクランプを実現できる。
2つのノックピンでワークの位置決めをする技術であり、複数の異なるワークに対応して、一方のノックピンは長穴をスライドしてテコの原理を利用したクランプ機構で位置を決めることができ、他方のノックピンは、一方の長穴とその延長線上で交わる角度に設けられた長穴をスライドして同じくクランプ機構で位置を決めることを可能としている。
このように構成することで、ピッチの違う位置決め穴を持つワークの位置決めを可能とすることができる。
基本的に2つのノックピンを用いてワークの位置決めをする場合、ワークに形成されたノック穴は、ある程度のクリアランスをもって設計される。
ワークに形成されるノック穴は、ブロック材に機械加工して形成する手法であればかなりの精度でノック穴の径と穴間ピッチを決定できるが、鋳物や板金によって形成されるワークでは、ノック穴の径及び穴間ピッチの精度公差は大きくなる。また、機械加工であっても高精度の加工には時間をそれなりに要するので、コストに見合った精度しか得られない場合もある。
このようなワークの位置決めは、ノック穴径と穴間ピッチの誤差を吸収可能なようにノックピンの位置や種類を決定する必要がある。
ワークをノックピンに差し込む際には、ワークに傾きが生じるケースも考えられ、この傾きを許容しない精度でノックピンとノック穴のクリアランスを設定しないと、ノックピンに対してワークを抜き差しすることが非常に困難となる。
このような理由から、ワークに形成されるノック穴の径に対して、ノックピンの径はある程度細く設定され、その分だけ位置決め精度が低下する。
しかし、ノック穴の径に対してノックピンの径にクリアランスを設けることは、ワークの位置決め誤差を、クリアランスを設けることで許容することを意味する。そして、このクリアランスの分だけ、主ノックピンを中心にして回転する方向に位置ズレを生じることになる。
図19に、特許文献5の副ノックピン100の垂直断面を示す。また図20に、特許文献5の副ノックピン100の水平断面を示す。
副ノックピン100は、ハウジング109の先端部分にプラグ部材110が備えられ、プラグ部材110にはスライド外面110aが形成される。そしてスライド外面110aと当接するスライド面111aが形成されたスライド部分111が、円筒状の楔部材113に内接する。楔部材113は係合部材114に内接し、係合部材114はキャップ部材112に保持されている。
さらに、キャップ部材112はピストン115に接続されていることで、油圧によってピストン115が図19の状態から下降すれば、楔部材113が楔状になっているので、係合部材114の径を拡大することになり、副ノック穴とキャップ部材112のクリアランスを無くすことができる。
この特許文献5についても、基本的には2つのノックピンでワークの位置決めをする技術であるが、主ノック穴と副ノック穴のピッチ誤差を吸収する機能を有しているので、このような位置決め装置を用いた加工機によれば、主ノック穴基準に精度良くワークを加工することが可能となる。
特許文献5の位置決め装置は、図20に示すように、副ノックピン100の先端内部にプラグ部材110、スライド部分111、及び楔部材113を備え、その外周に副ノック穴と係合する係合部材114が設けられている。このようなスライド機構によって、副ノックピン100は平行移動を行い主ノック穴と副ノック穴とのピッチ誤差を補正する。
したがって、スライド機構にはピッチ誤差を吸収する際に発生する水平方向の応力や、ワークの自重による垂直方向の応力など、相応の応力を受け止めるだけの剛性が必要となる。
しかし、副ノックピン100の径を太くする必要があるということはワークの副ノック穴の径も大きくする必要があることを意味する。
一方、ワークに主ノック穴と副ノック穴を設ける必要がある関係上、大きな主ノック穴及び副ノック穴を必要とするということは、設計自由度を低下させる。また、ノック穴自身は、最終製品になった段階では使用されないケースが多い。このため、ワークを設計する側の要請としては、なるべくノック穴の径を小さくしたい。
すなわち、ノックピンは、小径のノック穴に対応可能であることが望ましい。
(1)基準面上に突出させた主位置決め手段と副位置決め手段とを備え、ワークに形成された主位置決め穴に前記主位置決め手段を、前記ワークに形成された副位置決め穴に前記副位置決め手段を差し込み、前記ワークの位置を決めるワークの位置決め方法において、
前記主位置決め手段は、前記主位置決め穴に挿入される、外周が円形状の主位置決め挿入部を備え、前記副位置決め手段は、前記主位置決め手段と前記副位置決め手段とを結ぶ直線と平行な第1平滑面が少なくとも対向して2面形成されたベースブロック部材と、前記ベースブロック部材の前記第1平滑面に対応し、前記直線と平行な第2平滑面が形成されるスライド部と、前記スライド部の上部に備えられ、前記副位置決め穴に差し込まれる、外周が円形状の副位置決め挿入部と、を備え、前記ワークを位置決めする際に、前記主位置決め手段の前記主位置決め挿入部が、前記主位置決め穴に挿入されると共に、前記副位置決め手段の前記スライド部が、前記第1平滑面にガイドされて前記直線上を移動し、前記主位置決め穴と前記副位置決め穴とのピッチ誤差を吸収して前記副位置決め挿入部が前記副位置決め穴に挿入されることを特徴とする。
前記副位置決め手段は、前記副位置決め穴の内面に接する内径把持部材と、外周面が前記内径把持部材に接するテーパ面を備えた径調整部と、を備え、前記ワークの前記副位置決め穴に前記副位置決め挿入部が挿入された状態で、前記径調整部又は前記内径把持部材を前記副位置決め手段の軸方向に平行移動させることで、前記内径把持部材が、前記副位置決め穴の内面に接し、押圧することを特徴とする。
前記径調整部は、前記テーパ面の代わりに球面を備え、前記球面が前記内径把持部材に接していることを特徴とする。
前記内径把持部材は、前記副位置決め穴の内面に対して3点以上で接することを特徴とする。
前記第2平滑面を備える前記スライド部が、前記ベースブロック部材に配設されるスライドブロックに形成され、前記スライドブロックに、前記副位置決め挿入部が備えられる挿入部ブロックが保持されていることを特徴とする。
前記スライド部にエア供給流路が接続され、前記第1平滑面と前記第2平滑面との間への異物混入を防ぐことを特徴とする。
前記主位置決め手段は、前記主位置決め穴に挿入される、外周が円形状の主位置決め挿入部を備え、前記副位置決め手段は、前記主位置決め手段と前記副位置決め手段とを結ぶ直線と平行な第1平滑面が対向して2面形成されたベースブロック部材と、前記ベースブロック部材の前記第1平滑面に当接する第2平滑面が内面に形成され、前記副位置決め穴に差し込まれる、外周が円形状の副位置決め挿入部と、を備え、前記ワークを位置決めする際に、前記主位置決め手段の前記主位置決め挿入部が、前記主位置決め穴に挿入されると共に、前記副位置決め手段の前記副位置決め挿入部が、前記第1平滑面にガイドされて前記直線上を移動し、前記主位置決め穴と前記副位置決め穴とのピッチ誤差を吸収して前記副位置決め穴に挿入されることを特徴とする。
(8)基準面上に、ワークに形成された主位置決め穴に差し込まれる主位置決め手段と、前記ワークに形成された副位置決め穴に差し込まれる副位置決め手段とを備えたワークの位置決め装置において、
前記主位置決め手段は、前記主位置決め穴に挿入される、外周が円形状の主位置決め挿入部を備え、前記副位置決め手段は、前記主位置決め手段と前記副位置決め手段とを結ぶ直線と平行な第1平滑面が少なくとも対向して2面形成されたベースブロック部材と、前記ベースブロック部材の前記第1平滑面に対応する第2平滑面を備え、前記第1平滑面にガイドされて前記直線上を移動するスライド部と、前記スライド部の上部に備えられ、前記副位置決め穴に差し込まれる、外周が円形状の副位置決め挿入部と、を備えることを特徴とする。
前記副位置決め手段は、前記副位置決め穴の内面に接する内径把持部材と、外周面が前記内径把持部材に接するテーパ面を備えた径調整部と、を備え、前記ワークの前記副位置決め穴に前記副位置決め挿入部が挿入された状態で、前記径調整部又は前記内径把持部材を前記副位置決め手段の軸方向に平行移動させることで、前記内径把持部材が、前記副位置決め穴の内面に接し、押圧することを特徴とする。
前記径調整部は、前記テーパ面の代わりに球面を備え、前記球面が前記内径把持部材に接していることを特徴とする。
前記内径把持部材は、前記副位置決め穴の内面に対して3点以上で接することを特徴とする。
前記第2平滑面を備える前記スライド部が、前記ベースブロック部材に配設されるスライドブロックに形成され、前記スライドブロックに、前記副位置決め挿入部が備えられる挿入部ブロックが保持されていることを特徴とする。
前記スライド部にエア供給流路が接続され、前記第1平滑面と前記第2平滑面との間への異物混入を防ぐことを特徴とする。
前記主位置決め手段は、前記主位置決め穴に挿入される、外周が円形状の主位置決め挿入部を備え、前記副位置決め手段は、前記主位置決め手段と前記副位置決め手段とを結ぶ直線と平行な第1平滑面が少なくとも対向して2面形成されたベースブロック部材と、前記ベースブロック部材の前記第1平滑面に当接する第2平滑面が内面に形成され、前記副位置決め穴に差し込まれた際に、前記第1平滑面にガイドされて前記直線上を移動可能な、外周が円形状の副位置決め挿入部と、を備えることを特徴とする。
まず、(1)に記載される発明は、基準面上に突出させた主位置決め手段と副位置決め手段とを備え、ワークに形成された主位置決め穴に主位置決め手段を、ワークに形成された副位置決め穴に副位置決め手段を差し込み、ワークの位置を決めるワークの位置決め方法において、主位置決め手段は、主位置決め穴に挿入される、外周が円形状の主位置決め挿入部を備え、副位置決め手段は、主位置決め手段と副位置決め手段とを結ぶ直線と平行な第1平滑面が少なくとも対向して2面形成されたベースブロック部材と、ベースブロック部材の第1平滑面に対応し、直線と平行な第2平滑面が形成されるスライド部と、スライド部の上部に備えられ、副位置決め穴に差し込まれる、外周が円形状の副位置決め挿入部と、を備え、ワークを位置決めする際に、主位置決め手段の主位置決め挿入部が、主位置決め穴に挿入されると共に、副位置決め手段のスライド部が、第1平滑面にガイドされて直線上を移動し、主位置決め穴と副位置決め穴とのピッチ誤差を吸収して副位置決め挿入部が副位置決め穴に挿入される。
そして、主位置決め手段を中心として加工部分の寸法が決められていれば、主位置決め手段に無理な負荷がかからないことで、主位置決め穴の位置を精度良く決めることができるので、加工精度の向上に寄与する。
ベースブロック部材の第1平滑面に対応する第2平滑面を備えるスライド部が、副位置決め挿入部の下部に備えられ、特許文献5に開示される技術のように、副位置決め挿入部内にスライド部を設ける場合に比べて、副位置決め挿入部を小型化することができる。例えばφ6mm又はφ8mmのノック穴に対応させることが可能になる。また、スライド部を小型化する必要はないので、高精度化にも寄与できる。
したがって、(1)に記載の発明により、小径のノック穴に対応可能でワークに形成された主ノック穴と副ノック穴のピッチ誤差を吸収可能なワークの位置決め方法を提供することが可能となる。
主位置決め手段及び副位置決め手段に、各位置決め穴に対する内径把持機能を付加することで、位置決め精度を上げることが可能である。
通常、位置決めピンに対して位置決め穴は、作業性を良くするために当接隙間を大きくしてクリアランスを設ける。したがって、φ10程度の穴でも数十μm程度のクリアランスが設けられており、このクリアランスによって、位置決めピンに対してワークに備える位置決め穴の抜き差しを容易にできる。
しかしながら、位置決め手段にこのような複雑な機能を付加すると、位置決め手段の位置決め挿入部の内部は複雑になり、結果位置決め挿入部の剛性が下がるので、これを防止するために位置決め挿入部の径を太くする必要がある。そして、(1)に記載のように副位置決め手段のように、主位置決め手段と結ぶ直線方向に移動するスライド部を備える場合、更に複雑な構造になる。
なお、(3)に記載の発明のように、径調整部は、テーパ面の代わりに球面を備え、球面が内径把持部材に接している構造としても、(2)と同様にワークの位置決め精度を向上させることが可能となる。
また、(4)に記載される発明は、(2)に記載のワークの位置決め方法において、内径把持部材は、副位置決め穴の内面に対して3点以上で接するので、副位置決め挿入部の中心軸に対して副位置決め穴の中心軸を合わせることができ、ワークを精度良く位置決めをすることが可能である。
もちろん、スライド部が副位置決め挿入部の下部に設けられているので、副位置決め挿入部の小型化にも寄与することが可能である。
このように副位置決め挿入部の内面に第2平滑面を形成する場合、副位置決め挿入部に第2平滑面を一体化して形成できるため、部品点数の削減になると共に、副位置決め挿入部の小型化にも寄与することが可能である。
まず、(8)に記載の発明は、(1)と同様の構成のワークの位置決め装置であるので、副位置決め手段は主位置決め手段と結ぶ直線上を移動可能となり、主位置決め手段に無理な負担をかけることなく、ワークの主位置決め穴と副位置決め穴とのピッチ誤差を吸収することが可能となる。また、主位置決め手段を中心として加工部分の寸法が決められていれば、(1)に記載するように加工精度の向上にも寄与する。
そして、ベースブロック部材の第1平滑面に対応する第2平滑面を備えるスライド部が、副位置決め挿入部の下部に備えられているので、副位置決め挿入部の小型化が可能で、小径のノック穴に対応でき、ワークに形成された主ノック穴と副ノック穴のピッチ誤差を吸収可能なワークの位置決め装置を提供することが可能となる。
もちろん、スライド部が下部に副位置決め挿入部の下部に設けられているので、副位置決め挿入部の小型化にも寄与することが可能である。
また、(13)に記載の発明は、(6)と同様のワーク位置決め装置であるので、スライド部の第1平滑面と第2平滑面との間への異物混入を防ぐことが可能となり、異物を摺動面に噛み込んで動きが悪くなるようなことを防止することができる。
(第1実施例)
まず、第1実施例の構成を説明する。
図1に、第1実施例の位置決め装置10の上面視図を示す。また、図2に、位置決め装置10の側面図を示す。
位置決め装置10は、基準ブロック11、基準シート12、主位置決め手段20及び副位置決め手段30とからなり、ワーク15の位置決めを行うことができる。
主位置決め手段20及び副位置決め手段30は、基準ブロック11にボルトで固定されている。
また、必要に応じて圧縮空気を供給するためのエア供給流路を形成しても良い。このエア供給流路から供給されるエアを、主位置決め手段20及び副位置決め手段30の先端に向けてエアを吹き付けパージすることで、汚れなどが溜まりにくくすることができ、高精度位置決めには有効となる。
ワーク15には図2に示すように、主位置決め穴16と副位置決め穴17が形成されており、主位置決め穴16と副位置決め穴17の中心間の距離を穴間ピッチPとする。
主位置決め手段20は、挿入シャフト21、テーパリング22、ベースブロック24、ピストン25等からなる。このうち、主位置決め挿入部に相当するのが挿入シャフト21及びテーパリング22である。
挿入シャフト21は、先端部分21aとシャフト部分21bからなり、台形断面の先端部分21aと同軸にシャフト部分21bが形成されている。
テーパリング22は挿入シャフト21の先端部分21aの下部に取り付けられるC型断面のテーパの付いた円形状の部品である。このため、テーパリング22は径方向に拡縮することができる。
ベース嵌合部24bの外周にはOリングが設けられており、基準ブロック11に設けられた第1給油流路11bから供給される油が漏れることを防いでいる。
ベースブロック24のベース嵌合部24bの内面に円筒摺動面24cが形成されており、内部をピストン25が摺動する。ピストン25の外周には摺動及びシールの目的でOリングが備えられている。
ピストン25は挿入シャフト21のシャフト部分21bと上部で螺合接続されている。
ベースブロック24に形成される給油流路24dに、基準ブロック11に形成される第2供給流路11cから油が供給されて油圧がかけられると、ピストン25は円筒摺動面24cに沿って下降する。また、主位置決め手段20の下部に油圧がかけられると円筒摺動面24cに沿って上昇をする。これに伴いピストン25に接続される挿入シャフト21も昇降動作する。
テーパリング22が拡径すると、ワーク15に形成された主位置決め穴16の内径をテーパリング22の外径で把持する状態になる。テーパ突起24aは外周面が円錐形状に形成され、テーパリング22の内面を均等に外側に押圧する。テーパリング22は外側に拡径することで、主位置決め穴16と主位置決め手段20のクリアランスを無くすことが可能になる。
副位置決め手段30は、挿入シャフト31、テーパリング32、テーパ突起部材34、ベース上部ブロック35、ベース下部ブロック36、及びピストン37等からなる。なお、副位置決め手段30は、主位置決め手段20と類似の構造であるが、区別するために同一形状部品であっても異なる番号を付している。副位置決め挿入部に相当するのが挿入シャフト31及びテーパリング32である。
挿入シャフト31は挿入シャフト21とほぼ同じ形状であり、先端部分31a及びシャフト部分31bからなる。
テーパリング32はテーパリング22と同等の機能を備え、先端部分31aに取り付けられている。
ベース下部ブロック36はベース嵌合部36bが形成され、基準ブロック11に備えられる嵌合穴に嵌合位置決めされる。嵌合突起36aは、ベース上部ブロック35に形成される嵌合凹部35aに嵌合する。
ベース下部ブロック36には、ベース嵌合部36bの内面に円筒摺動面36cが形成されており、その内部をピストン37が摺動する。ピストン37の外周には摺動及びシールの目的でOリングが備えられている。
また、ベース下部ブロック36の嵌合凹部35aには対向する2面の摺動保持面36eを備えた保持溝36fが形成されている。摺動保持面36eは第1平滑面に相当する。この摺動保持面36eは、テーパ突起部材34に形成される摺動フランジ部34bの摺動面34cと摺動可能に形成されている。そして、この摺動保持面36eは中心直線CLと平行になるように設けられている。
ベース下部ブロック36には給油流路36dが設けられており、第2供給流路11cから供給された油がピストン37に対して油圧をかけ、ピストン37を下降させることが可能である。
テーパ突起部34aはその外周がテーパリング32と接して拡縮するための円錐形状のテーパが備えられている。テーパ突起部34aの外周面の一部にはピン33が備えられ、テーパリング32の回り止めとなっている。摺動フランジ部34bはその両端面に第2平滑面に相当する摺動面34cが形成されて、ベース下部ブロック36の摺動保持面36eと摺動する。摺動フランジ部34bがスライド部に相当する。
摺動フランジ部34bの厚みは、ベース下部ブロック36の嵌合突起36aに形成される保持溝36fの深さより若干薄く、テーパ突起部材34が軽く摺動するように構成されている。保持溝36fにはエア供給路が接続されており、ゴミ等が入らないように常にパージされている。ベース上部ブロック35の上面にはシール部材41がテーパ突起部材34の外周をシールするように設けられている。
また、保持フランジ40は加圧バネ39に下方から付勢されてピストン37に形成される鍔に押し当てられ、保持フランジ40の周囲には余裕が設けてあるため、テーパ突起部材34の動きにあわせて移動することが可能である。
テーパリング32には、図5に示すように切り込みが設けられており、テーパ突起24aが挿入されると拡径する。テーパリング32が拡径すると、ワーク15に形成された副位置決め穴17の内径をテーパリング32の外径で把持する状態となる。テーパ突起部34aは外周面が円錐形状に形成され、テーパリング32の内面を均等に外側に押圧する。テーパリング32は外側に拡径することで、副位置決め穴17と副位置決め手段30のクリアランスを無くすことが可能になる。
また、副位置決め手段30には摺動面34c及び摺動保持面36eが備えられているため、副位置決め手段30の副位置決め挿入部となるテーパ突起部材34は、主位置決め手段20の方向に平行移動させることが可能である。
図6に、位置決め装置10にワーク15の穴間ピッチPがずれて加工されたものが取り付けられた様子を模式的に示す。図6は図1に対応する。
位置決め装置10に設置されるワーク15の穴間ピッチPがずれていた場合、副位置決め手段30に保持溝36fの摺動保持面36eに対して平行に摺動可能なテーパ突起部材34を備えているので、ワーク15の副位置決め穴17に挿入される副位置決め手段30の先端は、主位置決め手段20の方向に移動する。
この時、摺動面34c及び摺動保持面36eが中心直線CLと平行であるので、中心直線CLと直角方向には移動が規正されている。
副位置決め手段30の先端が移動することで、主位置決め手段20の中心と副位置決め手段30の移動前の中心との距離である基準ピッチP1は、主位置決め穴16の中心と副位置決め穴17の中心との距離である穴間ピッチPと等しくなる。
この場合、基準ピッチP1に対して穴間ピッチPが大きかったり小さかったりするピッチ誤差が生じることで、ワーク15の加工穴18の位置にも誤差を生じることになる。
これは、加工原点CPに対して加工穴18の位置がずれてしまうからである。つまり加工原点CPからの距離を、図6に示すようにそれぞれS1成分とS2成分とすると、従来の方法ではこの距離が変化してしまうのである。それを図7及び図8に示す。
横軸はピッチ誤差を示している。ピッチ誤差は、ワーク15の穴間ピッチPを意図的に変化させたものである。縦軸は加工穴位置の寸法変化を示している。図7がS1成分であり、図8がS2成分の寸法である。なお、縦軸の数値は基準値に対するズレを示している。
このように「従来固定ピン」のワーク15に施した加工穴18の位置は、図7及び図8が示すように穴間ピッチPが大きくなるほどS1成分が右肩上がりになり、S2成分が右肩下がりになっている。つまり、主位置決め手段20と副位置決め手段30を結ぶ直線上からθ方向の回転ズレが発生していることを示している。
一方、「本発明実施」のワーク15に施した加工穴18の位置は、多少のバラツキはあるものの、ほぼ基準値に近い値で推移している。
ワーク15の加工穴18は、主位置決め穴16を基準に設計される。したがって、位置決め装置10の主位置決め手段20を基準として、副位置決め手段30によってθ方向のズレを規正できるため、ワーク15に精度良く加工穴18の加工が可能となる。
さらに、位置決め装置10はその構造上、主位置決め手段20及び副位置決め手段30に荷重がかかることになる。ワーク15のZ軸方向の基準は基準シート12が受けるため、ワーク15の重量全体の影響を受けるわけではないが、その一部を支持し、かつ加工穴18加工時には、加工機によって発生する力も受けることになる。
一方で、位置決め精度を上げるために、主位置決め手段20及び副位置決め手段30には拡縮機能を備えている。これは、ベースブロック24のテーパ突起24a及びテーパ突起部材34のテーパ突起部34aが、テーパリング22及びテーパリング32を、ピストン25及びピストン37に油圧をかけることで拡大し、縮小することで実現され、ワーク15の主位置決め穴16及び副位置決め穴17の内径を把持することにより、ピンと穴とのクリアランスを無くし、位置決め精度を向上させることができる。
引用文献5に示すように、この機能をピンの中に備えた場合は、副位置決め手段30の内部構造が更に複雑化して、部品点数が増え、結果的に剛性が低くなってしまう。このため、ピンの外径を大きくせざるを得ない。
しかしながら、第1実施例では摺動フランジ部34bをテーパリング32の下方に位置するように構成されている。摺動フランジ部34bはテーパ突起部34aよりも径を大きく取れることで、摺動面34cを広くすることができ、剛性を高くすることが可能である。よって、副位置決め穴17に挿入される副位置決め手段30の先端部分の剛性を下げることなく平行移動が可能となる。
この結果、副位置決め手段30の副位置決め穴17への挿入部分の径を縮小することが可能となる。よって、主位置決め穴16及び副位置決め穴17にφ6mm、又はφ8mm等の小径のノック穴を採用することが可能である。
(1−1)(1)に記載の発明と対応し、基準面11a上に備えられた主位置決め手段20と副位置決め手段30とを、ワーク15に形成された主位置決め穴16及び副位置決め穴17に差し込み、ワーク15の位置を決めるワーク15の位置決め方法において、主位置決め手段20は、主位置決め穴16に挿入される、外周が円形状の挿入シャフト21及びテーパリング22を備え、副位置決め手段30は、主位置決め手段20と副位置決め手段30とを結ぶ中心直線CLと平行な摺動保持面36eが少なくとも対向して2面形成されたベース下部ブロック36と、ベース下部ブロック36の摺動保持面36eに対応し、中心直線CLと平行に形成された摺動面34cを備える摺動フランジ部34bと、摺動フランジ部34bの上部に備えられ、副位置決め穴17に差し込まれる、外周が円形状の挿入シャフト31及びテーパリング32と、を備え、ワーク15を位置決めする際に、主位置決め手段20の挿入シャフト21及びテーパリング22が、主位置決め穴16に挿入されると共に、副位置決め手段30の摺動フランジ部34bが、摺動保持面36eにガイドされて中心直線CL上を移動し、主位置決め穴16と副位置決め穴17とのピッチ誤差を吸収して挿入シャフト31及びテーパリング32が副位置決め穴17に挿入される。
また副位置決め手段30の副位置決め挿入部の内部にスライド機構を備えないため、内部構造が単純になり、剛性を維持したまま小径の挿入部を実現することが可能となる。
主位置決め手段20及び副位置決め手段30に、各位置決め穴に対する内径把持機能を付加することで、位置決め精度を上げることが可能である。
通常、位置決めピンに対して位置決め穴は、作業性を良くするために当接隙間を大きくしてクリアランスを設ける。したがって、φ10程度の穴でも数十μm程度のクリアランスが設けられており、このクリアランスによって、位置決めピンに対してワーク15に備える位置決め穴の抜き差しを容易にできる。
次に、第2実施例の構成を説明する。
第2実施例の位置決め装置10は、第1実施例の位置決め装置10と主位置決め手段20及び副位置決め手段30の内部の構造が異なるが、その他の構成は同様である。
よって、主位置決め手段20及び副位置決め手段30の構成について以下に説明する。まず、主位置決め手段20の構成から説明する。
図9(a)に、第2実施例の主位置決め手段20の上面視図を示す。図9(b)に、主位置決め手段20の図1の矢視Aに対応した断面図を示す。
主位置決め手段20は、挿入キャップ部材A21、内径把持ボールA22、ベースブロックA24、ピストンA25、テーパシャフトA27等からなる。このうち、主位置決め挿入部に相当するのが挿入キャップ部材A21である。
内径把持ボールA22は、ワーク15の主位置決め穴16内壁面と接する部品であり、挿入キャップ部材A21のボール孔A21cを、テーパシャフトA27の昇降に従って挿入キャップ部材A21の径方向に移動する。
ベースブロックA24のベース嵌合部A24bの内面に円筒摺動面A24cが形成されており、内部をピストンA25が摺動する。ピストンA25の外周には摺動及びシールの目的でOリングが備えられている。
ピストンA25には、ピストン蓋体A26が螺合されている。ピストン蓋体A26の上面には、加圧バネA28の一端が当接しており、加圧バネA28の他端はテーパシャフトA27の下面に当接している。ピストン蓋体A26の外周であって、ピストンA25の内面との当接部分にはOリングが設けられており、基準ブロック11に形成される第1給油流路11bから供給される油が侵入しないような構造になっている。
フランジ部A27bは、ピストンA25に形成された鍔に引っかけられるように形成されており、加圧バネA28に下部から押圧されて、テーパシャフトA27は、ピストンA25に連動して動作することになる。
ピストンA25は、ベースブロックA24に形成される給油流路A24dに、基準ブロック11に形成される第2供給流路11cから油が供給されると、油圧によって下降する。また、基準ブロック11に形成される第1給油流路11bから油が供給され、ピストンA25の下部に油圧がかかり、ピストンA25は上昇する。
これに伴い、テーパシャフトA27が上昇した場合、テーパシャフトA27の先端テーパ溝A27aに、内径把持ボールA22が当接しなくなり、空間ができるのでボール孔A21cを径方向に退避可能となる。
給油流路A24dに油圧がかかり、テーパシャフトA27が降下した場合、内径把持ボールA22は外周方向に移動し、ワーク15の主位置決め穴16の内面を押圧することになる。
よって、主位置決め穴16と主位置決め手段20の挿入部のクリアランスを無くすことが可能となる。
図10(a)に、第2実施例の副位置決め手段30の図10(b)に表すFF断面図を示す。図10(b)に、副位置決め手段30の図1の矢視Bに対応した断面図を示す。
副位置決め手段30は、挿入キャップ部材A31、内径把持ボールA32、ベース上部ブロックA35、ベース下部ブロックA36、及びピストンA37等からなる。
挿入キャップ部材A31は副位置決め挿入部に相当し、円形状に形成されている。また、内部にはテーパシャフトA40を保持できるシャフト穴A31dを備えている。
先端キャップ部A31aは、ワーク15の副位置決め穴17に挿入される部分であり、3カ所で内径把持ボールA32が移動するボール穴A31cが設けられている。挿入キャップ部材A31の下部にはフランジ部A31bが設けられており、ベース上部ブロックA35及びベース下部ブロックA36によって保持されている。
フランジ部A31bにはその両端面に摺動面A31eが形成されて、ベース下部ブロックA36に形成された摺動保持面A36eと摺動する。
内径把持ボールA32は、ワーク15の副位置決め穴17内壁面と接する部品であり、挿入キャップ部材A31のボール穴A31cを、テーパシャフトA40の昇降にしたがって挿入キャップ部材A31の径方向に移動する。内径把持ボールA32は内径把持部材に相当する。
ベース上部ブロックA35には嵌合凹部A35aが形成され、ベース下部ブロックA36には嵌合突起A36aが形成されている。嵌合凹部A35aに嵌合突起A36aが挿入されることで、嵌合位置決めがなされる。
ベース下部ブロックA36には、ベース嵌合部A36bが形成され、基準ブロック11に形成された嵌合孔に、ベース嵌合部A36bが挿入されて位置決めされる。ベース嵌合部A36bの内面には円筒摺動面A36cが形成されており、ピストンA37が摺動する。ピストンA37の外周には摺動及びシール目的のOリングが備えられている。
また、ベース下部ブロックA36の上部に形成される嵌合突起A36aには、対向する摺動保持面A36eが2面形成された保持溝A36fが形成されている。この摺動保持面A36eは、第1平滑面に相当し、主位置決め手段20と副位置決め手段30のそれぞれの中心を結ぶ中心直線CLと平行に形成されている。
また、ベース下部ブロックA36の保持溝A36fに挿入キャップ部材A31のフランジ部A31bが配設され、その上部からベース上部ブロックA35を固定することで、ベース上部ブロックA35及びベース下部ブロックA36で挿入キャップ部材A31のフランジ部A31bを保持することができる。
ピストンA37には、ピストン蓋体A38が螺合されている。ピストン蓋体A38の上面には、加圧バネA39の一端が当接しており、加圧バネA39の他端はテーパシャフトA40の下面に当接している。ピストン蓋体A38の外周であって、ピストンA37の内面との当接部分にはOリングが設けられており、基準ブロック11に形成される第1給油流路11bから供給される油が侵入しないような構造になっている。
フランジ部A40bは、ピストンA37に形成された鍔に引っかけられるように形成されており、加圧バネA39に下部から押圧されて、テーパシャフトA40は、ピストンA37に連動して動作することになる。
テーパシャフトA40のフランジ部A40bの周囲は、テーパシャフトA40が水平方向に移動可能にクリアランスが設けられているので、テーパシャフトA40は挿入キャップ部材A31の動作にしたがって、移動可能となる。
よって、副位置決め穴17と副位置決め手段30の挿入部のクリアランスを無くすことになり、このような副位置決め手段30の拡縮動作により、ワーク15の高精度な位置決めが可能になる。
また、副位置決め手段30には摺動面A31e及び摺動保持面A36eが備えられているため、副位置決め手段30の副位置決め挿入部となるテーパ突起部材A34は、主位置決め手段20の方向に平行移動させることが可能である。
基本的には、第2実施例の効果は第1実施例と同様であり、第2実施例の位置決め装置10を用いることで、主位置決め手段20を中心にワーク15が精度良く位置決めされる。副位置決め手段30が中心直線CLにそってアジャストすることで、θ方向のズレを矯正することが可能となるためである。
そして、ワーク15の加工穴18が主位置決め穴16を基準に設計されていれば、位置決め装置10の主位置決め手段20を基準として、副位置決め手段30によってθ方向のズレを規正できるため、ワーク15に精度良く加工穴18の加工が可能となる。
(2−1)(1)に記載の発明と対応し、基準面11a上に備えられた主位置決め手段20と副位置決め手段30とを、ワーク15に形成された主位置決め穴16及び副位置決め穴17に差し込み、ワーク15の位置を決めるワーク15の位置決め方法において、主位置決め手段20は、主位置決め穴16に挿入される、外周が円形状の挿入キャップ部材A21を備え、副位置決め手段30は、主位置決め手段20と副位置決め手段30とを結ぶ中心直線CLと平行な摺動保持面A36eが少なくとも対向して2面形成されたベース下部ブロックA36と、ベース下部ブロックA36の摺動保持面A36eに対応し、中心直線CLと平行に形成された摺動面A31eを備えるフランジ部A31bと、フランジ部A31bの上部に備えられ、副位置決め穴17に差し込まれる、外周が円形状の挿入キャップ部材A31と、を備え、ワーク15を位置決めする際に、主位置決め手段20の挿入キャップ部材A21が、主位置決め穴16に挿入されると共に、副位置決め手段30のフランジ部A31bが、摺動保持面A36eにガイドされて中心直線CL上を移動し、主位置決め穴16と副位置決め穴17とのピッチ誤差を吸収して挿入キャップ部材A31が副位置決め穴17に挿入される。
また副位置決め手段30の副位置決め挿入部の内部にスライド機構を備えないため、内部構造が単純になり、剛性を維持したまま小径の挿入部を実現することが可能となる。
主位置決め手段20及び副位置決め手段30に、各位置決め穴に対する内径把持機能を付加することで、位置決め精度を上げることが可能である。
通常、位置決めピンに対して位置決め穴は、作業性を良くするために当接隙間を大きくしてクリアランスを設ける。したがって、φ10程度の穴でも数十μm程度のクリアランスが設けられており、このクリアランスによって、位置決めピンに対してワーク15に備える位置決め穴の抜き差しを容易にできる。
次に、第3実施例の構成を説明する。
第3実施例の位置決め装置10は、第2実施例の位置決め装置10と副位置決め手段30が異なる以外は、同じ構成である。すなわち第2実施例の副位置決め手段30の変形例を第3実施例に示している。よって、副位置決め手段30の構成ついて説明を行う。
図11(a)に、第3実施例の副位置決め手段30の図11(b)に表すFF断面図を示す。図11(b)に、副位置決め手段30の図1の矢視Bに対応する断面図を示す。
副位置決め手段30は、挿入キャップ部材B31、内径把持ボールB32、ベース上部ブロックB35、ベース下部ブロックB36、及びピストンB37等からなる。
挿入キャップ部材B31は、挿入キャップ部材A31に対応する部材であり、円筒状に形成され、内部には拡縮ボールB40を保持できるボール穴B31dを備えている。先端キャップ部B31aはワーク15の副位置決め穴17に挿入される部分であり、3カ所に内径把持ボールB32が移動するボール穴B31cが設けられている。挿入キャップ部材B31の下部にはフランジ部B31bが設けられており、ベース上部ブロックB35及びベース下部ブロックB36によって保持されている。
フランジ部B31bにはその両端面に摺動面B31eが形成されていて、ベース下部ブロックB36に形成された摺動保持面B36eと摺動する。
内径把持ボールB32は、ワーク15の副位置決め穴17内壁面と接する部品であり、挿入キャップ部材B31のボール穴B31cを、拡縮ボールB40の昇降にしたがって挿入キャップ部材B31の径方向に移動する。
なお、図11(b)には2つ内径把持ボールB32が描かれているが、実際には、内径把持ボールB32は副位置決め手段30に3つ備えられている。
ベース下部ブロックB36には、ベース嵌合部B36bが形成され、基準ブロック11に形成された嵌合孔に、ベース嵌合部B36bが挿入されて位置決めされる。ベース嵌合部B36bの内面には円筒摺動面B36cが形成されており、ピストンB37が摺動する。ピストンB37の外周には摺動及びシール目的のOリングが備えられている。
また、ベース下部ブロックB36の上部に形成される嵌合突起B36aには、対向する摺動保持面B36eが2面形成された保持溝B36fが形成されている。この摺動保持面B36eは、主位置決め手段20と副位置決め手段30のそれぞれの中心を結ぶ中心直線CLと平行に形成されている。
また、ベース下部ブロックB36の保持溝B36fに挿入キャップ部材B31のフランジ部B31bが配設され、その上部からベース上部ブロックB35を固定することで、ベース上部ブロックB35及びベース下部ブロックB36で挿入キャップ部材B31のフランジ部B31bを保持することができる。
ピストンB37には、ボール押圧部B37aとピストン摺動部B37bが形成されている。ボール押圧部B37aは、その上面に拡縮ボールB40が当接し、ピストンB37が昇降することで、拡縮ボールB40を昇降させる。ピストン摺動部B37bは円筒摺動面B36cと摺動し、外周面にシール及び摺動の目的でOリングが備えられている。
拡縮ボールB40の上面には、加圧バネB39の一端が当接し、加圧バネB39の他端は挿入キャップ部材B31のボール穴B31d内面に当接しており、加圧バネB39は拡縮ボールB40を下方に付勢している。
また、副位置決め手段30には摺動面B31e及び摺動保持面B36eが備えられているため、副位置決め手段30の副位置決め挿入部となる挿入キャップ部材B31は、主位置決め手段20の方向に平行移動させることが可能である。
また、第1給油流路11bから油が供給されることで、ピストンB37の下部から油圧がかかり、ピストンB37は上昇する。これに伴い、拡縮ボールB40も上昇下降の動作をし、拡縮ボールB40の外表面に当接する内径把持ボールB32がボール穴B31cを径方向に移動する。したがってピストンB37の上昇に伴って、内径把持ボールB32は挿入キャップ部材B31の外周方向に移動し、ワーク15の副位置決め穴17の内壁面を押圧することになる。
こうして、副位置決め手段30の先端部に備えられる内径把持ボールB32が外径方向に移動し、ワーク15の副位置決め穴17の内面を押圧することで、ワーク15の正確な位置決めが可能となる。つまり、第2実施例と同等の効果を奏する。
ただし、第2実施例の場合よりも構造が単純な分、製作コストを下げることが可能となる。
(3−1)(1)に記載の発明と対応し、基準面11a上に備えられた主位置決め手段20と副位置決め手段30とを、ワーク15に形成された主位置決め穴16及び副位置決め穴17に差し込み、ワーク15の位置を決めるワーク15の位置決め方法において、主位置決め手段20は、主位置決め穴16に挿入される、外周が円形状の挿入キャップ部材A21を備え、副位置決め手段30は、主位置決め手段20と副位置決め手段30とを結ぶ中心直線CLと平行な摺動保持面B36eが少なくとも対向して2面形成されたベース下部ブロックB36と、ベース下部ブロックB36の摺動保持面B36eに対応し、中心直線CLと平行に形成された摺動面B31eを備えるフランジ部B31bと、フランジ部B31bの上部に備えられ、副位置決め穴17に差し込まれる、外周が円形状の挿入キャップ部材B31と、を備え、ワーク15を位置決めする際に、主位置決め手段20の挿入キャップ部材A21が、主位置決め穴16に挿入されると共に、副位置決め手段30のフランジ部B31bが、摺動保持面B36eにガイドされて中心直線CL上を移動し、主位置決め穴16と副位置決め穴17とのピッチ誤差を吸収して挿入キャップ部材B31が副位置決め穴17に挿入される。
また副位置決め手段30の副位置決め挿入部の内部にスライド機構を備えないため、内部構造が単純になり、剛性を維持したまま小径の挿入部を実現することが可能となる。
主位置決め手段20及び副位置決め手段30に、各位置決め穴に対する内径把持機能を付加することで、位置決め精度を上げることが可能である。
通常、位置決めピンに対して位置決め穴は、作業性を良くするために当接隙間を大きくしてクリアランスを設ける。したがって、φ10程度の穴でも数十μm程度のクリアランスが設けられており、このクリアランスによって、位置決めピンに対してワーク15に備える位置決め穴の抜き差しを容易にできる。
次に、第4実施例の構成を説明する。
第4実施例の位置決め装置10は、第1実施例の位置決め装置10と主位置決め手段20及び副位置決め手段30の構造が異なるが、その他の構成は同じである。
よって、主位置決め手段20及び副位置決め手段30の構成について以下に説明を行う。まず、主位置決め手段20の構成から説明する。
図12(a)は、主位置決め手段20の図12(b)に示すHH断面図である。図12(b)は、主位置決め手段20の図1の矢視Aに対応する断面図である。
主位置決め手段20は、テーパシャフトピストンC21、拡縮グリッパC22、ベース上部ブロックC24、ベース下部ブロックC25等からなる。
拡縮グリッパC22は、内径把持部材及び主位置決め挿入部に相当し、テーパシャフトピストンC21のテーパ部C21a及びシャフト部C21bの外周面の接する部品であり、グリップ部C22aとフランジ部C22bが形成されている。
ベース上部ブロックC24には嵌合凹部C24aが形成され、ベース下部ブロックC25に形成された嵌合突起C25aが挿入されて嵌合位置決めする。これらがベースブロック部材に相当する。
ベース上部ブロックC24は、ベース下部ブロックC25と共に拡縮グリッパC22のフランジ部C22bを保持している。ベース上部ブロックC24の上部にはシール部材C41を備えており、外部から埃等が入ることを防いでいる。
また、基準ブロック11に形成される第2供給流路11cから供給される油によって、テーパシャフトピストンC21を下降させるために、ベース下部ブロックC25には給油流路C25dが形成されている。
ピストン部C21cは、基準ブロック11に形成される第2供給流路11cから油が供給され、ベース下部ブロックC25に形成される給油流路C25dに油圧がかかることで下降する。また、基準ブロック11に形成される第1給油流路11bより油が供給されることで、ピストン部C21cの下部に油圧がかかり、ピストン部C21cは上昇する。これに伴い、テーパ部C21aが上昇降下の動作をし、テーパ部C21a及びシャフト部C21b外周面に当接する拡縮グリッパC22を径方向に拡縮する。
給油流路C25dに油圧がかかり、テーパ部C21aが降下した場合、拡縮グリッパC22は外周方向に拡大し、ワーク15の主位置決め穴16の内面を押圧することになる。
よって、主位置決め穴16と主位置決め手段20の挿入部のクリアランスを無くすことになり、このような主位置決め手段20の拡縮動作により、ワーク15の高精度な位置決めが可能となる。
図13(a)に、第4実施例の副位置決め手段30の図13(b)に示すII断面図を示す。図13(b)に、副位置決め手段30の図1の矢視Bに対応した断面図を示す。
副位置決め手段30は、テーパシャフトC31、拡縮グリッパC32、ベース上部ブロックC35、ベース下部ブロックC36、ピストンC37等からなる。
テーパシャフトC31は、径調整部に相当し、テーパ部C31aとシャフト部C31bとからなる。テーパ部C31aは、円柱状のシャフト部C31bの一端の径を徐々に拡大させて形成されており、シャフト部C21bと接続された逆円錐状の形状をしている。シャフト部C21bの他端には、螺子が切られており、フランジC40が螺合されている。
拡縮グリッパC22は、内径把持部材及び主位置決め挿入部に相当し、テーパシャフトC31のテーパ部C31a及びシャフト部C31bの外周面と接する部品であり、グリップ部C32aとフランジ部C32bが形成されている。
拡縮グリッパC32は、テーパシャフトC31が昇降するにしたがって、拡縮が可能なように3分割されている。そして、拡縮グリッパC32の中央よりにリングC33が設けられて、テーパシャフトC31のテーパ部C31aの外周面に接するように保持されている。
スライドフランジC34は、拡縮グリッパC32のフランジ部C32bの上面を押さえ、ベース上部ブロックC35に形成されたスライド溝C35aを摺動する部品である。スライドフランジC34の内側には拡縮グリッパC32のフランジ部C32bが径方向に移動可能な拡縮用溝C34aが形成されている。スライドフランジC34の外面には対向する2面の摺動面C34bが形成されている。摺動面C34bは第2平滑面に相当する。拡縮用溝C34aの深さは、フランジ部C32bが軽く摺動可能に、フランジ部C32bよりも若干深めに形成されている。
ベース上部ブロックC35の上部にはシール部材41を備えており、油の飛散の防止を行うと共に、外部から埃等が入ることを防いでいる。
ベース下部ブロックC36には、ベース嵌合部C36bが形成されて基準ブロック11に形成された嵌合孔に挿入されて位置決めされる。ベース嵌合部C36bの内面には円筒摺動面C36cが形成され、ピストンC37が摺動する。
また、基準ブロック11に形成される第2供給流路11cから供給される油によって、ピストンC37を下降させるために、ベース下部ブロックC36には給油流路C36dが形成されている。ベース上部ブロックC35及びベース下部ブロックC36がベースブロック部材に相当する。
ピストン蓋体C38の上面側には加圧バネC39の一端が当接し、加圧バネC39の他端はテーパシャフトC31に螺合されたフランジC40の下面に当接している。
ピストンC37は、基準ブロック11に形成される第2供給流路11cから油が供給され、ベース下部ブロックC36に形成される給油流路C36dに油圧がかかることで、降下する。また、基準ブロック11に形成される第1給油流路11bより油が供給されることで、ピストンC37及びピストン蓋体C38の下面に油圧がかかり、ピストンC37は上昇する。
ピストンC37の上昇に伴い、テーパシャフトピストンC21が上昇下降の動作をし、テーパ部C31a及びシャフト部C31bの外周面にと当接する拡縮グリッパC32は径方向に拡縮する。
よって、副位置決め穴17と主位置決め手段20の挿入部のクリアランスを無くすことが可能となる。
また、副位置決め手段30には摺動面C34b及び摺動保持面C35cが備えられているため、副位置決め手段30の副位置決め挿入部となる拡縮グリッパC32を、主位置決め手段20の方向に平行移動させることが可能である。
基本的には第4実施例の効果は第1実施例と同様であり、第4実施例の位置決め装置10を用いることで、主位置決め手段20を中心にワーク15が精度良く位置決めされる。副位置決め手段30が中心直線CLにそってアジャストすることで、θ方向のズレを矯正することが可能となるためである。
そして、ワーク15の加工穴18が主位置決め穴16を基準に設計されていれば、位置決め装置10の主位置決め手段20を基準として、副位置決め手段30によってθ方向のズレを規正できるため、ワーク15に精度良く加工穴18の加工が可能となる。
また、グリップ部C22aが副位置決め穴17に対して線あたりになるので、副位置決め穴17にダメージを与えることがない。よって、ワーク15に対して大きな力で押し付けることができ、ワーク15の重量が大きい場合にも確実に位置決めが可能となる。
(4−1)(1)に記載の発明と対応し、基準面11a上に突出させた主位置決め手段20と副位置決め手段30とを備え、ワーク15に形成された主位置決め穴16に主位置決め手段20を、ワーク15に形成された副位置決め穴17に副位置決め手段30を差し込み、ワーク15の位置を決めるワーク15の位置決め方法において、主位置決め手段20は、主位置決め穴16に挿入される、外周が円形状の拡縮グリッパC22を備え、副位置決め手段30は、主位置決め手段20と副位置決め手段30とを結ぶ中心直線CLと平行な摺動保持面C35cが少なくとも対向して2面形成されたベース上部ブロックC35と、ベース上部ブロックC35の摺動保持面C35cに対応し、中心直線CLと平行な摺動面C34bが形成されるスライドフランジC34と、スライドフランジC34の上部に備えられ、副位置決め穴17に差し込まれる、外周が円形状の拡縮グリッパC32と、を備え、ワーク15を位置決めする際に、主位置決め手段20の拡縮グリッパC22が、主位置決め穴16に挿入されると共に、副位置決め手段30のスライドフランジC34が、摺動保持面C35cにガイドされて中心直線CL上を移動し、主位置決め穴16と副位置決め穴17とのピッチ誤差を吸収して拡縮グリッパC32が副位置決め穴17に挿入される。
また副位置決め手段30の拡縮グリッパC32の内部にスライド機構を備えないため、内部構造が単純になり、剛性を維持したまま小径の挿入部を実現することが可能となる。
主位置決め手段20及び副位置決め手段30に、各位置決め穴に対する内径把持機能を付加することで、位置決め精度を上げることが可能である。
次に、第5実施例の構成を説明する。
第5実施例の位置決め装置10は、第1実施例の位置決め装置10とほぼ同じ構成である。以下に構成の異なる部分について説明を行う。
図14(a)に、第5実施例の主位置決め手段20の上面視図を示す。図14(b)に、主位置決め手段20の図1の矢視Aに対応した断面図を示す。
主位置決め手段20は、挿入シャフトD21、テーパリングD22、ベースブロックD24、ピストンD25、スペーサブロックD27等からなる。
挿入シャフトD21は、先端部分D21aとシャフト部分D21bからなり、台形断面の先端部分D21aと同軸にシャフト部分D21bが形成されている。
テーパリングD22は挿入シャフトD21の先端部分D21aの下部に取り付けられているC型断面のテーパの付いた円筒状の部品である。このため、テーパリングD22は径方向に拡縮することができる。
挿入シャフトD21及びテーパリングD22は、主位置決め挿入部に相当する。
ブロック嵌合部D24bの外周にはシールの目的でOリングが設けられている。ブロック嵌合部D24bの内面に円筒摺動面D24cが形成されており、内部をピストンD25が摺動する。ピストンD25外周には、摺動及びシールの目的でOリングが備えられている。
ベースブロックD24には給油流路D24dとエア供給流路D24eが形成されている。給油流路D24dはピストンD25を下降させるために設けられ、エア供給流路D24eは挿入シャフトD21をパージするために設けられている。
ベースブロックD24に形成される給油流路D24dに油が供給されると、ピストンD25の上面に油圧がかかり、ピストンD25は円筒摺動面D24cに沿って降下する。また、スペーサブロックD27に形成される第1給油流路D27bに油が供給されると、ピストン25下面に油圧がかかり、ピストンD25は円筒摺動面D24cに沿って上昇する。
ピストンD25には、加圧バネD26の一端が当接し、他端がベースブロックD24の内面に当接している。
そして基準ブロック11に固定され、第1給油流路D27bは第1給油流路11bに接続され、第2給油流路D27cは第2供給流路11cに接続され、エア供給流路D27dはエア供給流路11dに接続されている。第2給油流路D27cは、給油流路D24dに接続されており、エア供給流路D27dはエア供給流路D24eに接続されている。
スペーサブロックD27には図示されていないが、基準ブロック11との接続部分に適宜位置決め手段を用いている。
挿入シャフトD21が降下すると、挿入シャフトD21に接続されるテーパリングD22も下方に移動し、その結果、テーパ突起D24aの外周面と当接しながらテーパリングD22の径は拡大する。
一方、基準ブロック11に形成される第1給油流路11bから油が供給されると、第1給油流路D27bを通過して、ピストンD25の下面に油圧がかかるため、ピストンD25は上昇する。これに伴い、ピストンD25に接続される挿入シャフトD21も上昇することになる。
この結果、ピンD23は挿入シャフトD21の上昇によって、テーパリングD22の径が縮小することになる。
図15(a)は、第5実施例の副位置決め手段30の図15(b)に表すJJ断面図を示す。図15(b)は副位置決め手段30の図1の矢視Bに対応する断面図を表す。
副位置決め手段30は、挿入シャフトD31、テーパリングD32、ベースブロックD34、ピストンD35、スライドブロックD37、アウターブロックD38等からなる。
主位置決め手段20と副位置決め手段30は一部の部品を共通としている。挿入シャフトD21と挿入シャフトD31、テーパリングD22とテーパリングD32、ピンD23とボールD33、ベースブロックD24とベースブロックD34、ピストンD25とピストンD35、加圧バネD26と加圧バネD36は同じ機能を果たす部品であるので、説明を省略する。副位置決め手段30の挿入シャフトD31及びテーパリングD32は副位置決め挿入部に相当する。
スライドブロックD37には、中心直線CLと平行になるように第2転動面D37eが形成されており、第2転動面D37eは第2平滑面に相当する。第2転動面D37eに対応するアウターブロックD38に形成される第1転動面D38bとで形成する溝をボールD39が転動する。
スライドブロックD37には、エア供給流路D34eと接続するエア供給路D37dが形成されている。また、基準ブロック11に形成される第1給油流路11bと接続する第1給油流路D37bと、図示しないが、第2供給流路11cと接続する第2給油流路D37cが形成されている。
アウターブロックD38は基準ブロック11に固定される。図示しないが、位置決めピンなどを用いて固定しても良い。
そして、アウターブロックD38にも、スライドブロックD37の第1給油流路D37b、第2給油流路D37c、エア供給路D37dを接続する流路が形成されている。
ボールD39は、スライドブロックD37がアウターブロックD38に対してスライドする際にガイドする役割を果たしている。第2転動面D37eと第1転動面D38bの形成する溝よりも、ボールD39の径は若干大きく形成されて、スライドブロックD37に対して与圧を与え、精度を出すようにすることが好ましい。
また、副位置決め手段30には第2転動面D37e及び第1転動面D38bが備えられているため、副位置決め手段30の副位置決め挿入部となる挿入シャフトD31及びテーパリングD32は、主位置決め手段20の方向に平行移動させることが可能である。
基本的には、第5実施例の効果は第1実施例と同様であり、第5実施例の位置決め装置10を用いることで、主位置決め手段20を中心にワーク15が精度良く位置決めされる。副位置決め手段30のスライドブロックD37がアウターブロックD38に対して中心直線CL上を移動することで、穴間ピッチPのピッチ誤差を吸収し、θ方向のズレを矯正することが可能となるためである。
さらに主位置決め手段20と副位置決め手段30の共通部品を増やすことで、メンテナンス性も向上させることが可能である。
(5−1)(1)に記載の発明と対応し、基準面11a上に突出させた主位置決め手段20と副位置決め手段30とを備え、ワーク15に形成された主位置決め穴16に主位置決め手段20を、ワーク15に形成された副位置決め穴17に副位置決め手段30を差し込み、ワーク15の位置を決めるワーク15の位置決め方法において、主位置決め手段20は、主位置決め穴16に挿入される、外周が円形状の挿入シャフトD21及びテーパリングD22を備え、副位置決め手段30は、主位置決め手段20と副位置決め手段30とを結ぶ中心直線CLと平行な第1転動面D38bが少なくとも対向して2面形成されたアウターブロックD38と、アウターブロックD38の第1転動面D38bに対応し、中心直線CLと平行な第2転動面D37eが形成されるスライドブロックD37と、スライドブロックD37の上部に備えられ、副位置決め穴17に差し込まれる、外周が円形状の挿入シャフトD31及びテーパリングD32と、を備え、ワーク15を位置決めする際に、主位置決め手段20の挿入シャフトD21及びテーパリングD22が、主位置決め穴16に挿入されると共に、副位置決め手段30のスライドブロックD37が、ボールD39を介して第1転動面D38bにガイドされて中心直線CL上を移動し、主位置決め穴16と副位置決め穴17とのピッチ誤差を吸収して挿入シャフトD31及びテーパリングD32が副位置決め穴17に挿入される。
また副位置決め手段30の挿入シャフトD31及びテーパリングD32の内部にスライド機構を備えないため、内部構造が単純になり、剛性を維持したまま小径の挿入部を実現することが可能となる。
主位置決め手段20及び副位置決め手段30に、各位置決め穴に対する内径把持機能を付加することで、位置決め精度を上げることが可能である。
もちろん、スライド部が副位置決め挿入部の下部に設けられているので、副位置決め挿入部の小型化にも寄与することが可能である。
次に、第6実施例の構成を説明する。
第6実施例の位置決め装置10は、第5実施例の位置決め装置10と副位置決め手段30の構成が異なる以外は同じ構成である。以下に、副位置決め手段30の構成について説明を行う。
図16(a)に、第6実施例の副位置決め手段30の図16(b)に表すKL断面図を示す。図16(b)に、副位置決め手段30の図1の矢視Bに対応する断面図を示す。
副位置決め手段30は、挿入シャフトE31、テーパリングE32、ベースブロックE34、ピストンE35、スライドブロックE37、アウター上部ブロックE38及びアウター下部ブロックE40等からなる。
第6実施例の副位置決め手段30と第5実施例の主位置決め手段20、及び副位置決め手段30は一部の部品を共通としている。挿入シャフトD21と挿入シャフトE31、テーパリングD22とテーパリングE32、ピンD23とボールE33、ベースブロックD24とベースブロックE34、ピストンD25とピストンE35、加圧バネD26と加圧バネE36は同じ機能を果たす部品であるので、説明を省略する。副位置決め手段30の挿入シャフトE31及びテーパリングE32は副位置決め挿入部に相当する。
スライドブロックE37には、中心直線CLと平行になるように対向する第1摺動面が形成されており、第2平滑面に相当する。対応するアウター上部ブロックE38に形成される第2摺動面及び、アウター下部ブロックE40の第3摺動面、及び調整ブロックE42に形成される第3摺動面がそれぞれ円柱E39と当接して摺動する。これらの摺動面は第1平滑面に相当する。
円柱E39は、第5実施例のボールD33に相当し、平滑に形成された円柱E39の表面がスライドブロックE37、アウター上部ブロックE38、アウター下部ブロックE40、調整ブロックE42に形成される各摺動面を摺動し、スライドブロックE37が滑らかに平行移動するように形成されている。なお、各摺動面は中心直線CLと平行である。
その他、スライドブロックE37には、第1給油流路E31b、図示しない第2給油流路E31c、エア供給流路E31dが形成されており、第5実施例の同名の部位と同じ働きをする。
また、副位置決め手段30にはスライドブロックE37、アウター上部ブロックE38、調整ブロックE42及び各摺動面が備えられているため、副位置決め手段30の副位置決め挿入部となる挿入シャフトE31及びテーパリングE32は、主位置決め手段20の方向に平行移動させることが可能である。
基本的には、第6実施例の効果は第1実施例と同様であり、第6実施例の位置決め装置10を用いることで、主位置決め手段20を中心にワーク15が精度良く位置決めされる。副位置決め手段30のスライドブロックE37がアウター上部ブロックE38及びアウター下部ブロックE40に対して中心直線CL上を移動することで、穴間ピッチPのピッチ誤差を吸収し、θ方向のズレを矯正することが可能となるためである。
さらに主位置決め手段20と副位置決め手段30の共通部品を増やすことで、メンテナンス性も向上させることが可能である。
第5実施例と第6実施例の違いは、スライド機構にボールD33を用いるか、円柱E39を用いるかである。
調整ブロックE42及び調整ネジE41で与圧を調整することができる構成であるために、工場出荷時でなく使用者が任意に調整を行うことができる。
(6−1)(1)に記載の発明と対応し、基準面11a上に突出させた主位置決め手段20と副位置決め手段30とを備え、ワーク15に形成された主位置決め穴16に主位置決め手段20を、ワーク15に形成された副位置決め穴17に副位置決め手段30を差し込み、ワーク15の位置を決めるワーク15の位置決め方法において、主位置決め手段20は、主位置決め穴16に挿入される、外周が円形状の挿入シャフトD21及びテーパリングD22を備え、副位置決め手段30は、主位置決め手段20と副位置決め手段30とを結ぶ中心直線CLと平行な第1平滑面が少なくとも対向して2面形成されたアウター上部ブロックE38及びアウター下部ブロックE40及び調整ブロックE42と、アウター上部ブロックE38及びアウター下部ブロックE40及び調整ブロックE42に形成される第1平滑面に対応し、中心直線CLと平行な第2平滑面が形成されるスライドブロックE37と、スライドブロックE37の上部に備えられ、副位置決め穴17に差し込まれる、外周が円形状の挿入シャフトE31及びテーパリングE32と、を備え、ワーク15を位置決めする際に、主位置決め手段20の挿入シャフトD21及びテーパリングD22が、主位置決め穴16に挿入されると共に、副位置決め手段30のスライドブロックE37が、円柱E39を介して第1平滑面にガイドされて中心直線CL上を移動し、主位置決め穴16と副位置決め穴17とのピッチ誤差を吸収して挿入シャフトE31及びテーパリングE32が副位置決め穴17に挿入される。
また副位置決め手段30の挿入シャフトE31及びテーパリングE32の内部にスライド機構を備えないため、内部構造が単純になり、剛性を維持したまま小径の挿入部を実現することが可能となる。
主位置決め手段20及び副位置決め手段30に、各位置決め穴に対する内径把持機能を付加することで、位置決め精度を上げることが可能である。
もちろん、スライド部が副位置決め挿入部の下部に設けられているので、副位置決め挿入部の小型化にも寄与することが可能である。
次に、第7実施例の構成を説明する。
第7実施例の位置決め装置10は、第5実施例の位置決め装置10と副位置決め手段30の構成が異なる以外は同じ構成である。以下に副位置決め手段30の構成について説明を行う。
図17(a)に、第7実施例の副位置決め手段30の図17(b)に表すMM断面を示す。図17(b)に、副位置決め手段30の図1の矢視Bに対応する断面図を示す。
副位置決め手段30は、挿入ブロックF31、アウターブロックF32等からなる。なお、アウターブロックF32については、第5実施例のアウターブロックD38と同じ機能を有しているので説明を省略する。
挿入ブロックF31には、第2転動面F31bが形成され、対応する第1転動面F32bとでボールF33を保持する。また、挿入ブロックF31にはエア供給流路F31dが形成されており、基準ブロック11に形成されるエア供給流路11dと連通している。エア供給流路F31dは挿入部F31aの先端にも連通しており、主位置決め穴16及び副位置決め穴17内をエアブローすることが可能である。
挿入ブロックF31の被保持部F31cには、摺動及びシールの目的でその外周面にシール材が設けられている。
基本的に第7実施例の効果は、第1実施例と比較して副位置決め手段30の拡縮機能を省いているので、その分コストダウンを図ることが可能である。そして、第7実施例の位置決め装置10を用いることで、主位置決め手段20を中心にワーク15が精度良く位置決めされる。副位置決め手段30の挿入ブロックF31がアウターブロックF32に対して中心直線CL上を移動することで、穴間ピッチPのピッチ誤差を吸収し、θ方向のズレを矯正することが可能となるためである。
(7−1)(1)に記載の発明と対応し、基準面11a上に突出させた主位置決め手段20と副位置決め手段30とを備え、ワーク15に形成された主位置決め穴16に主位置決め手段20を、ワーク15に形成された副位置決め穴17に副位置決め手段30を差し込み、ワーク15の位置を決めるワーク15の位置決め方法において、主位置決め手段20は、主位置決め穴16に挿入される、外周が円形状の挿入部F31aを備え、副位置決め手段30は、主位置決め手段20と副位置決め手段30とを結ぶ中心直線CLと平行な第1転動面F32bが少なくとも対向して2面形成されたアウターブロックF32と、アウターブロックF32の第1転動面F32bに対応し、中心直線CLと平行な第2転動面F31bが形成される挿入ブロックF31と、挿入ブロックF31の上部に備えられ、副位置決め穴17に差し込まれる、外周が円形状の挿入部F31aと、を備え、ワーク15を位置決めする際に、主位置決め手段20の挿入シャフトD21及びテーパリングD22が、主位置決め穴16に挿入されると共に、副位置決め手段30の挿入ブロックF31が、ボールF33を介して第1転動面F32bにガイドされて中心直線CL上を移動し、主位置決め穴16と副位置決め穴17とのピッチ誤差を吸収して挿入部F31aが副位置決め穴17に挿入される。
また副位置決め手段30の挿入部F31aの内部にスライド機構を備えないため、内部構造が単純になり、剛性を維持したまま小径の挿入部を実現することが可能となる。
次に、第8実施例を説明する。
第8実施例の位置決め装置10は、第1実施例の位置決め装置10と副位置決め手段30の内部の構造が異なるが、その他の構成は同様である。
よって、副位置決め手段30の構成について以下に説明する。
図18(a)に、第8実施例の副位置決め手段30の図18(b)に表すNN断面図を示す。図18(b)に、副位置決め手段30の図1に表す矢視Bに対応する断面図を示す。
副位置決め手段30は、挿入シャフトG31、テーパリングG32、ベースブロックG34、ピストンG35等からなる。
挿入シャフトG31は、先端部分G31aとシャフト部分G31bからなり、台形断面の先端部分G31aと同軸にシャフト部分G31bが形成されている。
テーパリングG32には、摺動面G32aが2面形成されている。この摺動面G32aは中心直線CLに対して平行な面であり、互いに対向する位置であって、テーパリングG32の切れ目と90度角度がずれた位置にそれぞれ形成されている。
ベースブロックG34にはテーパ突起G34aとベース嵌合部G34bが形成され、ベース嵌合部G34bで基準ブロック11に形成された嵌合穴に嵌合位置決めされる。ベース嵌合部G34bの両面には、中心直線CLと平行になる保持平滑面G34eが2面形成されている。この保持平滑面G34eは、テーパ突起G34aの外周面よりも飛び出して形成され、2面ある保持平滑面G34eはお互いに対向する。そして、保持平滑面G34eはテーパ状に下部に広がる形状でベースブロックG34に形成されている。保持平滑面G34eは摺動面G32aに当接する。
ベース嵌合部G34bの内面には円筒摺動面G34cが形成され、ピストンG35が摺動する。ピストンG35の上端には、挿入シャフトG31が螺合され、ベースブロックG34に形成される給油流路G34dに油が供給されることで、ピストンG35は下降する。
ピストンG35は、円柱状に形成されその外周面には円筒摺動面G34cと摺動可能にするとともに、シールをする目的でOリングが備えられている。
テーパリングG32が拡径すると、ワーク15に形成された副位置決め穴17の内径をテーパリングG32の外径で把持する状態となる。テーパリングG32は外側に拡径することで、副位置決め穴17と副位置決め手段30のクリアランスを無くすことが可能になる。
また、副位置決め手段30には摺動面G32a及びテーパ突起G34aが備えられているため、副位置決め手段30の副位置決め挿入部となる挿入シャフトG31及びテーパリングG32は、ワーク15の穴間ピッチPに合わせて主位置決め手段20の方向に平行移動させることが可能である。
基本的には第8実施例の効果は第1実施例と同様であり、第8実施例の位置決め装置10を用いることで、主位置決め手段20を中心にワーク15が精度良く位置決めされる。副位置決め手段30が中心直線CLにそってアジャストすることで、θ方向のズレを矯正することが可能となるためである。
そして、ワーク15の加工穴18が主位置決め穴16を基準に設計されていれば、位置決め装置10の主位置決め手段20を基準として、副位置決め手段30によってθ方向のズレを規正できるため、ワーク15に精度良く加工穴18の加工が可能となる。
すなわち平滑面がテーパリングG32に直接設けられることで、部品の小型化を図ることができ、部品点数を削減することが可能である。
特許文献5に示されるような構造の場合は、同等な機能を果たすことができるとは考えられるが、構造が複雑であり剛性が低くなることと、部品点数が増えた分だけ精度管理が困難になる。
第8実施例に示すように、テーパリングG32に平滑面を一体的に形成することで、テーパリングG32はスライド機能と拡縮機能の2つを備えることになるので、部品点数の削減を可能とするとともに、部品の小型化に貢献する。
さらに、ピンG33が中心直線CL上に設けられることで、テーパリングG32のスライドを阻害することもない。
また、スライド方向に対して左右対称のテーパリングG32なので、均一な変形が実現できるため、位置決め精度が良い。
(8−1)(7)に記載の発明と対応し、基準面11a上に備えられた主位置決め手段20と副位置決め手段30とを、ワーク15に形成された主位置決め穴16及び副位置決め穴17に差し込み、ワーク15の位置を決めるワーク15の位置決め方法において、主位置決め手段20は、主位置決め穴16に挿入される、外周が円形状の主位置決め挿入部を備え、副位置決め手段30は、主位置決め手段20と副位置決め手段30とを結ぶ中心直線CLと平行な保持平滑面G34eが対向して2面形成されたベースブロックG34と、ベースブロックG34の保持平滑面G34eに当接する摺動面G32aが内面に形成され、副位置決め穴17に差し込まれる、外周が円形状の挿入シャフトG31及びテーパリングG32と、を備え、ワークを位置決めする際に、主位置決め手段20の主位置決め挿入部が、主位置決め穴16に挿入されると共に、副位置決め手段30の挿入シャフトG31及びテーパリングG32が、保持平滑面G34eにガイドされて中心直線CL上を移動し、主位置決め穴16と副位置決め穴17とのピッチ誤差を吸収して副位置決め穴17に挿入される。
また副位置決め手段30の挿入シャフトG31及びテーパリングG32の内部にスライド機構を備えないため、内部構造が単純になり、剛性を維持したまま小径の挿入部を実現することが可能となる。
例えば、第1実施例乃至第8実施例で示す材質について、特に限定するものではなく、必要に応じて適宜変更しうる。また、それらの形状についてもその要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
11 基準ブロック
11a 基準面
12 基準シート
15 ワーク
16 主位置決め穴
17 副位置決め穴
18 加工穴
20 主位置決め手段
21 挿入シャフト
22 テーパリング
23 ピン
24 ベースブロック
25 ピストン
30 副位置決め手段
31 挿入シャフト
32 テーパリング
33 ピン
34 テーパ突起部材
34a テーパ突起部
34b 摺動フランジ部
34c 摺動面
35 ベース上部ブロック
36 ベース下部ブロック
36a 嵌合突起
36b ベース嵌合部
36c 円筒摺動面
36d 給油流路
36e 摺動保持面
36f 保持溝
37 ピストン
38 ピストン蓋体
39 加圧バネ
40 保持フランジ
41 シール部材
Claims (12)
- 基準面上に突出させた主位置決め手段と副位置決め手段とを備え、ワークに形成された主位置決め穴に前記主位置決め手段を、前記ワークに形成された副位置決め穴に前記副位置決め手段を差し込み、前記ワークの位置を決めるワークの位置決め方法において、
前記主位置決め手段は、
前記主位置決め穴に挿入される、外周が円形状の主位置決め挿入部を備え、
前記副位置決め手段は、
前記主位置決め手段と前記副位置決め手段とを結ぶ直線と平行な第1平滑面が少なくとも対向して2面形成されたベースブロック部材と、
前記ベースブロック部材の前記第1平滑面に対応し、前記直線と平行な第2平滑面が形成されるスライド部と、
前記スライド部の上部に備えられ、前記副位置決め穴に差し込まれる、外周が円形状の副位置決め挿入部と、
を備え、
前記ワークを位置決めする際に、
前記主位置決め手段の前記主位置決め挿入部が、前記主位置決め穴に挿入されると共に、
前記副位置決め手段の前記スライド部が、前記第1平滑面にガイドされて前記直線上を移動し、前記主位置決め穴と前記副位置決め穴とのピッチ誤差を吸収して、前記副位置決め挿入部が前記副位置決め穴に挿入されること
を特徴とするワークの位置決め方法。 - 請求項1に記載のワークの位置決め方法において、
前記副位置決め手段は、
前記副位置決め穴の内面に接する内径把持部材と、
前記内径把持部材に接するテーパ面を備えた径調整部と、を備え、
前記ワークの前記副位置決め穴に前記副位置決め挿入部が挿入された状態で、前記径調整部又は前記内径把持部材を前記副位置決め手段の軸方向に平行移動させることで、前記内径把持部材が、前記副位置決め穴の内面に接し、押圧することを特徴とするワークの位置決め方法。 - 請求項2に記載のワークの位置決め方法において、
前記内径把持部材は、前記副位置決め穴の内面に対して3点以上で接することを特徴とするワークの位置決め方法。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のワークの位置決め方法において、
前記第2平滑面を備える前記スライド部が、前記ベースブロック部材に配設されるスライドブロックに形成され、
前記スライドブロックに、前記副位置決め挿入部が備えられる挿入部ブロックが保持されていることを特徴とするワークの位置決め方法。 - 請求項1に記載のワークの位置決め方法において、
前記スライド部にエア供給流路が接続され、前記第1平滑面と前記第2平滑面との間への異物混入を防ぐことを特徴とするワーク位置決め方法。 - 基準面上に突出させた主位置決め手段と副位置決め手段とを備え、ワークに形成された主位置決め穴に前記主位置決め手段を、前記ワークに形成された副位置決め穴に前記副位置決め手段を差し込み、前記ワークの位置を決めるワークの位置決め方法において、
前記主位置決め手段は、
前記主位置決め穴に挿入される、外周が円形状の主位置決め挿入部を備え、
前記副位置決め手段は、
前記主位置決め手段と前記副位置決め手段とを結ぶ直線と平行な第1平滑面が対向して突起部に2面形成されたベースブロック部材と、
前記副位置決め穴に差し込まれる、外周が円形状の副位置決め挿入部と、
を備えること、
前記副位置決め挿入部は、前記ベースブロック部材の前記突起部を覆って取り付けられ、前記ベースブロック部材の前記突起部の前記第1平滑面に当接し、前記副位置決め挿入部の内面に第2平滑面が形成されること、
前記ワークを位置決めする際に、
前記主位置決め手段の前記主位置決め挿入部が、前記主位置決め穴に挿入されると共に、
前記副位置決め手段の前記副位置決め挿入部が、前記第1平滑面にガイドされて前記直線上を移動し、前記主位置決め穴と前記副位置決め穴とのピッチ誤差を吸収して、前記副位置決め挿入部が前記副位置決め穴に挿入されること
を特徴とするワークの位置決め方法。 - 基準面上に、ワークに形成された主位置決め穴に差し込まれる主位置決め手段と、前記ワークに形成された副位置決め穴に差し込まれる副位置決め手段とを備えたワークの位置決め装置において、
前記主位置決め手段は、
前記主位置決め穴に挿入される、外周が円形状の主位置決め挿入部を備え、
前記副位置決め手段は、
前記主位置決め手段と前記副位置決め手段とを結ぶ直線と平行な第1平滑面が少なくとも対向して2面形成されたベースブロック部材と、
前記ベースブロック部材の前記第1平滑面に対応し、前記直線と平行な第2平滑面を備え、前記第1平滑面にガイドされて前記直線上を移動するスライド部と、
前記スライド部の上部に備えられ、前記副位置決め穴に差し込まれる、外周が円形状の副位置決め挿入部と、
を備えることを特徴とするワークの位置決め装置。 - 請求項7に記載のワークの位置決め装置において、
前記副位置決め手段は、
前記副位置決め穴の内面に接する内径把持部材と、
前記内径把持部材に接するテーパ面を備えた径調整部と、を備え、
前記ワークの前記副位置決め穴に前記副位置決め挿入部が挿入された状態で、前記径調整部又は前記内径把持部材を前記副位置決め手段の軸方向に平行移動させることで、前記内径把持部材が、前記副位置決め穴の内面に接し、押圧することを特徴とするワークの位置決め装置。 - 請求項8に記載のワークの位置決め装置において、
前記内径把持部材は、前記副位置決め穴の内面に対して3点以上で接することを特徴とするワークの位置決め装置。 - 請求項7乃至請求項9のいずれか1つに記載のワークの位置決め装置において、
前記第2平滑面を備える前記スライド部が、前記ベースブロック部材に配設されるスライドブロックに形成され、
前記スライドブロックに、前記副位置決め挿入部が備えられる挿入部ブロックが保持されていることを特徴とするワークの位置決め装置。 - 請求項7に記載のワークの位置決め装置において、
前記スライド部にエア供給流路が接続され、前記第1平滑面と前記第2平滑面との間への異物混入を防ぐことを特徴とするワーク位置決め装置。 - 基準面上に、ワークに形成された主位置決め穴に差し込まれる主位置決め手段と、前記ワークに形成された副位置決め穴に差し込まれる副位置決め手段とを備えたワークの位置決め装置において、
前記主位置決め手段は、
前記主位置決め穴に挿入される、外周が円形状の主位置決め挿入部を備え、
前記副位置決め手段は、
前記主位置決め手段と前記副位置決め手段とを結ぶ直線と平行な第1平滑面が少なくとも対向して突起部に2面形成されたベースブロック部材と、
前記副位置決め穴に差し込まれる、外周が円形状の副位置決め挿入部と、
を備えること、
前記副位置決め挿入部は、
前記ベースブロック部材の前記突起部を覆って取り付けられ、前記ベースブロック部材の前記突起部の前記第1平滑面に当接し、前記副位置決め挿入部の内面に第2平滑面が形成され、
前記副位置決め穴に差し込まれた際に、前記第1平滑面にガイドされて前記直線上を移動可能であること、
を特徴とするワークの位置決め装置。
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