JP4799215B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4799215B2
JP4799215B2 JP2006057277A JP2006057277A JP4799215B2 JP 4799215 B2 JP4799215 B2 JP 4799215B2 JP 2006057277 A JP2006057277 A JP 2006057277A JP 2006057277 A JP2006057277 A JP 2006057277A JP 4799215 B2 JP4799215 B2 JP 4799215B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift
time
pressure
engagement element
initial
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006057277A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007232159A (ja
Inventor
克行 金中
治彦 西野
紳 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daihatsu Motor Co Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daihatsu Motor Co Ltd filed Critical Daihatsu Motor Co Ltd
Priority to JP2006057277A priority Critical patent/JP4799215B2/ja
Publication of JP2007232159A publication Critical patent/JP2007232159A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4799215B2 publication Critical patent/JP4799215B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

本発明は車両用自動変速機の変速制御装置、特にパワーオンアップシフトの変速指令時に解放側係合要素から油圧を排出し、かつ係合側係合要素に油圧を供給することで変速を行う変速制御装置に関するものである。
一般に、自動変速機はDレンジと呼ばれる自動変速モードを備えており、Dレンジでは車速やスロットル開度などの運転条件に応じて自動的に変速段を選択して走行を行なうことができる。この種の自動変速機において、パワーオン状態で低速段から高速段への変速(アップシフト)を行なうために、ある係合要素を係合させ、別の係合要素を解放することがある。この場合、解放側係合要素から係合側係合要素へのトルク伝達経路の切替を滑らかに行なうことが、変速ショックを軽減するうえで重要である。
図8は従来の変速制御装置を用いたDレンジの2速から3速へのパワーオンアップシフト時における、タービン回転数、解放側係合要素の油圧、係合側係合要素の油圧、油圧制御用ソレノイド電流の各時間変化を示す。なお、解放側のソレノイドバルブは常閉型、係合側のソレノイドバルブは常開型を用いた。
まず、運転状態が変速線図の2−3速アップシフト線を横切ると、変速指令が出力される(A点)。
変速指令が出力されると、まず解放側係合要素が解放初期圧まで減圧される。解放初期圧とは、係合要素が滑りを発生しない程度の最低油圧である。変速指令から所定時間後T2 のB点で、係合側係合要素のがた詰めのために、係合側ソレノイドバルブが短時間だけ全開状態とされる。がた詰めは、係合要素のピストンの無効ストロークを解消するための動作であり、後述する係合初期圧の供給の前に一定時間のみ実施される。がた詰め後、待機圧で保持する。
次に、C点で解放側係合要素の油圧を解放初期圧から所定時間勾配で減圧して滑りを発生させ、D点でタービン回転数の吹き上がりを検出(吹き判定)すると、タービン回転数が2速段における回転数より一定値だけ吹き上がるようにフィードバック制御する。その後、係合側係合要素に係合初期圧を供給する。係合初期圧は、係合要素が係合を開始する油圧である。
次に、解放側係合要素をフィードバック制御しながら、係合初期圧を徐々に上昇させると、E点でタービン回転数が2速段における回転数付近まで低下し、係合側係合要素がトルク容量を持つF点で、タービン回転数が2速段における回転数から所定値だけ降下する(引込み検出)。このE点からF点までの間がトルク相と呼ばれる車両加速度(出力軸トルク)が低下する領域である。F点でタービン回転数が初期の目標回転数から離れるので、解放側係合要素は待機圧まで減圧され、トルク相を抜けてフィードバック制御を終了する。一方、F点以後、係合側係合要素は、タービン回転数の降下勾配が目標値となるようにフィードバック制御され、タービン回転数が3速における回転数付近まで低下した時(G点)、解放側係合要素を完全に解放し、係合側係合要素の油圧を締結状態まで上昇させ、変速を完了する。上記のように制御することで、ダブルクラッチや空吹きを防止でき、滑らかな変速を行なうことができる。
ところで、自動変速機には個体ばらつきがあり、一定の油圧設定および一定のタイミングで変速制御を実施しても、適正な変速ができるとは限らない。
図9の(a)は不適切な変速制御の一例であり、解放側係合要素を解放する前に係合側係合要素の係合を開始するため、ダブルクラッチ状態となり、タービン回転数の一時的な吹き上がり(吹き判定)を発生させることができず、トルク相において大きな減速感が発生するという問題がある。
図9の(b)は不適切な変速制御の他の例であり、タービン回転数の吹き判定から引込み検出までの時間T1 が長く、吹き上がり状態が長く続くため、運転者に違和感を感じさせる。また、この期間は外乱に対して弱いため、ハンチング傾向になる場合が多い。
特許文献1では、パワーオンアップシフト変速指令における解放側係合要素と係合側係合要素との掛け替え制御において、解放側油圧を減圧して入力回転数を所定値高い値にフィードバック制御しつつ、係合側油圧を増圧して入力回転数を低下させ、その後、上記解放側油圧の減圧勾配を増加する制御方法が開示されている。
上記制御方法では、係合側によるクラッチ引込み後のトルク相の変速時間を短縮することで、減速感を改善できるが、入力回転数の所定値高いフィードバック期間が短縮されないので、吹き感としての違和感が改善されない。
特許文献2では、パワーオンアップシフト変速指令における解放側係合要素と係合側係合要素との掛け替え制御において、解放側係合要素の油圧の減圧タイミングを調整することで、空吹きとインターロック(ダブルクラッチ)を防止するように学習制御する技術が開示されている。
しかし、上記制御方法は、係合側係合要素への作動油圧に係わる信号を受けて設定時間後に解放側の油圧を減圧するものであり、基本的に入力回転数の吹き上がりを発生させて変速制御するものではない。また、空吹きとインターロックは二律背反する現象であるから、それらを回避するために常に解放側係合要素の油圧の減圧タイミングを調整する必要があり、頻繁な学習を必要とし、制御が不安定になるという問題がある。
特開2001−241543号公報 特開2002−89701号公報
本発明の目的は、個体ばらつきによる変速制御のバラツキを解消し、ダブルクラッチおよび空吹きを防止し、適正な変速を実施できる車両用自動変速機の変速制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、パワーオンアップシフトの変速指令時に解放側係合要素から油圧を排出し、かつ係合側係合要素に油圧を供給することで変速を行う車両用自動変速機の変速制御装置において、上記変速指令後、解放側係合要素の油圧を解放初期圧に減圧し、この解放初期圧から所定時間勾配で減圧して入力回転数の吹き判定を行い、入力回転数を所定値だけ高い回転数となるようにフィードバック制御するとともに、上記変速指令から一定時間後に係合側係合要素の油圧を係合初期圧に増圧し、入力回転数を一定量低下させて引込み検出を行う制御手段を備え、上記制御手段は、上記吹き判定から引込み検出までの実変速時間を記憶する手段と、上記吹き判定から引込み検出までの目標変速時間を記憶する手段と、上記実変速時間が目標変速時間と比較して長い場合には上記解放初期圧が高く、実変速時間が目標変速時間と比較して短い場合には上記解放初期圧が低くなるように、上記解放初期圧を更新する学習手段と、を有することを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置を提供する。
請求項2にかかる発明は、パワーオンアップシフトの変速指令時に解放側係合要素から油圧を排出し、かつ係合側係合要素に油圧を供給することで変速を行う車両用自動変速機の変速制御装置において、上記変速指令後、解放側係合要素の油圧を所定の解放初期圧に減圧し、この解放初期圧から所定時間勾配で減圧して入力回転数の吹き判定を行い、入力回転数を所定値だけ高い回転数となるようにフィードバック制御するとともに、上記変速指令後に係合側係合要素の油圧を係合初期圧に増圧し、入力回転数を一定量低下させて引込み検出を行う制御手段を備え、上記制御手段は、上記吹き判定から引込み検出までの実変速時間を記憶する手段と、上記吹き判定から引込み検出までの目標変速時間を記憶する手段と、上記実変速時間が目標変速時間と比較して長い場合には上記変速指令から係合側係合要素の増圧開始までの時間が短く、実変速時間が目標変速時間と比較して短い場合には上記変速指令から係合側係合要素の増圧開始までの時間が長くなるように、係合側係合要素の増圧開始タイミングを更新する学習手段と、を有することを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置を提供する。
第1の発明(請求項1)では、解放初期圧に着目し、変速時間が適正な時間となるように解放初期圧を学習するものである。解放初期圧とは、変速指令直後に解放側油圧を減圧し、解放側係合要素が滑りを発生しない程度の最低油圧のことである。解放初期圧が高過ぎると、解放側係合要素を解放する前に係合側係合要素の係合を開始するため、ダブルクラッチ状態となり、入力回転数の吹き判定を行えず、大きな減速感が発生する。逆に、解放初期圧が低過ぎると、入力回転数の吹き判定から引込み検出までの時間が長く、吹き状態が続くため運転者に違和感を感じさせる。
そこで、第1の発明では、実際にパワーオンアップシフトを実施したときの吹き判定から引込み検出までの実変速時間を計測し、その実変速時間と予め設定された目標変速時間とを比較する。実変速時間>目標変速時間である場合には解放初期圧が高く、実変速時間<目標変速時間である場合には解放初期圧が低くなるように、解放初期圧を更新する。なお、解放初期圧の初期設定値は必ず入力回転数の吹き上がりが発生する値に設定しておくのがよい。解放初期圧によって変速時間が変動するので、最適な変速時間になるように解放初期圧を随時更新する。このようにダブルクラッチと空吹きとを防止しながら、変速時間が目標値に一致するように解放初期値を更新することで、自動変速機の個体ばらつきを解消して最適な変速を実施することができる。
第2の発明(請求項2)では、変速指令から係合側係合要素の増圧開始までの時間(以下では制御開始遅延時間と呼ぶ)に着目して学習するものである。なお、制御開始遅延時間とは本来は変速指令から係合初期圧が出力されるまでの時間のことであるが、係合初期圧の前にがた詰め時間や待機時間(但し、これら時間は一定)がある場合には、変速指令からがた詰め開始までの時間を制御開始遅延時間としてもよい。制御開始遅延時間が短過ぎると、解放側係合要素を解放する前に係合側係合要素の係合を開始するため、ダブルクラッチ状態となり、大きな減速感が発生する。逆に、制御開始遅延時間が長過ぎると、入力回転数の吹き判定から引込み検出までの時間が長く、吹き状態が続くため運転者に違和感を感じさせる。
そこで、第2の発明では、実際にパワーオンアップシフトを実施したときの吹き判定から引込み検出までの実変速時間を計測し、その実変速時間と予め設定された目標変速時間とを比較し、実変速時間>目標変速時間である場合には制御開始遅延時間が短く、実変速時間<目標変速時間である場合には制御開始遅延時間が長くなるように、係合側係合要素の係合初期圧の出力タイミングを学習する。なお、解放初期圧は必ず入力回転数の吹きが発生する値に固定しておけばよい。このように係合側係合要素の増圧開始タイミングを更新することで、ダブルクラッチと空吹きとを防止しながら変速時間を目標値に一致させることができ、自動変速機の個体ばらつきを解消することができる。
解放初期圧または係合側係合要素の増圧開始タイミングの学習制御(更新)を、実変速時間と目標変速時間との大小関係だけで決定してもよいが、実際には所定の不感帯を設けるのがよい。すなわち、実変速時間と目標変速時間との偏差が一定範囲内の場合には、不感帯として本発明の制御を実施せず、上記偏差が一定範囲を超えた場合のみ本発明の制御を実施する方が、頻繁な学習を回避できるので好ましい。
また、解放初期圧や係合側係合要素の増圧開始タイミングを変更する場合に、学習1回当たりの変更幅を一定としてもよいし、実変速時間と目標変速時間との偏差に応じて変更幅を可変してもよい。
以上のように、第1の発明によれば、入力回転数を一旦吹き上がらせた後、引き込むことで変速を行う場合に、吹き判定から引込み検出までの実変速時間と目標変速時間とを比較し、それに応じて解放初期圧を更新するようにしたので、変速時間を目標値に一致させることができ、自動変速機の個体ばらつきを解消して最適な変速制御を実施することができる。
また、第2の発明によれば、実変速時間と目標変速時間とを比較し、それに応じて係合側係合要素の増圧開始タイミング(係合初期圧の出力タイミング)を更新するようにしたので、第1の発明と同様に、自動変速機の個体バラツキを解消して最適な変速制御を実施することができる。
以下に、本発明の実施の形態を、実施例を参照して説明する。
図1は本発明にかかる自動変速機の一例を示す。
自動変速機1は後述するように変速機構とトルクコンバータとを備えたものであり、変速機構はATコントローラ2からの指令によって任意の変速段に制御される。ATコントローラ2には、スロットル開度(アクセル開度)センサ3、車速センサ4、タービン回転数センサ5、シフトポジションセンサ6などから信号が入力される。なお、ATコントローラ2に入力される信号は上記信号に限定されるものではない。ATコントローラ2は上記入力信号に応じて後述するソレノイドバルブSOL1〜SOL3を制御している。すなわち、車両の走行状態(スロットル開度,車速,シフトポジションなど)と変速線図とによって変速段を自動的に選択し、さらにパワーオン・オフマップによってパワーオン状態またはパワーオフ状態かを判定し、それによって変速制御を実施する。
図2は自動変速機1の内部構造の一例を示す。
この自動変速機1は、トルクコンバータ20、トルクコンバータ20を介してエンジン動力が伝達される入力軸21、3個のクラッチC1〜C3、2個のブレーキB1,B2、ワンウエイクラッチF、ラビニヨウ型遊星歯車機構22、出力ギヤ23、出力軸24、差動装置25などを備えている。
遊星歯車機構22のフォワードサンギヤ22aはC1クラッチを介して入力軸21と連結されており、フォワードサンギヤ22aはB1ブレーキを介して変速機ケース26と連結されている。また、リヤサンギヤ22bはC2クラッチを介して入力軸21と連結されている。キャリヤ22cは中間軸27およびC3クラッチを介して入力軸21と連結されている。また、キャリヤ22cはB2ブレーキとキャリヤ22cの正転(エンジン回転方向)のみを許容するワンウェイクラッチFとを介して変速機ケース26に連結されている。キャリヤ22cは2種類のピニオンギヤ22d,22eを支持しており、フォワードサンギヤ22aは軸長の長いロングピニオン22dと噛み合い、リヤサンギヤ22bは軸長の短いショートピニオン22eを介してロングピニオン22dと噛み合っている。ロングピニオン22dのみと噛み合うリングギヤ22fは出力ギヤ23に結合されている。出力ギヤ23は出力軸24を介して差動装置25と接続されている。
図3はクラッチC1,C2,C3、ブレーキB1,B2およびワンウェイクラッチFの作動を示し、図から明らかなように、前進4段、後退1段の変速段を実現している。図3において、●は油圧の作用状態を示している。なお、B2ブレーキは後退時と第1速時に係合するが、第1速時に係合するのはLレンジ時のみである。
図3には第1〜第3ソレノイドバルブ(SOL1〜SOL3)の定常状態の作動も示されている。○は通電状態、×は非通電状態を示す。第1ソレノイドバルブSOL1はB1ブレーキ制御用、第2ソレノイドバルブSOL2はC2クラッチ制御用、第3ソレノイドバルブSOL3はC3クラッチ制御用とB2ブレーキ制御用とを兼ねている。第3ソレノイドバルブSOL3がC3クラッチ制御用とB2ブレーキ制御用とを兼ねる理由は、B2ブレーキはD,2レンジでは作動せず、Lレンジのエンジンブレーキ制御とRレンジの過渡制御でのみ使用されるので、Dレンジで作動されるC3クラッチと干渉しないからである。
第1〜第3ソレノイドバルブSOL1〜SOL3は微妙な油圧制御を行なう必要があるため、デューティソレノイドバルブまたはリニアソレノイドバルブが用いられる。また、この実施例では、第1ソレノイドバルブSOL1は常閉型、第2,第3ソレノイドバルブSOL2,3は常開型が用いられている。
図4に本発明にかかる学習方法の第1実施例を示す。この学習制御は解放初期圧を学習する例である。例えばDレンジの2速から3速へのパワーオンアップシフトの場合、係合側係合要素とはC3クラッチに相当し、解放側係合要素とはB1ブレーキに相当する。
学習がスタートすると、クラッチ掛け替えによるパワーオンアップシフトであるかどうかを判定し(ステップS1)、もしそうであれば実変速時間T1 を計測する(ステップS2)。実変速時間T1 とは、図5を参照すると、吹き判定(D点)から引込み検出(F点)までの時間である。
次に、実変速時間T1 と予め設定した目標変速時間との差が一定幅内に入っているか否かを判定する(ステップS3)。上記一定幅とは不感帯のことであり、もし実変速時間T1 と目標変速時間との差が不感帯内に入っている場合には、学習を行わずに終了する。
一方、実変速時間T1 と目標変速時間との差が不感帯内に入っていない場合には、実変速時間T1 と目標変速時間との差に所定のゲインKを掛け、この掛け算値を現在の解放初期圧に加算する(ステップS4)。つまり、実変速時間が目標変速時間より一定時間以上長い場合には解放初期圧が高くなるように更新し、実変速時間が目標変速時間より一定時間以上短い場合には解放初期圧が低くなるように更新する。解放初期圧を更新した後、学習を終了する。
解放初期圧の初期設定値は、必ず入力回転数の吹きが発生する値に設定しておくのがよい。複数回のパワーオンアップシフトを経験する間に解放初期値は、変速時間が目標変速時間に一致するように更新され、自動変速機の個体バラツキが解消される。そのため、走行時間を経る間にダブルクラッチや空吹きを防止でき、適正な変速を実施できるようになる。
図5は第1実施例の学習方法を用いた2速から3速への変速制御の例を示す。
この変速制御は、実変速時間T1 が目標時間より長い場合に、図5に破線で示すように解放初期圧が高くなるように更新する。逆に、実変速時間T1 が目標時間より短い場合には解放初期圧が低くなるように更新すればよい。
破線で示すように解放初期圧を高く補正した場合、吹き判定のタイミングがD’へと遅くなるため、吹き判定(D’点)から引込み検出(F点)までの変速時間もT1 ’へと短縮される。
本変速制御では、がた詰め開始(B点)から係合初期圧の出力(H点)までの時間T0 は一定であり、係合初期圧の出力は吹き判定と無関係に設定されている。また、制御開始遅延時間T2 も一定値に固定されている。つまり、変速指令(A点)から一定時間(T2 +T0 )後に係合初期圧が出力される。
上記のように解放初期圧の最適値を学習し、変速時間を目標変速時間に近づけることで、個体ばらつきを解消できる。
図6に本発明にかかる学習方法の第2実施例を示す。この学習方法は、係合側係合要素の増圧開始タイミング(係合初期圧の出力タイミング)を学習する例である。なお、以下の学習では、変速指令からがた詰め開始までの時間(制御開始遅延時間)T2 を学習しているが、がた詰めから係合初期圧の出力までの時間T0 は一定であるから、変速指令から係合初期圧の出力までの時間と定義しても実質的に同じである。
学習がスタートすると、クラッチ掛け替えによるパワーオンアップシフトであるかどうかを判定し(ステップS5)、もしそうであれば実変速時間T1 を計測する(ステップS6)。
次に、目標変速時間と実変速時間T1 との偏差δを算出し(ステップS7)、偏差δから加算量σを算出する(ステップS8)。加算量σの算出に際して、ここではマップデータを用いる。このマップデータでは、−δ1 〜δ1 との間が不感帯であり、δ>δ1 ではσがδに比例して増加し、δ<−δ1 ではσが−δに比例して増加する。
上記のようにして求めた加算量σを、現在の係合側係合要素の制御開始遅延時間T2 (図7参照)に加算する(ステップS9)。つまり、実変速時間T1 が目標変速時間より一定時間以上長い場合には、制御開始遅延時間T2 が短くなるように更新し、実変速時間T1 が目標変速時間より一定時間以上短い場合には、制御開始遅延時間T2 が長くなるように更新する。制御開始遅延時間T2 を更新した後、学習を終了する。
この場合は、解放初期圧を必ず入力回転数の吹きが発生しうる固定値に設定しておくのがよい。複数回のパワーオンアップシフトを経験する間に制御開始遅延時間T2 は、変速時間が目標変速時間に一致するように更新され、自動変速機の個体バラツキが解消されるため、適正な変速を実施できるようになる。
図7は上記学習方法の第2実施例を用いた2速から3速への変速制御の例を示す。
この変速制御では、実変速時間T1 が目標時間より長い場合に、図7に破線で示すように制御開始遅延時間T2 が短くなるように更新している。逆に、実変速時間T1 が目標変速時間より短い場合には、制御開始遅延時間T2 が長くなるように更新すればよい。
破線で示すように制御開始遅延時間をT2 ’へ短くした場合、引込み検出タイミングがF’へと早くなるため、吹き判定(D点)から引込み検出(F’点)までの変速時間がT1 ’へと短縮される。
本変速制御でも、がた詰め開始から係合初期圧の出力(H点)までの時間T0 は一定であり、係合初期圧の出力は吹き判定と無関係に設定されている。制御開始遅延時間T2 を学習するということは、変速指令から係合初期圧の出力までの時間(T2 +T0 )を学習することに等しい。
上記のように係合初期圧の出力タイミングを学習することで、変速時間T1 を目標変速時間に近づけることができ、個体ばらつきを解消できる。
上記実施例では、解放初期圧を学習する場合には計算によって解放初期圧の加算値を求め、係合側係合要素の制御開始遅延時間T2 を学習する場合にはマップによって遅延時間T2 の加算値を求めたが、いずれの方法を用いて求めてもよいし、その他の如何なる学習方法を用いてもよい。
上記実施例では、係合初期圧を出力する前にがた詰めと待機圧出力とを実施したが、例えば係合側係合要素の油圧をリニアソレノイドバルブなどによって直接制御する場合のように、指示電流に対する油圧の応答性がよい場合には、がた詰め制御を省略し、係合初期圧を即座に出力してもよい。
本発明にかかる学習制御はパワーオンアップシフトにおいて実施されるものであり、図3のような変速段を持つ自動変速機の場合には、2速から3速への変速過渡時におけるC3クラッチ(係合側係合要素)とB1ブレーキ(解放側係合要素)の掛け替え制御に限らず、3速から4速への変速過渡時におけるC2クラッチ(解放側係合要素)とB1ブレーキ(係合側係合要素)の掛け替え制御にも同様に適用できる。
本発明の自動変速機は、図2に示すような3個のクラッチC1〜C3と2個のブレーキB1,B2を有する自動変速機に限るものではない。
本発明にかかる自動変速機の一例の全体構成図である。 図1の自動変速機の変速機構を示すスケルトン図である。 図3に示す各係合要素およびソレノイドバルブの作動表である。 本発明にかかる学習制御の第1実施例のフローチャート図である。 第1実施例における2速から3速へのパワーオンアップシフト時のタービン回転数、係合要素の油圧、ソレノイド電流、および出力軸トルクの時間変化図である。 本発明にかかる学習制御の第2実施例のフローチャート図である。 第2実施例における2速から3速へのパワーオンアップシフト時のタービン回転数、係合要素の油圧、ソレノイド電流、および出力軸トルクの時間変化図である。 従来における2速から3速へのパワーオンアップシフト時のタービン回転数、係合要素の油圧、ソレノイド電流、および出力軸トルクの時間変化図である。 不適切な変速制御の例を示すタイムチャート図である。
符号の説明
C3 クラッチ(係合側係合要素)
B1 ブレーキ(解放側係合要素)
SOL1 B1ブレーキ制御用ソレノイドバルブ
SOL3 C3クラッチ制御用ソレノイドバルブ
2 ATコントローラ

Claims (2)

  1. パワーオンアップシフトの変速指令時に解放側係合要素から油圧を排出し、かつ係合側係合要素に油圧を供給することで変速を行う車両用自動変速機の変速制御装置において、
    上記変速指令後、解放側係合要素の油圧を解放初期圧に減圧し、この解放初期圧から所定時間勾配で減圧して入力回転数の吹き判定を行い、入力回転数を所定値だけ高い回転数となるようにフィードバック制御するとともに、上記変速指令から一定時間後に係合側係合要素の油圧を係合初期圧に増圧し、入力回転数を一定量低下させて引込み検出を行う制御手段を備え、
    上記制御手段は、
    上記吹き判定から引込み検出までの実変速時間を記憶する手段と、
    上記吹き判定から引込み検出までの目標変速時間を記憶する手段と、
    上記実変速時間が目標変速時間と比較して長い場合には上記解放初期圧が高く、実変速時間が目標変速時間と比較して短い場合には上記解放初期圧が低くなるように、上記解放初期圧を更新する学習手段と、
    を有することを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。
  2. パワーオンアップシフトの変速指令時に解放側係合要素から油圧を排出し、かつ係合側係合要素に油圧を供給することで変速を行う車両用自動変速機の変速制御装置において、
    上記変速指令後、解放側係合要素の油圧を所定の解放初期圧に減圧し、この解放初期圧から所定時間勾配で減圧して入力回転数の吹き判定を行い、入力回転数を所定値だけ高い回転数となるようにフィードバック制御するとともに、上記変速指令後に係合側係合要素の油圧を係合初期圧に増圧し、入力回転数を一定量低下させて引込み検出を行う制御手段を備え、
    上記制御手段は、
    上記吹き判定から引込み検出までの実変速時間を記憶する手段と、
    上記吹き判定から引込み検出までの目標変速時間を記憶する手段と、
    上記実変速時間が目標変速時間と比較して長い場合には上記変速指令から係合側係合要素の増圧開始までの時間が短く、実変速時間が目標変速時間と比較して短い場合には上記変速指令から係合側係合要素の増圧開始までの時間が長くなるように、係合側係合要素の増圧開始タイミングを更新する学習手段と、
    を有することを特徴とする車両用自動変速機の変速制御装置。
JP2006057277A 2006-03-03 2006-03-03 車両用自動変速機の変速制御装置 Expired - Fee Related JP4799215B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006057277A JP4799215B2 (ja) 2006-03-03 2006-03-03 車両用自動変速機の変速制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006057277A JP4799215B2 (ja) 2006-03-03 2006-03-03 車両用自動変速機の変速制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007232159A JP2007232159A (ja) 2007-09-13
JP4799215B2 true JP4799215B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=38552945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006057277A Expired - Fee Related JP4799215B2 (ja) 2006-03-03 2006-03-03 車両用自動変速機の変速制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4799215B2 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05203025A (ja) * 1992-01-24 1993-08-10 Jatco Corp 自動変速機の変速制御装置
JP3226123B2 (ja) * 1992-11-26 2001-11-05 マツダ株式会社 自動変速機の変速制御装置
JPH07119820A (ja) * 1993-10-20 1995-05-12 Mazda Motor Corp 自動変速機の変速制御装置
JP3525585B2 (ja) * 1995-10-26 2004-05-10 トヨタ自動車株式会社 自動変速機の変速制御装置
JP2000097330A (ja) * 1998-09-24 2000-04-04 Fuji Heavy Ind Ltd 自動変速機
JP3628228B2 (ja) * 2000-02-28 2005-03-09 ダイハツ工業株式会社 自動変速機の制御方法
JP3775497B2 (ja) * 2001-11-26 2006-05-17 ダイハツ工業株式会社 自動変速機の制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007232159A (ja) 2007-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100643076B1 (ko) 자동변속기의 변속제어장치 및 변속제어방법
JP4210681B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4770021B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2007170637A (ja) 自動変速機の制御装置
JP4691816B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4185878B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4849928B2 (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2011190894A (ja) 自動変速機の制御装置
JP4339882B2 (ja) 自動変速機のアップシフト制御装置
JP4257329B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4210680B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP2000266173A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JPH11210874A (ja) 自動変速機の制御装置
JP2005337410A (ja) 自動変速機の変速制御方法
JP4799215B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP5030925B2 (ja) 車両の制御装置
JPH09264410A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP3692980B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
US10808835B2 (en) Shift control device of vehicle
JP2008133868A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP2006316847A (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
JP4750840B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4353776B2 (ja) 自動変速機の制御方法
JP4924060B2 (ja) 自動変速機の制御装置
JP4716743B2 (ja) 自動変速機の変速制御方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110802

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees