JP4798890B2 - Copper alloy foil for laminates - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はプリント配線板用の積層板に用いる銅合金箔に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の電子回路にはプリント配線板が多く用いられる。 プリント配線板は基材となる樹脂の種類によって、ガラスエポキシ基板および紙フェノール基板を構成材料とする硬質積層板(リジット基板)と、ポリイミド基板およびポリエステル基板を構成材料とする可撓性積層板(フレキシブル基板)とに大別される。
プリント配線板の導電材としては主として銅箔が使用されているが、銅箔はその製造方法の違いにより電解銅箔と圧延銅箔に分類される。 電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造される。圧延銅箔は圧延ロールにより塑性加工して製造されるので、圧延ロールの表面形態が箔の表面に転写し、平滑な表面が得られることが特徴である。 なお、箔とは一般に100μm以下の厚さの薄板をいう。
【0003】
プリント配線板は樹脂基板と銅箔とを接着剤を用いて積層し、その後に接着剤を加熱加圧により硬化して形成される。 上記プリント配線板のうち、フレキシブル基板の樹脂基板は、従来ポリイミド樹脂フィルムおよびポリエステル樹脂フィルムが主に用いられている。 また、フレキシブル基板の導電材に用いられる銅箔としては、可撓性が良好であることから、主に圧延銅箔が用いられている。
【0004】
銅箔と樹脂との貼りあわせには、例えばエポキシ等の熱硬化性樹脂からなる接着剤が用いられ、張り合わせ後130〜170℃の温度で1〜2時間の加熱加圧して接着剤を硬化させる。 次に、銅箔をエッチングして種々の配線パターンを形成し、電子部品をハンダで接続して実装していく。 プリント配線板用の材料にはこのような高温下に繰り返して晒されるため、耐熱性が要求される。 近年は環境への配慮から鉛フリーハンダが用いられるようになったが、そのためハンダの融点が高くなり、プリント配線板には高い耐熱性が求められ、ポリエステルよりも耐熱性に優れたポリイミド樹脂が広く用いられている。
【0005】
フレキシブル基板は可撓性を持つことを特徴とし、可動部の配線に用いられる他に、電子機器内で折り曲げた状態で収納することも可能であるために、省スペース配線材料としても用いられている。 また、基板自体が薄いことから、半導体パッケージのインターポーザー用途あるいは液晶ディスプレイのICテープキャリアとしても用いられている。 これらの用途では高密度実装の要求から電子回路の配線幅と配線間隔を小さくしたファインピッチ化が進んでいる。 しかし、フレキシブル基板に広く使われているポリイミド樹脂は吸湿性があり、加熱加圧により銅箔をラミネートした後に、乾燥した状態で取り扱わないと、大気中の水分を吸湿して変形する問題がある。 このため、ポリイミド樹脂を用いたプリント配線板は、近年のファインピッチ化の要求に対して寸法安定性の課題が生じている。 また、パソコンや移動体通信等で電気信号が高周波化しているが、これに対応するため比誘電率の小さい樹脂基板が求められている。
【0006】
このようなプリント配線板に使われる樹脂基板への要求に対して、液晶ポリマーの採用が検討されている。液晶ポリマーはスーパーエンジニアリングプラスチックスのひとつであり、サーモトロピック型(熱溶融型)とリオトロピック型(溶液型)がある。 プリント配線板の用途に使われるのはサーモトロピック型である。 この型の液晶ポリマーは高強度、耐薬品性を有すると共に、吸湿性がポリイミドよりも小さく、寸法安定性に優れるといった特徴を有している。 また、液晶ポリマーは比誘電率が約3.0であり、ポリイミドの約3.5よりも小さく、高周波用途の樹脂基板に適している。 液晶ポリマーは芳香族ポリエステル系の熱可塑性樹脂であるが、耐熱性に優れており、ハンダ接続が可能である。 一方で、液晶ポリマーは融点以上に加熱することによって軟化するので、導電材である銅箔と液晶ポリマーとを加熱加圧することによって、接着剤を用いることなく熱融着で貼り合わせることが可能である。
【0007】
ところで、現在フレキシブルプリント配線板に広く用いられているポリイミド樹脂の熱膨張係数は2.7×10−5/℃であり、銅の熱膨張係数1.6×10−5/℃と異なるため、加熱時にプリント配線板の反りが生じやすい。 一方、液晶ポリマーの分子は細長い棒状であるが、長軸方向と短軸方向で熱膨張係数が異なるという特性を持つ。 この特性から、液晶ポリマーの分子配向性を制御することによって、液晶ポリマーの熱膨張係数を調節することが可能である。 液晶ポリマーの熱膨張係数を導電材である銅の熱膨張係数と一致させることで、加熱時に寸法変化の差を小さくすることができ、プリント配線板の反りが生じにくくなる。 液晶ポリマーと銅箔とを接着剤で貼り合わせることも可能ではあるが、接着剤のような熱膨張係数の異なる材料を液晶ポリマーと銅箔との間に入れることは寸法安定性を損なうことになる。 プリント配線板の寸法安定性を高く維持するには、液晶ポリマーと銅箔とを直接に貼り合わせることが好ましい。
【0008】
導電材として用いられる銅箔の素材には、純銅や少量の添加元素を含む銅合金が用いられる。 電子回路のファインピッチ化に伴って導体である銅箔が薄くなり、また回路幅が狭くなっていることから、銅箔の特性に対して、直流抵抗損失が小さく導電率が高いことが求められている。 銅は導電性に優れた材料であり、導電性が重視される上記の分野では純度99.9%以上の純銅が用いられるのが一般的である。 しかし、銅は純度を上げると強度が低下するので、銅箔が薄くなるとハンドリング性が悪くなるため、銅箔の強度が大きいことが好ましい。
また,プリント配線板用の液晶ポリマーははんだ耐熱性が求められるので,融点が250℃〜350℃と高いものが使用される。 銅箔と液晶ポリマーとを熱融着で貼り合わせるためには,液晶ポリマー融点付近での加熱処理が必要であることから,銅箔が軟化してハンドリング性が悪くなる。 このため,銅箔は300℃で1時間程度の加熱処理で軟化しないことが好ましい。 また,ファインピッチ化に伴って,エッチング性に優れた材料が求められている。 表面粗さが大きい銅箔や粗化処理で凹凸を形成した銅箔は、エッチングで回路を形成する際に、樹脂に銅が残るエッチング残が生じたり、エッチング直線性が低下して回路幅が不均一になりやすい。 このため、電子回路をファインピッチ化するためには、銅箔の表面粗さの小さいことが好ましく、粗化処理を施さない表面粗さの小さい銅箔を樹脂フィルムと貼り合わせることが望ましい。
【0009】
このような状況の中で、液晶ポリマーを積層板の樹脂基板として、導電材である銅箔を、接着剤を用いずに、熱融着で貼り合わせることが試みられている。ところが、液晶ポリマーのフィルムと圧延銅箔とを、加熱プレス機や加熱ローラーを用いて液晶ポリマーの融点以上の温度に保ちながら加圧して、熱融着で貼り合わせたところ、液晶ポリマーと純銅の圧延銅箔との接着性が悪く、剥離しやすいことが判明している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
液晶ポリマーと銅箔を貼り合わせた積層板用を実用化するためには、接着性とハンドリング性を改善することが課題である。 積層板製造時に求められるハンドリング性は製造条件によっても異なるが,銅合金箔の引張強さが大きいほど好ましいが,一般に強度と導電性は相反する関係にあり,高強度の材料ほど導電性が低下する傾向がある。 また,プリント 配線板で必要な接着強度は電子機器の製造条件や使用環境によっても異なるが、一般に180゜ピール強度が5.0N/cm以上であれば実用化が可能とされている。 本発明の目的は、液晶ポリマーとの接着性および引張強さに優れた積層板用の銅箔を提供することである。
【0011】
【課題を改善するための手段】
本発明者らは、液晶ポリマーとの接着性を、導電性の優れる純銅をベースにして、少量の添加元素を加えた銅合金で改善されることを見いだした。 具体的には、液晶ポリマーとの接着性および導電性に対する各種の添加元素の影響について研究を重ねた結果、本発明は、
(1) 添加元素の成分を重量割合にて、Snが0.01質量%〜0.5質量%を含み、残部が銅及び不可避不純物からなり、極表層の酸化層の厚さが表面から10nm以下、防錆皮膜の厚さが表面から5nm以下とすることにより、導電率が70%IACS以上であり、粗化処理を施さずに液晶ポリマーを熱融着したときに180゜ピール強度が5.0N/cm以上であることを特徴とする、積層板用の銅合金箔。
(2) 添加元素の成分を重量割合にて、Snが0.01質量%〜0.5質量%を含み、更にAl、Be、Co、Fe、Mg、Mn、Ni、P、Pb、Si、TiおよびZnの各成分の内一種以上を総量で0.005〜2.5質量%を含有し、残部を銅及び不可避不純物からなり、極表層の酸化層の厚さが表面から10nm以下、防錆皮膜の厚さが表面から5nm以下とすることにより、引張強さが500N/mm2以上、導電率が60%IACS以上であり、粗化処理を施さずに液晶ポリマーを熱融着したときに180゜ピール強度が5.0N/cm以上であることを特徴とする、積層板用の銅合金箔。
(3) 1時間の加熱を行ったときの引張強さが、加熱前の引張強さと軟化したときの引張強さの中間となる温度が300℃以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の積層板用銅合金箔。
を提供するものである。
【0012】
【発明実施の形態】
本発明において合金組成等を上記に限定した理由を述べる。
(1)Sn:Snは樹脂を製造する際に、重合を促進する触媒としての作用が働くことが知られている。このため、Snを銅に添加して合金箔とすると、液晶ポリマーとの接着性が向上することが判明した。その理由は、Snが金属と樹脂の結合を促進して、界面の結合が強化されたためと考えられる。これらの含有量が少なすぎると触媒として十分な作用をしないため、金属と樹脂の結合が十分に行われず、接着性の改善効果が小さい。プリント配線板として実用上に必要な180゜ピール強度である5.0N/cm以上を付与するには、Snの添加量が少なくとも重量比で0.01質量%以上であることが必要である。また、Snは銅中に固溶して耐熱性を改善すること、Snによる導電率への影響が小さく、少量の銀を含む銅合金箔は導電材料に適している。しかし、銅中に添加するSnの量が多くなると、導電率を低下して回路用の導電材料として適さなくなる。このため、プリント配線板の積層板用銅合金箔として適切な組成を検討した結果、重量比でSnが0.01質量%〜0.5質量%、より好ましくは0.02質量%〜0.2質量%であることが判明した。
【0013】
(2)引張強さと導電性:一般に強度と導電性は相反する関係にあり、高強度の材料ほど導電性が低下する傾向がある。従って、高い導電率を要求されるものについては、強度が劣っても導電率の高いことが必要とされるから、導電率が70%IACSと規定した。一方、引張強さが500N/mm2より小さい場合、ハンドリング等の取り扱いでしわを発生しやすいので、引張強さが高くすると、導電率が低くなり、60%IACS以下の場合では積層板用の導電材料として好ましくない。高強度でハンドリング性に優れた積層板用の銅合金箔に適する条件としては、引張強さが500N/mm2以上、導電率が60%IACS以上と定めた。
(3)Al、Be、Co、Fe、Mg、Mn、Ni、P、Pb、Si、TiおよびZn:Snは銅合金の強度を高める効果を有しているが、特にハンドリング性の点から高強度を必要とする場合は第3元素を加えることが効果的である。Al、Be、Co、Fe、Mg、Mn、Ni、P、Pb、Si、TiおよびZnはいずれも主として固溶強化により銅合金の強度を高める効果を有しており、必要に応じて1種以上の添加がなされる。その含有量が総量で0.005質量%未満であると上記の作用に所望の効果が得られず、一方で総量で2.5質量%を越える場合には導電性、ハンダ付け性、加工性を著しく劣化させる。従って、Al、Be、Co、Fe、Mg、Mn、Ni、P、Pb、Si、TiおよびZnの含有量の範囲は総量で0.005質量%〜2.5質量%と定めた。
【0014】
(4)酸化層、防錆皮膜:液晶ポリマーと銅合金の接着性は酸化層、防錆皮膜の厚さを規制することにより改善されることが判明した。 従来銅箔と樹脂との貼りあわせには、例えば図2に示すエポキシ等の熱硬化性樹脂からなる接着剤が用いられているが、エポキシ樹脂と銅合金の接着が、主にエポキシ樹脂に含まれる水酸基と銅合金上に生成する酸化物の酸素原子との水素結合によるためで、添加元素は母材と酸化膜の密着性を改善している。 しかし、図1に示すような分子式を有する液晶ポリマーでは材料表層の酸化層が厚くなると添加元素の触媒作用を阻害するため、樹脂との密着性の改善効果が得られないことが判明した。 また、箔製品の表面の酸化が進行するのを防ぐために通常ベンゾトリアゾールなどを塗布することにより防錆皮膜を表層に形成するが、この厚さが厚いと樹脂との加熱、貼り合わせの時に防錆皮膜が分解して皮膜自体が母材より剥離しやすくなるため、結果的に樹脂との密着性を低下させることになる。 本発明者らは、研究の結果、このような液晶ポリマーとの接着性の低下を防止するためには、材料表層に生成する酸化層を表面から10nm以下、かつ防錆皮膜を表面から5nm以下とすることにより更に改善されることが判った。
(5)180゜ピール強度:180゜ピール強度が小さい場合、積層板から剥離が生じる恐れがあるので、8.0N/cm以上の接着強度が必要である。
【0015】
本発明の銅合金箔は製造方法に限定されるものではなく、例えば合金めっき法による電解銅箔あるいは合金を溶解鋳造して圧延する圧延銅箔のような方法で製造できる。 以下に,溶解鋳造による製造方法を述べる。 溶融した純銅に所定量の合金元素を添加して、鋳型内に鋳造してインゴットとする。 銅合金の溶解鋳造は酸化物等の生成を抑制するため、真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で行うことが望ましい。 また原料は酸素含有量の少ない電気銅あるいは無酸素銅を用いることが望ましい。 インゴットは、熱間圧延である程度の厚さまで薄くした後、皮削りを行い、その後冷間圧延と焼鈍を繰返し行い、最後に冷間圧延を行って箔に仕上げる。 圧延上がりの材料は圧延油が付着しているので、アセトンや石油系溶剤等で脱脂処理をする。
【0016】
酸化層の厚さを低減するためには焼鈍で生じた酸化層を除去することが必要である。 例えば、酸洗で酸化層を除去するには硫酸+過酸化水素、硝酸+過酸化水素、または硫酸+過酸化水素+弗化物を用いることが好ましい。 また、防錆皮膜の厚さを低減するためには、例えば防錆剤の濃度を低減する方法があり、防錆剤にベンゾトリアゾールを用いた場合には、その濃度を5000ppm以下とすることが好ましい。
【0017】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。
銅合金の作製は、高周波真空誘導溶解炉を用いてAr雰囲気中にて高純度黒鉛製るつぼ内で主原料の無酸素銅を溶解したところへ、副原料としてスズ、アルミニウム、銅ベリリウム母合金、コバルト、銅鉄母合金、マグネシウム、マンガン、ニッケル、銅リン母合金、鉛、銅シリコン母合金、チタンおよび亜鉛から選ばれた添加元素を添加した後、鋳鉄製の鋳型内に鋳造した。この方法で厚さ30mm、幅50mm、長さ150mm、重さ約2kgの銅合金のインゴットを得た。このインゴットを900℃に加熱して、熱間圧延により厚さ8mmまで圧延して酸化スケールを除去した後、冷間圧延と熱処理とを繰り返して厚さ35μmの圧延上がりの銅合金箔を得た。
【0018】
上記の方法で得られた厚さ35μmの銅合金箔は圧延油が付着しているのでアセトン中に浸漬して油分を除去した。 これを硫酸10重量%および過酸化水素1重量%を含む水溶液に浸漬して表面の酸化層および防錆皮膜を除去した。 この銅合金箔を粗化処理を施さずに液晶ポリマーとを重ねて、温度345℃に保持した平面加熱プレス機を用いて熱融着した。 ここで液晶ポリマーは図1に示す分子式のものを使用した。
【0019】
このようにして得られた銅合金箔の「引張強さ」、「導電率」、「耐熱性」、「酸化層と防錆皮膜の厚さ」、および液晶ポリマーとの「接着強度」を以下の方法で評価した。
(1)引張強さ:引張強さは引張試験で室温における引張強さを測定した。測定試料は厚さ35μmに加工した銅箔をプレシジョンカッターを用いて幅12.7mm、長さ150mmの短冊状に切断した。 これを評点間距離50mmで、引張速度50mm/分で測定した。
(2)導電率:導電率は20℃における電気抵抗をダブルブリッジを用いた直流四端子法で求めた。測定試料は厚さ35μmの箔に加工した銅箔を幅12.7mmに切断した。 これを測定間長さ50mmの電気抵抗を測定して導電率を求めた。
(3)耐熱性:耐熱性は1時間の加熱を行ったときの室温で引張強さを測定し,加熱前の引張強さと軟化したときの引張強さの中間となるような加熱温度を軟化温度として評価した。
(4)酸化層と防錆皮膜の厚さ:オージェ電子分光分析の深さ方向分析をおこない、「酸化層の厚さ」は酸素の検出強度がバックグラウンドと同一になるまでの表面からの深さを、「防錆皮膜の厚さ」は防錆剤を構成する元素である窒素の検出強度がバックグラウンドと同一になるまでの表面からの深さをそれぞれSiO2換算で測定した。
(5)接着強度:接着強度は180゜ピール強度をJIS C 5016に記載された方法に準拠して実施した。 測定は引き剥がし導体幅を5.0mmとし、液晶ポリマーを引張試験機側に固定して、導体である銅合金箔を180゜方向に曲げて引き剥がした。
【0020】
本発明の請求項1および請求項3に関する実施例を示す。 表1は銅合金箔の組成および表2はその特性評価結果である。
実施例のNo.1〜No.4は本発明の請求項1および請求項3に関する銅合金箔の実施例である。 表2に示すように、本発明の銅合金箔は導電率が70%IACS以上であり、液晶ポリマーを熱融着したときの180゜ピール強度が5.0N/cm以上であり、高い導電性と高い接着強度を有していることがわかる。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
次に本発明の請求項2および請求項3に関する実施例を示す。 表3は銅合金箔の組成および表4はその特性評価結果である。
実施例のNo.5〜No.9は本発明の請求項2および請求項3に関する銅合金箔の実施例である。 表4に示すように、本発明の銅合金箔は導電率が60%IACS以上であり、引張強さが500N/mm2以上,液晶ポリマーを熱融着したときの180゜ピール強度が5.0N/cm以上であり、高い強度と高い接着強度を有していることがわかる。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】
表5は比較例の銅合金箔の組成および表6はその特性評価結果である。 No.10〜12は、本発明の請求項1および請求項3に関する比較例である。 No.10は本発明の合金成分を加えていない圧延銅箔である。 無酸素銅をAr雰囲気中にて溶解鋳造したインゴットを箔に加工して、液晶ポリマーと熱融着した。 素材が純銅であるので導電性が大きいが、180゜ピール強度は4.0N/cmと小さいので、ハンドリング性が悪く,プリント配線板としたときに剥離が生じる恐れがあるため実用に適さない。
【0027】
【表5】
【0028】
【表6】
【0029】
比較例のNo.11およびNo.12は、Snを添加して実施例と同様の方法で箔に加工した。 No.11はSnの濃度が少ないために,導電率が大きいが耐熱性および接着性を改善する効果が十分でない。 180゜ピール強度が小さく,積層板に加工したときの剥離する恐れがある。 一方,No.12はSnの濃度が重量比で0.5質量%を超えて添加したために、耐熱性と180゜ピール強度が高いが,導電率が70%IACS未満と低くなり,高い導電率を要するプリント配線板の導電材としては適さない。
【0030】
No.13およびNo.14は、本発明の請求項2及び請求項3関する比較例である。比較例のNo.13はSnに加えて,それぞれFeを,またNo.14はTiを添加して実施例と同様の方法で箔に加工した。 FeあるいはTiの添加量が重量比で2.5質量%を超えて添加したために、導電率が低くなり,プリント配線板の導電材としては適さない。
【0031】
比較例のNo.15は実施例のNo.2の合金箔を用いて、ベンゾトリアゾールの濃度を7000ppmに調整した水溶液中に浸漬する処理を行った。これについてピール強度を評価したところ、防錆被膜が7nmと厚くなったために180゜ピール強度が1.6N/cmと小さかった。 比較例のNo.16は、実施例のNo.2の合金箔を用いて、大気中で加熱処理することにより、酸化層の厚さを12nmに調整した。 これについてピール強度を評価したところ、180゜ピール強度が4.2N/cmと小さかった。
【0032】
【発明の効果】
本発明の液晶ポリマーを基材とするプリント配線板の積層板用に用いる銅合金箔は、高い導電性と引張強さを有し、かつ無粗化処理で基材樹脂と優れた接着性を有する。これによって、ハンドリング性に優れ,微細配線の電子回路の導電材としての用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例および比較例で使用した液晶ポリマーの分子式の説明図である。
【図2】エポキシ樹脂の一例であるビスフェノールA型エポキシ樹脂の説明図である。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a copper alloy foil used for a laminate for a printed wiring board.
[0002]
[Prior art]
Printed wiring boards are often used in electronic circuits of electronic devices. Depending on the type of resin used as the base material, the printed wiring board is composed of a rigid laminated board (rigid board) made of glass epoxy board and paper phenol board, and a flexible laminated board made of polyimide board and polyester board (rigid board). Flexible substrate).
Although copper foil is mainly used as the conductive material of the printed wiring board, copper foil is classified into electrolytic copper foil and rolled copper foil depending on the manufacturing method. The electrolytic copper foil is produced by electrolytic deposition of copper from a copper sulfate plating bath onto a titanium or stainless steel drum. Since the rolled copper foil is produced by plastic working with a rolling roll, the surface form of the rolling roll is transferred to the surface of the foil, and a smooth surface is obtained. The foil generally refers to a thin plate having a thickness of 100 μm or less.
[0003]
The printed wiring board is formed by laminating a resin substrate and a copper foil using an adhesive, and then curing the adhesive by heating and pressing. Among the printed wiring boards, conventionally, a polyimide resin film and a polyester resin film are mainly used as a resin substrate of a flexible substrate. Moreover, as copper foil used for the electrically conductive material of a flexible substrate, rolled copper foil is mainly used from flexibility.
[0004]
For bonding the copper foil and the resin, for example, an adhesive made of a thermosetting resin such as epoxy is used, and after bonding, the adhesive is cured by heating and pressing at a temperature of 130 to 170 ° C. for 1 to 2 hours. . Next, the copper foil is etched to form various wiring patterns, and the electronic components are connected by soldering and mounted. Since the material for the printed wiring board is repeatedly exposed to such a high temperature, heat resistance is required. In recent years, lead-free solder has been used for environmental considerations. However, the melting point of solder has increased, and printed circuit boards are required to have high heat resistance. Polyimide resins with better heat resistance than polyester are required. Widely used.
[0005]
A flexible substrate is characterized by having flexibility, and it can be stored in a bent state in an electronic device in addition to being used for wiring of a movable part, so it is also used as a space-saving wiring material. Yes. Further, since the substrate itself is thin, it is also used as an interposer for semiconductor packages or as an IC tape carrier for liquid crystal displays. In these applications, fine pitches are being made by reducing the wiring width and wiring interval of electronic circuits due to the demand for high-density mounting. However, the polyimide resin widely used for flexible substrates has a hygroscopic property, and if it is not handled in a dry state after laminating copper foil by heat and pressure, there is a problem that it absorbs moisture in the atmosphere and deforms. . For this reason, the printed wiring board using a polyimide resin has a problem of dimensional stability in response to the recent demand for fine pitch. In addition, electric signals are becoming higher in frequency in personal computers, mobile communications, and the like, and in order to cope with this, a resin substrate having a low relative dielectric constant is required.
[0006]
In response to the demand for such a resin substrate used for a printed wiring board, adoption of a liquid crystal polymer has been studied. The liquid crystal polymer is one of the super engineering plastics, and there are a thermotropic type (thermal melting type) and a lyotropic type (solution type). A thermotropic type is used for printed circuit boards. This type of liquid crystal polymer has characteristics such as high strength and chemical resistance, hygroscopicity smaller than polyimide, and excellent dimensional stability. Further, the liquid crystal polymer has a relative dielectric constant of about 3.0, which is smaller than about 3.5 of polyimide, and is suitable for a resin substrate for high frequency applications. The liquid crystal polymer is an aromatic polyester-based thermoplastic resin, but has excellent heat resistance and can be soldered. On the other hand, since the liquid crystal polymer softens when heated to the melting point or higher, it is possible to heat-press and bond the copper foil, which is a conductive material, and the liquid crystal polymer without using an adhesive. is there.
[0007]
By the way, the thermal expansion coefficient of the polyimide resin currently widely used for flexible printed wiring boards is 2.7 × 10 −5 / ° C., which is different from the thermal expansion coefficient 1.6 × 10 −5 / ° C. of copper. The printed wiring board is likely to warp during heating. On the other hand, although the molecules of the liquid crystal polymer are elongated rods, they have the characteristic that the coefficient of thermal expansion differs between the major axis direction and the minor axis direction. From this characteristic, it is possible to adjust the thermal expansion coefficient of the liquid crystal polymer by controlling the molecular orientation of the liquid crystal polymer. By matching the thermal expansion coefficient of the liquid crystal polymer with the thermal expansion coefficient of copper, which is a conductive material, the difference in dimensional change during heating can be reduced, and the printed wiring board is less likely to warp. Although it is possible to bond the liquid crystal polymer and copper foil with an adhesive, placing materials with different thermal expansion coefficients, such as an adhesive, between the liquid crystal polymer and the copper foil may impair dimensional stability. Become. In order to maintain high dimensional stability of the printed wiring board, it is preferable to directly bond the liquid crystal polymer and the copper foil.
[0008]
As the copper foil material used as the conductive material, pure copper or a copper alloy containing a small amount of additive elements is used. With the fine pitch of electronic circuits, the copper foil, which is a conductor, has become thinner and the circuit width has become narrower. Therefore, it is required that the resistance of the copper foil is low and the electrical conductivity is high. ing. Copper is a material having excellent conductivity, and pure copper having a purity of 99.9% or more is generally used in the above field where conductivity is important. However, since the strength of copper decreases when the purity is increased, it is preferable that the strength of the copper foil is large because the handleability deteriorates when the copper foil becomes thin.
Moreover, since the liquid crystal polymer for printed wiring boards is required to have solder heat resistance, those having a high melting point of 250 ° C. to 350 ° C. are used. In order to bond the copper foil and the liquid crystal polymer by heat fusion, heat treatment near the melting point of the liquid crystal polymer is necessary, so that the copper foil is softened and the handling property is deteriorated. For this reason, it is preferable that a copper foil is not softened by the heat processing for about 1 hour at 300 degreeC. Further, with the fine pitch, a material excellent in etching property is required. Copper foils with large surface roughness and copper foils that have been roughened by roughening treatment have etching residue that leaves copper in the resin when the circuit is formed by etching. It tends to be uneven. For this reason, in order to make an electronic circuit fine pitch, it is preferable that the surface roughness of the copper foil is small, and it is desirable that a copper foil having a small surface roughness not subjected to the roughening treatment is bonded to the resin film.
[0009]
Under such circumstances, a liquid crystal polymer as a resin substrate laminate, the copper foil as a conductive material, without using adhesives, it has been attempted to bond by thermal fusion. However, when the liquid crystal polymer film and the rolled copper foil are pressed while being kept at a temperature equal to or higher than the melting point of the liquid crystal polymer using a heating press machine or a heating roller, and bonded by heat fusion, the liquid crystal polymer and pure copper are bonded together. It has been found that the adhesiveness with the rolled copper foil is poor and it is easy to peel off.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
In order to put into practical use a laminated board in which a liquid crystal polymer and a copper foil are bonded together, it is a problem to improve the adhesion and handling properties. The handling properties required at the time of laminate production differ depending on the production conditions, but the higher the tensile strength of the copper alloy foil, the better. However, generally the strength and conductivity are in a contradictory relationship, and the higher the strength the lower the conductivity. Tend to. In addition, although the adhesive strength required for printed wiring boards varies depending on the manufacturing conditions and usage environment of electronic equipment, it is generally possible to put it to practical use when the 180 ° peel strength is 5.0 N / cm or more. An object of the present invention is to provide a copper foil for a laminate having excellent adhesion and tensile strength with a liquid crystal polymer.
[0011]
[Means for improving the problem]
The present inventors have found that the adhesiveness with the liquid crystal polymer is improved by a copper alloy based on pure copper having excellent conductivity and added with a small amount of additive elements. Specifically, as a result of repeated research on the effects of various additive elements on the adhesion and conductivity with the liquid crystal polymer, the present invention is:
(1) The component of the additive element is in a weight ratio, Sn includes 0.01% by mass to 0.5% by mass, the balance is made of copper and inevitable impurities, and the thickness of the oxide layer of the extreme surface layer is 10 nm from the surface Hereinafter, when the thickness of the rust preventive film is 5 nm or less from the surface, the conductivity is 70% IACS or more, and the 180 ° peel strength is 5 when the liquid crystal polymer is heat-sealed without performing the roughening treatment. A copper alloy foil for a laminated board, characterized by being 0.0 N / cm or more.
(2) The component of the additive element includes Sn in an amount by weight of 0.01% by mass to 0.5% by mass, and Al, Be, Co, Fe, Mg, Mn, Ni, P, Pb, Si, One or more of each component of Ti and Zn is contained in a total amount of 0.005 to 2.5% by mass, the balance is made of copper and inevitable impurities, and the thickness of the oxide layer of the extreme surface layer is 10 nm or less from the surface. When the thickness of the rust film is 5 nm or less from the surface, the tensile strength is 500 N / mm 2 or more, the electrical conductivity is 60% IACS or more, and the liquid crystal polymer is heat-sealed without being roughened. A copper alloy foil for a laminated board characterized by having a 180 ° peel strength of 5.0 N / cm or more.
(3) The temperature at which the tensile strength when heated for 1 hour is intermediate between the tensile strength before heating and the tensile strength when softened is 300 ° C. or higher (1) or The copper alloy foil for laminated boards as described in (2).
Is to provide.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The reason why the alloy composition and the like are limited to the above in the present invention will be described.
(1) Sn: It is known that Sn acts as a catalyst for promoting polymerization when a resin is produced. Therefore, whereupon the alloy foil by adding Sn to the copper, it has been found that adhesion to the liquid crystal polymer can be improved. The reason is considered to be that Sn promotes the bond between the metal and the resin, and the bond at the interface is strengthened. If the content is too small, the catalyst does not sufficiently function, so that the metal and the resin are not sufficiently bonded, and the effect of improving the adhesiveness is small. In order to provide a practically necessary 180 ° peel strength of 5.0 N / cm or more as a printed wiring board, it is necessary that the added amount of Sn is at least 0.01% by mass in weight ratio. Further, Sn is dissolved in copper to improve heat resistance, and the influence of Sn on the conductivity is small, and a copper alloy foil containing a small amount of silver is suitable for a conductive material. However, when the amount of Sn added to copper increases, the conductivity decreases and it becomes unsuitable as a conductive material for circuits. For this reason, as a result of investigating an appropriate composition as a copper alloy foil for a laminated board of a printed wiring board, Sn is 0.01% by mass to 0.5% by mass, more preferably 0.02% by mass to 0.00%. It was found to be 2% by weight.
[0013]
(2) pull ChoTsutomu and conductive: generally strength and conductivity are inversely related, electrically conductive as high strength material tends to be lowered. Therefore, for those requiring high electrical conductivity, it is necessary that the electrical conductivity be high even if the strength is inferior, so the electrical conductivity is defined as 70% IACS. On the other hand, when the tensile strength is less than 500 N / mm 2 , wrinkles are likely to occur in handling such as handling. Therefore, when the tensile strength is high, the conductivity decreases, and when the tensile strength is 60% IACS or less, It is not preferable as a conductive material. The conditions suitable for the copper alloy foil for laminates having high strength and excellent handling properties were determined such that the tensile strength was 500 N / mm 2 or more and the conductivity was 60% IACS or more.
(3) Al, Be, Co, Fe, Mg, Mn, Ni, P, Pb, Si, Ti, and Zn: Sn have the effect of increasing the strength of the copper alloy, but are particularly high in terms of handling properties. When strength is required, it is effective to add a third element. Al, Be, Co, Fe, Mg, Mn, Ni, P, Pb, Si, Ti, and Zn all have an effect of increasing the strength of the copper alloy mainly by solid solution strengthening, and one type is selected as necessary. The above addition is made. If the total amount is less than 0.005% by mass, the above effect cannot be obtained. On the other hand, if the total amount exceeds 2.5% by mass, conductivity, solderability, workability Is significantly deteriorated. Therefore, the range of the content of Al, Be, Co, Fe, Mg, Mn, Ni, P, Pb, Si, Ti and Zn is determined to be 0.005% by mass to 2.5% by mass in total.
[0014]
(4) Oxidation layer and rust preventive film: It was found that the adhesion between the liquid crystal polymer and the copper alloy was improved by regulating the thickness of the oxide layer and the rust preventive film. Conventionally, an adhesive made of a thermosetting resin such as an epoxy as shown in FIG. 2 is used for bonding the copper foil and the resin, but the adhesion between the epoxy resin and the copper alloy is mainly included in the epoxy resin. This is because the added element improves the adhesion between the base material and the oxide film because of the hydrogen bond between the hydroxyl group and the oxygen atom of the oxide generated on the copper alloy. However, in the liquid crystal polymer having a molecular formula as shown in FIG. 1, when the oxide layer on the surface layer of the material becomes thick, the catalytic action of the additive element is hindered, and it has been found that the effect of improving the adhesion with the resin cannot be obtained. In order to prevent the oxidation of the surface of the foil product, a rust preventive film is usually formed on the surface layer by applying benzotriazole or the like. If this thickness is thick, it will be prevented during heating and bonding with the resin. Since the rust film is decomposed and the film itself is easily peeled off from the base material, the adhesiveness with the resin is lowered as a result. As a result of research, the present inventors have found that, in order to prevent such a decrease in adhesion to the liquid crystal polymer, the oxide layer formed on the material surface layer is 10 nm or less from the surface, and the rust preventive film is 5 nm or less from the surface. It has been found that this can be further improved.
(5) 180 ° peel strength: When the 180 ° peel strength is small, peeling may occur from the laminate, so an adhesive strength of 8.0 N / cm or more is required.
[0015]
The copper alloy foil of the present invention is not limited to the production method, and can be produced by a method such as an electrolytic copper foil by an alloy plating method or a rolled copper foil obtained by melting and casting an alloy. The manufacturing method by melt casting is described below. A predetermined amount of alloy element is added to molten pure copper and cast into a mold to form an ingot. In order to suppress the formation of oxides and the like, it is desirable that the copper alloy melt casting be performed in a vacuum or in an inert gas atmosphere. Further, it is desirable to use electrolytic copper or oxygen-free copper having a low oxygen content as a raw material. The ingot is thinned to a certain thickness by hot rolling, and then subjected to skin cutting, then cold rolling and annealing are repeated, and finally cold rolling is performed to finish the foil. Since the rolling oil is attached to the rolled material, degreasing treatment is performed with acetone or petroleum solvent.
[0016]
In order to reduce the thickness of the oxide layer, it is necessary to remove the oxide layer generated by annealing. For example, it is preferable to use sulfuric acid + hydrogen peroxide, nitric acid + hydrogen peroxide, or sulfuric acid + hydrogen peroxide + fluoride to remove the oxide layer by pickling. Moreover, in order to reduce the thickness of a rust preventive film, there exists a method of reducing the density | concentration of a rust preventive agent, for example, and when benzotriazole is used for a rust preventive agent, the density | concentration shall be 5000 ppm or less. preferable.
[0017]
【Example】
Examples of the present invention will be described below.
The copper alloy was prepared by dissolving oxygen-free copper as the main material in a high-purity graphite crucible in an Ar atmosphere using a high-frequency vacuum induction melting furnace, and tin, aluminum, copper beryllium master alloy as an auxiliary material, After adding an additive element selected from cobalt, copper iron mother alloy, magnesium, manganese, nickel, copper phosphorus mother alloy, lead, copper silicon mother alloy, titanium and zinc, the resultant was cast in a cast iron mold. By this method, an ingot of copper alloy having a thickness of 30 mm, a width of 50 mm, a length of 150 mm, and a weight of about 2 kg was obtained. The ingot was heated to 900 ° C. and rolled to a thickness of 8 mm by hot rolling to remove the oxide scale, and then cold rolling and heat treatment were repeated to obtain a rolled copper alloy foil having a thickness of 35 μm. .
[0018]
The 35 μm-thick copper alloy foil obtained by the above method had rolling oil attached thereto, so it was immersed in acetone to remove the oil. This was immersed in an aqueous solution containing 10% by weight of sulfuric acid and 1% by weight of hydrogen peroxide to remove the oxide layer and the rust preventive film on the surface. This copper alloy foil was laminated with a liquid crystal polymer without being subjected to a roughening treatment, and was heat-sealed using a flat heating press machine maintained at a temperature of 345 ° C. Here, a liquid crystal polymer having a molecular formula shown in FIG. 1 was used.
[0019]
The "tensile strength", "conductivity", "heat resistance", "thickness of oxide layer and rust preventive film", and "adhesion strength" with the liquid crystal polymer are as follows: The method was evaluated.
(1) Tensile strength: Tensile strength was measured at room temperature in a tensile test. As a measurement sample, a copper foil processed to a thickness of 35 μm was cut into strips having a width of 12.7 mm and a length of 150 mm using a precision cutter. This was measured at a distance between scores of 50 mm and a tensile speed of 50 mm / min.
(2) Conductivity: The conductivity was determined by measuring the electric resistance at 20 ° C. by a DC four-terminal method using a double bridge. As a measurement sample, a copper foil processed into a foil having a thickness of 35 μm was cut into a width of 12.7 mm. The electrical resistance was determined by measuring the electrical resistance of 50 mm in length between measurements.
(3) Heat resistance: For heat resistance, the tensile strength is measured at room temperature when heated for 1 hour, and the heating temperature is softened so that it is intermediate between the tensile strength before heating and the tensile strength when softened. The temperature was evaluated.
(4) Thickness of oxide layer and anticorrosive film: The depth direction analysis of Auger electron spectroscopic analysis is performed, and “thickness of oxide layer” is the depth from the surface until the oxygen detection intensity becomes the same as the background. “Thickness of rust preventive film” was measured in terms of SiO 2 in terms of the depth from the surface until the detected intensity of nitrogen, which is an element constituting the rust preventive agent, becomes the same as the background.
(5) Adhesive strength: The adhesive strength was 180 ° peel strength according to the method described in JIS C 5016. In the measurement, the peeled conductor width was set to 5.0 mm, the liquid crystal polymer was fixed to the tensile tester side, and the copper alloy foil as the conductor was bent in a 180 ° direction and peeled off.
[0020]
Examples relating to Claims 1 and 3 of the present invention will be described. Table 1 shows the composition of the copper alloy foil, and Table 2 shows the results of its characteristic evaluation.
No. of an Example. 1-No. 4 is an example of a copper alloy foil according to claims 1 and 3 of the present invention. As shown in Table 2, the copper alloy foil of the present invention has a conductivity of 70% IACS or more, a 180 ° peel strength when the liquid crystal polymer is thermally fused, and a high conductivity. It can be seen that it has high adhesive strength.
[0021]
[Table 1]
[0022]
[Table 2]
[0023]
Next, the Example regarding Claim 2 and Claim 3 of this invention is shown. Table 3 shows the composition of the copper alloy foil, and Table 4 shows the result of the characteristic evaluation.
No. of an Example. 5-No. 9 is an example of a copper alloy foil according to claims 2 and 3 of the present invention. As shown in Table 4, the copper alloy foil of the present invention has a conductivity of 60% IACS or more, a tensile strength of 500 N / mm 2 or more, and a 180 ° peel strength when the liquid crystal polymer is thermally fused. It is 0 N / cm or more, and it can be seen that it has high strength and high adhesive strength.
[0024]
[Table 3]
[0025]
[Table 4]
[0026]
Table 5 shows the composition of the copper alloy foil of the comparative example, and Table 6 shows the result of the characteristic evaluation. No. Reference numerals 10 to 12 are comparative examples related to claims 1 and 3 of the present invention. No. 10 is a rolled copper foil to which the alloy component of the present invention is not added. An ingot obtained by melting and casting oxygen-free copper in an Ar atmosphere was processed into a foil, and heat-sealed with a liquid crystal polymer. Since the material is pure copper, the conductivity is large, but the 180 ° peel strength is as small as 4.0 N / cm, so that the handling property is poor, and there is a possibility of peeling when it is used as a printed wiring board.
[0027]
[Table 5]
[0028]
[Table 6]
[0029]
Comparative Example No. 11 and no. In No. 12, Sn was added and processed into a foil by the same method as in the example. No. Since No. 11 has a small Sn concentration, the conductivity is large, but the effect of improving heat resistance and adhesion is not sufficient. 180 degree peel strength is small and there is a risk of peeling when processed into a laminate. On the other hand, no. No. 12 is a printed wiring that has high heat resistance and 180 ° peel strength because Sn is added at a weight ratio exceeding 0.5 mass%, but its electrical conductivity is less than 70% IACS and requires high electrical conductivity. It is not suitable as a conductive material for plates.
[0030]
No. 13 and no. Reference numeral 14 is a comparative example related to claims 2 and 3 of the present invention. Comparative Example No. In addition to Sn, No. 13 contains Fe and No. 14 was processed into a foil by the same method as in Example with the addition of Ti. Since the addition amount of Fe or Ti exceeds 2.5 mass% in terms of weight ratio, the electrical conductivity is lowered and it is not suitable as a conductive material for a printed wiring board.
[0031]
Comparative Example No. No. 15 of the example. Using the alloy foil of No. 2, a treatment of immersing in an aqueous solution in which the concentration of benzotriazole was adjusted to 7000 ppm was performed. When the peel strength was evaluated, the rust preventive film was as thick as 7 nm, and the 180 ° peel strength was as small as 1.6 N / cm. Comparative Example No. No. 16 of the example. The thickness of the oxide layer was adjusted to 12 nm by heat-treating in air using the alloy foil of 2. When the peel strength was evaluated, the 180 ° peel strength was as small as 4.2 N / cm.
[0032]
【The invention's effect】
The copper alloy foil used for the laminate of the printed wiring board based on the liquid crystal polymer of the present invention has high conductivity and tensile strength, and has excellent adhesiveness with the base resin by no roughening treatment. Have. As a result, it has excellent handling properties and is suitable for use as a conductive material for electronic circuits with fine wiring.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram of molecular formulas of liquid crystal polymers used in Examples and Comparative Examples.
FIG. 2 is an explanatory diagram of a bisphenol A type epoxy resin which is an example of an epoxy resin.
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